ITコミュニティ創出に県が関わるようになった理由~青森県の取り組み~

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ITコミュニティ出に が関わるようになった理 〜のりみ〜

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2014年9月6日(土)、仙台で開催されたJAWS-FESTA TOHOKU2014でのプレゼン資料です。 http://jft2014.jaws-ug.jp/

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ITコミュニティ創出に県が関わるようになった理由

〜⻘森県の取り組み〜

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自己紹介【所属】⻘森県商⼯労働部新産業創造課    情報産業振興グループ(3名)

【業務担当歴】⼟地改良区の指導、在留外国⼈生活支援、りんごの中国等輸出、新幹線建設予算の陳情、風⼒発電施設のメンテナンス業務下請けマッチング、商店街振興...

⇒IT素人

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1 なぜ県がコミュニティ︖(Why)

2 どうやってきたの︖(How)

3 コミュニティ活動で分かった  役所と⺠間の新しい関係(What)

※ほぼ個人的⾒解です

AGENDA

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1.なぜ県がコミュニティ︖

Why︖

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職場のミッション

「新産業を創造せよ︕」

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私がですか︖

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(1)分からないので、個々の企業に現状

を聞いてみた

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地域課題は先進県(IT活用余地大)

でもユーザーはIT苦手

客がいない(︕︖)

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地方には仕事がない

東京しか⾒てない

横の連携がない(足は引っ張りあう)

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下請けだけでは先がない

でも部分的な仕事しかしてきてない

自社サービス作れないそもそも営業がいない

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エンジニアもつらいよ

新しい技術は覚えなきゃいけないし

スマホ等の急増でシステム負担も増えてるし

専門分野だけやっていられなくなってきたし

グローバル競争もしないといけないし

今の仕事もいつまでもらえるか分からないし

他社と差別化しないといけないし

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率直な感想

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もったいないな…

ITは地方のハンデ克服できるはず...

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(2)業界のトレンド を調べてみた

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東京一極集中 強いところ  弱いところ

・仕事がある・情報がある・技術レベルが高い・エコシステムがある

・⼈件費が高い・家賃が高い・作業が細分化されていて、全体が⾒える技術者が育ちにくい・疲れている

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変革期

•クラウド•アジャイル•モバイルファースト•震災後の地域貢献志向

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地方は変わらないといけないが、東京が絶対優位ではないのでは︖

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コミュニティ活動ってのがあるそうだ

 良いところ  悪いところ(役所的に)

・地域を超えた活動・企業より個⼈単位・誰でも参加可、オープンでフラットな組織・自主的に参加する活動

・組織がゆるい・成果が⾒えづらい・仕事とそうでない部分の線引きがあいまい・プライベートが減る(=奥さんに怒られる)

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(他の業種ではあまりない)

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(3)これまでの県事業を分析した

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例)これまでの技術者育成研修

 良いところ  悪いところ

・無料・レベル問わず・座学中心、実習少し=参加者負担少ない

・目的も戦略もないので、テーマがバラバラ・いつまでも入門編・下のレベルに合わせると、上が物足りない・ずっと受け身

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例)これまでのセミナー 良いところ  悪いところ

・無料・レベル問わず・テーマ毎回変わる・指標は参加者数

・バズワードに飛びつくだけの一貫性のないテーマ

・参加者数稼ぎのための有名⼈講師活用

・数あわせのための動員・座学だけのため「いい話聞いたぁ」で終わる

・ずっと受け身

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例)これまでの○○協議会 良いところ  悪いところ

・公式・関係者全部集めるので、外に説明しやすい・⺠間は意⾒⾔うだけ・実務は全て役所

・体裁を整えて集まることが目的化する・やりやすいメンバーだけで集まる・役所に陳情して終わり・役目終えても、解散できない

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例)これまでの××勉強会 良いところ  悪いところ

・定期的なイベント開催で、気心も知れた仲間ができた・自主的な活動に発展

・やりやすいメンバーだけで集まる(固定化)・ネタもマンネリ化・交流(飲み会)目的︖・本業忙しくなると、活動停滞

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(結論)体質改善からやり直しましょう

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2.どうやって︖

How︖

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まずミッションから整理してみた

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何のためにやっているのか︖

「情報産業の振興」 ≠「補助事業実績数」≠「イベント動員数」≠「予算獲得額」=短期的な分かりやすい成果 を求め過ぎ

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ミッション「情報産業の振興」=「IT事業者の、IT事業者による、IT事業者のための活動が活発になること」

キャッチコピー「⻘森をITビジネスで 盛り上げよう︕」

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次に個別の課題と対策の方向性を

考えてみた

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・横の連携がない/足ひっぱり ⇒ 他地域との交流⇒ コミュニティ間交流

・自社サービスが作れない ⇒ 自前主義にこだわらず、協業促進

・客がいない ⇒ 他地域・他産業交流で、顧客創造

・トレンドにのれてない ⇒ 新技術「お試し」で場数踏む

・東京との技術⼒の差

⇒ 東京にない環境を生かした開発 (顧客に近い現場での開発)⇒ 全体の流れがわかる技術者育成 (入門編よりトップランナー育成)

・単発イベント化の回避 ⇒ 目的、戦略を⽴てた継続的取組⇒ バズワードに飛びつかない

・形式化、マンネリ化の回避 ⇒ イベントの⺠間アイディア活用

具体的な課題と対策

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やろうとしたことに近い活動が、コミュニティだった

ゆるい繋がりで、柔軟性確保

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次に段取りを考えてみた

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コンセプトは農業︕まず土づくりから

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時間をかけよう【STEP1】 基盤形成期(土づくり)H25~26

【STEP2】産学官協業期(芽出し)H27~28

【STEP3】自立運営期(収穫期)H29~

【県の役割】

枠組みづくり、情報の流れ・きっかけ作り

シーズ掘り起し側面支援、マッチング

販促活動支援自主活動軌道化

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ゆるやかな枠を作って、個別テーマは部会で

データセンター

クラウド

オープンデータ

大学連携

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外からの情報が流れてくる仕組みづくり

セミナー

交流会

県外団体とのネットワーク

Facebook等での交流

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かたまりで⾒せて

小さな魚も集まれば

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ループをまわそう

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次に進めていく上での障害と対策を

考えてみた

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障害1「すぐに壁を作る」

県内だけにしろ

既存事業を守れ

身内で固まろう

既存団体を守れ

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 対策「壁を作れないようにする」

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A Rolling Stone Gathers No Mossころがる石は苔むさず

=動き続ける

【思考停止を避ける】 ⼈のせいにしない 環境のせいにしない

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1.ヨソ者、若者、⾺⿅者の参加促進   県内限定等、役所的な「〜ねばならない」を解除し、

常に新しい⼈が参加できる形にして、壁を作れない状況を作る

2.既存事業と棲み分けてチャレンジ   既存事業への影響を警戒して内に籠られないよう、

「おたくの商売の邪魔はしません」というスタンスで、新規事業を活動分野に設定

具体的には

とにかく刺激を与え続け、居つかないようにする

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既存コミュニティとの関係

上下関係でも包含関係でもない目的の重なる部分で連携するパートナー

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障害2「コミュニティなんて 興味ない」

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対策「自分ゴトにする」

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1.自主企画応援   自分の企画なら、頑張れる

2.お客さんからありがとう  お客さんの声を聞いた上で、自分の製品として、 ハッカソン等で試作開発し、発表

3.お土産づくり   参加すると得られる有益情報・技術を用意

具体的には

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障害3「同じテーマで飽きる」

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対策「成⻑を感じさせる」

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1.レベルに合わせた内容   中級者向けも開催、⼈数よりも質

2.他県との交流   ⽐較対象がないと自分の⽴ち位置が分からない

3.発表機会の提供   プレゼン大会開催で褒められる機会提供

具体的には

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1.現状観察・分析

2.ミッションの再確認

3.方向性の検討

4.アクションプラン作成

5.障害対策

(まとめ)新規開拓手順

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とりあえず1年やってみた

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新時代ITビジネス研究会設⽴

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⻘森ITビジネス・マッチング交流会開催

出展25小間(うち県外5小間)

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初年度事業

設⽴から9か⽉でセミナー・研修37回参加者累計1000人以上

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まだまだこれから

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3 コミュニティ活動で分かった役所と⺠間

の新しい関係

What?

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これまでのイメージそっちでやれ︕ そっちでやれ︕

役所に陳情するか、バラバラにやるか

もっと協⼒しろ︕ もっと協⼒

しろ︕

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役人の事情税⾦使う以上理由が必要だし

上司を説得するためには資料が必要だし

減点主義なので「何か言われたら...」怖いし

説明しやすくて、リスクが少なく、成果を⾒せやすいものが欲しい

「何か新しいことやれ」と言われるが、何の指示もないし

予算は限られてるし

2〜3年で異動だし

成果は要求されるし

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ありがちな結果

バズワードで、打ち上げ花火

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でも本当は

人の役に⽴ちたいと思ってる

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コミュニティ活動で分かったこと

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「⾦は全体の一部」

・人集め、場づくりの方が大事・役所の⾦なんかあてにしてない

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「⺠間もいろいろ不自由だ」

・役所は取引先がない分自由

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「役所の強みは中⽴性と信頼」

「役所の仕事はインフラ(場)作りと広報(PR)」

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新しい関係を作るには(役人を動かすコツ)

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相手のメリットを考える

・部署によってミッションも変わる・役所が関わる理屈付けを考えてあげる(スゴイことかは関係ない)

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ハードルを下げる

・役割分担して作業負担を減らす・「何かあったら…」不安に対応する

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できれば実際やってみせる役所も新ネタは欲しいが、陳情はイヤ

・中身がわかれば、安心・実績あれば説明も楽

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役所の暦に配慮

役所の予算は前年度の夏前に決まる勝負は6⽉まで︕(⻘森県の場合)

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日頃のコミュニケーション

・ほどほどの距離感も大事・役人は2〜3年で異動する

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でも一番大事なのは...

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共通の目的と助け合い

異なるものへのリスペクト

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できることから「過去と他人は変えられない」

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「言われる前にやる」

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ちょっと宣伝

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Facebookページあります

https://www.facebook.com/ITkenkyukai.aomori

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地域課題×ITハッカソン

県外参加者大歓迎︕

1回目 9⽉12日〜14日/2回目 12⽉前半に開催予定

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展示PRプレゼン大会

県外参加者大歓迎︕

2⽉にはマッチング交流会

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