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モバイル端末クラウドで 業務効率化と災害対策を 実現するには? 解説記事と事例で知りたい最新IT トレンド PRESENTS

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モバイル端末、クラウドで業務効率化と災害対策を実現するには?

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2 ユーザーが大歓迎する「モバイルファースト」実行の手引

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編集/制作:TechTargetジャパン

「モバイルファースト」が「ユーザーファースト」にならない理由

 「モバイルファースト」(モバイル優先)という考え方が注目を集めている。スマートフォン/タブレット用アプリに対する需要が、デスクトップアプリケーションの需要を上回るようになってきたからだ。

 だがモバイル分野の専門家の中には、「デスクトップ向けの開発プロジェクトに取り掛かる前にモバイルアプリの計画と開発を進めるのは間違いだ」と主張する人もいる。企業のモバイルプロジェクトが成功するためには、デスクトップ用とモバイル用のバージョンの計画を同時に進める必要があるというのだ。

 「重要なのはモバイルとデスクトップのコーディネーションだ」と指摘するのは、ブラジルに本社を置くソフトウェアコンサルティング会社 Ci&Tでユーザーインタフェースとユーザーエクスペリエンスを担当するデビッド・サックス氏だ。「携帯端末で長いフォームに入力するのはいらいらする。携帯端末向けには短いフォームを用意し、後からユーザーがデスクトップ上で追加情報を入力できるようにする必要がある」

ユーザーが大歓迎する「モバイルファースト」実行の手引

スマートフォンの重要性が高まるにつれ、アプリのモバイル開発を優先する「モバイルファースト」という考えが注目されている。この流れは、企業向けのアプリ開発でも例外ではない。どの機能がモバイル端末向きで、どの機能がデスクトップ版に適しているか。

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 どの機能がモバイル端末に向いていて、どの機能がアプリケーションのデスクトップ版に適しているかについて、専門家の見方を以下に紹介する。

■ フォーム入力はモバイルアプリでは悪夢 Microsoft系の開発者にモバイルツールを販売している米 iFactrでCTO(最高技術責任者)を務めるネイサン・クレベンジャー氏も、モバイルアプリでは長いフォームを扱いにくいと考えている。同氏はその例として、Fortune 500クラスの企業が安全検査担当者向けに開発したモバイルアプリを挙げた。検査担当者は従来、クリップボードにはさんだ紙のフォームに記入して、それをオフィスにファクスで送信していたが、このアプリはこうした手作業に代わるものとして開発されたという。「だが手作業をそのままアプリに置き換えただけにすぎず、現場の検査担当者は小さな端末上でフォームに詳細な入力をするのを煩わしく感じた」とクレベンジャー氏は語る。以前のやり方の方が簡単だったため、「彼らはすぐに、クリップボードを再び持ち歩くようになった」という。

■ 携帯端末の機能を活用する 米 HP Softwareで製品管理とユーザーエクスペリエンスを担当するディレクター、ジェネファ・マーフィー氏によると、どの機能をモバイルアプリに搭載し、どの機能をデスクトップ用とするかの判断に当たっては、モバイル端末の機能を活用するという視点が大切だという。同氏は「モバイル端末はカメラを搭載している」と指摘した上で、モバイル版とデスクトップ版が用意された経費精算アプリの例を紹介した。「モバイルユーザーは経費の領収書をスマートフォンで撮影すれば、経費について簡単にメモをしておくだけで、すぐに領収書をアップロードできる。オフィスの自分のデスクトップに戻ったときに、ディナーミーティングの参加者や議題など掛かった経費の詳細 を記入すればいい」と同氏は説明する。

■ モバイル端末上で素早く検索 Ci&Tのサックス氏は、医療機器を販売する企業の iPadプロジェクトを手掛けた経験がある。このプロジェクトで開発したのは、その企業の営業担当者向けのアプリで、同社が販売している10万種類の機器のカタログに携帯端末からアクセスする機能を提供した。営業担当者がこのアプリで特に求めていたのは、顧客の前で素早くカタログを検索し、製品の重要な機能を分かりやすく示した動画を見せられるようにすることだ。

 サックス氏のチームは高速検索を可能にするために、アプリケーションの iPad版に搭載する機能を厳しく絞り込み、顧客と 1対 1で営業する上で欠かせない機能だけを組み込んだ。このため

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iPad版では、営業担当者が販売傾向に関する詳細なリポートを作成することはできない。こういった作業はデスクトップの方が適しているからだ。

■ 分析リポートはデスクトップ向け 複数のソースからデータを取り込んで営業報告書を作成するには、アプリのデスクトップ版を使用する必要がある。「デスクトップ版では、より多くの情報を参照することができる」とサックス氏は話す。モバイル端末ではどの機能が優先され、デスクトップにはどの機能が適しているかを判断してトレードオフを解決することがとりわけ重要だという。「モバイルアプリの目的はデスクトップをまねることではない。モバイルでは、求められる機能も使用環境も異なる。ユーザーは外回りの営業スタッフなのだ」

仕事でもスマホが手放せない人のための「モバイルファースト」実行の手引

 「アプリの開発は、デスクトップ用アプリからモバイル端末に移そうとするよりも“モバイルファースト ”で始める方が魅力的で直観的なユーザーエクスペリエンスを実現できる」。ベンチャーキャピタル、米 Sequoia Capitalのパートナー、アーレフ・ヒラーリー氏はそう語った。クラウドサービスを活用すれば、迅速にモバイルファースト戦略を進めることができる。そのためモバイルファーストの発想を生かすためには、従来のワークフローを見直し、クラウドサービスの最新情報を把握しておくことが課題となるだろう。

■ スマホで仕事が普通になる 2014年 4月に米サンフランシスコで開催されたカンファレンス「Consumerization of IT in the Enterprise」においてヒラーリー氏は、モバイルファーストで開発を進めるには、モバイルアプリのサポートに必要なバックエンドのクラウドサービスも見直す必要があると語った。Facebookへのモバイルアクセス増加が示すように、モバイルはコンシューマー市場を席巻した。一方、エンタープライズの世界では、多くの人がモバイル端末のメールやカレンダー機能しか使っていない。だが、クラウドサービスの柔軟性が向上し、ビジネスプロセスをサポートできるようになった今、状況は変わっていくとヒラーリー氏は見ている。

 企業内のビッグデータを活用するにしても、社内で開発チームを立ち上げ、インフラを構築す

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るのは難しい。そこで、モバイルファーストアプリに必要なバックエンドサービスを用意するため、クラウドサービスを使うことに大きな関心が寄せられている。

 従業員が多種多様なメッセージングアプリを使って、さまざまなコミュニケーションを行っているという事実は認めざるを得ない。ユニファイドコミュニケーションアプリケーションがうまくいかないのは、こうした事実を反映していないからだ。結局のところ、誰にどんな方法でつながるかは、個人の頭の中で決まっている。

 これからの優れたモバイル戦略は、個人の好みや環境に左右されるコミュニケーション媒体の選択に焦点を置くものになるだろう。ヒラーリー氏は、そのような戦略をどうやって立てていくかアドバイスを示し、ネイティブ開発とハイブリッド開発の選択、未許可アプリが IT部門に及ぼす影響、モバイルセキュリティといった問題について以下のように論じている。

■ ネイティブかハイブリッドか モバイルファースト開発を進めようとする企業には複数の選択肢がある。ハイブリッドツールを使ってアプリケーションを展開すれば、一度アプリを作るだけで複数のモバイル端末に展開できる。ネイティブアプリケーションを作る場合は、端末の種類ごとにコードを書かなければならない。

 HTML5でクロスプラットフォームモバイルアプリを作る方がずっと簡単だとヒラーリー氏はいう。だがその場合、端末固有の機能を利用することは制限されがちだ。

 ここで、カスタムアプリを社内で開発するべきかサードパーティー製パッケージアプリを活用するべきかという問題が浮かんでくる。パッケージアプリの利点は、開発コストをサードパーティーベンダーに任せられることだ。ヒラーリー氏は、モバイル開発管理者を社内で採用するよりもパッケージアプリで多様なワークフローを管理する方向に進みつつあると見ている。

■ 未許可アプリの把握 便利なモバイルアプリとクラウドサービスが登場してきたために、IT部門を通さなくても簡単に新しいアプリケーションを導入できるようになった。こうした「シャドー IT」は重大な問題だとヒラーリー氏は考えている。このリスクを抑えるためには、IT部門に無断で使われている未許可アプリ、つまり「ローグ(Rogue)アプリ」を検出するための優れたツールが必要になってくる。Sequoiaが資金提供しているクラウドソリューションプロバイダー米Skyhigh Networksのツールもその 1つだ。

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 Skyhighが企業ユーザー 600万人を対象に実施した最近の調査によると、企業では平均して626種のクラウドアプリケーションが使われているが、エンタープライズ対応のアプリケーションはわずか 11%だけであることが分かった。「まさに何百種ものクラウドアプリが職場で使われている」とヒラーリー氏はいう。企業はこの問題に何らかの対策を講じる必要がある。

 モバイルの方はといえば、端末レベルの管理からより詳細な管理が求められるようになってきている。「端末とコンテンツとアプリを網羅する解決策が必要だ」とヒラーリー氏はいう。

■ 最新クラウド情報の収集 企業におけるモバイル人気が高まるにつれ、新しいアプリケーションやサービスは供給過多となりつつある。そのため、業務改善に役立つ新しいクラウドアプリケーションの情報を正確に追うことが難しくなっている。企業がこのイノベーションの波を把握するには、これまでとは異なるアプローチが必要だとヒラーリー氏は説く。同氏が最も推奨する方法は、信頼できる仲間の輪を作り、現場で使えるアプリケーションやサービスの情報を共有することだという。

 もう 1つは、ソーシャルメディアを活用することだ。ヒラーリー氏は、新しい開発技術を常に把握しておくために重要な分野において、何人かのキーパーソンをフォローしておくことを勧める。そうすれば、その分野について意見を出すこともできるし、自社のビジネスニーズにとって最も関連性の高いクラウドサービスを 2、3見つけて追いかけるということもやりやすくなる。

■ モバイルファーストに向けてセキュリティを見直す ベンチャーキャピタル、米 Lightspeed Ventures Partnersのアリフ・ジャンモハメッド氏は、企業のモバイル利用拡大によって、データ分析とビッグデータの活用も進むという。

 クラウドのおかげで、大量のデータを管理、処理するコストは少なくて済むようになった。今ではデータをクラウドに保管して処理できるようになり、バックエンドをホストするインフラについて考える必要がなくなった。「ビッグデータを活用するモバイルファーストのアプリケーションが大量に現れてくるだろう」とジャンモハメッド氏は語る。

 だが、CIO(最高情報責任者)とCSO(最高セキュリティ責任者)は、かつてあれほど入念に構築したデータの取り扱いに関するコンプライアンスと追跡記録の問題に頭を悩ませている。今では、固定されたデスクトップからではなく、モバイル端末やノートPCからデータにアクセスすることが増えてきた。そうした端末は、従来のファイアウォールのドメインの外側で動作していることが多いのである。

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■ モバイル活用によるワークフローの合理化 モバイルファースト開発では、モバイル端末を念頭に業務全体の見直しが求められる。モバイルファーストの営業支援プラットフォームを提供する米 ClariのCEO アンディ・バーンは、モバイルに対応するクラウドベースのアプリケーションはたくさんあるが、CRM(顧客関係管理)ベンダー各社はまだモバイルワークフローに対応していないと語る。

 その理由として大きいのは、CRMアプリケーションが元来デスクトップ用に作られているからだ。営業の業務をモバイル型に見直すのは難しい。米Salesforce.comなどのWebサービス大手では、モバイルを中心とする新しいマーケティング機能のサポートを順調に進めてはいる。だが、個別のケースに対応する効率的なワークフローが必ずしもサポートされていないとバーン氏は主張する。

 クラウドベースのアプローチでモバイルサービスを展開すれば、多大な資金と時間を先行投資することなく簡単に新しいアプリケーションを試すことができる。その日のうちに小規模なパイロットを立ち上げて、ユーザーがそのアプリケーションをどう使用するかについて量的なデータと質的なデータを収集できるので、さらに大きなグループに展開するための指針になるとバーン氏はいう。このやり方であれば、短時間でアプリケーションの価値を確認できる。

 CIOは、定量的な評価基準を設定することによって、モバイルアプリを作る予算項目を策定できる。適切なアプリを設計して運用すれば、現場でどのように利用されるか知ることでユーザーがそのアプリをどう使うことになるか、一定の予測がつく。こうして好循環が生まれることになる。

■ クラウドサービスによるデータ入力削減 バーン氏は、いつかはデータ入力もダイヤル式電話機と同じように思われる日が来るかもしれないと語る。データ収集の大部分を自動化するようにバックエンドシステムの改良が進めば、より多くの時間を他の仕事に当てられるようになる。そうなったら、ユーザーが情報を探すのではなく、情報の方がユーザーを見つけてくれるようになるだろう。

 クラウドの役割は、ユーザーが自分でデータを探す前に先回りして情報源を集約し、データを取捨選択して提示することだ。これによって作業効率は高まる。「電子メールや電話の通話から情報を収集すれば、データ入力の 8割は削減できる。そうなったら、営業担当者は顧客と直接向き合うという、最も得意な仕事に費やす時間を 20~ 25%増やすことができるだろう」(バーン氏)

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「モバイルファースト」時代に覚悟すべき4つのこと

 「モバイルアプリケーションの開発は、従来のアプリケーション開発とは全く勝手が異なる。ソフトウェアのアップデートのペースが速くなり、開発者とテスターの人員比率が同じになる。アプリケーションのセキュリティにも真剣に取り組む必要がある」

 優先度の高いモバイル開発プロジェクトと、従来のWebアプリケーションやデスクトップアプリケーションの開発プロジェクトとの違いについて、モバイル分野の専門家に質問したところ、このような見解が示された。

 米モバイルソフトウェアメーカーの iFactrでCTO(最高技術責任者)を務めるネイサン・クレベンジャー氏は「優れた ITマネジャーは、モバイル開発がWeb開発やデスクトップ開発と全く異なることを認識している」と話す。

 クレベンジャー氏は、モバイルアプリがエンタープライズアプリケーションの基盤になっている(その逆ではない)企業と共同で仕事をしているという。「彼らはモバイルアプリを先に開発し、それからデスクトップ上でも動作するようアプリケーションを拡張している」と同氏は語る。

 米調査会社 Vokeのアナリスト、テレサ・ラノウイッツ氏によると、モバイルアプリはぜいたく品ではなく必需品だという。「企業は最初にモバイルプロジェクトに取り組んでいる。それ以外のことはその次に考えるのだ」と同氏は話す。ビジネスに対する重要性という点で、モバイルプロジェクトが他の開発プロジェクトよりも優先されるというのは、アプリケーションのライフサイクルが大きく変化することを意味する。本稿では、企業の開発チームがモバイル開発に取り組む際に生じる以下の 4つの大きな変化について専門家が解説する。

・ 開発ライフサイクルの短縮

・ ソフトウェアアップデートのペースが加速

・ 開発者とテスターの比率が同じになる

・ アプリケーションセキュリティを懸念増大

■ 短いリリースサイクルが求められるモバイル分野 米 IBMでエンタープライズモバイル部門のディレクターを務めるマイケル・ギルフィックス氏に

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よると、Webプロジェクトのリリースサイクルは 9~ 12カ月だという。「これに対し、モバイルプロジェクトは 3~ 6カ月で完了する」と同氏は話す。

 独立ソフトウェアコンサルタントのハワード・ダイナー氏によると、2カ月くらいが普通だという。「コンセプトから現金化まで 60日しかないという場合もある」とダイナー氏は話す。同氏によると、モバイルプロジェクトではアジャイル開発方式が不可欠だという。開発期間が短く、従来のように開発とテスト作業の間を行ったり来たりする余裕がないからだ。

■ モバイルプロジェクトのソフトウェアアップデートは頻繁 IBMのギルフィックス氏によると、エンタープライズモバイルアプリケーションではソフトウェアアップデートのペースも速くなるという。「モバイルの場合、頻繁にリリースするようになる」と同氏は話す。リリースが頻繁になる最大の理由は、モバイル端末が絶えず変化することにある。新しい端末だけではなく、iOSや AndroidなどのモバイルOSの新バージョンが次 と々登場するからだ。

 頻繁なアップデートが必要になる理由はそれだけではない。米AppGluの創業者であるアダム・フィンガーマンCEOによると、モバイル端末上で動作する製品カタログの内容を新鮮なものにしておく必要があるからだという。「外回りの販売スタッフは、古い情報が入ったバインダーを持ち運びするのをやめ、iPadを使って製品や価格に関する最新の情報を得るようになった。こういったデータの最新版を販売スタッフに提供するためには、モバイルアプリも頻繁にアップデートする必要がある」と同氏は話す。

■ 開発者とテスターの比率が1:1に モバイルアプリ管理ソフトウェアを販売している米MobileIronの戦略担当副社長オージャス・リージ氏によると、従来の開発プロジェクト、例えばWindowsアプリケーションを開発する場合などでは、3人の開発者に対して 1人のテスターというのが一般的な比率だという。モバイルアプリのライフサイクル管理では、この比率が大幅に変化する。「モバイルでは 1:1になる」と同氏は話す。

 プロジェクトで開発者 1人に対して 1人のテスターが必要になるのは、モバイルアプリのテストが複雑だというのが主な理由だ。「品質保証担当者は、各種の端末とモバイルOSおよび各OSの各バージョンに加え、モバイルユーザーの場所によって大きく異なる接続条件を考慮に入れなければならない」とリージ氏は指摘する。

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 iFactrのクレベンジャー氏も、開発者とテスターの比率が 1:1になるという見方をしている。「経営陣がこの変化を認めなければ、テストサイクルが長くなる。品質保証部門がすごく忙しくなる一方で、開発者が暇をもてあそぶという状況になるからだ」と同氏は説明する。

■ ソフトウェアチームはセキュリティに真剣になる Vokeのラノウイッツ氏によると、エンタープライズモバイルアプリケーションでは、セキュリティに関する新たな懸念が生じるという。例えば、盗難や紛失の可能性が高い端末上で機密性の高い企業データを保護する必要がある。このため、アプリケーションのセキュリティが緊急を要する課題となってきた。ラノウイッツ氏自身は、この変化を歓迎している。「Webアプリケーションを開発するソフトウェアチームは、セキュリティを本気で考えたことがない」と同氏は話す。

 「10年前から、誰がアプリケーションセキュリティに責任を持つのかについて議論されており、この問題は大きく前進した。ここにきて、モバイルアプリがセキュリティテストの必要性を喚起している。モバイルアプリでも、ようやく企業と同等のセキュリティが導入されることになりそうだ。これは歓迎すべきことだ」(同氏)

TechTargetジャパン プレミアムユーザーが大歓迎する「モバイルファースト」実行の手引2014年 7月24日筆者:Jennifer Lent、George Lawton,TechTarget編集:TechTargetジャパン発行:アイティメディア株式会社Copyright 2014 ITmedia,Inc. TechTarget,Inc. All Rights Reserved.

メールシステムの

利便性向上と災害対

出張時の承認業務の

遅延

コミュニケーションコ

ストの

増大

業務効率向上と

災害対策についての

課題

災害に強く、モバイルで利用できるクラウドのメールサービス

スマートフォンによるワークフローシステムの利用

固定電話、スマートフォンの一括契約によるコスト削減

課題に対する解決策

課題と解決策の具体例を次ページで紹介します