ISO45001, ISO14001, 環境安全衛生のスペシャリス …ISO45001/DIS 新着情報...
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<strong>No.17 February 4, 2009</strong>
ESH EXPERT
いよいよ寒さも本格的になってまいりました。早いもので今年も残すところわずか1ヶ月です。公私共に慌しい時期となりますので、皆さまくれぐれも体調管理にはお気をつけくださいね。
さて、先日も電通女性社員の自殺が大きく取り上げられましたが、本メルマガの記事を検索していても、長時間労働などが原因の過労死や自殺に関するニュースが増えたことを実感します。
実際、現在の仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は、過去2年間に 52.3%から 55.7%と増えているそうです(厚労省調査より)。
ある産業医の先生によると、ストレスには3つのタイプがあるとのことです。
1.優秀な人に多い「頑張るストレス」 2.他人を巻き込みたくない「我慢のストレス」 3.周囲が気づかぬうちに病む「ガス欠ストレス」
「ガス欠ストレス」を補足すると、仕事以外の日々の生活に楽しみがなく、気分転換ができないために、徐々に調子が悪くなるというタイプです。
いずれにせよ、気分転換を図るなどストレスと上手に付き合い、不調を来たす前に周囲に相談するなど、ストレスを自分一人で抱え込まないようにすることが大切ですね。(門)
◆ご挨拶
環境安全衛生のオンライン情報マガジン
No.205 December 7, 2016
撤去中の橋桁落下 作業員1人けが 兵庫・香住 (11/26)
http://www.esh.co.jp
ストレスの多い読者様の心を癒し勇気づけるためのこのコーナー、188回目の言葉は、
微力であるが無力ではない
この言葉を紹介してくれたのは、アフリカで子ども兵を救済する NPO、テラ・ルネッサンスの鬼丸昌也さんです。
衝撃的な話ですが、コンゴやウガンダでは子供が誘拐され子ども兵として利用されています。そして、子ども兵に自身の出身村を襲わせるのだそうです。それは、二度と地元に帰れなくするためだそうです。何と惨いことでしょう。
豊かな国で作られた武器が貧困な紛争地で使われている現実があるのです。
私たちは微力であるが無力ではない、少しでもできることをしなければなりませんね。
テラ・ルネッサンス https://www.terra-r.jp/
◆今日の言霊
ESH EXPERT 2/9
◆新着情報
★ISO45001/DIS2 について
2016年 10月 30日~11月 4日、リトアニアでISO/PC283(ISO45001開発)の委員会が開催されました。
当初の予定では、2016 年 5月に不承認となったISO45001/DIS(国際規格原案)に対応し、この会議で DIS2(第 2版)を完成させる予定でした。
しかし、約 3000件の修正コメントを処理しきれず、2017年 2月の会議に持ち越されることとなりました。
ただし、要求事項のテキストはほぼ完成しており、用語の定義や附属書 A に課題が残されているとのことです。
そのため、DIS2 の発行は 3月を予定していますが、遅れることはないと予想されます。
この結果、ISO45001 の発行は、FDIS の発行がスキップされた場合で 2017年 10月頃、FDIS が発行される場合は 2018年 3月頃になる見込みです。
■水質汚濁防止法施行規則等の一部改正
11/15・環境省は、排水基準を定める省令等の一部を改正する省令及び水質汚濁防止法施行規則等の一部を改正する省令の一部を改正する省令を公布しました。
水質汚濁防止法において定められている暫定排水基準のうち、「亜鉛含有量」及び「カドミウム及びその化合物」に係るものが適用期限を迎えますが、結果として暫定期間が延長され、排水基準に変更はありません。
ESH EXPERT 3/9
◆環境不祥事の教訓
◆汚水排出 基準超、浦戸湾に 容疑で摘発/高知 (11/30)
基準を超える汚水を高知市の浦戸湾に排出したとして、高知海上保安部は28日、水質汚濁防止法違反容疑で、同市仁井田の水産物加工会社と社長の男性(53)、社員の男性(42)を摘発したと発表した。同保安部は今後、同容疑で地検に書類送検する方針。
保安部によると、今年6~11月、同社工場から基準値を上回る汚水を浦戸湾内に排出したとしている。工場は現在の場所に2002年に移転。当時から汚水を排出していたと見られ、近隣から工場に苦情が寄せられていた。同保安部が汚水を分析したところ、水質汚染の指標の一つである「化学的酸素要求量(COD)」が排水基準の4倍以上である1リットル中400ミリグラム以上、水中油分の含有量である「ノルマルヘキサン抽出物質含有量」が排水基準の2倍以上の1リットル中50ミリグラム以上あることが分かった。工場の操業日の汚水は、毎日5トン以上だったという。(毎日新聞)
◆解説
本メールマガジンの読者の皆様の企業では、このような排水基準違反をするケースはないことと思います。
しかし、供給者・請負者については、排水管理上の問題がないか確認する必要があります。
多くの企業は、供給者・請負者の環境マネジメントの確認をISO14001 の認証取得でOKとしていますが、リスクに応じてそれだけでは済まないケースもあります。
ISO14001 の 2015年版では、供給者・請負者の管理は、2004年版に比べてより明確に記述され、附属書においては、その管理方法や程度は次の要因を考慮しても良いと記されています。
・環境側面と環境影響
・その製品の製造またはそのサービスの提供に関連するリスク及び機会
・組織の順守義務
これらの観点からリスクが高ければ、ISO14001 の認証取得に限らず、現地を訪問して監査することが期待されます。
ちなみに、今日、最も利用されているサプライヤー監査の基準である EICC(電子業界行動規範: Electric Industry Code of Conduct)では、当然ながら排水管理も監査項目に含まれています。
EICC による監査では、「文書レビュー」のみならず、「現場視察」で”排水処理システムは稼働中であり、効果的に稼働していることが目視確認で見受けられる”ことを確認することが求められています。
供給者・請負者の管理、監査を強化することが期待されます。
★ベストプラクティス
それでは、排水処理システムが効果的に稼働していることをどのように目視確認すれば良いのでしょうか。
それは排水処理の最終工程で確認することができます。
最終工程は、通常、「沈殿槽」または「加圧浮上槽」で固体(汚泥)と水を分離する工程となります。
大多数が「沈殿槽」ですので「沈殿槽」について解説します。
沈殿槽は、不溶性にした排水中の汚濁物質を沈殿させ、水と分離することが目的です。その略図と写真を次に示します。
汚濁物質と水を比重差で分離するとても単純な構造です。
清浄な上澄み液が、堰から溢流していれば良いのです。透視度が1m以上あれば良い状態といえます。
透視度:ある試料(水)の清濁を表現するための指標。水面から○cm
または○m下の水中まできれいに見通せることを示す。
一方で、汚濁物質と水が上手く分離せず、汚泥やスカム(下図参照)が溢流している状態は良い状態ではありません。
サプライヤー監査では、必ず排水処理施設の稼働状況を確認しましょう。
http://www.kobelco-eco.co.jp/product/sangyoumuke/superthickener.html
http://www.kyu.co.jp/mechanism/water/w80b.html
http://www.city.kamaishi.iwate.jp/kurasu/gesuido/gesuido_toha/detail
/1190780_2151.html
ESH EXPERT 4/9
◆労働災害の真相
◆ダイキン工業で塩酸漏れ 6人搬送 (12/3)
2日夜、大阪府摂津市にあるダイキン工業の工場から塩酸の水溶液が漏れ出し、工場の関係者6人が病院に搬送された。
塩酸の水溶液が漏れ出したのはダイキン工業の淀川製作所で、2日朝、消防などが現場で調査を行った。警察などによると、2日午後8時45分ごろ、「塩素ガスが漏えいした。白煙が出ている」と消防に通報があった。漏れ出したのは35%の濃度の塩酸水溶液、約300リットルで、タンクにつながる配管3か所から漏れ出したとみられている。うち1か所には、直径約20センチの楕円(だえん)形の穴が開いていた。
工場関係者の男性6人が気分が悪いなど訴えたため病院へ運ばれたがすでに全員回復しているという。配管が設置されたのは10年ほど前だということで、警察と消防で引き続き、原因を調べている。(日テレ NEWS24)
◆解説
塩酸は危険有害性の高い物質ですが、多くの事業所で使われる物質です。
化学物質のリスクアセスメントが 2016年 6月 1日から義務付けられ、多くの企業がその対応に苦慮しています。
その原因は、コントロール・バンディング法にあります。
厚労省が提供する「職場のあんぜんサイト」で提供されているコントロール・バンディング法のソフトに次のとおり入力します。
取扱物質:塩化水素
取扱量:mL
すると、リスクレベルは、最高位の4と評価されます。
塩酸をmL単位で保管するだけでもリスクレベルが最高位の4となるのでは、使い物にはなりません。せいぜい、より詳細なリスクアセスメントの要否を判断するスクリーニングにしか使用できないでしょう。
化学物質のばく露リスク=化学物質の有害性×ばく露量
この大原則を考慮して化学物質のリスクアセスメントを実施する必要があります。
★ベストプラクティス
米国では日本のように有機則や特化則などの規制物質に対する作業環境測定を義務付けていません。
作業環境測定を実施しても検出限界以下となる化学物質を6ヶ月ごとに測定し続けるのは合理的ではありません。一方で、規制物質以外を全く測定しないことも適切ではありません。
そこで、米国ではまず質的評価を実施し、その結果必要と判断したら量的評価を実施します。
質的評価では、最初に次のような使用条件を調査します。 ・プロセス ・業務(貯蔵、秤量、混合など) ・従事者数 ・化学物質(品名、濃度) ・化学物質の蒸気圧 ・使用量(kg/シフトなど) ・業務頻度 ・1回当たりの業務時間 ・借用する保護具 ・工学対策(局所排気、密閉化など)
そのうえで、次のように 5段階で暴露レベルを評価します。
暴露レベル 暴露の説明
0 化学物質と接触しない
1 低濃度の化学物質とまれに接触する
2 低濃度の化学物質と頻繁に接触する or 高濃度の化学物質とまれに接触する
3 高濃度の化学物質と頻繁に接触する
4 超高濃度の化学物質と頻繁に接触する
この暴露レベルの評価と化学物質の有害性レベルから質的暴露リスクレベルを判定し、設定基準以上のリスクレベルになったら、作業環境測定による量的評価を実施します。
化学物質リスクアセスメントに悩んだら、先進の欧米企業に学ぶことも有効です。
ESH EXPERT 5/9
◆環境事故・ニュースレポート
◆重油漏れ 地下燃料タンクから900リットル 酒田・東
北農政局/山形 (11/25)
県は24日、酒田市光ケ丘の東北農政局酒田駐在所の敷
地内にある暖房用の地下燃料タンクから重油約900リットル
が漏れたと発表した。県による周辺の井戸の簡易な水質調査
では、今のところ異常は確認されていないという。
県などによると、同局の職員が22日午前7時ごろ、円柱型
の地下タンク(高さ約2メートル、直径約1メートル)の警報
が鳴っているのに気付いた。点検業者が確認したところ、タンク
に残っていた約950リットルのうち、約900リットルが漏れた
という。
タンクは1971年に設置され、同じ業者が21日に点検し
た際は異常がなかったという。同局は「速やかに水質、土壌の調
査を実施したい」と話している。(毎日新聞)
◆汚水排出 基準超、浦戸湾に 容疑で摘発/高知
(11/30)
基準を超える汚水を高知市の浦戸湾に排出したとして、高知
海上保安部は28日、水質汚濁防止法違反容疑で、同市
仁井田の水産物加工会社と社長の男性(53)、社員の
男性(42)を摘発したと発表した。同保安部は今後、同容
疑で地検に書類送検する方針。
保安部によると、今年6~11月、同社工場から基準値を上
回る汚水を浦戸湾内に排出したとしている。工場は現在の場
所に2002年に移転。当時から汚水を排出していたと見ら
れ、近隣から工場に苦情が寄せられていた。同保安部が汚水
を分析したところ、水質汚染の指標の一つである「化学的酸素
要求量(COD)」が排水基準の4倍以上である1リットル
中400ミリグラム以上、水中油分の含有量である「ノルマル
ヘキサン抽出物質含有量」が排水基準の2倍以上の1リット
ル中50ミリグラム以上あることが分かった。工場の操業日の汚
水は、毎日5トン以上だったという。(毎日新聞)
◆無許可で粗大ごみ回収=廃棄物処理法違反容疑で社長
ら6人逮捕 (12/2)
家庭から出る粗大ごみを無許可で回収していたとして、警視庁
生活環境課などは2日までに、廃棄物処理法違反容疑で、
住所不定、不用品回収業者「エコロジー・ネットワーク」社長
(53)ら6人を逮捕し、法人としての同社とグループ会社の
計3社を書類送検した。
同課によると、エコロジー社は社員200人の大手。社長ら4
人は容疑を否認し、他2人は認めているという。
同容疑者らは複数の社名を使って客を募っていた。回収に訪
れた段階で「規格外の大きさだ」などと言い、通常より高額な料
金を請求していた。
一般家庭から出る粗大ごみは原則として自治体が回収する。
同容疑者らは粗大ごみをリサイクル業者に転売していたとみられ
ている。(時事通信)
ESH EXPERT 6/9
◆労働災害レポート
◆工事中トンネル内で異変、10人近く倒れ1人重症 3
人取り残される 山口の浄水場 (11/16)
16日昼ごろ、山口県下松市下谷の浄水場付近にある工
業用水トンネル内で何らかの異変があったと119番があっ
た。県警や県によると、補修工事中に作業員10人近くが倒
れ、このうち3人がトンネル内に取り残されたという。
下松署によると、救助された作業員のうち少なくとも3人が体
調不良を訴え、このうち1人は重症。いずれも意識はあるとい
う。詳しい状況や原因を調べている。
山口県企業局によると、トンネルは長さ約14キロ、高さ約2
メートル、底部分の幅約2メートル。用水を抜いた上で作業し
ていた。崩落や設備の破損があったとの情報は入っていない。
地元消防によると、山口県下松市のトンネル事故で、現場に
一酸化炭素(CO)とみられるガスが充満した可能性があ
る。
現場はJR山陽線下松駅から北に約8キロの山間部とみら
れる。(産経WEST)
(続報)取り残された3人も無事救助、現場には高濃度の
COが (11/16)
山口県下松市下谷の浄水場付近にある工業用水トンネル
で、補修工事中の複数の作業員が16日午後、倒れた事故
で、トンネル内に取り残された3人も助け出されたことが山口
県警などへの取材でわかった。いずれも意識があるという。一時
は10人近くの作業員が倒れたが、全員救助された。3人が
体調不良を訴えており、1人が重症とみられる。(産経
WEST)
(続報)受注業者を家宅捜索、業務上過失致傷容疑で
(11/18)
山口県下松市と周南市にまたがる工業用水トンネルの補修
工事中、作業員9人が一酸化炭素(CO)中毒の疑いで
搬送された事故で、山口県警が業務上過失致傷容疑で、県
企業局から工事を受注したシマダ(山口市)を家宅捜索して
いたことが18日、分かった。
県によると、シマダの社員が工事を指揮監督し、下請けの県内
3業者の作業員とともに現場にいた。捜索は17日夕行わ
れ、県警は工事計画に関する書類などを押収。トンネル内に
は発電機やコンプレッサーが持ち込まれていたことが分かってお
り、排ガスの換気など安全管理に問題がなかったか慎重に調べ
る。
県などによると、事故は16日午前11時半ごろ発生。底部
分を削る作業中だったトンネル内にCOが充満したとみられ
る。(産経WEST)
◆菓子工場で従業員死亡 ベルトコンベヤーに挟まれ/静
岡 (11/17)
16日午後3時55分ごろ、浜松市東区白鳥町の三立製
菓白鳥工場から「ベルトコンベヤーに挟まれた」と119番があ
った。
静岡県警浜松東署員らが駆け付けたところ、従業員の男性
(40)が頭などを挟まれており、その場で死亡が確認され
た。
男性は清掃作業中だったといい、同署が詳しい状況を調べて
いる。(時事ドットコム)
◆積み荷の下敷き 派遣社員が死亡/長野 (11/18)
16日午後11時半ごろ、飯綱町牟礼の断熱材製造・販
売会社「ニチアスセラテック」の工場内で、作業をしていた派遣
社員(46)が、断熱材の原材料が入ったフレキシブルコンテ
ナバッグ1個(約1トン)の下敷きになった。男性は上水内
郡内の病院に運ばれたが、まもなく死亡が確認された。窒息死
とみられる。
長野中央署によると、積まれていたフレコンバッグが崩れたとい
う。同署が原因を詳しく調べている。(産経ニュース)
◆トンネル補修中に酸欠、4人搬送 1人は死亡確認/長
崎 (11/19)
19日午前11時45分ごろ、長崎市三京町の導水用ト
ンネルの補修工事現場で「作業員が酸欠状態になっている」と
119番通報があった。長崎県警などによると、30~50
代の作業員4人が病院に運ばれ、東京都の会社員(3
6)の死亡が確認された。ほかの3人は軽症だという。
長崎市発注の老朽化に伴う漏水対策の工事で、下請けの都
内の業者が内壁に薬剤を注入していた。県警によると、現場に
は6人がいて、うち5人がトンネル内にいた。市消防局は、現
場到着時、トンネル内に一酸化炭素(CO)が充満してい
た、としている。
市上下水道局によると、業者側は坑内でガソリンを使う発電
機を使ったと説明し、送風機も設置していたと話しているとい
う。しかし、換気が不十分な場所で発電機を使うと不完全燃
焼を起こして一酸化炭素が発生する可能性があり、市上下水
道局は「坑内で発電機を使うことは通常は考えられない」として
いる。
このトンネルはダムから浄水場まで水を運ぶためのもので、幅
1.8メートル、高さ2メートル、延長2.8キロ。2005年
から20年までほぼ隔年で総延長300メートルの補修工
事を行う計画で、今年度の工期は10月から来年2月まで。
現場は長崎市中心部から北西約15キロの山中で、19日
は入り口から150メートルほどの場所で作業をしていた。救
急車など11台が出動し、周辺は一時騒然とした。(朝日新
聞)
ESH EXPERT 7/9
◆高所安全措置の違反容疑で書類送検/佐賀 (11/19)
武雄労働基準監督署は18日、労働安全衛生法違反の疑
いで、武雄市武雄町の建設業「クロカミ」と現場責任者の男性
(49)を佐賀地検武雄支部に書類送検した。
書類送検容疑は5月24日午前10時50分ごろ、武雄
市山内町の2階建て民家の屋根瓦塗装補修工事の現場
で、作業員の男性(34)に墜落を防ぐ安全ベルトを使用さ
せずに高さ約3メートルの屋根で作業させた疑い。
現場では同日、屋根で掃除をしていたとみられる営業社員
(67)が転落し、頭を強く打ち死亡した。(佐賀新聞)
◆融雪剤散布車に挟まれ41歳死亡/北海道 (11/25)
24日午後5時25分頃、帯広市の自動車整備会社の敷
地内で、同社社員(41)が、道路に融雪剤をまく薬剤散
布車の薬剤投入口付近に挟まれているのを同社の社員が見つ
け、消防に通報した。
男性は間もなく救助されたが、消防隊員により死亡が確認され
た。(読売新聞)
◆福島第1原発事故 福島の除染業者、特別教育未実施
の疑い 全国初の書類送検/福島 (11/25)
東京電力福島第1原発事故に伴う除染作業で、必要な特
別教育を受けさせないまま労働者に作業させたとして、福島労
働基準監督署は24日、福島市の除染業者「ゼルテック東
北」の代表者の男性(52)を労働安全衛生法違反の疑い
で福島地検に書類送検した。同署によると、除染に伴う特別
教育の未実施での立件は全国初。
送検容疑は2015年5月18日、作業員1人に対し、
除染方法や放射線に関する教育を受けさせないまま、同市松
川地区の除染作業をさせたとしている。
同署によると、労働者に除染作業をさせる場合、事業者には、
放射性物質の健康への影響などについて計5時間半以上の
特別教育を実施する義務がある。だが、男性はその義務がある
と知りながら、特別教育を実施せず、不正な「修了証」を発行
していたという。
ゼルテック東北は4次下請けだった。15年2月から除染業
務を始め、16年1月までに計28人を雇用した。同署は、
このうち少なくとも20人が特別教育を受けていなかったとみて
いる。16年10月中旬に関係者から情報提供があり容疑が
浮上。特別教育の未実施と修了証の不正発行から、「悪質性
が高い」と判断し、立件に踏み切ったという。(毎日新聞)
◆三菱電機元社員を労災認定 残業月100時間超で適
応障害-労基署 (11/25)
残業が月100時間を超える長時間労働で適応障害を発
症したとして、三菱電機の社員だった男性(31)が藤沢労
働基準監督署(神奈川県)から労災認定されたことが25
日、分かった。男性が代理人弁護士らと厚生労働省で記者会
見して明らかにした。認定は24日付。
会見によると、男性は2013年4月に研究職で入社し、同
社の情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)に配属され
たが、14年1月から仕事量が増加。同4月にうつ病と診断
され、同6月から休職、今年6月に期間満了で退職した。
男性によると、普段から上司に残業時間を過少申告するよう
指導されていた。実際の残業時間は最大で月160時間に
上ったが、申告では59時間だった。この上司からは「お前の研
究者生命を終わらせるのは簡単なんだぞ」と言われるなどのパワ
ハラも受けたという。
男性は「電通の(過労自殺した女性社員の)方と自分は紙
一重だった」と語った。
三菱電機は「労災認定されたことは承知している。労基署の判
断を確認の上、対応を検討する」としている。(時事ドットコ
ム)
◆撤去中の橋桁落下 作業員1人けが 兵庫・香住
(11/26)
26日午前10時55分ごろ、兵庫県香美町香住区加鹿
野の矢田川に架かる旧大乗寺橋の撤去工事現場で、コンクリ
ート製の橋桁の一部が河川敷に落下した。橋桁の上で作業を
していた男性作業員2人が巻き込まれ、鳥取市の会社員
(42)が肋骨(ろっこつ)にひびが入るけが。もう1人にけ
がはなかった。兵庫県警美方署などが事故原因を調べている。
県新温泉土木事務所によると、落下した橋桁は長さ約20メ
ートル、幅約6メートル。橋脚を切断しながら撤去する作業
中、橋桁を支えていた鉄骨の仮受け台(ベント)が何らかの
理由で倒れ、約8メートルの高さから落下した。作業員2人は
この際、橋桁から滑り落ちたという。
旧大乗寺橋は香美町香住区と同町村岡区を結ぶ県道の一
部だったが、昨年11月に老朽化に伴い新橋が架設され、バ
イパスが開通。以降は通行止めとなり、撤去作業が続けられて
いた。(産経WEST)
◆街路樹倒れ作業員けが/静岡 (11/26)
25日午後1時25分ごろ、静岡市駿河区石田の歩道で、
街路樹が倒れ、木に上って剪定(せんてい)していた男性作
業員2人がけがを負った。
男性(29)一人は左足首、もう一人の男性(32)は両
足首を打撲するなどしたもよう。剪定作業は市が発注していた。
静岡南署によると、街路樹は高さ5.5メートル、幹回り90セ
ンチ。内部が腐食していたとみられ、根元付近から折れていた。
同署が労災事故として調べている。(静岡新聞)
ESH EXPERT 8/9
◆エレベーター落ち男性死亡 東京の工場、点検作業中
(11/27)
27日午前9時40分ごろ、東京都東村山市久米川町の
段ボール製造会社の工場で、業務用エレベーターが落下し、点
検作業中の50代くらいの男性が建物とエレベーターの間に挟ま
れ、搬送先の病院で死亡した。
警視庁東村山署によると、エレベーターは1階の工場から2階の
倉庫に段ボールを運ぶ業務用で、埼玉県の点検会社の男性作
業員2人が午前9時ごろから作業していた。
事故当時、エレベーターは1階部分から約2メートル持ち上げら
れていたといい、男性は下のスペースで作業していた。(産経ニュ
ース)
◆大阪の倉庫で男性作業員が死亡 コンテナ落下、直撃か
(11/27)
26日午後4時40分ごろ、大阪府東大阪市の産業廃棄物
収集運搬業「神農物流」(本社・大阪市生野区)の倉庫で、
コンテナが落下して男性が倒れたと119番があった。男性は頭
を強く打ち、搬送先の病院で死亡が確認された。
河内署は同社のパート作業員(51)とみて身元の確認を進
めている。
同署によると、倉庫は収集した産業廃棄物の分別などをする資
材置き場。コンテナは男性に直撃したとみられ、着用していたヘル
メットは割れた状態だった。
コンテナは鉄製で、長さ約3.5メートル、幅約2メートル、高さ
約1メートル。重さは約800キロあり、少量の鉄くずが入れら
れ、ワイヤで固定してクレーンで移動させる途中だった。
同署はコンテナのバランスが崩れて落下したとみて、事故原因や
安全管理の状況などを調べる。(サンケイスポーツ)
◆深さ4.5メートルの穴が 京都のホテル建設現場で壁崩
落、作業員2人負傷 (11/29)
28日午後2時45分ごろ、京都市東山区弁財天町のホテ
ル建設現場で、基礎工事をしていた穴の壁面が崩落し、底部で
作業をしていた作業員2人に崩れた土や作業用の板などが当た
った。男性作業員(43)が骨盤骨折の重傷、もう1人の男
性作業員(44)は治療中という。
東山署によると、穴は縦約10メートル、横約4メートル、深さ
約4.5メートルで、北側の壁面が崩れた。当時は4人で穴を掘
る作業をしていたといい、同署が詳しい事故原因を調べている。
(産経WEST)
◆労基署判断覆し労災認定 西宮の男性、国審査で
(11/29)
大阪市内の情報サービス会社に勤務し、急性大動脈解離を
発症した兵庫県西宮市の男性(42)について、国の労働
保険審査会が、大阪中央労働基準監督署の処分を覆し、労
災認定していたことが28日、分かった。過少申告していた男
性の時間外労働時間を、発症前1カ月間には92時間に及
んでいたと推計。「著しい疲労の蓄積をもたらす過重な業務に
就いていた」と病気と長時間労働の関連性を認めた。
同審査会の裁決書によると、男性は情報サービス会社で技術
者兼プロジェクトマネジャーとして勤務していた2014年2
月、自宅で倒れ救急搬送された。急性大動脈解離と診断さ
れ、手術で一命を取り留めた。
男性は仕事を自宅に持ち帰ることもあり、1日の睡眠時間は3
~4時間だった。しかし、労働基準法36条に基づく時間外
労働の労使協定「サブロク(三六)協定」上限である月51
時間を上回らないよう、勤務状況報告書では労働時間を過少
申告していた。
男性は14年3月、同労基署に労災を請求したが、労基署
は、発症前1カ月間の時間外労働を72時間と推計。「80
時間を超える時間外労働が認められず、業務と発症の関連性
は低い」とし、労災と認定しなかった。
その後、大阪労働者災害補償保険審査官に不服申し立て
(審査請求)をしたが棄却されたため、同審査会に再審査を
求めていた。
審査会は裁決書で、男性が出勤、退社時に打刻する端末の
記録を採用。勤務状況報告書には実際の終業時刻より早め
に付けたり、休憩時間を多めに申告したりしていたことを認め、発
症前1カ月間の時間外労働は92時間に上ったと判断した。
男性が自宅でしていた残業に関しては、労働時間と見なさなか
ったが、「負荷要因の一つ」とした。
男性は現在、同じ会社に復帰している。(神戸新聞)
◆鉄骨に挟まれ重体 紀美野のトンネル工事/和歌山
(12/1)
1日午前10時ごろ、紀美野町桂瀬で進められているトンネ
ル工事の現場で、作業員の新宮市の男性(29)が意識不
明の重体となる作業事故が発生した。男性は和歌山市内の病
院に搬送された。
現場は国道370号美里3バイパスで、同町の高畑―松ヶ
峯を結ぶトンネル建設工事が行われている。海南署によると、男
性はトンネルの西側入り口から約300m入った付近で側壁
工事の作業をしていたところ、操作していた作業機械の鉄骨と
鉄骨の間に頭を挟まれたとみられている。
現場にいた作業員が消防に通報。同署などが詳しい事故原因
を調べている。(わかやま新報)
ESH EXPERT 9/9
◆ダイキン工業で塩酸漏れ 6人搬送 (12/3)
2日夜、大阪府摂津市にあるダイキン工業の工場から塩酸の水
溶液が漏れ出し、工場の関係者6人が病院に搬送された。
塩酸の水溶液が漏れ出したのはダイキン工業の淀川製作所で、
2日朝、消防などが現場で調査を行った。警察などによると、2
日午後8時45分ごろ、「塩素ガスが漏えいした。白煙が出て
いる」と消防に通報があった。漏れ出したのは35%の濃度の塩
酸水溶液、約300リットルで、タンクにつながる配管3か所か
ら漏れ出したとみられている。うち1か所には、直径約20センチ
の楕円(だえん)形の穴が開いていた。
工場関係者の男性6人が気分が悪いなど訴えたため病院へ運
ばれたがすでに全員回復しているという。配管が設置されたのは
10年ほど前だということで、警察と消防で引き続き、原因を調
べている。(日テレ NEWS24)
◆うつ病悪化で自殺、二審も労災認定 名古屋高裁判決
(12/2)
夫がうつ病を悪化させて自殺したのは、発症後の過労が原因だと
して、東海地方に住む30代の妻が国を相手取り、労災保険
の不支給処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が1日、
名古屋高裁であった。揖斐潔裁判長は、国の処分を取り消した
一審・名古屋地裁判決を支持し、国側の控訴を棄却した。
判決などによると、自殺したのは東海地方の清掃会社に勤務し
ていた当時30代の男性。2009年4月に清掃用品を販
売する関連会社に移り、8月にうつ病を発症した。その後、10
月の東京事務所の開設で東京出張の機会が増え、売り上げ目
標達成に責任を持つようになり、うつ病が悪化。男性は10年
3月に自殺した。
厚生労働省の労災認定基準では、うつ病発症後の悪化につい
ては、生死に関わる業務上のけがなど極度のストレスがかかる「特
別な出来事」が必要と定めている。
高裁判決は「強い心理的負荷で悪化した場合、業務での心理
的負荷の程度などを総合的に検討して、判断するのが相当だ」と
指摘。出張の増加や営業成績の低迷、上司の叱責(しっせ
き)、死亡3カ月前の時間外労働(月約68~約108時
間)などがあったことを踏まえ、「業務による心理的負荷と、うつ
病の悪化による自殺には因果関係がある」と認めた。
遺族の代理人弁護士は「労災の認定基準によらず、総合的に
判断した画期的な判決だ」と話している。(朝日新聞)
◆トンネル工事現場で岩盤崩れ、作業員死亡 岐阜・高山
(12/3)
3日午前3時半ごろ、岐阜県高山市一之宮町の国道41号
石浦バイパス宮峠トンネル(完成時の全長1.9キロ)の工事
現場で、土木工事会社員(34)が、崩れてきた岩盤の下敷
きになり、搬送先の病院で約1時間10分後に死亡が確認さ
れた。
県警高山署によると、男性は他の作業員4人とともにダイナマイ
トで発破作業をしていた。ダイナマイトの使用後、崩れた岩盤の
取り除きや確認作業をしていたところ、岩盤の一部が崩れてきた
という。他の4人にけがはなかった。
トンネルは現在使われている国道とは別に造成されている未開通
の部分にあり、現場はトンネルの北側出入り口から約200メー
トルの場所。同署が事故原因や安全管理に問題がなかったかど
うかを調べている。(朝日新聞)