Io tビジネスモデルに関する考察20161119

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2016.11.19 IoTビジネスモデルに関する考察 IoTビジネスモデルの検討 IoTサービス課金体系の検討 IoTによるイノベーションと成長戦略 株式会社フロンティアワン 鍋野敬一郎 [email protected]

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2016.11.19

IoTビジネスモデルに関する考察 IoTビジネスモデルの検討 IoTサービス課金体系の検討 IoTによるイノベーションと成長戦略

株式会社フロンティアワン 鍋野敬一郎 [email protected]

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【まとめ】 IoT実践勉強会の狙い :IoT/インダストリー4.0の取組みを加速する

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IoT/インダストリー4.0への取り組みを具体化する(IoT実用化の準備!) ▷ドイツと米国の動向、戦略、ポイントを知りたい。強み/弱み ▷Before/Afterをイメージしたい。ルール変更の内容を知りたい。 ▶計画策定、体制構築、短期・中長期の目標に向けたアクション開始!

先行する企業や同業他社の事例から学ぶ(攻めと守りのIoTを考える!) ▷何を見定めれば良いのか、何を決めなければならないのか。勉強だけじゃマズい。 ▷何を決めて、何を強みにするのか、何を変えるべき/変えてはいけないのか。 ▶成功イメージを掴みたい。何を何処から始めれば良いのか知りたい。

3年先, 5年先, 10年先を考えた行動を考える(短期/中期/長期の戦略構想!) IT系と製造系ではタイムスケールに大きなズレがある。製品は10年、製造装置は 20年の保守サポートがあることを理解しているのか? ▷IT系は、5年~10年程度保守サポートしか考えていないところが多い(短い) ▷製品(モノ)は10年以上のサポートが必須。製造設備は20年当たり前(長い) ▶IT系の提案は10年後のロードマップや保守を担保すべき(知らないでは済まない)

IoTは成長戦略(攻め)と効率化/コスト削減(守り)の手段。2つの取り組み方がある。 ・攻めのIoTは、売上高と収益率を高める取り組み(モノ+コト):中長期的な取り組み ・守りのIoTは、効率化とコスト削減の取り組み(工場の見える化):短期的な取り組み

取組みのポイント

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【今日の課題】 考えてもらいます : 事業領域で異なるIoTビジネス戦略

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最終製品メーカー:エンドユーザー向けモノコト(IoTサービス)を提供 ▷自動車、建設機械、医薬品/医療機器、食品など製造業 ▷製品(ハード)にセンサ/デバイスの組込み可能。ソフトで機能を更新 ▶ユーザーに提供するモノコトとサービスモデル、課金モデルを選択

部品製造メーカー:最終製品の部品や一部の機能を提供する ▷センサ/デバイス、部品、素材、エネルギーなど提供する企業 ▷部品や機能にIoTを直接組込むのが難しい。データの所有権や活用方法に制約 ▶直接センサ/デバイスは組込めない、最終製品を補完する立ち位置

設備やサービスにIoT導入:設備/物流/マッチングなどサービスを提供 ▷工作機械、生産設備、物流倉庫/流通/運輸などサービス提供する企業 ▷設備やサービスにIoT導入が可能。ハードに依存せずソフトに強みを持つ ▶アフターサービス、遠隔サービス、ダウンタイムゼロ、シェアリングを支える

IoTビジネスの戦略策定は、つねにその次、次の次を見据えた準備と対策が求められる ・立ち位置の違いで役割、内容が異なる「最終製品生産」「部品生産」「サービス提供」 ・IoTビジネスは模倣が容易なため、常に次の展開を想定した準備やロードマップが必要

取組みのポイント

IoTビジネスは、市場や事業領域(立ち位置)で役割や内容が大きく変わる

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Agenda:

IoT戦略策定 :IoTビジネスの事業戦略を策定する 2

IoTモデル検討 :ビジネスモデル、課金モデル、エコシステム 1

“It's really hard to design products by focus groups. A lot of times, people don't know what they want until you show it to them. ” by Steven Paul Jobs

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Agenda:

IoT戦略策定 :IoTビジネスの事業戦略を策定する 2

IoTモデル検討 :ビジネスモデル、課金モデル、エコシステム 1

“It's really hard to design products by focus groups. A lot of times, people don't know what they want until you show it to them. ” by Steven Paul Jobs

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IoTビジネスを成功させるための3大要素 :

IoTビジネスを成功するための3大要素 Interface I インターフェース

Interface ユーザーインターフェース ユーザーとの接点、操作性

Service S サービス Service

サービス(ソフトウェア) 価値の中心、収益の源泉

Data

D データ Data

データ(センサ・デバイス) 価値のあるデータ、金鉱脈

3つの要素について:

【データ】 本当に価値のある一部のデータ(収集できるデータの99%は価値がない) 他社が入手できない、自社だけの価値あるデータが差別化のポイントとなる 【サービス(ソフトウェア)】 価値あるデータを活用した、独自のソフトウェアが提供するサービス このサービスこそ新しい収益源となる(例えば、GE社では燃料削減、コマツでは遠隔支援など) 【インターフェース】 ユーザーが直接入出力するユーザーインターフェース タブレットやスマートフォンの画面。 顧客や業務によって異なるニーズやオペレーションは、最も重要なポイント。 ユーザーのニーズにダウレクトコンタクトして、応え続けている限り優位性を維持できる。

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IoT未来社会2020 : 「自動運転車の実用化」 「医療IoTの実現」 短期的

【3年後のIoT】センサーとデバイスがネットワークにつながって価値を生む モノ(製品)とコト(サービス)をユーザーに提供する。モノからのデータを収集して、この情報を活用したサービスを提供する。モノの情報を「見える化」して、これが新しい価値を生む仕組みを構築する。IoT時代に対応した業務の見直し、新しい製品/サービスの検討、新しいビジネスモデルへの取組み。

医療はIoT活用が期待されている領域です。レントゲンやCT/MRIなど、画像検査や医療機器の発展が期待されます。 検査機器や医療データがネットとつながり、AIやビッグデータで迅速かつ正確な病気の早期発見が可能となり、患者それぞれに対応した医療サービスが提供される IoTを活用した新しい医療サービスが受けられる。検査技術の向上や遠隔医療が可能となる。ヘルスケアIoTの実現

自動車は、IoT活用が最も先行する業界として、自動運転やAI技術などが取り入れられる。 GPSによる位置情報把握、道路状況による渋滞回避、運転アシスト機能による操作性の向上、カーシェアリング(ライドシェア)などによる多様なサービスの提供 クルマがネットにつながる。クルマとヒトがつながる。安全性や利便性が大きく進化する。コネクテッドカーの実現化

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IoT未来社会2022 : 「自動車をオーダーメイド」 「ネットで遠隔診察」 中期的

【5年後のIoT】つながることが目的ではない、時間と距離をゼロに近づける モノ(製品)とコト(サービス)が、デジタルでリアルタイム・双方向ダイレクトに得られる仕組み。従来の業務プロセス、仲介処理、手間と時間を省ける。 アウトカム(成果)を、欲しい時に必要なだけ直ぐに入手できる。 待ち時間なく、ムダなく、リーズナブルに欲しい製品/サービスが提供される。

臨床医の仕事は「診察して処置や投薬すること」ですが、 患者にとって待ち時間が多い病院へ行くのは手間が掛かる。 診察や検査などを、ネットで受診する。検査データをAIやビッグデータで解析、その診断より、リモートやセルフサービスで処置。風邪などは、これで治療や処方薬が受けられる。 患者は、職場や自宅でかかりつけ医からいつでも診察を受けることが可能となる。コネクトヘルスケアの実現

自動車は好きなデザイン、好みの仕様をオーダーメイドで作ることができる。自分のブランドをつけて売ることもできる。 スーツをイージーオーダーするのと同じように、自動車をネットからオーダーメイドで作れる。修理パーツや消耗品は、在庫が無ければ3Dプリンタで造成する。リードタイムゼロ カスタマイズ仕様。最寄りの工場で、パーツを手軽に作って手に入れることができる。スマートファクトリーの実現化

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IoT未来社会2027 : 「誰でも自動車メーカー」 「オーダーメイド医療」 長期的

【10年後のIoT】つながることで企業と個人の関係が変わる。エコシステム モノ(製品)とコト(サービス)が、ボーダレスとなっていく。企業は供給サイド、個人は需要サイドという関係が変わる。個人が自分でデザインした製品(モノ)を、企業が製造・販売する。モノから集めたデータを個人や企業が利用して、新しいサービス(コト)が次々生まれる。デジタルエコノミーが社会を革新する。

患者と医者がつながるコネクトヘルスケアがさらに普及する。 高度医療サービスを誰でも手軽に得られる時代になる。 患者ひとりひとりの病状に合わせた、オーダーメイドの薬や専用の医療機器を開発生産して入手することが可能となる。全ての医療を患者が自由に選べる時代となる。 モノ(薬、機器)を患者に合わせて生産、コト(診察、処置)と一緒に提供できる。オーダーメイド医療の実現

自動車は好きなデザイン、好みの仕様をフルオーダーメイドで作ることができる。自分のブランドをつけて売ることができる。 個人がデザインした自動車をロットサイズ1から生産できる。自動車がアパレルのように、セレクトショップで販売やシェアリングできる。あらゆるデータから新しいサービスが生まれる。 モノとコトの両方が商品となって、経済活動を活性化する。デジタルが、ビジネスを拡大。サイバー・フィジカル経済の登場

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IoTの目的は、モノにセンサーをつけてつなげることではない。 中長期ビジョン

IoTの導入効果とは: “時間と距離”をゼロに近づける”ことで、ユーザーにメリット(価値)を提供するサービス

診察や検査などを、ネットで受診する。検査データをAIやビッグデータで解析、その診断より、リモートやセルフサービスで処置。風邪などは、これで治療や処方薬が受けられる。 時間→待ち時間ゼロ、いつでも診察や検査が受けられる 軽い症状なら、かかりつけ医とネットで診察、処置法を聞ける 距離→移動距離ゼロ、どこからでも診察・検査・治療可能 職場や自宅で受診することができる。オーダーメイド医療

スーツをイージーオーダーするのと同じように、自動車をネットからオーダーメイドで作れる。修理パーツや消耗品は、在庫が無ければ3Dプリンタで造成できる。リードタイムゼロ 時間→オーダーメイド(マスカスタマイズ生産) 欲しい自動車をいつでもオーダーできる。生産進捗がわかる。 距離→3Dプリンタでどこでも製造(ロケーションフリー) パーツは欲しいときにネットでデータをダウンロードして作る。

つなぐだけ(時間と距離をゼロに近づける)では、IoT導入効果低い 中期的IoT導入効果 → IoTデータの活用・サービス化して保守運用で稼ぐ 長期的IoT導入効果 → ONLY ONEで他社と差別化、エコシステム構築

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Agenda:

IoT戦略策定 :IoTビジネスの事業戦略を策定する 2

IoTモデル検討 :ビジネスモデル、課金モデル、エコシステム 1

“It's really hard to design products by focus groups. A lot of times, people don't know what they want until you show it to them. ” by Steven Paul Jobs

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IoTビジネスの本質 : 3大成功要素、7つのビジネスモデル、3つの課金体系

IoTビジネスを成功するための3大要素 Interface I インターフェース

Interface ユーザーインターフェース ユーザーニーズに即応する

Service S サービス Service

サービス(ソフトウェア) ソフトウェアで差別化する

Data

D データ Data

データ(センサ・デバイス) 最も重要な経営資源です

IoTのビジネスモデル: ※7つのパターン ①モノコト見える化 アナログ→デジタル(暗黙知→形式知、データ、位置情報、状況把握など) ②ランニング&メンテ 保守運用・メンテナンスなどの継続サービス提供(IoTビジネスのメイン) ③コンテンツ&コンサル 個別サービスの提供、高い価値、高い効果を期待(ヒトが提供するサービス) ④マスカスタマイズ 量産品ベースにカスタマイズ可能、仕様を選択できる、機能を選べる(ソフト対応) ⑤ロットサイズワン 個別受注で製品を生産して提供。生産ロット数は1個から可能(ハード対応) ⑥リモートコントロール 遠隔操作による価値の提供、人件費/時間/コスト/生産性向上に効果 ⑦シェアリングモデル あらゆるリソース(ヒト/モノ/カネ/データ/時間など)をシェアリング

IoTビジネスの課金モデル: ※3つのいずれか、または組合せで提供される ①従量課金型 インフラビジネスと同じモデル、IoTでは最も多い課金体系 ②定額サービス型 従来の保守契約と同じ、使い放題や段階スライド型などが一般的 ③スポットサービス型 サービス内容ごとに提示、個別対応型やカフェテリア型などがある

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ビジネスモデルについて :

7つのビジネスモデルについて : ※7つのパターン ①モノコト見える化 アナログ→デジタル(暗黙知→形式知、データ、位置情報、状況把握など) → デジタル化することで価値を生むもの。例えば建機の位置情報や3Dの現場図面データ ②ランニング&メンテ 保守運用・メンテナンスなどの継続サービス提供(IoTビジネスのメイン) → 保守運用サービスから価値を生むもの。例えば、航空機エンジンの省燃料や建機のリモートコントロール ③コンテンツ&コンサル 個別サービスの提供、高い価値、高い効果を期待(ヒトが提供するサービス) → 省エネ、省人化などのコンサルティングや業務プロセスやオペレーションの見直しによるコスト削減など ④マスカスタマイズ 量産品ベースにカスタマイズ、仕様を選択できる、機能を選べる(ソフト対応) → 既存製品(ハード)のなかのソフトウェアを更新するだけで新しい機能が得られる(テスラ社自動車など) ⑤ロットサイズワン 個別受注で製品を生産して提供。(ハード対応) → 個人のニーズごとに個別生産された製品(ハード)、ハーレーダビットソンやアンダーアーマーのシューズ ⑥リモートコントロール 遠隔操作による価値の提供、人件費/時間/コスト/生産性向上に効果 → 遠隔操作によるサービス提供、建機のリモートコントロール、自動運転自動車・ドローン、ロボットなど ⑦シェアリングモデル あらゆるリソース(ヒト/モノ/カネ/データ/時間など)をシェアリング → Uber(ウーバー)、Airbnb(エアービーアンドビー)などシェアリングモデル

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課金モデルについて :

IoTビジネスの課金モデル: ※3つのいずれか、またはその組合せ(課金モデルは後から変更される) ①従量課金型 :インフラビジネスと同じモデル、IoTでは最も多い課金体系 → 考え方は電力やガス、水道と同じインフラサービスと同じ課金体系 ポイントは、何を物差しに考えるのか? 例えば、ケーザーコンプレッサーは、製造した圧搾空気の容量、STILL社のフォークリフトは走行距離 というように、インパクトが強くてお客様のビジネス(コスト)に訴求力が強い物差しが有効。 ②定額サービス型 :従来の保守契約と同じ、使い放題や段階スライド型などが一般的 → 従業員全員が対象であったり、全ての機器などが対象となるIoTサービスの場合には、 月額または年額固定の定額サービス型がニーズに合致している。 逆に管理すべき従業員数が多すぎる場合や、処理数量がカウント出来ないというケースは、 定額サービス型の方が管理の手間とコストを省ける。 ③スポットサービス型 :サービス内容ごとに提示、個別対応型やカフェテリア型などがある → 一時的なサービス提供や部分的な支援などは、内容や回数ごとに課金するモデルが望ましい。 膨大なデータから市場動向を分析して、そのレポートを販売するケースやアウトソーシングで 業務代行サービスを提供する場合などに有効。

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短期的:「見える化」への取り組み、どの企業でも導入できる 効果は一過性、競争優位性は長続きしない 中期的:データを利用した新しいサービスの提供、新しいモデル 独自性があり、収益化を持続できる企業は半数以下 長期的:先駆者(フォアランナー)として道無き道を拓く企業 成功者となるのは一握りの企業 「勝敗を決するのは、モノではなく他社に真似出来ないコト」

IoTビジネスのロードマップ : 短期/中期/長期の戦略策定

IoT企業のゴールは、新しいビジネスモデルを創り出して継続的に収益を得ること ・モニタリング(監視): 短期的な取り組み → 一時的な効果、スタート地点 IoTで商品・顧客を「見える化」する。IoTの最初の取り組みとなるがその効果は一時的。 競争相手も簡単に真似することができる。ビッグデータよりも、人工知能やスパースモデリング(ベイズ統計論)などを利用し、データから短時間で的確に結果を導くやり方など。 ・メンテナンス(保守運用): 短期的・中期的な取り組み → 短・中期的な競争力 生産性の向上、徹底したムダの排除、機械学習などによる予測精度の向上を実現する。 (予知保全、最適なアフターサービスの開発提供、顧客とのレベニューシェアなど) ノウハウを全てデジタル化するのではなく、ヒトとシステムの役割分担、アナログとデジタルの境界線が日本版IoT/日本版インダストリー4.0の特徴となる。 ・コントロール(制御): 中長期的かつ継続的な取り組み → 先駆者の圧倒的優位性 モノ(機械や機器などデバイス)をリアルタイムに制御。エコシステムを構築拡張する。 環境変動や個体差を補正する技術、反復を繰り返してあらゆる状況に対処できる制御技術など先駆者(フォアランナー)として、技術を磨きアウトカム(成果)を生み出し続ける。

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IoTサービスを、実証実験/実用化/進化させる

【モニタリング・フェーズ】 PoC:実証実験を行って、IoTの効果を確認する AS-IS → TO-BE → PoC:実証実験 → 効果確認 → 絞り込み

PLAN ACTION

DO CHECK

【メンテナンス・フェーズ】 横展開してIoT効果の最大化を狙う AS-IS → TO-BE → PoC:実証実験 → 効果確認 → 全社展開

【コントロール・フェーズ】 実用化/商用化してビジネスモデルを確立する AS-IS → TO-BE → PoC:実証実験 → 効果確認 → ビジネス化

IoT実用化には、3STEPアプローチでスパイラルアップに取組みます IoTで取り組むテーマを決めてから、まず「モニタリング」として“見える化”に取り組みます。ここでIoT導入効果を確認します。次に、「メンテナンス」として“収集・解析したIoTデータ活用”を対象となる複数の領域に横展開して効果の最大化を狙います。ここで、R&I(研究&イノベーション)を行ってROI(投資対効果)や新しいビジネスモデルを検討します。仕上げとして「コントロール」として“モノとコトの両方を制御するしくみ”を構築します。ここから、本格的にビジネスを開始します。 これが小さく始めて3つの段階を経て大きく育てIoTプロジェクト(お客様向け)に取り組みます。

重要なのはスピードとPDCAサイクルの回数

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IoTでビジネスと社会を変える、市場をリードする : 3つのアプローチ

「監視・保守・制御」 短期・中長期の取り組み IoTの3STEPアプローチ

短期的施策は、始めに“IoTで見える化”を実現する。「監視」と「保守」で効率化・省力/省人化を狙う。 中長期的施策は、「保守」と「制御」で新商品開発やサービスの有償化など、新しいビジネスモデルを目指す。 →IoTの「監視・保守運用・制御」3STEPアプローチ

「内向きと外向き」 内向き:効率化・省力化 外向き:売上・利益貢献

内向き(社内)と外向き(社外)の両方に取り組む。 内向きの活動は、他社との差別化には成らないが即効性がある。外向きの活動は、中長期戦略で売上↑と利益↑への貢献を狙う。従量課金型モデルが主流。 →ゴールを遠くに置いて、内外バランス良く取り組む

「ONLY ONEの IoTデータ活用」

独自のデータ活用に強み オープン・クローズ戦略

IoTデータの収集・蓄積・抽出/変換・分析・サービス化をONLY ONEで行う独自データ活用が競争力となる。サービス化を迅速かつ柔軟に行うために、ベンチャーや他社と組んでオープン・イノベーション戦略が必要。 →IoTデータ活用のオープン・クローズ戦略が成功の鍵

あるべき姿を描いて、IoTの効果が企業と社会を変えるしくみの構築を目指す! 新しい戦略、新しい取り組み、結果を出すため「意識を変える・行動が変わる」

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デジタルビジネス・プラットフォーム :攻めのITと守りのITに対応した仕組み

System of Records (記録、実績収集、定型業務)

業務効率化 省力化・生産性向上

コスト削減

System of Engagement (連携、顧客・パートナーとのつながり)

ビジネスプロセス革新 新しい商品・サービスの創造 企業を超えたエコ・システム

SFA: 営業支援

財務会計

ERP

管理会計

販売管理

顧客情報 顧客DB

業績管理

購買管理

在庫物流 管理

生産管理

原価管理

設備保全

BI:見える化 業務分析

SCM: 需要予測 イベント管理

製品マスタ BOM管理

CRM: カスタマー サービス

ERP

BI:見える化 経営分析

モバイル (スマートデバイス、ウェアラブル)

ソーシャル:SNS デザイン思考:UI/UX

アナリティクス 人工知能 機械学習

パブリッククラウド プライベートクラウド オンプレミス

常時 監視

成長戦略アプリケーション基盤 IoT系プラットフォーム

ビジネス・アプリケーション基盤 バックオフィス系プラットフォーム

BI/BA

CRM SCM

基幹系システム(バックオフィス業務)とIoTビジネス用システム(モノコト事業実行)の 両方を複数のシステム基盤とソリューション(ソフトウェア)で支える。 SoE:先進ITに自社独自の強みをシステム化・サービス化して事業を伸ばす、直接貢献する SoR:既存の基幹システムなどバックオフィスシステム。事業を支える基盤として貢献する

デジタルビジネス・プラットフォーム

コネクト・デバイス センサ、エッジコンピューティング (モビリティ、マシン、ロボット)

システム基盤 プラットフォームレベル (IaaS/PaaS)

ソリューション アプリケーションレベル (SaaS/DaaS) 予知

保全

遠隔 制御

戦略アプリ1 IoT保全

戦略アプリ2 モノコト

独自キラー アプリ

バックオフィス系システム ミッションクリティカル・安定性・信頼性

成長戦略/競争優位支援系システム CPS(サイバーフィジカル)・柔軟性・拡張性/即効性

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IoTで市場をリードする : イノベーション&成長戦略を目指す

データがつながらない状態 (ビフォーIoT時代)

IoT黎明期 (見える化、つながる工場)

IoT普及期「監視」→「保守」 (データ活用を試行錯誤)

IoTで新しい市場リーダーシップ確立、価格支配力(プライスリーダー)を狙う IoTをビジネスチャンスと捉えて“イノベーション&成長戦略の実現”を目指す

IoT成熟期「保守」→「制御」 (CPS実現、デバイスをコントロール)

蓄積された膨大なIoTデータを 独自ノウハウでサービス化する (デジタルで強みを強化する)

経営に対するIoT活用の貢献度

システムの柔軟性

紙・Excelなど属人化からの脱却、 デジタル・トランスフォーメーション時代の経営資源を確保 (ヒト・モノ・カネ+データ&スピード)

IoTデータ活用が 競争力の源泉となる (ONLY ONE戦略)

社内と社外、工場間・工程間がつながる IoTデータの収集・蓄積・抽出/変換・ 分析ができる(デジタルエコノミー)

IoTの進化 IoTによる市場リーダーシップ確立

(市場支配力、グローバル・ニッチ・トップ)

IoT拡大期「監視」→「保守」 (データ活用に独自性・特徴)

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