湯湯﨑﨑﨑英彦英彦のの宝宝宝さがしさがし...平成 21221121 年度 年度第第 3...
Transcript of 湯湯﨑﨑﨑英彦英彦のの宝宝宝さがしさがし...平成 21221121 年度 年度第第 3...
平成平成平成平成 21212121 年度年度年度年度第第第第 3333 回回回回
県政県政県政県政知事知事知事知事懇談懇談懇談懇談
湯湯湯湯﨑﨑﨑﨑英彦英彦英彦英彦のののの宝宝宝宝さがしさがしさがしさがし
テーマ【挑戦そして実現!引き出せ広島県の「底力」】
とととと きききき 平成平成平成平成 22222222 年年年年 3333 月月月月 20202020 日日日日((((土土土土))))
ところところところところ 東広島市総合福祉東広島市総合福祉東広島市総合福祉東広島市総合福祉センターセンターセンターセンター
広広広広 島島島島 県県県県
目 次 頁
開 会 ··············································································· 1
懇 談 ··············································································· 2
自由討論 ··············································································22
閉 会 ··············································································29
- 1 -
開 会
○司会(行政情報室長) ただいまから平成 21 年度第 3 回県政知事懇談「湯﨑英彦の宝さがし」を,ここ「東広島市総合福祉センター」で開催いたします。 初めに,湯﨑広島県知事が御挨拶いたします。 ○知事(湯﨑) 第 3 回の県政知事懇談「湯﨑英彦の宝さがし」の開催にあたりまして一言御挨拶申し上げます。 本日は大変お忙しい中,またお休みの日にもかかわらずお集まりいただきまして本当にありがとうございます。また,傍聴の方々もたくさんお集まりいただきまして本当にありがとうございます。 この県政知事懇談は昨年から始めまして,今日が3回目でございます。ちょうど脂が乗ってきたところで東広島にお邪魔させていただいております。私は「現場主義」というのを庁内でも言っているのですけれども,それを私自身も実践するということで,こうやって各地域の方々と直接お話をさせていただく機会を設けさせていただいているものであります。 いただいた御意見は,個別にというよりも全体としてだんだんと積み上げて県政の基礎にしていきたいと思ってこれを進めております。1年ほどかけて全市町を回っていく予定でございます。東広島は私も何かと御縁のあるところでございまして,今日はここに来られたことをうれしく思っております。 始まる前に,私の基本的な考え方を幾つか御説明させていただきたいと思います。 まず,「宝さがし」と銘打っておりますけれども,広島県の中には力とか宝,競争力であるとか,あるいは強みだとか,そういった言い方をすることもございますけれども,いろいろな強みあるいは力とか宝がたくさんあると思っています。自然環境もそうですし,もちろん広島県は産業が非常にたくさん集積しているところでありますので,そういった産業であるとか技術であるとかもそうですし,あるいは様々な農産物もたくさんある。そして,何よりも人,熱い人がたくさんいると思っております。こういった力や宝をこれから広島県として最大限活用していかなければいけないと思っています。 といいますのも,これから大きく時代が変わろうとしております。高齢化とか人口減少といったことはよく耳にされていると思いますけれども,これが本当にこれから大きく進んでまいります。これを乗り切って豊かな暮らし,幸せな暮らしを続けるためには,持っている強みをベースにして,活力を生んでいくということをやっていかなければいけないと考えている次第であります。
- 2 -
具体的には五つの挑戦と言っておりまして,「人づくり」,「新たな経済成長」,「安心な暮らしづくり」,それから「豊かな地域づくり」,最後は「行政刷新」ということで県庁内部ないしは市町との関係の話でございますけれども,こういった五つの挑戦を行っていって,この力と宝を最大限に使っていくということでございます。 今日はここに来る前に市内をいろいろ回らせていただきまして,集落法人の農業の様子を拝見させていただいたり,あるいはお子さんを連れてきてみんなで交流できる場所であるとか,もちろん酒蔵にもお邪魔させていただいて,ちょっと利き酒が過ぎたかなと思っているのですけれども。やはり東広島は本当に今,発展をしてきている地域でありまして,非常に活気あふれるいいところだと改めて実感した次第でございます。 今日は公開の場ということではあるのですけれども,是非忌憚のない御意見を自由におっしゃっていただいて,意義のある会合にできたら大変ありがたいと思っております。最初はどこの場所でも固くなったりするのですけれども,どうぞ肩の力を抜いて御自由に御発言いただければと思っております。 それでは,簡単でございますけれども,私からの開催の御挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。 懇 談
○司 会 本日の県政知事懇談「湯﨑英彦の宝さがし」のテーマは,「挑戦そして実現!引き出せ広島県の『底力』」でございます。皆様とともに新しい広島県づくりに取り組んでいくため,日ごろから皆さんが各地域,各分野で様々に活動されている中から御提案や御意見をいただき,知事と率直に話し合っていただきたいと思います。 発言につきましてはあらかじめ順番を決めさせていただいておりますので,申し訳ございませんが,順番に従って発言をお願いいたします。 それぞれの方の御発言ごとに知事との意見交換をしていただきます。発表された方は,知事のお話への感想なども交えまして懇談していただければと思います。 ただ,限られた時間の中での意見交換ということで,最後の 30 分程度は,御参加の皆さん全員での意見交換にしたいと考えておりますので,知事との懇談も含めてお一人当たり5 分程度ということで,時間は短うございますが,ひとつよろしくお願いいたします。 それでは,早速始めさせていただきます。初めに,知事の右手にいらっしゃいますAさんからお願いいたします。お座りになったままでお願いします。 ○A はじめまして。国際交流会東広島のAでございます。
- 3 -
私は八本松飯田で川上弾薬庫の近くに住んでおりまして,私の家は古い茅葺き屋根の家でございます。この国際交流会にはこの家も異文化を知るということで大活躍してくれております。当会は広島大学ができまして,最初,ある教授のところに3人ほど留学生が見えまして,学生は学校に行きますけれども,奥さんが家に閉じこもって精神的に非常に苦痛を感じているというところから,教授夫人が立ち上げられまして,昨年 25 周年を迎えることができました。国際交流会東広島は留学生とその家族,また日本に来て仕事をしている人たち,また日本人と結婚をしている人たちと活動をしております。いろいろな活動を通して非常に親しくなりまして,その人たちの国を訪問して,楽しく今に至っているという人たちもたくさんおります。 この学園都市で外国の方が非常に多いことをもっと活用できないかと思いますのが教育現場でございまして,学校のクラブ活動に国際交流部というのが一つもないのではないかと思います。小さいときからそのような交流をしていると,ひょっとしたら大きく羽ばたいて外国から帰ってくる人たちも多くなるのではないかと思っております。そういう人たちと交流することによって,ちょっと高度になるかも分かりませんけれども,中学生などはしっかりとその国について学び,学んでいるうちに国が好きになり,そうすると,また外国語を勉強するチャンスになるのではないか。外国にお金を出してまで,体力を使ってまで行かなくても,ここで大いにそういうことができるということを,ひょっとしたら私たちは忘れている。外国の人がいるわ,留学生がいるわで済んでいるのではないかと思います。いろいろなスピーチコンテストを通してみましても,やはり外国に出るにしても,出るまでにこの地でいろいろな下準備をして出ると,子どもさんたちも大きく羽ばたけるのではないかと思っております。以上でございます。 ○知 事 ありがとうございます。一つ御質問させていただいてもよろしいですか。その国際交流の開始はニーズから出てきたところかと思うのですが,実際にずっと活動されてきて,一番よかったこと,いいこと,それはどういう点だとお感じになられますか。 ○A 思いますに,私たちの会が非常に柔軟性があるということで,例えばそういう人たちを外に出す,日本の言葉を教えてあげて買い物に行く。そういうところから始めまして,子育てもしようじゃないか。大学,大学院を出て来られる人も多く,一子,二子,あるいは三子目も日本で出産なさる方も多いので,そういう人たちと日本の子育てをしている人たちとの交流ということで「さくらんぼの会」というのも立ち上げました。日本語クラスも立ち上げました。そういうことをしましたけれども,広島大学が日本語の教室を無料でします。資料もコピー代も要りませんということで始まりましたので,そちらに行く人も多
- 4 -
くなってそれはやめました。それから就労関係の規制が緩和されまして,子どもさんを0歳児から預けて働きに出る母親も多くなりまして,そういうことから「さくらんぼ」も閉じました。必要があるものはつくり,その位置で一時を担って,いい成果があったのではないかと思っております。 ○知 事 国際交流というのを目的にしたというよりは,本当にお互い助けるというか,そこから始まって長続きされているという感じですね。 ○A はい。そうです。 ○知 事 地域の中ですごく肩肘を張ったものよりも,そういうふうに本当にニーズに応じた助け合いというのは非常にすばらしいと思いますし,これまで海外へ行くというと,やっぱり大学に出てから行くとか,東京経由だったり大阪経由だったりすることが多いのですけれども,地域で直接交流をしていくというのが地域づくりをしていく上でもおっしゃるように非常に大事なことになってくると思います。是非継続していただいて,またそういう事例も,我々もそれを広める努力をしなければいけないと思いますけれども,こういうやり方もあるというのが非常に参考になりました。ありがとうございます。 ○A ありがとうございました。 ○B はじめまして。西条町御薗宇松賀地域から来ましたBと申します。今日はよろしくお願いします。 私は高齢化が進んでいる小さな地域で,松賀サロンを行っております。きっかけは,近所の方からたまにはみんなで話がしたいよねという声から,定期的に地域の気のあった者同士が集まることができないかと考えていたところ,市社協から近所の1人暮らしの高齢者の離れがあいているので使ってほしいと言われ,その場所で精神障害者と地域の方が一緒に交流できるサロンができないだろうかと相談を受け,離れの2階を借りて,地域の方と精神障害者の方が集う松賀サロンを立ち上げました。でも,私自身,正直戸惑い,不安もありましたが,障害者の方と直接お話しすることで,不安は吹っ飛びました。月1回,松賀地域の方と精神障害者が集い,おしゃべりやお出かけしたり,地域のとんど行事など
- 5 -
に参加して,今では全く違和感がなく,障害者も地域の一員として溶け込んでおられます。これも地域の皆さんの協力,理解があってこそと感謝しております。 今後このサロンを少しでもたくさんの地域の方に知っていただきたいと思っています。高齢者のサロンは数多くありますが,障害者が地域の皆さんと集う場所がほとんどありません。地域の中に障害者が気軽に参加できるサロンが一つでも多く立ち上がることを願っています。そのためには,地域住民や障害者のつながりをつくるために,集える場所の確保も大事ですが,私たちには専門の人たち,市の方々のバックアップ,後押しがないとなかなかできません。どんどん地域の中に足を踏み入れていただける体制をつくっていただけたらと思っております。以上です。ありがとうございました。 ○知 事 ありがとうございます。実際,御指摘のとおりサロンというのはたくさんあって,県内で 3,000 ヵ所ぐらいあるらしいのですが,障害のある方が参加できるところは少ないそうでして,これを広めていくというのは必要だと思います。今,おっしゃったように市なり専門家のバックアップというのが必要なのだと思うのですが,Bさんの松賀サロンがうまくいった理由は。 ○B やっぱり大きいのは地域の方の理解と,私自身,精神障害の人がどんな人か全く無知で分からなかったのです。それを直に作業所とかそういうところへ地域の方と一緒に行って,直接お話をしたら,全く普通の人じゃないですかという感じで,反対に元気をもらったような感じでして,それで皆さんに賛同をいただいて,一緒にやってみようということでいま現在に至っております。 ○知 事 最初から地域の方々の理解があったというわけではないと思うのですけれども,そうやって実際にお会いしたり,一緒に何かしてみると,なんだこういうことかというふうに理解が進んだということなのですか。 ○B そうなのです。もっとこういう障害者がどんどん地域に入り込めたら私は一番いいのではないかと思います。障害者は本当に笑顔がすてきなのです。だから,それを深く願っております。 ○知 事
- 6 -
ありがとうございました。 ○C 皆さん,こんにちは。私は高屋町白市から参りましたCと申します。知事におかれましては,今朝白市にもお寄りいただいて,そこで旧木原家住宅にもお寄りいただいたと思いますが,その真ん前にあります白市郵便局に勤めております。どうぞよろしくお願いします。 まず白市の話をさせていただきたいのですが,私はそこで「白市の文化を考える会」という会,それから「白市景観形成委員会」という会に所属をして活動しております。二つともいわゆる大きな意味でいうまちづくりの団体なのですが,「文化を考える会」のほうは,白市の文化の継承といいますか,そういったものを主な活動としておりまして,中身は歌舞伎をやったり,歌舞伎でも子ども歌舞伎をやったりしています。「白市景観形成」のほうは,まちづくりそのものの中身なのですが,根っこは一緒でして,それぞれがその根っこに持っているのは,住みやすいまちをつくりたい。それから,地域の子どもはその地域で育てる。そのために子どもたちに思い出をつくって,子どもたちにいつの日かまちに帰ってきてほしい。東広島は先ほど発展する地域の一つと言われましたが,周辺部に行きますと,どこも同じような状況と思いますが,やはり少子高齢化というのが進みまして,そういう中で地域社会をいかに維持していくか,若い人たちに帰ってきてほしい,そういう思いを持ちながらやっています。 その中で今の子ども歌舞伎などは 15年ぐらい前からやっておりまして,江戸時代,白市というのが広島藩の中にあった三つの牛馬市の一つで,藩の中に三つしかなかった芝居小屋があったということで,昔は文化と商業の中心地であったようなのですが,今はそういうことでかなり寂れてまいりまして,そういう中で昔の面影の残ったまちをいかに残すか,そして,住みやすいまちにしていくかというところでいろいろ課題を持ってやっております。 そういう中で,約 10年くらい前から「景観形成委員会」というものを立ち上げまして,このきっかけになったのが,先ほど言いました芝居小屋が昭和 40年代か 50年代ごろに惜しくも残っていたものをなくしてしまったのです。倒してしまったのです。それを非常にまちの者が悔いまして,これ以上そういうものをなくしてはいけないと。そこから自分たちのまちの振り返りとか,そういうところから始めまして,約 10 年間,88 回の会議を繰り返しまして,途中ではその活動を認めていただきまして,街なみ環境整備事業も地域事業の一環でやっていただいているのですが,そこで一つ是非知っておいていただきたいこと,お願いしておきたいことがあるのですが,実は造賀田万里線という県道がありまして,それが白市のまちの真ん中を通っているのですが,その県道の整備が済まないと白市のまちの中の下水整備が進んでいかない。下水整備が進んでいかないと,先ほどの街なみ環境
- 7 -
整備事業の一環で,例えば道路を親水性のアスファルトにしたり,カラーリングを考えてまちの中にそういう案内ができる表示をしていこうとか,そういうアイデアがあるのですが,そういうものの整備ができないということがありまして,白市のまちの中のお願いとしては,県道整備が,今,進んではいるのですが,少しでもスピード感を持ってやっていただければ,そういったところの活動もどんどん前に進んでいくというところがありますので,小さい地域のお願いを一つ挟んでしまいまして申し訳ないのですが,そういうところの思いがあります。 もう一つ,先ほど言いました旧木原家住宅は国の重要文化財なのです。この木原家住宅の中で実は 1 年に 1 回,1 週間ぐらいなのですが,小学校の子どもの作品の展示会をするのです。恐らく国の重要文化財の中でこういうふうな行事をしているのは全国でも割と珍しいのではないかと思います。これは是非,また知事には見ていただければという思いがあります。文化財の新しい使い方の工夫の一つではないか。周辺の住民の皆さんもそこでその一週間の間は例えばバザーを出したり,そういうことで協力をしているところです。 それからもう一つ広域的な話をさせていただきますと,今,広島県といいますと,割と行政の形で言えば権限移譲が大分進んで,私たちが県と直接かかわるという場面が少なくなって,市にお願いすれば大方のことが済んでしまいますので,どうも県と直接的なつながりというのが薄くなって,県は今どんなことをしているのだろうかということもあるのです。ただ,さっきの白市の話に戻りますと,広島県の顔と言いますか玄関口は空港ですよね。広島空港というものがありまして,その周りには今の歴史の話で言えば河内町の入野地区とか白市とか,この辺はかなり歴史的なものがある。それから,少し北に上がりますと,豊栄,福富,大和あたりは果物とかそういう農産物があるというようなことがあって,また向こう側に三原地域などもあります。是非そういうふうなところで空港周辺の連携みたいなものが県のほうの主導でひとつできれば,新しい動きがあって,その中でまた白市の役割というものが再発見できないかという思いがあります。そういうところで一考いただけたらとお願いしておきます。よろしくお願いします。 ○知 事 何点か御要望もいただきまして,県道のほうも着々とやっておりますけれども,でも,こういうのも,今まさに県道で県の権限でやっているのですけれども,地域の道路というのは本当はやっぱりそれこそ地域にやっていただくというのがいいという事例なのかもしれないですね。県全体で見ていると,どうしてもあそこ,ここと順番になってしまうものですので,我々が国から県に権限をくれというのは,県のほうが地元の事情がよく分かるからということなのですけれども,さらに県といっても広いですから,その中での需要というのは市が一番よく御理解されているということで,また協力しながら進めさせていただきたいと思います。
- 8 -
木原家はすばらしい大きな土間が印象的で,立派な梁も曲がった木でできていていいなという感じでした。おっしゃるようにこういった文化財も保存して見るというだけではなくて,活用できたらもっと素晴らしいと思いますので,是非時間があれば学校の展示のときも来られたらうれしいと思います。 もう一つ,空港の周辺の連携という点ですが,今,私が瀬戸内の話をしているのですけれども,これも同じことかと思います。つまり,瀬戸内でも一つ一ついいものはたくさんあるのですけれども,一つ一つの力だけでは弱い,足りないというのがあって,幾つかが連携しながら集まって動けばもっと強い力が出せるということだと思うのです。観光政策というのも,今はたまたま海というところに焦点が当たっていますけれども,海だけの話でもありませんので,また是非考えていきたいと思います。ありがとうございました。 ○D こんにちは。東広島青年会議所より参りましたDと申します。どうぞよろしくお願いいたします。 私は,志和町で生まれ育ちまして,大学を出まして帰ってきて,現在,市内のスーパーマーケットを営んでおります会社で働いております。立場としてはまちづくり,青少年育成ということで,いわゆるJCの活動でいろいろと活動をしています。小売業という立場もございますので,どちらでお話しさせていただこうかと思って悩んでいたのですけれども,小売業という立場で話をさせていただければと思います。 まず最初に,青年会議所での活動なのですけれども,昨年の 2009 年度は「OMOIYARI の農村再生事業」というものに取り組みました。これは広島県の問題としまして,耕作放棄地に焦点を当てまして,みんなで耕作放棄された田んぼを耕そう。もう一回植え付けをして,収穫をして販売するという一連の事業を昨年度行わせていただきました。その活動には,西条農業の高校生とか,一般の興味を持たれた方,市民の皆さんと一緒にそういった活動をさせていただきました。その事業を通して,やはり地産地消という問題が私の中でテーマに残っておりまして,こちらは会社のほうでも考えております地産地消という部分でコラボするわけですけれども,そこで一つ御提案したいと思います。広島県の食料の自給率は 23%ということで,日本全国でもかなり低レベルということで,東広島市の中には何があるかと考えましたところ,やはり県内最大の米の産地である。耕作面積の 89%は水田です。広島県に占める田の割合は 15.9%ということで,三次,庄原よりも水田が多い地域でございます。地産地消を推進していくということで言いますと,中心は米であると考えています。 当社の中で取り組んでいる一つの事例としまして,志和町の集落法人の方と県民米である「あきろまん」を再度皆さんに知っていただいて,皆さんに食べていただこうという取組を現在やっています。改めて県民米である「あきろまん」を食べようというキャンペー
- 9 -
ンを是非県のほうからもお願いしたいと思います。 例えば福岡県の「夢つくし」というブランドがございます。こちらは谷亮子さんと県知事さんが一緒にCMに出られまして,県内でしか生産されていないものを県内で消費しようという大きいキャンペーンをされています。今,デフレでどこもそうだと思うのですが,安くておいしいものということで,いろいろなところからものを集めている小売業は結構あると思います。そこにプラスアルファのものがないと地産地消は進んでいかないのではないかと思います。そういった意味で,御存知だとは思いますけれども,是非改めて広島県の県民米というもののアピールを県知事さんと一緒にできればいいなと思っております。 例えば 2月 3 日に節分の日がございます。巻きずしの販売でかなりどこの小売業者,外食さんもやられていると思うのですけれども,当社でいいますと2万本の巻きずしがその日に販売されます。一つ 100 グラム,150 グラムだとしても1日でかなりのお米の消費ができるわけです。そういった一つの取組で地産地消,県民米を使うということでかなりの消費が進むのではないかと思いますので,小売り,外食,一般の食堂,そういったところに是非広めていただきたい。お声がけいただければと思います。以上でございます。 ○知 事 ありがとうございます。地産地消のキャンペーンをやっているのは御存知だと思うのですけれども,マークを付けたりしてスーパーでも置いていただいているかもしれませんけれども,今ひとつ目立ち方が足りないのかなという感じもあるのですが,いかがですか。 ○D そうですね。一つの商品だけだとお客様の目にとまらないというか,それなりのコーナーをつくらないとお客様の目にとめていただけない。そこはお店の広さ,そういうコーナーがつくれるかどうかというところにもかかわってくるのですけれども,このお米を使いたい。つくりたい。売りたい。みんなが思うものが一つ共通であれば,商品は光ってくると思います。 ○知 事 分かりました。地産地消はもっともっと力を入れてやらなければいけないことの一つだと思いますので,御意見をいただいてまた考えたいと思います。ありがとうございました。 ○E こんにちは。今日は広島から東広島市まで来ていただいて,我々の意見を聞いていただくということで,非常にうれしく思っております。
- 10 -
私は,東広島市酒米栽培協議会におります。先ほど知事さんも酒蔵を二,三,歩かれたと聞いております。ありがとうございます。生産地,場所はここの隣の高屋町造賀,ちょっと標高の高い 340メートルぐらいのところで酒米をつくっております。我々の協議会はJAの広島中央,東広島市,酒造会社,こういうところの指導でもって,生産農家が 28戸,それから農業法人が 2社で酒米,酒造好適米というのをつくっています。品種は山田錦でございます。ちょっと品種的に古いものですから,有名な品種ではありますが,後ほど提言のところで知事さんにお願いがありますので,そこらあたりをしっかり聞いていただきたいと思います。 なお,東広島市西条は古くから日本酒の三大銘醸地と言われております。御存知のように兵庫の灘,京都の伏見,それから広島の西条でございます。西条の酒まつりは 10 月にいつも開催されますけれども,全国から二日間にわたって二十数万人の方が西条の地に来られるということでございます。こういうことの起こりは,やはり西条の酒造会社の方がメインになって,協賛会社の協力を得ていま現在非常に盛大にやっておられる。当然我々協議会も酒まつりに参画して,酒づくりの文化,あるいは伝統を多くの人にお伝えしたいといま現在も活動しております。 19日,昨日ですが,西条の酒造協会による西条清酒品評会がありました。関連機関の方が約 200名ぐらい来られて盛大な会がありましたが,これも皆さんの協力,酒造会社がメインになって行われる行動,そういうものに目を見張るものがあるわけです。ただ,残念かな,酒の消費がいま非常に少なくなっておりまして,そこらあたりをどうするかということが酒造会社さん,あるいは東広島市の課題ではないかと,このように考えているわけでございます。 我々は今後とも酒づくりに適した酒造好適米を一生懸命つくって,地元の西条にたくさんいい米を収めようということで頑張っております。以上,簡単な紹介です。 次に提案ということで申し上げたいと思います。 まず一つは酒米の新品種の育成のお願いでございます。今,農業技術センターで酒造好適米の新品種の開発がストップしているということを聞いています。ここ広島県は酒米生産が今年度,22 年度 420ヘクタールの生産地,これは当地だけではなく三次,庄原,北部農協で 420ヘクタールあります。そういうところで品種改良が滞って,ひとつもされていないということを聞きまして,私は唖然としているわけであります。 それともう一つ,品種改良には長年の時を要するわけですから,他県は順次新品種の開発をやっているように聞いています。我が県も 420ヘクタールの面積がありながら,そういうものをストップさせてもらったら困る。新品種をつくっていただいて,新しいいいお酒を各酒屋さんにつくっていただきたい。こういう思いでいっぱいでございます。 いろいろあるわけですが,農政のほうはお金を今まで随分削られて,今のような新品種改良も研究所でできないようなことになっている。よそから品種を持って帰れということ
- 11 -
らしいですけれども,よその県は開発したらその品種は他県には出さないわけです。そういうところを考えていただきたい。切に要望したいです。 それと,農業技術センターには育成途中の品種があるそうです。10年のスパンがかかると,今 7 年目,8 年目のものが冷蔵庫に寝ているそうです。これは生きているものですから,いくら冷蔵庫に入れても継続してやらないと死んでしまいます。今,中止になって 2~3 年と聞いておりますので,早急に継続をお願いしたいと思います。新品種をつくるのに人数がたくさんかかるということはありません。1人か2人,あとは助手の人で,植えたり収穫したりするわけですから,そういうことで事は足りるわけです。とにかく継続が金なのです。 それと先ほどDさんが言っておられましたけれども,やはり主食用玄米にしても,広島県は今まで開発されたものは「あきろまん」だけです。随分古い品種で,「中生新千本」でずっときていて,これではいかんということで「あきろまん」ができたわけです。「あきろまん」ができて相当になりますけれども,この主食用玄米にしても新品種の開発は滞っているということでございます。 くどいようですが,ひとつよろしくお願いします。日本で唯一の酒の研究機関の独立行政法人酒類総合研究所が西条にあります。これは全国で唯一でございます。そこで研究なりしているのに,県の農政のほうでは新しい品種を開発していないということは,これはバランスを欠くのではないかということで,よろしく,よろしくお願いいたします。 もう一点,自給率の向上についてです。先ほどDさんがおっしゃったように当県自給率は 23%,全国で下から数えたほうが早いのではないかと考えております。一方,消費は米にしても消費県であります。消費県ということは,米はなくなって当然でございますが,農協の米蔵には売れない米がたくさんあるわけです。せめて官公庁の方には広島県の米,地元の米を食べていただきたいと思います。 あと,集落法人の設立についてですが,20ヘクタール以上になると補助金が出るということでございますが,現状を考えると 20ヘクタールにならないためにそういう組織ができないというところがたくさんあります。そこらあたりを国の行政,あるいは県の行政としてもう少し考えていただいて,ハードルを低くしていただいて,隅々に団体の行動ができるような組織づくりを考えてほしいと思うわけです。法人は大事でしょうけれども,法人の面積より零細農家の面積は広いわけです。そこらをいかにして少ない面積でも集約できるかということを,補助金の件も考えていただいて,よろしくお考えをお願いいたします。ありがとうございました。 ○知 事 ありがとうございます。県内でも特に酒米というのは重要な産物だと思います。それにずっと取り組んでいただいているということで,改めてありがとうございます。品種改良
- 12 -
の件は,すみません,私も今,知識がないものですから,またよく調べたいと思います。このお造りになった酒米は大体県内の酒蔵さんが買っていらっしゃる感じですか。 ○E そうです。ほとんど県内消費ということになっておりますが,一部,北部のほうでつくっている品種は県外には出ていることは出ております。ただ絶対に広島県でできた「千本錦」という品種があるのですが,これは非常に人気がいいのですけれども,他県には一切出しません。先ほど言ったように苦労してつくったいい酒米は他県が種をくれと言っても出さないわけです。 ○知 事 逆に,酒蔵さんがもっとつくってくれというのはあるのですか。 ○E それが,毎年我々の酒米の生産量で約 8%から 9%の需要が減っているのが現状です。是非とも知事さんにも日本酒を飲んでいただいて,酒の消費をまず上げないことには我々生産者の面積は広がらないというのが現状です。そこで,先ほど申し上げたように,新品種で新しいお酒をということが言いたいわけです。
○知 事 分かりました。ありがとうございます。お酒は広島の大事な宝の一つなので,我々も大事にしていきたいと思っておりますので,またいろいろよろしくお願いします。ありがとうございます。 ○F こんにちは。私は唯一海がある安芸津町から参りました。安芸津漁業協同組合のFと申します。よろしくお願いします。 我々の職業は,県が関連していることが多いので,知事さんはある程度のことはお分かりだと思いますが,今日集まっておられる皆さんに少しだけ概要を説明して討論に入りたいと思います。 東広島市は早田原漁協と我々安芸津漁協という二つの組合を持っています。両方あわせますと,正組合員が 67 名,准組合員が 40名,年間売上げがおよそ 30億円ではないかと思います。その内訳といたしまして,カキの養殖業者が 22 業者,新事業者が 20業者,漁労が 37業者おりまして,広島県内で養殖業に携わっているのは一番最多だと思います。 それと,地球規模で見ますと,日本海は池,オホーツク海も池,そして,ここ安芸灘は
- 13 -
川です。本当に小さな小川です。そこで我々は養殖をしたり,魚を捕ったりして暮らしてきているのですが,近ごろは養殖も漁労のほうもあまりよろしくないのです。今,シラウオの時期でございますが,シラウオもまあまあというような状態でございまして,どこに原因があるのかということになりまして,今,我々が取り組もうとしているのが鉄炭団子です。海に鉄分がないのではないかということで。何で鉄分が要るのかということになりますと,植物性のプランクトンが増える。植物性のプランクトンが増えたら,動物性プランクトンも増える。要は,えさが増えるということです。えさが増えなければ魚も増えない。市のほうへお願いして,広大の先生と一緒にやろうじゃないかというところまではいっているのですが,これも先進地として山口県宇部市のほうで 7年間やられているそうです。あそこは潜水漁業が 40業者いて,それでミル貝を捕ってくるそうです。そしたら,あそこは潜水するから海がきれいになっていくのが分かる。ものが増えていくのが分かる。漁師をやめようかと思っていたけれども,これはもう少し続けてみようと。そしたら,そのミル貝業者が増えたものですから,近所の奥さん方をパートとして雇ってくれる。地場産業が活発になる。雇用も増えてくるということで,なかなかいいですということで,悪いものでなかったら何かせにゃいけんのじゃけやってみようかということで,我々はいろいろな取組をしております。稚魚の放流も,オコゼに関しては広島県で一番よくうちが放流しているのです。それが 6年間続いていますから,結果は見えてきています。オコゼが増えました。今からはそういう何かをせにゃいかん漁業になってきているのです。 この前も環境省から頼まれまして,海底ごみ回収の実証実験をやったのですが,なんと,1漁協だけで年間 15トン。それもほとんどがプラスチックとかナイロンとか生活ごみです。企業ごみというのがほとんどなかったのです。家電製品もなかったです。そういうのを環境省もデータができるのでありがとうございましたということで,それからさっき言ったように,うちはカキの作業所が国道からちょっと沖へ出ているものですから,なかなか認知されないので,直販構想,直販所をつくって売ろうじゃないかという構想を持っています。その中に海で採れた雑魚,要は市に出しても値が付かないもの,でも新鮮なわけですからワンコインで値を付けて売ってみたい。そうすれば,お母さんたちが元気が出てくる。浜の母ちゃんに元気が出たら,大変いいことなのです。そういう構想を持ってやっております。 それと,高齢化による後継者不足とよく言われますが,後継者は不足ではないのです。漁師になりたい人を今まで漁師が受け入れていないのです。血のつながりでやりますから,私は漁師になりたい子がいれば誰でも受け入れる予定です。まして,我々の息子らでも漁師にはなりませんけれども,退職した後には永久的には漁師ができるわけですから,そういう後継方法もあるのではないかと考えております。 それから,小学生の体験学習をしています。この前もある小学生の子どもがお礼の手紙をくれました。私は一生この体験を忘れないでしょうという,涙が出るようなことを書い
- 14 -
てくれていました。 これからは知事さんにお願いなのですが,広島県が出している新宿のゆめてらすがありますよね。あの隣が宮崎県ですよね。我々が 3 年前か 4年前にこのゆめてらすでカキを売らしてもらったのですが,そのごろ,まだ東国原さんは知事でなかったものですから,広島県のほうが勝っていると思ったのですが,次のときに見たら,東国原知事が行かれたらものすごい人だかりで,知事さんにもトップセールスをお願いしたいということです。 最後になりましたが,安芸津の住民でございますので,県立安芸津病院の存続をよろしくお願い申し上げて終わらせていただきます。 ○知 事 盛りだくさんでありがとうございます。今のいろいろな盛りだくさんのお話の中で私が気が付いたのは,Fさんがおっしゃっているのは,ほとんど御自分たちで考えられて,それを実行されているというお話なのです。私は本当にそれはすばらしいと思いました。県の施策なり市ないし町の場合には市町の施策,もちろん国の施策もあるのですけれども,結局,世の中が動いていくのは本当に市民の方,皆さんが動かれるのが一番強いと思います。それが一番現場になじんだものになりますし,実際にそれでオコゼは増えるし,鉄炭団子の効果も上がっていらっしゃると思うのですけれども,そういうのをいかに我々としては応援できるかということを考えていきたいと改めて思いました。ありがとうございます。安芸津病院も頑張りますので。 ○G こんにちは。Gと申します。どうぞよろしくお願いいたします。住まいは志和町志和西で,会社が西条町田口にある建設会社で役員をやらせていただいている者です。 本日は,商工会議所青年部というところに私は所属しているのですけれども,そこから声がかかりまして参加させていただきました。 先ほど話にも出ましたけれども,酒まつりが 10 月に行われるのですけれども,観光協会を中心に商工会議所とか東広島市であったりとか多くの団体に参画していただいて実行委員会というものを組織しておりました。そういうことで酒まつりにちなんだ話をさせていただこうと思います。 毎年 10 月に行われる酒まつりは,今では東広島市を代表する一大イベントとして成長してまいりました。私の所属する東広島商工会議所青年部は,酒まつりの企画・運営の中心的役割を担い,20年をつないできました。 今後は祭りの目的でありますまちおこし,人づくりという原点に立ち返って,大きく成長してまいりました東広島市の酒どころという観点だけではなくて,学園都市,中央テクノポリスという別の側面からもとらえられるような祭りづくりに挑戦していきたいと思っ
- 15 -
ております。 その中で提案ということで書かせていただきましたけれども,地域活性化に向けて県内他地域との連携促進について,各地で行われているイベントに県内の他地域のイベントが参加,PRできる,実体験をお客様にしてもらうという,そこにかかわる費用,必要経費を県に助成していただいて,その祭りに出向いていくということと,受け入れということを条件にセットで考えてもらうことで,他地域同士の交流もできて,県内のイベントを県内から盛り上げていくという,広島県としての一体感を持つことができるのではないだろうか。県がリーダーシップをとって牽引役となってその仕組みを考えていただければ,知事が言われております一兆円構想にもつながっていくと思って書かせていただきました。そうは言っても,他力本願的な,我がまちをよそに盛り上げてもらおうというのはどうかなと思ったりしながら,ただ何がきっかけでよりよい仕組みができていくか分かりませんので,考慮の一端に加えていただけたらという思いで書かせていただきました。 せっかくの機会ですので,私,建設会社に勤めているということもありますので,建設業のお話もさせていただきたいのですけれども,まずは県が管轄されております国道 375号線,まだまだ未整備でございます。渋滞ということもさることながら,呉から黒瀬,西条においては大変狭くて危ない。西条農業高校や黒瀬高校がそばにあったり,国際大学もあったりしますけれども,今後ますます高齢化になっていくという中で,歩道が狭くて,家が非常に近くにあって危険だということもありますので,そのために東広島・呉道路の早期完成に向けての後押しを是非県にもしていただきたいです。また国道の整備も,仕事がないからつくってくれというわけではないのですけれども,そういう意味でとらえていただいて,国道の整備をお願いしたいと思います。 建設業,公共工事がどんどん減っていくというのがどのニュースを見ても言われていることなのですけれども,ある県では県の建設業協会が中心となって別会社を建てて,介護ヘルパーの資格をとれる講習会を開いて,そこで合格した人はその会社が登録して,県やら市やらとタイアップして,介護施設の就職人口が減ってきているという現状をとらえながら頑張っている県もあるみたいです。私たちは民の立場でいろいろと多方面に向けて考えていかなければいけないと思っています。知事におかれましても,今日のこのような会が 1 回ぽっきりで終わることなく,宝さがしというのは動いてなんぼ,いろいろなところへ若さと行動力で訪ねていっていただきまして,いろいろな会話をもっともっと増やしていただきたい。頑張っていただきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 ○知 事 ありがとうございます。これは例えばなのですけれども,三原でやっさ祭りをやっていますよね。例えばやっさ祭りと酒まつりが連携して,酒まつりでやっさ踊りに来てもらっ
- 16 -
て盛り上げてもらうとか,やっさ祭りに行って西条の酒をずらっと並べて,そんなのはどうですか。 ○G 実にイメージができないような感じなのですけれども,その場所とか,どこでやるのかというのは問題になってくるかもしれませんけれども,盛り上がりというのは近隣の市とか町と一緒になってできるものだと思っています。場所の問題が一番ついてくるかもしれませんけれども,そういうところには挑戦していきたいです。 ○知 事 そうですね。そんなにみんなが来たら大変だと思うのですけれども,2 連か 3 連ぐらい来てもらって盛り上げてもらうとか,ほかにもそういうお祭りがあるかもしれません。明日,実は宮島で清盛祭りというのがありまして,私が清盛役をやることになっているのですけれども,そういうところでやったりとか,きっとそういう話ですよね。そういう連携も,さっきのいろいろな場所での連携というのもありますけれども,お祭りの連携というのも確かにあるかもしれないです。考えてみたいと思います。 ○G 清盛役,頑張ってください。
○知 事 ありがとうございます。 ○H 東広島市の一番北西部に当たります豊栄町から来ましたHといいます。私は養鶏場をしていまして,4,000 羽ぐらいの,家族で経営しているような小さな養鶏場をやっています。河内と福富町と豊栄町の 3 町はちょうど広島県のへそ,県央に当たる地域なのですけれども,その 3 町で「心のふるさと県央協議会」という協議会をつくりまして,その 3 町で事業をしている生産者が力をあわせてもっと地元をPRしていこう,地元のよさ,宝をPRしていこうということで,産物を直接販売したり,加工場で加工して販売されている女性のグループとか,そういう方々がメンバーですけれども,個人でPRしていくのは限度があるので,協力してPRしていこうと。今年度はバスツアーなども計画して,各事業所に団体客を呼んで体験型の乳搾りだとか木工工作を体験したり,そういった体験型のツアーを企画したり,幼稚園児の親子で 300名ぐらい,バス 6台ぐらい招いて体験して遊んで帰ってもらったりとか,そういう活動をしています。
- 17 -
今,一番生活していて感じるのは,何度も出てくる少子化ですとか,地方部の過疎化,それが私も今,問題だと感じています。私も実は県外に出てサラリーマンをしていたのですけれども,4 年前にUターンして帰ってきて家業を継ぎました。子どもが 5 人いるのですけれども,4 年生の 10 歳の子のクラスは 36 人とかで普通のクラスぐらいいるのですけれども,2 年生,1 年生の下の子になっていくと,16人,12 人,一番下の子は今 3歳ですけれども同級生が一桁いるかなというぐらいで明らかに減っています。10年後には複式とか統廃合という話が必ず出てくる現状なので,本当にそれを心配しています。 あと,地域の水田もつくる人がいないとか,なかなか法人化も進まない。そういった現状があるので,心配しています。 人口の偏りというのはどちらにも悪い影響があると思います。集中しても保育所が足りないとか,子どもが少なければ学校が成立しないとか,どちらにも問題があるので,なんとか人口が平準化できないかと思うのですけれども,これといっていい提案ができないのですけれども,先ほども出ているように米の産地でもあるので,農業とか米をつくって若い人でも生活できる仕組みができないものかと思っています。 私も県の経営革新に申請をいたしまして,県の過疎地域の小規模事業者に対する補助事業を受けまして,のぼりなどもつくらせていただいて,新販路拡大ですとか,そういう取組を行っています。新しい卵のパッケージをつくったりして,そういうのを活用させていただいて売上げも少しずつ伸びて,新しいお客さんができたりしていますので,是非こういう事業は継続してやっていただきたい。新たに何か始めたいとか六次産業化に取り組んでいきたいというとき,すごい力になりますので是非継続してやっていただきたいと思います。 米をつくって生活できたら本当にいいと思います。同級生にも帰ってこいやと言えるそういう自分になりたいと思います。田舎に住んでもちゃんと稼げるし,ちゃんと子育てもできるでみたいに言える自分になっていけたらと思っています。以上です。 ○知 事 ありがとうございます。県央協議会で地元のPRをされているというのは本当にすばらしいことだと思いますので,是非継続していただければと思います。私も各地域,特に農業地域というか,人口が比較的少ない地域で工場を誘致するというのも実は労働力の問題もあって実際には難しいところがたくさんあります。そういうところは逆に農業なり林業というのが大きな可能性を秘めていると思っています。実際にそれで食べていけるかというと,現実に個々の農家さんがお持ちの農地は非常に小さくて,そこで上がる収益だけだととても暮らしていける金額に現状ではならないということがありますよね。そうすると,もっと高いものを今度はつくらざるを得ないということになると思うのですけれども,それは現実としてはどう思われますか。農家と言っても鶏卵をやっていらっしゃるので,お
- 18 -
米づくりとは違うお立場だと思いますが,それはどういうふうに御覧になっていらっしゃいますか。 ○H 地域の今まである農地というのは,ずっと水田で米づくりをやってきたところなので,新たに例えば新しいアスパラガスの産地にしていこうとか,そういうのはなかなか難しいというのは思います。そういう取組ができたらと思いますけれども,なかなか難しいかなと思います。 ○知 事 農業の話は皆さんがせっかくいらっしゃるのでまた後で御意見をいただければと思います。また後でもよろしくお願いします。ありがとうございました。
○I はじめまして。私はIと申します。西条町のほうから今日は来ております。現在は専業主婦で,娘を2人,子育ての真っ最中です。出産までは幼稚園教諭を 8年と,臨時保育士として 1 年半,子どもたちやお母さんたちとかかわる生活をしてまいりました。その経験から,子育ての環境やお母さん方と地域のかかわり方というものに大変興味や関心を持っております。 私自身は,出産後に幾つかサークル活動を始めました。一つは,「おはなしボランティアこぐまちゃん」。文字どおり中央図書館で活動しているのですけれども,乳幼児を持つお母様方に絵本の楽しさを知ってもらいたいということで活動しているものです。もう一つはコーラスサークルの「ママペラーズ」です。歌を通してお母さんたちが元気になっていけたらという思いで,いろいろな子育てサロンやサークル,ときどき老人ホームなどのそういった施設の方々と歌を通して交流しています。 参加したきっかけは,やはり子育てをしながらもサークルを通してたくさんのお母さんや子どもたちと出会っていたい。そして,サークル活動を通して社会とつながっていたいという思いがあったから参加しております。 約 5年ぐらい前から市内にある育児サークルと支援グループさんたちの横のつながりをつくろうということで,サークル代表交流会というものが行政主導で数年持たれました。ここでサークル代表が悩みを相談したり,あとサークル代表同士でかかわりが持てることに共感して,これを行政主導ではなく民間でできるようになんとかやっていけないものだろうか,そして,子育て中のお母さんたちに情報発信していくことができないだろうかと思って,2 年前に「東広島子育てネットワークハッピーブリッジ」というサークルを立ち上げました。こちらのほうは今まだ活動もいろいろな思いがあって,そして,活動の拠点
- 19 -
なども実際に定まっていないところなので,いろいろできることからやっていこうということでやっております。 先ほどから皆様の提案の中で,地域づくりとかまちづくり,そういった場所の拠点づくり,そしてお母ちゃんが元気になることが大事ということが出ているのですが,まさしくそのとおりだと思います。今,子どもたちを取り巻く環境は幼いころから人とかかわるという経験がかなり減っていると言われています。そして,人とのかかわりの少なさから,やはり人間関係の中でそういったコミュニケーションをとったりする能力の未熟さ,そこから自信のなさにもつながってくると考えられています。その傾向は子どもたちだけではなくて,お母様方の中にもそういった問題を抱えられている方が多いのではないかと感じています。核家族化は急速に今後も進んでいくと思っています。子育ての知恵や昔ながらの遊びの伝承というものが以前のようにされにくい今,各地域に人と人との絆がつながっていくような拠点の整備,これは市のほうでも,県のほうでも幾つか具体的にされているかもしれないのですが,そういった拠点の整備を今日また改めて提案したいと思います。 また,行政や民間で各自が子どもたちのためにされている活動や子育て支援,窓口が本当にいろいろあって,東広島は転勤族の方が大変多いのですが,どこに情報を求めていけばよいのか分からないという声が聞かれます。そういったところが互いに連携をとれるような機関,そしてそれをコーディネートしていくような人材育成のようなものもあわせて提案できたらと思っています。もしそういった拠点ができましたら,そこでできたらいいなと思うのが,お母さんたちや子どもたち,そして,地域の方も立ち寄れるようなサロンとか,そういった活動が自由にできたり,子育ての中でポイントを絞った講座の開催,今,生涯学習という言葉も大変広まっていると思うのですが,やはり子育ての知恵を伝えていくということも含まれてくると思うので,そういったこともできたらいいと思っております。 あと,先ほども申しましたが,昔ながらの遊び,竹馬ですとか,けん玉や竹とんぼ,お手玉,あやとり,本当に皆様小さいころにたくさん経験されていたと思うのですが,今,そういった遊びが少なくなってきていると思います。幸いにも娘が通っている幼稚園はけん玉やこまに挑戦させてくれるところで,卒園のときにはけん玉とかも巧みに操れるようになって卒園しています。上の娘が通っている小学校も,昔遊びの授業がありまして,地域の方と交流したり,そういった昔遊びを通してのかかわりということをしていますので,それぞれのところで終わってしまうのではなく,そういった昔ながらの遊びの大切さ,遊ぶということの大切さをビジョンとして出していくと,また子育ての中でお父さんたちも参加しやすいのではないかと思っております。うちの主人も娘なので遊び方が分からないと言うのですが,けん玉のときに,主人がけん玉をやって見せたら,お父さん,けん玉できるんだ。すごいねお父さん,休みに寝てばっかりじゃないということで非常に株が上がったので,昔ながらの遊びの道具が様々なそういう拠点の場所にあって,土日とかもそういっ
- 20 -
た場所が使用できる。そうすると,お父さんたちもちょっとあそこにけん玉しに行ってみようとか,竹馬に一緒に乗ってみようかということもできるのではないかと思います。ただ,拠点づくりと言っても,新たにつくっていくのでは財政の問題もあると思いますので,今ある既存の公民館ですとか,いろいろな地域の子育て支援センターですとか,そういったところで取組ができないかと進めてみたり,東広島は幸いなことに広島大学もありますし,様々な大学とそういったことが連携していけないかと思っております。まだまだ思いだけで,具体的な案はなかなか提案できないのですけれども,そういったことを思っております。 また,今日,皆様のいろいろな考えを聞くことができて非常に勉強になりました。ありがとうございました。 ○知 事 ありがとうございます。Iさんも子育てで大変お忙しいと思うのですけれども,いろいろな活動にアクティブに参加されていて,本当にすごいなと思います。私も今,子育て中なので,大変だというのはよく分かります。もう一つ,今のお話の中で気になったのが拠点づくりなのですけれども,実は先ほどもちょっと申し上げましたけれども,駅前の「ゆめもくば」というところに行ってきました。「ゆめもくば」は御存知ですか。 ○I はい。「ゆめもくば」が今の市の管轄になる前の,それこそ古い空き店舗の場所で開催されていたのですが,そのころから使わせてもらっています。 ○知 事 そうですか。子育ての支援センターというのが県全体では 104ヵ所あります。東広島市内にも 12ヵ所ありまして,実際にこれがどういう運営をしているかというのは,実は私もそこまで見れていないのですけれども,せっかくあるものが知られていないとか,活用されていないという部分もたくさんあるという気がしました。しかも,Iさんのような主体的にアクティブにかかわっていらっしゃる方ですらあまり御存知ないということは,これは大きな問題があると強く感じました。その辺も含めて,こども家庭課も,ここには来ていないのですが,「ゆめもくば」には来ていましたので,よく相談しておきます。 昔の遊びというのも本当に,けん玉とかめんことか,そういうのもありますけれども,ろくむしみたいな,ああいうのも最近はやっているのをあまり見ないですよね。子どもにろくむしって何それと言われたのですけれども,ちょっと残念です。それも確かにビジョンの中に入れていくというのはいいかもしれないです。ありがとうございます。
- 21 -
○J 西条から来ましたJと申します。今,広島大学教育学部の3年生です。東広島のほうで幾つかボランティアをさせていただいておりまして,その一つが「東広島市ゆーすふる・チャレンジャー」というので,これは中高生と大学生,あと 24歳までの社会人の青少年が月に 1 回から 2 回集まって,地域の人や小学生を対象にしたイベント,例えばキャンプやコンサート,お菓子づくり教室などを年 4~5回程度実施しています。 もう一つが,東広島市の三ツ城小学校というところで,放課後子ども教室のボランティアをさせていただいております。これは週 1 回,放課後に小学生が小学校の中にあるコミュニティーハウスというところに集まって,いろいろな活動をしています。例えば絵手紙教室や折紙,けん玉,工作,ハンドベル,ヒップホップなど様々な教室があるのですけれども,そこでボランティアでお手伝いをさせていただいています。 今回,どちらのほうで話をしようかすごく迷ったのですけれども,放課後子ども教室のほうでこのような教室がもっと多くの学校でより活発に行われるようになったらいいのではないかと思ってお話ししたいと思います。 放課後子ども教室では,地域の人が先生となっていろいろな教室を教えてくださっていて,私たちはそのサポートという形でかかわらせていただいているのですけれども,このような教室が活発に行われるようになることで,子どもたちと地域の方々とのかかわりが生まれ,子どもたちにとっては地域の方とのコミュニケーションの機会になりますし,地域の方々にとっても,地域に貢献する機会になるのではないかと思っています。 私は教育学部で地域の方や保護者の方とかかわる機会があるのですけれども,先ほどIさんが言われたことと同じようなことを思っていて,地域の人とのかかわりや核家族で年齢が離れた人とのかかわりが少なくなっているというのを僕も感じていて,先ほど言われたように,子どもも,大人もコミュニケーションが苦手になっているというのを僕もすごく感じています。教室には幅広い年齢層の先生がおられまして,教室の内容以外にもいろいろなことを教えてくださいます。子どもたちにとっても,日舞や茶道とかもあるので,そのような貴重な経験をする機会にもなっていると思うし,僕はすごくいい教室だなと思って,こういう教室がもっと増えたらいいと思っています。 東広島市内ではかなり多くの小学校でやっているのですけれども,広島市とかそのほかの市内ではやられていないと聞いているので,このような活動がもっと広島県全体に広がっていったらいいなと思っています。 三ツ城小学校の中のコミュニティーハウスというところでやっているのですけれども,このコミュニティーハウスというのは,広島県ではこの三ツ城小学校だけにあるものと聞いているのですが,学校と地域と家庭を結ぶちょうど真ん中に位置付けられていると聞いていて,それを結ぶ架け橋のような場所になっていて,公民館に似ているのですけれども,それが学校の中にあるということで,学校と連携がとりやすくなっているのです。コミュ
- 22 -
ニティーハウスも小学校の中にもっともっとできていけば,この放課後子ども教室のような活動もより活発に行うことができるのではないかと思うので,もっと市内,県内でこのような教室が増えたらいいなと思うのと,コミュニティーハウスみたいなところが学校の中にできたらいいのではないかと思って,僕は一番いい環境の中でボランティアを経験させていただいているのですけれども,それがもっと広がればいいのではないかと思って今日はお話しさせていただきました。ありがとうございます。 ○知 事 ありがとうございます。放課後子ども教室は,今,一生懸命拡大しているところでありまして,東広島は確かに多いみたいです。県内全体だと 150あるということです。県内の小学校が 542 あるのですけれども,まだそういう意味では行き渡っていなくて,全体に行き渡るように頑張っていきたいと思っています。 さっきのIさんのお話の中で,大学もあるので大学との連携というお話があったのですけれども,まさにボランティアで来ていただいて,できている部分もあると思ったりしました。同じことで,PRがまだまだ足りていない部分がたくさんある。せっかくいいことをやっていても,それが知られていなかったら本当に意味がないというのをすごく感じました。 あと,実はうちもよく小学校一年生の上の子が利用しているのですけれども,放課後児童クラブというもので,うちの小学校だと児童館と言って学童保育に近いものです。同じようなことをやっているのですけれども,これはまた所管が違うのです。そういうのもすごく反省なのですけれども,共同しながらやるということではやっているのですが,本当にもっと手を携えてやればもっともっと広まるし,そういうことを考えないといけないと改めて感じました。ありがとうございます。 ○司 会 ありがとうございました
自由討論
○司 会 それではただいまから皆さん全員での意見交換に移りたいと思います。ほかの方が御提言なさったことに関連してお話しされたいことがありましたら,どういうことでも結構です。また,知事のほうから皆さんに御質問等ありましたらお願いします。 ○知 事
- 23 -
一つ,今日たまたま地域で人とのかかわりをされている方がたくさんいらっしゃるのですけれども,子どもという側面もあるし,障害者という側面もあるし,あるいは国際交流という側面もあるのですけれども,今みたいな話で,施策があってもうまく知られていなかったり,いろいろ課題があると感じました。その中でも特に県とか市町とか,この場合は東広島市ですけれども,こういう政策はよかったとか,あるいはこれは役に立たなかったというのは何か感じるようなものはございますか。なければ結構なのですけれども,せっかくなのでお聞きできたらうれしいなと思ったのですけれども,あるものはそれなりにいいという感じですか。 ○J そうですね。初めに言った「ゆーすふる・チャレンジャー」のほうも東広島市でやっているものなのですけれども,もっと詳しく話ができたらよかったのですけれども,すごく特色あるものなので,そういうのも広がっていけばいいと思っています。県の政策としてはちょっと分からないかもしれない。 ○知 事 県の政策というと分かりにくいというか,大抵市町を通じてやっているので,県の政策なのか市町の政策なのか分からないという部分もたくさんあると思いますけれども,でも,東広島らしいというか,実は今回 3 回目で,こういう形で人づくりにかかわっていらっしゃる方がこんなにたくさん出席されるのも初めてですし,内容的にもいろいろなことがあって,本当に発展しているまちならではというところがあると実は感じました。 そうは言っても実際にはいろいろな地域でそれぞれの実情があって,高齢化が進んでいて大変だというところももちろんあるとは思います。 もう一つ,農業の話で,私もいろいろなところでお伺いして,いろいろな御意見が出てきて,私自身もまだ明確な答えがないのですけれども,今,県では集落法人という形で法人化を進めていて,今日も御意見が出ていましたけれども,もっと小さいところも応援してほしいというお話がありました。先ほどの農業として食べていかなければいけないというところで考えると,集約できるところは集約をして,その分コストを下げていくということと,それから転作,本当に食べていくためには単純に同じ土地からよりたくさん収入が上がるものをどうしてもつくっていかざるを得ないと考えてしまうのですが,そのために一生懸命大規模になるように進めているところですが,それはどうなのでしょうか。実態としては,それはうまくいかないということなのか,頑張って時間をかければそこにたどりつくのか,それはどう思われますか。 ○E
- 24 -
先ほど言いましたように,一つのハードルが 20町です。まずこれが採算ラインで国なり県なりが決めておられると思うのです。ただし,先ほど言いましたように 20町にならない地域があるのです。ならないけれども,農業はしたい。例えば 20町以上の人は,汚い話ですけれども補助金はたくさんもらって,いくら頑張っても 16町にしかならないというところは今のところ切り捨てという格好なのです。あるいは,うちの集落だけを考えると,13軒集まって 10町あります。定年の人もたくさんいるし,お母ちゃんが元気でない人もたくさんいるので共同で農作業をしようじゃないかと。どっちにしても農業機械はいるわけですから,補助金がちょっとでも出ないか,組が組みたいというところも,今のところ何の補助金もないので前に進まないということなのです。逆に言うと,20町に満たないところがそういうふうにしんどい思いをして一つの組織をつくって,本来は補助金をいただきたいのですが,それが将来的にAとBとが集まって 20町なり 25町になる可能性はあると思うのです。それ以前の問題で,20町はだめじゃということで投げておられるという格好です。ある集落では,ほとんどの人が賛成して,1軒が賛成しないために,18町でどうにかならんかというところもありましょうし,もう少し低いハードルで考えていただくことも手ではないかと。まともに補助金をいただこうとは思いませんけれども,若干の手を差し伸べていただいて,まとまって農業しないと,とても個人では食べていけない。早く手を打たないと,山のほとりの集落は壊滅状況になると思うのです。そこらあたりをひとつ考えていただきたいと思います。そういう関係で,補助金がほしい,面積を増やしたい,どうしても増えないという状況のところが今ほとんどだと思います。大きな集落はもう既にできて,広島県で百なんぼの法人ができているわけですからいいと思いますけれども,それにもうちょっと足らないところへも手を差し伸べていただきたいと思います。 ○H 先ほど知事のほうから米の代わりにもっと付加価値のある作物ができないかということで,難しいですと言ってしまったのですけれども,それは自分の住んでいる集落で,年配の方たちが新たにそういう作物をつくっていくのをイメージしてしまったのでちょっと難しいと答えてしまったのですけれども,せっかく宝さがしということで,地域の宝を生かしていこうということで提案があったので,若い人が中心になって取り組んでいけるような,そういう活動ができたら新しいものが生まれるのではないかと思います。どの作物がいいのかというのは分かりませんけれども,JAさんとも力を合わせながら,できた作物で自分たちのメンバーで新たに加工品ができたり,特産品ができたり,そういう可能性は十分にあるのではないかと思います。 ○知 事 ありがとうございます。Eさんに質問なのですけれども,20ヘクタール集まらない理由
- 25 -
は,集まる道は見えるなり,可能性はあるけれどもそこまでまだ至らないということなのか,それとも,そもそも土地が 20ヘクタールもないので集まらないということなのか,それはどっちが大きいのでしょうか。 ○E 20町集まるようなところは既にほとんど集まっていると思います。まだ計画中のところもたくさんあると思いますけれども,どうしてもできないというのは,Aの集落はまとまったけれども,その近くの人がうちはせんと。では,とんでもないところに飛んでそういう組織を持とうか,そこまでいってやるのは大変だという場合です。そうすると,一番手っ取り早いのは,うちの集落は 7 軒あります。小さい集落ですが,田んぼ全部あわせると 7町ぐらいです。7 町ぐらいでしたら,現在,私1人で 6 町やっていますから簡単なことなのです。まず,うちの集落は 7町から始まって,いいところは随分ありますから,次から次へどんどん入って,AのグループとBのグループが集まるということはできると思うのです。とにかく考え方として,前に進んでいかなければいけないのですけれども,いきなり 20町は難しいというのが原因だと思います。話はいいけれども,どうも,あそこまで行ってというのがあるのだと思います。いくら面積が固まっても,20町の法人をつくって,若い子を 3 人ぐらい給料制にして,そこで飯が食べられるかというと,食べられません。現状は,定年組の人が安い賃金でパートで行っておられる。そこの役員を決めて,5~6人程度が決まってそこへ出るという格好です。それもパートの状況ですから,普通のお金はもらっておられないのです。それが現状だと思います。農業は大変厳しい。いい作物があるといっても,そうはありませんので,とりあえずは米というのが大方の意見だと思います。 その他の作物であれば,生産から加工,販売まで一手にやらないと,とてもではないけれども採算はあわないということです。そういうふうになると,行政からの指導を相当受けないと,ちょっと難しいと思っております。 ○知 事 ありがとうございます。今のお話は,より大規模化していくなり発展の途中段階というか,そういった意欲を持っていらっしゃるところの道々でも支援をしていくことが全体の後押しになるのではないかということですね。 ○E はい。 ○知 事 ありがとうございます。それから,Hさんの御意見も,いつも,これまた僕も悩んでい
- 26 -
るところで,鶏か卵かどっちが先か,まさにそのお話なのですけれども,新しいものをつくるので若い人が来るか,若い人が来るから新しいものができるか,この問題はどこかで解決しなければいけないとは思うのです。若い人も最初はある程度確定できる収入がないと,実際に引っ越しをして移ってきてということが難しい。かといって,おっしゃるように新しい労働力がないと,野菜というのも随分手間のかかる作物ということみたいですので,なかなかやりにくかったり,何かしらの形で進めないといけないと思いますけれども,悩みは尽きない。答えがあるわけではなくて申し訳ありません。ありがとうございます。 その他,皆さんから何か,こういうことを言っておきたいとかございましたら是非お願いしたいのですが。 ○A 難しいことは全く分からないのですが,私も米農家なのです。何年か前に郵便局の方から米袋の 15 キロの袋があるから,ただであげるから,送るなら送りんさいと言ってくださって,私個人で去年も 10袋友だちに送りました。どうしてこの 15キロの袋ができたのですかとお聞きしたら,実は単身赴任で行っている郵便局員が 30キロ米を送ってもらっても1人では食べきれない。だから 15キロの袋を考えたと。職員がつくったのだという話を伺いました。 米農家の私が去年 10袋,そうやって 15キロなら私の手でもトラックに乗せられる,郵便局に持っていけるということで,私個人としては非常にうれしい。米の消費の一端を担う。15キロを 10袋送れば 150キロ。30キロの袋にすれば 5袋。それを各農家が少しずつ郵便局とタイアップしてやれば,県外でも県内でも,米農家以外の方に米を消費していただく方法もあるのかなとふと思いました。巻きずしも大変結構です。 ○知 事 もう一つ私から質問なのですけれども,東広島市も合併をして今の形になっているのですが,市町村合併についてはいろいろなところでいろいろなことを言われていまして,地元に長くおられる皆様から御覧になって,合併のいいこと,困っていることというのが何かあったら少しお話を伺えればと思います。 ○F 一番困っていることは,市役所が遠くなった。極端に言ったら,ここへ出てきたら半日仕事になるのです。向こうで仕事を半日は休まなければいけないということになるのです。それが一番大変です。 ただ,合併してよかったと思うのは,全然予算規模が違いますので,大きな工事を今やってもらっておりますけれども,そういうところはよかったと思います。
- 27 -
○知 事 ほかにどなたか,いかがでしょうか。比較的東広島市は近いところの自治体どうしでの合併なので,それほど大きくは変わらないということなのでしょうか。どうでしょうか。本当に離れたところで合併されているところもあって,道路も直接につながっていないとか大変というお話も聞くのですけれども。 ○E 今,東広島市は海岸のほうから先ほど出ておりました県央のほう,中央部まで面積が広くなったわけですが,私はちょうど西条の近くの高屋町ですからあまりは感じないのですが,高屋町を越えて福富町,豊栄,大和はもう三原ですけれども,そういうところになりますと過疎化がものすごく進んでいます。若い人が地元に働くところがない。かといって,先ほど言いましたように農業で食べていけるかというと,食べていけない。家にいるのはおじいさんとおばあさんばっかりです。やがてそれもおられなくなる。そうすると,荒れ地になるわけです。隣の人につくってくれと言っても,うちのだけで往生しよるけ,それはつくられませんということで山になるわけです。どんどんそれが進んで,それこそ取り返しのつかんことになるのではないかと思うのです。 先ほどDさんが言っておられましたけれども,地産地消のPRをどんどんしてもらって,地元の米なり地元の野菜をどんどん食べていただきたい。そうすることによって,若干でも農家が潤えば,過疎化も緩やかになるのではないかと思います。そのうち何かいい方策が出てくるかも分かりませんけれども,地産地消のPRをもっとしていただきたい。ちょっと言いましたけれども,官公庁の方は地元産,米なり野菜をどんどん消費していただきたいと思います。 今,小学校の給食がどういうふうになっているか分かりませんけれども,これは一つの例です。月曜日から金曜日があって,何曜日は我が家から弁当箱に米だけ入れてきなさい。おかずは学校側でつくります。何曜日と何曜日は米だけ持ってこいよと言えば,あまり家庭の負担にはならないと思うのです。米をちょっとたくさん炊けばいいわけですから。そうすることによって,米の消費は随分違うと思うのです。くどいようですが,消費県の広島県でありながら,米がたくさん余っている。どこかが歪んでいるのだと思います。
○知 事 給食は,実は地産地消ということで県内産品を使うように連携を進めてはいますけれども,県内産品の利用率が 24%ぐらいということなので,まだまだ改善の余地はあると思います。 それから,東広島と言っても,本当に場所によって随分いろいろ違うということですね。
- 28 -
この過疎化の問題は本当にほとんどの市町で大きな課題になっているのですけれども,我々県庁としてもいろいろなことで手を打とうと,例えば医療だとか,地域交通という安心のできる部分というのを手当していくというのもあるのですが,それをどうやって樹立するなり,過疎化に歯止めをかけるかというのは大きな課題になっています。なかなかうまい解決策がなくて申し訳ないのですけれども,引き続き頑張って取り組みたいと思います。 どうでしょうか。どうしても最後にこれは言っておきたいとか,皆さんのお話の中で感じるところがあったとか,Dさん,いかがですか。 ○D 先ほどまちづくりのコミュニティーという話がありましたけれども,青年会議所としてかかわっています中で,東広島みどりの少年団というのがございます。市役所を中心に市内の小学 4年生から 6年生まで毎年 30名ずつ集めて活動しています。これが昨年 30 周年を迎えまして,いろいろと式典を進めていく中で,20 周年のときの資料を見たのですけれども,この 10年間で県内のみどりの少年団が結構減っているのです。こういう環境とか,いろいろな意味で子どもたちのまちづくり,青少年育成という団体がなくなっていくのはもったいない。東広島は 30 年続いて,30 年続きますと,そこを卒団した人が指導員としてまた帰ってくるのです。それが一つの人の循環というか,そういったことが続いていっている。いろいろなものができて,解散してというのがあると思うのですけれども,こういう時代だからこそ続けてもらいたい団体というのが県内の中でもあるのではないかと思いますので,新しいものをつくるのはつくるのですが,続くということの大切さというのはあると思いますので,そこら辺を是非考えていただければと思います。 それと,瀬戸内海という,私も県外に出て,県外の嫁さんをもらって帰ってきまして, うちの嫁さんはとてもカキが好きなのです。広島に嫁に来て,本当にカキが食べれてうれしいと。御実家のほうにも毎年お歳暮にはカキを送ります。そういう瀬戸内海の美しさとか,厳島神社があり,尾道があり,鞆の浦があり,大長ミカンの段々畑があり,本当に日本三景の一つです。日本三景に共通しているのは,海と島の情景の美しさ。それを美しいと思うこと自体が日本の美意識と思うのですけれども,その景観を維持するためには産業も守らなければいけないし,それを大事にする人の心というか,県内の人にそれを知ってもらわないといけないと思うので,今,高速道路が 1,000円になってどんどん車社会になっていって,フェリーというものがなくなっていったり,船にどんどん乗られなくなっていったり,瀬戸内海に携わる子どもたちの場面が少なくなっているのではないか。少子高齢化というのもありますし,そういう部分に何か,学校の社会見学とか平和学習を含めた船の勉強とか,そういったものを今後何かできないかと個人的に思っております。
- 29 -
○知 事 ありがとうございます。実はまさにそれをやるために海・山・島体験という事業を来年度の 22 年度から始める予定にしておりまして,子どもたちが実際に島へ行って,何日かその暮らしを体験するとか,山へ行ってその暮らしを体験するというのをやりたいと思っています。これは私の肝いりで始めたものですので,いいポイントを上げていただきましてありがとうございます。 ○F Dさんの奥さんは多分安芸津のカキを食べてくれていると思うのです。だからおいしいと言ってのでしょう。農業体験とか漁業体験というのはほとんどの方がされたことがないと思うのです。例えば漁家はどうして朝早く起きなければいけないのか。農家もそうです。潮の関係とか風の関係とか,今の時期だとはかったように 10時になったら風が吹きます。海が荒れてきます。だから,どうしても朝早く仕事をしなければいけない。平生学校に行くのに起こされる子でも,漁師の体験,船に乗せてあげると言ったら,多分朝 4 時でも 5時でも起きてくると思うのです。そういうことをやってみたらいかがかなと,そういうふうに提案しておきます。
閉 会
○司 会 実りある御意見,御提言をたくさんいただきましてありがとうございました。大変残念でございますけれども,予定の時間がまいりました。皆様には長時間にわたり御協力いただきまして誠にありがとうございます。 それでは最後に,本日の感想も含めまして,知事から御挨拶を申し上げます。 ○知 事 今日は本当にお集まりいただきましてありがとうございました。改めて御礼申し上げます。 それぞれ地域ごとに特色がありまして,今日は東広島ならではの海から農業から,JCの活動もあるし,国際交流というところまで含めて,もちろん子育ても,すごく幅広い,いろいろな活動に携わっていらっしゃる方がいらっしゃってすばらしい地域だというのを改めて感じました。地域的にも,お店も集積して発展しているところもあれば,過疎化で大変なところもあるということで,ある意味でいうと広島県の典型というか,まさにおへそのようなところだと思いました。 こういう地域だからこそいろいろなそれぞれの分野のかかわりのある方がこういう形に
- 30 -
せよ,別の形にせよ,交流をしていくということが一つ地域づくりに役立つこともあると感じました。私にとっても大変勉強になりましたのでうれしく思っています。時間の都合で皆さんすべてお話しできない部分もあったかもしれませんけれども,具体的な部分,あるいは先ほど申し上げたような基礎としての部分,県政に皆様のお声を反映させていきたいと思っております。 皆様も地域の中では本当にいろいろな活動のリーダー的な役割をされている方が多いのではないかと思いますけれども,引き続き東広島市と広島県がよりよい地域になっていくように,皆様の御協力を改めてお願いしまして,私の御挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。