土壌汚染対策法の調査・措置の概要...「土壌汚染対策法の調査・措置の概要」「土壌環境行政の最新動向」 1 土壌汚染対策法の調査・措置の概要
~陸上養殖/土壌加温/穀物低温乾燥~ - JST...1...
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竹チップ発酵熱利用システム ~陸上養殖/土壌加温/穀物低温乾燥~
金沢大学
理工研究域環境デザイン学系
教授 関 平和
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研究背景(1)
地域資源の有効利用は、里山里海保全に関連して重要である。地域資源の一つである竹チップの堆肥化過程で生ずる発酵熱利用の研究例は、そのエネルギーレベルがエクセルギー的に極めて低いことからほとんどない。
酸素 酸素
酸素
二酸化炭素
メタンガス
二酸化炭素
メタンガス
二酸化炭素、メタンガス
竹チップ層
発熱
土
荒廃した竹林 堆肥化過程概要
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研究背景(2)
しかし、竹チップ堆積層は常温より高い温度が長期にわたって持続し、安定熱源であること、かつ、発熱過程で臭いの揮散がほとんどないことから、地域によっては利用可能性があると考えられる。
発熱が2年ほど続く―――>平均発熱速度を 50 kJ/(m3-system h) と仮定 竹チップの発熱量を 16800 kJ/kg-s と仮定 1m3-system中の固体有機物質量は 100kg と仮定 固体の分解速度= 100kgが分解するのに要する時間=
yrsystemm
Skg
hsystemm
Skg
Skg
kJ
hsystemm
kJ
33
3
0.53006.0
16800
100
year
year
Skg
Skg9.1
53
100
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基となる研究成果・技術〔熱源の安定性(1)〕
野積み竹チップ内温度が、
1~2年間50~55℃に維持される。
熱源強度は小さいが、
安定熱源であることを意味する。
0
10
20
30
40
50
60
70
80
0 2000 4000 6000 8000 10000
温度
[ ℃
]
時間 [ h ]
竹チップ層内温度変化測定・計算例
実測値
理論値
5
0
10
20
30
40
50
60
0.0 100.0 200.0 300.0 400.0 500.0 600.0 700.0 800.0
温度
[ ℃
]
t [ h ]
温度履歴(水による熱回収)(6月1日から7月2日まで)
CH1(層内温度) CH3(層内温度) CH4(層内温度) CH5(外気温)
CH6(水内槽温度) CH7(水槽内温度) CH8(室温)
循環水(水道水)を入れ替えても水温は回復する
安定熱源として利用可能
熱源の安定性(2)
竹チップ層 蓄熱水槽 時間(h)
0
10
20
30
40
50
60
温度
(℃)
温度履歴(水による熱回収)
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•竹チップ発酵熱を蓄熱し、安定熱源として利用する設備
1.竹チップ層ー水の熱交換プロセスの伝熱モデルを体系化
2.竹チップ層からの効率的な熱抽出と安定確保を実現
3.発酵熱の効率的回収モデルを実現
1
2
3
5
7
4
8
6
竹チップ層 蓄熱水槽 利用施設
今回の提案技術
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従来技術とその問題点
従来技術
竹チップ材の堆積床の熱利用通水配管装置
(実用新案登録3143264号公報)
問題点
•回収熱量と利用熱量に関する量的な裏付け情報
が乏しい
•外乱変動を考慮していない
熱利用施設側の要求に応じた熱制御をおこなう
のは難しいと考えられていた
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新技術の特徴・従来技術との比較(1)
• 発酵槽と、熱媒体を収容する蓄熱槽と、蓄熱槽内の熱媒体を発酵槽に循環させる第1の循環経路と、蓄熱槽内の熱媒体を熱利用対象内に循環させる第2の循環経路を備え、発酵槽で発生した発酵熱を蓄熱槽において蓄熱するとともに、蓄熱した熱を蓄熱槽内の熱媒体を第2の循環経路により熱利用対象内に循環させることにより熱利用対象の適温維持に利用することを特徴とする。
発酵槽 蓄熱槽 利用施設
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新技術の特徴・従来技術との比較(2)
• 第1の循環経路により蓄熱槽内の熱媒体を発酵槽内に循環させることで、発酵槽内部の反応を阻害せず、発生熱のみが効率的に蓄熱槽へと移行される。また、第1の循環経路による熱回収により、蓄熱槽内の熱媒体は、発酵槽より若干低い一定温度に保たれる。
-10
0
10
20
30
40
50
0 200 400 600 800 1000 1200 1400
温度
[ ℃]
時間 (h)
竹チップ層温度
蓄熱槽温度 気温
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新技術の特徴・従来技術との比較(3)
• この一定温度に保たれた蓄熱槽内の熱媒体を、利用対象の要求に応じて第2の循環経路で熱利用対象に循環させれば、熱利用対象が所定の温度に維持される。
• 入力(発熱速度)と外乱(外気温、日射強度)の変動による熱利用対象温度の変動は、非定常解析による制御アルゴリズムの確立により、長期間継続的な温度管理が実現される。
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必要な伝熱計算
• 竹チップ層内熱収支式
(内部発熱を伴う熱伝導方程式)
境界条件+初期条件
• 蓄熱槽内熱収支式
初期条件
• 利用施設熱収支式 境界条件+初期条件
• 竹チップ層内、蓄熱槽内、利用施設の温度の解析解
• 温度変動の動特性の把握
入力(発熱速度)、外乱(外気温、日射強度)と、出力(利用施設温度)の関係を与える伝達関数の把握
• 制御アルゴリズムの検討・構築
これから ここまでほぼ終了
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想定される用途
• 任意の用途に利用することができる
• 30℃以下程度の加熱、加温が要求される用途に最適である。
1.土壌の加温
2.陸上養殖水槽の保温
3.駐車場等の融雪装置
4.穀物の低温乾燥
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土壌加温の温度条件
管内水温 [ ℃ ] 栽培床代表地温 [ ℃ ]
20 15.1
25 17.5
30 19.9
35 22.3
40 24.7
底面温度 T0
表面温度 Ts
a
b
a+b
p
2R
関ら(1986)
30℃で最適地温20℃が維持できる
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穀物低温乾燥
穀類(小豆など)
温室(30~40℃) 竹チップ層
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想定される業界
• 利用者・対象
建設業者
廃棄物処理業者
農林水産業者
地域貢献を目指す団体・法人
など
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市場・用途
• 日本の竹林面積15.6万haで資源は十分
• 竹林整備は森林管理に必要不可欠な処理
従来、処理に要したエネルギーは‘廃棄’して
いたが、この方法では、エネルギーの一部を有
効に利用
• 養殖による海産物、乾燥小豆は地産地消と関連して注目されている。
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実用化に向けた課題
• 現在、発酵熱の回収・蓄熱について熱媒体温度の確保が可能なところまで開発済み。しかし、熱利用システムについては、試算の段階であり、かつ、制御アルゴリズムの構築方法も未解決である。
• 今後、熱利用についての設計計算法を確立し、実験データとの比較を行いながら、養殖水槽保温などへの熱利用に適用していく場合の条件設定を行っていく。
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企業への期待
• 未解決の伝熱計算については、伝熱解析技術により克服できる。
• 熱交換器の作成技術を持つ、企業との共同研究を希望。
• 発酵熱利用技術を開発中の企業、農林水産系廃棄物有効利用分野への展開を考えている企業、廃棄物処理業、農林水産関係団体などには、本技術の導入が有効と思われる。
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本技術に関する知的財産権
• 発明の名称 :発酵熱利用システム及び
発酵熱利用方法
• 出願番号 :特願2011-149472
• 出願人 :国立大学法人 金沢大学
• 発明者 :関 平和
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産学連携の経歴
冬季における道路管理
凍結防止剤の散布
統計的手法に基づく経験的路温予測(気象協
会など)
散布時期・散布量の正確な把握が困難
空振り、コスト高
舗装体の熱収支に基づく熱伝導解析
路面温度の解析解導出
数時間後の
路面温度の正確な予測
従来 新技術
合理的散布計画、コスト減
・2004年~2010年 中日本高速道路と共同研究実施
・2009年~2010年 ㈲プレイスワークと共同研究
舗装路面温度予測システム(特開2009-47515)
発明人の一人として参加し、伝熱計算に実績あり
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お問い合わせ先
(有)金沢大学ティ・エル・オー(KUTLO/キュトロ)
アシスタント・ライセシング・アソシエイト
渡辺 奈津子
TEL 076-264 -6090
FAX 076-234 -4018
e-mail [email protected]