(55)2020年(令和2年)3月15日 広島県医師会速...

3
広島県医師会速報(第2437号) (55)2020年(令和2年)3月15日 昭和26年8月27日 第3種郵便物承認 地域医療構想調整会議における議論を活性化させることを目的に、厚生労働省から令和2年1月17日 付文書「公立・公的医療機関等の具体的対応方針の再検証等について」が発出されました。本通知に おいて、都道府県から要請を受けた再検証医療機関は、①現在の地域における急性期機能や将来の人 口推移や医療需要の変化など、医療機関を取り巻く環境を踏まえた、2025年を見据えた自医療機関の 役割、②分析の対象とした領域ごとの医療機能の方向性(他の医療機関との機能統合や連携、機能縮 小、機能停止等)、③ ①②を踏まえた機能別の病床数の変動について検討を行い、その結果を反映 した具体的対応方針について、地域医療構想調整会議において、再検証を経た上で合意を得ることを 求めております。 今後ますます少子高齢化が進行するとともに、求められる医療ニーズも変化してまいります。限り ある医療資源を有効活用し、地域の実情に即した医療提供体制を構築していくためには、再検証対象 医療機関の努力だけでなく、全ての医療者、そして県民の皆さまのご理解・ご協力も必要となってき ます。 さて、今号は、1月に開催された各委員会・WGの報告をお届けします。 皆さまのご要望やご意見などがございましたら、遠慮なく、事務局までお寄せください。また、過 去の委員会活動などは、地対協ホームページ(http://www.citaikyo.jp/)へ掲載していますので、ア クセスをお待ちしております。 ○精神疾患専門委員会 第2回児童・思春期WG 日 時:令和2年1月15日㈬19時00分 場 所:広島県医師会館4階 401会議室 WG長:松田 文雄 第7次保健医療計画(精神疾患対策)の中間見 直しにあたり、児童・思春期の診療における県 連携拠点、地域連携拠点機能の明確化および医 療機関リストの更新に向け、実施したアンケー ト調査の結果報告や拠点機能の選定について協 議した。 報告・協議事項  1 児童思春期精神医療アンケート調査の結果 について 県内の医療機関の状況把握や診療可能な医療 機関リストの更新を目的に精神科、心療内科を 標榜する医療機関や児童思春期診療可能な医療 機関リストに掲載の229医療機関を対象に令和元 年9月13日~27日に実施した(回収121機関、回 収率52.8%)児童思春期精神医療アンケート調 査について広島県健康対策課より報告があった。 県全体でみると、通院治療を実施する医療機 関数は増加し、受診しやすい環境整備が進んで いるが、二次保健医療圏域別では、2圏域で通院 治療可能な医療機関は減少しており、1圏域で入 院治療可能な医療機関は0であった。圏域によっ ては、医療機関の不足等、前回調査での課題が 継続していると推察された。 2 児童思春期精神医療の県拠点、地域連携拠 点機能について 児童思春期精神医療の県連携拠点、地域連携 拠点機能(案)について広島県健康対策課より 説明があった。 地域連携拠点の機能として、1児童思春期精 神医療に関する診療を積極的に実施しているこ と(診療の対象年齢:20歳未満)、通院治療 の実績があること(年間で300人を超える受診者 数がある)、入院治療の実績があること(年間 で1人以上の入院治療実績がある)、診療情報 を積極的に公表していること(地対協HPへの掲 載を希望している)の4つが挙げられた。 県拠点の機能としては、地域連携拠点機能を 有し、かつ、県内の児童思春期精神医療人材の 育成と資質向上に取り組んでいることが挙げら れた。拠点機関の見直しにあたり、県連携拠点 機関は県内で1医療機関を選定し、地域連携拠点 機関は二次医療圏域ごとに入院機能を確保する ため、1医療機関以上を選定予定とした。 拠点機関の選定にあたっては、実施した児童 思春期精神医療アンケート調査の結果をポイン ト化する案が挙げられたが、委員より拠点機能 として挙げられた機能が果たせるのかという意 見も出たため、改めて選定方法については検討 することとなった。

Transcript of (55)2020年(令和2年)3月15日 広島県医師会速...

Page 1: (55)2020年(令和2年)3月15日 広島県医師会速 …(55)2020年(令和2年)3月15日 広島県医師会速報(第2437号) 昭和26年8月27日 第3種郵便物承認

広島県医師会速報(第2437号)(55)2020年(令和2年)3月15日 昭和26年8月27日 第3種郵便物承認 地域医療構想調整会議における議論を活性化させることを目的に、厚生労働省から令和2年1月17日付文書「公立・公的医療機関等の具体的対応方針の再検証等について」が発出されました。本通知において、都道府県から要請を受けた再検証医療機関は、①現在の地域における急性期機能や将来の人口推移や医療需要の変化など、医療機関を取り巻く環境を踏まえた、2025年を見据えた自医療機関の役割、②分析の対象とした領域ごとの医療機能の方向性(他の医療機関との機能統合や連携、機能縮小、機能停止等)、③ ①②を踏まえた機能別の病床数の変動について検討を行い、その結果を反映した具体的対応方針について、地域医療構想調整会議において、再検証を経た上で合意を得ることを求めております。 今後ますます少子高齢化が進行するとともに、求められる医療ニーズも変化してまいります。限りある医療資源を有効活用し、地域の実情に即した医療提供体制を構築していくためには、再検証対象医療機関の努力だけでなく、全ての医療者、そして県民の皆さまのご理解・ご協力も必要となってきます。 さて、今号は、1月に開催された各委員会・WGの報告をお届けします。 皆さまのご要望やご意見などがございましたら、遠慮なく、事務局までお寄せください。また、過去の委員会活動などは、地対協ホームページ(http://www.citaikyo.jp/)へ掲載していますので、アクセスをお待ちしております。○精神疾患専門委員会 第2回児童・思春期WG 日 時:令和2年1月15日㈬19時00分 場 所:広島県医師会館4階 401会議室 WG長:松田 文雄 第7次保健医療計画(精神疾患対策)の中間見直しにあたり、児童・思春期の診療における県連携拠点、地域連携拠点機能の明確化および医療機関リストの更新に向け、実施したアンケート調査の結果報告や拠点機能の選定について協議した。 報告・協議事項 1 児童思春期精神医療アンケート調査の結果について 県内の医療機関の状況把握や診療可能な医療機関リストの更新を目的に精神科、心療内科を標榜する医療機関や児童思春期診療可能な医療機関リストに掲載の229医療機関を対象に令和元年9月13日~27日に実施した(回収121機関、回収率52.8%)児童思春期精神医療アンケート調査について広島県健康対策課より報告があった。 県全体でみると、通院治療を実施する医療機関数は増加し、受診しやすい環境整備が進んでいるが、二次保健医療圏域別では、2圏域で通院治療可能な医療機関は減少しており、1圏域で入院治療可能な医療機関は0であった。圏域によっては、医療機関の不足等、前回調査での課題が継続していると推察された。

2 児童思春期精神医療の県拠点、地域連携拠点機能について 児童思春期精神医療の県連携拠点、地域連携拠点機能(案)について広島県健康対策課より説明があった。 地域連携拠点の機能として、1児童思春期精神医療に関する診療を積極的に実施していること(診療の対象年齢:20歳未満)、柑通院治療の実績があること(年間で300人を超える受診者数がある)、桓入院治療の実績があること(年間で1人以上の入院治療実績がある)、棺診療情報を積極的に公表していること(地対協HPへの掲載を希望している)の4つが挙げられた。 県拠点の機能としては、地域連携拠点機能を有し、かつ、県内の児童思春期精神医療人材の育成と資質向上に取り組んでいることが挙げられた。拠点機関の見直しにあたり、県連携拠点機関は県内で1医療機関を選定し、地域連携拠点機関は二次医療圏域ごとに入院機能を確保するため、1医療機関以上を選定予定とした。 拠点機関の選定にあたっては、実施した児童思春期精神医療アンケート調査の結果をポイント化する案が挙げられたが、委員より拠点機能として挙げられた機能が果たせるのかという意見も出たため、改めて選定方法については検討することとなった。

Page 2: (55)2020年(令和2年)3月15日 広島県医師会速 …(55)2020年(令和2年)3月15日 広島県医師会速報(第2437号) 昭和26年8月27日 第3種郵便物承認

昭和26年8月27日 第3種郵便物承認 2020年(令和2年)3月15日(56)広島県医師会速報(第2437号)○第1回小児医療体制検討専門委員会 日 時:令和2年1月20日㈪19時00分 場 所:広島県医師会館5階 501会議室 委員長:川口 浩史  昨年7月の医療法の一部改正により、産科および小児科に限定した医師確保計画の策定が必要となることから、第7次保健医療計画における小児医療対策と整合性のある取り組みを検討することを目的に本委員会を新たに設置し、第1回会議を開催した。県内の小児医療体制の現状等を共有し、また広島県医師確保計画(素案)について委員より意見が寄せられた。 報告事項 1 平成30年7月豪雨災害の状況(災害時小児周産期リエゾン活動含む)について 広島県医療介護人材課より、平成30年7月の広島県豪雨災害の状況と小児周産期リエゾン(医師3名、行政1名)の活動について報告があった。具体的な活動としては、日本産婦人科学会の大規模災害対策情報システムも利用した「情報収集と発信」「企画・立案」「保健活動」などが挙げられた。2 集団災害医療救護訓練への災害時小児周産期リエゾンの参加について 続けて同課より、毎年災害拠点病院において実施されている集団災害医療救護訓練について、今年度は令和元年11月3日(日・祝)に市立三次中央病院にて実施され、災害時小児周産期リエゾンも妊婦事例および新生児事例への対応に関する訓練を実施した旨、報告があった。  協議事項 広島県医師確保計画(小児科)の策定について 広島県では平成30年度より第7次広島県保健医療計画を推進しており、令和2年度は中間評価を行う予定である。平成30年の医療法等の改正に伴い、医療計画に掲げられている「医師の確保に関する事項」に医師全般の医師確保計画とは別に、産科・小児科の計画を策定する必要がある。広島県から、小児科医師確保計画については県全体の小児医療体制の維持に向け、現在の医師数の水準を向上するため「医師の確保」「医療体制の構築」「勤務環境の改善」を柱とする取り組みを行いたいとした。また、本県における小児科医師偏在指数、医師確保の方針及び今後の検討スケジュールなどについて説明後、小児科医師確保計画の素案が提示された。これらをもとに、各圏域での偏在などの実態について委員より報告するとともに、意見交換を行った。

○第1回糖尿病対策専門委員会 日 時:令和2年1月21日㈫19時00分 場 所:広島県医師会館3階 303会議室 委員長:米田 真康  本県の糖尿病医療に係る医療連携体制について米田委員長から報告後、意見交換を行った。また、「ひろしまDMステーション」および「糖尿病性腎症重症化予防事業」について情報提供があった。 報告事項 1 糖尿病医療連携体制 2019年度について 米田委員長より、今年度の糖尿病医療連携体制について説明があった。現在、広島県の糖尿病診療拠点病院は8医療機関、中核病院は9医療機関となっている。今後は、中核病院に糖尿病内科の医師を配属するなど、拠点病院を増やしていきたいとした(拠点病院・中核病院の医療機関は、広島県HPにて閲覧可能)。 また、糖尿病医療連携について、「医療機関レベル」、「医療圏域レベル」、「広域的(全県的)な医療連携体制構築」の3つの視点から考えることとし、各医療圏域においてどのような医療連携を図っているのか、各委員から報告があった。地域連携として、委員から「医療連携パス」(安佐・呉・尾道・廿日市の4地区で作成)の運用や、地域で年に数回、話し合いの場を設けていることなどが挙げられた。 「医療連携パス」について、米田委員長は、現在、作成・使用されている4地区の連携パスを、これから作成を考えている地区の参考になるよう、HPなどで閲覧可能にする必要があるか意見を求めた。これに対し、出席者からは、今後の医療連携パスの運用に向け、たたき台があれば心強いとの意見が出た。また、たたき台があることで医師会内でも話が進みやすいとの話があり、「医療連携パス」の情報共有については、今後、MLにて協議を進める予定である。 また、関係団体には、県内全域において、どのような糖尿病に対する取り組みを実施しているのか、意見を求めた。2 糖尿病医療連携体制 2020年度に向けて 米田委員長より、「ひろしまDMステーション」について説明と報告があった。拠点病院・中核病院が無い地域で栄養指導等を行うことができない際に、広島大学から遠隔医療を行う取り組みである。協力医療機関は、「安芸太田病院」「三原市医師会病院」「府中市民病院」となっており、2月からの運用を目指している。

Page 3: (55)2020年(令和2年)3月15日 広島県医師会速 …(55)2020年(令和2年)3月15日 広島県医師会速報(第2437号) 昭和26年8月27日 第3種郵便物承認

広島県医師会速報(第2437号)(57)2020年(令和2年)3月15日 昭和26年8月27日 第3種郵便物承認2022年には、2年間のデータをもとに、人工知能が最善の方法を選択するシステムを完成させたいとした。 協議事項・その他 「糖尿病性腎症重症化予防事業」について 広島県より、平成29年度、平成30年度の糖尿病性腎症重症化予防事業について報告があり、事業実施上の課題として次の点が挙げられた。・事業の対象として抽出された方の、保健指 導への参加率が低い。・保健指導への参加に対するかかりつけ医の協力が得られない事例がある。・医療保険者による、かかりつけ医が実施した検査結果の回収率が低い。 本件について、市町に対してデータ回収率を上げるため、返信用封筒をかかりつけ医に送付し、その封筒でデータを返送するよう求めることとした。

3

医療従事者等における体液曝露事故後の

HIV感染防止マニュアル

平成27年2月改訂

広島県地域保健対策協議会(広島大学・広島県・広島市・広島県医師会)

(健康危機管理対策専門委員会)

「海外で気をつける蚊媒介感染症 デング熱、ジカウイルス感染症(ジカ熱)、チクングニア熱、

マラリア」

前立腺がん 手帳地域連携パス

甲状腺がん 手帳地域連携パス

とも◯「海外で気をつける蚊媒介感染症 デング熱、ジカウイルス感染症 (ジカ熱)、チクングニア熱、マラリア」

◯前立腺がん 手帳 地域連携パス◯甲状腺がん 手帳 地域連携パス

73

7