HP-UX 11i v2 11.23)構築手順 - h50146. · HP Integrity サーバ + HP-UX 11i v2 (11.23) HP-UX...
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HP Integrity サーバ + HP-UX 11i v2 (11.23)
HP-UX 11i v2(11.23)構築手順
APPENDIX E. NFS(Network File System)の設定
初版 2006/08
目次
E. NFS(Network File System)の設定 .................................................................................................. 2 NFS 構成の概要 .............................................................................................................................. 3 sam(1M)による NFS の設定(GUI ベース)........................................................................................... 4 NFS サーバの設定 ........................................................................................................................... 5 E.1 NFS サーバ機能の有効化 ............................................................................................................ 5 E.2 ディレクトリの公開(エキスポート) ................................................................................................ 11 NFS クライアントの設定 ................................................................................................................... 13 E.3 NFS クライアントの機能の有効化 ................................................................................................ 13 E.4 ディレクトリのマウント ................................................................................................................ 15 コマンドによる NFS の設定手順 ........................................................................................................ 17 NFS サーバの設定 ......................................................................................................................... 18 E.5 /etc/exports ファイルへ公開ディレクトリの設定 ............................................................................. 18 E.6 NFS サーバデーモン(nfsd)の起動............................................................................................... 19 NFS クライアントの設定 ................................................................................................................... 21 E.7 /etc/fstab ファイルへマウント情報を設定...................................................................................... 21 E.8 NFS クライアントデーモン(biod)の起動........................................................................................ 22 NFS 設定後の確認 ......................................................................................................................... 24 E.9 NFS 設定後の確認手順 ............................................................................................................. 24
HP-UX DEVELOPER EDGE ................................................................................................................... 25
E. NFS(Network File System)の設定 この章の概要 NFS(Network File System)は、ネットワークに接続されているノード上のディレクトリやファイルを異なるノードから透過
的にアクセスすることを可能にするファイルシステムです。本章では、NFS の設定方法について説明します。
☐ NFS 設定後の確認
含まれる内容 ☐ NFS サーバ機能の有効化(NFS サーバデーモン nfsd の起動) ☐ ディレクトリの公開(エキスポート) ☐ NFS クライアント機能の有効化(NFS クライアントデーモンの biod 起動) ☐ ディレクトリのマウント
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NFS構成の概要
NFS では、ディレクトリやファイルを他のノードからアクセスできるように公開する(エクスポートする)「NFS サーバ」と、
NFS サーバから公開されているディレクトリやファイルをアクセスするためにマウントを行う「NFS クライアント」とに区別
されます。 NFS マウントされたディレクトリやファイルは、NFS クライアントのユーザにとっては、あたかもローカル・ファイルシステ
ムの一部としてアクセスしているように見えます。 NFS 構成の概要は、図 E-1 の通りとなります。 下線の作業項目については NFS サーバ上での作業、それ以外の作業項目については NFS クライアント上での作業と
なります。
図 E-1 NFS 構成の概要
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sam(1M)によるNFSの設定(GUIベース)
システム管理マネージャ sam(1M)により、NFS の設定作業を GUI ベースで実行可能です。以下に、各項目について
sam(1M)で行う場合の手順を説明します。 sam(1M)を使用した NFS サーバ、NFS クライアントの設定の流れは、図 E-2 の通りとなります。
図 E-2 sam(1M)を使用した NFS サーバ、NFS クライアントの設定の流れ
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NFSサーバの設定
E.1 NFSサーバ機能の有効化 1. 環境変数の設定
sam(1M)を使用して設定を行います。sam(1M)を起動する場合、DISPLAY 環境変数の設定が必要となります。root ユ
ーザでログインし、以下のように入力してください。 実行例
次の場合を想定しています。 シェル: POSIX シェル[sh] あるいは コーンシェル[ksh] サーバ名: hp01
確認例
# DISPLAY=hp01:0.0 # export DISPLAY
# echo $DISPLAY hp01:0.0
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3. Networking and Communications 画面の起動
「Networking and Communications」アイコンをダブルクリックします(図 E-4)。
図 E-4 sam(1M)の起動画面
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4. Networked File System 画面の起動
「Networked File Systems」アイコンをダブルクリックします(図 E-5)。
図 E-5 Networking and Communications 画面
図 E-6 Networked File Systems 画面
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5. Exported Local File Systems 画面の起動
「Exported Local File Systems」アイコンをダブルクリックします(図 E-7)。
図 E-7 Networked File Systems 画面
図 E-8 Exported Local File Systems 画面
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6. NFS サーバ機能の有効化
「Exported Local File Systems」画面の「Actions」メニューから「Enable NFS Server」を選択します(図 E-9)。
図 E-9 Exported Local File Systems 画面でのメニュー選択
NFS サーバ機能が有効化されると、NFS サーバのステータスが「NFS Server Enabled」と表示されます(図 E-10)。
図 E-10 Exported Local File Systems 画面での NFS サーバ機能の有効化表示
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E.2 ディレクトリの公開(エキスポート) 1. Add Exported File System 画面の起動
「Exported Local File Systems」画面の「Actions」メニューから「Add Exported File System」を選択します(図 E-11)。
図 E-11 Exported Local File Systems 画面でのメニュー選択
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2. ディレクトリの公開設定
「Local-Directory Name」項目に、公開(エクスポート)するディレクトリを入力します(図 E-12)。入力後「OK」ボタンをク
リックする事により、設定が反映されます。必要に応じて、「Unknown ユーザ・オプション」や「ファイルアクセス権限」の
設定を行ってください。
図 E-12 Add Exported File System 画面
ディレクトリの公開(エクスポート)設定後、設定した情報がリストに表示されます(図 E-13)。
図 E-13 Add Exported File System 画面での公開(エクスポート)設定後
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NFSクライアントの設定 NFS クライアントの設定は NFS サーバとは異なるノードで行います。「NFS サーバの設定手順」に従い、sam(1M)の「Networked File Systems」画面まで進んで、これから先の手順を進めます。
E.3 NFSクライアントの機能の有効化 1. Mounted Remote File Systems 画面の起動
「Mounted Remote File Systems」アイコンをダブルクリックします(図 E-14)。
図 E-14 Networked File Systems 画面
図 E-15 Mounted Remote File Systems 画面
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2. NFS クライアント機能の有効化
「Mounted Remote File Systems」画面の「Actions」メニューから「Add Remote File System」を選択後、さらに「Using NFS」を選択します(図 E-16)。
図 E-16 Mounted Remote File Systems 画面でのメニュー選択
NFS クライアント機能が無効化されていた場合、「Confirmation」画面が表示されます(図 E-17)。「Yes」ボタンをクリッ
クして NFS クライアントの有効化を行います。 既に NFS クライアントが有効化されている場合、あるいは、自動マウント機能が有効化されている場合には、
「Confirmation」画面は表示されません。
図 E-17 Confirmation 画面
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E.4 ディレクトリのマウント 1. Add Remote File System 画面への移行
「Confirmation」画面で NFS クライアントの有効化を行うと、「Add Remote File System」画面に移行します(図 E-18)。
図 E-18 Add Remote File Systems 画面
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2. リモートディレクトリのマウント設定
「Local-Directory Name」項目に、リモートのディレクトリをマウントするローカルディレクトリ名を入力します。「Remote-Server Name」項目には、ディレクトリを公開している NFS サーバのホスト名を入力します。「Remote-Directory Name」
項目には、NFS サーバ上で公開されているリモートディレクトリを入力します(図 E-19)。入力後「OK」ボタンをクリック
する事により、設定が反映されます。必要に応じて、「マウントの実行タイミング」や「マウントオプション」の設定を行って
ください。
図 E-19 Add Remote File System 画面
設定後、マウントしたディレクトリ情報がリストに表示されます(図 E-20)。
図 E-20 Add Remote File System 画面でのマウント設定後
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コマンドによるNFSの設定手順
NFS の設定は sam(1M)を使用した設定方法の他に、コマンドにより設定を行うことも可能です。以下に、コマンドにより
NFS の設定を行う手順を説明します。 コマンドを使用した NFS サーバ、NFS クライアントの設定の流れは、図 E-21 の通りとなります。
図 E-21 コマンドを使用した NFS サーバ、NFS クライアントの設定の流れ
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NFSサーバの設定
E.5 /etc/exportsファイルへ公開ディレクトリの設定
NFS サーバから NFS クライアントに向けて、ディレクトリを公開するための情報を/etc/exports ファイルに設定します。
[ディレクトリ名] [ - [オプション] ( [,オプション] )]
[設定ファイル]
/etc/exports
[構文]
オプション 設定する内容/設定値の意味
ro ディレクトリを読み取り専用でエクスポートします。このオプションを指定しない場合は、ディ
レクトリは読み書き用でエクスポートされます。ro オプションと rw オプションは、同じエクス
ポート行に指定することはできません。
rw=hostname[:hostname]...
hostname で指定されたホストに対してディレクトリを読み書き可能でエクスポートします。roと rw のいずれも指定しない場合、ディレクトリはすべてのホストに読み書き用でエクスポー
トされます。ro オプションと rw オプションは、同じエクスポート行に指定することはできませ
ん。hostname は 256 個まで指定できます。
anon=uid
未知のユーザからの要求が来たときに、uid を実効ユーザ ID として用います。root オプショ
ンの指定がないときは、NFS サーバは root ユーザ (uid 0) を常に「未知」と考えます。この
オプションのデフォルト値は nobody ユーザ(uid -2)です。匿名アクセスを使用不可にする
には、anon を-1 に設定します。
root=hostname[:hostname]...
hostname で指定したホストの root ユーザだけに、root アクセスを許します。デフォルトで
は、どのホストにも root アクセスが許されません。hostname は 256 個まで指定できます。
設定例
/nfsdir -root=hp02
vi エディタ等で編集します。ここでは、NFS サーバ(hp01)上の/nfsdir ディレクトリを公開し、NFS クライアント(hp02)
の root ユーザからのアクセスは許可していますが、NFS クライアント(hp02)以外のホストからの root ユーザアクセス
は許可しません。 Solaris では…
Solaris では、/etc/dfs/dfstab ファイルに以下のように設定を行います。 share -F nfs -o rw,root=hp02 /nfsdir
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E.6 NFSサーバデーモン(nfsd)の起動 1. /etc/rc.config.d/nfsconf ファイルへの情報設定
/sbin/init.d/nfs.server スクリプトでの NFS サーバデーモン(nfsd)の起動・停止する前に、まず、
/etc/rc.config.d/nfsconf ファイル内の変数(NFS_SERVER)の値を変更する必要があります。
NFS_SERVER
/etc/rc.config.d/nfsconf
[変更変数]
[設定ファイル]
変数 説明
NFS_SERVER 値が 0 の場合、NFS サーバデーモン(nfsd)の起動は行われません。
値が 1 の場合、NFS サーバデーモン(nfsd)の起動が行われます。
設定例
NFS_SERVER=1
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2. NFS サーバデーモン(nfsd)の起動
/etc/rc.config.d/nfsconf ファイルの設定変更後、NFS サーバデーモン(nfsd)を起動するために
/sbin/init.d/nfs.server スクリプトを実行します。以下に、実行方法を紹介します。 /sbin/init.d/nfs.server スクリプトにより、NFS サーバデーモン(nfsd)の起動を行った際に、/etc/exports ファイル内に
記述されているディレクトリの公開も自動的に行われます。
[スクリプト説明]
# /sbin/init.d/nfs.server [ start | stop ]
引数 設定する内容/設定値の意味
start NFS サーバデーモン(nfsd)の起動を行います。
stop NFS サーバデーモン(nfsd)の停止を行います。
実行例
NFS サーバデーモン(nfsd)の起動 NFS サーバデーモン(nfsd)の停止
# /sbin/init.d/nfs.server start starting NFS SERVER networking starting up the rpcbind daemon rpcbind already started, using pid: 970 starting up the mount daemon /usr/sbin/rpc.mountd starting up the NFS daemons /usr/sbin/nfsd 16 starting up the Status Monitor daemon rpc.statd already started, using pid: 1053 starting up the Lock Manager daemon rpc.lockd already started, using pid: 1059
# /sbin/init.d/nfs.server stop killing nfsd killing rpc.mountd
Solaris では…
Solaris では、/etc/init.d/nfs.server スクリプトにより、NFS サーバデーモン(nfsd)の起動・停止を行います。
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NFSクライアントの設定 NFS クライアントの設定は NFS サーバとは異なるサーバで行います。
E.7 /etc/fstabファイルへマウント情報を設定
NFS サーバから公開されているディレクトリをマウントするための情報を/etc/fstab ファイルに設定します。
/etc/fstab
[構文] [サーバ名]:[リモートディレクトリ名] [ローカルディレクトリ名] nfs [オプション] ( [,オプション…] ) 0 0
[設定ファイル]
オプション 設定する内容/設定値の意味
rw|ro 読み書き可能、または、読み取り専用でマウントされます。デフォルトは rw です。
suid|nosuid setuid の実行を許可または禁止します。 デフォルトは suid です。
remount あるファイルシステムが読み取り専用でマウントされている場合に、そのファイルシステムを
読み書き可能でマウントし直します。
bg|fg 最初のマウントの試みに失敗した場合、バックグラウンドまたはフォアグラウンドで再試行し
ます。デフォルトは fg です。
設定例
hp01: /nfsdir /nfsdir nfs ro, nosuid 0 0
ここでは、NFS サーバ(hp01)上の/nfsdir ディレクトリを NFS クライアント(自ホスト)上の/nfsdir にマウントし、読み取
り専用および setuid の実行を禁止するモードでマウントするように設定しています。 NFS サーバ(hp01)のノード名が解決できるように、/etc/hosts ファイルの設定もしくは DNS サーバの登録が必要です。 Solaris では…
Solaris では、/etc/vfstab ファイルに同様に設定します。
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E.8 NFSクライアントデーモン(biod)の起動 1. /etc/rc.config.d/nfsconf ファイルへの情報設定
/sbin/init.d/nfs.client スクリプトでの NFS クライアントデーモン(biod)を起動・停止する前に、まず、
/etc/rc.config.d/nfsconf ファイル内の環境変数(NFS_CLIENT)の値を変更する必要があります。
/etc/rc.config.d/nfsconf
[変更変数] NFS_CLIENT
[設定ファイル]
変数 説明
NFS_CLIENT 値が 0 の場合、NFS クライアントデーモン(biod)の起動は行われません。
値が 1 の場合、NFS クライアントデーモン(biod)の起動が行われます。
設定例
NFS_CLIENT=1
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2. NFS クライアントデーモン(biod)の起動
/etc/rc.config.d/nfsconf ファイルの設定変更後、NFS クライアントデーモン(biod)を起動するために
/sbin/init.d/nfs.client スクリプトを実行します。/sbin/init.d/nfs.client スクリプトにより、NFS クライアントデーモン
(biod)の起動を行った際に、/etc/fstab ファイル内に記述されているディレクトリのマウントも自動的に行われます。
# /sbin/init.d/nfs.client [ start | stop ]
[スクリプト説明]
引数 設定する内容/設定値の意味
start NFS クライアントデーモン(biod)の起動を行います。
stop NFS クライアントデーモン(biod)の停止を行います。
実行例
NFS クライアントデーモン(biod)の起動 NFS クライアントデーモン(biod)の停止
# /sbin/init.d/nfs.client start starting NFS CLIENT networking starting up the rpcbind rpcbind already started, using pid: 956 starting up the BIO daemons /usr/sbin/biod 16 starting up the Status Monitor daemon rpc.statd already started, using pid: 1039 starting up the Lock Manager daemon rpc.lockd already started, using pid: 1045 Starting up the AutoFS daemon /usr/sbin/automountd Running the AutoFS command interface /usr/sbin/automount mounting remote NFS file systems ... mounting CacheFS file systems ...
# /sbin/init.d/nfs.client stop killing biod killing automountd
Solaris では…
Solaris では、/etc/init.d/nfs.client スクリプトにより、NFS クライアントデーモン(biod)の起動・停止をします。
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NFS設定後の確認
E.9 NFS設定後の確認手順
NFS が正しく設定されていることを確認するには、簡単な手順としてマウントディレクトリに移動し ls(1)コマンドを使用し
ます。 確認例
サーバ(hp01)側で、以下のローカルディレクトリ(/nfsdir)を他のサーバに公開しているとします。 NFS クライアント(hp02)側で、以下のように NFS 設定後のマウントディレクトリ(/nfsdir)に移動し、/nfsdir ディレクトリ
配下の情報を ls(1)コマンドにより確認します。
# cd /nfsdir # pwd /nfsdir # ls -l 合計 16 drwxrwxr-x 2 root sys 96 3 月 2 日 19:13 dir -rw-rw-r-- 1 root sys 5 3 月 2 日 19:13 file.txt #
# cd /nfsdir # pwd /nfsdir # ls -l 合計 16 drwxrwxr-x 2 root sys 96 3 月 2 日 19:13 dir -rw-rw-r-- 1 root sys 5 3 月 2 日 19:13 file.txt #
上記のように、サーバ(hp01)上の情報を NFS クライアント(hp02)でも確認できたことから、NFS が正しく設定されて
いることが分かります。 Solaris では…
Solaris でも、サーバ・クライアントにて上記と同様に確認します。
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