HOOBASTANK Fight Or Flight - gekirock...ているのはFOO FIGHTERSくらいかな。FOO...

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BIOGRAPHY 待望の新作、遂に完成!! HOOBASTANK 来日直前インタビュー! 「このタイトルはバンドのモットーのようなものなんだ。 “戦うか逃げるか”ってね」 バンドのみんなはこんなこと言ったらダサいと思うかもしれないけど 僕は日本のファンと特別な関係があると思っている 品のテーマとなっているのでしょうか? そうだね、このタイトルはバンドのストーリーを伝えるものだと思っ ている。長い間バンドとして活動してきたから、 “もうたくさんだ、他の ことをした方がいいかもしれない”って言いたい時もいっぱいあっ た。でもバンドのみんなは音楽があまりにも好きだから頑張り続けて しまう、つまりファイトし(戦い)続けてしまうんだ。このタイトルはバ ンドのモットーのようなものなんだ。 “戦うか逃げるか”ってね。 -優しさと激しさを兼ね合わせたサウンドは、 “HOOBASTANK らし い”とも言えますが、本作では意図的にバリエーションを持たせたとい うよりは、あなたたち自身の持つパーソナリティが反映されて、より自 然に多彩なアルバムに仕上がったと言えるのではないでしょうか? 自然に多彩なアルバムに仕上げることはあまり意識していなかった よ。正直に言うと、今までと全く違う取り組み方で作りたいって思った んだ。過去 3 作品は、Howard Benson をプロデューサーに迎えて 作ったけれど、今回は新しいプロデューサーと作業がしたかった。 Douglas Robb (Vo/Gt) インタビュアー:山本 真由 -前作『For(N)ever』から約 3 年半ぶりとなるニュー・アルバム 『Fight Or Flight』のリリース、おめでとうございます。1 年以上前か ら新作についての噂が飛び交っていましたが、実際の制作は予定され ていた以上に時間がかかったり、難航していたということはあったの でしょうか? どうもありがとう。制作のプロセスはとてもスムーズで、難航してい なかったけど、自分たちが思っていた以上に時間がかかってしまった。 アルバム自体かなり前に完成していたんだけど、マネージメントが変 わったり、ビジネス面でも色々な変化があって、何度もアルバムの発 売を引き延ばさないといけないような状況だったんだ。音楽的な部分 はもっと前に仕上がっていたから、出せるタイミングを待っていただ けなんだ。 -本作のタイトル、 『Fight Or Flight』には非常にシンプルで強い メッセージがこもっていると感じられるのですが、これがそのまま作 Howard のことは今でも大好きで、今でも彼の仕事ぶりが好きだし、 とてもいい関係のままだけど、自分たちに新しいスタンスがあっても いい時だと思ったんだ。今まで試みることもできなかったようなこと をやってみたかったし、今まで居心地がいいと思っていたやり方を取 り除いて、一からやろうと決めた。自分たちに違いが分かって納得行 くまでこれを意識したんだ。 -今回いち早く公開されたアルバムのオープニング・トラック「This Is Gonna Hurt」は、非常にアグレッシヴ且つキャッチーな正統派ラ ウドロックに仕上がっていると感じました。アルバムに期待感を持た せるには最高の楽曲だと思いますが、アルバム制作においてもこの曲 が軸となったのでしょうか? この「This Is Gonna Hurt」は最初の頃に作った楽曲だったけど、 一番先に出来たものではなかったんだ。確かにこの曲はアグレッシヴ でラウドなロックに仕上がっているけど、アルバム全体はアグレッシ ヴではないと思う。なので、アルバム全体の軸ではないんだけれど、 リスナーの注意を引く曲にはなっていると思うよ。 -「You Before Me」は、 “俺は自分のことは二の次にするよ”という 奥さんに向けてのメッセーであったり、 「Magnolia」は Doug の娘さ んの名前がそのまま曲のタイトルになっていたり……家族への思い が伝わってきます。個人的な感情を素直に描いていることで、リス ナーにとっても感情移入しやすいアルバムになったのではないでしょ うか。 曲を作っている時に“あ、みんながこれを聴いてつながりが持てるよ うにしよう”とかって考えていた訳ではないんだ。でもこのアルバムの 曲のほとんど、いや全曲に精神的な結びつきというか愛着感はある。 過去の曲でそれが言えるかどうかはわからないな。昔はあるキャラク ターについてとか、そのキャラクターの視点から見た曲だったりした から。このアルバムはもっとパーソナルなものだと思う。1 つの内容だ と思って聴いている曲でも、僕にとっては非常に個人的な意味があっ たりする。どんな解釈をしてもいいし、感情移入してくれるならとても 嬉しいよ。 -作品を通してプライベートでの充実が感じられますが、実際の状況 はどうですか? その通りだよ(笑)。数年前に結婚して、今は娘の Magnoliaもでき て、人間としてとてもいい場所にいるので、充実していて幸せだよ。 -前作リリース後のインタビューで、今は長期的な目標は持たずに、1 年毎にこうしていこうっていうスタンスでやっているというようなこ とを語ってくれましたが、それは今も変わらないですか? そうだね、変わってないと思う。僕は今までずっと、若い頃からそう 思って来たと思う。音楽を始めるずっと前からね。両親に“将来は何を するんだ?”って聞かれた時も“分からないよ、その時考える”みたい な答え方をしていた。それが自分のあり方なんだ。流れに沿っていく みたいな生き方が好きなんだ。何が起きるか分からないから長期的 な目標は持ちたくないな。 -同郷で同世代でもある LINKIN PARK が一足早く新作をリリース しましたが、もう聴かれましたか? 不思議かもしれないけど、同じようなジャンルの音楽はあまり聴かな いんだ。LINKIN PARK は僕たちの仲の良い友達だし、似たような ジャンルだけど、あまり聴かないんだ。僕が同じようなジャンルで聴い ているのは FOO FIGHTERS くらいかな。FOO FIGHTERS はよく 聴いているよ。 -それでは今お気に入りのアルバムやアーティストなどお薦めがあ れば教えてください。 このインタビューを始める前に THE DEAD WEATHER のアルバ ムをダウンロードしたばかりなので、それをじっくり聴き込むつもり だよ。あとは Fiona Appleが大好きで、大ファンなんだけど、彼女の ニュー・アルバム『The Idler Wheel Is Wiser Than The Driver Of The Screw And Whipping Cords Will Serve You More Than Ropes Will Ever Do』をいつも聴いているよ。 -最近のライヴではもう新曲を披露しているのでしょうか? SUMMER SONIC でも新曲は聴けますか? 今現在ツアーをしているんだけど、既にライヴで新しい曲を演奏して いるよ。もう7、8 曲くらいプレイしているかな。オーディエンスの反 応もとてもいい。サマソニではもちろん新曲をたくさんプレイするつ もりだよ! -昨年は出演予定だった PUNKSPRING が、残念ながら震災の影 響で開催中止となってしまいましたが、今回の来日公演への意気込み などあればどうぞ! ものすごく楽しみにしているんだ。昨年行けなかったから、この 1 年 で僕たちはもっと日本に行きたいという気持ちになっているし、ファ ンはもっと来日してほしいって思ってくれるみたいなんだ。本当に長 過ぎたよ。早く日本に行きたいし、日本でこのフェスに参加することは 自分たちにとって 1 年のハイライトになると思う。 -これまでにもフェスやジャパン・ツアーで何度も来日経験のなる HOOBASTANK ですが、日本での思い出や裏話など何か特別なエ ピソードがあれば教えてください。 まず、僕は日本の人たちが大好きなんだ。バンドのみんなはこんなこ と言ったらダサいと思うかもしれないけど、僕は日本のファンと特別 な関係があると思っている。僕も彼らの 1 人なんだ。僕は日本のファ ンを“マイ・ピープル”って呼んでいるんだけど、バンドはそれを笑う んだ。母が日本で生まれ育ったし、僕も少しの間日本に住んでいたか ら、日本のファンと相通じるものがある。彼らが分かっているかどうか は別として、僕は彼らの“家族”のような気持ちなんだ。だからファン と親しさを感じるし、理解できると思っている。バンドのみんなよりも 遥かに理解できていると思っているんだ(笑)。うまく説明できないか もしれないけど、つまり僕はアメリカで生まれて育ったけど、ハーフで あることにすごく誇りを持っているんだ。 -最後に日本のファンへメッセージをお願いします。 さっきも話したけど、昨年の PUNKSPRING がキャンセルになった 時、本当にがっかりして、悲しくてたまらなかった。もちろん状況も把 握していたし、本当に大変なことだったから充分理解していたんだけ ど、楽しみにしていたことだけに本当に辛かった。地震や津波のこと も心配だったし、みんなのことも心配だったけど、みんなに会いた かった。だから今年行けることを心待ちしていたから、これが今年の ハイライトになる。日本のファンや日本の方々にどれだけ感謝してい るか言葉で言い表せないけど、一生恩は忘れないよ。 94 年、LA アグーラ・ヒルズにおいて Doug Robb(Vo) と Dan Estrin(Gt) がバンドバトルを通じて出会い、その後 Markku Lappalainen(Ba) と Chris Hesse(Dr) が加入し HOOBASTANK を結成。01 年『HOOBASTANK』にてメジャー・デビュー。 そのサウンドはグランジ以降のラウドロックであり、リスナー層も若手中心だったが、シンプルで普遍的なメロディを前面に押し出したサ ウンドは、ラウドロックというより、FOO FIGHTERS の系脈に存在していた。03 年、そんな普遍的なメロディをより洗練させたアル バム『The Reason』をリリース。スケールの大きいアメリカン・ロック・バラードの同名シングルは、US ビルボード・シングル・チャー ト 2 位を獲得。アルバムはグラミー賞にノミネートされ大成功を収めた。06 年、ベーシストが Markku から Josh Moreau へとチェ ンジし、3rd アルバム『Every Man For Himself』をリリース。同年の SUMMER SONIC では、日本人である Doug の祖母をス テージ上で紹介し、自身のルーツである日本が特別な場所であることをアピールした。09 年、ベーシストに Jesse Charland が加入し、 4th アルバム『For(N)ever』をリリース。10 年には初のアコースティック・アルバム『Is This The Day?』をリリースし、日本でアコー スティック・ツアーが行われている。11年の PUNK SPRING に出演予定であったが震災により急遽中止、彼らの来日も見送られることに。 12 年 8 月、最新アルバム『Fight Or Flight』を引っさげての、昨年のリベンジともいえる SUMMER SONIC への出演が決定!!

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BIOGRAPHY

待望の新作、遂に完成!!HOOBASTANK 来日直前インタビュー!「このタイトルはバンドのモットーのようなものなんだ。“戦うか逃げるか”ってね」

バンドのみんなはこんなこと言ったらダサいと思うかもしれないけど僕は日本のファンと特別な関係があると思っている

品のテーマとなっているのでしょうか?

そうだね、このタイトルはバンドのストーリーを伝えるものだと思っ

ている。長い間バンドとして活動してきたから、“もうたくさんだ、他の

ことをした方がいいかもしれない”って言いたい時もいっぱいあっ

た。でもバンドのみんなは音楽があまりにも好きだから頑張り続けて

しまう、つまりファイトし(戦い)続けてしまうんだ。このタイトルはバ

ンドのモットーのようなものなんだ。“戦うか逃げるか”ってね。

-優しさと激しさを兼ね合わせたサウンドは、“HOOBASTANK らし

い”とも言えますが、本作では意図的にバリエーションを持たせたとい

うよりは、あなたたち自身の持つパーソナリティが反映されて、より自

然に多彩なアルバムに仕上がったと言えるのではないでしょうか?

自然に多彩なアルバムに仕上げることはあまり意識していなかった

よ。正直に言うと、今までと全く違う取り組み方で作りたいって思った

んだ。過去 3 作品は、Howard Benson をプロデューサーに迎えて

作ったけれど、今回は新しいプロデューサーと作業がしたかった。

Douglas Robb (Vo/Gt) インタビュアー:山本 真由

-前作『For(N)ever』から約 3 年半ぶりとなるニュー・アルバム

『Fight Or Flight』のリリース、おめでとうございます。1 年以上前か

ら新作についての噂が飛び交っていましたが、実際の制作は予定され

ていた以上に時間がかかったり、難航していたということはあったの

でしょうか?

どうもありがとう。制作のプロセスはとてもスムーズで、難航してい

なかったけど、自分たちが思っていた以上に時間がかかってしまった。

アルバム自体かなり前に完成していたんだけど、マネージメントが変

わったり、ビジネス面でも色々な変化があって、何度もアルバムの発

売を引き延ばさないといけないような状況だったんだ。音楽的な部分

はもっと前に仕上がっていたから、出せるタイミングを待っていただ

けなんだ。

-本作のタイトル、『Fight Or Flight』には非常にシンプルで強い

メッセージがこもっていると感じられるのですが、これがそのまま作

Howard のことは今でも大好きで、今でも彼の仕事ぶりが好きだし、

とてもいい関係のままだけど、自分たちに新しいスタンスがあっても

いい時だと思ったんだ。今まで試みることもできなかったようなこと

をやってみたかったし、今まで居心地がいいと思っていたやり方を取

り除いて、一からやろうと決めた。自分たちに違いが分かって納得行

くまでこれを意識したんだ。

-今回いち早く公開されたアルバムのオープニング・トラック「This

Is Gonna Hurt」は、非常にアグレッシヴ且つキャッチーな正統派ラ

ウドロックに仕上がっていると感じました。アルバムに期待感を持た

せるには最高の楽曲だと思いますが、アルバム制作においてもこの曲

が軸となったのでしょうか?

この「This Is Gonna Hurt」は最初の頃に作った楽曲だったけど、

一番先に出来たものではなかったんだ。確かにこの曲はアグレッシヴ

でラウドなロックに仕上がっているけど、アルバム全体はアグレッシ

ヴではないと思う。なので、アルバム全体の軸ではないんだけれど、

リスナーの注意を引く曲にはなっていると思うよ。

-「You Before Me」は、“俺は自分のことは二の次にするよ”という

奥さんに向けてのメッセーであったり、「Magnolia」は Doug の娘さ

んの名前がそのまま曲のタイトルになっていたり……家族への思い

が伝わってきます。個人的な感情を素直に描いていることで、リス

ナーにとっても感情移入しやすいアルバムになったのではないでしょ

うか。

曲を作っている時に“あ、みんながこれを聴いてつながりが持てるよ

うにしよう”とかって考えていた訳ではないんだ。でもこのアルバムの

曲のほとんど、いや全曲に精神的な結びつきというか愛着感はある。

過去の曲でそれが言えるかどうかはわからないな。昔はあるキャラク

ターについてとか、そのキャラクターの視点から見た曲だったりした

から。このアルバムはもっとパーソナルなものだと思う。1つの内容だ

と思って聴いている曲でも、僕にとっては非常に個人的な意味があっ

たりする。どんな解釈をしてもいいし、感情移入してくれるならとても

嬉しいよ。

-作品を通してプライベートでの充実が感じられますが、実際の状況

はどうですか?

その通りだよ(笑)。数年前に結婚して、今は娘の Magnolia もでき

て、人間としてとてもいい場所にいるので、充実していて幸せだよ。

-前作リリース後のインタビューで、今は長期的な目標は持たずに、1

年毎にこうしていこうっていうスタンスでやっているというようなこ

とを語ってくれましたが、それは今も変わらないですか?

そうだね、変わってないと思う。僕は今までずっと、若い頃からそう

思って来たと思う。音楽を始めるずっと前からね。両親に“将来は何を

するんだ?”って聞かれた時も“分からないよ、その時考える”みたい

な答え方をしていた。それが自分のあり方なんだ。流れに沿っていく

みたいな生き方が好きなんだ。何が起きるか分からないから長期的

な目標は持ちたくないな。

-同郷で同世代でもある LINKIN PARK が一足早く新作をリリース

しましたが、もう聴かれましたか?

不思議かもしれないけど、同じようなジャンルの音楽はあまり聴かな

いんだ。LINKIN PARK は僕たちの仲の良い友達だし、似たような

ジャンルだけど、あまり聴かないんだ。僕が同じようなジャンルで聴い

ているのは FOO FIGHTERS くらいかな。FOO FIGHTERS はよく

聴いているよ。

-それでは今お気に入りのアルバムやアーティストなどお薦めがあ

れば教えてください。

このインタビューを始める前に THE DEAD WEATHER のアルバ

ムをダウンロードしたばかりなので、それをじっくり聴き込むつもり

だよ。あとは Fiona Apple が大好きで、大ファンなんだけど、彼女の

ニュー・アルバム『The Idler Wheel Is Wiser Than The

Driver Of The Screw And Whipping Cords Will Serve

You More Than Ropes Will Ever Do』をいつも聴いているよ。

-最近のライヴではもう新曲を披露しているのでしょうか?

SUMMER SONIC でも新曲は聴けますか?

今現在ツアーをしているんだけど、既にライヴで新しい曲を演奏して

いるよ。もう 7、8 曲くらいプレイしているかな。オーディエンスの反

応もとてもいい。サマソニではもちろん新曲をたくさんプレイするつ

もりだよ!

-昨年は出演予定だった PUNKSPRING が、残念ながら震災の影

響で開催中止となってしまいましたが、今回の来日公演への意気込み

などあればどうぞ!

ものすごく楽しみにしているんだ。昨年行けなかったから、この1 年

で僕たちはもっと日本に行きたいという気持ちになっているし、ファ

ンはもっと来日してほしいって思ってくれるみたいなんだ。本当に長

過ぎたよ。早く日本に行きたいし、日本でこのフェスに参加することは

自分たちにとって 1 年のハイライトになると思う。

-これまでにもフェスやジャパン・ツアーで何度も来日経験のなる

HOOBASTANK ですが、日本での思い出や裏話など何か特別なエ

ピソードがあれば教えてください。

まず、僕は日本の人たちが大好きなんだ。バンドのみんなはこんなこ

と言ったらダサいと思うかもしれないけど、僕は日本のファンと特別

な関係があると思っている。僕も彼らの1 人なんだ。僕は日本のファ

ンを“マイ・ピープル”って呼んでいるんだけど、バンドはそれを笑う

んだ。母が日本で生まれ育ったし、僕も少しの間日本に住んでいたか

ら、日本のファンと相通じるものがある。彼らが分かっているかどうか

は別として、僕は彼らの“家族”のような気持ちなんだ。だからファン

と親しさを感じるし、理解できると思っている。バンドのみんなよりも

遥かに理解できていると思っているんだ(笑)。うまく説明できないか

もしれないけど、つまり僕はアメリカで生まれて育ったけど、ハーフで

あることにすごく誇りを持っているんだ。

-最後に日本のファンへメッセージをお願いします。

さっきも話したけど、昨年の PUNKSPRING がキャンセルになった

時、本当にがっかりして、悲しくてたまらなかった。もちろん状況も把

握していたし、本当に大変なことだったから充分理解していたんだけ

ど、楽しみにしていたことだけに本当に辛かった。地震や津波のこと

も心配だったし、みんなのことも心配だったけど、みんなに会いた

かった。だから今年行けることを心待ちしていたから、これが今年の

ハイライトになる。日本のファンや日本の方々にどれだけ感謝してい

るか言葉で言い表せないけど、一生恩は忘れないよ。

94 年、LA アグーラ・ヒルズにおいて Doug Robb(Vo) と Dan Estrin(Gt) がバンドバトルを通じて出会い、その後 Markku

Lappalainen(Ba) と Chris Hesse(Dr) が加入し HOOBASTANK を結成。01 年『HOOBASTANK』にてメジャー・デビュー。

そのサウンドはグランジ以降のラウドロックであり、リスナー層も若手中心だったが、シンプルで普遍的なメロディを前面に押し出したサ

ウンドは、ラウドロックというより、FOO FIGHTERS の系脈に存在していた。03 年、そんな普遍的なメロディをより洗練させたアル

バム『The Reason』をリリース。スケールの大きいアメリカン・ロック・バラードの同名シングルは、US ビルボード・シングル・チャー

ト 2 位を獲得。アルバムはグラミー賞にノミネートされ大成功を収めた。06 年、ベーシストが Markku から Josh Moreau へとチェ

ンジし、3rd アルバム『Every Man For Himself』をリリース。同年の SUMMER SONIC では、日本人である Doug の祖母をス

テージ上で紹介し、自身のルーツである日本が特別な場所であることをアピールした。09 年、ベーシストに Jesse Charland が加入し、

4th アルバム『For(N)ever』をリリース。10 年には初のアコースティック・アルバム『Is This The Day?』をリリースし、日本でアコー

スティック・ツアーが行われている。11年のPUNK SPRINGに出演予定であったが震災により急遽中止、彼らの来日も見送られることに。

12 年 8 月、最新アルバム『Fight Or Flight』を引っさげての、昨年のリベンジともいえる SUMMER SONIC への出演が決定!!

前作から 3 年ぶり、満を持して発表された HOOBASTANK の新作は、成功を経験し、苦境も味わい、一回りして導き出した彼らなりの“答え”とも言える作品となったのではないか。優しさと激しさを兼ね合わせたサウンドは本来の HOOBASTANK らしさでもあるが、本作ではよりその魅力が、ごく自然と形となってアルバムにパッケージされている。歪んだギター・サウンドに激しい感情を乗せた

「This Is Gonna Hurt」もあれば、美しいコーラスが響く「Magnolia」(Doug の愛娘の名前がタイトルとなっている)、軽快でポップな「Incomplete」もある。彼らの持ち味であるキャッチーな旋律、転がるように聴く者を深みに導いてゆくリズム、絡みつくように訴えかける言葉の 1 つ 1 つ、全ての要素が楽曲毎に色を変えつつも、彼らのパーソナリティを見失うことなく調和している。あるがままの自分達、シンプルに音楽を通して表現することの楽しさ、愛する人たちに囲まれた日常的な幸せ、そういうものが詰まった人間味溢れるアルバムとなっている。山本 真由

HOOBASTANK Fight Or Flight2012.8.15 ON SALE!!

LABEL : UNIVERSAL INTERNATIONALGENRE : LOUDROCK, ALTERNATIVE ROCKFOR FANS OF : INCUBUS, LOSTPROPHETS,ONE OK ROCK