HIV4 HIV感染症の経過、指標とその検査 HIV感染症の経過、指標とその検査 感染初期(急性期):初感染したHIVは、急激に増殖する。患者
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HIV 感染症の臨床経過
HIV 感染症患者の看護
HIV 感染症は抗 HIV 薬による多剤併用療法により治療可能な慢性疾患と位置づけられるようになった。また、抗 HIV 薬による治療開始時期は年々早まる傾向にあり、感染判明と同時に治療検討される場合も多い。HIV 感染症は早期発見ができれば、AIDS を発症することなく、外来通院で対応でき HIV 感染判明以前とさほど変わらない日常生活を送ることが可能である。 感染告知を受けた患者・家族・支援者が抱く HIV のイメージは死の病である。また、HIV 感染症に対する偏見や差別は社会にもいまだに強い現状があり、感染による身体機能や心理状態のみならず、社会生活にもその影響が及ぶことがある。看護師は、疾患や治療に関する正確な情報を提供し、患者や家族、支援者が十分な理解のもとに病と共に生活が送れるよう支援が求められる。 HIV 感染症は 8 割以上が性行為による感染であり、日本の HIV 感染者数は毎年増加している。感染拡大を防ぐ目的で予防啓発と早期発見に取り組むことが必要である。患者が健康管理に必要なセルフケア行動を実践し継続できるよう、患者の個別性に沿った支援が看護師に求められる。また、HIV 感染症患者の治療と QOL を尊重した日常生活に関して、医療チームが協働していくための調整を行うことも看護師の役割である。 看護師は以上のような背景を鑑み HIV 感染症の看護を実践していく。
⑴ HIV 感染症患者の看護
HIV 感染症患者の看護は、患者が日常生活と治療を両立できるよう、セルフケア支援を実施することが重要である。また、患者が QOL を維持しながら自己のライフスタイルを構築していけるよう、治療方法や日常生活に関することを患者が選択し自己決定できる支援を行うことが重要である。さらに看護師は、患者の身体的・心理的・社会的背景を総合的に把握する必要がある。HIV 感染症患者の看護のポイントを下記に示す。
①感染告知に伴うショックや動揺などの危機状態への支援②服薬管理、合併症予防への支援③セルフケアマネジメントを行い、QOL を維持した長期的な日常生活への支援④セクシュアルヘルスへの支援⑤在宅療養支援
HIV 感染症患者の看護 ~看護師の役割~
看護師の役割
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