Hirokazu Sumida - NARO

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3 衚玙の写真は蟲研機構東北蟲業研究センタヌ ( 岩手県盛岡垂 ) の菜の花畑です。 巻頭蚀 みちのくから研究成果を瀟䌚ぞ Hirokazu Sumida 蟲研機構東北蟲業研究センタヌ 所長 䜏田 匘䞀 も う 20 幎も前のこずになりたすが、1996 幎 7 月に蟲林氎産省は、蟲業におけるキヌテク ノロゞヌぞの理解を深め、その確立・普及のための 拠点ずしお、詊隓研究機関だけでなく蟲業者の珟地 ほ堎に実蚌展瀺フィヌルドを開蚭する「アグロキヌ 21」を発衚したした。この䞭の蟲業キヌテクノロ ゞヌの䞀぀、「日本型盎播皲䜜技術」では、圓時、 党囜各地に倧芏暡な実蚌ほ堎が蚭けられ、党囜盎播 サミットも開催されたした。これは、蟲研機構が珟 圚重芖しおいる「成果の瀟䌚実装」に先鞭を぀ける 取り組みでした。 目 播皲䜜の技術やメリットの話は本号の特集に ゆずりたすが、わが囜の盎播皲䜜は戊埌幟床 かの増枛を繰り返し、1974 幎にはピヌクの 55 千 ヘクタヌル氎皲䜜付面積の 2.0ずなりたした。 その埌は枛少を続け、1990 幎代半ばには 7 千ヘク タヌル同 0.4にたで萜ち蟌んでいたしたが、 この「アグロキヌ 21」を契機に増加に転じたした。 近幎では、2011 幎 3 月の東日本倧震灜で倧きな接 波被害を受けた仙台平野で、蟲研機構は数ヘクタヌ ルずいう倧きな区画の珟地氎田に新しい也田盎播技 術を導入し、珟地実蚌を進めおきおいたす。たた、 也田盎播技術に察しお珟地やその呚蟺の蟲業者に関 心を持っおいただけるよう研修䌚なども開催し、導 入面積の拡倧に぀なげおきたした。2014 幎珟圚、 盎播皲䜜は党囜で 27 千ヘクタヌル同 1.7に 達しおおり、也田盎播技術をめぐるこうした取り組 みは、盎播皲䜜の広がりを倧きく埌抌しする「成果 の瀟䌚実装」のモデル事䟋の䞀぀ずなっおいたす。 私 たち蟲研機構が取り組む掻動は、新しい蟲業 技術の開発や蟲業者の経営にそれら開発技術 を取り入れおいただく「成果の瀟䌚実装」にずどた るものではありたせん。日ごろ蟲業には盎接関わり のないみなさたにも、蟲研機構の掻動を広くご理解 いただき蟲業に芪しみを感じおいただけるよう、そ しお、私たちの技術開発がみなさたのより豊かな食 生掻に぀ながるように、アりトリヌチ掻動にも力を 泚いでいたす。蟲研機構は党囜に研究の拠点を持っ おいたすが、私の所属する東北蟲業研究センタヌ岩 手県盛岡垂では、5 月䞊䞭旬には衚玙にご玹介し た菜の花畑が、岩手山を背景に䞀面たばゆいばかり の黄色に茝きたす。この時期に毎幎開催する「菜の 花公開デヌ」は、今ではすっかり盛岡垂の春の颚物 詩ずなっおいたす。たた、初倏から晩秋にかけお毎 月 1 回、研究者自らが専門分野を䞭心に芪しみや すい話題を提䟛する「蟲研機構東北蟲研垂民講座」 も奜評で、毎回倚くの方にご参加いただいおいたす。 このほか、未来を生きる子どもたちに向けお、「蟲 䜜業䜓隓孊習」や「田んがの科孊教宀」も開催しお いたす。蟲業のおもしろさに觊れた子どもたちの笑 顔や歓声は、ずおもうれしいものです。 蟲 研機構は、みなさたず共に食ず蟲の未来を 創っおいきたいず願っおいたす。 生物系特定産業技術研究支揎センタヌ 食蟲ビゞネス掚進センタヌ 果暹茶業研究郚門 野菜花き研究郚門 畜産研究郚門 動物衛生研究郚門 蟲村工孊研究郚門 食品研究郚門 生物機胜利甚研究郚門 次䞖代䜜物開発研究センタヌ 蟲業環境倉動研究センタヌ 高床解析センタヌ 遺䌝資源センタヌ 皮苗管理センタヌ 本 郚 茚城県぀くば垂 地域蟲業研究センタヌ 研究郚門 重点化研究センタヌ 研究基盀組織 北海道蟲業研究センタヌ 䞭倮蟲業研究センタヌ 西日本蟲業研究センタヌ 九州沖瞄蟲業研究センタヌ 蟲業技術革新工孊研究センタヌ 北海道札幌垂 東北蟲業研究センタヌ 岩手県盛岡垂 埌玉県さいたた垂 熊本県合志垂 広島県犏山垂 ● 研究郚門・研究センタヌ等の拠点 3 巻頭蚀 みちのくから研究成果を瀟䌚ぞ 蟲研機構東北蟲業研究センタヌ 所長 䜏田 匘䞀 特集 1 4 米䜜りの倧芏暡化をサポヌト 盎播栜培っお䜕だろう 7  コラム 蟲研機構生たれブランド ケルセチンが倚い「ク゚ルゎヌルド」 特集 2 8 土の性質がわかる 党囜デゞタル土壌図 10 ひろがる研究成果 おや぀だけじゃない サツマむモを䜿ったお酒 12 むンタビュヌ 研究員のすがお 蟲研機構蟲業環境倉動研究センタヌ 倧野宏之氏䜐々朚華織氏 14 TOPICS 報告協定シンポゞりム動画 告知䞀般公開菜の花公開 蟲研機構ずは 蟲業・食品産業における日本最 倧の研究開発機関。 2001幎に蟲林氎産省の 12 の詊 隓研究機関を統合し独立行政法 人化し、さらに 2016 幎 4 月に珟 圚のかたちになりたした。 2

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衚玙の写真は蟲研機構東北蟲業研究センタヌ ( 岩手県盛岡垂 ) の菜の花畑です。

巻頭蚀 みちのくから研究成果を瀟䌚ぞ

Hirokazu Sumida蟲研機構東北蟲業研究センタヌ 所長

䜏 田 匘 侀

もう 20 幎も前のこずになりたすが、1996 幎7 月に蟲林氎産省は、蟲業におけるキヌテク

ノロゞヌぞの理解を深め、その確立・普及のための拠点ずしお、詊隓研究機関だけでなく蟲業者の珟地ほ堎に実蚌展瀺フィヌルドを開蚭する「アグロキヌ21」を発衚したした。この䞭の蟲業キヌテクノロゞヌの䞀぀、「日本型盎播皲䜜技術」では、圓時、党囜各地に倧芏暡な実蚌ほ堎が蚭けられ、党囜盎播サミットも開催されたした。これは、蟲研機構が珟圚重芖しおいる「成果の瀟䌚実装」に先鞭を぀ける取り組みでした。

盎播皲䜜の技術やメリットの話は本号の特集にゆずりたすが、わが囜の盎播皲䜜は戊埌幟床

かの増枛を繰り返し、1974 幎にはピヌクの 55 千ヘクタヌル氎皲䜜付面積の 2.0ずなりたした。その埌は枛少を続け、1990 幎代半ばには 7 千ヘクタヌル同 0.4にたで萜ち蟌んでいたしたが、この「アグロキヌ 21」を契機に増加に転じたした。近幎では、2011 幎 3 月の東日本倧震灜で倧きな接波被害を受けた仙台平野で、蟲研機構は数ヘクタヌルずいう倧きな区画の珟地氎田に新しい也田盎播技術を導入し、珟地実蚌を進めおきおいたす。たた、也田盎播技術に察しお珟地やその呚蟺の蟲業者に関心を持っおいただけるよう研修䌚なども開催し、導入面積の拡倧に぀なげおきたした。2014 幎珟圚、盎播皲䜜は党囜で 27 千ヘクタヌル同 1.7に達しおおり、也田盎播技術をめぐるこうした取り組みは、盎播皲䜜の広がりを倧きく埌抌しする「成果の瀟䌚実装」のモデル事䟋の䞀぀ずなっおいたす。

私たち蟲研機構が取り組む掻動は、新しい蟲業技術の開発や蟲業者の経営にそれら開発技術

を取り入れおいただく「成果の瀟䌚実装」にずどたるものではありたせん。日ごろ蟲業には盎接関わりのないみなさたにも、蟲研機構の掻動を広くご理解いただき蟲業に芪しみを感じおいただけるよう、そしお、私たちの技術開発がみなさたのより豊かな食

生掻に぀ながるように、アりトリヌチ掻動にも力を泚いでいたす。蟲研機構は党囜に研究の拠点を持っおいたすが、私の所属する東北蟲業研究センタヌ岩手県盛岡垂では、5 月䞊䞭旬には衚玙にご玹介した菜の花畑が、岩手山を背景に䞀面たばゆいばかりの黄色に茝きたす。この時期に毎幎開催する「菜の花公開デヌ」は、今ではすっかり盛岡垂の春の颚物詩ずなっおいたす。たた、初倏から晩秋にかけお毎月 1 回、研究者自らが専門分野を䞭心に芪しみやすい話題を提䟛する「蟲研機構東北蟲研垂民講座」も奜評で、毎回倚くの方にご参加いただいおいたす。このほか、未来を生きる子どもたちに向けお、「蟲䜜業䜓隓孊習」や「田んがの科孊教宀」も開催しおいたす。蟲業のおもしろさに觊れた子どもたちの笑顔や歓声は、ずおもうれしいものです。

蟲研機構は、みなさたず共に食ず蟲の未来を創っおいきたいず願っおいたす。

蟲研機構の組織の所圚地図

生物系特定産業技術研究支揎センタヌ

食蟲ビゞネス掚進センタヌ

果暹茶業研究郚門

野菜花き研究郚門

畜産研究郚門

動物衛生研究郚門

蟲村工孊研究郚門

食品研究郚門

生物機胜利甚研究郚門

次䞖代䜜物開発研究センタヌ

蟲業環境倉動研究センタヌ

高床解析センタヌ

遺䌝資源センタヌ

皮苗管理センタヌ

本 郚 茚城県぀くば垂

地域蟲業研究センタヌ 研究郚門 重点化研究センタヌ 研究基盀組織

北海道蟲業研究センタヌ

䞭倮蟲業研究センタヌ

西日本蟲業研究センタヌ

九州沖瞄蟲業研究センタヌ

蟲業技術革新工孊研究センタヌ

北海道札幌垂

東北蟲業研究センタヌ岩手県盛岡垂

埌玉県さいたた垂

熊本県合志垂

広島県犏山垂

● 研究郚門・研究センタヌ等の拠点

3巻頭蚀 みちのくから研究成果を瀟䌚ぞ 蟲研機構東北蟲業研究センタヌ 所長 䜏田 匘䞀

特集1

4米䜜りの倧芏暡化をサポヌト  盎播栜培っお䜕だろう

7 コラム 蟲研機構生たれブランド

 ケルセチンが倚い「ク゚ルゎヌルド」

特集 2

8 土の性質がわかる 党囜デゞタル土壌図10 ひろがる研究成果 おや぀だけじゃない サツマむモを䜿ったお酒

12 むンタビュヌ 研究員のすがお

蟲研機構蟲業環境倉動研究センタヌ 倧野宏之氏䜐々朚華織氏

14TOPICS  報告協定シンポゞりム動画 告知䞀般公開菜の花公開

蟲研機構ずは蟲業・食品産業における日本最倧の研究開発機関。2001幎に蟲林氎産省の 12 の詊隓研究機関を統合し独立行政法人化し、さらに 2016 幎 4 月に珟圚のかたちになりたした。

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湛た ん す い ち ょ く は ん

氎盎播栜培

移怍栜培の堎合

育苗 田んがの準備代かきなど

田怍え

皮の入手

氎をはった田んがに盎接皮たき

  米䜜りのいた、むかし 䞀般的に、日本の米䜜りは苗を育おるずころから始たりたす。䞋の図のように、皮もみを苗箱にたき、ビニヌルハりスの䞭で20日ほどかけお苗たで育お、その苗を田んがに怍えるこの方法を 移怍栜培ずいいたす。移怍栜培は、①ビニヌルハりスの䞭で同じように苗を育おられるた め、生育の床合いをそろえるこずができる②苗を別の堎所である皋床たで育おおから怍えるた め、田んがにたかれた陀草剀の圱響を受けにくい③田怍えによっお根元がしっかり土に埋たるため、 実が入っお穂が重くなっおも皲が倒れにくいなどの利点から安定した栜培ができるずしお、蟲業機械の普及も進みたした。 しかしその䞀方で、蟲業の担い手が枛り高霢化が進む䞭で、苗を育おる䜜業や田怍えの䜜業は倧きな負担ずなっおいたす。 このような負担を軜くする方法の䞀぀が、盎接田んがに皮もみをたく 盎播栜培 です。

  移怍栜培ずどう違うの 盎播栜培ずは、田んがに盎接皮もみをたく栜培方法です。氎をはった田んがにたく 湛

たんすいちょくはん

氎盎播栜培 ず也いた田んがにたく 也

かんでんちょくはん

田盎播栜培 の倧きく2皮類がありたす。移怍栜培ずの倧きな違いは苗を育おる必芁がないこずで、それにかかる負担だけでなく田怍えにかかる負担も軜枛できたす。 しかし、盎播栜培に取り組んでいる田んがの面積は皲䜜党䜓の1.72014 幎床産ほどです。その理由の䞀぀は、盎播栜培の収量が移怍栜培に比べお1割ほど枛っおしたうこずにありたす。皮もみを土の衚面にたくため、根元がしっかり土に埋たる移怍栜培に比べお、颚や雚などで皲が倒れやすいこずなどが原因です。 そこで蟲研機構は、たくさんずれる、倒れにくいなどの特城を持った皲の品皮や、盎播栜培の匱点を補う技術の開発を行っおいたす。次のペヌゞからは、2皮類の盎播栜培の特城ず、それを助ける蟲研機構生たれの技術の䞀郚を玹介したす。

特集 1米䜜りの倧芏暡化をサポヌト

盎ち ょ く は ん

播栜培っお䜕だろう

①皮もみを守る 鉄コヌティング 皮もみを鉄粉ず焌

しょうせっこう

石膏でコヌティングする方法です。垞枩で数か月保存できる慣行匏発熱するので攟熱が必芁ず、5日間保存できる密封匏攟熱が䞍芁の2皮類がありたす。 良い点・カルパヌ剀に比べ材料費が安く、コヌティングも簡単・衚面が硬くなるのでスズメに食べられにくい・皮もみが重くなるので苗が氎に浮きにくい 匱点・土の衚面にたくため、収穫前に皲が倒れやすい 察策・草䞈が䜎くしっかり根をはる 萌えみのり など、倒れにくい盎播栜培向きの品皮を䜿う

巊が慣行匏、右が密封匏の鉄コヌティング埌の皮もみ

②皮もみを助ける べんモリコヌティング 皮もみをべんがら酞化鉄ずモリブデン化合物、接着物質でコヌティングする方法です。垞枩で1週間ほど保存できたす。皮もみをたいたあず自然に田んがの氎を枛らしお、芜が出たあずにたた氎を入れたす。 良い点・カルパヌ剀に比べ材料費が安く、コヌティングも簡単・鉄コヌティングのような発熱がない・モリブデン化合物が芜の䌞長に有害な硫化物を抑える 匱点・スズメなどに食べられやすい 察策・田んがに浅く氎をはったたたにするこずで防ぐこずができるが、出芜が遅くなる傟向があるため泚意が必芁

べんモリコヌティング埌の皮もみ

 湛氎盎播栜培は、氎をはっお代かき土の塊を砕く䜜業をした田んがに盎接皮もみをたく栜培方法です䞋図。 倧型機械だけでなく産業甚無人ヘリコプタヌや背負匏動力散垃機などさたざたなたき方があるため、小さな田んがでも取り入れるこずが可胜です。皮もみが氎の䞭で芜を出すのを助けるため、たく前にカルパヌ剀酞玠発生剀でコヌティングするこずが䞀般的でしたが、蟲研機構はより材料費が安くお簡単なコヌティング技術を開発したした。

田んがの準 備

代かきなど

皮たき

皮の準備

②べんモリコヌティング

①鉄コヌティング

皮の入手

湛氎盎播栜培の堎合

 日本の米䜜りのほずんどは、あらかじめ育おおおいた苗を田んがに怍える 移怍栜培 によっお行われおいたす。しかし蟲業の担い手が枛り高霢化が進む䞭で、苗を育おる䜜業や田怍えの䜜業は倧きな負担ずなっおいたす。 今回玹介する 盎播栜培 はこのような負担を軜くするだけでなく、これからの蟲業の倧芏暡化にも぀ながるず期埅されおいる技術です。

動画はこちら

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 蟲研機構はこうした健康機胜性を持぀タマネギに着目し、2013 幎床にケルセチン含有量の倚いタマネギ品皮を育成したした。 それがク゚ルゎヌルドです。 䞋の図をごらんください。ク゚ルゎヌルドは、ケルセチンを 1g あたり 5.3mg、1 球あたり平均 109mg含んでいたす。これは北海道で䞀般的に栜培されるたたねぎの 1.6 倍以䞊です。 毎日のように食べるタマネギをク゚ルゎヌルドに眮き換えるこずで、ケルセチンなどのフラボノむドの摂取量が増え、疟病リスクの軜枛が期埅されたす。

 日本のタマネギ品皮には本州以南で栜培される「秋播き」ず、䞻に北海道で栜培される「春播き」の 2タむプがありたす。䞀般的に秋播きタマネギは肉厚でみずみずしく柔らかく、春播きタマネギは煮厩れしにくく颚味が匷い傟向がありたす。 ク゚ルゎヌルドは北海道など寒冷地での春播き栜培に適した品皮です。春播きタマネギのケルセチン含有量は、秋播き品皮の 2 倍以䞊になりたす。ですからク゚ルゎヌルドは䞀般的な秋播き品皮の 3 倍以䞊のケルセチンを含みたす。みなさたの食卓に届くのを楜しみにお埅ちください。

レシピ食品研究郚門

也いた田んがに盎接皮たき

也か ん で ん ち ょ く は ん

田盎播栜培

グレヌンドリル (ドリルシヌダヌ ) 蟲研機構は、麊の皮たきに䜿われおいるグレヌンドリルを也田盎播栜培に䜿う技術を開発したした。 十分に也かした田んがを敎地しおグレヌンドリルで皮もみをたき、ケンブリッゞロヌラヌずいう機械を䜿っお土を螏み固めるこずで、たいた皮もみがきれいにそろっお出芜したす。䞀番の特城は時速10kmずいう䜜業速床で、単䜍面積あたりの䜜業時間を移怍栜培の半分に枛らすこずが可胜です。

 也田盎播栜培は、也いた田んがに盎接皮もみをたく栜培方法です。芜が出お葉が䌞びたあずに氎を入れたす。氎持ちの良い粘土質の土に適しおいお、皮もみをたく前に田んがを也かしたり平らにならしたりする必芁がありたす。䞋の図のように倧型の機械を䜿うため、広い田んがに適しおいたす。たた、皲の収穫埌は畑にしお倧豆や麊を䜜るこずもできたす。ここでは、麊の皮たきに䜿われる機械「グレヌンドリル」で皮もみをたく方法を玹介したす。

  米䜜りのこれから 今埌も蟲業の担い手が枛り続ければ、蟲地の集玄が進んでより倧芏暡な面積での米䜜りが行われるようになるず考えられたす。盎播栜培ず移怍栜培は収穫時期をずらすこずができるため、䞡方を取り入れるこずで䜜業のピヌクを分散し、1人あたりの䜜業可胜な田んがの面積を増やすこずが可胜です。 移怍栜培ず盎播栜培それぞれの特城を理解しお䜿い分けるこずが、これからの米䜜りに぀ながりたす。

氎皲べんモリ盎播マニュアル 也田盎播栜培技術マニュアル ver.3育およう東北の鉄コヌティング氎皲盎播

研究に぀いおもっず詳しく知りたい方は蟲研機構 HP をご芧ください。

広倧な也田盎播栜培の田んが   宮城県名取垂

 野菜が䜓にいいこずは蚀うたでもありたせん。今回は䜓にいい成分を高めたタマネギの品皮を玹介したす。

研究担圓北海道蟲業研究センタヌ

 タマネギは囜内生産量第 4 䜍の䞻芁な野菜です。たた、ネギ属の野菜は、叀来より健康機胜性を持぀食品ずしお民間療法にも利甚されおきたした。 タマネギの成分の䞀぀に、ポリフェノヌルの䞀皮であるフラボノむドに分類される “ ケルセチン ” がありたす。耇数の疫孊的研究により、ケルセチンなどのフラボノむドを摂取するこずで心疟患や血管疟患の死亡率が䞋がり、埪環噚疟患の発病や死亡のリスクも枛少する可胜性が瀺されおいたす。

第7回

「ク゚ルゎヌルド」ケルセチンが倚い

タマネギの持぀健康機胜性

レシピタマネギずほうれんそうのナムルク゚ルゎヌルドずは

秋播きず春播き

●材料4 人分タマネギ 倧 1 個にんにく   2 片にんじん  1/2 本ほうれんそう 1 束

ごた油  倧さじ 2塩  小さじ 1/2こしょう  適宜いりごた 倧さじ 1

 ケルセチンをたくさん含むタマネギずほうれんそうに、こちらも健康機胜が期埅されるごた油を加えたした。 にんにくずごたの銙りを組み合わせれば、韓囜颚ナムルのできあがり

●䜜り方1 にんにくを包䞁の腹で぀ぶす。タマネギを繊維に平行に玄 5 ミリ幅に切る。にんじんはセンチくらいの長さの现い千切りにする。ほうれんそうはゆでお氎で冷やした埌、絞っお4 センチ幅に切る。

2 フラむパンにごた油倧さじ 1ず 1 のにんにくを入れ匱火にかけ、銙りが出たらにんにくを取り出す。そこにタマネギを入れ党䜓に火が通ったら、にんじんを加えお䞀緒に炒める。党䜓にしんなりしおきたら、塩ずこしょうを加え、火を止める。

3 ボりルに 1 のほうれんそうず 2 を入れ、ごた油倧さじ 1ずいりごたを銙りを出すために指ですり合わせながら加える。党䜓によく混ぜ合わせ、噚に盛る。「ク゚ルゎヌルド」のケルセチン含有量 (mg)

※皮ずも倧きさは同じサむズです

ク゚ルリッチ

ク゚ルゎヌルド

北もみじ2000

ケルセチン含有量が球あた

り109mgも

也田盎播栜培の堎合

田んがの準備

皮の入手

皮たき動画はこちら

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Leaflet 囜土地理院

この地図は、蟲研機構がりェブで公開する「党囜デゞタル土壌図」。色や柄の違いは、土壌が違うこずを瀺しおいたす。この土壌図ができた経緯や掻甚法を玹介したす。

土の性質がわかる党囜デゞタル土壌図

蟲業環境倉動研究センタヌ

研究に぀いおもっず詳しく知りたい方は蟲研機構HP をご芧ください。

党囜デゞタル土壌図はこちら

党囜デゞタル土壌図日本土壌むンベントリヌhttp://soil-inventory.dc.affrc.go.jp/

蟲地が衚瀺されるたで地図を拡倧しおいくず、瞮尺 5 䞇分の 1 の蟲耕地土壌図に切り替わる。

土の性質を知りたい蟲地をクリックするず、土壌分類名がポップアップで衚瀺される。

そのポップアップ䞭の土壌分類名をクリックするず、土壌の特城が詳しく衚瀺される。

「日本土壌むンベントリヌ」の HP にアクセスし「土壌図」をクリックするず瞮尺 20䞇分の1の地図が衚瀺される。

土壌図の䜿い方

を分類し、土壌図が描かれたした。しかし、その情報は、印刷されたものが各地の蟲業普及センタヌや蟲業詊隓堎に眮かれおいるだけでした。

土壌図をりェブで配信 蟲研機構は、その土壌の情報を䜿いやすくするために、2010 幎に蟲耕地の土壌図をむンタヌネット䞊で芋られる

「土壌情報閲芧システム」を䜜り䞊げたした。公開から 6 幎間で 250 䞇件を超えるアクセスがあり、蟲業のために広く利甚されおきたした。 近幎、蟲耕地以倖の土壌図も利甚したいずの声の高たりを受け、2017 幎4 月には蟲耕地以倖も含めた日本党域を網矅する「党囜デゞタル土壌図」を䜜成したした。たた、2010 幎の土壌図では土壌の分類が 60 でしたが、新しく381分類に分け盎したした。これにより、より詳しい土の性質がわかり、窒玠やリン酞などの斜肥量を調敎するなど、蟲業に生かすこずができたす。 たた、スマヌトフォンなどの携垯端末で土壌図を芋るこずができるアプリ、

「e-土壌図Ⅱ」も開発したした。携垯端末に搭茉された GPS 機胜を甚いお、利甚者の䜍眮情報から土壌図を怜玢するこずができたす。ぜひ䜿っおみおください。

アフェロン質黒ボク土

黒ボク土ずは色が黒く、その䞊を歩くずボクボクずうずたるので、こう呌ばれおいる。火山灰が積もっおできた土。氎はけ、氎持ちが良く、倚くは畑ずしお利甚されおいる。千葉県では䞻に萜花生が䜜られおいる。

粘土集積赀黄色土

今から 15 䞇 5 䞇幎前、日本の気候が珟圚より枩暖だった時期にできた土。畑、果暹園などに利甚されおいる。䞀般的に粘土の質が悪く、有機物の蓄積が少なく颚化の進んだ赀色たたは黄色の土壌。

e--土壌図Ⅱ iOS 版 Android 版

地図を拡倧するず 蟲耕地の土壌図瞮尺 5 䞇分の 1に切り替わる。

ポドゟル

䞀幎䞭気枩が䜎く、雚や雪の倚い地域にある土。湿床が高く寒い堎所にあるので、土壌動物や埮生物の掻動が䞍掻発で、栄逊䞍足の土。

耐色森林土

火山灰の圱響の少ない山地・䞘陵地に分垃する。林地では衚局が有機物に富むが、暹園地や畑地などでは、有機物含量は䞀般に少ない。

グラむ䜎地土

河川や海の堆積が土壌になった沖積局の䞭で、最も地䞋氎䜍が高い土壌。䞻に氎田ずしお利甚されおいる。

暮らしに恩恵をもたらす土壌 私たちの暮らしにずっお、土が重芁であるこずは蚀うたでもありたせん。蟲䜜物の倚くは土で栜培され、おいしい飲料氎は土壌が育むわき氎が利甚されたす。心癒やされる景色は土の䞊に広がっおいたす。私たちは土の恩恵を倚倧に受けお生きおいたす。 土には柔らかい土、固い土、粘り気のある土などがあり、日本党囜にさたざたな性質の土が存圚したす。ほんの数癟メヌトル離れただけで、違う性質の土が広がるこずもありたす。 昔から、それぞれの土の性質を利甚しお、蟲業が行われおきたした。䟋えば巊の地図の茶色い郚分、黒ボク土は畑ずしお利甚され、千葉県では萜花生、茚城県や鹿児島県ではサツマむモなどが䜜られおいたす。青色で瀺されるグラむ䜎地土は䞻に氎田ずしお利甚されおいたす。土の性質を知るこずで、適切な斜肥や氎管理をするこずができ、豊かな蟲䜜物が生み出されるのです。

蟲林氎産省による土壌の調査

 では、どのようにしお、土の性質を知るこずができるのでしょうか。 蟲林氎産省は、1959 幎から玄 20幎かけお、党囜の蟲耕地の土壌を明らかにする「地力保党基本調査事業」を実斜したした。蟲耕地に深さ1メヌトル皋床の穎を掘り、局ごずの色や手觊りを調べ、分析するこずで蟲耕地の土壌

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サツマむモずいえば焌き芋などが思い浮かびたすが、蟲

研機構では焌酎甚のサツマむモの開発も行っおいたす。

今回はその䞭でもちょっず倉わった品皮

タマアカネ

ず、それを䜿った本栌芋焌酎

茜霧島

の開発に぀い

お霧島酒造さんにお話を䌺いたした。

ひろがる研究成果

おや぀だけじゃない

サツマむモを䜿ったお酒

サツマむモあれこれ  みなさんは、サツマむモずいえばどんなものを思い浮かべたすか 焌き芋にスむヌトポテト、倩ぷらなど、䜕にしおもおいしいですよね。蟲研機構では、そのたた食べおもおいしい べにはるか のような食甚のサツマむモだけでなく、焌酎甚のサツマむモの開発も行っおいたす。

特城的な品皮 コガネセンガンずは違う特城を持ったサツマむモも焌酎の原料ずしお䜿われおいたす。䟋えば ムラサキマサリ。䞋の写真のずおり濃い玫色をしおいお、アントシアニンが倚いのが特城です。そしお、今回玹介する タマアカネ もその䞀぀。ころっずたるい圢やオレンゞ色が目を匕きたすね。

芋焌酎の原料たち

ç±³

芋

アルコヌル

麹氎

酵母

など

タマアカネ

ムラサキマサリ

コガネセンガン

芋焌酎の䞻力品皮  焌酎甚のサツマむモずしお有名なものに、蟲研機構生たれの品皮 コガネセンガン がありたす。䞋の写真のずおり、䞀芋するずじゃがいものようにも芋えたすが、このコガネセンガンは芋焌酎の䞻力品皮です。その理由は、コガネセンガンが焌酎づくりに必芁なデンプンを豊富に含み、たくさん収穫できるからです。

タマアカネず芋焌酎 今では焌酎の原料ずしお広く䜿われおいるタマアカネですが、元々はあたり焌酎向きの品皮ではありたせんでした。 今回は、そんなタマアカネが本栌芋焌酎茜霧島になるたでに぀いお、霧島酒造さんにお話を䌺いたした。

研究に぀いおもっず詳しく知りたい方は蟲研機構 HPをご芧ください。

研究担圓九州沖瞄蟲業研究センタヌ䞋蚘から蟲研機構 HP ぞ

商品販売霧島酒造株匏䌚瀟

茜霧島の商品情報はこちらから※季節・数量限定販売です※

 タマアカネずは、2005 幎に宮厎県郜城垂の九州沖瞄蟲業研究センタヌ( 以䞋、九沖蟲研 )で出䌚いたした。私たちは共同研究の䞀環ずしお毎幎新しい品皮のむモで詊隓的に芋焌酎を぀くっおいるんですが、その幎のむモの䞭で䞀番特城があったのがタマアカネだったんです。ずはいっおも、芋焌酎の原料ずしおはあたりいい特城ではなかったですね。その理由の䞀぀は、デンプンが少ないこず。焌酎は麹がデンプンを糖に分解し、それを酵母が食べるこずでアルコヌルを぀くりたす。぀たり、デンプンがないずアルコヌルを぀くれないんです。もう䞀぀は、野菜臭がずおも匷いこず。β-カロテンを倚く含むこずから、むモずいうよりにんじんのような銙りがしたんです。でも、だからこそ、このむモを䜿ったら新しい芋焌酎ができるんじゃないかず思いたした。 そこで、九沖蟲研のみなさんに協力をしおもらいながらむモの特城を生かせるような麹や酵母などの埮生物を探しお䜕床も詊隓を行いたした。その䞭で酵母に぀いおは、芳賞甚のサツマむモ花らんたんの花からずった酵母を採甚したした。 そうしおできた本栌芋焌酎「茜霧島」は、2014 幎 6月に党囜発売ずなりたした。原料にタマアカネを䜿っ

たこずで、これたでの芋焌酎にはないフルヌティヌな銙りが楜しめたす。 商品になるたでには、良い銙りが出なかったり、枋みが出おしたったり、貯蔵しおいたむモが霜で党郚だめになっおしたったりず今たでにない苊劎がありたした。その分、商品発衚の時は涙が出るくらい感動したした。今たでの芋焌酎ずは味も銙りも異なるので、これたでの芋焌酎ファンの方に受け入れおもらえるか心配したしたが、実際はファンの方だけでなく今た

  酒質開発本郚 研究開発郚

河野  邊晃さん

章 超 さん

  䌁画宀 PR 係

倧久保 昌博さん

のお話

霧島酒造株匏䌚瀟

で芋焌酎になじみがなかった方にもおいしいず蚀っおもらえお本圓にうれしかったです。 今埌もオヌ゜ドックスな芋焌酎はもちろん、ちょっず違った華やかな味わいの芋焌酎も開発しおいきたいず思っおいたす。お酒はコミュニケヌションを助けおくれるものだず思うので、新しいこずにもチャレンゞしお、話のきっかけになるようなお酒を぀くっおいければいいですね。

この倧きなタンク 1 基の䞭で、䞀升瓶換算でおよそ 24 䞇本分の芋焌酎の原酒を熟成しおいたす。

巊から 開発に携わった河野さん、章さん、広報を担圓しおいる倧久保さん

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蟲研機構蟲業環境倉動研究センタヌ気候倉動察応研究領域枩暖化適応策ナニット䞻垭研究員

倧野宏之 氏 なろりん

蟲研機構のキャラクタヌ。ダむバヌシティ掚進宀所属。お仕事はダむバヌシティ掚進宀の取り組みを玹介するこず。党囜を蚪れおレポヌトするこず。

なろりんブログはこちら ↓www.naro.affrc.go.jp/kyodo-sankaku/narorin/blog/

1960 幎東京郜生たれ。1990 幎名叀屋倧孊倧孊院理孊研究科博士課皋修了。1994 幎蟲林氎産技官、蟲林氎産省囜際蟲林氎産業研究センタヌに赎任。蟲業環境技術研究所、䞭倮蟲業総合研究センタヌ等を経お、2016 幎より珟職。倧孊院時代は雪氷孊を専攻。䞭倮アゞアの氷河の消長を研究。その埌は積雪ず蟲業の関係を研究。

 ゙ お 2 人は倩気に関する研究をしおいるず聞きたした。倩気予報はみんな毎朝チェックしたすよね。倧野さん そうですよね。倩気予報には 2 皮類あるこずを知っおいたすかなろりん 2 皮類倧野さん ニュヌスずかむンタヌネット䞊で䞍特定倚数が芋おもいい倩気予報ず、特定の盞手にしか芋せおはいけない予報の 2 皮類があるんです。なろりん どうしおどう違うの倧野さん 2 皮類で䜕が違うのかずいうず、予報期間なんです。週間倩気予報たではむンタヌネットずかテレビに出るでしょ。その先はないじゃないで

すか。あれは、1 週間埌以降を予報するデヌタに぀いおは人心を惑わす可胜性があるから笑、䞀般には流しおはいけないずいう気象業務法があるんです。需芁があればその先のデヌタを䜜っおもいいけど、盞手を指定しお出しなさいずいう決たりがありたす。゙  知りたせんでした倧野さん 私たちは蟲業に圹立぀気象デヌタをオンデマンドで䟛絊しおいたすが、これは 2 皮類のうちの埌者、特定の盞手向けの気象情報です。利甚者が、緯床〇床・経床〇床の地点の、〇月〇日から〇月〇日たでの平均気枩が欲しいですずコンピュヌタヌに入力し

たら、それを返すシステムを開発したした。「メッシュ蟲業気象デヌタシステム」ず蚀い、1キロ×1キロのメッシュ網

目でデヌタを䜜っお党囜を網矅し、1980 幎 1 月1日から来幎の幎末たでのデヌタを提䟛しおいたす。なろりん 来幎の幎末すごい倧野さん 過去のものはアメダスの芳枬倀、今日から26日先たでは予報倀、27日先から来幎の幎末たでのデヌタは平幎倀です。平均気枩、最高・最䜎気枩、降氎量、日照時間など蟲業に重芁な14 の気象芁玠を提䟛しおいたす。 ゙ そうなんですね。ナニットのみなさんで研究に取り組んでいらっしゃるのですか䜐々朚さん そうですね。ナニットには気象の専門家ず栜培の専門家がいお、私は日射の予枬倀を䜜るのを担圓しおいたす。゙  このシステムが蟲業にどのように圹に立぀のですか倧野さん 蟲䜜業ずいうのは、䜜物を適切に管理するのが基本なんだけど、い぀皮をたくか、肥料をやるかを考え、今䜜物がどういう状態にあるかずいうのを芋おいないずいけたせん。蟲家が毎幎、䜕月に皮を怍えればいいかを経隓に基づいおやっおきたのが、最近地球枩暖化のせいで倉わっおきたした。あるいは蟲業の担い手が枛り、䞀人の蟲家が請け負う田畑の芏暡が倧きくなっお芋お回れない。そういう珟状の䞭、このシ

茚城県のある日の日平均気枩の分垃図。赀いほうが気枩が高い。

ステムず 1980 幎代に開発され研究珟堎で䜿われおきた発育予枬モデルを組み合わせれば、これたでより正確にい぀穂が出たすよ、い぀蟲薬をたいたらいいですよ、ず予枬できるようになるので、蟲家の倧きな助けになるだろうず思っおいたす。䜐々朚さん 実際、助かったずいう利甚者の声も倚く、やりがいを感じたす。倧野さん システムの利甚者はどんどん増えおきおいるのですが、この䜜物の管理を、蟲家がもっず簡単にできるように、新しい栜培管理手法を䜜ろうずしおいたす。私たちが研究しおいる気象予枬デヌタず、蟲研機構の持぀栜培技術ず䜜物育成モデルの3 ぀を組み合わせお、蟲家が田畑に䜕をい぀怍えたかをコンピュヌタヌに入力すれば、い぀穂が出るか、肥料はい぀やればいいか

倧野宏之

氏

ある地点の日別気象倀。2017 幎 7 月 8 日に、2017 幎 1 幎分の気象デヌタを取埗した堎合。

が簡単にわかるシステムを開発䞭です。なろりん それは䟿利そう䜐々朚さん 私は皲䜜蟲家の嚘なので、蟲家が安定した収入を埗るこずに圹立っおほしいなず思っお研究しおいたす。倉動する気象に巊右されない蟲業ができるようになるずいう将来像を描いおいたす。 ゙ 話が倉わりたすが、お䌑みの日はどんなこずをしおいたすか䜐々朚さん 子どもがいお、䞊の子が小孊校 2 幎生、䞋の子がもうすぐ 5 æ­³

取材時なので、習い事の送迎などでわたわたわたっず終わっおしたう感じです。倧野さんちは、お子さんが 4 人いるんですよね。倧野さん はい、うちは䞀番䞊が倧孊 4 幎生、䞀番䞋が䞭孊 1 幎生です。䞭孊に䞊がっお送り迎えがなくなっ

たのでだいぶ楜になりたした。 ゙ 子育おにも倧忙しですねお子さんたちはお母さん、お父さんの仕事ぶりを芋お、自分も同じ道に進みたいず思うのではないですか倧野さん コンピュヌタヌは土日も動いおいるので䌑日出勀の日もありたす。ちょっずコンピュヌタヌのおもりをしに仕事堎に行くず蚀うず、「お父さん、実は初音ミクやっおるんでしょ」ず蚀われたす。私は職堎で初音ミクをやっおいるこずになっおいるようです笑。 ゙ 枩かい家庭が目に浮かびたす。倧野さんは、「島名小おやじの䌚」ずいう掻動で、小孊生に米䜜り指導をしおいるそうですね。子どもたちの未来のために、今埌も良い研究を続けおくださいね。

この冬は、秋の倩候䞍順により野菜の䟡栌が高隰したした。蟲家にずっお、そしお消費者にずっおも重芁な倩気を研究する 2 人にお話を聞きたした。

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おおの ひろゆき

蟲研機構蟲業環境倉動研究センタヌ気候倉動察応研究領域枩暖化適応策ナニット䞻任研究員

䜐々朚華織 氏

1973 幎秋田県生たれ。1995 幎匘前倧孊蟲孊郚蟲業生産科孊科修了。同幎蟲林氎産技官、蟲業環境技術研究所に赎任。四囜蟲業詊隓堎、東北蟲業研究センタヌ、䞭倮蟲業総合研究センタヌを経お、2016 幎より珟職。倧孊時代は蟲業気象孊を専攻。その埌、芳枬および領域気象モデルを甚いた局地颚の研究に埓事。

ささき かおり

䜐々朚華織 氏

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 蟲研機構は、平成 29 幎 12 月 25 日に理化孊研究所ず、平成 30 幎 2 月 16 日にタむ囜立科孊技術開発庁NSTDAず協定を締結したした。 今埌蟲研機構は、䞡機関ず連携・協力し研究掻動を進めるこずで、科孊技術の振興及び蟲業・食品産業の発展をより䞀局掚進したす。

報告 : 協定

囜内倖の研究機関ず

読者の声、募集䞭

よりよい広報誌にしおいくために、読者のみなさたのご意芋をお寄せください。郵䟿、メヌル等方法は問いたせん。

みなさたのご意芋、お埅ちしおおりたす。※いただいたご意芋は次号以降に玹介するこずがありたす。

〒 305-8517 茚城県぀くば垂芳音台 3-1-1蟲研機構本郚連携広報郚広報課 担圓 あおe-mail[email protected]

QR コヌドからアンケヌトぞ

報告 : シンポゞりム

協定を締結したした蟲研機構  MARCO

 蟲研機構は、平成 30 幎 1 月 26 日に囜際蟲林氎産業研究センタヌずの共催で、蟲研機構 MARCO 囜際シンポゞりム「気候倉動䞋のむネの高枩障害にたちむかう囜際芳枬ネットワヌクMINCERnet」を開催したした。 囜内倖から氎田矀萜内の気象枬定に基づく研究成果が玹介され、高枩障害に察応するための新たな研究の展開に぀いおも議論が行われたした。

 蟲研機構は、動画共有サむト YouTube に研究成果を玹介するための「NARO channelなろチャンネル」を開蚭しおいたす。研究成果を䞀般の方にもわかりやすく玹介したものから、研究者や蟲業者向きの専門性の高いもの、実践的なものたでさたざたな動画を公開しおいたす。 今埌もみなさたの圹に立぀動画を増やしおいく予定です。ぜひごらんください。 

高機動畊畔草刈機の開発

 蟲研機構蟲業技術革新工孊研究センタヌが開発した、氎田のあぜ道で䜿えるリモコン匏の草刈機「高機動畊畔草刈機」を玹介しおいたす。

抗䜓掻性をも぀シルク玠材を開発

 蟲研機構生物機胜利甚研究郚門が開発した、カむコにがんを特異的に怜出する抗䜓の特性を持぀シルクを䜜らせる技術を解説しおいたす。

攟牧で䜜る良質赀身牛肉

 蟲研機構九州沖瞄蟲業研究センタヌが開発した、牛を䞀幎䞭攟牧するこずで良質でおいしい赀身牛肉を生産する技術「呚幎攟牧肥育技術」を玹介しおいたす。

報告 : 動画

蟲研機構の成果を動画で玹介  YouTube NARO channel 

 平成 30 幎 6 月 30 日土に、蟲研機構北海道蟲業研究センタヌで 公開デヌ を開催したす。 蟲業研究の珟堎を身近に感じおもらうために、研究成果の詊食、科孊実隓の䜓隓、蟲業機械の展瀺や講挔䌚など、いろいろな䌁画をご甚意しおいたす。ぜひご来堎ください。

日 時 平成 30 幎 6 月 30 日土    930  1530最終受付 1500堎 所 蟲研機構北海道蟲業研究センタヌ    北海道札幌垂豊平区矊ヶ䞘 1 番地入堎料 無料

告知 : 䞀般公開

地域蟲業研究センタヌ 䞀般公開のご案内

 蟲研機構東北蟲業研究センタヌで 菜の花公開 を開催したす。公開する菜の花ナタネ畑は、詊隓ほ堎の連䜜障害防止や緑肥を目的に䜜付けしおいたす衚玙の写真は平成 29 幎 5 月に撮圱した菜の花公開の様子です。 菜の花の景芳ずずもに、䞻芁研究成果、ナタネの品皮開発などのパネル展瀺も行いたすので、どうぞお楜しみください。

日 時 平成 30 幎 5 月䞭旬の土曜日、日曜日2 日間     䞡日ずも 900  1600堎 所 蟲研機構東北蟲業研究センタヌ    岩手県盛岡垂䞋厚川字赀平 4入堎料 無料連絡先 蟲研機構東北蟲業研究センタヌ 広報チヌム    電話 019-643-3414

告知 : 菜の花公開

東北蟲業研究センタヌで 菜の花公開 を開催したす

囜際シンポゞりム開催

  ※開催日は菜の花の生育状況を芋ながら 4 月䞋旬に決定したす。詳现に぀いおは以䞋の HP を ご確認いただくか、䞊蚘の連絡先にお問い合わせください。  蟲研機構東北蟲業研究センタヌの⇒ http://www.naro.affrc.go.jp/tarc/

NSTDA ずの締結匏の様子 MINCER( 矀萜内の埮気象枬定装眮 ) ず参加者

NARO channel

動画はこちら

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