応用情報・午後・ストラテジ系を解く(H25秋)
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平成25年度秋期午後の問題と解答
•問題• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2013h25_2/20
13h25a_ap_pm_qs.pdf
•解答(+出題趣旨)• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2013h25_2/20
13h25a_ap_pm_ans.pdf
•講評• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2013h25_2/20
13h25a_ap_pm_cmnt.pdf
目次
•解説編• 設問0. ざっと設問を見る
• 設問1.競争戦略の立案
• 設問2. NPV(正味現在価値)
• 設問2. IRR(内部収益率)
• 設問3. NPV法による投資判断
• 設問4. 資金調達(借入と増資)
• 設問4. 資金調達(B/Sの影響)
•要点カード編• No.001競争の基本戦略 / SWOT分析
• No.002 DCF法
• No.003 貸借対照表(B/S)
• No.004 安全性に関する指標
• No.005損益計算書(P/L)
設問0. ざっと設問をみる
• 設問1:分析方法と競争戦略名を回答する(選択肢なし)
• 設問2:投資評価法について• [ a ] に入れる数式を回答する(選択肢なし)• 初期投資額とキャッシュフローの状態について記述する(40字)
• 設問3:2つの投資案、どちらがいくら有利か(計算)
• 設問4:資金調達について• 借入れによるメリットを選択する• 配当がどこから支払われるか選択する• B/Sの区分を選択する• 増資にした理由を記述する(30字)
X
要点カード No.XXX
要点カード No.XXX
B
A
C
・・・確実に正解したい
・・・できれば正解したい
・・・正解できなくても仕方ない
参照すべき要点カードをココに挙げます
問題の難易度をココに書きます
応用情報技術者試験の午後試験は、時間がタイトです。そこで、事前に設問文に目を通し、以下程度の内容を把握しておくとよいでしょう。
設問1. 競争戦略の立案
(1) 分析方法
• SWOT分析→ 「要点カードNo.001」を参照
(2) 競争戦略
• 規模の経済の追及(増産)→ 固定費の分散→ 原価の低減
• コストリーダーシップ戦略→ 「要点カードNo.001」を参照
主力製品の市場での機会と脅威を見つける外部分析と、主力製品の強みと弱みを見つける内部分析
要点カード No.001
・・・目標達成に向けた競争戦略の仮説と、・・・仮説:主力製品を増産し、原価を低減させることで競合他社よりも販売価格を下げる。・・・
A
A
(1)
(2)
設問2. NPV(正味現在価値)
• “現在価値”を知っていれば簡単→「要点カードNo.002」を参照
• 𝑁𝑃𝑉 = 𝑡=1𝑛 𝐶𝑡
(1+𝑟)𝑡− 𝐼
• n年後の残存価値を考慮した場合
• 𝑁𝑃𝑉 = 𝑡=1𝑛 𝐶𝑡
(1+𝑟)𝑡− 𝐼 +
𝑀
(1+𝑟)𝑛
要点カード No.002
現在 1年後 n年後・・・
C1
I
Cn・・・
現在 1年後 n年後・・・
C1
I
Cn・・・
M
投資から得られるキャッシュインフロー
初期投資のキャッシュアウトフロー
工場や設備を売却することで得られるキャッシュインフロー
B
投資から得られるキャッシュインフローの
現在価値
n年後に発生するキャッシュインフローMの
現在価値
設問2. IRR(内部収益率)
• NPVが0になる割引率(ア)のことを、
IRR(内部収益率)と呼ぶ
• 初期投資額とキャッシュフローの関係
• 𝑁𝑃𝑉 = 𝑡=1𝑛 𝐶𝑡
(1+𝑟)𝑡− 𝐼 = 0
• 𝑡=1𝑛 𝐶𝑡
(1+𝑟)𝑡= 𝐼
• 「投資から得られるキャッシュフローの現在価値の合計が、初期投資と等しくなる。」としか答えようがない
要点カード No.002
A
IRR(内部収益率)
NPV > 0投資すべき
設問3. NPV法による投資判断
• 「表1 投資案の検討結果の比較表」を図示(右図)• 表1に記載されている値の意味に注意!
• 初年度、2年度はキャッシュフローの“現在価値”• 3年度は、実際のキャッシュフロー
• “3年後の50億円の現在価値”•
50
(1+0.05)3=
50
1.16= 43(億円)
• 第1案の正味現在価値(NPV)• 𝑁𝑃𝑉 = 13 + 28 + 43 − 80 = 4(億円)
• 第1案のNPV(4億円)>第2案のNPV(3億円)→ 第1案の方が、1億円有利
要点カード No.002
B
現在 1年後 3年後
??
80
50??13
28
??
2年後
単位:億円
表2の複利表から
設問4. 資金調達(借入と増資)
(1) 金融機関から借入れをする場合のメリット
• 支払利息(営業外費用)が発生する→ 利益が減る→ 利益にかかる税金が減る
• 利益にかかる税金=法人税等(法人税、事業税及び住民税)
(2) 配当の原資
• 税引き後の“当期純利益”から配当する(B/Sでは、利益剰余金などから)
要点カード No.003
支払った利息は損金に算入されるので、②メリットもある。
コラム法人税法では、収益や費用に一定の調整を行い、“益金”と“損金”を算出させる。
「益金-損金=所得」により所得を求め、所得に税率をかけて、法人税を計算する。
支払利息が“損金に算入”されると、所得が小さくなるため、法人税が軽減される。
要点カード No.005
発行した分だけ新たに株主への配当も必要であり、配当は [ b ] から支払われる。
A
A
(1)
(2)
設問4. 資金調達(B/Sの影響)
(3) B/S上の区分• 金融機関からの借入れ(負債)→ ワンイヤールールにより、固定負債• 社債の発行(負債)→ ワンイヤールールにより、固定負債
• 3年間の投資案であるため、キャッシュを回収し、借入金を返済(社債を償還)するまでに1年以上かかると考えられる
• 新株の発行による増資(自己資本)→ 資本金などに加わる
(4) 新株発行による増資が妥当と判断した理由• 問題文中に、次のような資金調達方針がある
• 担保、格付け、手続きなどの細かな話は、みんなダミー
• 借入れ、社債発行→ 負債が増え、自己資本比率がさらに低くなる• 増資→ 自己資本が増え、自己資本比率が高まる
要点カード No.003
要点カード No.004B
A
(3)
(4)
財務分析指標を用いた現状分析から、投資案の資金調達では、自己資本比率を現状維持又は高める方針とすべきと考えた。
競争の基本戦略 / SWOT分析大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1.経営戦略手法 > (3) 事業戦略
要点カードNo.001
広い
コストリーダーシップ
戦略
●競争の基本戦略(競争優位の3つの源泉)
差別化戦略
狭い
集中戦略(コスト集中) (差別化集中)
他者より低いコスト 差別化
競争優位
戦略ターゲットの幅
● SWOT分析・・・環境分析の手法のひとつ。事業戦略の策定など、様々な場面で使える
◆コストリーダーシップ戦略→ 規模の経済の追及→ 低コスト
◆差別化戦略→ 他社にない特異性を創造
◆集中戦略→ 業界の特定のセグメントに集中
機会(O) 脅威(T)
外部環境
強み(S)
弱み(W)
内部環境
強みを活かし機会をつかむ
◆内部環境・強み(Strength)・弱み(Weakness)◆外部環境・機会(Opportunity)・脅威(Threat)
強みを活かし脅威を機会へ変える
弱みを補強し機会をつかむ
弱みを補強し脅威を回避する
・・・競合より優っている・・・競合より劣っている
・・・活用することで、業績が伸びる・・・放置することで、業績が悪化する
DCF法大分類9:企業と法務 > 中分類22:企業活動 > 3.会計・財務 > (7) 経済性計算
要点カードNo.002
●現在価値
◆NPV法(正味現在価値)
利率が2%だとすると、現在の100円は、2年後には…
現在 1年後 2年後
100円
102円
104円
×1.02×1.02
2年後の104円は、現在の100円と同じ価値→ 「2年後の104円」の現在価値は100円→ 104円を割引率2%で現在価値に割り引くと100円
現在 1年後 2年後
100円
104円÷(1.02)
2
● DCF法(ディスカウントキャッシュフロー)
1年後に C1、2年後に C2、3年後に C3 のキャッシュフローが生じる場合、割引率を r とすると、これらのキャッシュフローの現在価値 Ctotalは…
◆IRR法(内部収益率)
現在 1年後 3年後2年後
C1 C2 C3
ここで、投資 I により、1年後に C1、2年後に C2、3年後に C3 のキャッシュが生じる場合を考える。
NPV = Ctotal - I
投資から得られるNPV(キャッシュフローの正味現在価値)は、次のようになる。
「NPV > 0」ならば、投資すべきと判断できる。
「Ctotal - I = 0」つまり「 Ctotal = I 」となる割引率を、IRR(内部収益率)と呼ぶ。「IRR > r」ならば、投資すべきと判断できる。
お金には、時間的価値があるため、将来のキャッシュフローは、現在価値に割り引いて比較する必要がある。
𝐶1(1 + 𝑟)
+𝐶2
(1 + 𝑟)2+
𝐶3(1 + 𝑟)3
𝐶𝑡𝑜𝑡𝑎𝑙 =
貸借対照表(B/S)大分類9:企業と法務 > 中分類22:企業活動 > 3.会計・財務
要点カードNo.003
次のルールにあてはまると「流動」に分類される(1) 正常営業循環基準
仕入、製造、販売のサイクルの過程にある資産・負債
(2) ワンイヤールール(1)に該当しないが、1年以内に履行される債権・債務
現金及び預金売掛金△貸倒引当金
棚卸資産流動資産
固定資産
繰延資産
流動負債
株主資本評価・換算差額等新株予約権
固定負債資産
負債
貸借対照表
有形固定資産建物機械装置土地
買掛金1年内償還社債等
短期借入金
自己資本資本金資本剰余金利益剰余金
社債長期借入金
純資産
貸借対照表の例流動性高い
流動性低い
払込資本
留保利益
貸倒引当金・・・債権回収ができないときの備え(積立)
自己資本=株主資本+評価・換算差額等※自己資本と株主資本は、ほぼ同じ意味だと思っていてOK
・払込資本・・・株主から払い込まれたお金・留保利益・・・これまでに獲得した利益のストック
一定時点(決算日)の財政状態を表わす
安全性に関する指標大分類9:企業と法務 > 中分類22:企業活動 > 3.会計・財務
要点カードNo.004
B/S の右
左当座資産
固定資産
流動負債
純資産(自己資本)
固定負債棚卸資産流動資産
B/S
当座比率=流動負債
当座資産×100%
流動比率=流動負債
流動資産×100%
固定比率=純資産
固定資産×100%
固定長期適合率 純資産+固定負債
固定資産×100%=
短期(上半分)
長期(下半分)
負債比率=純資産
負債×100%
自己資本(=純資産)×100%
自己資本比率 =
負債純資産合計
負債と純資産のバランス(B/S右側の上と下)
全体のうちの自己資本の割合
固定資産への投資は固定負債まででまかないたい
「流動資産>流動負債」でありたい(短期の支払能力)
損益計算書(P/L)大分類9:企業と法務 > 中分類22:企業活動 > 3.会計・財務
要点カードNo.005
損益計算書のルール(計上のタイミング)(1) 費用の計上→ 発生主義の原則
モノを消費した時点。費用を支出した時点
(2) 収益の計上→ 実現主義の原則対価の受け取りが確実になった(実現した)時点
(3) 利益の計算→ 費用収益対応の原則収益から、それに対応する当期の費用を控除し、利益を計算する
収益
一定期間(1年間)の経営成績を表わす
費用
利益
損益計算書(勘定式)売上高売上原価
売上総利益(粗利)
販売費及び一般管理費
営業利益
営業外収益営業外費用
経常利益
特別利益特別損失
税引前当期純利益
法人税等
当期純利益
損益計算書(報告式)
利益にかかる税金(法人税、住民税及び事業税)
固定資産売却損など
受取利息、受取配当金など支払利息、社債利息など
固定資産売却益など
広告宣伝費人件費減価償却費など
配当 or留保利益となる