GIS を用いた環境影響評価 システムの構築に関する研究
description
Transcript of GIS を用いた環境影響評価 システムの構築に関する研究
GISを用いた環境影響評価システムの構築に関する研究
指導教官 山口 一 教授システム創成学科 E&Eコース
30753 伴 賢治
研究背景①
「持続可能な発展」の概念に沿った開発
環境保全にとって良い開発
環境影響の推測・評価が必要
研究背景②
開発プロジェクト
データベース評価基準 評価手法
環境影響評価開発案1
開発案2
開発案3・・・
環境保全にとっての最善策
開発実行へ
研究背景③• 現状の環境影響評価の問題点評価手順の不透明さ評価結果の不明瞭さ
新しい環境影響評価システム
開発後の環境状況を予測するために数値シミュ レーションと連動させる。
適切な評価手法を選択する。
プラットホームとして地理情報システム(G
IS)を導 入する。
評価プロセスの自動化プログラムを作成する。
本研究の目的と方針 海洋開発の環境影響評価を迅速かつ分かりやすい形で行うシステムの構築
数値シミュレーション• 開発による環境変動を正確に予測するために数値シミュレーションは有効
開発
観測 モニタリング事後
数値シミュレーション事前事前評価の必要性
評価手法
累積影響
突発影響
環境への影響
自然環境
社会経済
影響面
評価対象自然環境:海洋生態系社会経済:経済損失
海洋生態系の定量的評価手法
既存手法BEST、 IBI、 IFIM、 HEP、 HGM、WET
要素1要素2……
生態系予測PVAモデル
生態系要素ごと定量化
統合指数算出
絶対評価相対評価
IBI(生物保全指数 )
生物保全性 各項目ごとに採点1、3、5
総得点が
IBI
4
520
20
1
1
n
ii
n
iii
W
WRIBI
海域における生態系の定量的評価に使用
汚染耐久度
種の豊富さ
生物の生産性・・・
PVA(個体数存続可能性分析 )モデル
個体群の個体数変動をモデル化
T年後の個体数
T年経過
シナリオを元にした変動要素設定
)()(1T
0)( 死亡率-繁殖率生息面積 NN T
(繁殖率 )= (初期繁殖率 )×(繁殖地の環境 )×(餌の量 )(死亡率 )= (初期死亡率 )×(被食危険度 )/{(餌の量 )×(水質 )}モデルを利用して、具体的な個体数を予測個々の個体群が対象
経済評価手法
選好依存型
選好独立型
顕示選好
表明選好
再生費用
適用効果
①海域経済価値データ
②対策コスト
経済評価手順
影響範囲内の経済損失
累積影響
×
X%累積影響
の経済評価
突発影響
+
対策コスト突発影響
の経済評価
影響の及ぶ範囲
GIS(地理情報システム )どこに何がある
どこで何が起こっている
これらの現象を定量的に把握するためのツール
地理的な位置(空間座標)を付けられたデータを
取得・統合・管理・分析・表示 するシステ
ム
GISの環境影響評価に適する特徴地理位置(空間座標)の軸に様々なデータを統合管理機能
多数の異なるデータに基づいた環境影響評価に適する
空間検索・空間演算などの解析機能が整備されている
範囲指定・データ組み合わせが必要な環境影響評価に適す
る
電子地図と連動で、データ・解析結果を分かりやすく表示できる
環境影響評価を分かりやすい形で行うのに適する
自動化プログラム
①データ処理
作成、追加、編集、加工
②数値モデルの実行
③EIAプロセス
影響エリア
IBI算出
PVAモデル
経済評価
対象海域指定(データ作成 )
対象海域
数値モデルとの連動
起動
条件設定結果表示
影響範囲自動生成影響範囲
起動
PVAモデルの実行①
起動
対象入力
パラメータ入力
PVAモデルの実行②
結果表示
結果登録
IBIの実行① 起動
入力+結果表示
絶対評価
IBIの実行②
データ入力
相対評価
可視化
経済評価① (データ作成 )
統合
水深データ:
ETOPO5データ
(NOAA)
離岸距離データ
GISの空間検索
1次生産量データ
SeaSAT衛星の
SeaWifsセンサー
の観測データの
年平均
IceFree期間データ
氷の分布統計値
経済評価②
影響範囲と重ねて経済損失測定
経済評価③
ESIマップ (生態系 )
ESIマップ (地形 )
経済評価④
起動
対象設定
影響範囲
結果表示
利用例
システムの有効性確認のため、「サハリンⅡプロジェクト のデータを使っ」て、仮想評価を行った。
仮想評価例①
• 海洋生態系への影響 対象生物:4種のアザラシ PVAモデルによる個体数変動の予測
変動予測をもとにした海域の生物保全性の測定
仮想評価例②
• 仮想の輸送ルート検討作成:直線ルートと迂回ルート
経済評価機能を利用して双方の経済損失と比較
経済損失 直線ルート>迂回ルート 1753 1635
仮想評価例③
• 氷海油流出事故の経済評価氷海における油流出モデルを使用
数値シミュレーション結果 (影響範囲 )
油流出後1週間油流出後2週間油流出後3週間
1週間 2週間 3週間
影響範囲損失 4187 9308 12879
回収コスト(海 )
17.2億$ 17.2億$ 17.2億$
回収コスト(岸 )ESIマップより
-
0$
Type Length
1 1.7
2 59.7
3 31.5
4 23.2
5 0
合計 308.4
15.4億$
Type Length
1 1.7
2 135.1
3 75.4
4 28.2
5 5.8
合計 639.9
32億$
評価
結果
2万$ /t
5000$ /m
結論• GIS上で環境影響評価を行うシステムを構築した。
データベース作成 評価手法確立 EIA自動化プログラムの開発
• ケーススタディとして「サハリンⅡプロジェクト」を用いて、システムの有効性を確認できた。