GaN SBD を用いた...

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1 平成 24 年度 修士論文 GaN SBD を用いた レクテナ回路の性能向上に関する研究 Research on improving the performance Using GaN SBD Rectenna Circuit 徳島大学大学院 先端技術教育部 システム創生工学専攻 電気電子創生工学コース 博士前期課程 林野 耕平 (物性デバイス講座 大野・敖研究室)

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平成 24 年度 修士論文

GaN SBD を用いた レクテナ回路の性能向上に関する研究

Research on improving the performance

Using GaN SBD Rectenna Circuit

徳島大学大学院 先端技術教育部

システム創生工学専攻 電気電子創生工学コース 博士前期課程 林野 耕平

(物性デバイス講座 大野・敖研究室)

平成24年度 修士論文 内容梗概

電気電子創生工学コース

研究題目 GaN SBDGaN SBDGaN SBDGaN SBDを用いたレクテナ回路の性能向上に関する研究を用いたレクテナ回路の性能向上に関する研究を用いたレクテナ回路の性能向上に関する研究を用いたレクテナ回路の性能向上に関する研究

氏 名 林野 耕平 [大野・敖研究室]

1.まえがき1.まえがき1.まえがき1.まえがき・研究目的・研究目的・研究目的・研究目的

マイクロ波を用いる無線電力伝送では受電部レクテナ回路のRF/DC変換効率が重要である。本研究では、その変

換効率の向上のために以下のシミュレーションと実験をおこなった。

2.2.2.2.レクテナ回路の比較レクテナ回路の比較レクテナ回路の比較レクテナ回路の比較

レクテナ回路はダイオード1つとλ/4伝送線路を用いるシングルシャント型(S型)と、ダイオードを2個用いる

デュアルダイオード型(D型)がある。回路シミュレーションによりD型は、S型のダイオードのフィンガー数を半

分、負荷抵抗を4倍とすることで同じ反射特性、変換効率特性が得られ、また出力電圧は2倍となることが分かっ

た。

3.3.3.3.レクテナ回路レクテナ回路レクテナ回路レクテナ回路ででででの損失分析の損失分析の損失分析の損失分析

レクテナ回路の変換効率に大きく作用するのが、ダイオードの特性と使用周波数である。ダイオード特性をオ

ン抵抗Rs、オフ容量Coffで表し、負荷抵抗をRloadとして、ダイオードでの損失をこれらのパラメータと周波数f

で表す式を導いた。また、その妥当性を回路シミュレーションの結果と比較した。その結果、ダイオードパラメ

ータや設計周波数によっての損失の増減の影響を明確にすることができ、最適なダイオード構造設計の指針が明

示できた。

4.4.4.4.高調波遮断フィルタを用いた高調波遮断フィルタを用いた高調波遮断フィルタを用いた高調波遮断フィルタを用いたGaN SBDGaN SBDGaN SBDGaN SBDレクテナ回路の反射抑制レクテナ回路の反射抑制レクテナ回路の反射抑制レクテナ回路の反射抑制

レクテナ回路ではダイオード特性の非線形性のため反射波に高調波が混ざり、反射の抑制を複雑にする。しか

し、入力側に基本波のみを通すフィルタを置いて高調波を遮断することで基本波のみの線形回路に見える。こうす

れば通常のインピーダンス整合の原理で反射波抑制が可能である。そこで、レクテナ回路の入力部に高調波を遮断

するフィルタを設け、その前のスタブで反射を抑制することを試みた(図1)。ダイオードには当研究室で試作し

た GaN SBD を用いた。入力は 2.45GHz で 0.25W とした。

インピーダンス整合用のスタブを置かない場合には負荷抵抗 60Ω付近で反射が 1.4%で最小になった。整合には適

当な長さの銅リボンを透明なプラスチック板に貼った調整用スタブ2枚を用いた。

ベクトルネットワークアナライザ(VNA)を信号源とし、反射波をサーキュレータで分離することで VNA のスミスチャ

ートに反射信号を表示する。この画面を見ながら 2 枚のスタブ板を動かして反射がゼロになるように調整する。負

荷抵抗が 20~150Ωのいかなる値でも反射をゼロ出来ることが確認できた(図2)。

5.5.5.5.まとめまとめまとめまとめ

シミュレーションと解析モデルを用いて最適なレクテナ回路の設

計法が確立できた。また高調波遮断フィルタを用いて高調波を抑制

することで反射電力をほぼゼロに出来ることが確認できた。

図 1 高調波フィルタを用いたレクテナ回路とその測定系

λ/4 RLOAD

CGaN SBD

VNA

高調波高調波高調波高調波フィルタフィルタフィルタフィルタ

((((調整用調整用調整用調整用スタブスタブスタブスタブ))))

((((----20dB20dB20dB20dB))))

((((----20dB20dB20dB20dB))))

((((44440dB0dB0dB0dB))))

((((入入入入力力力力モニタモニタモニタモニタ))))

((((DCDCDCDC 出力出力出力出力))))

((((プリントプリントプリントプリント板板板板)))) 図 2 RF/DC 変換効率と反射率の負荷抵抗依存

性。無調整の場合と RL

=20Ω、150Ωで整合した

場合、RL

=40,60,80Ωで整合した場合のその抵抗

値での値を示す。

0%

20%

40%

60%

80%

10 100 1000

R load (Ω)

EFFIC

IE

NC

Y

整 合なし

2 0Ωで整合

1 50Ω で整 合

整 合抵抗値

反射

DC出力

2

概要 マイクロ波を用いる無線電力伝送では受電部レクテナ回路の RF/DC 変換効率が重要であ

る。本研究では、その変換効率の向上のために、損失のおもな原因となるダイオードでの

損失、反射損失に注目し、シミュレーションでのダイオードでの損失分析、レクテナ回路

の特性比較、レクテナ回路の反射の抑制法について研究を行った。シミュレーションと解

析モデルを用いて最適なレクテナ回路の設計法が確立できた。また、実際にレクテナ回路

を設計・作製し、高調波遮断フィルタを用いて高調波を抑制することで反射電力をほぼゼ

ロに出来ることが確認できた。

For wireless power transmission using microwave, high RF / DC conversion efficiency in rectenna circuits is important. In order to improve the conversion efficiency, a circuit simulator is used to investigate the major loss mechanisms, such as diode loss and reflection, comparison of the circuit configuration and reflection suppression methods With the simulation and newly developed analytical loss model, the optimum design method was established for rectenna circuits. Also, rectenna circuits are made with GaN SBD and higher-harmonics rejection filters, almost complete suppression of the reflection was confirmed for 2.45GHz signal.

3

目次 第 1 章 序論 5 1.1 研究背景 5

1.1.1 無線電力伝送技術 5 1.1.2 無線電力伝送方式 5 1.1.3 無線電力伝送技術の歴史 7 1.1.4 マイクロ波電力伝送システムの構成 8 1.1.5 レクテナ回路 8 1.1.6 レクテナ回路の動作原理 9

1.2 研究の目的 11 1.3 本論文の構成 12 第 2 章 マイクロ波電力伝送用レクテナ回路の比較 13 2.1 シングルシャント型レクテナ回路とデュアル型レクテナ回路 13 2.1.1 シングルシャント型レクテナ回路の等価回路図と波形図 13 2.1.2 デュアル型レクテナ回路の等価回路図と波形図 14

2.2 シングルシャント型とデュアルダイオード型の特性比較 15 2.2.1 回路シミュレーション条件 15

2.3 回路シミュレーション結果 18 2.3.1 出力電圧の周波数依存性 18 2.3.2 出力電力の周波数依存性 19 2.3.3 反射電力の周波数依存性 20 2.3.4 デュアル型、シングルシャント型電圧波形の比較 21

2.4 まとめ 22 第 3 章 マイクロ波電力伝送用レクテナ回路の損失分析 23

3.1 研究目的 23 3.2 回路シミュレーション 23 3.2.1 回路シミュレーション条件 24

3.3 回路シミュレーション結果 26 3.3.1 ダイオードフィンガー数による損失の周波数依存性 26 3.3.2 ダイオードフィンガー数による損失の周波数依存性の考察 28

3.4 数式によるレクテナ回路解析モデル 29 3.4.1 数式モデルでのダイオード実効静電容量 30 3.4.2 数式によるレクテナ回路解析モデルの導出 30

3.5 数式によるレクテナ回路解析モデルとシミュレーションの比較 33 3.6 まとめ 36

4

第 4 章 高調波遮断フィルタを用いた GAN SBD レクテナ回路の反射抑制 37 4.1 レクテナ回路設計 37 4.2 GaNSBD 38

4.2.1 GaN の利点 38 4.2.2 レクテナ回路に用いた GaNSBD の特性 39

4.3 高調波フィルタ特性 40 4.4 レクテナ回路測定系 41 4.5 レクテナ測定 42 4.5.1 スタブ無調整レクテナ測定 42 4.5.2 スタブ調整後レクテナ測定 43 4.5.3 スタブ調整後レクテナ測定のまとめ 45 第 5 章 結論 46 参考文献 47 著者のこれまでの研究発表・成果 48 謝辞 49

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第 1 章 序論 本章では、近年世界で注目されている無線電力伝送技術における、研究の現状および今

後の展開について述べ、特にマイクロ波を用いた無線電力伝送に注目し、研究を行ってき

た目的を示す。

1.1 研究背景 1.1.1 無線電力伝送技術 無線電力伝送技術は文字通りケーブル等を使わずに電力のやりとりを無線(非接触)で

行う技術である。ラジオやテレビなどの通信における分野では、多くの用途で使われて着

ました。近年では、携帯電話、キーボードやマウスなどのワイヤレスデバイス製品の普及

などにより、とても無線伝送技術は身近になったといえる。ところが、電力の伝送という

分野では、有線での伝送が主となっている。その原因として無線での電力伝送では伝送距

離が制限されること、伝送効率が有線と比べて低いこと、伝送時の生物への影響等さまざ

まな課題が残されている。無線での電力伝送更に利用されやすくなれば、電気機器のコー

ドレス化が進み、コンセントの電源プラグ等も必要としなくなることから、電気機器の小

型化や機器の自由度があがり、この技術は生活を支えるインフラとして強く機能すること

が考えられる。よって近年、無線電力伝送技術の研究が盛んに行われている。

1.1.2 無線電力伝送方式 電力の無線伝送技術には、現在、大きくわけて4つの方式がある

(a) 電磁誘導方式 この名の通り電磁誘導を用いて電力を伝送させる方式である。近距離での大電力を伝送

が可能である。周波数は約 100kHz から 10MHz 程度までと広くまた、磁場を使うため、人

体にあまり影響がないことも長所のひとつである。電磁誘導を使う特性として、1 つ目の導

線の作る磁束が効率よく 2 つ目の導線に作用させるように磁束閉じ込め効果の強い磁性体

を用いて行うのだが、無線による伝送では 2 本の導線の間に空間が存在するので、磁界が

広がってしまう。エネルギー密度が距離の 3 乗に反比例して小さくなるため、数 10cm 程度

という近距離伝送しか行えない。またアンテナ同士の位置ずれの許容誤差は数 cm 程度であ

ることから、応用範囲が限定されやすいという欠点が挙げられる。

(b)電磁共鳴方式 磁気共鳴、電界共鳴を用いたものである。マサチューセッツ工科大学(MIT)で考案され、

主に MHz 帯で動作する技術と位置づけされている。電磁誘導タイプに比べて、長距離かつ、

大電力が伝送でき、なおかつ高効率という報告があり、ワイヤレス送電のなかでも期待の

大きい方式である。主に電磁誘導タイプと同様にコイルを用いてワイヤレス送電するが原

理は少し異なっている。2007 年 6 月には、同大学は、この方法を用いて、約 2m 離れた 60Wの電球に電力を送り点灯させたとの報告があった。

(c)マイクロ波方式 マイクロ波方式は、電磁波などのような電波を電力伝送に利用している。しかしこれら

は小電力で実用化しているが、大電力に関しては、まだまだ研究が進んでいない。近接磁

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場とは異なり、電磁波には遠方に伝播する性質がある。また、電磁波はその発射源から一

定の距離に離れると、ほぼ平面波として振舞う。この結果、エネルギー密度は距離の 2 乗

に反比例し、伝送距離は数 m 以上が可能である。受信可能な電力は小さく、数 m から数 W程度となる。どうしても高周波を扱うことにより、各場所でロスが大きく、効率は低下し

てしまうが、大電力を長距離で伝送が可能であると考えられる。また、一番の大きな課題

は、変換効率といったこと以上に、電磁波の出力が高いと、人体および生物の安全性に懸

念が出てくることも考えられる。 (d)レーザー方式 光を使った電力伝送であり、。光は一種の電磁波であり放射波だが、この方式は光として

特性を活用している。THzのレーザー光を太陽パネルに照射し、光電変換によってエネル

ギーの伝送を行う技術である。[1]

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1.1.3 無線電力伝送技術の歴史 無線電力伝送の歴史として、100 年以上前から、研究が行われていた。はじめにこの研究

を行ったのが、ニコラ・テスラである。1899 年に 150kHz で 300kW の空中エネルギー伝送

の研究を行い、実験を行ったが失敗に終わっている。1975 年 米国ジェット推進研究所&R社で 1.6km間で 30kWの電力伝送を成功させた、1980年には SSPS(宇宙太陽光発電所: Space Solar Power System /Satellite)に取り組みを広げた。現在では、電気機器や電気自動車のなど

の無線充電、太陽光発電など、あらゆる分野に応用が期待、実用化の検討がなされている。

また、上記で少し説明したように SSPS の実用化のために、日本、アメリカ、ヨーロッパ等

で研究が行われている。これは宇宙空間で太陽光パネルによって発電した電力をマイクロ

波に変換し、地上に無線送電して受電部(レクテナ)で受け取り、地上で電気を利用する概

念で、発電の規模は100万kW以上である。宇宙空間から地上の受電部に伝送するためには、

アンテナの設計上、2.45GHz,5.8GHz のマイクロ波による伝送が考えられている。この技術

は宇宙空間で太陽光発電を行うため、太陽光のみで発電が可能であり、発電時に化石燃料

を消費しないためにエコであり、エネルギー問題を解決する一手になると考えられている。 上に述べたとおり、マイクロ波無線電力伝送において、受電部である整流回路(レクテナ)

というシステムが使われており、送電のためにマイクロ波に変換されたマイクロ波電力を

レクテナによって直流に変換される。そのマイクロ波電力から直流電力に変換する変換効

率が鍵となっている。レクテナとは、Rectifying Antenna の略称であり、整流器デバイス(シ

ョットキーバリアダイオード)、入力整合回路、出力コンデンサ、負荷抵抗から構成されて

いる。整流器デバイスにショットキーバリアダイオードを用いているのは、順方向での立

ち上がり性能指数である ON 電圧が低いこと、さらに多数キャリアデバイスとして、理論的

に、少数キャリアの蓄積がないため、順方向での容量低容量という特性が得られ、変換時

の損失が少ないと期待できるからである。その理由は次からの節で詳しく説明する。

8

1.1.4 マイクロ波電力伝送システムの構成 マイクロ波電力伝送システムの構成として図1に示す。まず発電された DC 電力を伝送す

るために、マイクロ波電力に変換する必要がある。そのためにマグネトロンや AlGaN/GaN HFET を用いた F 級アンプによって変換する。そして、送電部としてそのマイクロ波を伝送

するために 1.1.2 で述べたようなさまざまな方式でマイクロ波電力伝送させる。そして、受

電部であるショットキーダイオードを用いたレクテナ回路でマイクロ波電力を直流電力に

変換させる。 1.1.5 レクテナ回路 図2に示すのがレクテナ回路図である。ダイオード、λ/4線路、コンデンサ、負荷で

構成された。整流回路である。その整流効率は、ダイオードのパラメータや回路設計によ

って決まる。

DC⇒RF変換 RF電力伝送 RF⇒DC 変換(Rectenna)

・ マグネトロン

・AlGaN/GaNHFET

F級アンプ

ショットキーダイオード

• アンテナ• 共振器

DC⇒RF変換 RF電力伝送 RF⇒DC 変換(Rectenna)

・ マグネトロン

・AlGaN/GaNHFET

F級アンプ

ショットキーダイオード

• アンテナ• 共振器

図 1.1 マイクロ波電力伝送システムの構成図

C RL

λ/4 line

diode C RL

λ/4 line

diode

図 1.2 レクテナ回路図

9

1.1.6 レクテナ回路の動作原理 高周波(マイクロ波帯)での動作を目的としたレクテナ回路では、ダイオード一つで整

流を行っている例が多い。1 個のダイオードでは半波整流動作となるのが一般的であるが、

出力部に交流を全反射させるためのスタブや、整合をとる為のスタブを用いることによっ

て、反射を抑制しダイオードに対する印加電圧の振幅を入力の電圧振幅より大きくするこ

とができるので、倍電圧整流回路として動作でき、全波整流回路並みの変換効率を得るこ

とができる。図 2 で示すように出力部にコンデンサを入れることで入力される基本波は全

反射され、ダイオードのカソード端で定在波が腹となる。まやダイオードから出力側から

みたインピーダンスが 3f,5f・・・の奇数波に対して解放。2f,4f・・・の偶数波に対しては

短絡に見えることになり、これらの高調波の合成によって倍電圧整流動作が起こる。 この非線形動作をダイオードの静特性に重ねたダイオード端子間電圧 VD の時間変化を図 3に示す

図 1.3 ダイオードの静特性と端子間電圧の時間変化

10

受電電圧の振幅によって VDがダイオードの立ち上がり電圧 Vth を超える時に、ダイオー

ド電流 ID が順方向に流れ VD は一定値になる。VD が Vth より小さくなると、ID はほぼ無

視できる値となる。VD が負となって受電電圧振幅が大きく、VD がブレークダウン電圧 Vbr 以下になると、ID が逆方向に流れる。ダイオード直流出力電流 Io はパルス状の順方向電

流とブレークダウン電流の和の時間平均となる。直流出力電圧 Vo は負荷抵抗と Io の積で与

えられる。ダイオード端子間電圧VDが立ち上がり電圧Vthを超えないと整流できないので、

入力電力が小さいと変換効率は低くなる。入力電力を大きくすると、Vth と入力電圧の振幅

の割合が小さくなるので、ある程度までは変換効率が大きくなるが、ブレークダウンを生

じると逆方向電流が流れ変換効率が低下する。変換効率が最大となるのは、直流出力電圧

Vo が立ち上がり電圧 Vth とブレークダウン電圧 Vbr の中央値に、入力によるダイオード電

圧の振幅がこれらの差の半分になるときであり、ブレークダウン電圧ぎりぎりで動作させ

ることが重要となる。また、ダイオードの抵抗や容量などによって損失が発生するので、

ダイオードのパラメータによっても大きく変換特性が変化する[2]

図 1.4 入力電力による変換効率依存性

11

1.2 研究の目的 本研究の目的は、下記に示すように、大きく 3 つにわかれている。 レクテナ回路のダイオードによる損失分析を行い、ダイオードの最適パラ

メータの設計に役立つ数式モデルの導出を行う。 シングルシャント型、ダイオードを 2 つ用いたデュアルダイオード型の 2

つのレクテナ回路の特性比較を行い、最適な回路設計の確立を目指す。 レクテナ回路の実装を行い、レクテナ回路の評価を行う。また、課題であ

る反射を無くす為に、回路設計を行い、変換効率の向上を目指す 前章に述べたとおり、無線電力伝送システムにはレクテナ回路の受電(整流)部の高効率

化が 1 つの課題となっている。受電部の高効率化には、ダイオードパラメータと回路設計

に大きく作用されると考えられる。高周波回路であることもあり、反射の影響も無視でき

ない事象であり、反射によって効率の低下も大きく起こる。また、ダイオードの時定数 によって、変換特性が変わることも分かっており、ダイオードの最適な設計が必要である

ことも考えられる。 本研究では、まずダイオードによるレクテナ回路の損失分析を行い、ダイオードの最適

パラメータの設計に役立つ数式モデルを導出する。次に、マイクロ波電力用のレクテナ回

路の設計に役立つ、シングルシャント型、デュアルダイオード型のレクテナ回路の特性比

較を行い、最適な回路設計の確立を目指す。最後に実際にレクテナ回路の実装を行い、課

題である反射の抑制を行うための回路設計を行い変換効率の向上を目指す。

12

1.3 本論文の構成 本論文では第 1 章の「序論」から第 5 章の「結論」までの全 5 章で構成されている。以

下に本研究の本体である第 2 章から第 4 章までの概要について述べる。 第 2 章ではマイクロ波電力伝送用レクテナ回路の比較について述べる。 第 3 章ではマイクロ波電力伝送用レクテナ回路の損失分析を行う。 第 4 章では高調波遮断フィルタを用いた GaN SBD レクテナ回路の反射抑制について述

べる 第 5 章にて、本論文の結論を述べる。

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第 2 章 マイクロ波電力伝送用レクテナ回路の比較 2.1 シングルシャント型レクテナ回路とデュアル型レクテナ回路 受電用の整流回路として、1 章でも説明したような、ダイオードとλ/4 線路を用いたシン

グルシャント型(S 型)のレクテナ回路が一般的であるが、そのほかに、ダイオードを 2つ用いたデュアル型(D 型)のレクテナ回路がある。 2.1.1 シングルシャント型レクテナ回路の等価回路図と波形図 図 3.1 にシングルシャント型レクテナ回路の回路図と波形図を示す。この S 型はλ/4 線

路を用いており回路設計上、設計周波数(使用周波数)によって、伝送線路長を変える必

要がある。よって単一周波数のみの整流が主となってしまう。また、出力電圧は、最大振

幅の半分となる。

VDCs

C

λ/4 line

diodeVF

V0VDCs

C

λ/4 line

diodeVF

V0

C

λ/4 line

diodeVF

V0

(a) S 型の回路図

VF

VDCs

VGNDV0

VF

VDCs

VGNDV0

(b)S 型の波形図

図 2.1 S 型の回路図および電圧波形図

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2.1.2 デュアル型レクテナ回路の等価回路図と波形図 図 3.2 にデュアル型レクテナ回路の回路図と波形図を示す。この D 型は構造的には、シ

ングルシャント型とほとんど等しく、λ/4 線路を廃し、2 つのダイオードを用いた回路とな

ります。この場合シングルシャント型は、最大振幅の半分しか出力が取れないのに対し、

デュアルダイオード型レクテナ回路は出力電圧振幅が全振幅となります。 また、S 型と違いλ/4 線路を用いてないことから、設計周波数によって整流が制限すること

がないのが特徴として挙げられる。

図 2.2 D 型の回路図および波形図

VDCd

CdiodeVF

V0 VDCd

CdiodeVF

V0

(a)D 型の回路図

VDCd

VGNDV0

VF

VDCd

VGNDV0

VDCd

VGNDV0

VF

(b)D 型の波形図

15

2.2 シングルシャント型とデュアルダイオード型の特性比較 ここでは、シングルシャント型とデュアル型の特性比較を、回路シミュレーションである

MWO 社の Microwave office を用いて行った。 2.2.1 回路シミュレーション条件 (a) シミュレーション回路図 下図(図 、図 )に示しているのが、S 型、D 型の回路シミュレーションでの回路図を

それぞれ示す。

図 2.3 シミュレーションでの S 型回路図

図 2.4 シミュレーションでの D 型回路図

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(b)回路シミュレーションで用いるダイオードモデル 回路シミュレーションで使用したダイオードモデルとしてSPICEモデルのダイオード

を用いた。このSPICEモデルのダイオードと実測のダイオードパラメータとフィッテ

ィングしたモデルが図 のようになっており、フィッティングパラメータとして、表 の

ようなパラメータとしてシミュレーションを行った。

1.5N

項目 値

フィンガー数 1~16

Cj0 0.19pFRON 7.2ΩIS 3e-16AM 0.28VJ 1V

1.5N

項目 値

フィンガー数 1~16

Cj0 0.19pFRON 7.2ΩIS 3e-16AM 0.28VJ 1V

表 2.1 ダイオードパラメータ

ダイオードモデル

C(VD)

Ron

ID

Ds(N,RON,M,Is,VJ,CJ0)

Cj0

ダイオードモデル

C(VD)

Ron

ID

Ds(N,RON,M,Is,VJ,CJ0)

Cj0

M

J

DJD V

VCVC−

−= 1)( 0

= 1exp

kTqVII D

SD

図 2.5 シミュレーションでのダイオードモデル

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(c)シミュレーション条件 ①S型とD型の特性比較を行うにあたり、まずレクテナに入力される電力を一定にし、反

射の影響を無視して、シミュレーションを行った。そのため図 に示しているように入力

電力Pin、反射電力PREF、の差が1Wで一定となるようにPinを変化させレーションを行った。

(Pin-PREF=1[W]) ②S型、D型に同一電力を加えた場合、ダイオード部にはD型、S型とも同じ振幅の電圧が

かかるが、出力DC電圧は、D型が全振幅であるのに対しS型はλ/4線路のため半分となる。

そこで、同じ出力電力が得られるようにD型の負荷抵抗はS型の4倍とする。 ③入力側から見たレクテナ回路のインピーダンスはS型がダイオード1個に対し、D型は2個となる。そこで入力インピーダンスを合わせるために、D型のダイオードのフィンガー数

をS型の半分とした。 ④ダイオード特性のみの比較のため出力フィルタは十分大きなキャパシタを置いている。

(S型)

(D型)

Pref

PinPref

PinPref

PinPref

PinPref

Pin-Pref=1W

VDCs

C

λ/4 line

diodeVF

V0

VDCd

CdiodeVF

V0

(S型)

(D型)

Pref

PinPref

PinPref

PinPref

PinPref

Pin-Pref=1W

VDCs

C

λ/4 line

diodeVF

V0

(S型)

(D型)

Pref

PinPref

PinPref

PinPref

PinPref

PinPref

Pin-Pref=1W

VDCs

C

λ/4 line

diodeVF

V0

C

λ/4 line

diodeVF

V0

VDCd

CdiodeVF

V0

図 2.6 シミュレーションでの回路図

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2.3 回路シミュレーション結果 2.3.1 出力電圧の周波数依存性 図 に出力電圧の周波数依存性を示す。○でプロットされているものはS型のデータ+でプ

ロットしているものはD型のデータであり、左縦軸にD型の出力電圧、右縦軸にS型の出力

電圧を示している。負荷抵抗はS型が200Ωとし、3.2節で条件を定義したとおりD型はS型の4倍の800Ωとした。フィンガー数としてS型は2,4,8,16の4通りで行った。同様に条件定

義より、D型は1,2,4,8のフィンガー数とした。図 で表記しているフィンガー数はS型の数

値を示している。 結果として、S型の出力電圧はすべての場合においてD型ではS型の2倍となっていた。

0

5

10

15

20

25

30

0 10 20 30

Frequency[GHz]

D型 

outp

ut vo

ltage

[V]

0

2.5

5

7.5

10

12.5

15

S型 

outp

ut vo

ltage

[V]

○ S型+ D型

2finger

4finger

8finger

16finger

図 2.7 出力電圧の周波数依存性

19

2.3.2 出力電力の周波数依存性 図 に出力電力の周波数依存性を示す。○でプロットされているものはS型のデータ+でプ

ロットしているものはD型のデータであり、縦軸は出力電力を示している。負荷抵抗はS型が200Ωとし、3.2節で条件を定義したとおりD型はS型の4倍の800Ωとした。フィンガー数

としてS型は2,4,8,16の4通りで行った。同様に条件定義より、D型は1,2,4,8のフィンガー数

とした。図 で表記しているフィンガー数はS型の数値を示している。 結果として、それぞれ対応する点で両者はほとんど完全に出力電力が一致していることが

分かる。

00.10.20.30.40.50.60.70.80.9

1

0 10 20 30

Frequency[GHz]

outp

ut p

ower

[W]

8finger

16finger○ S型+ D型

2finger

4finger

図 2.8 出力電力の周波数依存性

20

2.3.3 反射電力の周波数依存性 図 に反射電力の周波数依存性を示す。○でプロットされているものはS型のデータ+でプ

ロットしているものはD型のデータであり、縦軸は反射率を示している。負荷抵抗はS型が

200Ωとし、3.2節で条件を定義したとおりD型はS型の4倍の800Ωとした。フィンガー数と

してS型は2,4,8,16の4通りで行った。同様に条件定義より、D型は1,2,4,8のフィンガー数と

した。図 で表記しているフィンガー数はS型の数値を示している。 結果として、それぞれ対応する点で両者はほとんど完全に反射率が一致していることから、

入力側から見たインピーダンスが等価であることが判る。

図 2.9 反射電力の周波数依存性

0%

50%

100%

0 10 20 30Frequency[GHz]

P REF

/PIN

[%]

○ S型+ D型

2finger

4finger

8finger

16finger

21

2.3.4 デュアル型、シングルシャント型電圧波形の比較 図 にD型、S型のダイオードにかかる電圧、出力電圧、反射電圧波形を示す。極端に高周

波(24GHz)および低周波(0.1GHz)の2通りで行った。下図に示すとおり、周波数の値にかか

わらず、D型の出力電圧は、S型の2倍となり、反射電圧およびダイオードにかかる電圧は波

形レベルで一致していることが分かる

図 D 型、S 型電圧波形

-10

-5

0

5

10

15

20

25

30

35

0 5 10 15 20

Time[ns]

outp

ut v

olta

ge[V

]

反射電圧

ダイオードにかかる電圧

出力電圧

○ S型+ D型

(a) f=0.1GHz

-50

-40

-30

-20

-10

0

10

20

30

40

50

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1

Time[ns]

outp

ut v

olta

ge[V

]

○ S型+ D型

反射電圧

ダイオードにかかる電圧

出力電圧

(b)f=24GHz

図 2.10 周波数による電圧波形

22

2.4 まとめ この章では、最適な回路設計の確立を目指すため、レクテナ回路の特性比較を行い、デ

ュアルダイオード型は、シングルシャント型のダイオードのフィンガー数を半分、負荷抵

抗を4倍とすることで同じ反射特性、変換効率特性が得られ、また出力電圧は2倍となるこ

とが分かった。

23

第 3 章 マイクロ波電力伝送用レクテナ回路の損失分析 3.1 研究目的 GaN ショットキーバリアダイオード(GaN SBD)を用いたレクテナ回路の RF/DC 変換

特性は、1章で述べたとおりダイオードの特性および、並列につなぐダイオード数で変化

する。また、ダイオードの時定数が同じでも、設計周波数やフィンガー数によってどのよ

うに損失が変化するかを調べた。それによって、最適なダイオードパラメータおよびフィ

ンガー数が存在すると考え、レクテナ回路の最適設計に役立てるためにその損失の機構を

回路シミュレーションにより解析した。 3.2 回路シミュレーション 回路シミュレーションは AWR 社の Microwave office を用いた。下図で示すように一般

的な(ダイオードとλ/4 線路を用いた)整流回路での損失分析を行った(図 2.1)

C RL

λ/4 line

diode C RL

λ/4 line

diode

図 3.1 レクテナ回路構成

24

3.2.1 回路シミュレーション条件 (a)シミュレーション回路図 シミュレーションで使用した回路図を図 2.2 に示す (b)ダイオードモデル ダイオードモデルとして下図に示すような、SPICE モデルのダイオードを用いた。(図 )

また、ダイオードパラメータとして表 に示している

図 3.2 シミュレーション回路図

C(VD)

Ron

ID

Ds(RON,M,Is,VJ,CJ0)

Cp

= 1exp

kTqVII D

SD

M

J

DJD V

VCVC−

−= 1)( 0

図 3.3 ダイオードモデル

25

(c)シミュレーション条件 図 は、レクテナ回路の損失の負荷抵抗依存性を示しています。 この通り、反射によって入力が一定とならないために、正確な損失分析ができないと考え、

今回は、入力に反射を引いた値をひいて、入力電力を一定にして反射を考えないモデルと

して解析を行いました。(Pin-PREF=5W になるように Pinの値を変化させる)

項目 値

フィンガー数 1~15Cp 0.13pFCj0 0.40pFRON 8ΩIS 1e-11AM 0.5VJ 0.8V

項目 値

フィンガー数 1~15Cp 0.13pFCj0 0.40pFRON 8ΩIS 1e-11AM 0.5VJ 0.8V

表 3.1 ダイオードパラメータ

CL RL

λ/4 line

diode CL RL

λ/4 line

diode

PinPref

PDIODE PL

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

0 100 200 300 400 500 600

Load resistanse[Ω]

Pow

er[

W]

P in -P REF= 5W

P DIODE

P L P REF

5W

図 3.4 レクテナ回路の負荷抵抗依存性のデータ例

26

3.3 回路シミュレーション結果 3.3.1 ダイオードフィンガー数による損失の周波数依存性 下図にフィンガー数による損失の周波数依存性を示す(a)。また、その時の出力電圧の周

波数依存性も示す(b)。フィンガー数を 1,5,10,15 の4通りでシミュレーションを行っ

た。また負荷抵抗は 200Ω(図 2.5),40Ω(図 2.6)の 2 通りで行った。 ・負荷抵抗 200Ω

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

4.5

5

0 5 10 15 20Frequency(GHz)

PDIO

DE(

W)

1finger

15finger

10finger

5finger

(a) フィンガー数による損失の周波数依存性

図 3.5 フィンガー数による周波数依存性(負荷抵抗 200Ω)

0

5

10

15

20

25

30

35

0 5 10 15 20Frequency(GHz)

Out

put V

olta

ge(V

)

15finger

1finger

5finger

10finger

(b) フィンガー数による出力電圧の周波数依存性

27

・負荷抵抗 40Ω 図 3.6 フィンガー数による周波数依存性(負荷抵抗 40Ω)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

0 5 10 15 20

Frequency(GHz)

PDIO

DE(

W)

5finger

10finger

15finger

1finger

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0 5 10 15 20Frequency(GHz)

Out

put V

olta

ge(V

) 5finger

10finger15finger

1finger

(b) フィンガー数による出力電圧の周波数依存性

(a) フィンガー数による損失の周波数依存性

28

3.3.2 フィンガー数による周波数依存性の考察 この結果より、高い周波数側では、Cの影響がダイオード損失に大きく影響しているこ

とがわかります。また低い周波数側では、Rの影響が大きく見られています。これより、

設計周波数によって最適なダイオードフィンガー数が存在していることが分かり、負荷抵

抗 200Ω、40Ω共に同じ傾向が見られる。

29

3.4 数式によるレクテナ回路解析モデル レクテナ回路 RF/DC 変換特性のダイオードパラメータによる影響を明確にするために、

数式による解析モデルの導出を行った。 3.4.1 数式モデルでのダイオード実効静電容量 ダイオードの C-V カーブは図 に示すようにダイオードにかかる電圧によって静電容量

が変化する。よって数式モデルでは実効静電容量 Cje を定義しシミュレーションを行った。

0.00

0.50

1.00

-30 -20 -10 0

Voltage [V]

Cap(

pF)

図 3.7 ダイオードの C-V 特性

図 3.8 ダイオードモデル

C(VD)

Ron

ID Cje

Ron

VFCpC(VD)

Ron

ID Cje

Ron

VFCp

(a)シミュレーションでのダイオードモデル (b)数式によるダイオードモデル

30

3.4.1 数式によるレクテナ回路解析モデルの導出 ダイオード抵抗を RD、負荷抵抗を RL、ダイオード容量を CD、立ち上がり電圧を VFとす る。DC 出力は VDCとする。ダイオードにかかる交流電圧の振幅は片側で VDC となる

(a) DC 電力の算出 負荷抵抗には定電圧 VDCがかかっている。故に電力は

L

DCL R

VP2

=

(b)ダイオードが ON 時の損失 ダイオードには約半周期はOFFで1周期区間を1期間としてα期間ON であるとする。(α

は 0.5 以下)1 周期中に流れる電荷量の合計は負荷抵抗と同じである。それゆえ、

( )

+=

+=

+=

==

α

α

ααα

DC

L

DF

L

DC

L

DCD

L

FDC

ONDONDDFOND

L

DCLOND

VRRV

RV

RVR

RVV

IIRVPR

VII

2

2

___

_1

と表すことができる。

VF

VDC

2VDC+VF

(OFF) ON

VF

VDC

2VDC+VF

(OFF) ON

図 3.9 ダイオードが ON 時の電圧波形

31

(c)ダイオードが OFF 時の損失 単純化して、RD、CD直列回路の全体に p-p 電圧 2VDC のサイン波がかかっている。 ( ) tieVVtV ω

00 += また CD には同じ周波数の電圧がかかっているとする。

tieVVv ω21 +=

C,R に流れる電流が同じとして

( ) IReVVVVeVVeVVvV

eCVidtdvCI

tititi

ti

=−+−=−−+=−

==

ωωω

ωω

20102100

2

故に、

( ) titi eRCCRiCVe

CRiCViI

CRiVV

ωω

ωωω

ωω

ω

2220

02

11

1

++

=+

=

+=

これからダイオード抵抗での消費電力は

( )( )

( )

( ) RVCfVCRRC

VCR

ttittRC

RCVCRRIIIRPAC

20

22220

22222

20

22

222222

22220

22*2

41

cossin2sincos1

1

πωω

ω

ωωωωω

ωω

=≈+

=

+++

+===

となる。 掃引周波数を上げると電圧遅れが増大し抵抗にかかる電圧が増える。その結果一回の往復

での消費エネルギーが増える。さらに、単位時間での往復回数も増えるので消費電力は周

波数fの二乗で増大する。 またリーク電流による電力は次のように表すことができる

( )leak

FDCleak

leak

FDCleak

RVVP

RVVI

22

2

+=

+=

V (t )

v (t )

C

R

32

(d)総損失電力のまとめ 全体をまとめると

( )

( )leak

FDCleak

DC

L

DF

L

DCOND

L

DCL

DDCFAC

RVVP

VRRV

RVP

RVP

RVVCfP

2

_

2

2222

2

4

+=

+=

=

+=

α

π

( )

leakACONDLOSS

leak

FDCF

leakLDC

leakD

L

D

L

leak

FDCDC

L

FDCD

L

D

L

leakACONDLTOTAL

PPPP

RVVV

RRV

RRCf

RR

R

RVVV

RVVRCf

RR

R

PPPPP

++=

+

++

+++=

+++

++=

+++=

_

22222

2

22222

2

_

41441

241

πα

πα

となる。 (e)出力電圧 下に示す式を PTOTAL=設定値になるように、VDCを上の2次方程式を解いて求められる

leak

FDCF

leakLDC

leakD

L

D

LTOTAL R

VVVRR

VR

RCfRR

RP

22222

2

41441+

++

+++= π

α

33

3.5 数式によるレクテナ回路解析モデルとシミュレーションの比較 数式によるレクテナ回路解析モデルとシミュレーションの比較を行った。ダイオードの

損失 Pdiode は今回リーク分は無視しダイオードの ON 時の損失と OFF 時の和で表す。

ACONDdiode PPP += _ 3.5.1 数式によるレクテナ回路解析モデルとシミュレーションの比較結果 ・負荷抵抗 200Ωの場合 モデル式の実効静電容量はダイオードにかかるバイアスの平均値であると仮定し て0.17pFとしている(図 2.10)。 (a)にダイオード損失の周波数依存性、(b)に出

力電圧の周波数依存性を示している。 ・負荷抵抗 40Ωの場合 モデル式の実効静電容量は同様にダイオードにかかるバイアスの平均値であると仮定して

0.25pFとしている(図 2.11)(a)にダイオード損失の周波数依存性、(b)に出力電圧の周

波数依存性を示している。

CL RL

λ/4 line

diode CL RL

λ/4 line

diode

VDC

L

DCL R

VP2

=Pdiode

34

・負荷抵抗 200Ω

(a) ダイオード損失の周波数依存性

(b) 出力電圧の周波数依存性

図 3.10 解析モデルとシミュレーションの比較(負荷抵抗 200Ω)

35

・負荷抵抗 40Ω

図 3.11 解析モデルとシミュレーションの比較(負荷抵抗 40Ω)

(b) 出力電圧の周波数依存性

(a) ダイオード損失の周波数依存性

36

3.6 まとめ 結果より、導出したモデルがシミュレーションと一致していることがわかります。

これによって、レクテナ回路の損失分析を回路シミュレーションと解析モデルにより導

出した。低周波では寄生抵抗が、高周波では寄生容量が支配的となる。またレクテナ回

路のモデル式を導出したことにより、ダイオードによる損失の影響を解明した。高周波

化を狙うには、ダイオードの C と R のバランスが重要となり、設計周波数によってフィ

ンガー数の最適値があることがわかった

37

第4章 高調波遮断フィルタを用いた GaN SBD レクテナ回路の反射抑制 レクテナ回路ではダイオード特性の非線形性のため反射波に高調波が混ざり、反射の抑

制を複雑にする。しかし、入力側に基本波のみを通すフィルタを置いて高調波を遮断する

ことで基本波のみの線形回路に見える。こうすれば通常のインピーダンス整合の原理で反

射波抑制が可能である。そこで、レクテナ回路の入力部に高調波を遮断するフィルタを設

け、その前のスタブで反射を抑制することを試みた。 4.1 レクテナ回路設計

本研究では 2.45GHz でのレクテナ回路を実装した。実際に作製した図を示す(図 4.1)

プリント基板は厚さ t=1.27mm の AD1000 基板を使用した。ダイオード(GaN SBD)との接

続にはボンディング技術を用いており、(図 4.2)放熱対策として、銅板を設置した。チッ

プコンデンサは 100pF、村田製作所:GRM1882C2A101JA01D)を用いた。高調波フィルタと

して 2 倍波、3 倍波 4 倍波、5 倍波までのフィルタを挿入した。

ワイヤーボンディング

AD1000

GaNダイオード

図 4.1 レクテナ回路実装

図 4.2 ボンディング概略図

38

・4.2 GaNSBD ・4.2.1 GaNSBD の利点 使用したダイオードとして本研究室で作製した GaNSBD を用いた。既存の整流用ダイオ

ードとしてSiダイオードが広く用いられているが、ワイドバンドギャップ半導体である

GaN を用いることにより、シリコンダイオードよりも少ない整流素子で同量の電力を整流

することが可能となる。表 4.1 に半導体素子の物性値を示す。GaN のようなワイドバンドギ

ャップ半導体は絶縁破壊電界が高いことから、小さい距離でも絶縁分離することが可能で

あることから、耐圧を高く保ちながら、高いキャリア移動度を使うことができる。 また、整流ダイオードの時定数である

2C

BON E

VCRµ

≅=τ

ここで、VB は耐圧、EC は絶縁破壊電界、μは電子移動度である。時定数 τ は移動度と絶縁

破壊電界の 2 乗に逆比例する。周波数を固定した場合、時定数も一定にする必要があるが、

その場合使用できる最大電圧は移動度と絶縁破壊電界の 2 乗に比例する。このように、高

い絶縁破壊電界を持つ GaN がマイクロ波電力整流用ダイオードとして極めて効果的である。 [3]

GaN SiC(4H) GaAs Si

バンドギャップ(eV) 3.4 3.0 1.4 1.1

絶縁破壊電界Ec(V/cm) 33×105 25×105 4×105 3×105

電子移動度μ(cm2/Vs) 1600 1000 8500 1500

μ Ec2(Si相対値) 129 46.3 10.1 1

表 4.1 半導体素子の物性値

39

4.2.2 GaNSBD の特性 活性層には ND=3×1017cm-3, t=0.4μmを用いた。基板はサファイア、アクセス層は約 2μm

の高濃度 n層、シート抵抗は約 24Ωである。以前までの SBD構造は、アノードの構成は酸

化膜の窓に Ni/Au 電極を蒸着し、その上に金メッキ配線を行っていた。この場合、金メッ

キ配線への目合わせマージンはフィールドプレートとして利用している。今回は容量削減

のためにアノード開口部を設けたフォトレジストに Niでメッキ下地を形成し、それを用い

て金メッキを行った。(図 4.3)1fingerの I-V特性、C-V特性を図 4.4、図 4.5に示す。

フィンガータイプを並列に数個並べることにより、さらなる抵抗低減を目的としたマル

チフィンガー構造が有効なので[3]今回フィンガー数は 8、ショットキー電極サイズは 2×100μm のダイオード(図 4.6)を用いてレクテナ回路を実装した[4][5]。そのダイオードパラ

メータは表 4.2 に示す

n+-GaN

Ni/AuTi/Al/Ni//Ni/Au//Ti/Au

Aun-GaNActive Layer

Au

Au

ρ=10mΩcm

bufferSapphire

n+-GaN

Ni/AuTi/Al/Ni//Ni/Au//Ti/Au

Aun-GaNActive Layer

Au

Au

ρ=10mΩcmn+-GaN

Ni/AuTi/Al/Ni//Ni/Au//Ti/Au

Aun-GaNActive Layer

Au

Au

ρ=10mΩcm

bufferSapphire

図 4.3 GaN SBD

0

10

20

30

40

50

60

70

80

0 1 2 3 4BIAS(V)

CU

RR

ENT(

mA

)

図 4.4 I-V 特性(1finger)

0

0.1

0.2

0.3

-15 -10 -5 0BIAS(V)

CA

PAC

ITA

NC

E(pF

)

図 4.5 C-V 特性(1finger)

40

-30

-25

-20

-15

-10

-5

0

0.00 2.45 4.90 7.35 9.80 12.25

周波数[GHz]

[dB

]

S21

S11

4.3 高調波フィルタ特性 図 4.1 のチップコンデンサとダイオードを付けていないプリント基板で、を用いてフィ

ルタ特性を測定した。(図 4.7)2 倍波まではほぼ理想的な特性が出ているが 3 倍波、4 倍波

での特性はきれいな特性がでていないことがわかる。

フィンガー数 8 [本]R 0.6748 [Ω]CJ0 3.9561 [pF]Vf 1.1748 [V]

表 4.2 ダイオードパラメータ

図 4.7 フィルタ特性

図 4.6 マルチフィンガー構造(8finger)

41

λ/4 RLOAD C GaN SBD

VNA

高調波フィルタ

(調整用スタブ)

(-20dB)

(-20dB) (40dB)

(入力モニタ)

(DC 出力)

(プリント板)

4.4 レクテナ回路測定系 下図に、レクテナ回路の測定系を示す。(図 4.8)ベクトルネットワークアナライザ(V

NA)を信号源とし、そのポート 1 からの信号をアンプによって増幅しサーキュレーター

を通してレクテナ回路に入力します。また反射波をサーキュレーターで分離することで、

VNAのスミスチャートに反射信号を表示させる。よって、VNAからみたS21はレク

テナ回路のS11を示していることになる。この測定系を用いることによってリアルタイ

ムで、スミスチャートによって反射の確認ができるためインピーダンス整合が容易にでき

る。

図 4.8 レクテナ回路測定系

42

4.3 レクテナ測定 4.3.1 スタブ無調整レクテナ測定 図4.1で示すレクテナ回路の測定を図4.5で示した測定系で測定を行った。入力は0.25W,

負荷抵抗は20,30,40,50,60,70,80,90,100,150,200[Ω]でRF/DC変換効率,反射効率,ダイオード効

率の負荷抵抗依存性を測定した(図 4.9)またその時のレクテナ回路の S11(VNA からみて

S21)のスミスチャートを図 4.10 に示す。図 4.9 をみると反射効率の最小とダイオード効率の

ピークが一致していないことがわかる。よってダイオード効率の高い高抵抗で整合をとる

ことができれば、変換効率向上に繋がるはずであると考えた。

0%

50%

100%

10 100 1000R load (Ω)

EFFIC

IEN

CY

ダイオード効率

変換効率

反射効率

図 4.9 レクテナ効率負荷抵抗依存性(スタブ無調整)

図 4.10 レクテナ回路の S11(スタブ無調整)

-0.15

-0.1

-0.05

0

0.05

0.1

0.15

-0.15 -0.1 -0.05 0 0.05 0.1 0.15

R 大

43

4.3.2 スタブ調整後のレクテナ測定 (a) 負荷抵抗 150Ωでの整合 前節で説明した通り、反射効率の最小のピークとダイオード効率のピークが一致してい

ないことがわかる。よってダイオード効率の高い高抵抗で整合をとることができれば、変

換効率向上に繋がるはずである。よって負荷抵抗 150Ωで整合をとった。先ほどと同様に、

入力は0.25W,負荷抵抗は20,30,40,50,60,70,80,90,100,150,200[Ω]でRF/DC変換効率,反射効率,ダイオード効率の負荷抵抗依存性を測定した(図 4.10)またその時のレクテナ回路の

S11(VNA からみて S21)のスミスチャートを図 4.11 に示す。結果として 150Ωで反射電力が

ほぼゼロとなり、その分DC出力が増加していることがわかる。

0%

50%

100%

10 100 1000R load (Ω)

EFFIC

IEN

CY

変換効率

反射効率

マッチング回路なし

150Ω マッチング

図 4.11 レクテナ効率負荷抵抗依存性(150Ω整合)

-0.15

-0.1

-0.05

0

0.05

0.1

0.15

-0.2 -0.1 -0.1 0.0 0.1 0.1 0.2

R 大

図 4.12 レクテナ回路の S11(150Ω整合)

44

(b) 負荷抵抗 20Ωでの整合 次に、負荷抵抗が小さいところでも整合をとることが可能か調べる為に負荷抵抗を 20Ω

として実験を行った。先ほどと同様に、入力は 0.25W,負荷抵抗は 20Ωで整合を取り、抵抗

を20,30,40,50,60,70,80,90,100,150,200[Ω]と振りRF/DC変換効率,反射効率,ダイオード効率の

負荷抵抗依存性を測定した(図 4.13)またその時のレクテナ回路の S11(VNA からみて S21)のスミスチャートを図 4.14 に示す。結果として先ほどと同様に、20Ωで反射電力がほぼゼ

ロとなり、その分DC出力が増加していることがわかる。

図 4.14 レクテナ回路の S11(20Ω整合)

-0.15

-0.1

-0.05

0

0.05

0.1

0.15

-0.2 -0.1 -0.1 0.0 0.1 0.1 0.2

R 大

0%

50%

100%

10 100 1000R load (Ω)

EFFIC

IEN

CY

変換効率

反射効率

マッチング回路なし

20Ωマッチング

図 4.13 レクテナ効率負荷抵抗依存性(20Ω整合)

45

4.3.3 スタブ調整後のレクテナ測定のまとめ 先ほど、測定したデータのまとめとして図 4.15 に示す。また 40、60、80Ωでも同様に

整合をとり、DC 出力の測定を行ったところどの負荷抵抗でも反射をほぼゼロになり、DC出力が向上したことを確認できた。

0%

20%

40%

60%

80%

10 100 1000

R load (Ω)

EFFIC

IEN

CY

整合なし20Ωで整合150Ωで整合整合抵抗値

反射

DC出力

図 4.15 スタブ調整後のレクテナ測定のまとめ

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第5章 結論 本論文では、マイクロ波無線電力伝送用のレクテナ回路の性能向上について紹介してき

た。レクテナ回路の損失の大きな原因となる 2 つの要素、ダイオード抵抗での電力損失、

反射電力について研究を行った。ダイオード抵抗での電力損失については、ダイオード特

性をオン抵抗 Rs、オフ容量 Coff で表し、負荷抵抗を Rloadとして、ダイオードでの損失を

これらのパラメータと周波数 f で表す式を導いた。また、その妥当性を回路シミュレーシ

ョンの結果と比較した。その結果、ダイオードパラメータや設計周波数によっての損失の

増減の影響を明確にすることができ、最適なダイオード構造設計の指針が明示できた。

遠隔地等の電力伝送用受電回路については、高周波にするほどアンテナの大きさを小さ

く設計できる。今回の結果より、将来 2.45GHz より更に高周波での電力伝送を検討してい

るが、現在のダイオードでは、損失がまだまだ大きく、更なるダイオードの高性能化(ダ

イオード抵抗、静電容量を小さく)する必要がある。

また、レクテナで発生する反射の抑制については、レクテナ回路に高調波フィルタを挿

入することによって、ダイオード特性の非線形性のため発生する反射波を基本波のみとす

ることでき、通常のインピーダンス整合の原理で反射の抑制を行うことに成功し、DC 電力

の向上を確認できた。フィルタ特性としてはきれいな特性になるよう設計することは出来

無かったが、反射がほぼゼロ(10-5オーダー)のためほぼ高調波の影響が見えなくなってい

るので、そこまで問題視することはないといえる。問題であると考えられるのはダイオー

ドの耐圧である。今回使用したダイオード[1][2]はダイオードの耐圧を犠牲にして極力ダイオ

ードの時定数を下げたものなので、耐圧が低く(DC で約 30V)、2.45GHz の電力を入力さ

せたときダイオードにかかる電圧が 10V を超えたあたりからダイオードが壊れ測定不能と

なることが多発した。よって今回はダイオードにかかる電圧は 10Vを越えないあたりでの

測定しか出来なかった。それが、変換効率の大きな向上に繋がらなかった原因と考えられ

る。ダイオードの設計上、ON 抵抗の低減と高耐圧はトレードオフとなっている。遠隔地の

電力伝送の場合は入力が大きいためダイオードの立ち上がり電圧 Vfの損失への影響が小さ

い。またエナジーハーベスティングのような弱い入力を扱う場合には、Vfの影響が大きい。

よって用途によってダイオードの設計を使い分ける必要が出てくると考えられる。

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参考文献 [1] “ワイヤレス給電 2010 非接触充電と無線電力伝送のすべて”、日経エレクトロニクス [2] 高橋健介,”GaN ショットキーダイオードを用いたマイクロ波電力整流回路の研究”2010 年 3 月 [3] 原内健次,” オープンリング共振器無線接続と GaN SBD を用いたレクテナ回路による無線電

力伝送の研究”2012 年 3 月 [4] 竹内太郎, “金メッキプロセスを用いた GaN ショットキーダイオードに関する研究”2012 年 3 月 [5] 福居和人, “T 型アノード GaN ショットキーバリアダイオードの特性評価” 2012 年 3 月

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著者のこれまでの研究発表・成果 ・英語口頭発表 K.Hayashino, ,K.Harauchi, Y.Iwasaki, K Fukui, J. -P. Ao and Y.Ohno : Loss Mechanism Analysis in Rectenna Circuit with GaN Schottky Barrier Diode, IMWS-IWPT2012 2012 IEEE MTT-S International Microwave Workshop Series (IMWS) onInnovative Wireless Power Transmission: Technologies, Systems, and Applications IMWS-IWPT2012, Kyoto, May. 2012. ・日本語口頭発表 【第一著者】 林野 耕平 原内 健次 岩崎 裕一 福居和人 敖 金平 大野 泰夫: GaNショットキーダイオード

を用いたレクテナ回路の損失分析, 2012年電子情報通信学会 総合大会, 2012年3月.

林野 耕平 岩崎裕一 福居和人 敖金平 大野泰夫: マイクロ波電力伝送用レクテナ回路の比較,

2012 年電子情報通信学会 ソサイエティ大会, 2012 年 9 月. 林野 耕平 久米保奈美 福居和人 岩崎 裕一 敖 金平 大野 泰夫: 高調波遮断フィルタを用いた

GaN SBD レクテナ回路の反射抑制, 2013 年電子情報通信学会 総合大会, 2013 年 3 月

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謝辞 本研究を行うにあたって、終始、御指導、御助言をしていただきました、徳島大学ソシ オテクノサイエンス研究部先進物質材料部門 大野泰夫 教授に深く感謝いたします。本 研究室の指導教官として、様々な状況で大変お世話になりました。 本研究を行うにあたって、終始、御指導、御助言をしていただきました、徳島大学ソシ オテクノサイエンス研究部先進物質材料部門 敖金平 准教授に深く感謝いたします。本 研究の指導教官として、様々な状況化で大変お世話になりました。また、本研究において、 議論し合い、指導していただき、また研究以外の学業の方でもご指導していただきました。 心より感謝しております。 学内発表会等で有益なご助言とご指導をいただきました徳島大学ソシオテクノサイエン ス研究部先進物質材料部門 酒井士郎 教授に深く感謝したします。 学内発表会等で有益なご助言とご指導をいただきました徳島大学ソシオテクノサイエン ス研究部先進物質材料部門 永瀬雅夫 教授に深く感謝したします。 発表会、講義等で、有益なご助言とご指導をいただきました徳島大学ソシオテクノサイ エンス研究部先進物質材料部門 直井美貴 准教授に深く感謝いたします。 有益な議論をしてくださり、講義においてもご指導してくださった徳島大学ソシオテク ノサイエンス研究部先進物質材料部門 西野克志 准教授に深く感謝いたします。 実験回路の作製や回路作製においてご助言など、ご協力をいただきましたソシオテクノ サイエンス研究部.総合技術センター 技術職員 七條香緒莉 氏に深く感謝いたします。 装置運営やクリーンルームの運用などご協力いただきましたソシオテクノサイエンス研 究部総合技術センター 技術職員 東知里 氏に深く感謝いたします。 研究の環境を整えていただいたソシオテクノサイエンス研究部総合技術センター 桑原 明伸 氏、山中卓也 氏に深く感謝いたします。 本研究で使用した GaN ショットキーバリアダイオードの作製にご助力いただきました、 喬 健 氏に深く感謝いたします。 研究の基礎から教えていただきました、原内 健次氏に深く感謝いたします。 同じ研究グループとして、ダイオードの製作で協力していただいた、福居和人氏に感謝いたしま

す。 研究室生活や研究をバックアップしていただいた大野研究室のみなさまに深く感謝いたします。 本研究を進めるにあたって試料や知識を提供いただきました 株式会社パウデックに深 く感謝いたします。 本研究を進めるにあたって試料や知識を提供いただきました UD トラックス株式会社 に深く感謝いたします。 本研究を進めるにあたって試料や知識を提供いただきました 米空軍研究所(AOARD)に 深く感謝いたします。 本研究を進めるにあたって、デバイスのレーザーカットや、基板提供など、試料や知識 を提供いただきました 株式会社レーザーシステムに深く感謝いたします。 最後に、これまで温かく見守っていただいた両親ならびに家族に深く感謝いたします。