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勝ち組ＦＸ道場「初心者用テキスト」


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■著作権について

「勝ち組 FX道場テキスト」（以下テキストと表記）著作権に保護されている著作物です。テキストの使用に際し

て、以下の注意点にご注意ください。

■使用許諾契約書

この契約は、あなたと著作権者である春八木一本との契約です。パッケージを開封することをもって、あなた

はこの契約に同意したことになります。

■第 1 条

この契約書は、本テキストに含まれる情報を、本契約に基づきあなたが非独占的に使用する権利を許諾す

るものです。

■第 2 条

本テキストに含まれる情報は、著作権法によって保護され、また秘匿性の高い内容であることを踏まえ、春

八木一本との書面による事前許可を得ずして本テキストの一部、または全部を複製および、転載することを

一切禁じます。

コピー、ビデオや電子メディア、メール、メールマガジンなどでの複製、転載およびインターネット上で公開す

ることを禁じます。またオークションなどを含む転売することを禁じます。

■第 3 条

あなたがこの契約に違反した場合、春八木一本は何の通告もなく、この使用許諾契約を解約することができ

るものとします。

■第 4 条

あなたが本契約の規定に違反した場合、あなたは本契約の解除に関わらず、直ちに春八木一本に対して、

違反金として、違反件数と違反発見時のテキストの販売価格を乗じた 10 倍の金額を支払うものとします。上

記規定の禁止行為を発見された方は直ちにご連絡ください。ご連絡いただいた方にはお礼として、違反金の

半分を差し上げます。

連絡先 [email protected]

【免責事項】

本テキストは、著者の経験をまとめたものであり、すべての読者の利益を保証するものではありません。本テ

キストにより、いかなる損害が発生しましても一切の責任を負いません。全ては自己責任で行う事とします。


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目次

１はじめに ........................................................................................................................................... 5 ２基本編 .............................................................................................................................................. 6 （１）マインドセットと合理性 ............................................................................................................................................ 6 （２）マーケットに対する物の見方や考え方 ................................................................................................................... 10 （３）トレード手法の考え方 ........................................................................................................................................... 16

３実践編 ............................................................................................................................................ 26 （１）波動を使ったチャート分析 ..................................................................................................................................... 26 （２）ローソク足の相互の換算 ...................................................................................................................................... 34 （３）波動分析とローソク足の相互の換算の組み合わせ ............................................................................................... 36

４まとめ ............................................................................................................................................. 37


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１はじめに

このテキストは勝ち組ＦＸ道場の入門にあたり、ＦＸ初心者用に執筆したものです。

ただし、ＦＸのイロハまでを解説したものではありません。

例えば「Ｐｉｐｓとは？」「ロングとは？」「ショートとは？」などのことまでは解説していません。

こうしたことはグーグルやヤフーなどで調べることができます。

一方では、こうした基礎的なことについては出来るだけご自分で調べるクセを身に付けることをお勧め

します。どのような世界でも同じことですが、勝ち組と呼ばれる人たちは、最初は素人です。

ところが、自分で道を拓くフロンティアスピリッツがあったからこそ、勝ち組になれたのだと思います。

厳しい言い方になりますが、ご自分が努力しない限り、先は見えないものとお考えください。

さて、これから勝ち組になるまでの道のりは長く険しいものだと思います。

一方では、仕事をお持ちの方であれば急に仕事が忙しくなってしまったり、一方では不慮の事故や病

気になるなどして、勉強の時間が確保することができずに、受講計画通りに思うように進まない場合もあ

ると思います。

でも、たった一度だけの人生です。

これから勝ち組となって何年も何十年も稼ぎ続けることを考えれば、こうした苦難も一瞬のことだと思

います。また、「千里の道も一歩から」という格言のとおり、決してあきらめずに努力を続けてください。

そして、ささやかではあったとしても日々のご自分の成長を実感してください。

未来の成功した自分自身をイメージしてください。

そうすることで、きっとあなたの希望が実現されると思います。

さらに、道場に入門された方に対しては、私もサポーターも事務局も一丸となってサポートいたします

し、他の先輩の塾生たちも、あなたを大切に迎え、励ましながら、切磋琢磨して行くことになります。

つまり、あなたは道場の中では一人ぼっちではないのです。

ですから、全員で勝ち組を目指して頑張りましょう。


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２基本編

（１）マインドセットと合理性ここでは道場での勉強にあたり、あなたの気持ちの持ち方、モチベーションの維持の仕方、物事の合

理的な考え方などについて、とても重要な「マインドセット」と「合理性」についての解説をいたします。

① マインドセット

（ア）成長曲線の考え方

あなたが道場に入門しても直ちにＦＸが上達するわけではありません。もちろん、個人差はありま

すが、ある程度の期間の勉強が必要になります。

例えば、下図のような物事の成長に関する理論として、「成長曲線」の考え方があります。

（図１成長曲線）

先ず左図のような「理想の成長曲線」のように右肩上がりで物事が成長するというケースはほとん

どありません。もちろん、ある期間を局所的に観察した場合は、こうした右肩上がりになっているケー

スもありますが、大局的かつ全体的に見た場合はこうしたケースは考え難いと思います。

この場合、一般的には、右図のような「実際の成長曲線」のように、ＡやＣのような理想の成長曲線

を上回る成長の時期や、ＢやＤのような成長が鈍化する時期が見られます。例えば、Ａの時期では最

初の頃なので誰でも頑張って成長しますが、Ｂの時期では中だるみや油断などによって成長が鈍化

してしまうことが多いということです。

さらによくありがちなのが、Ａの時期で頑張っても、Ｂの時期では結果が出ないということで、物事を


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あきらめてしまうことです。

ＦＸに限らず、物事は常に順調に進まないということの方が当たり前です。また、こうしたサイクル

的かつバイオリズム的なことは誰でも自然に起きることなのです。したがって、こうしたことに一喜一

憂するよりも、最も大切なことは勝ち組になるという強い意思と目標を持ちながら努力を続けるという

ことが必要だということです。

（イ）ティッピングポイントの出現

先ほどの成長曲線の考え方とはやや異なりますが、物事の成長過程では成長そのものが急加速

する「ティッピングポイント」が出現するケースがあります。

（図２ティッピングポイント）

先ず左図の「理想の成長曲線」のように右肩上がりで物事が成長するというケースは、図１で解説

したとおり、ほとんどあり得ません。

ところが、実際の成長過程では右図のように成長が急加速する局面があります。

こうした局面が「ティッピングポイント」です。

例えば、製造業のように初期投資として多額の設備投資をする場合は、最初の頃は設備の稼働

だけで精一杯ですが、設備が順調に稼働することで、ある時点から事業の成長が急加速する局面が

見られます。サービス業なども同じで、店舗を借りて、従業員を雇い、広告を出して集客すると最初の

うちは経費がかさみますが、目に見える形で利益が現れるのはオープンから数か月先になります。

別の見方をすれば、重たい石を転がす場合は最初の頃は大変ですが、一度転がりだすと急加速


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することと全く同じイメージです。

こうしたことはＦＸの場合も同じです。

ＦＸの一般理論を理解していない方がいきなりトレードをして利益を出すことは無理なので、すぐに

結果が出ることはほとんどないと考えた方が良いと思います。例えば、最初の数か月間は勉強を続

けていても自分が成長した実感が持てないように思えますが、あなたは確実にチャートの見方が変

わっているはずです。またデモトレードを始めてなかなか結果が出なかったとしても、丹念に粘り強く

分析や検証を繰り返すことで、自分自身の欠点が分かり、そうしたことを一つずつ克服することが大

切です。

そうしたときに、過去の自分の姿を振り返ってください。必ず、成長した現在の自分があります。そ

うした局面が「ティッピングポイント」が出現したときだとお考えください。こうした「ティッピングポイン

ト」は、単に一回だけ出現すると考えられがちですが、そのように限定的に考える必要はなく、「ティッ

ピングポイント」の大小はありますが、何度も出現するはずだと考えて良いと思います。

ただし、こうした「ティッピングポイント」が出現する機会は誰でも平等に与えられていますが、相当

程度の努力の裏付けがないと出現することは絶対にありません。

つまり、楽をして儲けようと考える人の前には「ティッピングポイント」は出現しないということです。

したがって、いずれかの機会に訪れるはずの「ティッピングポイント」を待ちながら不断の努力を続

けるという姿勢が必要になるわけです。

② 合理性

トレードをするときの重要な考え方は合理的な考え方を持ち続けるということです。

この場合、別の見方をすれば、いかに「機械的なトレード」を繰り返して実践出来るのかという

ことですが、私たちが人間である限り常に外的な要因（喜怒哀楽などの感情）に影響を受けて

いるので、こうした影響を完全に断ち切ることは出来ません。ところが、こうした影響を最小限

に止めることは可能です。そこで、次からは、こうした外的な要因に影響を受けないための「合理性」の考え方につい

て解説したいと思います。ところで、あなたの学生時代の成績はいかがだったでしょうか？また学生時代に勉強したこ

とは社会に出てから役に立っているでしょうか？かなり唐突な質問だと思いますが、世間一般で「この人は頭が良い」とか「頭の回転が速

い」と言われる人には、実はある特徴があります。それは物事を理論的に考えることが得意で

あるということです。そこで、次に簡単な例を用いて解説してみましょう。


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（図３事例）

上図の三角形はどのようにしたら正方形になると思いますか？答えは下図のとおりです。

一見して、当たり前のようですが、この場合に言えることは、「二辺の長さが同じである直角三角形を２つ

合わせれば正方形になる」ということです。ところがより重要なことは別にあります。

それは、Ａの三角形からＣの正方形を導き出すために、Ｂの三角形がどのような役割を持っているのか？

ということです。つまり、Ｂの三角形が持つ意味に気が付かない限り、上述の「二辺の長さが同じである直角

三角形を２つ合わせれば正方形になる」という法則性が導き出せないということです。

実は、世間一般で「頭が良い」とか「頭の回転が速い」と言われる人は、こうした法則性（理論的な

思考）を理解することが早いということなのです。別の見方をすれば、たったこれだけの違いです。この場合の法則性の考え方は理論的な思考に基づかない限りは、絶対にたどり着くことはできま

せん。また理論的な考え方の反対は「へ理屈」や「感情的」などということですから、喜怒哀楽などの

感情に左右される状況下では、こうした理論的な考え方＝合理性の考え方を持つことは困難です。とても当たり前のように思えることですが、多くの方はトレードをする場合に、こうした合理性の考え

方とは無縁の行動（例えば神頼みなど）を取ることが多いように思います。したがって、こうした合理性の考え方に基づいたトレードが出来るよう、今後の道場の勉強の中でし

っかりと身に付けていただきたいと思います。


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（２）マーケットに対する物の見方や考え方ここではマーケットの値動きやマーケットにおける基本的な物の見方や考え方などについて解説いた

します。

① ＦＸの科学性

マーケットの値動きやマーケットにおける基本的な物の見方や考え方を解説するのにあたり、先ずは

最も基本的でかつ重要なことについて解説したいと思います。

すでに、あなたはお気づきかも知れませんが、日本の場合、義務教育や高校などにおける教育課程

においては投資教育というものがありません。こうした理由は、日本では未だに汗水たらして得た労働対価を美徳とする思想が根強いために、お金

を稼ぐとかお金を儲けるという考え方が蔑視される傾向があるからだと思います。また、こうした思想的

な背景が投資教育を根付かせない理由の一つではないかと思います。この場合、多くの日本人はそもそも学校において投資の理論や科学的な考え方を学ぶ機会がないわ

けですから、ＦＸそのものが理論的でかつ科学的な解明が可能であるのにも関わらず、不可思議なもの、

つまり、ＦＸは非理論的でかつ科学性を持たないものとして、単なるギャンブルであるなどと片づけてしま

ったとしても何ら不思議なことではないと思います。ここで、あなたが入会審査書の中でＦＸの科学性やギャンブル性を記載したことを思い出してください。

その時にどのように感じたのでしょうか？この場合、多くの方がＦＸはギャンブル性を持つものであると考

えていたようです。ところが、そうしたことは、単にＦＸの基本理論を知らないということや科学的な見方が出来ていないと

いうだけのことです。実はＦＸというのは一般理論が通用する科学的な分野に属するものなのです。また、その場合は今後の道場の勉強において習得すれば良いだけのことです。したがって、先ずはＦＸが理論的でかつ科学性を持ったものであるということを、十分に踏まえて今後

の勉強に取り組んでいただきたいと思います。

② トレーダーの合理的な行動

プロのトレーダーは合理的な行動をすることが一般的です。この場合、ある通貨ペアが上昇トレン

ドであってかつサポートやレジスタンスが明確であれば、サポートを割れたあたりにストップをおいて

買いを入れレジスタンスの手前で利食いをします（下降トレンドの場合はこの反対になります）。

したがって、アマチュアトレーダーのような値ごろ感の売買をすることは一切ありません。


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（図４ドル円：日足）

上図の中で、あるトレーダーがＡのポイントで買ったとし、別のトレーダーはＢのポイントで売ったとします。

この場合、Ａのポイントで買ったトレーダーの考え方は「他の多くのトレーダーも上昇すると考えるであろう＝

だから追随した買いが入るのではないか？」と考えているので、いち早く有利なポイントで買うことになり、そ

の結果としてレートが押し上げられることになります。またＢのポイントで売る場合の考え方も同じです。

つまり、こうした他の多くのトレーダーが追随するという行動が見込めない限りは、安易にトレードをすると

いうことはないのです。こうしたトレードの根拠になるものは、テクニカルやファンダメンタルなどの分析結果に

基づきますが、例えば、ファンドなどに所属するプロのトレーダーは顧客の資金を預かって運用することから

説明責任があるので、顧客（第三者）に対して合理的な説明のできないトレードをすることはあり得ません。

したがって、これまでのあなたのトレードが値ごろ感によるものであったり、上がったら買いや下がったら売

りなどという程度のトレードでは、マーケットで勝ち続けることがいかに難しいことであるのかということがお分

かりいただけると思います。


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③ マーケットの値動きやレート（価格）の決まり方

一般書籍やＦＸ関連のサイトにおいては、マーケットの値動きやレートを決めるのは通貨の需給関

係に基づいて決まるなどという一般的な解説がありますが、こうした解説はあまりにも抽象的過ぎるの

で、実際のトレードの際にはあまり役に立ちません。

この場合、たしかに最終的には需給関係に基づく動きをしますが、大切なことは実際の値動きやレ

ートを決めるのは、あくまでもマーケットに参加している各トレーダーの思惑に基づく結果なのです。

一般的にトレードで収益を上げるためには、トレンドが発生するような動きがないと収益が上がりま

せん。先ほどの②でも解説しましたが、ある特定のポイントで買うという行動をするトレーダーの考え方

は「他の多くのトレーダーも上昇すると考えるであろう＝だから追随した買いが入るのではないか？」と

考えているので、いち早く有利なポイントで買うことを考えています。その場合の重要な着眼点は、上

がるのか？下がるのか？という動きやすい方向＝利益が得られる方向はどちらなのかということで

す。

また、そうしたときのファンダメンタル的な理由は何でも良いと考える傾向があります。例えばテクニ

カル的に見て上がりそうであればファンダメンタルを上がるための理由として用いますし、下がりそうで

あれば下がるための理由として用いるわけです。

例えば、２０１０年初頭から、ユーロ圏のＰＩＧＳ諸国などのソブリンリスクがファンダメンタルとして着

目された結果、同年の６月まで、ユーロドルが暴落しましたが、このときに毎日のように注目されたの

が、ドイツとＰＩＧＳ諸国との１０年国債の利回り格差です。この利回り格差とは、ドイツは健全でかつ安

全な国とみなされるために低金利で国債を発行しても資金は集まりますが、ＰＩＧＳ諸国は財政危機に

直面しているのでドイツよりも高い金利を支払わないと国債を買い受けてもらえないということを意味し

ます（破たんすると国債が紙切れになる）。つまり、ドイツ国債とＰＩＧＳ諸国の国債の利率を同じ程度に

した場合はＰＩＧＳ諸国の国債に対し買い手が付かないということなのです。

ところが、同年の９月からはアメリカの追加金融緩和の動きが見込まれると、一転してドル売りとなり、

その結果としてユーロドルが上昇しています。ところが、実はユーロドルが上昇している途上であっても、

先ほどのドイツとＰＩＧＳ諸国との国債の利回り格差はさらに広がっていましたが、マーケットは完全に

無視していたのです。実はこうしたマーケットの見方は日常茶飯事だと思います。

こうしたことは何を意味するのかというと、マーケットのトレーダーにとっては、動きやすい方向は上

か？下か？ということが最も重要であって、上述のようなファンダメンタルは如何ようにも解釈してしま

うということなのです。つまり、マーケットはご都合主義ということなのです。

したがって、こうしたトレーダーの投資行動を正確にかつ心理的な側面からも理解することが必要だ

ということになります。


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④ アナリストや第三者の意見は全くあてにならない

現在はＦＸに限らず、様々な情報が入れ乱れています。特にいろいろなアナリストやアマチュアのブ

ロガーなどが様々な情報を流していますが、これほど役に立たないものはありません。

例えば、有名なテクニカルアナリストのＷさんなどは、２００９年の終わりごろに、ドル円は次の年の２

月までに１０５円まで上昇すると明言していましたが、実際には１００円までにも届いていません。こうし

た予想が外れた場合の彼らの言い訳は口を揃えたように「予測とは異なる事態が生じたため」というも

のです。

こうしたアナリストの特徴としては、中長期的な相場の見通しは得意なのですが、目先の動きは苦手

です。それは、なぜかというと中長期的な相場見通しの方が作りやすいからです。

この場合、上述のように相場の見通しが大きく外れると「ここまでアメリカの経済が落ち込むとは予想

外だった…」とか「ギリシャショックがアメリカ経済に影響を与えた…」などの言い訳を考えます。

実は、予想をする時点で、相場の見通しが当たる場合と外れる場合に備えて、あらかじめ二通りの

予想を考えているのです。そして、予想が外れたとしても半年先であればいろいろなことが起きるので

言い訳の材料が作りやすいのです。

こうしたアナリストの予想に対しては、現場のトレーダーはなかなか冷めたものです。

例えば、予想を大きく外した場合は「彼らの仕事がまたひとつ増えて（言い訳を考えるための仕事）

良かったのではないか…」という程度です。

これに対してアナリストが目先の動きが苦手というのは、単純なことですが、彼らはトレーダーではな

いのでマーケットの値動きのことが理解できないのです。

つまり、目先の動きに対応できるのはチャートの動きを理解しているトレーダーでしか分からないと

言うことなのです。

こうして考えるとアナリストの意見や予想というものほど、役に立たないものはないと思います。

一方では、カリスマブロガーと呼ばれるアマチュアたちがいますが、ハッキリ言えることは先ほどのア

ナリストよりも性質が悪いと思います。これは自分のブログやメルマガなどを通じてＦＸ関連の情報商材

の販売や口座開設の申し込みをさせること＝アフィリエイトをすることが目的であって、彼らの予想など

というものは全く役に立たないとお考えください。

結局のところは、こうした第三者の意見ほど無責任なものはありませんし、こうした意見を過信すると

いうことは、言い換えれば自分の意見が持てずに他人の意見を頼っているということですから、もはや

自己責任を放棄していることと同じであって、投資をする資格はないものとお考えください。

結局、最も大切なことは、あなたの目の前にあるチャートをきちんと分析して自分なりの理論的な予

測を導き出すことです。

したがって、先ずは、自分自身のきちんとした意見や考え方を持つことが重要なことであるとお考えく

ださい。


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⑤ テクニカルツールの信頼性とは何か

最近はいろいろなテクニカルツールが出回っていますが、まるでテクニカルツールが全盛期のような

状況です。こうしたテクニカルツールはバックテストを繰り返すことによって検証し、高い実績が得られ

ると信頼性が高いとされています。

この場合に、特に重要視されることは売買サインの信頼性です。こうしたサインは単一のものよりも

複数のものを設定し、さらにサインをフィルタリングするという手法を採用するケースが多いと思います。

例えば、トレンドフォロー系（順張り型）、オシレーター系（逆張り）、レスポンス系（感応度）などのテクニ

カルツールを組み合わせながら、サインの有効性をふるいにかけるということです。

こうしたサインの有効性を何度も検証した結果、高い実績が得られた場合に、信頼性が高いものとし

て実際のトレードに利用するということになります。

ところが、こうした場合に陥りやすいのが、テクニカルツールのサインのみに頼ったトレードをしてしま

うということです。

そもそも、テクニカルツールの特性とは、過去の傾向に対し、これから起こり得る「可能性」を

提示しているだけに過ぎません。つまり、テクニカルツールのサインのみに頼るトレードというの

は、こうした「可能性」だけを重視しているわけなので、本当にそうした「可能性」が信頼できるも

のかどうかをきちんと見極める必要があります。

さらに、より根本的かつ重要な考え方ですが、こうしたテクニカルツールがいくらバックテストを繰り返

して検証し高い実績が得られたとしても、マーケットの大勢がそうしたテクニカルツールを使わない限り

信頼性が高いとは言えないということです。

つまり、世界中のトレーダーが全く同じテクニカルツールを使っているのであれば、当然に信頼性は

高くなりますが、実際には千差万別なテクニカルツールを使っているということです。

こうした見方をした場合、果たして、どのようなテクニカルツールを用いれば良いのかという考

え方が重要になります。この場合、物事の進化は「基本から応用」へと進みながらも、常に基本

を意識した進化を続けようとします。例えば、自動車という乗り物の進化を考えると、最初は「速

く、遠くへ移動する」という点が重視されましたが、その後の進化の過程で「車内空間の快適さ」

や「燃費の向上」などの点が付け加えられています。ところが、こうした進化の過程においては、

いつの時代でも基本は「速く、遠くへ移動する」ということです。つまり、進化を続けていても、常

に基本は「古典的」なものであるということです。

こうした考え方はＦＸの場合も同じです。やはり、常に基本は「古典的」なものであるということ

です。つまり、世間で流行のテクニカルツールを使うよりも基本的でかつ古典的なものを活用す

るという考え方が重要だと思います。

なお、こうした考え方はトレード手法でも同じことですが、この点については後述したいと思います。


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⑥ 負けないトレードの考え方みなさんがたくさんの勉強やデモトレードをして経験を積んだとしても、それのみを持って直ち

にリアルトレードで勝ち続けることは無理であると考えた方が良いと思います。スポーツの試合であれば自分のレベルに応じた相手とゲームをすることが出来ます。例えば、

Ｊリーグであれば、Ｊ１のチームはＪ１の中だけで、Ｊ２のチームはＪ２の中だけで試合をします（天

皇杯や一部のカップ戦とかは別ですが）。まさか、小学生のチームがＪ１のチームと公式に試合

することはあり得ないと思います。

ところが、ＦＸの世界ではこうしたまさかのことが当たり前に起こるわけです。とりあえず口座を開設して資金があればトレードができますから、いきなりプロと対戦するわけ

です。つまり、相場を動かすプロを相手にして簡単に勝てるわけがないのです。

こうして考えると先行きが暗くなるようですが、別の見方もできます。簡単なことですが、「相場から退場しないこと」によって相場にとどまることが出来ます。

「負けないまたは負け続けない」

「相場から退場しない」

「相場に長くとどまる」

「トレード機会がさらに増える」

「負けることもあるが勝つことも増えて来る」

「さらに勝ちトレードが増えて来る。」

この時点に来てから始めて初心者とか初級者とかの立場から抜け出すことができることにな

るわけです。

例えば、哺乳類以外の生物は一部を除いて誕生と同時に常に外敵に襲われる危険にさらさ

れます。そして、繁殖可能な青年期に成長して、やっと外敵から身を守る術を身に付けるわけで

すが、正にこれと同じことです。

初心者の場合は、勝ちトレードが増えてくるまではとにかく自分で身を守って逃げ続けることな

のです。したがって、先ずは「負けないまたは負け続けないこと」「相場から退場しないこと」「勝ち

が増えてくるまでは自分で身を守る」ことを絶対的な心構えにして欲しいと思います。


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（３）トレード手法の考え方 ① トレードスタイルや通貨ペアに関わらず全く同じ手法が使えること

最近、デイトレやスキャルピングに特化した手法とか、スイングに特化した手法という「謳い文句」を

目にしますが、こうした考え方は根本的に間違っています。本来、トレード手法というのは、不変的な

概念のもとで、デイトレ、スキャルピング、スイングに関わらず、どのようなトレードスタイルにも適応で

きなければなりません。極端に言えば、月足でも１分足でも、同じ手法が使えるべきであって、こうし

た考え方を持たない手法は、ハッキリ言って手法と呼べるシロモノではありません。

（図５ポンド円：月足、４時間足、１５分足）

上図は、左からポンド円の月足、４時間足、１５分足ですが、どの時間足も同じような動きをしてい

ます。ここでお考えいただきたいのが、どの時間足でも同じような動きをするのであれば、デイトレ、ス

キャルピング、スイングに関わらず、単一の手法が使えるということです。なぜならば、小さい時間足

と大きい時間足の関係から見ると、小さい時間足というのは大きい時間足を分解したものでしかない

からです。別の見方をすると人間の大人と子供は身体の大きさが違う程度であって、基本的な身体構造は著

しく変わらないことと同じです。こうした考え方は、通貨ペアごとの違いという観点で見た場合、通貨ペアに関わらず全く同じ手法

が使えるという点にも応用することができます。


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（図６５分足：ユーロ円、ポンド円、ドル円）

上図は、全て同じ時間帯の５分足で、左からユーロ円、ドル円、ポンド円です。一般的に、ドル円は値動きが大人しいので初級者向け、ポンド円は値動きが激しいので上級者向

け、ユーロ円はその中間で中級者向けとされています。でも、本当にそうだと思いますか？三枚のチャートはいずれも上昇トレンドですが、押し目買いをするとしたら、同じようなポイントにな

ります。つまり、エントリー、利食い、損切りのポイントさえ間違わなければ、いずれの通貨ペアでも特

に問題なくトレードが出来るわけです。この場合、各通貨ペアの違いは値幅だけです。特にポンド円などはとても激しく、目茶苦茶な動き

をすると思われがちですが、これは大きな間違いです。もし、あなたがそのように感じるのであれば、

あなたのトレード手法が根本的に間違っています。冷静になってチャートを分析すれば分かることで

すが、他の通貨ペアも同じような動きをしています。これはクロス円だけのことではありません。私の場合、ふだんのデイトレ・スキャルはポンド円なのですが、特に、道場に入門された方は、ふつ

うにポンド円を使って利益を出されている方が多いです。大切なのは通貨ペアの選択ではなく、エント

リー、利食い、損切りなどのポイントを正確に見極めることなのです。そのためにはきちんとしたチャートの分析力を身に付けることの方が重要です。


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② トレードの難易度一般的に、トレードの難易度を考えると、スイングトレードは最も易しく、デイトレ→スキャル

と時間足を短くするほどトレードの難易度は上がって行きます。

これは大きい時間足ほど現在のトレンドが分かりやすく、小さい時間足ほど現在のトレンド

が分かりにくくなるからです。

（図７ドル円：５分足）

上図は、ある時期のドル円の５分足です。このチャートは概ね１８時間分の期間の表示です

が、このチャートを見てドル円の次の動きを正確に予測することが出来るでしょうか？これだけ

で見ると何となく再び上昇しそうな感じです。ダウ理論的に考えれば、直近安値と直近高値を切り上

げる限り、上昇トレンドは継続するので、とりあえずは押し目買いかも知れません。でも、これだけで

は不十分です。こうした小さな時間足の値動きを予測するためには、大きな時間足の動きを分析しなければ「木を

見て森を見ず」になるだけです。もし現在値が週足や日足のレジスタンス付近にあったとしたら、これ

以上の上昇は期待できません。つまり、過去の一連の流れを把握しないと次の動きが分からないと

いうことです。最近は、初心者でも使えるなどの謳い文句で、５分足や１分足などの小さな時間足を使ったスキャ

ルピングの情報商材が流行っているようです。ところが、スキャルピングの場合は、上述のとおり大きな時間足の動きを分析しなければ「木を見

て森を見ず」になるだけですし、そもそも初心者がトレード中に大きな時間足を同時に分析するような


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高度なテクニックを使いこなすこと自体に無理があると思います。たしかに、スキャルピングであれば、一見してチャンスが多く短時間に大きな収益を上げることが

可能とされています。ところが、チャンスが多いということはその分だけリスクも多いということです。さ

らに短時間に大きな収益を上げる可能性があるということは、短時間に大きな損失を出す可能性が

あるということです。したがって、初心者がスキャルピングによって大きな収益を上げようとすることは、単なる幻想でし

かないのです。（図８ドル円：週足）

上図は、先ほどご覧になったドル円の５分足と全く同じ時期の週足です。表示している期間

は２００２年６月から２０１０年１０月までですが、ドル円の長期的な下降トレンドが一目瞭然だ

と思います。

つまり、トレードのメインの時間足を５分足→６０分足→４時間足→日足→週足→月足とい

うように時間足を拡大することで、チャート上でトレンドの全体像を比較的容易に掴めることが

出来るというわけです。

例えば、見知らぬ街に一人でいると周囲の状況が分かりませんが、高い場所から全体を見

渡せば周りが分かるようになることと同じです。大きな視野で物事を見た方が分かりやすいと

いうことです。繰り返しになりますが、初心者がスキャルピングによって大きな収益を上げようとす

ることは、単なる幻想でしかないのです。

したがって、初心者にとって先ず重要なことは、大きな時間足から順を追ってチャートの分析を進

めたうえで、しだいに小さな時間足に移行したトレードを行うべきだと思います。


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③ トレードスタイルの選択と通貨ペアの複合的な運用道場に入門する際は入会審査書を提出していただくことになりますが、この入会審査書は私が審

査してコメントを付して合否を判定しています。この場合、よく見受けられることなのですが、これから

塾生になろうとする方がやや勘違いされているのではないかと思うことがあります。（ア）サラリーマンや自営業者で毎日のトレード時間が２～３時間しかとれないのにも関わらず、

今の仕事を続けながらデイトレ・スキャルで１日に１００Ｐｉｐｓを得たいというケース。 →現実的に考えた場合、トレードの時間帯（２～３時間）に１００Ｐｉｐｓ以上の値幅がないと不

可能です。

（イ）子育て中の主婦で、どうしても頑張ってデイトレ・スキャルで１日に１００Ｐｉｐｓをとりたいという

ケース。 →安定して収益を上げているのであれば良いのですが、負けが続くとどうしても表情や態度

に出てしまいます。子どもにとってのお母さんはいつでも優しく、明るく、そして甘えたいもの

です。

（ウ）ビビリ病やポジポジ病があるが、絶対に克服してデイトレ・スキャルで１日に１００Ｐｉｐｓを得

たいというケース。 →ビビリ病やポジポジ病は治すことはできますが時間がかかります。また病気が治らないう

ちは絶対にトレードしてはいけません。なぜならば病気をよけいに悪化させるからです。

こうした方にはスイングトレードを勧めるケースがあります。

道場の卒業時の目標としては、デイトレ・スキャルで１日に１００Ｐｉｐｓ以上、スイングでは１ヶ月に

１０００Ｐｉｐｓ以上としていますが、仮にスイングに特化して１ヶ月の目標値を１０００→２０００Ｐｉｐｓ以

上とかに変更しても何ら構いません。また、スイングや６０分足デイトレのテキストでも紹介していますが、複数の通貨ペアを複合的に

運用（単一の通貨ペアで１００Ｐｉｐｓや１０００Ｐｉｐｓの収益を上げるという考え方ではなく、複数の通

貨ペアの利益を合わせて１００Ｐｉｐｓや１０００Ｐｉｐｓの収益を上げるという考え方）すればよいだけの

で、例えば、ドル円だけとかポンド円だけとかのように、トレードに使う通貨ペアを特定する必要は

ありません。この場合に大切なことはご自分のライフスタイルと合わせたトレードスタイルを選択することが重

要です。したがって、ほんの少しだけ考え方を変えるだけで、道場の卒業時の目標は比較的容易に達成

することができるということです。


21

④ 押し目買いや戻り売りの重要性とトレンド転換の考え方ダウ理論の六つの基本法則のうちの一つに「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続

する」という考え方があります。こうした考え方の意味ですが、現在のトレンドは、明確にトレンドの転

換サインが現れるまで継続し続けるというものです。したがって、トレンドに従った売買（順張り）に

よって多くの投資家は利益を得るのであり、トレンドに逆らった売買（逆張り）で利益を得るのは

難しいものとされています。

この部分は、ダウ理論の最も重要でかつ核心的な部分だと思います。また、トレンドの継続性

は統計学的にも実証可能ですし、多くの投資家に支持されている部分だと思います。

こうしたダウ理論の考え方に基づき、後世のテクニカル分析の基本的な理論として、押し目買

いや戻り売りをするときに「直近高値と安値を切り上げる限り→上昇トレンドの継続」「直近高値

と安値を切り下げる限り→下降トレンドの継続」「直近高値や安値を超えたポイントにストップをお

く」などの考え方として応用されたものと考えられています。

（図９ユーロポンド：４時間足）

上図を例にした場合、赤と青のスマイルマークの位置関係を見ると下降トレンドなので売りトレードにな

ります。そこで、赤１からエントリーする場合は、赤１での戻り売りとなり、ストップを直近高値の赤スマイルマーク

を超えたところとし、直近安値の青スマイルマークを割れた赤２で利食います。赤３でエントリーする場合も

同様に直近高値と直近安値を切り下げる限りは戻り売りのトレードを続けます。その後、緑スマイルマークが直近高値の赤３を超えたので、この時点でトレンドが上昇に転換です。そこで、青５からエントリーする場合は、青５での押し目買いとなり、ストップを直近安値の赤４を割れたと

ころとし、直近高値の緑スマイルマークを超えた青６で利食います。青７でエントリーする場合も同様に直


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近高値と直近安値を切り上げる限りは押し目買いのトレードを続けます。その後、赤すまし顔のマークが直近安値の青７を割れたので、この時点でトレンドが下降に転換です。そこで、赤９からエントリーする場合は、赤９での戻り売りとなり、ストップを直近高値の青８を超えたとこ

ろとし、直近安値の赤すまし顔のマークを割れた赤１０で利食います。その後も同様に直近高値と直近安

値を切り下げる限りは戻り売りのトレードを続けます。この場合のストップの置き方ですが、エントリー値から２０～３０Ｐｉｐｓ程度離したポイントに置くなどという

考え方が、なぜか一般的に解釈されているようです。ところが、ダウ理論的に考えた場合、上昇トレンドを例にすると、直近安値を割れるというトレンドの転換

サインが発生しない限りトレンドが継続するわけですから、ストップの位置はあくまでも直近安値を割れた

ポイントに置くべきです。仮に、ストップが遠いと感じた場合は、エントリー後に適宜ストップをトレールすれ

ば良いだけです。したがって、エントリー値から画一的に２０～３０Ｐｉｐｓ離したポイントにストップを置くとい

う考え方は何の根拠もないとお考えください。以上が、押し目買いや戻り売りとトレンド転換の考え方になります。私のトレードの基本的な考え方もダウ理論に基づくものなので、やはりトレードの基本は「押し目買い」

か「戻り売り」になります。こうした「押し目買い」や「戻り売り」には、実はもう一つ重要な意味があります。やはり、ダウ理論の六つの基本法則のうちの一つに「平均はすべての事象を織り込む」という考え方が

あります。これは、経済指標・大事件・災害のような突発的でかつ予測不可能なことであっても、こうしたあ

らゆる出来事は、結局は全てマーケットに織り込まれてしまうということです。つまり、マーケットで取

引される「市場価格」はあらゆるファンダメンタルが反映された結果で成り立つという法則です。

こうした理論は、先ほどの図のトレンドが転換したポイントでの出来事を指します。なぜならば、ト

レンドを転換させるだけの「事象」が発生しているわけですから、マーケットがこうした「事象」を織り

込もうとする動きを見せたということになるわけです。したがって、こうしたトレンド転換を見極めたう

えでの「押し目買い」や「戻り売り」のトレード戦略が重要とされるわけです。

ただし、こうしたダウ理論に基づくトレードであったとしても、実際のトレードでは、例えば「波動」「サポー

ト・レジスタンス」「時間足の相関関係」などの考え方を複合的に組合せながら、やや複雑に活用していま

す。詳細については、これからの勉強を進めながら習得していただきたいと思います。


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⑤ 大切なことはエントリーよりも目標値を重視すること一般的に、小さい時間足を使ったスキャルピングのようなトレードは、エントリーを重視し、目標値

は二の次とする傾向があります。スキャルピングの場合は数Ｐｉｐｓの小さな利益を積み重ねるという

手法ですから、一見すると正しく思われがちですが、こうした考え方は誤解ではないかと思います。そこで、先ずは必ず覚えていただきたい大局的な考え方について解説したいと思います。ＦＸとはやや離れますが、あなたが旅行をする場合の例え話しを用いて解説したいと思います。仮に、あなたが見知らぬ街を旅行したとして、タクシー乗り場にいたとします。しばらくするとタクシ

ーが来たので乗り込みました。これはＦＸで言うところのエントリーになります。そうすると、運転手さんは「どちらまでですか？」と聞きます。そしてあなたは「○○まで」と答えると

思います。この「○○まで」がＦＸで言うところの目標値になります。この場合、もう一つの大切なことがあります。それは、あなたの所持金です。これから５ｋｍ先まで

行くのに、１０００円しか持っていないとしたら心もとないと思います。せいぜい３～４ｋｍくらいまでし

か行けないはずです。やはり５０００円くらいは持っておきたいところです。この所持金とはＦＸで言うと

ころのストップです。つまりみなさんが旅行をするときに「○○まで」というハッキリした目的地と適正な所持金があれば、

とりあえずは計画どおりに旅行が進むはずです。見方を変えると目的地もなく所持金もないのなら旅

行をすべきではないと言うことなのです。こうした一連の行動をＦＸに例えると、５０Ｐｉｐｓの目標値に対して１００Ｐｉｐｓのストップ幅（直近高値

とか直近安値）であった場合は、エントリーしてはいけないということです。つまりリスクリワードの関

係です。また目標値があって、ストップが適正であって、はじめてトレードができるという状態になると

いうことです。それでは、エントリーは？というと、先ほどのタクシーに乗るだけなので、いちばん最後に考えれば

良いだけです。ここで、話をＦＸに戻して重要なことを整理したいと思います。

（ア）トレードの際は、先ずは目標値をどこに置くのかという視点を身に付けてください。（イ）そのためには、波動や、それに基づくサポートやレジスタンス、チャートパターンをしっかり分

析して現状を把握してください。（ウ）それから、しっかりとしたシナリオを立てることをマスターしてください。（エ）エントリーは最後に考えれば良いことです。また多少のエントリーポイントのズレは気にしない

でください。後々に修正していけば良いだけです。以上の点を踏まえて、目標値を重視したトレードの考え方を身に付けていただきたいと思います。


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⑥ ダンゴ３兄弟の考え方スポーツで実績を上げている選手は小手先のテクニックだけではなく、スポーツそのものの基本理論

を習熟しています。また、こうしたスポーツ理論のメカニズムはすでに科学的な研究が進んでいるので、

科学に基づかない考え方（一昔前の根性論など）は試合では通用し難いと考えられています。こうした考え方はＦＸにおいても全く同じことです。つまりマーケットにおける値動きや価格を決定する

メカニズムについても、現代では様々な理論が提唱されています。また各々の理論の優劣の差はあっ

たとしても、きちんとした理論に基づく科学的な解明が可能であると思います。この場合、ＦＸの初心者は、一見して相場にギャンブル性があるように考える方が多いと思いますが、

そうしたことは、単にＦＸの基本理論を知らないということや科学的な見方が出来ていないというだけのこ

とです。またＦＸというのは一般理論が通用する科学的な分野に属するものです。こうしたことを踏まえて下図をごらんください。そもそも、この単元のタイトルが「ダンゴ３兄弟の考え

方」というＦＸに似つかわしくない変なタイトルで恐縮ですが、実は、下図が私自身のトレード理論をイメ

ージ化したものなのです。

（図１０トレード理論のイメージ）

上図のイメージは、「ダウ理論」「サポート・レジンタス」「時間足の相関関係」という３つの基本的な考

え方に対し、「波動（値幅、時間）」の理論で貫いているというものです。実は、これらの理論はいずれも

古典的ですが、テクニカルツールだけを駆使したトレードのような、一時的な流行り廃りとは一切無縁の

ものです。つまり、きちんと身に付ければ、あなたの一生の財産になると思います。こうした理論は今後のテキストや動画で解説する予定なので、ここでの詳細な解説は割愛いたします

が、たしかなことはＦＸとは一般理論が通用するものであるということをご理解いただきたいと思います。


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⑦ ＦＸで最も大切なことはチャートの分析力を身に付けることすでに解説したとおり、最近はいろいろなテクニカルツールが出回っていますが、まるでテクニカル

ツールが全盛期のようです。特に、こうしたテクニカルツールに基づいて、パラメーターなどをほんの

少し調整した程度の情報商材が普及したこともあって、特定のサインでエントリーし、特定のサインで

イグジット（利食いや損切り）するという考え方が一般的になっていると思います。

こうした手法でトレードをする場合、多くの方が２つの重要な事実を見落としているように思います。

一つは自分自身がある特定のトレード手法をマネしているだけであるということです。

もう一つは自分自身がある特定の手法を用いる者（例えば情報商材の販売者）と同一人物でない

限りは、そうした手法は所詮使いこなせないということです。

なぜ、こうしたことが起きるのかというと、そうしたトレード手法というのはいくら自分自身で努力した

としても、せいぜいうわべだけのものしか身に付けられないからです。たぶん、先ほどの情報商材の

販売者であっても、実際には相応のトレード理論を持っているとは思いますが、そうしたトレード理論

の根幹の部分も含めて身に付けない限りは、やはりそうした手法を使いこなすのはムリがあると思い

ます。

それではどうしたら良いのかといえば、トレード理論の根幹部分をしっかりと習得することですが、

特に重要なことはチャートの分析力を身に付けることなのです。この場合のチャートの分析力とはスポーツに例えると対戦相手のことになります。例えば、２０１０年の南アフリカのワールドカップサッカーで、日本代表が予選リーグで圧倒

的に不利とされたカメルーンやデンマークに勝てたのは、相手の攻撃スタイルや弱点を徹底的に

分析したうえで戦略を練ったことが最大の要因とされています。この場合、カメルーンやデンマークは

自分たちの弱点を徹底的に攻められたので、ほとんど自分のペースでは試合ができていませんでし

たが、日本は数少ないチャンスをうまく活かして得点を入れており、結局は試合前に勝負が決まって

いたことになるわけです。

そこで、こうしたことをＦＸに例えると、トレードをしようとする通貨ペアの現在のトレンドをきちん

と把握して、弱点を見つけることが大切です。

例えば、現在はどんなチャートパターンをしているのか？サポートやレジスタンスはどこなのか？な

どの重要なチャートポイントを正確に分析するということです。具体的なチャートの分析手法について

は、今後、テキストや動画で解説する予定なので、ここでの詳細な解説は割愛したいと思います。

なお、先ほども解説しましたが、私のトレード理論は、「ダウ理論」「サポート・レジスタンス」「時間足

の相関関係」という３つの基本的な考え方に対し、「波動（値幅、時間）」の理論で貫くイメージですが、

これらの理論はいずれも古典的ではありますが、テクニカルツールだけを駆使したトレードのような一

時的な流行り廃りとは一切無縁のものです。したがって、チャートの分析力も合わせてきちんと身に付ければ、あなたの一生の財産にもなるの

で、ぜひともしっかりと勉強を進めていただきたいと思います。


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３実践編ここからは、道場での勉強に入る前に身に付けておくべきチャートの分析の方法や値動きの予測の立て方

として、波動とサポート・レジスタンスを用いた基本的な分析手法の解説をいたします。

（１）波動を使ったチャート分析 ① 月足からの分析

（図１１ユーロドルの月足・１）

上図はユーロドルの月足ですが、概ね１０年以上の動きが一枚のチャートで見ることが出来ることから、値

動きの全体像が手に取るように分かると思います。またチャート分析の王道は大きな時間足から小さな時間

足へと切り替えながら分析するということです。

この場合、あなたが小さな時間足を使ったスキャルピングをするので、月足からの分析などは不要ではな

いのか？と考えたとします。ところが「トレードの難易度」の箇所でも解説しましたが、現在のトレンドは

大きい時間足ほど分かりやすく、小さい時間足ほど分かり難いと思います。つまりスキャルピングはト

レードの難易度が高いので、普通乗用車を運転するところをＦ１カーに乗って走るようなものですから、

とても初心者が使いこなせるような手法ではないということです。別の見方をすれば、大きい時間足の

分析が出来ないような人が小さい時間足を分析出来るわけがないということです。

したがって、先ずは大きな時間足から分析する手法を身に付けていただきたいと思います。

なお、チャート上にケルトナーチャネル（期間設定は５）を設定してありますが、これはトレンドの方

向性を見やすくするために表示してあるだけなので、必ずしも設定する必要はありません。


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② 波動の描き方

（図１２ユーロドルの月足・２）

チャートの動きを最も簡単に把握する方法は「波動」を描くことです。実際には波動だけではなく「値幅」や

「時間」の概念も必要ですが、先ずは波動の考え方を習得してください。

こうした波動の描き方ですが、高値と安値を直線で結びながらつなげるだけのことです。

また波動の基本は、Ｉ波動＋Ｖ波動＝Ｎ波動なので、常にＮ字型＝Ｎ波動を意識しながら描くことです。この

波動の考え方は、分析手法の基本中の基本なので、出来れば今のうちに習得してください。

なお、チャート上には波動のジグザグの線が表記してありますが、慣れてくればこうしたジグザグの線を書

かなくても全体像が見えて来ます。「習うより慣れろ」と言うことわざもありますので、先ずはご自分で書いて

てみることが必要です。

さて、チャートの最安値のポイントを起点にして波動の流れを追ってみましょう。

赤１から赤４までの動きを見るときれいな上昇Ｎ波動になっているのが分かります。この場合、赤１から赤

２までがＩ波動で赤２から赤４までがＶ波動なので足し合わせるとＮ波動になります。

赤５から先の波動を見ると下降Ｎ波動（逆Ｎ字型）になっていますが、どちらかというとＶ波動が連続してい

るようにも見えます。こうしたＶ波動が連続する状態は概してレンジの動きになっていることを意味します。

波動を描く場合の注意点ですが、あまり細かくしないことです。できるだけチャートの全体像をみながら大

きな視点でゆったりと描くことです。また、先ほども解説しましたが、常にＮ波動を意識することも重要です。

それでは、こうした点を踏まえて、次からは実際にチャートの分析をしてみましょう。


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③ 波動を使ってトレンドの継続や転換を理解する

（図１３ユーロドルの月足・３）

波動を描くことによって分かることはトレンドの継続と転換です。

赤１から赤４までとその前後の動きを見ると、必ずしも波動の大きさは一定ではありませんが、似たような

Ｎ波動が連続しています。こうしたＮ波動が連続しているときはトレンドが継続していることを示します。

赤５や赤７ではそれぞれが起点となって大きく下落しているのが分かります。こうした波動の動きをしてい

るときはトレンドが転換したことを示します。

一方、赤６や赤８では下落が止まって反転上昇しているので、トレンドが転換しているようにも見えます。と

ころが、赤５から赤８までの全体的な動きの中では、一時的に下げ止まって戻っただけの動きになります。

したがって、赤６や赤８からの反転上昇の動きについては、赤５から赤８までという全体的な動きの中で分

析する必要があるということになります。

こうした意味では赤７からの下落についても、赤５からの全体的な流れの中で考えると一時的に戻ったポ

イントから再度下落しただけの動きと解釈することが出来ます。


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④ 波動にサポートとレジスタンスを組み合わせる

（図１４ユーロドルの月足・４）

赤５からの下落が止まった赤６のポイントは１．２３２９５です。

これに対し、赤い爆弾のマークは１．２４５６０ですが、このポイントは青ドクロマークからの上昇過程におけ

るサポートになります。この場合、赤６の１．２３２９５は赤い爆弾のマークの１．２４５６０を下回っています。こ

れは赤５から赤６までの下落の動きが直近のサポート（直近安値）を目指したものという見方が出来ます。

同じようにして、赤７から赤８までの下落の動きを見ると、赤８の１．１８７５９は赤６の１．２３２９５を下回っ

ているので、この動きも同様に直近のサポート（赤６の１．２３２９５）を目指したということになります。

一方、赤８からの反転上昇の動きは赤スマイルマークで止まって、ここから大陰線が出ています。そしてこ

の下落の動きが続く場合は赤８の１．１８７５９を目指すということになります。さらにこのポイントを割れると次

に目指すのは青ドクロマークの１．１６４００ということになります。

ただし、現在の下落の動きが途中で止まって上昇に転じた場合は、直近のレジスタンス（直近高値）である

赤７の１．５１４３４のポイントを目指す可能性もあります。

つまり、こうした上昇や下落の動きというのは、単にサポートやレジスタンスを目指したものでしかないとい

うことになります。

したがって、波動＋サポートやレジスタンスを組み合わせることで、チヤートの動きの全体像を見極めるこ

とが出来るということになります。


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⑤ 次の動きを予測する

（図１５ユーロドルの週足・１）

図１４では、月足の波動とサポートやレジスタンスを組み合わせることで、チヤートの動きの全体像を見極

めることができましたが、さらにもう一回り時間足を小さくすることで、より局所的な分析が可能になります。

上図は、図１４の月足を週足に変換してさらに週足の波動を組み込んだものです。水色の線が月足の波

動でピンクの線が週足の波動になります。

ここでは、赤７から赤８の月足の下降Ｉ波動に対して週足のＮ波動が連続しています。つまり大きな時間足

のＩ波動の中に小さな時間足のＮ波動が連続しているというイメージになります。こうした考え方は重要なこと

ですが、意外と多くの方が理解できていないと思います。

さらに、次の動きを予測することも出来ます。

先ず下落する場合ですが、赤いしかめっ面のマークからの下降Ｉ波動が赤８のレベルを割れることによって、

赤７・赤８・赤いしかめっ面のマークからの下降Ｎ波動が形成されるので下落が進むことになります。また赤

いしかめっ面のマークからの下降Ｉ波動の中には週足の下降Ｎ波動が連続することになります。

次に上昇する場合ですが、赤いしかめっ面のマークからの下落が止まって反転上昇し、赤いしかめっ面の

マークや赤７のレベルを超えることで、今度は赤８を起点とした上昇Ｎ波動を形成することになります。またこ

うした波動の中には週足のＮ波動が連続することになります。

なお、上昇も下落も中途半端になった場合はレンジとなって横方向に進む場合もあります（例えば赤いし

かめっ面のマークと赤８の間などのレンジ）。


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この場合に大切なことは、こうした大きな時間足から小さな時間足へと順次変換しながら波動を組み込む

ことで、月足→週足→日足→４時間足→６０分足→１５分足以下へと順次波動の流れを把握することが出来

るということです。

図１１で解説した「大きな時間足から分析する」ということは、こうしたことを意味するわけです。

（図１６ユーロドルの週足・２）

ここで、ご注意いただきたいのですが、図１５では直近の動きだけに基づいて、次の動きを予測しているわ

けですが、こうした直近の動きだけに捉われて判断してしまうと「木を見て森を見ず」になる傾向があることか

ら、全体像が分からなくなってしまいます。

例えば、レジスタンス付近で買いエントリーしたり、サポート付近で突っ込んで売りエントリーしたりというよ

うなことです。

こうした事態を防ぐためには必ず大きな時間足（ここでは月足）を意識することが必要です。

この場合、やはりスキャルピングのような小さい時間足を使ったトレードは難易度が高くなります。

また時間足の大きさに関わらず、トレードをするという行動は、チャートの分析も同時に行わなくては

なりません。こうした点ではやはり大きな時間足の方が全体像の把握が容易です。

したがって、先ずは大きな時間足の動きの把握が必要ですし、やはり、大きい時間足の分析さえも

出来ないような人が小さい時間足を分析出来るわけがありません。


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⑥ あなたへの課題

（図１７ユーロドルの月足・５）

ここで、あなたに課題を出したいと思います。

(1) 先ず、月足チャートで起点を決めて、そこから「波動」を描いてください。この場合の起点はチャート上の

最安値や最高値になります（上図の場合は赤１が起点）。

(2) 次に、描いた波動に順番に番号を振りながら、過去から現在までの波動の全体像を確認してください。

(3) 次に、月足から週足に変換して、図１５のように週足の動きに合わせて波動を描いてください。

(4) 次に、こうして出来上がった週足の波動に対し、なぜこのような動きをしたのだろうか？という視点から分

析をしてみてください。

この場合の分析の視点とは、図９で解説したように「直近高値と安値を切り上げる限り→上昇トレン

ドの継続」「直近高値と安値を切り下げる限り→下降トレンドの継続」というものです。つまり、分析

対象の値動きが直近高値や直近安値とどのように関係してくるのか？という点に着目すると分析

が進みます。

例えば、赤１から赤４までの上昇の動きを分析すると、赤３は直近安値の赤１から切り上げてい

ます。また赤４は直近高値の赤２から切り上げていることが分かります。つまり、直近高値も直近


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安値も切り上げたので赤１から赤４までの上昇トレンドが継続したということになるわけです。

さらに赤１６や赤１８を週足に変換して分析すると直近高値を切り下げるような動きも見られる

ので、こうした点にも着目して分析を進めてください。

(5) 次に、週足から日足に変換して波動を描いてください。次にこうして出来上がった日足の波動に対し、な

ぜこのような動きをしたのだろうか？という視点から分析をしてみてください。この場合の視点も(4)と同様

に考えてください。

(6) 次に、同様にして、日足から４時間足へ、４時間足から６０分足へと順次変換して波動を描いてください。

次にこうして出来上がった各時間足の波動に対し、なぜこのような動きをしたのだろうか？という視点から

分析をしてみてください。この場合の視点も(4)と同様に考えてください。

以上の作業をすることで波動の動き方を身に付けることができますし、慣れてくれば、こうしたジグザグの

線を書かなくてもローソク足だけを表示したチャートから波動の動きを読み取ることができます。取りあえずは

一つの通貨ペアを選んで、この作業を進めてみてください。

やはり「習うより慣れろ」だと思います。こうした作業を何度も繰り返すことで、自然とチャートの分析力を身

に付けることができます。

なお、今後、こうした波動の分析手法を習得していただいたうえで、サポートやレジスタンスを引いたり、テ

クニカルツールを設定することになりますが、それは今後のテキストや動画の中で解説したいと思います。

いずれにしても、現時点では先ずは「波動」の描き方や見方などを踏まえた分析力を高めるようにしてくだ

さい。


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（２）ローソク足の相互換算ローソク足は日本生まれの代表的なテクニカルツールです。

たいていの方はローソク足を見る場合、陽線と陰線の違い、実体やヒゲの長さなどは簡単に分かると思

います。ところが、大きい時間足と小さい時間足のローソク足の相互の換算や、ローソク足の組み合わせ

などは意外と見過ごされることが多いと思います。

そこで、ここでは、大きい時間足と小さい時間足とのローソク足の構成の違いや見方について解説いた

します。

なお、ローソク足の組み合わせの考え方については「チャート分析と予測の立て方（シナリオ）」のテキス

トにおいて、トレンドが出ている局面とトレンドが転換する局面に分けて詳しく解説しているのでここでの解

説は割愛したいと思います。

① 基本的な見方

大きい時間足と小さい時間足のローソク足の相互の換算とは、簡単に言えば、大きな時間足一本

分を複数の小さな時間足に分割することや、その反対に複数の小さな時間足をまとめて大きな時間足

一本分として考えるということです。

（図１８ユーロドルの６０分足と１５分足・１）

上図の左側の６０分足チャートの下ヒゲ陽線を右側の１５分足に分割すると、１本のローソク足が４本に分

割されることになります。この反対に、１５分足チャートの４本分をまとめると６０分足チャートの一本分のロー

ソク足になります。

上図の例であれば、６０分足チャートのローソク足は始値からいったん安値を付けた後で上昇し高値を付

けた後に終値となっています。これに対して１５分足チャートの４本分のローソク足の動きを順に追えば比較

的簡単に６０分足チャートの１本分のローソク足との相関性を理解することが出来ます。

この場合、最も簡単な見方は「高値と安値」または「始値と終値」に着目すると分かりやすいと思います。


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（図１９ユーロドルの６０分足と１５分足・２）

上図の左側の６０分足チャートの上下にヒゲの付いた陽線を右側の１５分足チャートのローソク足に分割

すると、図１８の動きと比較した場合、やや複雑な動きをしています。

そこで、６０分足チャートの上下にヒゲの付いた陽線の動きを考えてみましょう。

ここでは、始値からいったん安値を付けた後で上昇し高値を付けた後に終値となっています。

そこで、直近のローソク足の動きを観察すると、２本前の同時線がいったん高値を付け、さらに次にある上

ヒゲ陰線が高値を更新しようとしたものの失敗して反落したことが分かります。つまり、上下にヒゲの付いた

陽線は、こうした直近のローソク足の動きを受けて、始値からいったん安値を付けた後に上昇し、直近の２本

のローソク足が更新できなかった高値を更新した動きになったことが分かります。

次に、１５分足の動きを順番に考えてみましょう。

１本目がコマの陰線、２本目が下ヒゲの十字線のようになっていることから、ここでは順次安値を更新する

動きがあったことが分かります。次に３本目と４本目がそれぞれ上ヒゲの陽線であることから、ここでは順次

高値を更新する動きがあったことが分かります。

ここで大切なことは、こうした大きな時間足と小さな時間足のローソク足の動きを同時に分析するという考

え方です。さらに最も重要なことは、やはり大きな時間足一本分を複数の小さな時間足に分割することや、そ

の反対に複数の小さな時間足を大きな時間足一本分にまとめて考えるという発想です。

つまり、こうしたローソク足の見方を習得するということは、大きな時間足のチャートのローソク足の動きを

パッと見て小さな時間足の動きを予想することが出来るということであり、その反対に小さな時間足のチャー

トのローソク足の動きをパッと見て大きな時間足の動きを予想することが出来るようになるということです。

例えば、最近は１５分足以下の小さな時間足を使ったスキャルピングをする場合、大きなトレンドを６０分足

などで判断しているケースが多いと思います。ところが、果たして６０分足を見たとしても、上図の例のような

きちんとしたローソク足の見方を習得していなければ、正確なトレンドは掴めていないのではないかと思いま

す。つまり、上述のような基本的なローソク足の見方を習得していないと、１５分足以下の小さな時間足ばか


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りに頼った「木を見て森を見ず」のトレードと全く変わらないことだと思います。

したがって、こうした「木を見て森を見ず」のトレードを防ぐためにも、大きい時間足と小さい時間足のローソ

ク足の相互の換算をぜひ見に付けていただきたいと思います。

なお、こうした見方は６０分足と１５分足だけではなく、例えば、５分足と１分足、６０分足と４時間足、日足と

週足、日足と月足などのように、時間足の組み合わせを変えて分析するという作業にもチャレンジしてみてく

ださい。

（３）波動分析とローソク足の相互換算の組み合わせ先ほどはローソク足の相互換算について解説しましたが、さらに大切なことは（１）で解説した波動分析と

組み合わせることです。

（図２０ユーロドルの月足）

上図はユーロドルの月足なので、ローソク足１本分が週足では５本分（月によって４本の場合もある）にな

ります。

分析の手順としては、次のとおりです。

(1) 月足の波動の分析作業を終えたらチャートを複製し、そのうちの１枚を週足に変換する。

(2) 次に、週足の動きに合わせて波動を描く。


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(3) 次に、月足のローソク足１本分と週足５本分（または４本分）について、図１８や図１９に倣ってローソク足

の相互の換算を行ってみる。

(4) 次に、同様にして、日足から４時間足へ、４時間足から６０分足へと順次変換して、波動の分析とローソク

足の相互の換算を行ってみる。

以上のような分析作業を継続して行うことで、基本的なチャートの分析力が向上します。また、こうした

基本的な分析力を野球に例えればキャッチボールやバッティング練習と同じです。キャッチボールやバッ

ティングが満足に出来ないような人がいきなり試合に出ても通用しません。

つまり、基本的なチャートの分析力がない人がいくらトレードをしても利益を出せるはずがないのです。

また、最近はテクニカルツールに頼ったトレードが流行っていますが、こうしたことを野球に例えると木

製バットを金属バットに変えた程度のことでしかありません。つまり、バッティングの基本になる正しいバッ

ティングフォームを身に付けるということは木製バットであっても金属バットであっても変わらないというこ

とです。

したがって、ＦＸのトレードで勝ち組になるのであれば先ずはこうした基本的なチャートの分析力を身に

付けていただきたいと思います。

４まとめ

これまで、ＦＸに関する一通りの基本的な知識として、基本編と実践編に分けて解説してきましたが、いか

がだったでしょうか。お気付きの方も多いと思われるかも知れませんが、これまで解説してきたことは一般書

籍レベルではあまり紹介されていないことも多いと思います。

これからは勝ち組ＦＸ道場で本格的に勉強していくことになりますが、内容的にはますます高度になっていく

と思います。

ただ、今後はテキストとともに動画の解説も用意してあるので、道場での勉強も比較的スムーズに進むもの

と思います。

いずれにしても、これからはあなたのやる気しだいで勝ち組の栄冠を手にすることが出来ると思いますので、

ぜひとも頑張ってください。


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販売業者ドリームシップ株式会社

運営責任者朝永彰

テキスト著者春八木一本

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