FujiRCレポート vol.2 20160611

2
1 FUJIRC レポート 第 2 号 Shared Value Leadership Summit 参加報告 (2/3) 今号の趣旨 弊社代表の藤村は 5 10 日から 11 日にかけてニューヨークで行われた Shared Value Leadership Summit に参加してまいりました。本号ではそこで見つけたい くつかの興味深い取り組みを紹介したいと思います。 10 万人の 16 歳~24 歳の若者にチャンスを! 今回のカンファレンスで紹介された興味深い取り組みとして、100,000 Opportunity Initiative(10 万の可能性を生み出すイニシアティブ)がありま す。この活動は、「将来のある若者に雇用機会とキャリアパスを提供することにより、 経済的繁栄の様相を変革し、貧困の連鎖を断ち切り、クリティカルな企業ニーズを 満たす」ことをビジョンとしています。より具体的には The 100,000 Opportunities Initiative is a coalition of leading U.S.- based companies committed to training and hiring 100,000 Americans between the ages of 16 and 24 who are out of school and not working by 2018.” としています。すなわち、アメリカの先端企業が連合して、2018 年までに 10 万人の アメリカ人、それも 16 歳から 24 歳で学校に行っていなくて、かつ、働いていない人 をトレーニングし雇用するというものです。企業の本領はやはり経済的な貢献。雇用 創出は重大な社会貢献の 1 つですから、まさに CSV の典型例と言えるかもしれま せん。 ご挨拶 藤村総研では本年より初のニューズ レターとしましてジオエコノミクス・レビ ューを発行しておりますが、より幅広 く弊社の活動内容や理念をお伝え したく、FujiRC レポートを刊行いた しました。FujiRC Fujimura Research and Consulting=藤村 総合研究所を表します。 テーマは、”Make the world a better place to live.” です。末永く よろしくお願い申し上げます。 株式会社藤村総合研究所 代表取締役 藤村慎也

Transcript of FujiRCレポート vol.2 20160611

1

FUJIRC レポート 第 2 号 Shared Value Leadership Summit 参加報告 (2/3)

今号の趣旨

弊社代表の藤村は 5 月 10 日から 11 日にかけてニューヨークで行われた Shared

Value Leadership Summit に参加してまいりました。本号ではそこで見つけたい

くつかの興味深い取り組みを紹介したいと思います。

10 万人の 16 歳~24 歳の若者にチャンスを!

今回のカンファレンスで紹介された興味深い取り組みとして、100,000

Opportunity Initiative(10 万の可能性を生み出すイニシアティブ)がありま

す。この活動は、「将来のある若者に雇用機会とキャリアパスを提供することにより、

経済的繁栄の様相を変革し、貧困の連鎖を断ち切り、クリティカルな企業ニーズを

満たす」ことをビジョンとしています。より具体的には

“The 100,000 Opportunities Initiative is a coalition of leading U.S.-

based companies committed to training and hiring 100,000 Americans

between the ages of 16 and 24 who are out of school and not

working by 2018.”

としています。すなわち、アメリカの先端企業が連合して、2018 年までに 10 万人の

アメリカ人、それも 16 歳から 24 歳で学校に行っていなくて、かつ、働いていない人

をトレーニングし雇用するというものです。企業の本領はやはり経済的な貢献。雇用

創出は重大な社会貢献の 1 つですから、まさに CSV の典型例と言えるかもしれま

せん。

ご挨拶

藤村総研では本年より初のニューズ

レターとしましてジオエコノミクス・レビ

ューを発行しておりますが、より幅広

く弊社の活動内容や理念をお伝え

したく、FujiRC レポートを刊行いた

しました。FujiRC は Fujimura

Research and Consulting=藤村

総合研究所を表します。

テーマは、”Make the world a

better place to live.” です。末永く

よろしくお願い申し上げます。

株式会社藤村総合研究所 代表取締役

藤村慎也

2

良識ある資本主義

もう 1 つ、Conscious Capitalism(良識ある資本主義)についてご紹介しま

す。コンシャス・キャピタリズム=良識ある資本主義とは、自由意思に基づく交換、起

業家精神、競争、交易の自由、法の支配といった従来的資本主義の価値観を引

き継ぎつつ、信頼、慈悲、協働、価値創造といった価値観をも包含する概念なのだ

そうです。健康食品スーパーとして知られるホールフーズの CEO 等がこのムーブメント

を支えるコミュニティに参加し、より多くの人が良識ある資本家・経営者となるよう促し

ているようです。CSV と似ていますが、CSV よりも個人の精神性に重きを置いた概

念のように感じられました。自由資本主義というイメージが強いアメリカという国で、い

や、そういう国だからこそ、良識ある資本主義のようなムーブメントが必要とされるのか

もしれません。

“コンシャス・キャピタリズム=良識ある資本主義とは、自由意思に基づく

交換、起業家精神、競争、交易の自由、法の支配といった従来的資本

主義の価値観を引き継ぎつつ、信頼、慈悲、協働、価値創造といった価

値観をも包含する概念”

企業が社会的ムーブメントを起こす時代

今回ご紹介した 2 つの動きは、いずれも「企業が起こす社会運動」と言えます。社会運動といえば非営利団体の専売特許のようなイ

メージもありますし、企業は本業に専念すればよいという考え方もあるかもしれません。しかし前号でも解説しました通り、社会貢献あ

るいは社会的ムーブメントを起こすこと自体が競争優位につながるのだとすれば、それも企業側の経済合理性に基づいた判断と言え

るでしょう。CSV というムーブメントは、企業がそのような思考をするよう促す動きと言えるのではないでしょうか。社会的ムーブメントと利

益創造は矛盾しないのです。次号ではカンファレンスで気になった企業を紹介します。

参考文献

100,000 Opportunities Initiative: http://www.100kopportunities.org/

Conscious Capitalism: http://www.consciouscapitalism.org/

ニューヨーク市庁舎の夕べ

お問い合わせ先

株式会社藤村総合研究所

〒101-0054

東京都千代田区神田錦町 3-21-1017

090-3684-5781

[email protected]

http://www.fujirc.com