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はじめに ―「Team 414」について―

• 農林水産省の若手有志チーム– 農林水産行政に漠然と閉塞感や危機感を感じる若手有志職員で結成。– 現在起きている事象への対処が中心となり、食の未来像を描けていない。– 大事な日本の食を、地域を、世界に誇れるものにしたい。だからこそ至っていないところ恐れずに知りたい。

• 100名超の協力者– 2017年10月から約6ヶ月で、100名を超える有識者の方々に協力いただき、「食の未来」について意見交換。

• ワクワクする未来のタネ– 事例調査、有識者との意見交換等を踏まえ、私たちの「食の未来」を考える上でヒントになりそうな世界の変化、その解釈をとりまとめ。

– 今後、これをもとに、色々な方々と「食の未来」を創る政策を考えていきたい。

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Structure

Part1 私たちに何が足りないのか ~課題認識~

Part2 世界の「食」に何が起こっているのか ~事実確認~

Part3 「食」の変化の解釈 ~分析・解釈~

Part4 私たちは何をすべきか ~アクション設定~

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私たちに何が足りないのかPart1

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―目の前の事象にとらわれている―

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農林水産省がいつも見ている世界今起きている事象への対処に取り組む日々。

566.7歳:2017年の農業就業人口の平均年齢(農林水産省「農業構造動態調査」)38%:2016年度のカロリーベース自給率(農林水産省「食料需給表」)1兆円:農林水産物・食品の輸出額目標(2020年の前倒し達成)38.6万ha:2017年の耕作放棄地面積(農林水産省「耕地及び作付面積統計」)

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肌身で感じる世間とのギャップ

【ビジネスモデルの変化】シェアリング・エコノミープラットフォームオープン&クローズ

【ソフトウェアの進化】フィンテック・仮想通貨AI VR SaaSブロックチェーン クラウド

【ハードウェアの進化】3Dプリンター ドローンウェラブル端末 センサー

【社会の変化】価値観の変化 生活様式の変化グローバル化 反グローバル化宗教・哲学 流行・世代

【科学技術の進化】遺伝子編集 再生医療クローニング 合成生物学宇宙開発 深海開発量子コンピューター

農林水産行政は、世間の潮流から隔絶されているように感じる。

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「食」は複雑で個性的なもの「食」は、自然環境に大きく左右され、消費者行動も多様であるなど、他産業に比べても複雑で個性的な分野

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腐りやすさ、物流

マーケットの不確実性価格決定の不透明性

栄養作用腸内環境

気候の予測不完全性

エネルギーや資源

食品の物性の複雑性

嗜好の多様性

消費構造毎日の選択

栽培環境の複雑性

動植物の生態・生理

財としての二面性

【陥りがちなパラダイム】だから他産業のような変化は無理?

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技術革新&「食」は、世界ではホットトピックに

8出所: World Economic Forum“Innovation with a Purpose: The role of technology innovation n accelerating food systems transformation”を基に作成

イラスト Team414

世界経済フォーラム2018では、技術革新が2030年までに「食」にどのような影響を与えるかがテーマとなった。需要の姿を変える技術

代替タンパク源

センシング技術

栄養ゲノム情報学

バリューチェーンを強化する技術

モバイルサービスデリバリー

IoTによるサプライチェーン

ブロックチェーンによるトレサ

ビッグデータと解析技術、

コンピューティング

効率的な生産システムを実現する技術

データによる投入資材、水資源の最適化

ゲノム編集

マイクロバイオーム(微生物細叢)技術

分散型エネルギー

生物学的防除と微細栄養素土壌管理

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9出所:OECD, 2016 Science, Technology and Innovation Outlook 2016, OECD Publishing, Paris, http://dx.doi.org/10.1787/sti_in_outlook-2016-en

世界の社会構造の変化(OECD)

「変化」を見越した未来志向の政策の必要性世界の構造の変化は早い。これまでの世界が続くという前提の下ではなく、これまでと異なる非連続な社会構造を前提とした政策が求められている。

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未来志向で複雑な「食」をデザインする必要

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• 「食」は個性的だが特別ではない。

• データサイエンス、ロボティックス、ゲノミクス…様々なテクノロジーの発展を背景に、世界では「食」についても新しい社会の到来を予感している。

• 私たちも、これまでの延長線ではない、非連続な社会の到来を前提として、日本における「食」のグランドデザインを描くことが必要。

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世界の「食」に何が起こっているのかPart 2

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―未来を考えるにあたって、現状の再確認を―

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【生産】植物工場の先 ~細胞培養肉・魚~細胞培養で食肉や魚肉を生産できるようになれば、動物を殺す必要がなくなり、資源制約や環境負荷の問題も乗り越えられる。

CB insights, “12 Food Trends To Watch in 2018”, https://www.cbinsights.com/research/report/top-food-trends-2018/ を基に作成 12※肉1kgあたり

動物由来肉と培養肉の資源・コスト比較(CB Insights, 2018)

6810

1226

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

動物由来肉 培養肉

水利用(ℓ)

24.2

0.240

5

10

15

20

25

30

動物由来肉 培養肉

土地資源利用(㎡)

16

3.52

0

5

10

15

20

動物由来肉 培養肉

温室効果ガス(kg)

246

2808

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

動物由来肉 培養肉

生産コスト(円)

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【生産】情報時代のランドラッシュ

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穀物の生産適地だけでなく、野菜の生産適地にも中国資本が進出していると言われている。

地図はmapchart.netを利用し、以下を基に作成。Smaller, C., Q. Wei, and Y. Liu. 2012. “Farmland and Water: China Invests Abroad.” International Institute for Sustainable Development: IISD Reporthttps://www.bloomberg.com/graphics/2017-feeding-china/Australian Taxation Office, Australian Government. Register of Foreign Ownership of Agricultural Land Report of registrations as at 30 June 2017https://www.lesechos.fr/23/11/2017/lesechos.fr/030914813929_les-chinois-continuent-de-grignoter-des-champs-francais.htm

中国資本による農地

1,440万ha

中国資本による農地買収が話題2017年 アリエ県内900ha買収 ほか

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【流通】フードチェーンのすべての情報を握る?

https://www.ibm.com/blogs/blockchain/category/blockchain-in-food-safety/https://yicaiglobal.com/news/jdcom-pairs-wal-mart-ibm-chinas-first-blockchain-food-safety-alliance

Tyson Foods

Nestle

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McCormickJD.com

WalmartCostco

Golden State Foods

IBMは、米国内の食品大手企業や中国の大手ECのJD.com等と協力し、ブロックチェーンを利用した食品のトレーサビリティを実証中。生産から消費までの情報を握る巨大プラットフォーマーとなるか?

出所:以下を基に作成

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【流通】大手ECのリアル店舗参入

Bloomsburg(2018) Online Retailer JD Follows Alibaba Into the Supermarket Game, 04/01/2018, Bloomsburg News, [online] https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-01-04/online-retailer-jd-follows-alibaba-into-the-supermarket-game 15Wingfield, N and Merced, M.J.(2017) Amazon to Buy Whole Foods for $13.4 Billion, JUNE 16, 2017,https://www.nytimes.com/2017/06/16/business/dealbook/amazon-whole-foods.html

2016

•アリババが「HEMA」をオープン

•多様な顧客体験と、オンラインの結合

2017

• AMAZONが「Whole Foods Market」を買収

•時価総額134億米ドル

2018

• JD.comが「7FRESH」をオープン

•ロボットの買い物カート等も導入

大手ECのオフライン店舗参入が相次ぐ。シームレスに消費者の反応を捕捉し、販売促進のアルゴリズムに取り込むためのデータ収集に多大なコストをかけている。

出所:以下を基に作成

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【消費】スマート家電がもたらす未来の台所家電がIoTで外部とつながり、リアルな消費者のニーズがメーカーに伝わる。消費者はオンデマンドでサービスを受け、よりよい「食」体験を得る。

例えば、こんな冷蔵庫… タッチパネルや音声認証で食材注文やレシピ閲覧が可能

外付けカメラにより、外出先からも冷蔵庫の中身がチェック可能

16冷蔵庫イラスト:Team414

例えば、こんな調理家電… AIとの音声対話による、健康や好みを考慮した献立選びや、調理のアシスト

高機能の調理プログラムにあわせて下ごしらえした食材のデリバリーサービスで、ボタン一つでおいしい料理を

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【消費】テクノロジーのもたらす未来の食卓

TNOは、科学技術分野における応用科学研究を行うことを目的として、オランダ議会によって1932年に設立された欧州で最大規模を誇る中立の総合研究機関。

出典:TNO

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ドローンによる配送

自宅植物工場

3Dプリンターで出力

遠隔地のおばあちゃんと一緒に同じ食事を

3Dプリンターで、見た目は同じだが、栄養強化、嚥下障害用等のパーソナライズが可能

自宅の植物工場、3Dフードプリンターの発達で、食料生産や食品加工が個々人の健康、嗜好にあわせてパーソナライズされていく。

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【消費】料理は科学的に再現可能なものに料理の世界に科学的分析が入り込み、「アート」で「おいしい」料理が科学的・機械的に再現可能になりつつある。

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Modernist Cuisine: The Art and Science of Cooking(2011)

出所:http://modernistcuisine.com/press/press-kits/

元マイクロソフトCTOのネイサン・ミアボルド氏は、同書で科学的な観点から料理を究明した。

The Cooking Lab Photo:Chris Hoover / Modernist Cuisine LLC

Traditional Pot Roast Photo:Ryan Matthew Smith / Modernist Cuisine LLC

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【消費】良薬は、おいしくなる?~neuro gastronomy~

拒食症や肥満対策等の医療目的で発展した神経脳科学の知見が、日常の味覚の増幅にも応用される。健康と満足感が両立可能になる。

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VRやプロジェクションアートとの融合による食へのストーリー付与(写真提供 Tree by Naked(https://tree.naked.works/yoyogi/course-dinner/)から引用)

AR表示と嗅覚付加による味覚認識の変化(Cyber Interface Lab(http://www.cyber.t.u-tokyo.ac.jp/ja/projects/)から引用)

「ばーちゃん」との食事で孤食解消写真提供 兵庫県南あわじ市 バーチャン・リアリティ

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【消費】11万分の1をシェアする。

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「食」の世界にもシェアリング・エコノミーが登場。知らない人と「食」を通じて交流したり、新たな「食」の発見を共有する喜びが、新たなビジネスにつながっている。 注:生涯の食事回数=11万回= 3回/日×365日×人生100年)

イラスト:Team414

料理をきっかけに新しい人間関係を

見知らぬ人と、料理を楽しむ

外国人旅行者と食文化をシェアする

自慢の家庭料理を教えあう

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【消費】若い世代の新しいニーズに応える

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ミレニアルやGeneration Zといった若い世代が重視する「ローカル」「オーガニック(内発的)」「透明性」といった価値観に応えるスタートアップが興隆。

画像提供 Freight Farmshttps://www.freightfarms.com/コンテナ活用型の垂直農業を展開。

画像提供 The FOOD ASSEMBLYhttps://thefoodassembly.com/en2011年に始まったオンライン「地産地消」。

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【投資】食におけるオープンイノベーションの波米国では大手食品メーカーが自前のファンドを設立。D2C流通や新規ブランド等を展開するスモール・プレイヤーへの投資が進む。

(D2C: Direct to Consumers)

CB insights, “12 Food Trends To Watch in 2018”, https://www.cbinsights.com/research/report/top-food-trends-2018/ を基に作成

企業による投資会社の設立が相次ぐ

2015 2016 2017

Constellation Brands(Constellation Ventures)

Anheuser-Busch InBev(ZX Ventures)

Diageo (Distill Ventures)

General Mills(301.Inc)

Campbell’s(Acre)

Kellogg’s(eighteen94 capital)

Danone(Danone Manifesto Ventures)

Hain Celestial(Cultivate Ventures )

Tyson(Tyson Ventures)

Groupo Bimbo(LEVA)

Land O’Lakes(Land O’Lakes.inc Dairy Accelerator)

Barilla(BLU 1877)

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【投資】競合技術も投資対象に米国最大の食肉企業であるTyson Foodsや穀物メジャーのCargillは、競合技術である植物性タンパク質肉や細胞培養肉ベンチャーに投資。

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食肉のリーディング企業による工場生産肉への投資状況

出所:以下を基に作成CB insights, “12 Food Trends To Watch in 2018”, https://www.cbinsights.com/research/report/top-food-trends-2018/Kowitt, B (2017) Bill Gates and Richard Branson Are Investing in This Clean Meat Startup, August 23 2017, Fortune, http://fortune.com/2017/08/23/bill-gates-richard-branson-invest-meat/ [accessed on April 2 2018]

Cargill(穀物メジャー)

Beyond Meat(植物性タンパク質肉ベンチャー)

Puris(マメ類タンパク質ベンチャー)

2016年10月2017年12月

2018年1月 2017年8月 2018年1月

Tyson Foods(米国食肉最大手)

Memphis Meats(細胞培養肉ベンチャー)

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「食」の変化の解釈Part 3

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―現象を、抽象論に巻き戻してみる―

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食品流通の常識を覆す世界の取組世界の事例には、食品流通の常識を覆すような取組がある。異なるレイヤーのプレイヤー同士の主導権争いも始まる可能性。

画像提供:TNO

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情報技術を中心とした流通構造の変化により、もはやフードサプライは「チェーン」ではなくなる。

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デジタルによる「食」の流通改革

• 紙の上の矢印のような直線的なイメージ• 川上側は川下側のニーズ・ウォンツを、不完全な情報から推定

これまで(パイプライン型) これから(プラットフォーム型)• 情報の入った瓶詰のようなイメージ(既存流通は瓶の周りに巻かれたラベル)

• 情報を介して各プレーヤーは既存流通よりも近接し、互いに“コト”を意識。

情報

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チェーンでないフードサプライから見えること情報を介して、「食」の流通もネット状になる。プレイヤー間の距離が短縮・変化し、これまで見逃していたロスやニーズにチャレンジすることができる(モノの流通にコトの要素が加わる)。

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食品ロス削減

在庫の最適化

必要な時に最適な価格で

生産者の顔が見える関係

加工食品をカスタマイズ

消費者ニーズへの直接的アプローチ

価格とコストの自由な設計

過剰供給や不足の予測

最適な流通の選択

分配の最適化

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消費者と世界中の農地がつながるデータ・プラットフォームとAIが導入されることで、消費量や価格、生産量が高い確度で予測され、高度に消費者と生産地がマッチングされるようになる。

29地図はmapchart.netを利用し作成

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農業生産のIndustry4.0化

産業全般に係る部分についての参照:妹尾堅一郎「産業歴史観と産業世界観」(JPCA NEWS (2017), 2017年8月号, 一般社団法人日本電子回路工業会, pp.14-20.)を基に作成 30

• Industry4.0では、情報を介して世界中で工場がシェアされ、自動でオンデマンドの製造が行われるシステムが提唱されている。

• 穀物のみならず、腐りやすい青果物も、国境を越えてオンタイム・オンデマンドで供給される時代が来る可能性。

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• デジタル技術がもたらす流通構造の変革は、「食」にも起こりつつある。

• 一方、デジタル技術が「食」にもたらすものは、単に便利さや効率性の向上だけにとどまらない。

• 消費者の多様でアナログなニーズに応えようとするプレイヤーの意識が際立っている。

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「食」はデジタル×アナログがおもしろい

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人間関係を作る(ごはん行きませんか? 一杯どう?)

好きなもの、人をワクワクさせるもの

必要なもの、無くならないもの

人間の本質

1日3回×365日×100年≒1人11万回の食事

世界中に需要がある

好きなときに、好きなものを

得意なもの、日本に特徴があるもの 対価を得るに値するもの、多様な価値を提供できるもの

健康な人生に対する価値

精神的な豊かさに対する価値地域コミュニティの発展に対する価値

世界的な課題に貢献する価値環境に対する価値

人に喜ばれる(おいしい! 楽しい!)人を感動させる

Wants

大切な思い出になる

日本の特徴を生かして世界に未来の食を提示できるか

適当な価格で

誰のニーズも取り残されない世界が実現できるか

日本の「食」はアナログで多様な願望に応えられるか

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私たちは何をすべきかPart 4

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―世の中の変化を鋭敏に捉え、行動し続ける―

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未来の「食」を描くために今“持ちたい視点”

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情報を軸とした包括的なプラットフォームの構築 消費者のセグメントを個人レベルに落としこみ、起点とするビジネス戦略の展開 上記を自前主義ではなくオープン・クローズで推進

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変革が顕在化するまで傍観するのではなく、常にトレンドや先端技術等の持つインパクトを研究し、アクションをとり続ける必要。

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【ハードウェアの進化】3Dプリンター ドローンウェラブル端末 センサー

【ソフトウェアの進化】フィンテック・仮想通貨ブロックチェーン クラウドAI VR SaaS【社会の変化】

価値観の変化 生活様式の変化宗教・哲学 流行・世代グローバル化 反グローバル化

【ビジネスモデルの変化】シェアリング・エコノミープラットフォームオープン&クローズ

【科学技術の進化】宇宙開発 量子コンピューター遺伝子編集 再生医療クローニング 合成生物学

「変化」のインパクトを察知し、動き続ける

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時代の転換点にあっては、

① 組織中に閉じない多様な関係者とともに② 将来世代になりきって、視野を拡張し、③ 現在の延長線ではなく、本質的な「長所」を活かした

国づくりを提言していくことが重要。

「変化」を見越すためのデザイン思考のアプローチ

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OpenLabチーム

農水省(若手等)外部(事業者、有識者)

顧問(指定職)

テーマA

顧問(指定職)

テーマB

顧問(指定職)

テーマC

成果評価会(報告会)

2018年4月から、農林水産省内で、政策提言を行う”Open Lab”のスキームが発足。組織として「変化」を捉え、未来を見据えたインプリケーションを提供し続ける。

「変化」を意識した政策の立案・実行を促進する

農林水産省のOpen Labのスキーム

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Team 414は今後も活動していきます

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これまでの「目に見える課題に対処する政策」ではなく、将来世代が豊かさと幸福感を実感できる社会の実現のための政策を

立案・実行していきます。

未来の「食」を創ろうとしているみなさんと農林水産行政をつなぎ、私たちも一緒に行動します。

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Seamless Food Supply System世界中のステークホルダーがシームレス、オンデマンドで食品と価値を伝達

未来を予感させる「私たちの研究テーマ」

Food and Health BigDATA食生活と健康のデータベースの登場

3D Food Printer食事を”転送”するサービスの登場

http://open-meals.com/sushiteleportation/index.html

BioTECH細胞農業工場の登場

Food Service Roboticsロボット厨房の登場

写真提供 MISO ROBOTICS写真提供 コネクテッドロボティクス

AgTECHメガ植物工場の登場

写真提供 ファームシップ

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Special Thanks to: 応援・アドバイスを頂いた方々

40※当該資料は、農林水産省有志職員の議論をまとめたものであり、ここにお名前を掲載させて頂いている方々のご見解を示すものではありません。

「食生活ラボ」大屋洋子 勘場永子 吉羽優子中島英太 石原夏子 原文子

春原千恵

A.T. カーニー梅澤高明

元Evernote Japan会長兼Chief Food Officer 外村 仁Food Communication Project

若手フォーラムInagora株式会社

Vice President 中山雄介マーケットプレイスコンサルティンクDirector 森谷知弘

McKinsey&Companyパートナー 山田唯人

Shojinmeat Project | インテグリカルチャー(株)羽生雄毅 福本景太 川島一公

TMI総合法律事務所柴野相雄 右馬埜大地 上野一英

TNOオランダ応用科学研究機構Food & Nutrition 日本代表 西出香

WAKAZE 稲川琢磨

荒木丈志イオンリテール株式会社グループ商品本部 榎並智行

江崎グリコ株式会社営業本部広域営業部マネージャー 長谷茂雄営業推進室ショッパーマーケティンググループ

岩川透 小林剛

オイシックスドット大地株式会社執行役員経営企画本部本部長 松本浩平

オーシャン貿易株式会社米田智行 マシューズ ケン

霞が関ラボ

株式会社NTTデータライフデジタル事業部長 林田敏之

株式会社TBWA\HAKUHODOシニアクリエイティブディレクター 新沢崇幸

株式会社井之上パブリックリレーションズ会長/京都大学経営管理大学院特命教授

井之上喬アカウントサービス本部戦略企画部部長 横田和明

株式会社シグマクシスヒューリスティックシェルパ 田中 宏隆

岡田 亜希子 増田 拓也 勝山 雄太

株式会社世界市場代表取締役社長 村田卓也

株式会社ニチレイ 関屋英理子

株式会社ファームシップ代表取締役 北島正裕 安田瑞希

株式会社ブイキューブロボティクス代表取締役社長 出村太晋

(株)ポケットマルシェ代表取締役東北食べる通信編集長

(一社)日本食べる通信リーグ代表理事高橋博之

株式会社モリロボ 代表取締役 森啓史

株式会社ユーグレナ代表取締役社長 出雲充

近未来ハイスクール 小林利恵子

クーガー株式会社 石井敦 鈴木祥文

グーグル合同会社公共政策部シニアアナリスト 山口奈々子Google Arts and Culture プロジェクトマネージャー

高根枝里窪田新之助

経産省若手プロジェクト

(公社)農林水産・食品産業技術振興協会イノベーション事業部主任調査役 石川君子

ジャーナリスト 福島敦子

シャープ株式会社IoT事業本部 IoTクラウド事業部サービスマーケティング部 本谷太門プロダクトマーケティング部 都築郁雄

辻静雄料理教育研究所 所長 山田研

データサイエンスプロフェッショナルズ株式会社内山明夫

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

羽生田慶介 星島郁洋 菊池洋輔電通国際情報サービスオープンイノベーションラボ

森田浩史

特定非営利活動法人産学連携推進機構理事長 妹尾堅一郎

農業生産法人葡萄専心株式会社NZプロジェクトマネージャー 風間正利

パナソニック株式会社 アプライアンス社幸 裕弘

フォーリンデブはっしー食べあるキング/農林水産省フード・アクション・ニッポン アンバサダー

宮城大学 教授 石川伸一ヤフー株式会社 大野憲司

(アルファベット/50音順、敬称略)

ここに掲載している皆様を始め、100名以上の方々にご協力頂きました。

たくさんの刺激をありがとうございます。これからもご一緒させてください。

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Team414は、20年、30年後に食産業が日本経済と国民の幸せを担っている姿を目指し、何をすべきかを真剣に考え、行動に移していきます!

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ワクワクする明日を、食と、私たちと、一緒に!み ら い

注意事項この資料は、農林水産省の公式な見解を示すものではありません。農林水産省職員の有志勉強会での議論をまとめたものであり、あくまで個人的な見解です。

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付録

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Theme 1(食品加工のパーソナライズ)調理概念を変える「フードプリンター」で食をパーソナルに。 フードプリンターの開発生産拠点を日本に確立し、個人毎の健康状態やアレルギー、趣味嗜好等に対応したカスタマイズ食の生産体制を確立する。

多様な「本場」の食文化や過去の味等の再現を可能とする研究開発の支援を通じて、食の可能性を広げる。期待できる政策効果・場所や時、形状を選ばない生産技術の実現による食の省力化・生産性向上・個人の身体状態に応じた食の提供による医療費削減や健康寿命伸長への貢献・食文化伝承等の旧来価値の保存及び新技術の導入による食文化の新たな展開の支援

43出典:TNO

産業としての可能性

普及コストの低減に向けた支援

食データベースの整備

食品表示ルールの策定

消費者安全の確保

食産業に与えるインパクト、市場規模の推計

フードプリンター及び原料生産コストの低減取組や多機能化支援

「レシピ」データの拡充・公表及び知的財産管理のルール作り

フードプリンター食品と人力の食品を区別して選択できる表示制度の整備

操作過程及び食品衛生上の管理についての指針の策定

“官民”で議論していく論点

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「培養食料」で世界の資源制約を救い、未来の農業の礎に。 細胞培養技術を食肉や植物に応用し、培養食料の生産を行う「細胞農業」を確立するため、実証支援や法整備等を主導するプロジェクトを立ち上げ。

細胞農業を水耕栽培に次ぐ新たな垂直農業と位置付け、宇宙農業や地下農業といった土地制約を超えた農業への実証展開を模索する。

期待できる政策効果・食肉生産に要する飼料や土地、水等のインプット供給制約から解放されることで生産性及び食料自給率の向上・動物を殺さない食肉生産の実現・家畜飼育に伴う糞尿処理やCO2等の環境負担の軽減

画像提供:Shojinmeat Project

社会的な意義の整理

適用法令の整理

食品表示ルールの策定

他分野への展開実証

国民的理解の醸成

培養肉(純肉)がもたらす社会的な便益やインパクトの考察・提示

培養肉(純肉)の扱いは畜産物か加工食品かといった法的な取扱いの整理

動物由来畜産物と培養食料を消費者が区別して選択できる環境の整備

多様な環境下での実証を通じて宇宙空間や地下空間での生産ノウハウを蓄積

細胞農業や培養食糧に関する情報発信や健康評価等の開示、倫理的議論の整理

“官民”で議論していく論点

画像提供:New Harvest

Theme 2(培養食料による資源制約の超克)

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Theme 3(フードサイエンスによるヘルスケア)食生活指導をパーソナライズし、膨大な医療費を削減する。 個人の食生活のデータ等を収集し、ブロックチェーン技術等を用いて健康診断結果等の健康データと共に集約するデータプラットフォームを構築する。

ビッグデータ解析に基づき、AIにより個人レベルでカスタマイズされた食生活指導を行うことで生活習慣病等を予防し、膨大な医療費を削減する。

データの質

データの取得方法

追跡可能なデータ集約

オープン・ソース化

関連データベース整備

“Garbage in, Garbage out”とならない食生活データの設計

データのとれる食育、消費者のデータ入力の手間を省く技術開発への投資等

マイナンバーの活用の拡大

個人情報保護と、研究機関や民間企業がアクセス可能なオープンソース化の検討

健康関連情報の電子データ化、加工食品の栄養成分や原材料のデータベース化

個人の人生を俯瞰した生活習慣と健康のデータに。

期待できる政策効果の例:・日本の生活習慣病等に係る医療費削減(平成26年度医療助成:慢性腎臓病等:約1.5兆円、糖尿病:約1.2兆円)・世界中で課題となっている肥満や生活習慣病予防等へのソリューション提示・日本型食生活の健康効果に関する科学的エビデンス収集

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“官民”で議論していく論点

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Theme 4(料理人とロボットの共生)世界で8億人の職を奪う(注)ロボット産業に先手を打ち、数兆円産業のプラットフォームを握る。 料理ロボット産業の要となるハード、ソフトと標準化に向けたルール作りといったプラットフォームを押さえることで、数兆円産業の主導権を握る。

日本の技術・表現力の高い料理人の料理をロボットが正確に再現可能となることで、日本発の「日本食」を世界中に届け、文化的な憧れの的になる。

日本の食産業が抱える「労働力問題」を解決する。

産業規模の見通し

研究開発・投資促進

味再現性の評価方法や安全基準等のルール

調理法の科学的な体系化ビッグデータの構築・分析

そもそも稼げる市場なのかを検証し、官民で共通の未来像を描く

ハード・ソフトともに、民間主導の取組が基本。この分野への投資等を誘引する

味をはじめとした料理の再現性を評価する方法を確立する

日本の料理人の技術・表現力を際限可能とするために、調理法の科学的説明と料理人のサイエンス・リテラシーを高める

ロボットで利用される料理アプリ情報を収集・分析し、世界の食の動向を掌握 画像出所:コネクテッドロボティクスwebサイト

“官民”で議論すべき論点

たこ焼きロボット OctChef →

注: Mckinsey Global Institute “Jobs Lost, Jobs Gained: Workforce Transitions In A Time Of Automation”

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Theme 5(「食」体験デジタル・プラットフォーム)世界や将来世代に日本の最強コンテンツである「食」を時空を超えて体験してもらうプラットフォームを築く。 実在する博物館等をデジタル・ミュージアム化し、自宅から世界中の博物館等を巡れるプラットフォームが築かれている。

また、拡張現実(AR)技術等を用いて、視覚、嗅覚等をコントロールすることで、味などの食の「満足感」もコントロールする技術も登場している。

こうしたトレンドを活用して、日本の「食」を、時空を超えて、より多くの人に親しんでもらい、世界や次世代へと普及・継承していくことが可能になる。

体制構築デジタル・プラットフォーマーと連携し、プラットフォームに載せるコンテンツの発掘・特定を行う体制を構築する

人材育成デジタルに認知された関係を、交流等のリアルの関係(関係人口の増加)につなげる人材が鍵となる。

“官民”で議論すべき論点

出所:Google Arts & Culture https://artsandculture.google.com/

出所:Cyber Interface Labhttp://www.cyber.t.u-tokyo.ac.jp/ja/projects/

味覚コントロール技術の実用化

遠隔で食を通じて文化を知ってもらう際のボトルネックは「味わう」こと。このボトルネック解消につながる味覚コントロール技術を実用化することで、時空を超えて、「味わってもらう」ことが可能になる。

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食料確保のための官民連携のプラットフォームを作成、機能させる。

<食料調達に関する現状認識>①平成21年8月に外務省および農林水産省が『食料安全保障のための海外投資促進に関する指針』を発表して以降、日本の食料輸入(特に穀物)に対する体系だった戦略は作成せず。②全世界における需給バランスは安定している状況下、日本の調達状況は、各企業の個々のビジネス活動に依存している。

(事例)現在のブラジルにおける穀物ビジネスの状況A) 情報化社会や技術の進展もあり、生産者サイドの価格交渉力が急激に上昇。B) 穀物メジャーが優位性を維持している中、中糧集団有限公司(COFCO)を始めとする中国勢が、精力的に穀物調達を実施。一方、ブラジル

の穀物生産のポテンシャルを考慮し、多くの穀物トレーダーの新規参入あり。C) 競争激化のため、日本勢は、穀物集荷において難しい状況に直面しており、時に「買い負け」と言われることもあり。

<20~30年後の想定される状況>世界の至る所で、ブラジルと同じ状況が起き、日本は有事の際に、食料調達が困難になる。また、平時の日本では、国内の食料価格が高騰し、中間層以下は食料アクセスができなくなる。

参考文献:「グローバル食料争奪時代」を見据えた日本の食料安全保障戦略の構築に向けて(McKinsey & Company)

<ファーストステップ>企業や農水省を始めとする日本政府が集まり、食料調達戦略を考える官民プラットフォームを作成。

<セカンドステップ>各企業の関心に応じた出資比率で、地域・国毎に食料調達会社を設立。

日本の食料を安定的に確保するための必要なアクション例えば・・・

食料事業

企業A 企業B

食料事業

企業C

新会社

事業集約

出資等

日本

D国

日本政府

食料事業

アタッシェ&資金配当および食料

イメージ

ヒント:民間独自の動きであるが、日本郵船、商船三井、川崎汽船の定期コンテナ船事業の集約を2016年10月に決定。

Theme 6(食産業を支える土台作り)

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Theme 7(不正流出防止新スキーム)知的財産情報×ブロックチェーンで、種苗の不正流出を防止。 正規の種苗に由来する産品のトレーサビリティをブロックチェーンで確立。 不正流出防止・不正使用の監視コストの低減により、権利者の利益を確実に保護→研究開発の促進の他、優良品種栽培のライセンス事業展開の基盤にも。

【背景】• 日本で開発された優良品種の種苗が海外に流出

例:韓国で生産されているイチゴは、以前に日本から流出した品種を基に、韓国で交配されたものが主。=日本が輸出できるはずの市場が海外勢に奪われている。

※ブロックチェーン技術:改ざんが極めて困難な取引履歴の共有システムを安価に構築することが可能

トレーサビリティ・ネットワーク確立

「正規品」や「正規品取扱業者」に対する認証制度(認証主体、認証範囲)

種苗開発業者・種苗会社・生産者・加工業者・流通業者・小売業者等のサプライチェーンと権利情報を持つ行政や認証機関等の国内外の各主体をブロックチェーンでつなぎ、取引履歴を共有

正規品の認証システム構築

認証とモノの流れを合わせ把握する仕組みの構築

研究開発者

種苗販売者

生産者

加工・バッカー

流通

小売

行政

認証機関 CoC認証

CoC認証

CoC認証

CoC認証

認証

認証

認証

CoC認証

• 知的財産権の確保• 契約に基づく販売・栽培等許諾

ブロックチェーンで、種苗等の知的財

産「正規品」の取引履歴を共有

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“官民”で議論すべき論点