高輪ゲートウェイ駅におけるロボットの活用について157.71.22.10/press/2020/20200707_ho02.pdfJul 07, 2020 · 搬送ロボットやパーソナルモビリティの活用
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ロボットが産業・生活を支援できるようになるために
-実現場に普及するためのキーポイント-
名城大学・理工学部・電気電子工学科辰野恭市
本日の話の内容
1.ロボットとはなにか?2.ロボット開発の経緯3.ロボットが普及するには?(模索)4.普及するためのキーポイント(まとめ)5.これまでのロボット開発の反省6.今の新しい動き
ロボットとは何か?ロボットという言葉から何をイメージするか?ヒューマノイドアーム型産業用ロボット自律移動ロボットコンピュータで制御される機械
ロボット1.ヒューマノイド ← 鉄腕アトム
2足歩行 HRP(産総研),アシモ(ホンダ)車輪 PR2,Jastine
2.人間の一部を使って作業をする機械アーム自動車の溶接・塗装 液晶パネルの搬送建設ロボット
足・目原子力ロボット・軍事ロボット
上半身(簡単な移動)ダンボール組立腹腔鏡手術(ダビンチ)
3.人間の形をしていない自動機械部品実装機 ネジ締め 工作機械
ロボットにして欲しい作業は?1.製造工場での作業・自動車及び自動車部品の製造・組立・パソコン・携帯・大型ディスプレイの組立・造船・電力機器などでの溶接・塗装・その他の製造ライン・セルの自動化・工作機械のインテリジェント化
2.特殊環境作業(人間には過酷な環境での作業)・原子力発電所の保守・点検・解体・水中・消防・警察・建設・社会インフラの保守・点検
3.ホームユース・家事の自動化・介護支援
4.その他・畑の作業・果樹園での作業の自動化・輸送用自動車の自動運転(自動車専用道路)
ロボットがおこなう作業人間には過酷な作業の代行
原子力・消防などの災害工場・畑での連続労働大きな力が必要細かい作業
工場では 自動機械原子力その他では 遠隔操作
ロボットではどのような機械か分からない。これが研究開発の集中力を欠く原因
○○ロボットと形容詞を付けて具体化例:溶接ロボット
ロボット開発の経緯
第1期?自動車製造ラインでの塗装・溶接ロボット放射線物質を扱うマスタスレーブアーム
第2期?
各種製造ライン(プラスチックの射出成型・液晶パネル製造など)で加工装置に部品を出し入れ(ピック&プレイス)電子回路の部品の実装
その後、国のプロジェクトとして推進極限作業ロボット(1983年~1990年)ヒューマノイド(1998年~2003年?)建設機械(1994年~)RT(2004年~) コンポーネント
ロボットが普及し、産業・生活を支援できるようになるためには何が必要か? 模索する。
今回は以下のものを取り上げて、普及のポイントを探る。
1)製造分野でのセル生産対応ロボット2)サービス分野での介護・病院業務支援ロボット3)原子炉の廃炉作業用ロボット
それぞれの分野で1)ニーズのあるそうな作業2)ロボット(形)3)要素技術4)普及のポイント
製造分野でのセル生産対応ロボット
1)ニーズのありそうな作業①セルにおけるバラ積み部品の配膳、取り出し作業
②ボルト・ナットによる締め付け③電子回路基板・コネクタ・電源をネジ・ボルト・ナットでシャーシに組み付け
④ケーブルの接続⑤大型重量物の組み付け⑥ホース・ベルトなどの柔軟物の組み付け
2)ロボット人と一緒に作業をする移動台車付き人腕型の作業アーム
アームは多種類あるより標準アーム標準アームで色々な作業に挑戦
安川電機
3)要素技術①いろいろな作業をするための作業スキル(教示)②作業スキルを実行するための力制御③力制御のための低雑音でドリフトの小さい安価な力センサ・触覚センサ
④作業対象物に対してアームを位置合わせするためのビジュアルフィードバック
4)普及のポイント①ユーザ(現場の生産技術者)との意思の疎通⇒ニーズに沿って機能設計現場の人は日日の生産活動に精一杯改良は2の次
②作業を確実に実行するシステムに完成度を上げる
③標準化・モジュール化⇒ロボットシステムを安く作る
④ロボットを売るビジネス⇒ロボットの導入・運用・保守
⑤作業セル全体の標準化
サービス分野での介護・病院業務支援ロボット
1)ニーズのありそうな作業自立できる人①歩行支援②遠隔買物・遠隔訪問(ネットーワーク利用)介助者支援③ベッドから車椅子への移乗病院業務支援④病院内で検体や食事を運ぶ自律移動・案内
2)ロボット①杖・歩行器・車椅子
ウエアラブル化②遠隔訪問③車椅子への移乗④病院内の搬送の自律搬送車
歩行器のウエアラブル化
病院案内・搬送(PANASONIC)
遠隔訪問
Suitable Robotics 名城大学
3)要素技術
①杖・歩行器・車椅子・ベッドを構成するための軽量で人の体重を支える機構・アクチュエータ②広範囲の自律移動をするための、
どこでも接続できる無線ネットワーク③安全のために人・障害物を検出⇒接触センサ・近接センサ
4)普及のポイント
①現場の介護士・医師・看護師とロボット技術者との協力・意思疎通⇒CGなどを利用して機能設計のビジュアル化
介護士・医師・看護師はロボットを操作できない②ロボットを運用するためのエンジニアリング・サービス
遠隔からの操作支援継続した改良
③介護用は大量生産品ではない。オーダーメイドに対応。
原子炉の廃炉作業用ロボット1)しなければならない作業漏洩部の検出・封止①原子炉縦屋において人が入れる領域を広げるための除染
②格納容器漏洩部の観察③格納容器・トーラス室漏洩部の封止である。
作業シナリオ(アニメーション)の作成作業シナリオ作成を通して作業実施者と遠隔機器開発者が目標を共有
2)ロボット格納容器漏洩部の観察①水陸両用長尺スコープ/蛇型ロボット瓦礫の処理と格納漏洩部/トーラス室の封止②小型の遠隔操作建設ロボット③除染ロボット
ヘビ・ロボット(山田ほか) 除染ロボット(三菱重工)建設ロボット(日立建機・東急建設)
3)要素技術
①水陸両用長尺スコープ/蛇型ロボットの機構開発
②原子炉建屋内の電源・通信ネットワークの確保③遠隔操縦技術の開発・操縦訓練である。
4)普及のポイント①作業シナリオを作成
⇒作業実施者と遠隔機器開発者が目標を共有②経済省・東京電力・プラントメーカー・原発建屋建設業者・作業実施者・ロボット開発者が、一つになって力を発揮できる作業設計・実施体制を確立③できるまで継続する。
これまでのロボット開発の反省1)システム開発を途中で止めた
極限作業ロボットJCO事故対応ロボットヒューマノイドは継続?富士重工の掃除ロボット
2)RTプロジェクトの評価・見直しハードウエア・コンポーネントは普及したか?RTミドルウエアは普及したか?
3)機能設計が十分でない機能設計こそシステム設計のキーポイント
4)ユーザはそのロボットが欲しいのか?ユーザの意識とのミスマッチ
普及するためのキーポイント(まとめ)
1)ニーズに立脚した研究開発ユーザと共同で機能仕様の立案アニメーションによるビジュアライズ
2)必要な要素技術の獲得①色々な作業のための作業スキル(教示)②作業を一般化するためのビジュアルフィードバック
認識確率を改善(誤認率1/1000)③アクチュエータのトルク/重量比の向上3)プロジェクトチームで開発ユーザを含めたプロジェクト運営こそロボット普及のキーポイント
4)低価格化ロボットの機構・制御ソフトの標準化・モジュール化ロボット業界が協力して標準化を促進5)システムの完成度を上げる研究試作だけ。ますます広がる死の谷。企業か?産総研か?大学か?6)ロボット事業は運用支援エンジニアリング
初期導入コストの低減とシステムの完成度の低さをリカバー7)安全安全基準ができたことは大きな進歩8)使い続ける=できるまで開発を継続普及の最大のキーポイントは常時、使い続けること
今の新しい動き1)ロボット戦略介護(パワースーツ?)農業(無人トラクタ)社会インフラ保守点検(小型ヘリコプタ)製造分野(?)2)ネットワーク・ロボティクスソフトバンク(Pepper 感情表現?)RSi (ロボット・サービス・イニシアチブ )3)IT企業のロボット分野への参入Google(企業買収),MicroSoft(RDS)??
ニーズの無いところにビジネスは無い。
結論
1)これは必要、これなら欲しいロボットのアニメーション(機能仕様)を作成する。
2)普及するまで継続して開発
運用・使用しながら改良する運用エンジニアリング会社を国が継続して支援
できるまで開発を継続するためには?1)開発ターゲットをニーズのある作業に絞る。
機能仕様を明確にする2)使用しながら改良する
運用エンジニアリング会社を国が継続して支援