テスト作成講座(1) · (1)テスト作成の基礎・基本を確認する...

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中学校社会科のしおり 2016 ① (1)テスト作成の基礎・基本を確認する テストの作成に当たっては学習評価に関す る基本となる関係文書によることが重要です。 中学校学習指導要領総則の「第4 指導計画 の作成等に当たって配慮すべき事項」の2に, (12) 生徒のよい点や進歩の状況などを積極的 に評価するとともに,指導の過程や成果を評価し, 指導の改善を行い学習意欲の向上に生かすように すること。 とありますように,テストのねらいは授業を 通して生徒一人一人がどのような学力や学習 態度を身に付けているかを把握し,その後の 指導に生かすことにあります。また,評価に ついては「中学校学習指導要領解説 総則編」 (以下,「解説」)p.83に, 基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着を図る とともに,これらを活用して課題を解決するため に必要な思考力・判断力・表現力等を育成するた めの指導を行うためには,評価の在り方が大切で ある。いわゆる評価のための評価に終わることな く,生徒一人一人の学習の成立を促すための評価 という視点を一層重視することによって,教師が 自らの指導を振り返り,指導の改善に生かしてい くことが特に大切である。 とあります。本講座の1学期のテーマは「思 考力・判断力・表現力」に視点を当てたテス トの作成です。「解説」で述べているように テストは授業を通して習得した「知識・技能」 の定着の状況を把握するとともにそれらを活 用した作問の工夫が大切です。なお,社会科 における「思考力・判断力・表現力」の評価 については「評価規準の作成,評価方法等の 工夫改善のための参考資料 (中学校 社 会 )」( 平 成23年11月  国 立 教 育 政 策 研 究 所  以下,「参考資料」)p.21に, 社会的事象から課題を見いだし,社会的事象の意 義や特色,相互の関連を多面的・多角的に考察し, 社会の変化を踏まえ公正に判断して,その過程や 結果を適切に表現している。 とあります。 「思考力・判断力・表現力」は,まず社会 的事象についての基礎的・基本的な知識・概 念や技能を授業でしっかりと習得し,さらに それらを活用した言語活動を取り入れた生徒 の主体的な学習活動を通して自分なりに考察 し,解釈したことを自分の言葉で表現するこ とによって身に付けることができます。授業 では教科書の記述内容や図版などの各種資料, 地図帳の地図や統計資料等を十分に活用して 基礎的・基本的な知識・概念,技能を確実に 習得させるよう心がけましょう。日頃から教 科書の記述内容を図版や各種資料と関連させ ながら読み込んだり,考察させたりする学習 活動が重要です。「思考力・判断力・表現力」 を育むには,教師が教えることはきちんと教 え,その上で生徒が主体的な学習活動に取り 組める授業が肝心です。その際,活動への取 り組み方,学習の仕方については,何のため, 何を,どのように調べ,話し合い,どうまと めて表現するかなどの具体的な指示が大切で テスト作成講座(1) 全国中学校地理教育研究会名誉会長(元教育課程審議会委員) 佐野金吾 スト★ 作−テスト作成の基礎・基本− - 26 - - 26 -

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中学校社会科のしおり 2016 ①

(1)テスト作成の基礎・基本を確認する テストの作成に当たっては学習評価に関する基本となる関係文書によることが重要です。 中学校学習指導要領総則の「第4 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項」の2に,

(12) 生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価するとともに,指導の過程や成果を評価し,指導の改善を行い学習意欲の向上に生かすようにすること。

とありますように,テストのねらいは授業を通して生徒一人一人がどのような学力や学習態度を身に付けているかを把握し,その後の指導に生かすことにあります。また,評価については「中学校学習指導要領解説 総則編」

(以下,「解説」)p.83に,

基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着を図るとともに,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等を育成するための指導を行うためには,評価の在り方が大切である。いわゆる評価のための評価に終わることなく,生徒一人一人の学習の成立を促すための評価という視点を一層重視することによって,教師が自らの指導を振り返り,指導の改善に生かしていくことが特に大切である。

とあります。本講座の1学期のテーマは「思考力・判断力・表現力」に視点を当てたテストの作成です。「解説」で述べているようにテストは授業を通して習得した「知識・技能」の定着の状況を把握するとともにそれらを活用した作問の工夫が大切です。なお,社会科における「思考力・判断力・表現力」の評価

については「評価規準の作成,評価方法等の工夫改善のための参考資料 (中学校 社会)」(平成23年11月 国立教育政策研究所 以下,「参考資料」)p.21に,

社会的事象から課題を見いだし,社会的事象の意義や特色,相互の関連を多面的・多角的に考察し,社会の変化を踏まえ公正に判断して,その過程や結果を適切に表現している。

とあります。 「思考力・判断力・表現力」は,まず社会的事象についての基礎的・基本的な知識・概念や技能を授業でしっかりと習得し,さらにそれらを活用した言語活動を取り入れた生徒の主体的な学習活動を通して自分なりに考察し,解釈したことを自分の言葉で表現することによって身に付けることができます。授業では教科書の記述内容や図版などの各種資料,地図帳の地図や統計資料等を十分に活用して基礎的・基本的な知識・概念,技能を確実に習得させるよう心がけましょう。日頃から教科書の記述内容を図版や各種資料と関連させながら読み込んだり,考察させたりする学習活動が重要です。「思考力・判断力・表現力」を育むには,教師が教えることはきちんと教え,その上で生徒が主体的な学習活動に取り組める授業が肝心です。その際,活動への取り組み方,学習の仕方については,何のため,何を,どのように調べ,話し合い,どうまとめて表現するかなどの具体的な指示が大切で

テスト作成講座(1)

全国中学校地理教育研究会名誉会長(元教育課程審議会委員) 佐野金吾

定期テスト★ 作成講座

−テスト作成の基礎・基本−

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中学校社会科のしおり 2016 ①

す。なお,「思考力・判断力・表現力」をテーマとして作問することで「知識・理解」や「技能」に関する習得の状況も評価できます。(2)地理的分野〈世界各地の人々の生活と環境〉

 学習指導要領における中項目イのねらいは,

世界各地における人々の生活の様子とその変容について,自然及び社会的条件と関連付けて考察させ,世界の人々の生活や環境の多様性を理解させる。

とあります。 問1は,この中項目のねらいを実現させる上で必須となる自然環境に関する地理的事象を示す雨温図についての問いです。『社会科 中学生の地理』(以下,地理教科書)p.17の「雨

温図の読み取り方」による学習活動が必要です。問2は地図の読み取りです。熱帯に関する基礎的な知識・理解と分布図を読み取る技能が必要です。日頃から地図を活用して地理的事象の位置や分布について学習する授業が大切です。 問3,問4は写真の読み取りです。地理的事象を表している写真から自然環境や人々の生活を読み取ることは地理の学習の基礎・基本であり,中項目のねらいを実現させる重要な学習活動です。作問で扱う写真は地域の自然環境や人々の生活などの地理的事象が適切に読み取ることができるものを十分に吟味しましょう。地理教科書p.15の「写真の読み取

[問3]<資料3>は,熱帯の地域で雨やどりをしている人々のようすである。この資料にみられるような,この地域に多くみられる一時的な強い風をともなう大つぶの雨を何というか答えなさい。[問4]熱帯の地域の人々はどのような暮らしをしているか。次の三つの写真を参考にして,説明文のA・Bにあてはまる語句をそれぞれ10字程度で答えなさい。

説明文:熱帯では四季がなく,昼間の気温が30℃近くまで上がる日が一年中続くので,人々は気候にあった   A   衣服で過ごしています。 また,毎日のように雨が降るため,住居は床が地面からはなれた高床になっています。これは家の中に   B   という工夫によるものです。

世界のさまざまな生活と環境について,次の問いに答えなさい。[問1]次の二つの資料を見て,各問いに答えなさい。(1)<資料2>のような図を何というか答えなさい。

(2)<資料2>を作成するためには,<資料1>にどのような情報を加えなければいけないか説明しなさい。[問2]熱帯の分布図として正しいものを次のア~エから一つ選び,記号で答えなさい。また,なぜその分布図を選んだのか,熱帯の分布の特徴(地図中のどのような場所に広がっているか)にふれて説明しなさい。

都市 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年間平均

シンガポール 26.6 27.2 27.6 28.0 28.4 28.4 27.9 27.8 27.7 27.7 27.0 26.6 27.6

カイロ 14.1 14.8 17.3 21.6 24.5 27.4 28.0 28.2 26.6 24.0 19.2 15.1 21.7

ローマ 8.4 9.0 10.9 13.2 17.2 21.0 23.9 24.0 21.1 16.9 12.1 9.4 15.6

モスクワ -6.5 -6.7 -1.0 6.7 13.2 17.0 19.2 17.0 11.3 5.6 -1.2 -5.2 5.8

ディクソン -24.8 -25.7 -22.3 -17.4 -7.7 0.5 5.0 5.5 1.7 -7.5 -17.5 -22.7 -11.1

<住居>

<資料3>

<資料1>世界のおもな都市の月平均気温(単位は℃)

<衣服> <室内>

〈理科年表 平成27年,ほか〉

1 4 7 10 月1 4 7 10 月1 4 7 10 月1 4 7 10 月1 4 7 10 月1 4 7 10 月1 4 7 10 月1 4 7 10 月1 4 7 10 月1 4 7 10 月

400350300250200150100

0

降水量

mm℃50403020100

-10気

 温

熱帯雨林気候 サバナ気候 砂漠気候 ステップ気候 温暖湿潤気候 西岸海洋性気候 地中海性気候 亜寒帯気候 ツンドラ気候 氷雪気候

<資料2> 〈理科年表 平成27年,ほか〉

ア イ

ウ エ

出題意図・採点基準 世界各地の人々と環境をとらえる目を養うため,雨温図の特色と資料の読み取りを出題しました。問2は「場所」という指定を設け,地図から「赤道周辺」という言葉を求めます。また,問4は写真から服装・住居のようすを読み取らせたいと思います。今回は1学年を対象としているので,問4のように地域の特色をまとめる方法の一例を示すため穴埋め形式の出題としましたが,今後は生徒が自分の言葉でまとめることができるよう,問い方を変化させていきたいと思います。

地理的分野〈世界各地の人々の生活と環境〉 作問者:T先生

赤  道

赤  道

赤  道

赤  道

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中学校社会科のしおり 2016 ①

り方①」の学習が重要です。(2)歴史的分野〈律令国家での暮らし〉

 律令国家の建設とその基盤となる税制を扱った作問です。 問1は,平城京の略地図を資料として示し,律令国家としてのシンボル的な大規模な都づくりについて問いかけています。単に平城京と答えさせるのではなく,なぜ,このような規模の大きい都づくりが行われたのか,律令国家の形成過程についての的確な知識と理解を定着させる学習が必要です。問2は,平城京の構造に関する作問です。平城京は,都の北端に天皇の居所の内裏や大極殿などのある平城宮を設け,その南側に朱雀大路を中心にして左京,右京とする都づくりをしています。国づくり,都づくりに関しては大陸の制度を取り入れた社会的背景を考察する学習が必要です。問3は,国づくりの基礎である税制に関する作問です。律令制国家を造り上げるに

は国の収入を確保する税制の整備が基本です。小問(1)は一問一答の穴埋め問題で単に知識の再現を求める作問ですが,(2)の問題と関連づけることで当時の税制の仕組み,国づくりの状況を的確に解釈し,判断する作問となっています。一つの大問に複数の小問を設ける場合には,大問全体を通して歴史的事象について的確に考察できる工夫が必要です。 問4は,律令国家としての仕組みが崩れていく過程に関する出題で,この時代の特色をまとめて表現させる工夫が見られます。 授業で身に付けた「公地公民」や「荘園」についての知識を活用して時代の特色をまとめて表現させる作問は学習指導要領の大項目

「(2)古代までの日本」のイのねらいの実現をめざし,テーマ「思考力・判断力・表現力」に即したものとなっています。(3)公民的分野〈少子高齢化が進む現代〉

 統計資料から社会的事象の特色を読み取る

律令国家での暮らしについて,次の図を見て各問いに答えなさい。

[問1]�<図>は710年に奈良盆地の東北部に移された都の略地図であるが,なぜ都を移したのか。その理由

(背景)と新しい都の名前を答えなさい。[問2]<図>では,なぜ地図上の左側に右京,右側に左京となっているのか。説明文の空らんにあてはまる語句を考え,15字程度で答えなさい。説明文:左側に右京,右側に左京となっているのは,宮城に住む       ため。

[問3]このころの農民の負担について,次の<表>を見て,各問いに答えなさい。<表>農民の負担

( ① )  稲の収穫の約3%を納める( ② )  絹や魚などの特産物を納める( ③ )  麻の布を納める 雑徭   国司のもとで労役を行う 兵役   衛士・防人などを行う

(1)<表>の①~③にあてはまる語句を次のア~エからそれぞれ一つずつ選び,記号で答えなさい。 ア 調   イ 租   ウ 庸   エ 出挙(2)<表>の①~③のうち,農民が自分たちで都まで運ばなければならないものはどれか。①~③からすべて選び,記号で答えなさい。[問4]743年に墾田永年私財法が出された。これは国家のしくみにどのような影響を与えたか。「公地公民」・

「荘園」という語句を使って説明しなさい。

歴史的分野〈律令国家での暮らし〉 作問者:T先生

<図>

右京 左京

宮城外京

出題意図・採点基準 天皇や貴族の政治が展開したことを理解させるため,問1・2で天皇を中心とした都の造作,問3で税制度の整備・負担に苦しむ農民のようすを出題しました。よって,問1・2ではそれぞれ「天皇を中心とした都」という言葉を求めたいと思います。そして,これらを通じて天皇・貴族(中央)の生活は農民(地方)の負担のうえにあると理解させ,その後問4でこの土地制度(公地公民制)が崩壊し,私有地である荘園が増加していくことに気づかせたいと思います。

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Page 4: テスト作成講座(1) · (1)テスト作成の基礎・基本を確認する テストの作成に当たっては学習評価に関す る基本となる関係文書によることが重要です。

中学校社会科のしおり 2016 ①

作問です。問題のテーマにそった社会的事象を表現している統計資料として「人口構造」と「人口ピラミッド」を扱っています。 公民的分野における「思考力・判断力・表現力」について「参考資料」p.40では,

現代の社会的事象から課題を見いだし,社会的事象の意義や役割,相互の関連などを多面的・多角的に考察し,様々な考え方を踏まえ公正に判断して,その過程や結果を適切に表現している。

とあります。 問1は,二つの統計資料の読み取りです。日頃から教科書の記述内容と資料として扱われている統計資料を関連付けて読み込み,社

会的事象を的確に解釈する学習活動が行われていれば容易に解答できます。問2は人口減少から起こる社会的事象に踏み込んでいます。問3は,介護を必要とする社会に対して行政機関がどのような施策を行っているか,日頃から行政に対して関心を持たせる指導が重要です。問4は生徒が社会的事象に関しての当事者意識を持たせる学習活動が日頃から行われていることが必要です。授業では生徒が現代社会の構成員であることを意識させる学習活動に留意しましょう。なお,問4のような問題には,何を,どのように表現するのか,採点基準をあわせて示す配慮が重要です。

少子高齢化問題について,次の図を見て各問いに答えなさい。

[問1]<図1><図2>について,正しい説明を次のア~カから二つ選び,記号で答えなさい。 ア 人口は1980年をピークに減少を続けている。 イ 2010年以降,65歳以上の人口のみが減少する。 ウ 2030年には64歳以下の人口が8000万人をきる。 エ 2010年の人口ピラミッドは富士山型である。 オ 2010年の80歳以上の人口は男性のほうが多い。 カ 2010年の20歳以下の人口はみな400万人を下回  っている。[問2]少子高齢化が今以上に進むと,社会はどのような影響を受けるか。説明文の空らんにあてはまる語句を答えなさい。説明文:少子高齢化が今以上に進むと働く人の数が減少する。これにより,日本の産業がおとろえたり,政府に入る   が減り,公共事業などが十分に行われなくなることが予想される。

[問3]高齢化対策として,どのようなことが考えられるか。右の<図3>を使って現状の問題点を指摘したうえで,「政府からの支援」以外の取り組みを考え,具体例をあげて答えなさい。[問4]少子化については,日本政府も次のような<政策>に取り組んでいる。これらのなかであなたが最も重視して取り組むべきと思う政策はどれか。次の①~④から一つ選び,特命担当大臣になったつもりで,その理由を合理的かつ客観的に述べなさい。<政策>① 保育所の増設② 育児にかかる費用の支援③ 教育にかかる費用の支援④ �その他,自分で考えた政策(考えた具体例をあげる)

<採点基準>Ⅰ その政策を行うメリットを説明している。Ⅱ Ⅰについて説得力のある説明をしている。Ⅲ その政策を一番重要と考える理由を説明している。Ⅳ Ⅲについて説得力のある説明をしている。

公民的分野〈少子高齢化が進む現代〉 作問者:T先生

65歳以上人口

15~64歳人口

0~14歳人口

実績値 値推計値

万人14,000

12,000

10,000

8,000

6,000

4,000

2,000

01920 40 40 6060 80 2000 2010 年

(歳)

80

60

40

20

00600 600400 400200 200

(万人)

男 女

2010年

<図1>日本の人口構造の変化〈子ども・子育て白書 平成24年版〉

<図2>日本の人口ピラミッド〈平成22年 国勢調査,ほか〉

2004 年

2007 年

2010 年

2013 年

50 代未満

15.8% 50代28.5

60 代27.4

70 代以上28.3

11.5

11.2 26.6 29.3 32.9

10.0 21.4 31.0 37.6

29.8 24.5 34.2

<図3>家族で介護する人の年齢構成の推移〈国民生活基礎調査 平成25年,ほか〉

出題意図・採点基準 少子高齢化問題に対し,現状の把握とその対応,というテーマで問題解決的な学習の総括として出題しました。具体的には,問1・3で資料の読み取りを通じた現状把握,問2でそれらの社会的影響への気づき,問3・4で解決策のまとめ,という思考の流れを意図しています。とくに,問3では図から「老老介護」という現状を読み取りその解決策を指摘できていること,問4は<採点基準>のとおり,生徒が自分の意見を指定された形でまとめる力を養いたいと思います。

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