リスクアセスメントの基本的進め方(共通部分) -...

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リスクアセスメントの基本的進め方(共通部分) 微燃性冷媒安全検討ワーキンググループ Documentation 安全ガイドラインの基本方針は可燃域を作らないこととしている.よって冷媒充填量の制 限は㻸㻲㻸の㻝㻛㻠以下とする厳しいものにしている.それ以上の場合は漏洩検知器といくつ かの安全装置が必要となる. 日本冷凍空調工業会は各機器毎に詳細なマニュアルやガイドラインを準備している 調 最終レポートは 㻶㻿㻾㻭㻱より近々発行される予定 ISO/IEC guide 51 生産 貯蔵 輸送 使用 補修/サービス 廃棄l /使 使 A/C 1.0× 10 8 1.0× 10 -10 1.0× 10 -9 A/C 7.8× 10 6 1.3× 10 -9 1.3× 10 -8 1.0× 10 7 1.0× 10 -9 1.0× 10 -8 1.34× 10 5 7.5× 10 -7 7.5× 10 -7 㻝㻚 冷媒充填量は少なく、可燃域を形成しない 㻞㻚 冷媒量が多い場合でも、適度の換気があれ ば可燃域は形成しない 㻝㻚 床置き室内機など漏れ冷媒が拡散 しない場合は可燃域が形成される 㻞㻚 冷媒量が部屋の大きさに比べて多く、 適度の換気がない場合は可燃域が 形成される 㻝㻚 最も危険な場合は、部屋に等量比と なる濃度の冷媒が漏れて予混合され た後で着火する場合であり火炎伝播 が激しい 169m 2 : 30kW :19kg LFL140kg 㻞㻸冷媒はガスライターでは着火しない 14m 2 : 30kW :4kg LFL11kg 10m 2 : 4kW :1.2kg LFL8kg Stove 漏洩速度と漏洩確率は市場データおよび 㻵㻱㻯㻢㻜㻟㻟㻡㻙㻞㻙㻠㻜により決定 冷媒量、部屋の大きさ、換気状況、設置状況などを考慮し、“通常の 場合“と”リスクのある場合“を想定 可燃域の存在確率を右の式で計算する.可燃域の時間空間積は㻯㻲㻰 シミュレーションにより算出する 着火源の存在確率:火災事故の統計データより決定 着火源の評価:㻺㻱㻰㻻プロジェクトが種々の下に示すような着火試験を実施 ──────────────────────────────── x 高圧ガス 保安法 ガイドライン GL-20 商業用 A/Cのガイドライン 設備用 A/Cのガイドライン 低温機器のガイドライン 漏洩検知器の標準 チラーのガイドライン 小型スプリット のマニュアル 日本冷凍空調工業会は火災事故の許容レベ ルを㻝㻜㻜年に一回以下と設定している.また現 状では火災が起こった場合の危害度レベルが 想定できないので、着火すれば必ず重大事故 につながると仮定している.よってこの許容レ ベルは非常に厳しいものである. 可燃域の形 成はない これは換気がある 㻸㻲㻸㻟㻟㼗㼓に相当する大 きさの部屋に㻤㻤㼗㼓の冷 媒が漏えいした場合 数種類のストーブで火炎伝播は なかった 電磁開閉器は㻾㻟㻞では着火せず Length between contact point and cover(mm) VRF 急速漏洩速度 15kg/h 10kg/h 10kg/h burst 75kg/h 漏洩確率 0.0230.0015% 0.0005%, burst 0.0010% := [1]× [2]× [3] ” 㻞㻸 ガスでは着火しない 2L I S O / I E C 5 1 日冷工は㻞㻜㻝㻝 年から 㻞㻜㻝㻢年まで産官学共同でリスク アセスメントを実施した [回/年・台] 家庭用エアコンの場合 目標

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Page 1: リスクアセスメントの基本的進め方(共通部分) - …ライフサイクルと許容レベル リスクアセスメントの基本的進め方(共通部分) 微燃性冷媒安全検討ワーキンググループ

ライフサイクルと許容レベル

リスクアセスメントの基本的進め方(共通部分)微燃性冷媒安全検討ワーキンググループ

リスクアセスメントの体制

Documentation

高圧ガス保安法に関係する安全ガイドライン安全ガイドラインの基本方針は可燃域を作らないこととしている.よって冷媒充填量の制限は の 以下とする厳しいものにしている.それ以上の場合は漏洩検知器といくつかの安全装置が必要となる.各機器のガイドラインとマニュアル日本冷凍空調工業会は各機器毎に詳細なマニュアルやガイドラインを準備している日本冷凍空調学会はリスクアセスメントの最終レポートを公開最終レポートは より近々発行される予定

産官学共同の体制で推進

基本としたのは ISO/IEC guide 51

生産

貯蔵

輸送

使用

補修

/サービス

廃棄

l

対象としたライフサイクルステージ

製品/システム 市場のストック台数

使用時の許容レベル

使用時以外の許容レベル

家庭用A/C 1.0×108 1.0×10-10 1.0×10-9

商業用A/C 7.8×106 1.3×10-9 1.3×10-8

ビル用マルチ 1.0×107 1.0×10-9 1.0×10-8

チラー 1.34×105 7.5×10-7 7.5×10-7

例:家庭用 の における許容レベル

各機器の許容レベルの設定

結論

通常は安全である

冷媒充填量は少なく、可燃域を形成しない

冷媒量が多い場合でも、適度の換気があれば可燃域は形成しない

通常の場合

危険な場合

リスクがある場合

この場合は漏洩検知警報器と撹拌、換気、遮断弁などいくつかの安全装置が必要である

床置き室内機など漏れ冷媒が拡散しない場合は可燃域が形成される

冷媒量が部屋の大きさに比べて多く、適度の換気がない場合は可燃域が形成される

この場合は回避すべきである

最も危険な場合は、部屋に等量比となる濃度の冷媒が漏れて予混合された後で着火する場合であり火炎伝播が激しい

事務所

厨房

部屋サイズ:169m2

冷凍能力 : 30kW充填量 :19kgLFL充填量:140kg

通常、冷媒充填量は より十分小さい

ライターの着火試験

冷媒はガスライターでは着火しない

部屋サイズ:14m2

冷凍能力 : 30kW充填量:4kgLFL充填量:11kg

レストラン

部屋サイズ:10m2

冷凍能力 : 4kW充填量:1.2kgLFL充填量:8kg

小さなカラオケ

適度の換気は可燃域の形成を防ぐことができる

Stove

急速漏洩の確率漏洩速度と漏洩確率は市場データおよび により決定

可燃域形成の確率冷媒量、部屋の大きさ、換気状況、設置状況などを考慮し、“通常の場合“と”リスクのある場合“を想定可燃域の存在確率を右の式で計算する.可燃域の時間空間積はシミュレーションにより算出する

着火源の存在確率着火源の存在確率:火災事故の統計データより決定着火源の評価: プロジェクトが種々の下に示すような着火試験を実施

可燃域の形成確率 = ────────────────────────────────可燃域の時間空間積

総空間 x 総時間

法律 ガイドライン 機器毎のガイドライン

高圧ガス保安法

ガイドラインGL-20

商業用 A/Cのガイドライン設備用 A/Cのガイドライン低温機器のガイドライン

漏洩検知器の標準

チラーのガイドライン

小型スプリットのマニュアル

日本冷凍空調工業会は火災事故の許容レベルを 年に一回以下と設定している.また現状では火災が起こった場合の危害度レベルが想定できないので、着火すれば必ず重大事故につながると仮定している.よってこの許容レベルは非常に厳しいものである.

可燃域の形成はない

これは換気があるに相当する大

きさの部屋に の冷媒が漏えいした場合

数種類のストーブで火炎伝播はなかった

ストーブの着火試験

電磁開閉器は では着火せず

日本の現状

Length between contact point and cover(mm)

火炎は伝播しない

電磁開閉器の研究

形式 家庭用 商業用 VRF チラー

急速漏洩速度 15kg/h 10kg/h 10kg/h burst 75kg/h漏洩確率 0.023% 0.0015% 0.0005%, burst 0.0010%

リスクの推定 :次の式で計算 ” 着火確率= [1]×[2]×[3] ”

ガスでは着火しない

ヘアドライヤーの着火試験

2L

基本的な進め方

ドキュメント

図 リスク評価手法(ISO/IECガイド51)

日冷工は 年から 年まで産官学共同でリスクアセスメントを実施した

条件付きで許容

許容

[回/年・台]家庭用エアコンの場合

許容できない

目標