ソーシャルビジネス・NPO支援についての -...

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Copyright(C) NPO ETIC. All rights reserved | 1 ソーシャルビジネス・NPO支援についての ETIC.の取り組みのご紹介 特定非営利活動法人エティック(ETIC.ソーシャルイノベーション事業部 プログラム・マネージャー 番野 智行 お問い合わせ:[email protected]

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ソーシャルビジネス・NPO支援についての

ETIC.の取り組みのご紹介

特定非営利活動法人エティック(ETIC.)

ソーシャルイノベーション事業部

プログラム・マネージャー 番野 智行

お問い合わせ:[email protected]

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ETIC.のご紹介

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団体概要

• 団体名称:特定非営利活動法人エティック

• 設立:1993年 法人化:2000年3月

• 代表理事:宮城 治男

• 理事

石川治江(NPO法人ケア・センターやわらぎ 代表理事)

佐藤真久(東京都市大学大学院 環境情報学研究科 教授)

孫泰蔵(Mistletoe株式会社 代表取締役社長兼CEO)

松本大(マネックスグループ株式会社代表執行役社長CEO 兼

マネックス証券株式会社取締役会長)

鈴木敦子(事務局長 兼任)

山内幸治(事業統括ディレクター 兼任)

監事 樋口哲朗(樋口公認会計士事務所 代表)

• スタッフ: 80名(うち専従50名) ※2018年5月末日現在

• 所在地:東京都渋谷区神南1-5-7 APPLE OHMIビル 4階

• 年間予算:約6億円(2018年度)

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長期実践型インターンを通した起業家精神の養成(1997~)

• 創業期のベンチャー企業・NPOの経営者の右腕として、未来のリーダーになる可能性を秘めた大学生をマッチング。半年~1年間仕事をしてもらう。

• 何もないところから新しい価値を創る現場で、優れたリーダーと働く経験を通して、実務的なスキルだけではなく、起業家に必要なマインドを養う。

• 18年間で3,000名の大学生と、のべ2,000社を超えるベンチャー企業・NPOが参画。その結果、200名の起業家/大手企業・メガベンチャーの中で新規事業を担うリーダーとして活躍する人材を輩出。

(当初の受入先:DeNA、mixi、楽天ほか)

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若手社会起業家支援・育成(2002~)

• ITベンチャーブームを受けて営利ベンチャー支援のエコシステムが整備される中、次なる働き方として、非営利・社会起業支援のエコシステム創りに取り組む。

• 先輩経営者や大手企業、行政の力を借りながら、15年で700名以上を支援。リーダー的存在の多くが含まれる。

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挑戦する人は確実に増えてきた

働きながら感じた 問題意識を事業に 専門性やネットワークを

活かし、変革に挑む

身近に感じた問題意識に アクションを起こし、事業へ

教師として感じた 問題意識を事業に

企業で実際に働く中で感じた 「働き方」への問題意識を

事業に

福祉ベンチャーで 働くうちに感じた 問題意識を事業に

アスリートのネットワークを活かした課題解決

大学院で専門性を磨きながら 自閉症の新たな療育の仕組みを 事業で広げる

学生時代に始めた 児童養護施設支援を

事業に

自身が当事者として感じた 心の支援への問題意識や アイデアを事業に

国連等での 国際協力の 現場で感じた 問題意識を 事業に

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地域で挑戦者が増えていくエコシステム創りの支援(2005~)

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右腕人材の派遣を中心とした東日本大震災の復興支援(2011~)

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その他、いろいろな活動をしていますが、基本思想は1つ!

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もう少し説明すると…

• よりよい社会の実現に向けて「事業・活動」を直接サポートする(≒コンサルティング)のではなく、その担い手である「リーダー」を育成・支援(≒人材育成)

リーダー 事業・活動 社会

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なぜETIC.は「人材育成」に着目するのか?

「これまでの 常識が通用しない」 「変化が早い」 「複雑性が高い」 社会の到来

社会を創る 担い手である

人材に投資するのが 最も確実で 効果が高い!

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具体的な取り組み例の紹介

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ETIC.の社会起業家・NPO・SB支援の取り組み

地元NPO主体の運営に

社会起業塾イニシアティブ (花王・NTTドコモ・NN生命*・電通・横浜市*などが参加)*は現在は不参加

フェーズ1:取組のスタート 個別支援中心

(2001~2007)

フェーズ2:規模・内容の拡大 プログラムによる支援中心 (2008~2012)

フェーズ3: 生態系創出へ プログラムに加え、

生態系作りを意識した支援へ (2013~)

STYLE (2002-2006)

NEC社会起業塾(2002-)

内閣府 ソーシャルベンチャー・ スタートアップマーケット

(2010・2011年度)

人材支援(インターンシップ紹介、採用支援(DRIVE)、人材紹介)

イノベーショングラント(2008-)

インパクトラボ(2015-)

西武信金ソーシャルビジネス成長応援融資 CHANGE(2013-)

AMEXサービスアカデミー(2009-)東京開催

東海若手起業塾(2008-)

企業のCSRコンサルティング・実行支援/ 企業向け幹部研修・NPOとの協働支援/ 自治体におけるNPO/SB支援の支援

実績が評価され企業・行政等からの協力依頼増加

2年で95件支援 ⇒規模拡大の経験 ・ノウハウの強化

多くの方々の 共感と支援 により取組 を開始

SUSANOO (2015-)

関西開催(2015-)

Social Impact for 2020 and beyond

(2016-)

セクターを越えた挑戦者と支援者の生態系作り

成長・拡大期の団体 に対する支援を本格化

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プログラム例:社会起業塾イニシアティブ

• NECの協賛で2002年スタート、現在、花王・NTTドコモ・電通も協賛

過去にはNN生命、横浜市も協賛

• 当初より100団体超を支援。その多くが活動を継続。

• 日本を代表する若手社会起業家も多数輩出。

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プログラム例:社会起業塾イニシアティブ

年間9団体程度を選抜。6か月間、多様なサポートを提供

→ ゴールは「卒業後に社会の様々なリソースを

活用しながら自走していけること」

1. 実践と学びを何度も往復

基礎を学ぶブラッシュアッププログラム

社会を変える事業戦略を磨き上げる、4回の集合研修

2. 先輩や仲間から徹底的に盗む

先輩経営者を交えた経営戦略会議

起業塾生同士の相互メンタリング

3. 本気で向き合うサポートチーム

専属コーディネーターとの定期ミーティング

パートナー企業による各種サポート

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良い事業は、自らの思い・志を突き詰めた結果、生まれる

• 通常ならあきらめてしまう困難な課題も、「できる/できない」ではなく、「どうしたらできるか」を粘り強く、(人によっては24時間365日)考えるがゆえに、革新的な解決策にたどり着くことが多い。

未完成のアイデアでも 強い思い・志が

出発点

強い思い・志に 基づかない

アイデア・発想が 出発点

粘り強く続けるうちに よいアイデアに たどり着く

うまく行かないと 途中でやめてしまう…

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思い・志は、より良い社会の実現・課題解決(事業は手段)

• 社会起業家は「どうすれば事業が成長するのか」ではなく「どうすれば社会の課題が解決し、よりよい社会が実現するのか」を常に考え、事業に取り組んでいる。

• その前提として「目先の困り事」だけではなく「当事者の真のニーズは何か?」「当事者の置かれている状況は?(過去-現在-未来)」を常に考えている。

• 結果として(一定の成果を挙げている)社会起業家は、その社会課題や当事者が抱えるニーズについて精通した存在になっていることが多い

事業・組織 の成長・拡大 (手段)

よりよい社会の実現 ・課題の解決 (目的)

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内閣府地域社会雇用創造事業(2010・2011年度)

• 「新しい公共」の一環として、社会起業家の創業支援を受託。2年間で95名を支援。

• 仕様では「1団体当たり200~250万円の支援金と各種サポートの提供」だったが、採択時50万円+進捗・ポテンシャルに応じて0円~450万円の2段階方式を採用。

→ お金があることで事業が進む段階の事業と、お金があることで却って進まない事業の見極め

• S~Dの評価は、各種サポートを提供するにあたっての内部でのKPIにも活用

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プログラム例:アメリカンエキスプレス・サービスアカデミー

• サービスが確立し(つつある)社会的企業・NPOの経営層/右腕が対象。

• 各回30名が参加し、2泊3日の集合研修(日常から離れた環境でのインプット→アウトプット)と、半年後のフォローアップ(行動した結果の振り返り)を実施

• 「サービスをどうするか?」だけではなく、「それを実現するあなたがどう変わるか?」(リーダーシップ)に焦点。

• 2011年にスタート。2015年から年2回開催に(東京・大阪)。約360名が参加。

「ぜひ人に薦めたい」という回答(10段階中9以上)が95%超

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プログラム例:ソーシャルビジネス成長応援融資「CHANGE」

• 西武信用金庫(主に東京の多摩地区で営業)および日本財団、ETIC.の3者が協働で、ソーシャルビジネス・NPOを対象とした融資商品を開発・発売(2013年~)

社会変革応援コース (最大5000万円、固定金利 年1.0%)と、事業成長応援コース (最大500

万円、固定金利 年0.1%)

融資先の開拓で連携(啓蒙活動から)

通常ビジネスと異なる目利きノウハウの提供(社会性や人材ポテンシャル)

融資先への経営支援の提供(主に成長・拡大期に焦点)

※商品開発前、担当者が1.5年間ETIC.に出向

• 2018年7月現在、66件に実行(523.9百万円)、返済実績も順調

• 西武信用金庫としては、営業エリアが住みやすい地域になることは自社の中長期戦略として合理的との考え(単なる社会貢献ではない)

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プログラム例:福島復興産業人材育成塾(福島県田村市他)

• 地元の若手経営者・リーダー12名を対象とした半年間の経営塾

ETIC.は2日間のリーダーシップ研修を提供(その後、他の講座や、市役所職員や大手監査法人のメンターによる伴走が提供されている)

同様の取り組みはもともと気仙沼、釜石、大船渡などの被災地で取り組まれてきた

• 単に自分の事業を磨くだけではなく、地域の仲間としての関係性構築を意識

「地域の中で自分が頑張らないといけないという苦しさがありましたが、仲間がいることに気付き、肩の力を抜いて取り組めそうです」(参加者) 「復興に向けた思いを共有できる時間が嬉しくて涙が出てきました」(市役所職員)

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社会起業家の挑戦が後押しされるエコシステムを豊かにする

• ETIC.が応援するのも大事だが、社会に存在する応援者や仲間のエコシステムを豊かにし、その中でつながっていくことで、より大きなインパクトが生まれる

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総括:ETIC.のこれまでの学びを踏まえ、お伝えしたいこと

1. 地域ごとの文脈を踏まえた、ビジョンから出発した支援を

地域ごとに異なる文脈がある(過去~現状~未来、強み・課題、リソース)

文脈を無視した支援は、線・面ではなく点の支援になりやすい(手段の目的化)

2. リーダーの挑戦を応援した結果、事業が増える

事業計画ばかりを見た支援は、基本うまく行かない

リーダーの挑戦を後押しできている地域は、Uターン・Iターン含め、チャレンジが増えていく(逆も然り…挑戦者側からは、透けて見える)

何年もの時間がかかるが、その積み重ねが大きな差を生む。

3. お金の力を上手く活かす

その人や事業の成長にとって必要な額のお金を、必要なタイミングで、必要な形で提供できるかどうかが資金提供者側に問われる。成長を促進も阻害もしうる

4. 「地域」であることの強みを活かす

人口が多く、結果、スタープレイヤーが生まれやすいのが東京。一方で、より良い地域を作ろうという多様なプレイヤー、支援者などの参画は生みづらいというジレンマも抱えている(地域への愛着も薄い)

「神戸市」ぐらいの単位があることで、オーナーシップを育みやすいのでは?