健康コーポレーション (2928・札証アンビシャス)...

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(1/3) 本資料は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。銘柄の選択、投資判断の最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。本資料に掲載された意見 は作成日における判断であり、予告なしに変更される場合があります。本資料に掲載された意見・データは、当社が信頼できると判断したデータ等により作成いたしましたが、その正確性、安全性等について保障するものではあ りません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びに Morningstar.Inc に帰属しますので、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。 Morningstar Equity Research Report 2016.6.7 新業態加わりRIZAP成長加速、株価は評価不足 パーソナルトレーニングジム「ライザップ」を運営 株価 投資単位 時価総額 年初来高値 年初来安値 PER(予) 870(6/6) 1001,108.7億円 (6/6) 945(16/5/18) 560(16/2/12) 18.5(6/6) 健康コーポレーション (2928・札証アンビシャス) ※7月1日にRIZAPグループへ商号変更 ■16年3月期営業利益は2.4倍、新業態も展開 16年3月期連結業績は、売上高が554億円(前期比 41.8%増)、営業利益が 50.7 億円(同 2.4 倍)で着地した。 事前予想の会社計画である売上高 601 億円(同 53.8% 増)には届かなかったものの、営業利益は 50 億円を上 回って着地した。主力のRIZAP事業の売上高は192億 円と前期からほぼ倍となり、順調に成長、店舗数は15 年 3 月期末の 39 店舗から 75 店舗まで増加した。当初は 2 カ月のトレーニングという一定期間のサービスで終了 してしまうという色が強かったものの、継続利用が進ん でいる。また、ゲストからの紹介による会員数の増加か ら、収益性も向上した。 新業態として 15 年 9 月からスコアアップコミット型 ゴルフスクール「RIZAP GOLF」を展開、新たな需要の 開拓が進む見通し。通販事業では、美容・スキンケアカ テゴリの「どろあわわ」を15年11月に新ブランドで ある「DOROwa(ドロワ)」にブランドをリニューアル、 新商品の投入も業績拡大に寄与した。RIZAP も含む、主 力の美容・健康事業の売上高は295億円(前期比45.5 %増)、営業利益は56.3億円(同2.5倍)と引き続き業 績のけん引役となった。 RIZAP成長で業績に上ブレ余地、株価は評価不足 17 年 3 月期連結業績予想は、売上収益が 1,000 億円、 営業利益が 102 億円、営業利益率は 10.2%。IFRS を任 意適用するため、前期との比較はないが、参考の伸び率 は売上収益で80.3%増、営業利益で倍増となる。大幅 な伸びを想定しているが、補正下着に強みを持つマルコ、 アパレル関連の三鈴、住関連事業のタツミプランニング とパスポート、エンターテインメント事業で日本文芸社 (美容・健康事業に入る可能性もある)がグループ化さ れることで、実績ベースでは400億円程度の増収効果 が見込まれる。健康 CP の 16 年 3 月期連結実績の売上高 が 554 億円で、既存事業が全く成長しないと仮定した場 合でも、会社計画は目前に迫る。モーニングスターでは 主力の RIZAP 事業の売上高を前期比 56.2%増の 300 億 円程度(前期実績は192億円)と想定、引き続き業績 のけん引役になると見ている。RIZAP 事業は利益率の向 上にも期待できる。店舗数の増加による増収効果に加え、 リピート率アップによる稼働率や物販の定期販売比率が 上昇、フローからストック型ビジネスへの転換が進む。 また、ゲスト基盤からの紹介が 16 年 3 月期で前期比約 3 倍。会社側は紹介をさらに倍増する方針で、収益へ大き なインパクトが期待できる。 株価は決算や商号変更、新株予約権の取得・消却など の発表を受け水準を切り上げたものの、その後は利益確 定売りなどに押され、上値を抑制される展開。17年3 月期のモーニングスター予想 EPS(1 株利益)ベースの PERは17倍台(6月6日終値)。競合と比べても高い成 長性を有し、プレミアムを付されて評価されても不思議 ではないことから、現水準の株価は評価不足と判断。高 い知名度を誇るRIZAPグループへの商号変更や、会計 基準の変更により、新たな投資家層や海外からの資金流 入にも期待できる。底流には東証一部への市場変更への 期待もあり、調整一巡後は改めて見直される可能性があ る。投資判断は「Overweight」を継続、想定株価レン ジを 1,150 ~ 1,350 円(従来は 900 ~ 1,150 円)に引 き上げる。 (宮本 裕之) 投資判断(6/6) Overweight 継続 業績動向 売上高 (百万円) 前年比 (%) 営業利益 (百万円) 前年比 (%) 経常利益 (百万円) 前年比 (%) 純利益 (百万円) 前年比 (%) EPS (円) 15 年 3 月期 実績 39,101 63.5 2,108 87.0 1,946 49.3 1,636 ▲39.4 13.3 16 年 3 月期 実績 55,448 41.8 5,066 140.3 4,639 138.4 2,466 50.7 19.4 17 年 3 月期 会社予想 100,000 80.3 10,150 100.4 9,500 104.8 7,050 185.9 47.1 MS 予想 102,000 84.0 10,550 108.3 10,000 115.6 7,400 200.1 49.4 18 年 3 月期 MS 予想 150,000 47.1 16,300 54.5 15,900 59.0 11,800 59.5 78.8 6/6時点) ※ 15 年 1 月 1 日付けで 1 対 2 の株式分割を実施、15 年 5 月 1 日付けで 1 対 2 の株式分割を実施 ※ IFRS 適用のため、増減率は参考 想定株価レンジ 1,150~ 1,350(千株) (円) 26週線 13週線 13週平均線 出来高 471 1,085 400 600 800 1,000 1,200 1,400 0 5,000 10,000 56 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 13週移動平均線 26週移動平均線 出来高(13週平均) 7206991,026,931

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  • (1/3)本資料は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。銘柄の選択、投資判断の最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。本資料に掲載された意見は作成日における判断であり、予告なしに変更される場合があります。本資料に掲載された意見・データは、当社が信頼できると判断したデータ等により作成いたしましたが、その正確性、安全性等について保障するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar.Inc に帰属しますので、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

    Morningstar Equity Research Report 2016.6.7

    新業態加わりRIZAP成長加速、株価は評価不足

    パーソナルトレーニングジム「ライザップ」を運営

    株価 投資単位 時価総額 年初来高値 年初来安値 PER(予)

    870円(6/6) 100株

    1,108.7億円(6/6)

    945円(16/5/18)

    560円(16/2/12)

    18.5倍(6/6)

    健康コーポレーション (2928・札証アンビシャス)※7月1日にRIZAPグループへ商号変更

    ■16年3月期営業利益は2.4倍、新業態も展開16年3月期連結業績は、売上高が554億円(前期比

    41.8%増)、営業利益が50.7億円(同2.4倍)で着地した。事前予想の会社計画である売上高601億円(同53.8%増)には届かなかったものの、営業利益は50億円を上回って着地した。主力のRIZAP事業の売上高は192億円と前期からほぼ倍となり、順調に成長、店舗数は15年3月期末の39店舗から75店舗まで増加した。当初は2カ月のトレーニングという一定期間のサービスで終了してしまうという色が強かったものの、継続利用が進んでいる。また、ゲストからの紹介による会員数の増加から、収益性も向上した。

    新業態として15年9月からスコアアップコミット型ゴルフスクール「RIZAP GOLF」を展開、新たな需要の開拓が進む見通し。通販事業では、美容・スキンケアカテゴリの「どろあわわ」を15年11月に新ブランドである「DOROwa(ドロワ)」にブランドをリニューアル、新商品の投入も業績拡大に寄与した。RIZAPも含む、主力の美容・健康事業の売上高は295億円(前期比45.5%増)、営業利益は56.3億円(同2.5倍)と引き続き業績のけん引役となった。

    ■RIZAP成長で業績に上ブレ余地、株価は評価不足17年3月期連結業績予想は、売上収益が1,000億円、

    営業利益が102億円、営業利益率は10.2%。IFRSを任意適用するため、前期との比較はないが、参考の伸び率は売上収益で80.3%増、営業利益で倍増となる。大幅な伸びを想定しているが、補正下着に強みを持つマルコ、アパレル関連の三鈴、住関連事業のタツミプランニングとパスポート、エンターテインメント事業で日本文芸社

    (美容・健康事業に入る可能性もある)がグループ化されることで、実績ベースでは400億円程度の増収効果が見込まれる。健康CPの16年3月期連結実績の売上高が554億円で、既存事業が全く成長しないと仮定した場合でも、会社計画は目前に迫る。モーニングスターでは主力のRIZAP事業の売上高を前期比56.2%増の300億

    円程度(前期実績は192億円)と想定、引き続き業績のけん引役になると見ている。RIZAP事業は利益率の向上にも期待できる。店舗数の増加による増収効果に加え、リピート率アップによる稼働率や物販の定期販売比率が上昇、フローからストック型ビジネスへの転換が進む。また、ゲスト基盤からの紹介が16年3月期で前期比約3倍。会社側は紹介をさらに倍増する方針で、収益へ大きなインパクトが期待できる。

    株価は決算や商号変更、新株予約権の取得・消却などの発表を受け水準を切り上げたものの、その後は利益確定売りなどに押され、上値を抑制される展開。17年3月期のモーニングスター予想EPS(1株利益)ベースのPERは17倍台(6月6日終値)。競合と比べても高い成長性を有し、プレミアムを付されて評価されても不思議ではないことから、現水準の株価は評価不足と判断。高い知名度を誇るRIZAPグループへの商号変更や、会計基準の変更により、新たな投資家層や海外からの資金流入にも期待できる。底流には東証一部への市場変更への期待もあり、調整一巡後は改めて見直される可能性がある。投資判断は「Overweight」を継続、想定株価レンジを1,150 ~ 1,350円(従来は900 ~ 1,150円)に引き上げる。

    (宮本 裕之)

    投資判断(6/6)

    Overweight 継続

    業績動向売上高

    (百万円)前年比(%)

    営業利益(百万円)

    前年比(%)

    経常利益(百万円)

    前年比(%)

    純利益(百万円)

    前年比(%)

    EPS(円)

    15 年 3月期 実績 39,101 63.5 2,108 87.0 1,946 49.3 1,636 ▲39.4 13.3

    16 年 3 月期 実績 55,448 41.8 5,066 140.3 4,639 138.4 2,466 50.7 19.4

    17 年 3 月期会社予想 100,000 80.3 10,150 100.4 9,500 104.8 7,050 185.9 47.1MS 予想 102,000 84.0 10,550 108.3 10,000 115.6 7,400 200.1 49.4

    18 年 3 月期 MS予想 150,000 47.1 16,300 54.5 15,900 59.0 11,800 59.5 78.8

    (6/6時点)

    ※ 15 年 1月 1日付けで 1対 2の株式分割を実施、15 年 5月 1日付けで 1対 2の株式分割を実施 ※ IFRS 適用のため、増減率は参考

    想定株価レンジ 1,150円~ 1,350円

    (千株)

    (円)

    26週線

    13週線

    13週平均線出来高

    471

    1,085

    400

    600

    800

    1,000

    1,200

    1,400

    0

    5,000

    10,000

    5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5

    13週移動平均線 26週移動平均線 出来高(13週平均)

    720円 699円 1,026,931株

  • 本資料は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。銘柄の選択、投資判断の最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。本資料に掲載された意見は作成日における判断であり、予告なしに変更される場合があります。本資料に掲載された意見・データは、当社が信頼できると判断したデータ等により作成いたしましたが、その正確性、安全性等について保障するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar.Inc に帰属しますので、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。 (2/3)

    Morningstar Equity Research Report 2016.6.7

    健康コーポレーション(2928・札証アンビシャス)

    リスク要因

    美容・健康分野は食品企業や医薬品メーカーなどからの参入も多く競争が激化、事業リスクといえる。また、ライザップ事業では、会員数の増加に伴い、店舗数とトレーナーの確保を進めているが、会社想定通りに人材の確保が進まない可能性がある。同社の強みであるマーケティングには多額の費用が投じられているが、期待通りの広告宣伝効果を得られない場合は事業に大きな影響を及ぼす可能性がある。

    ■ 会社概要03年に健康食品の通信販売を目的として創業。16年

    7月1日をメドに、純粋持株会社制に移行し、「RIZAPグループ」へ商号を変更すると発表している。

    12年2月にオープンしたパーソナルトレーニングジム「RIZAP(ライザップ)」事業が急速に拡大中で、業績のけん引役に成長。「結果にコミットする」、「たった2 ヶ月で、このカラダ」などといった印象深いフレーズを用い、トレーニング前とその後(ビフォー・アンド・アフター)を比較した効果的な宣伝で、会員数が拡大中。また、新たな業態としてスコアにコミットする「RIZAP GOLF」の展開も開始している。通販事業では、美容・スキンケアカテゴリの「どろあわわ」を15年11月に新ブランド「DOROwa(ドロワ)」へブランドリニューアルを行っている。その他、アパレル関連、インテリア雑貨など商品の企画・開発を行っている住関連ライフスタイル、エンターテイメントなどのセグメントを有する。売上高比率(16年3月期時点)は美容・健康関連が52.9%、アパレルが16.5%、住関連ライフスタイルが14.5%、エンターテイメントが16.1%。

    ■ 事業環境と展望経済産業省の「特定サービス産業実態調査」によれば、

    日本の民間フィットネスクラブの市場規模は4,200億円超。市場全体では頭打ちの状況が続いているが、中高年層の規模拡大が続いている他、個別トレーニングや低価格などフィットネスクラブの多様化が進んでいるとの調査結果もある。環境の追い風もあり、RIZAP事業の成長余地は大きい。17年3月期には店舗数を120店舗程度まで増加させる計画(16年3月期末時点で75店舗)。市場規模が大きい中・高年層の取り込みにも積極的で、アナウンサーの生島ヒロシ氏、経済アナリストの森永卓郎氏などをCMに起用。中性脂肪や血糖値、CTスキャンによる皮下脂肪の変化といった医学的見地に立ったデータを表示することで、ボディメイクだけでなく、ヘルスケア領域も拡大中。さらに、新業態である「RIZAP GOLF」の展開も進めており、17年3月期は出店を加速させる。

    ■ 株主優待■ 配当の状況1株当たり配当金

    中間期末 期末 年間

    15年3月期 実績 0円 2.50円 2.50円

    16年3月期 実績 0円 7.60円 7.60円

    17年3月期 会社予想 0円 - 9.42円

    株主還元(6/6時点)

    ※ 15 年 1月 1日付けで 1対 2の株式分割を実施、15 年 5月 1日付けで 1対 2の株式分割を実施

    毎年3月31日の株主名簿に記載された100 株以上所有する株主を対象(16年 3月31日の株主から変更内容が適用)

    ・・・4,000 円相当の同社グループ商品から、優待商品を贈呈・・・6,000 円相当の同社グループ商品から、優待商品を贈呈・・・12,000 円相当の同社グループ商品から、優待商品を贈呈・・・24,000 円相当の同社グループ商品から、優待商品を贈呈・・・30,000 円相当の同社グループ商品から、優待商品を贈呈・・・36,000 円相当の同社グループ商品から、優待商品を贈呈

    100 株200 株400 株800 株1,200 株2,000 株

    広告宣伝費・人件費の対売上比率良化、費用対効果向上

    RIZAP GOLF、6店舗体制に拡大

    注.( )内は対売上比率

    出所:会社資料

    出所:会社資料

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    7,000

    8,000

    1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q

    (百万円 )

    2,780 (22.9%)

    3,085

    1,649 (35.8%)

    514 (11.2%)

    922 (20.0%)

    2,744 (25.6%)

    4,937

    926 (9.3%)

    1,169 (11.7%)

    2,842 (28.6%)

    6,004

    1,967 (19.8%)

    1,278 (12.9%)

    2,759 (27.8%)

    5,750

    2,134 (25.2%)

    1,252 (14.8%)

    2,364 (27.9%) 4,516

    1,022 (12.1%)

    1,179 (13.9%)

    2,315 (27.4%)

    2,637

    778 (12.4%)

    805 (12.8%)

    1,054 (16.8%)

    2,716

    1,432 (31.5%)

    463 (10.2%)

    821 (18.0%)

    7,451

    1,505 (12.4%)

    3,166 (26.1%)

    6,075

    2,030 (18.9%)

    1,301 (12.1%)

    7,163

    2,261 (16.5%)

    1,607 (11.7%)

    3,294 (24.1%)

    6,631

    1,833 (13.4%)

    1,275 (9.3%)

    3,523 (25.7%)

    7,324

    2,319 (14.6%)

    1,815 (11.4%)

    3,190 (20.0%)

    広告宣伝費

    その他

    2014年3月期 2015年3月期 2016年3月期

    人件費

    心斎橋

    天神

    川崎

    六本木

    三田

    日本橋

    2015年9月オープン

    NEW!2016年3月オープン

    NEW!2016年4月オープン

    2016年7月予定

    2016年6月予定

    2016年5月予定

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    Morningstar Equity Research Report 2016.6.7

    モーニングスター株式会社プロダクト開発本部 株式分析部 アナリスト  宮本 裕之 03-6229-0810       [email protected]

    健康コーポレーション(2928・札証アンビシャス)

    健康CP(2928・札証アンビシャス)

    シーズHD(4924・東1)

    ルネサンス(2378・東1)

    基本事項

    株価 870円 2,346円 1,182円

    投資単位 100株 100株 100株

    最低投資金額 87,000円 234,600円 118,200円

    決算月 3月 7月 3月

    株価指標

    PER(予) 18.5倍 21.1倍 10.7倍PBR(実) 9.5倍 5.4倍 2.3倍配当利回り(予) 1.1% 1.9% 2.2%

    成長性

    売上高成長率(予) 80.3% 6.2% 3.0%営業利益成長率(予) 100.4% 5.4% 3.6%EPS成長率(予) 142.2% 10.8% 7.6%

    収益性

    売上高営業利益率(予) 10.2% 20.3% 7.4%自己資本当期純利益率(実) 27.1% 22.9% 21.4%総資産経常利益率(実) 9.9% 29.7% 9.8%

    財務安定性

    自己資本比率(実) 21.4% 82.5% 25.2%デット・エクイティ・レシオ(実) 191.1% 0.0% 198.5%流動比率(実) 130.2% 534.2% 44.2%

    競合他社比較(赤太字は競合他社に比べ優位な数値)

    ■ 成長性16年3月期連結業績は、売上高

    が前期比41.8%増の554億円、営業利益が同2.4倍の50.7億円と大幅増収増益で着地した。RIZAP事業では店舗数を75店舗(15年3月末時点で39店舗)まで拡大、売上高は192億円と前期の100億円からほぼ倍に急成長した。17年3月期は連結売上高1,000億円、連結営業利益102億円と高い成長を目指す。M&Aによる収益寄与や成長性を考慮すれば、計画値は保守的な印象。競合他社との比較では、他社を圧倒する成長性を有する。

    ■ 収益性16年3月期の営業利益率は9.1

    %と前期の5.4%から上昇。17年3月期予想営業利益率も10.2 %と収益性は向上している。主力のRIZAP事業では、ゲスト基盤からの紹介が増加しており、大きな収益インパクトとなっている。また、リピート率が増加していることで、物販の定期販売比率も上昇、フローからストック型ビジネスへの転換が進んでいることも、収益性の向上を後押ししている。

    ■ 財務安定性16年3月期の自己資本比率は

    21.4%と15年3月期の16.8%から上昇した。また、M&Aを積極的に行っていることから、のれんは上昇傾向にあるものの、純資産に占めるのれんの比率は34%と15年3月期の33%から横ばい。純資産も同時に増加していることから、低水準を維持している。また、有利子負債自体は増加しているものの、自己資本の増加幅が大きいことから、デット・エクイティ・レシオも低下傾向にある。流動比率も100%を上回っており、財務面での不安は乏しい。

    (6/6時点)

    コスメメーカーでドクターシーラボを展開するシーズ・ホールディングス( 4924)、スポーツクラブを運営するルネサンス( 2378)を比較対象とした。15 年 1月 1日付けで 1対 2の株式分割、15 年 5月 1日付けで 1対 2の株式分割を実施。健康 CPは 17 年 3月期から IFRS を任意適用することから、成長性については参考値

  • 本資料は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。銘柄の選択、投資判断の最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。本資料に掲載された意見は作成日における判断であり、予告なしに変更される場合があります。本資料に掲載された意見・データは、当社が信頼できると判断したデータ等により作成いたしましたが、その正確性、安全性等について保障するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びに Morningstar.Inc に帰属しますので、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

    モーニングスター・エクイティ・リサーチレポートの読み方

    (1)第三者機関として中立的な立場を重視 モーニングスター・エクイティ・リサーチレポートは、モーニングスターが位置する中立的な第三者としての立場を重要視し、客観的な比較・評価情報の提供に努めています。モーニングスターがカバーする全銘柄に対し、アナリスト個人の見解に加え、複数のアナリストから成る銘柄評価委員会の意見を反映し、投資判断・想定株価レンジ・業績予想を決定しています。

    (2)カバー銘柄のユニバース カバー銘柄は下記対象銘柄から銘柄評価委員会が選出しています。

    【銘柄選定基準】 ● アナリストのカバー率が低い国内新興市場上場銘柄 ● 個人投資家からの人気が高い銘柄(各オンライン証券

    のデータを参考) ● 時価総額を考慮(50 億円程度以上を目安) ● 整理、監理銘柄や継続疑義、債務超過銘柄を除く

    (3)3 段階の投資判断 カバー銘柄に対する投資判断は、モーニングスターの各アナリストによる調査・取材・分析を基に銘柄評価委員会の協議を経て決定しています。下記の基準を基に 3 段階(最上位から「Overweight 」(オーバーウエート)、「Neutral」

    (ニュートラル)、「Underweight」(アンダーウエート))で予測しています。

    Overweight (オーバーウエート)今後、半年間の株価推移が現値水準を 15%以上上回ると予測される場合 Neutral (ニュートラル)今後、半年間の株価推移が現値水準の- 15%~+ 15%にとどまると予測される場合Underweight(アンダーウエート)今後、半年間の株価推移が現値水準を 15%以上下回ると予測される場合

     モーニングスターでは業績見通しや財務状況、株価の値動きなどに関する見解の変更により、機動的に投資判断を変更します。ただし、影響力のある、新しい情報が明らかとなり、判断に時間を要する場合には投資判断を「Under Review」(保留)とする場合があります。また、取引時間中の投資判断の変更は行いません。アナリストが退職した場合などは投資判断をいったん「Suspension」(停止)とする可能性があります。

    (4)中期的な想定株価レンジ 向こう半年間で想定される株価のレンジを示します。株価指標などを用いた適正株価水準のほか、チャートのフシ目や直近の高値・安値、トレンドライン、移動平均線などテクニカル面や価格帯別出来高なども考慮して、中期的な上値メド、下値メドを決定しています。

    ■ アナリストコメント  直近の業績動向や事業環境について、取材に基づいた評価をコメントしています。投資判断の根拠や業績予想に対する見方、今後の事業展望などを記載し、株式投資をするうえで最も重要な情報を掲載しています。また、読みやすさを考慮してテーマごとに 2 ~ 4 つのパラグラフにまとめているほか、重要なポイントを太字で強調しております。

    ■ 業績動向  通期決算の実績 2 期分と会社予想、およびモーニングスターの独自予想を今期、来期の 2 期分掲載しております。各銘柄への取材に加え、四半期毎での過去の業績傾向やセグメント毎での分析に基づいて業績数値を予測しています。

    ■ 会社概要  各銘柄がどのようなビジネスを展開しているのか、どこに収益源があるのかなどを詳しく解説するほか、今後どの事業に力を入れていくのか、中期的にはどのような事業展開を図っていくのかなどの中期的な見通しも取材を踏まえて掲載します。

    ■ 事業環境と展望  各銘柄が属する業界について、足元の状況や将来の成長性などの観点から解説します。競合他社への取材も実施することで業界全体を多方面から捉えるほか、業界団体のデータなど具体的な数値も掲載します。

    ■ リスク要因  各銘柄が有するリスクを解説します。事業面でのリスクに加え、業績面や財務面、株式市場独自のリスクなども考慮して様々な角度から見たリスクを示します。

    ■ 成長性  今期会社計画の売上高成長率、営業利益成長率、EPS 成長率を競合他社と比較するほか、過去の経緯や主力事業の成長力などを評価します。

    ■ 収益性  今期会社計画の売上高営業利益率と前期実績の自己資本当期純利益率、総資産経常利益率を競合他社と比較するほか、過去からの収益性の変動などを評価します。

    ■ 財務安定性  前期実績の自己資本比率、デット・エクイティ・レシオ(=有利子負債/ 自己資本× 100)、流動比率(=流動資産 / 流動負債× 100)を競合他社と比較するほか、現預金やキャッシュフローなどの観点から財務安定性を評価します。

    項目説明

    特 徴