ブルーベリー · 2014. 5. 20. · 利活用の方法や用途など ビタミンA 食物繊維...

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生産・特性 栄養成分 主な機能性成分とその機能等 アントシアニン (出典:日本食品標準成分表 2010) 産  28 ブルーベリー ブルーベリーは、ツツジ科スノキ属の小果樹です。原産地はアメリカで、スノ キ属の植物は、主に北半球地域に自生しています。 風味がよいと選ばれた濃い青紫色に熟す果実を総称して一般的にブルーベリー と呼んでいます。 ブルーベリーの品種を大別すると、ハイブッシュ系、ラビットアイ系、ローブッ シュ系の3種があります。日本では、クロマメノキ、ナツハゼ、シャシャンボな どの野生種が自生しています。 ブルーベリーは、果実に溶解性や分子構造など物理化学的性質の異なる多種多 様なポリフェノールを含んでいます。今まで見いだされたポリフェノールには、 アントシアニジンのほか、タンニンの一種であるプロアントシアニジンやフラバ ノール、ケルセチン配糖体、フェノール酸などです。 また、ブルーベリーは脂溶性抗酸化ビタミンであるビタミンEやA、水溶性抗 酸化性ビタミンであるビタミンCも含有しています。さらに食物繊維も多量に含 まれています。 □ 青森県での収穫量 73.0トン(出典:農林水産省 平成22年産特産果樹生産 動態等調査) 目の網膜には、ロドプシンという紫色の色素があり、これが光の刺激を受けたとき 脳に信号を伝えて視覚を感じさせます。ロドプシンは強光や加齢、目の酷使によって 分解され、減少する物質で、アントシアニンはロドプシンの再合成を補助する働きを します。 可食部100g当たり エネルギー 49㎉ 水分 86.4g たんぱく質 0.5g 脂質 0.1g 炭水化物 12.9g 灰分 0.1g

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Page 1: ブルーベリー · 2014. 5. 20. · 利活用の方法や用途など ビタミンA 食物繊維 果 実 類 29 ブルーベリーは果樹の中では樹が小さく栽培管理がしやすいこと、収穫が容易で観

生産・特性

栄 養 成 分

主な機能性成分とその機能等

アントシアニン

(出典:日本食品標準成分表 2010)

果 実 類

産 

28

ブルーベリー

 ブルーベリーは、ツツジ科スノキ属の小果樹です。原産地はアメリカで、スノキ属の植物は、主に北半球地域に自生しています。 風味がよいと選ばれた濃い青紫色に熟す果実を総称して一般的にブルーベリーと呼んでいます。 ブルーベリーの品種を大別すると、ハイブッシュ系、ラビットアイ系、ローブッシュ系の3種があります。日本では、クロマメノキ、ナツハゼ、シャシャンボなどの野生種が自生しています。 ブルーベリーは、果実に溶解性や分子構造など物理化学的性質の異なる多種多様なポリフェノールを含んでいます。今まで見いだされたポリフェノールには、アントシアニジンのほか、タンニンの一種であるプロアントシアニジンやフラバノール、ケルセチン配糖体、フェノール酸などです。 また、ブルーベリーは脂溶性抗酸化ビタミンであるビタミンEやA、水溶性抗酸化性ビタミンであるビタミンCも含有しています。さらに食物繊維も多量に含まれています。

□ 青森県での収穫量 73.0トン(出典:農林水産省 平成22年産特産果樹生産動態等調査)

 目の網膜には、ロドプシンという紫色の色素があり、これが光の刺激を受けたとき脳に信号を伝えて視覚を感じさせます。ロドプシンは強光や加齢、目の酷使によって分解され、減少する物質で、アントシアニンはロドプシンの再合成を補助する働きをします。

可食部100g当たりエネルギー 49㎉水分 86.4gたんぱく質 0.5g脂質 0.1g炭水化物 12.9g灰分 0.1g

Page 2: ブルーベリー · 2014. 5. 20. · 利活用の方法や用途など ビタミンA 食物繊維 果 実 類 29 ブルーベリーは果樹の中では樹が小さく栽培管理がしやすいこと、収穫が容易で観

利活用の方法や用途など

ビタミンA

食物繊維

果 実 類

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 ブルーベリーは果樹の中では樹が小さく栽培管理がしやすいこと、収穫が容易で観光果樹園にも適していることから、農作物として比較的取り組みやすい作物です。 生食だけでなくジャムなど加工品にも利用できるなど用途が広く、酵素処理を行うことで清澄果汁 が得られるため、ワインなどの飲料やゼリーなどにも加工の用途が拡大します。

 五大栄養素の1つであるビタミンは、体の調子を整えるのに欠かすことのできない栄養素で、13種類あります。水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがあり、ビタミンAは脂溶性です。 人において視覚、聴覚、生殖などの機能維持、成長促進、皮膚や粘膜などの上皮組織の正常保持、分化機構、タンパク質合成などの重要な役割に関与するとされています。

 食物繊維は、ほとんど消化吸収されないので、体を構成する成分やエネルギーにはなりませんが、腸内の有害物質やコレステロールなどの排出を助けたり、便通をよくしたりする働きがあります。 ブルーベリーは食物繊維が豊富で、その割合はキウイフルーツやリンゴ、バナナよりも高くなっています。

 ブルーベリーは、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが非常に多く含まれているという特徴があるため、弱い光の中での視力を改善し、眼精疲労を回復する効果があるといわれています。 アントシアニンの含有量や組成はブルーベリーの品種により異なります。

 ブルーベリーといえば「目にいい」が合い言葉のようになっていますが、眼精疲労に効果があるとされるのが、ブルーベリーの機能性成分「アントシアニン」。このアントシアニンはポリフェノールの一種で、本ハンドブックでも、カシスやガマズミ、ブドウやリンゴ、ツルアラメで紹介されています。

『青い森の食材研究会』ホームページでは、本ハンドブックに書ききれなかった詳しい情報や商品開発者向け、研究者向け情報も掲載されています。ぜひアクセスしてみて下さい。

URL http://www.21aomori.or.jp/kinou/