プロパゲーターについての議論を深めていく。まずは電子につ ·...
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● プロパゲーターについての議論を深めていく。まずは電子について。遷移振幅の非相対論的摂動展開を思い出す(式3.44, 4.48)と、
バーテックスに<f | V | i>を与え、1/(Ei-En)をプロパゲーターとして同定した(fg 3.4, Sect.4.8参照)
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Vがないとき、状態ベクトルはハミルトニアンの固有状態H0|n>= En|n>(3.29参照)
(特異点En=EiについてはSect.6.16 にて)
より、摂動項でVを用いるより、-iVを用いる方が自然i∂ψ /∂ t=V ψ
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ここから、相互作用表示での時間依存性exp(-i V t)が得られ、
(中間状態に作用するSchrödinger演算子)の逆にiを掛けて得られる
● この方法を様々な相対論的波動方程式でやっていくと、対応する粒子のプロパゲーターが導けるよ!
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● スピン無し粒子のプロパゲーター(6.73)に対応するKlein-Gordon方程式は(4.3)から
プロパゲーターは左辺の逆と考えられ、これはpの中間状態に
(相対論的一般化として、この形を得る経緯についてはSect.4.8)
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● 電子のプロパゲーター電磁場内での電子1個は(6.2)と(6.3)から以下を満たす。これまでと同様に-iを掛け、バーテックス因子はi e γμプロパゲーターは(6.76)左辺を-i倍して逆をとり、pp=p2と(5.47)を用いて
分子は仮想電子のスピン状態についての和を含む(Sect. 6.16)
※pはファインマンスラッシュのp
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ここまでで、仮想粒子のプロパゲーターは一般的に、以下の様
スピンの和は完全関係で、可能な全てのスピン状態を含む異なる運動量で伝播する状態については積分この運動量はファインマンダイアグラムでは外側の粒子の運動量による。(p2=m2の特異点についてはSect. 6.16)
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● 光子のプロパゲーター光子についてはAμの自由度により、一意ではない。以下の変換によっても物理的結果は変わらない。
これは波動関数の相・ゲージ変換によってQEDが変わらないことと関連(詳細はChap.14)(6.54)から、波動方程式は以下のようにかける。
(Ex6.13)
Aμ→Aμ
+∂μχ
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ここまでは以下が成り立つLorentsゲージを用いていた
また、δμλ=1(for μ=λ),0(for other)を用いるとが成り立ち、プロパゲーターは
Sect. 6.10から、gμνは仮想光子の偏極ベクトル和に関係(Sect. 6.13)
∂λ Aλ=0
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が共変的なおかげで(6.82)はQED計算に最適で、これをファインマンプロパゲーターと呼び、「ファンマンゲージで計算する」とか言うらしいこれは、ここまでで見てきた光子プロパゲーターで、ファインマン則の表に含まれる(Sect. 6.17参照)
∂λ Aλ=0
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● W±、Z0など(重い、スピン1の粒子)のプロパゲーター質量をMとして、波動方程式は(6.78)を□2→□2+M2で置き換えて得る。(3.19)のKlein-Gordon演算子を思い出し、自由粒子の波動関数Bλは
iを掛けて、
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p 2項が打ち消し合い、
を持つ。(6.88)より、でなくてはならず、独立な偏極ベクトルが4から3に減少する
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Chap. 6.9より、実光子の偏極状態は2つしかないϵ0
(λ)≡0 and q⋅ϵ(λ)
=0
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しかし、全ての光子は放出・吸収され,仮想的であるように感じる。(6.94)と(6.95)をどう矛盾なく解釈すればよいかここで、2荷電粒子間で交換される仮想光子を含むダイアグラムを考える。
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)
光子の4元運動量をqμ=(q0,0,0,|q|)、3軸目が に沿うように選んだ。電荷保存から∂μjμ=0が得られ、A,Bに対して
つまり、交換される光子が で実光子とみなせるなら
q̂
q0≈|q| j3≈ j0
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一方、仮想光子に対しては縦成分とスカラーが無視できず、(6.97)を用い(6.96)のj3A,j3Bを代入すると
第一項は横偏極の仮想光子の伝播を表し、第二項は分母から伝播に無関係
と書き直すと明らか
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(6.95)を調べると、-gμν/q2を横方向伝播と静的な縦・スカラーの寄与に分離するのはLorentz共変ではない。これらを足し合わせてようやく共変的なプロパゲーターになる。