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© WASEDA University 2016 ALL Rights Reserved Confidential 2016年3月30日(水) 早稲田大学 スマート社会技術融合研究機構 ネガワット取引に係わる実証事業の概要報告 「平成26年度次世代エネルギー技術実証事業費補助金」 エネルギーマネージメントシステムの構築に係る実証事業 第9回スマートハウス・ビル標準・事業促進検討会資料

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Confidential

2016年3月30日(水)

早稲田大学

スマート社会技術融合研究機構

ネガワット取引に係わる実証事業の概要報告

「平成26年度次世代エネルギー技術実証事業費補助金」エネルギーマネージメントシステムの構築に係る実証事業

第9回スマートハウス・ビル標準・事業促進検討会資料

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Confidential事業全体概要

2016/3/31

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次世代エネルギー技術実証(平成26年度(補正予算にかかるもの))

C:エネルギーマネージメントシステムの構築係る実証事業

・C-1:ネガワット取引に係るエネルギーマネージメントシステム構築と実証

→ 電気事業者、アグリゲータによる実DRの実施

・C-2:ネガワット取引の有効性の検証と評価

→ ネガワット取引に係るガイドラインの妥当性検証、DRポテンシャル評価

・C-3:ネガワット取引に係る共通基盤システムの開発・調査・研究・接続実証

→ DR発動システム基盤構築・運用(複数エリア↔複数アグリゲータ)

実施エリアの拡大、参加アグリゲータの拡大

実施エリア : 東京、中部、関西

参加アグリゲータ : 3段階にわけて公募

21社/団体をアグリゲータとして採択済み

早稲田大学が受託

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ConfidentialC-1事業が扱うインセンティブ型DR技術実証のメニュー

2016/3/31

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期間 : 2015年4月~2016年3月

電力エリア : 東京、関西、中部

アグリゲータ: 21企業・団体等

目的 : 国内のDRポテンシャル評価

ネガワット取引に係わるガイドラインの検証、

特に、ベースライン、計量方法

DRメニュー : 10分前発動、1時間前発動、前日発動

DR メニュー 10分前発動 1時間前発動 前日発動

インセンティブ (kW) 6,500円/(kW・年) 5,000円/(kW・年) -

インセンティブ (kWh) 20円/kWh 20円/kWh 30円/kWh

ベースライン 発動直前30分間の平均 High 4 of 5 High 4 of 5

期間(持続時間)

8-10月 13:00-17:00 (1時間) 13:00-17:00 (2時間) 13:00-17:00 (4時間)11-1月 9:00-11:00/17:00-19:00

(1時間)9:00-11:00/17:00-19:00(2時間)

9:00-11:00/17:00-19:00(4時間)

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「C-3 ネガワット取引に係る共通基盤システムの開発・調査・研究・接続実証」のご紹介

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ConfidentialConfidentialC-3事業の位置付けと概要

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○ タイトル 「マルチエリア対応大規模スケーラブルDR共通基盤システムの研究」

○ 位置付けと狙い(1)研究事業として

複数の電力事業者、複数のアグリゲータが複数エリアの需要家にまたがってDRサービスを行う環境下において、スケーラブルかつ効率的にアグリゲータや需要家を収容し、構成の変更にも柔軟に対応し得るDR共通基盤技術の確立。

(2)C-1事業向けDRサービスプラットフォームとしてOpenADR2.0b及び、「デマンドレスポンス・インタフェース仕様書(1.1)」に基づき、C-1事業で必要とされるDRメニューを提供する、電力事業者・アグリゲータ向けDRサービスプラットフォームの構築と運用。

○ 実現方法 早稲田大学に新たなアーキテクチャに基づくDR共通基盤システムを構築し、C-1事業に

サービス提供。機能性評価、性能評価、可用性評価を実施。 収容事業者数 (NEPCのC-1事業公募による)

• 電力事業者 3 (東京電力、中部電力、関西電力)• アグリゲータ 21

DR共通基盤システムのより高度な機能性評価のため、C-3独自のDRメニューを実施。• LOAD_DISPATCH、削減容量変更、持続時間変更、キャンセル、FastDR(3分)

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ConfidentialConfidentialDR共通基盤のアーキテクチャと要素技術

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電力事業者収容ノード1

電力事業者収容ノード2

アグリゲータ収容ノード2

アグリゲータ収容ノード3

アグリゲータ収容ノード4

電力A需要家群

電力B需要家群

電力C需要家群

アグリゲータL

DR共通基盤システム

アグリゲータM

アグリゲータN

電力A

電力B

電力C

アグリゲータ収容ノード1

クラウド

早稲田実証センタ複数電力事業者によるVTNの共用

・エリア識別子(resourceID)によるエリア指定。・marketContextによる時間重複DRの回避。

単一VENによる複数VTNとの通信

・エリア識別子に基づくルーティング・プロトコル変換

PUSH型プロトコルによるメッシュ接続

○ 本実証のDR共通基盤システムでは、下記の特徴を実現。• 電力事業者、アグリゲータの接続点をそれぞれ1ヵ所として、接続変更なくマルチエリア対応が可能。• ノードの共用、ノード追加によりスケーラブルに事業者の追加に対応。• アグリゲータが任意のVEN数構成、プロトコル(XMPP、HTTP-PULL/PUSH)を採用することを受容。• 電力事業者収容ノードのDR運用機能*(任意時刻/持続時間の発動、DR変更、キャンセル等)に対する制

約や内部の時間的オーバーヘッドを極力排除。

(*)インセンティブ型DR実証時の統合DRAS、電力DRASの機能分担では実現できなかった。

resourceID=電力事業者:アグリゲータ

marketContext=http://電力事業者/アグリゲータ/メニュー

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ConfidentialConfidential性能評価の概要

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○ 電力事業者収容ノードがDR発動予告(oadrDistributeEvent)を送信してから、アグリゲータのDR受諾応答(oadrCreatedEvent)が戻るまでの各区間の時間を計測。• 各ノード、アグリゲータVENの時刻はNTPにより同期。• 計測点における計時単位は1秒(NTPによる時刻誤差が最大数百msあることを考慮)。• 全アグリゲータに同一メニューのDRを行うリハーサル時に計測(メッセージ条件の統一)。

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ConfidentialConfidential性能評価結果

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○ 現時点(チューニング前)の性能で、DR発動予告におけるDR共通基盤システム内オーバーヘッドは7~12秒(10分前予告DRで、反応時間の1.2~2%)。• PUSH型トランスポートによるノード間通信オーバヘッド極小化の効果を確認。• 内部オーバヘッドの大半は、アグリゲータ収容ノード内プロセス間通信のための内部ポーリング。⇒ チューニングにより、さらなる性能向上が可能(内部ポーリングの無い実装では、1秒未満)。

電力事業者収容ノード-アグリゲータ収容ノード

アグリゲータ収容ノード内処理時間

アグリゲータ収容ノード-アグリゲータVEN

電力事業者収容ノード-アグリゲータVEN

区間 ①’‐① ②’‐①’ ①”‐②’ 合計

時間(XMPP/HTTP‐PUSH) 1秒未満 6〜11秒 1秒未満 8〜13秒時間(HTTP‐PULL) 1秒未満 19〜88秒* 1秒未満 21〜90秒

(*)アグリゲータVENのポーリング時間(ポーリング周期60〜70秒)含む

〇発動予告(oadrDistributeEvent)

〇受諾応答(oadrCreatedEvent)

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ConfidentialConfidential可用性評価結果

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○ 実証期間中(2015年8月1日~2016年1月31日)の発動回数は延べ1,109回(アグリゲータ毎にカウント)。内、DR共通基盤システム原因による発動失敗は無かった。• DR共通基盤システムの障害は5件(ただし、NW障害は外部原因)。内、ハードディスク障害によるシステム

停止により、DR計画変更1件。他は実証に影響せず。• PUSH型トランスポートにおける障害検知方法が課題。また、複数アグリゲータより計画停止後のアグリ

ゲータVEN再登録が面倒との意見あり。

メニュー 東京電力 中部電力 関西電力 合計

10分前予告DR 183回 65回* 102回 350回

1時間前予告DR 253回 60回 145回 458回

前日予告DR 205回 0回 96回 301回

合計 641回 125回 343回 1,109回

(*)アグリゲータ原因による再発動(1回)含む。

障害箇所 原因 件数

DR共通基盤システム

ハードディスク障害 1件

通信障害 1件

ログ溢れ 1件

NW障害(外部原因) 2件

電力事業者 オペレーションミス 1件

アグリゲータ システム停止 1件

障害状況

発動回数

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Confidential

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C-3独自メニューによるアーキテクチャ評価結果

○ 一部電力事業者、アグリゲータの協力により、実サービス時に必要になるユースケースを実施し、アーキテクチャの機能性を評価 ユースケースはLOAD_DISPATCH、削減容量変更、持続時間変更、キャンセル、FastDR(反応時間3分)。 需要家不参加(インセンティブ提供無し)のため、アグリゲータまたは需要家機器までの通信機能評価。 電力事業者のシナリオはアグリゲータに事前通知せず、受容性を確認(不可の場合はoptOut)。

・ アーキテクチャの機能性に関しては、所期の目標を達成。・ ユースケースの実装に関し、今後の機能改善に繋がる知見を得た。

シナリオイメージ① 12:00 LOAD_DISPATCH 発動予告(発動時刻13時、持続時間2H、削減容量α)② 13:00 LOAD_DISPATCH 発動③ 13:50 発動後持続時間変更(持続時間1H)④ 13:55 削減容量変更(LOAD_DISPATCH)発動予告(発動時刻14時、持続時間1H、削減容量β)⑤ 14:00 削減容量変更DR 発動

削減容量β

12:00 13:00 14:00 15:00 16:00

ネガワット[KW]

予告① 発動② 変更③④ 発動⑤

削減容量α

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Confidential

C-2 「ネガワット取引の有効性の検証と評価」

ネガワット取引ポテンシャル・有効性検証のためのデータ取得と分析評価

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ConfidentialC-2.ネガワット取引の有効性の検証と評価

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1.事業名 : C-2.ネガワット取引ポテンシャル・有効性検証のためのデータ取得と分析評価2.⽬的 : 本事業は、電気事業者、アグリゲータ、需要家が実施する「C-1.ネガワット取引に係るエネルギーマネージメントシステム構築と実証(以降C-1事業)」と連携して必要なデータを取得し、これを分析・評価することによって需要家の属性に応じた需要削減量の検証、ベースラインの妥当性の検証を⾏い、我が国のネガワット取引のポテンシャルの推計値を導出すること、ならびに、「ネガワット取引に関するガイドライン」の確⽴に資することを⽬的に⾏った。3.概要 :(1)需要家の消費電⼒量計測機器の設置(2)C-2データの収集に係る負荷調整実証(3)計測データ収集システムの構築(4)ベースライン等の妥当性検証に必要なデータの変換・計算・集計(5)ベースライン等の妥当性検証に必要なデータの分析(6)需要削減ポテンシャルの推計(7)今後の課題等

事業の概要・目的

スケジュール 機器設置・システム概念図

VCT Wh

パルスアイソレータ

CT

電源入力

所内コンセント

お客様設備内

LAN接続

電圧入力

電流入力

計測器盤

インター ネット(一般回線)

デ ター収集・蓄積サ ハー゙

サーバ(早稲田大)

3Gル ター

×100箇所

パルス入力分岐回路

計測システム

インターネット

デー タ収集・蓄積サ ハー゙

サーバ(アグリゲータ)

ル ター

パルス用CT

パルス用CT

パルス

アイソレータ

アンテナ

項目 1Q 2Q 3Q 4Q

需要家情報収集、計測機器設置検討

消費電力量データ計測機器設置

データ収集・蓄積・変換・計算等

負荷調整実証

ベースライン等妥当性検証

需要削減ポテンシャルの推計

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Confidentialベースライン等の妥当性検証に必要なデータの変換・計算・集計

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構築したシステムを用いて、すべてのアグリゲータおよび需要家について、ベースライン算定、ベースラインテスト、並びに削減量・削減率・達成率の計算・集計を行った。

削減量算定結果 ベースラインテスト結果

RRMSE平均 12.9% 15.4% 14.6% 37.0% 11.1%RRMSE標準偏差 14.9% 13.4% 11.3% 23.0% 9.6%RRMSE20%超 290 409 605 1868 254全数 2075 2075 2075 2075 2075RRMSE20%超の割合 14.0% 19.7% 29.2% 90.0% 12.2%

需要家ID

夏期BLテスト結果

Hgh 4 of 5 (当日調整あり)

Hgh 4 of 5(当日調整なし)

同等日採用法 事前計測最小RRMSE(平

均値)

RRMSE平均 13.7% 16.7% 13.0% 34.9% 12.0%RRMSE標準偏差 20.7% 23.1% 15.4% 22.3% 15.4%RRMSE20%超 187 264 150 1651 143全数 1821 1821 1821 1821 1821RRMSE20%超の割合 10.3% 14.5% 8.2% 90.7% 7.9%

需要家ID

冬期BLテスト結果

Hgh 4 of 5(当日調整あり)

Hgh 4 of 5(当日調整なし)

同等日採用法 事前計測最小RRMSE(平均値)

0

100

200

300

400

500

600

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24

30分

間積

算電

力量

値(kW

h)

時間

2015/11/16

需要実績

標準BL削減量

0

100

200

300

400

500

600

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24

30分

間積

算電

力量

値(kWh)

時間

2015/12/18

需要実績

標準BL削減量

全需要家のDR発動日

別の削減量算定結果をグラフ表示。

夏期、冬期それぞれのベースラインテスト結果を算定・集計。

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Confidentialベースライン等の妥当性検証に必要なデータの分析ベースライン評価・指標の定義

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指標は、偏りと正規化標準誤差を用いる

偏り:

ベースラインが実際の需要よりも大きくなるか小さくなるかといった傾向を表す指標であり、ARE(average relative error)の平均値として計算される。

正規化標準誤差:

ベースラインが実際の需要に対してどれだけばらついているか(裏を返せばどれだけ正確に推定しているか)を表す指標である。

どちらも0に近いほど良い(差が小さいほど良い需要推定ができる)

評価の結果、標準ベースラインが偏り、正規化標準誤差とも最小となることが分かった。

ARE 日の誤差(実積ーベースライン)の平均月の 対象時間の最大需要

100 [%]

正規化標準誤差 日の誤差の標準偏差月の 対象時間の最大需要

×100 [%]

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Confidentialベースライン等の妥当性検証に必要なデータの分析ネガワット量の反応時間とランプレートの分析

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反応時間とランプレートの算出

時間

消費電⼒量(kWh/5分)

X(2)

X(3)

X(4)

X(5) X(6) X(7)・・・ X(13)

X(15)

X(14)

持続時間(1時間)

10分

事前通告

DR開始

DR終了

ベースライン

実負荷

X(1)

回帰直線

)(

)()(

)(

)(

11

1000

00

ttifX

tttifXtta

ttifX

tX

5分毎の実負荷データに対して、下式を⽤いてフィッティングし、図中の⾚⾊の回帰直線を求める。

①反応時間 :需要削減の事前指令からDR契約量の70%に達するまでの時間

②分単位削減量:需要削減量を到達時間で除した値

③ランプレート:②を負荷容量で除した値

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Confidentialベースライン等の妥当性検証に必要なデータの分析ネガワット量の反応時間とランプレートの分析

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全体 630 298 47% 187 63%空調 352 139 39% 51 37%生産ライン 24 13 54% 12 92%蓄電池 44 16 36% 11 69%自家発 91 79 87% 74 94%冷凍・冷蔵庫 8 5 63% 5 100%その他 108 43 40% 31 72%

手段 DR実施回数 成功数 成功率フィッティン

グ可フィッティング実施率

手段 平均(秒)全体 271.2蓄電池 177.4冷凍・冷蔵庫 218.6空調 263.9生産ライン 295.9自家発 320.5その他 230.4

0%

20%

40%

60%

80%

100%

到達時間(秒)

~300 300~600 600~900

全体平均では5分を下回る。手段別では、蓄電池、冷凍・冷蔵が早い。

反応時間とランプレートの分析結果 DR成功率と

フィッティング

実施率

反応時間

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Confidential削減ポテンシャルの推計積み上げ方式によるDRポテンシャルの推計

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取得データおよび統計資料のデータ利用可能性から、産業部門は『年間購入電力量』を、業務部門は『建物延床面積』をマクロな需要規模を表す活動量指標として採用した。活動量指標に「1活動量指標あたりのネガワット量」を乗じ、業種別の結果を積み上げることで、部門全体のDRポテンシャルを推計する方法を構築した(下式を参照)。

産業部門

NWINDk=Σs αs,k×βs,k×KWHs/8760時間 NWINDk:産業部門全体の制御設備(k)によるネガワット量(単位:MW)

αs,k:業種(s)における制御設備(k)の需要削減率(=削減量kW/年平均購入電力kW、単位:%)

←8月-1月分の実証結果を反映

βs,k:購入電力量に占める制御設備(k)に関係する需要量の割合(例:自家発比率)(単位:%)

KWHs:全国大での業種(s)の年間購入電力量(単位:MWH)

業務部門

NWCOMk=Σs γs,k×βs,k×FLOORs NWCOMk:業務部門全体の制御設備(k)によるネガワット量(単位:MW)

γs,k:業種(s)における制御設備(k)の需要削減原単位(=削減量kW/建物床面積㎡、単位:MW/㎡)←8月-1月分の実証結果を反映

βs,k:購入電力量に占める制御設備(k)に関係する需要量の割合(例:自家発比率)(単位:%)

FLOORs:全国大での業種(s)の延床面積ストック量(単位:㎡)

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Confidential削減ポテンシャルの推計マクロ活動量指標

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産業・業務部⾨の年間購⼊電⼒量の⽐率(10社計)(2014年度、出所:電事連・電⼒統計情報)

業務部⾨の建物延床⾯積の⽐率(全国⼤)(2013年度、出所:エネルギー・経済統計要覧)

事務所・ビル26%

デパート・スー

パー1%

卸小売24%

飲食店4%

学校20%

ホテル・旅館5%

病院6%

娯楽場2% その他

12%

産業分類毎の年間購入電力量、自家発電量は、電事連の電力統計情報や経済産業省のエネルギー消費統計を用いる。

業務部門の業種別の建物延床面積は、日本エネルギー経済研究所のエネルギー・経済統計要覧のデータを用いる。

食料品製

造業

7%

飲料・たばこ・飼料

製造業

2%繊維

2%

木材・木製品製造

業(家具を除く)

1%家具・装備

品製造業

0%パルプ・紙・紙加工

品製造業

8%

印刷・同関連業

2%

化学工業

15%

石油製品・石炭製

品製造業

3%

プラスチック製品製

造業(別掲を除く)

5%

ゴム製品製造

1%

なめし革・

同製品・毛

皮製造業0%

窯業・土石

製品製造業

5%

鉄鋼業

19%

非鉄金属製造業

4%

金属製品製造業

4%

はん用機械

器具製造業

2%

生産用機械

器具製造業

2%

業務用

機械器

具製造

1%

電子部品・デバ

イス・電子回路

製造業6%

電気機械器具製造

2% 情報通信機械

器具製造業

1%

輸送用機械器具製

造業

9%その他の製造業

1%

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Confidential削減ポテンシャルの推計自家発・空調のDRポテンシャル量の推計

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制御設備として「自家発」「空調」を取り上げ、1時間前DRのポテンシャルを推計した(理由:サンプル数が多い「1時間前DRの自家発・空調」を評価対象とし

た)。対象エリアは全国大(沖縄を含む)。対象セクターは産業部門(鉄道業を除く)と業務部門。

結果:夏季の自家発・空調による1時間前DRポテンシャルは1389.3万kW。2014年度の全国の系統ピーク1億5274万kWの約9.1%に相当する。季節別に見ると、秋は1159万kW、冬は1459.7万kWであり、年間を通して安定的に見込めることがわかった。

4,733 4,112 4,215

594610 607

1,3911,571 1,320

7,176

5,297

8,454

13,893

11,590

14,597

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

夏 13-17時 秋 9-11,13-19時 冬 9-11,17-19時

ポテンシャル量(MW)

⾃家発(産業) ⾃家発(業務) 空調(産業) 空調(業務)

⾃家発と空調を⽤いたネガワットポテンシャル量の推計結果

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Confidential今後の課題等

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DRのパフォーマンスを向上し、我が国の真のDRの実力を評価するために、国全体でDRの意義の共有、参加者の実施ノウハウの蓄積

夏季のデータを含め、通年での一貫したデータの取得と一連の分析

契約量に対し、下振れ、上振れのリスクに対して罰則などの等価な扱い

アグリゲータが需要家を複数集め、需要家一律でなく、保有する資源の特徴を活かして予備力も考慮しつつ組み合わせてDRを実施し、容量と継続時間の確実性を向上する機能(アグリゲーション機能)の活用

周波数調整への貢献の可能性検証

再生可能エネルギー由来の電力の極力有効活用の観点から、需要の削減だけではなく、状況に応じて需要を上げることや、蓄電池など、様々な分散エネルギーリソースとも組み合わせた最適な制御への拡大・進化