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マイナンバー制度の概要と企業における対応
~ガイドラインを踏まえた実務対応を中心に~
アクタスマネジメントサービス㈱
ア ク タ ス 社会保険労務士法人
2015年4月24日
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社会保険労務士 片山 力
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目次 –本日のアウトライン-
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1.マイナンバー制度の概要1-1.マイナンバー法の概要1-2.情報管理上の基本事項
2.人事関連実務に与える影響と対応策2-1.ガイドライン重点事項(取得~廃棄まで)2-2.各種帳票関係
3.制度開始までに準備すべきこと3-1.施行までの想定対応スケジュール3-2.検討の流れ/進め方
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1.マイナンバー制度の概要
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Copyright © 2015 Actus Management Services, K.K. All rights reserved.内閣官房 マイナちゃんのマイナンバー解説 より
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■マイナンバー法(2013年5月31日公布)『行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律』
マイナンバーは、住民票を有する全ての方に1人1つの番号を付して、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるもの。
1-1.マイナンバー法の概要①
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(参考)マイナンバー制度導入のロードマップ(案)
内閣官房 マイナンバー社会保障・税番号制度概要資料(H26.7月版) 5
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■マイナンバーの活用
平成28年1月から、社会保障、税、災害対策の行政手続にマイナンバーが必要になる マイナンバーは社会保障、税、災害対策の中でも、法律や自治体の条例で定められた行政手続でしか使用することはできない
民間利用については、法律の施行後3年を目途に、法律の施行状況をみながら、利用範囲の拡大が検討されることになっている
※内閣官房資料参照(マイナちゃんのマイナンバー解説)
1-1.マイナンバー法の概要②
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■マイナンバー(個人番号)の仕組み
内閣官房 マイナンバー社会保障・税番号制度概要資料(H26.7月版) 7
1-1.マイナンバー法の概要③
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■個人番号
①付番・住民票を持つ者全員に付番(外国人を含む)・基本4情報(氏名、生年月日、性別、住所)とセットで管理される・12桁の数字で構成される・マイナンバーが漏えいして不正に用いられる可能性があれば変更できる
②情報連携・情報は従来通り分散管理・分散された情報を連携するために、情報提供ネットワークシステムが構築される・個人情報を一元管理するのではなく、情報の照会・提供を行うだけ
③本人確認・個人番号の提供を受ける際、その真正性の確認を行い、なりすましを防止する
※マイナンバー法(行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)16条
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*2008年3月の住基ネット事件最高裁判決の影響住基ネットがプライバシー侵害とはならない理由のひとつ「個人情報を一元的に管理することができる機関または主体が存在しないこと」
1-1.マイナンバー法の概要④
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※内閣官房資料参照(マイナンバー社会保障・税番号制度概要)
(参考)一元管理と分散管理
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■法人番号
●すべての法人に付与される①国の機関 ②地方公共団体 ③設立登記法人 ④①~③以外の法人又は人格のない社団等
●国税庁が付与する商業登記法に基づく会社法人番号(12桁)の前に1桁を加えた13桁の数字で構成される
●利用範囲に制限がなく、民間で自由に利用できるものとなる国税庁のウェブサイトで公開される予定(商号又は名称、本店または主たる事務所の所在地、法人番号)法人番号の指定を受けた後に、商号や所在地等に変更があった場合には、公表情報を更新するほか、変更履歴も併せて公表する
●2016年1月以降に開始する事業年度に係る申告から法人番号を記載各省庁ごとに別々の番号を記載していたが、法人番号で統一されることになる
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1-1.マイナンバー法の概要⑤
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■通知カードと個人番号カード
※内閣官房資料参照(マイナンバー社会保障・税番号制度概要)
平成27年(2015年)10月 市区町村から住民票住所にマイナンバーの通知カードが送られる平成28年(2016年) 1月 市区町村に申請すると個人番号カードが交付される
1-1.マイナンバー法の概要⑥
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■マイ・ポータル(情報提供等記録開示システム)※2017年1月から稼働予定
マイ・ポータルが提供する4つの機能
内閣官房 マイナちゃんのマイナンバー解説 より
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1-1.マイナンバー法の概要⑦
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■個人情報保護法とマイナンバー法の違い
マイナンバー法は個人情報保護法の特例の位置づけ(法1条)
個人情報保護法 マイナンバー法
適用範囲 個人情報を5000件以上もつ事業者が対象
全ての事業者が対象
安全管理措置 生存者の個人情報が対象 死者の個人番号も対象
利用範囲 定め無し(企業が自由に設定) 法定で厳しく制限
利用目的の変更/目的外利用
ある程度認められている※利用目的の変更、公表で可
厳しく制限※本人が事前に同意しても不可
データベースの作成 制限なし 厳しく制限
行政の監督権限 立入検査権なし 立入検査権あり
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1-2.情報管理上の基本事項①
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■個人番号利用事務実施者と個人番号関係事務実施者
個人番号利用事務実施者 個人番号関係事務実施者
定義 マイナンバーを利用した事務を行う者 補助的に他人のマイナンバーを扱う事務を行う者
主体 主に政府や自治体などの行政機関全国健康保険協会または健康保険組合確定給付企業年金法/確定拠出年金法に規定する事業主(別表第一)
主に民間企業
責務 法12条:安全管理措置義務法13条:個人番号利用事務実施者間の相互連携を図る
法12条:安全管理措置義務
マイナンバー情報提供の要求
法14条:個人番号提供を求めることができる法14条2項:機構に対し本人確認情報の提供を求めることができる
法14条:個人番号提供を求めることができる
マイナンバー真正性の確認
法16条:本人であることを確認するための措置をとらなければならない
法16条:本人であることを確認するための措置をとらなければならない
特定個人情報保護評価
必要
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1-2.情報管理上の基本事項②
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■罰則規定
個人情報保護法よりも罰則の種類が多く、法定刑も重くなっている。〔民間事業者や個人も主体になる主要なもの〕
※4年以下の懲役⇒執行猶予がつけられないということ
主体 行為 法定刑
個人番号利用事務、個人番号関係事務などに従事する者や従事していた者
正当な理由なく、業務で取り扱う個人の秘密が記録された特定個人情報ファイルを提供
4年以下の懲役 または200万円以下の罰金(併科されることもある)
業務に関して知り得たマイナンバーを自己や第三者の不正な利益を図る目的で提供し、または盗用
3年以下の懲役 または150万円以下の罰金(併科されることもある)
主体の限定なし 人を欺き、暴行を加え、または脅迫することや財物の窃取、施設への侵入、不正アクセス行為などによりマイナンバーを取得
3年以下の懲役 または150万円以下の罰金
偽りその他不正の手段により通知カード又は個人番号カードの交付を受けること
6か月以下の懲役 または50万円以下の罰金
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1-2.情報管理上の基本事項③
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(参考)罰則の強化 -同種法律との違い-
マイナンバー社会保障・税番号制度 平成26年2月 内閣官房 社会保障改革担当室 より16
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■特定個人情報保護委員会
内閣官房 マイナンバー社会保障・税番号制度概要資料(H26.7月版)17
1-2.情報管理上の基本事項④
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■特定個人情報
個人情報(個人情報保護法) 個人番号(マイナンバー法)
■特定個人情報ファイル
個人番号をその内容に含む個人情報ファイル又は個人情報データベース等をいう※単に個人番号が含まれているテーブルのみを意味するのではなく、個人番号にアクセスできる者が、個人番号と紐付けてアクセスできる情報を意味する
特定個人情報(個人番号のついた個人情報)
内閣官房 特定個人情報保護評価の概要平成26年9月 特定個人情報保護委員会事務局 より
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1-2.情報管理上の基本事項⑤
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(参考)特定個人情報ファイルの範囲
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2.人事関連実務に与える影響と対応策
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Copyright © 2015 Actus Management Services, K.K. All rights reserved.厚生労働省 社会保障・税番号制度の導入に向けて(社会保障分野)(H26.12)
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(参考)民間企業における個人番号の利用例
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(参考)事業者における個人番号との関わり
特定個人情報保護委員会事務局 マイナンバーガイドライン入門(H26.12月版) 22
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■取得から廃棄までの全体プロセスまとめ
マイナンバーの
取得利用目的明示 本人確認
マイナンバーの
保管(安全管理措置)
適切な保管
アクセス制限
漏えい事故等への対処方法
マイナンバーの
利用・提供目的内利用 履歴管理
マイナンバーの
廃棄
保管すべき期間を超過
速やかに廃棄
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2-1.ガイドライン重点事項①
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2-1.ガイドライン重点事項②
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■特定個人情報の適切な取扱いに関するガイドライン
番号法では、特定個人情報の適正な取扱いを確保するため、各種の保護措置が設けられている
フロー 目次 項目(番号法該当条文)
取得
第4-3-(1)第4-3-(2)第4-3-(3)第4-3-(4)
個人番号の提供の要求個人番号の提供の求めの制限、特定個人情報の提供制限収集・保管期限本人確認
安全管理措置等
第4-2-(1)第4-2-(2)
委託の取り扱い安全管理措置(別添)特定個人情報に関する安全管理措置(事業者編)
保管 第4-3-(3) 収集・保管期限
利用第4-1-(1)第4-1-(2)
個人番号の利用制限特定個人情報ファイルの作成の制限
提供 第4-3-(2) 個人番号の提供の求めの制限、特定個人情報の提供制限
開示、訂正、利用停止等
第4-4 第三者提供の停止に関する取り扱い
廃棄 第4-3-(3) 収集・保管期限
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■利用目的の明示
●利用目的は、本人が、自らの個人番号がどのような目的で利用されるのかを一般的かつ合理的に予想できる程度に具体的に特定する必要がある。
●通知等の方法としては、従来から行っている個人情報の取得の際と同様に、社内LANにおける通知、利用目的を記載した書類の提示、就業規則への明記等の方法が考えられる。
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・マイナンバーを取得する際は、利用目的を本人に通知または公表しなければならない。(個人情報保護法第18条)
2-1.ガイドライン重点事項③ -取得/利用/提供-
[利用目的の特例の事例]* 個人番号関係事務の場合、「源泉徴収票作成事務」、「健康保険・厚生年金保険届出事務」のように特定することが考えられる。
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●番号法は、個人情報保護法とは異なり、本人の同意があったとしても、利用目的を超えて特定個人情報を利用してはならないと定めている。利用目的を超えて個人番号を利用する必要が生じた場合には、当初の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲内で利用目的を変更して、本人への通知等を行うことにより、変更後の利用目的の範囲内で個人番号を利用することができる。
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2-1.ガイドライン重点事項④ -取得/利用/提供-
[利用目的の範囲内として利用が認められる事例]*前年の給与所得の源泉徴収票作成事務のために提供を受けた個人番号については、同一の雇用契約に基づいて発生する当年以後の源泉徴収票作成事務のために利用することができると解される。
[利用目的の変更が認められる場合]* 雇用契約に基づく給与所得の源泉徴収票作成事務のために提供を受けた個人番号を、雇用契約に基づく健康保険・厚生年金保険届出事務等に利用しようとする場合は、利用目的を変更して、本人への通知等を行うことにより、健康保険・厚生年金保険届出事務等に個人番号を利用することができる。
事業者は、給与所得の源泉徴収票作成事務のほか健康保険・厚生年金保険届出事務等を行う場合、従業員等から個人番号の提供を受けるに当たって、これらの事務の全てを利用目的として特定して、本人への通知等を行うことにより、利用目的の変更をすることなく個人番号を利用することができる。
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■特定個人情報の提供制限等
●提供を求める時期事業者が行う個人番号関係事務においては、個人番号関係事務が発生した時点で個人番号の提供を求めることが原則であるが、本人との法律関係等に基づき、個人番号関係事務の発生が予想される場合には、契約を締結した時点等の当該事務の発生が予想できた時点で個人番号の提供を求めることが可能であると解される
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<提供の求めの制限>何人も、番号法第19条各号のいずれかに該当し特定個人情報の提供を受けることができる場合を除き、他人の個人番号の提供を求めてはならない。事業者が個人番号の提供を求めることとなるのは、従業員等に対し、社会保障、税及び災害対策に関する特定の事務のために個人番号の提供を求める場合等に限られる。
<特定個人情報の提供制限>何人も、番号法で限定的に明記された場合を除き、特定個人情報を「提供」してはならない。事業者が特定個人情報を提供できるのは、社会保障、税及び災害対策に関する特定の事務のために従業員等の特定個人情報を行政機関等及び健康保険組合等に提供する場合等に限られる。
2-1.ガイドライン重点事項⑤ -取得/利用/提供-
*従業員等の給与の源泉徴収事務、健康保険・厚生年金保険届出事務等に伴う給与所得の源泉徴収票、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届等の作成事務の場合は、雇用契約の締結時点で個人番号の提供を求めることも可能であると解される。
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●「提供」の意義「提供」とは、法的な人格を超える特定個人情報の移動を意味するものであり、同一法人の内部等の法的な人格を超えない特定個人情報の移動は「提供」ではなく「利用」に当たり、利用制限に従うこととなる。
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2-1.ガイドライン重点事項⑥ -取得/利用/提供-
*「提供」にあたる場合事業者甲から事業者乙へ特定個人情報が移動する場合は「提供」に当たる。同じ系列の会社間等での特定個人情報の移動であっても、別の法人である以上、「提供」に当たり、提供制限に従うこととなるため留意が必要である。例えば、ある従業員等が甲から乙に出向又は転籍により異動し、乙が給与支払者(給与所得の源泉徴収票の提出義務者)になった場合には、甲・乙間で従業員等の個人番号を受け渡すことはできず、乙は改めて本人から個人番号の提供を受けなければならない。
* 「提供」に当たらない場合事業者甲の中のX部からY部へ特定個人情報が移動する場合、X部、Y部はそれぞれ甲の内部の部署であり、独立した法的人格を持たないから、「提供」には当たらない。例えば、営業部に所属する従業員等の個人番号が、営業部庶務課を通じ、給与所得の源泉徴収票を作成する目的で経理部に提出された場合には、「提供」には当たらず、法令で認められた「利用」となる。
*同じ系列の会社間等で従業員等の個人情報を共有データベースで保管しているような場合、従業員等が現在就業している会社のファイルにのみその個人番号を登録し、他の会社が当該個人番号を参照できないようなシステムを採用していれば、共有データベースに個人番号を記録することが可能であると解される。
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■本人確認(本人から個人番号の提供を受ける場合)
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次の何れかで本人確認をする必要がある。① 個人番号カード(番号確認と身元確認)② 通知カード(番号確認)と運転免許証など(身元確認)③ 個人番号の記載された住民票の写しなど(番号確認) と運転免許証など(身元確認)
2-1.ガイドライン重点事項⑦ -取得/利用/提供-
厚生労働省 社会保障・税番号制度の導入に向けて(社会保障分野)(H26.12)
※現時点で個人番号利用事務実施者が「認める」と公表しているところはありません。個人番号の利用目的は複数あり、よって、個人番号利用事務実施者も複数存在することになるため、現時点では、身元確認までを行うことを想定して、準備することが望ましいと思われます。
※本人確認の記録を残すために、確認書類をコピーして保管することは認められています。
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■本人確認(代理人から個人番号の提供を受ける場合)
原則として、次の方法で確認を行います。① 代理権の確認は、法定代理人の場合は戸籍謄本など、任意代理人の場合は委任状② 代理人の身元の確認は、代理人の個人番号カード、運転免許証など③ 本人の番号確認は、本人の個人番号カード、通知カード、マイナンバーの記載された住民票の写しなど
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①代理権、②代理人の身元、③本人の番号の3つを確認する必要がある。
2-1.ガイドライン重点事項⑧ -取得/利用/提供-
Q4-3-6 従業員の扶養家族のマイナンバー(個人番号)を取得するときは、事業者が扶養家族の本人確認も行わなければならないのでしょうか?
A4-3-6 扶養家族の本人確認は、各制度の中で扶養家族のマイナンバーの提供が誰に義務づけられているのかによって異なります。例えば、税の年末調整では、従業員が、事業主に対してその扶養家族のマイナンバーの提供を行うこととされているため、従業員は個人番号関係事務実施者として、その扶養家族の本人確認を行う必要があります。この場合、事業主が、扶養家族の本人確認を行う必要はありません。一方、国民年金の第3号被保険者の届出では、従業員の配偶者(第3号被保険者)本人が事業主に対して届出を行う必要がありますので、事業主が当該配偶者の本人確認を行う必要があります。通常は従業員が配偶者に代わって事業主に届出をすることが想定されますが、その場合は、従業員が配偶者の代理人としてマイナンバーを提供することとなりますので、事業主は代理人からマイナンバーの提供を受ける場合の本人確認を行う必要があります。なお、配偶者からマイナンバーの提供を受けて本人確認を行う事務を事業者が従業員に委託する方法も考えられます。(2014年7月回答)
内閣官房 社会保障・税番号制度ポータルサイト「よくある質問(FAQ)」より
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(参考)従業員から扶養親族のマイナンバーを取得する場合
厚生労働省 社会保障・税番号制度の導入に向けて(社会保障分野)(H26.12)
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2-1.ガイドライン重点事項⑨ -安全管理措置等-
■委託の取扱い
●「必要かつ適切な監督」には、①委託先の適切な選定、②安全管理措置に関する委託契約の締結、③委託先における特定個人情報の取扱状況の把握が含まれる。
●委託者は、委託先の設備、技術水準、従業者(注)に対する監督・教育の状況、その他委託先の経営環境等をあらかじめ確認しなければならない。
●委託者は、委託先だけではなく、再委託先・再々委託先に対しても間接的に監督義務を負う。
個人番号関係事務又は個人番号利用事務の全部又は一部の委託をする者は、委託先において、番号法に基づき委託者自らが果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられるよう必要かつ適切な監督を行わなければならない
*個人番号関係事務の全部又は一部は、最初の委託者の承諾を得た場合に限り、再委託をすることができる。更に再委託をする場合も、その許諾を得る相手は、最初の委託者である。
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2-1.ガイドライン重点事項⑩ -安全管理措置等-
■安全管理措置
●安全管理措置の内容-基本方針の策定-取扱規定等の策定-組織的安全管理措置-人的安全管理措置-物理的安全管理措置-技術的安全管理措置
個人番号関係事務実施者又は個人番号利用事務実施者である事業者は、個人番号及び特定個人情報(以下「特定個人情報等」という。)の漏えい、滅失又は毀損の防止等、特定個人情報等の管理のために、必要かつ適切な安全管理措置を講じなければならない。また、従業者(注)に特定個人情報等を取り扱わせるに当たっては、特定個人情報等の安全管理措置が適切に講じられるよう、当該従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。
[中小規模事業者とは]*事業者のうち従業員の数が100名以下の事業者であって、次に掲げる事業者を除く事業者• 個人番号利用事務実施者• 委託に基づいて個人番号関係事務又は個人番号利用事務を業務として行う事業者• 金融分野の事業者• 個人情報取扱事業者
詳細は次ページ以降の「特定個人情報に関する安全管理措置(事業者編)」を参照中小規模事業者に対する特例を設けることにより、実務への影響を配慮
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(参考)特定個人情報に関する安全管理措置(事業者編)①
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(参考)特定個人情報に関する安全管理措置(事業者編)②
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(参考)特定個人情報に関する安全管理措置(事業者編)③
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2-1.ガイドライン重点事項⑪ -保管/廃棄-
■特定個人情報の収集・保管制限
●「収集」とは、集める意思を持って自己の占有に置くことを意味し、例えば、人から個人番号を記載したメモを受け取ったり、人から聞き取った個人番号をメモをする等、直接取得する場合のほか、電子計算機等を操作して個人番号を画面上に表示させ、その個人番号を書き取ったり、プリントアウトしたりする場合を含む。一方、特定個人情報の提示を受け又は閲覧しただけでは、「収集」に当たらない。
何人も、番号法第19条各号(社会保障、税及び災害対策に関する特定の事務等)のいずれかに該当する場合を除き、他人(注)の個人番号を含む特定個人情報を収集、保管してはならない。(法第20条)
* 事業者の給与事務担当者として個人番号関係事務に従事する者が、その個人番号関係事務以外の目的で他の従業員等の特定個人情報をノートに書き写してはならない。
* 事業者の中で、単に個人番号が記載された書類等を個人番号関係事務に従事する者に受け渡す立場の者は、個人番号を保管する必要がないため、できるだけ速やかにその書類を受け渡すこととし、自分の手元にその書類の控え等を残してはならない。例えば、事業者が講師に対して講演料を支払う場合において、講師から個人番号が記載された書類等を受け取る担当者と支払調書作成事務(個人番号関係事務)を行う担当者が異なるときは、書類等を受け取る担当者は、支払調書作成事務(個人番号関係事務)を行う担当者にできるだけ速やかにその書類を受け渡すこととし、自分の手元にその書類の控え等を残してはならない。
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2-1.ガイドライン重点事項⑫ -保管/廃棄-
■特定個人情報の収集・保管制限
個人番号は、番号法で限定的に明記された事務を処理するために収集、保管されるものであるから、それらの事務を行う必要がなくなった場合には、特定個人情報を保管し続ける必要がなくなる。したがって、個人番号を記載する書類等については、所管法令において定められている保存期間を経過した場合、個人番号をできるだけ速やかに廃棄又は削除しなければならない。
*扶養控除等申告書は、所得税法施行規則第76条の3により、当該申告書の提出期限(毎年最初に給与等の支払を受ける日の前日まで)の属する年の翌年1月10日の翌日から7年を経過する日まで保存することとなっていることから、当該期間を経過した場合には、当該申告書に記載された個人番号を保管しておく必要はなく、原則として、個人番号が記載された扶養控除等申告書をできるだけ速やかに廃棄しなければならない。そのため、個人番号が記載された扶養控除等申告書等の各書類については、保存期間経過後における廃棄を前提とした保管体制をとることが望ましい。
*給与所得の源泉徴収票、支払調書等の作成事務のために取得した特定個人情報を電磁的記録として保存している場合においても、その事務に用いる必要がなく、所管法令で定められている保存期間を経過した場合には、原則として、個人番号をできるだけ速やかに廃棄又は削除しなければならない。そのため、特定個人情報を保存するシステムにおいては、保存期間経過後における廃棄又は削除を前提としたシステムを構築することが望ましい。
*雇用契約等の継続的な契約関係にある場合には、従業員等から提供を受けた個人番号を給与の源泉徴収事務、健康保険・厚生年金保険届出事務等のために継続的に利用する必要が認められることから、特定個人情報を継続的に保管できると解される。
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2-1.ガイドライン重点事項⑬ -保管/廃棄-
●個人番号の廃棄が必要になってから、廃棄作業を行うまでの期間については、個人番号及び特定個人情報の保管に係る安全性と、事務の効率性を勘案し、事業者が個別での判断が認められる。(廃棄作業までの期間例:毎年度末に廃棄)
●個人番号若しくは特定個人情報ファイルを削除した場合、又は電子媒体等を廃棄した場合には、削除又は廃棄した記録を保存することとなります。
●削除又は廃棄の作業を委託する場合には、委託先が確実に削除又は廃棄したことについて、証明書等により確認する必要があります。
[手法の例示]*特定個人情報等が記載された書類等を廃棄する場合、焼却又は溶解等の復元不可能な手段を採用する。*特定個人情報等が記録された機器及び電子媒体等を廃棄する場合、専用のデータ削除ソフトウェアの利用又は物理的な破壊等により、復元不可能な手段を採用する。*特定個人情報ファイル中の個人番号又は一部の特定個人情報等を削除する場合、容易に復元できない手段を採用する。*特定個人情報等を取り扱う情報システムにおいては、保存期間経過後における個人番号の削除を前提とした情報システムを構築する。*個人番号が記載された書類等については、保存期間経過後における廃棄を前提とした手続を定める。
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■国税(税務署等への提出書類)
・個人の確定申告2016年分の確定申告書から番号記載
・法人の確定申告2016年1月以降開始する事業年度に係る確定申告書から番号記載
・申請・届出書2016年1月提出分から番号記載
・法定調書(約60種)2016年1月以降の金銭等の支払い等に係る法定調書から番号記載(国税通則法改正)住所または居所→住所または居所および番号を記載
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2-2.帳票関係①
個人or法人番号 個人or法人番号
法人番号
法人番号
法人番号
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■国税(源泉徴収票)
マイナンバー法施行後の源泉徴収票の様式2014年7月9日財務省令第53号として公布大きさが倍になり縦置きの様式に
新しい源泉徴収票の様式では、社員の個人番号を記載することに加え、扶養控除配偶者及び控除対象扶養親族の氏名、個人番号も記載することになる
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2-2.帳票関係②
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■国税(扶養控除申告書)
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個人番号法人番号
個人番号
個人番号
2-2.帳票関係③
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(参考)税務関係書類への番号記載時期
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(参考)国税における源泉徴収票や扶養控除申告書について
厚生労働省 社会保障・税番号制度の導入に向けて(社会保障分野)(H26.12)
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■社会保険(会社が届け出る届)被保険者資格取得届/喪失届等
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2-2.帳票関係④
個人番号
個人番号
雇用保険被保険者資格取得届 健康保険・厚生年金被保険者資格取得届
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■社会保険(従業員や従業員の被扶養者の代理等で会社が届け出る届)国民年金第3号被保険者資格取得届/出産一時金/高額療養費等
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2-2.帳票関係⑤
個人番号
国民年金第3号被保険者届(表) 国民年金第3号被保険者届(表)
※平成29年7月以降に提出する場合で、個人番号を記入した方の添付書類については、地方税関係情報(課税(非課税)証明書)及び住民票関係情報(住民票の写し)を、原則として省略することができます。
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(参考)社会保険関係書類への番号記載時期
厚生労働省 社会保障・税番号制度の導入に向けて(社会保障分野)(H26.12)
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番号制度導入に伴う企業の給与厚生関連業務対応について 2013年11月 株式会社野村総合研究所
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(参考)業務を行うべき主体と企業の関係に関する問題
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3.制度開始までに準備すべきこと
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通知カード
番号収集の対象者への案内
■民間企業のマイナンバー対応スケジュール
2014(H26) 2015(H27) 2016(H28) 2017(H29)10月 12月 1月 10月 1月 1月 7月
国との連携開始
地方公共団体との連携開始
情報提供ネットワークシステム番号カード交付
コールセンター
社員教育
社内規程見直し
番号収集(※)
社内システム改修
扶養控除等申告書 年末調整
源泉徴収票 支払調書
社会保険各種手続き
マイナンバー利用開始(国税&雇用保険)社内システム要件定義
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3-1.施行までの想定対応スケジュール
ガイドライン
マイナンバー利用開始(社会保険)
既存の従業員から、事前に番号収集を行う事は可能です
社内システムテスト
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■社内の業務フローを見直す
人事・経理・総務・IT・営業等、部門を超えた対策を検討する必要があります。
☑法で制限列挙されている場面以外でマイナンバーを取得してしまわないか?・従業員からの取得と本人確認フロー・取引先からの取得と本人確認フロー・株主からの取得と本人確認フロー・顧客からの取得と本人確認フロー→本人確認で個人番号カード提示の場合等に裏面のコピーをとらない、等
☑廃棄のルールまでを定めているか☑社内規程の変更
1 • マイナンバー対応が必要となる業務の洗い出し
2• 洗い出した業務フローの修正すべき内容の確認と対応案検討
3 • 情報の安全管理の観点から見直しを行う
4 • 対応に必要なシステム改修やルール改訂、帳票変更等の作業見積り
5 • 社内対応-従業員への教育
6 • 社外対応-顧客・取引先への案内(問い合わせ窓口設置等)
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3-2.検討の流れ/進め方
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ご清聴誠にありがとうございました
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