フタロシアニン色素・ロイコ色素の 吸収特性を長波 …特願2009-277344,...

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平成28年度 新技術説明会 2016年5月31日 フタロシアニン色素・ロイコ色素の 吸収特性を長波長化する分子技術 理化学研究所 内山元素化学研究室 村中 厚哉 1

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平成28年度 新技術説明会  2016年5月31日  

フタロシアニン色素・ロイコ色素の  吸収特性を長波長化する分子技術

理化学研究所  内山元素化学研究室  

 村中 厚哉  

1

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1.  フタロシアニン系近赤外色素  

発表内容

2

2.  色調が二段階に大きく変化するロイコ色素

1)アズレノシアニン JACS  2010,  132,  7844.  

JP2009-­‐277344.  

2)芳香族性ヘミポルフィラジン JACS  2012,  134,  190.  JP2011-­‐197711.  

3)拡張型フタロシアニン JACS  2012,  134,  3411.  

JP2013-­‐165951.  

JP2015-­‐173779.  

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1.  フタロシアニン系近赤外色素  

発表内容

2.  色調が二段階に大きく変化するロイコ色素

JP2015-­‐173779.  

1)アズレノシアニン JACS  2010,  132,  7844.  

JP2009-­‐277344.  

2)芳香族性ヘミポルフィラジン JACS  2012,  134,  190.  JP2011-­‐197711.  

3)拡張型フタロシアニン JACS  2012,  134,  3411.  

JP2013-­‐165951.  

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従来技術とその問題点(背景)

【近赤外有機色素】  ・近赤外光(750-­‐2500  nm)を吸収する有機化合物    

近赤外光を吸収・発光できる有機化合物は種類が限られていて、かつ不安定なものが多かった。    【フタロシアニン系色素】  ・赤色光(700  nm  付近)を吸収する青〜緑色色素  ・優れた耐熱性、耐光性  

Wavelength / nm800700600500400300

Soret

Q

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新技術の特徴・従来技術との比較

1)アズレノシアニン

•  従来のフタロシアニンよりも主吸収帯が約 400 nm 長波長化

•  1000 nmを超える近赤外光電変換機能

Photocurrent CuAzc CuAzc/C60 C60

CuAzc   (mixture  of  isomers)  

227th  ECS  Mee:ng,  Chicago,  May  24-­‐28  2015.  

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2)芳香族性ヘミポルフィラジン

•  フタロシアニンと同じ電子構造を持つ初めてのヘミポルフィラジン

•  酸化還元によって近赤外吸収特性をスイッチ可能

新技術の特徴・従来技術との比較

20π     18π  

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新技術の特徴・従来技術との比較

3)拡張型フタロシアニン

•  可視領域にほとんど吸収がない •  効率よく合成することが可能 •  1000 nmを超える近赤外光電変換機能

600 800 1000Wavelength / nm

pho

tocu

rren

t

400 1200near%infrared�

N

NN

N

N

N

N

N

N

NN

NMo MoO O

R

R

R

R R

R

R

R

第64回高分子討論会(仙台) 2015.9.15-­‐17.  

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•  近赤外線吸収材料 •  近赤外光電変換材料 •  光線力学療法用光増感剤

•  近赤外バイオイメージング用色素

想定される用途

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•  近赤外光電流は確認されたが変換効率の向

上が必要。 •  可視領域の光吸収特性のコントロール。 •  蛍光色素としての応用には蛍光量子収率の

向上の必要がある。

実用化に向けた課題

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•  フタロシアニン系色素の大量合成の技術を持つ企業との共同研究を希望。

•  光電変換特性を評価・最適化する技術を持つ

企業との共同研究を希望。

企業への期待

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【発明の名称】 1)新規化合物、及びその製造方法 2)新規な化合物、及びその利用

3)拡張型フタロシアニン化合物の製造方法 【出願番号】

特願2009-277344, 2011-197711, 2013-165951 【出願人】

理化学研究所

【発明者】 村中厚哉,内山真伸 他

本技術に関する知的財産権

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1.  フタロシアニン系近赤外色素  

発表内容

2.  色調が二段階に大きく変化するロイコ色素

JP2015-­‐173779.  

1)アズレノシアニン JACS  2010,  132,  7844.  

JP2009-­‐277344.  

2)芳香族性ヘミポルフィラジン JACS  2012,  134,  190.  JP2011-­‐197711.  

3)拡張型フタロシアニン JACS  2012,  134,  3411.  

JP2013-­‐165951.  

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【ロイコ色素】  ・無色と有色をスイッチできる有機色素  ・安価で安定    

一つの色素は一つの色しか出せないため、複数色の利用は色素の混合が必要であった。    

従来技術とその問題点(背景)

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新技術の特徴・従来技術との比較

ロイコ色素の骨格を2つつなげた新規 π  電子系化合物(iso-ABPX)を開発した。

hBp://www.riken.jp/outreach/ip/25189/

・2つのスピロラクトン環による二段階の色調変化  ・π  共役系の拡張による吸収帯の長波長化  

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新技術の特徴・従来技術との比較

・置換基効果による吸収波長・蛍光波長の長波長化  

2015年 光化学討論会

O

O

N

N

COOH

HOOC

O

O

N

N

COOH

HOOC

O

O

N

NF

F

HOOC

FF

F

FF

F

COOH

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•  感熱紙用色素  

•  フェノール性化合物の検出試薬

•  サーモクロミズムを利用した温度セン

サーや玩具

•  近赤外バイオイメージング用色素

想定される用途

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•  用途に合わせた二段階の色調変化の精密なコントロール。

•  置換基によってはロイコ色素の合成収率が低

いため、効率的合成法・精製法の確立。 •  蛍光色素としての応用には蛍光量子収率の

向上の必要がある。

実用化に向けた課題

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•  ロイコ色素の大量合成の技術を持つ企業との共同研究を希望。

•  温度や酸・フェノールによる色調変化の制御技術を持つ企業との共同研究を希望。

企業への期待

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【発明の名称】 ローダミン系色素化合物及びその製造方法

【出願番号】 特願2015-173779

【出願人】 理化学研究所

【発明者】 村中厚哉,白崎良尚,内山真伸,神野伸一郎

本技術に関する知的財産権

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国立研究開発法人理化学研究所

産業連携本部 連携推進部 知財創出・活用課

井門 孝治 (イカド コウジ)

E-­‐mail:  [email protected]  TEL  :  048-­‐467-­‐9762 �

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