ラプラス変換の補足資料 -...

34
フーリエ級数展開 信号が基本周期Tをもつとき、基本周波数w 0 とその 整数倍の角周波数nw 0 をもつ三角関数の重ね合わ せとして という形式で表すことができる ラプラス変換の補足資料 1

Transcript of ラプラス変換の補足資料 -...

Page 1: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

• フーリエ級数展開信号が基本周期Tをもつとき、基本周波数w0とその整数倍の角周波数nw0をもつ三角関数の重ね合わ

せとして

という形式で表すことができる

ラプラス変換の補足資料

1

Page 2: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

フーリエ級数の複素数表現

負の周波数の概念を導入2

Page 3: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

フーリエ変換

• フーリエ級数展開の式を整理する

3

Page 4: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

フーリエ変換

• T →∞とするとDw→0となり、wnは連続になるので、連続値となり級数の和は積分となる

フーリエ変換

4

Page 5: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

フーリエ変換

• フーリエ変換

• 逆フーリエ変換

5

Page 6: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

ラプラス変換

• フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

• これでは例えばステップ関数には適用できない。より多くの関数へ拡張するため、扱う関数にe−stをかけたときに,次の条件が成り立つ場合を考える。

• ここでsが十分に小さければf(t) e−stはf(t)に近づくので、これをフーリエ変換する。ただしt < 0ではf(t)=0 6

Page 7: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

s = s + jw とおくことでラプラス変換が導出される• ラプラス変換.

• 逆ラプラス変換

周波数領域での扱いではあるが、s領域での扱いと表現する 7

Page 8: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

主要な関数のラプラス変換

1. 単位インパルス関数 d (t)2. 単位ステップ関数 u(t)3. 単位ランプ関数 r(t) = t u(t)

ランプ関数

8

Page 9: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

単位インパルス関数d (t)のラプラス変換

9

Page 10: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

単位ステップ関数u(t)のラプラス変換

10

Page 11: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

単位ランプ関数 r(t) = t u(t)のラプラス変換

11

Page 12: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

関数の微分のラプラス変換

部分積分を使う

12

Page 13: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

n階微分の場合微分(n階微分)

ただし

13

Page 14: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

関数の積分のラプラス変換

微分の結果を使う

14

Page 15: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

n階積分の場合積分(n階積分)

15

Page 16: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

ラプラス変換による微分方程式の解法

• 表に載っている形式であるならば、表を使うことによって容易にラプラス変換が可能

• 特に線形微分方程式ならば、微分要素をsに置き換えれば良いので、多項式になる

ただし初期値の項は無視

ラプラス変換

16

Page 17: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

• 線形微分方程式の場合、ラプラス変換すると解は多項式の比になる

• この右辺も表に載っていれば、逆ラプラス変換をすることで、容易にy(t)が求められる

載っていない場合(より一般的な場合)の解法は?

ラプラス変換による微分方程式の解法

y(t) = L�1 [Y (s)]

17

Page 18: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

部分分数展開によるラプラス逆変換

線形微分方程式のラプラス変換が

の形で与えられる(ただし、B(s)は分母に比べて次数が低く、p1~pnはすべて相異なる複素数)とき、次のような部分分数の形に展開できる

ただし

18

Page 19: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

係数の求め方の証明

F(s)の両辺に(s−pk)をかける

s=pkを代入すると第k項だけが残り、それ以外の項はすべて0となるので、係数Akが求まる。 19

Page 20: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

例題

次の逆ラプラス変換を求める

20

Page 21: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

次の逆ラプラス変換を求める

F(s)を次のような部分分数展開する

係数A, Bを求めると

例題

21

Page 22: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

つまり

加法定理より

であるから、逆ラプラス変換表より

22

Page 23: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

分母の(s−pk)の次数が2次以上である場合を考える。分母の次数がnの場合

と書ける。ただしA(s)=0の解がnp個あり、 j番目の解pjがkj乗根であるとする

23

Page 24: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

これを部分分数展開すると

となり,このときの分子の係数は

24

Page 25: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

係数の公式の証明

25

Page 26: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

係数の公式の証明

26

Page 27: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

係数の公式の証明

27

Page 28: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

• この公式は覚えるのも、求めるのも面倒(特に分母の方程式が重解になる場合)

• 分母に現れる項に注意して,通分で解けば良い。例えば

を再度考える

式変形で係数を求める

28

Page 29: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

A, Bを求めるために,右辺を通分すると

係数を比較する

と求められる29

Page 30: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

例題

自動制御概論演習3.7 30

Page 31: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

例題

F(s)の部分分数展開を通分する.

31

Page 32: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

例題

係数を比較する

つまり

32

Page 33: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

常微分方程式の解法

1. 微分方程式をラプラス変換する

33

Page 34: ラプラス変換の補足資料 - 豊橋技術科学大学bmcs.cs.tut.ac.jp/~fukumura/Control/LaplaceSuppliment...ラプラス変換 • フーリエ変換では以下のような条件が必要であった.

常微分方程式の解法

2. F(s)を有理関数で表現し、部分分数展開する

3. F(s)を逆ラプラス変換する

34