エッジでの映像分析を加速 AI を活用したスマート …NVIDIA GPU...
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エッジでの映像分析を加速 ― AI を活用したスマートシティの構築 エッジにおけるインサイト獲得の所要時間を短縮し、AI 機能を高める HPE Edgeline と NVIDIA IVA
目次
なぜエッジで映像分析なのか? ..................................................................................................................................................................................................................... 2
ソリューションの概要 ............................................................................................................................................................................................................................................. 4
HPE コンバージドエッジシステム — 新しい製品カテゴリ .......................................................................................................................... 5
HPE Edgeline コンバージドエッジシステム ..................................................................................................................................................................... 5
NVIDIA GPU とインテリジェントビデオ分析 ................................................................................................................................................................. 6
XJERA LABS .................................................................................................................................................................................................................................................................... 8
アーキテクチャーダイアグラム ........................................................................................................................................................................................................... 9
ビデオ分析の目標性能とシステム設定 ........................................................................................................................................................................................ 11
目標性能のテスト ................................................................................................................................................................................................................................................ 11
ハードウェア構成 ................................................................................................................................................................................................................................................ 11
ソフトウェア構成 ................................................................................................................................................................................................................................................ 12
入力ビデオ ..................................................................................................................................................................................................................................................................... 12
ビデオ分析性能 .............................................................................................................................................................................................................................................................. 13
システムサイジング.......................................................................................................................................................................................................................................... 15
まとめ .......................................................................................................................................................................................................................................................................................... 16
注記 ................................................................................................................................................................................................................................................................................................. 17
テクニカルホワイトペーパー
テクニカルホワイトペーパー 2
なぜエッジで映像分析なのか?
1 秒間に 30 億枚、1 時間に 100 兆枚の画像
これは 2020 年までに世界中の監視カメラがキャプチャーするであろうというコンテンツの数です。現在の 2 倍に相当す
る 10 億台のカメラが、道路の交差点、乗換駅、その他の公共エリアに設置され、街のさらなる安全とスマート化が進む
でしょう。今後、小売店、サービスセンター、倉庫などにも拡大する、このスマートシティつまり AI シティへの取り組
みの本質は、安全性とセキュリティを確保し、販売促進のための情報収集、在庫の追跡管理、サービスの向上にあります。1
この驚異的な画素数を有効活用するには、従来の映像処理プロセス(目視による監視や従来の知見に基づいて設計された
コンピューターによる視覚アルゴリズム)では、速度と精度が不十分です。これに代わる方法が人工知能(AI)の一部で
あるディープラーニング(深層学習)です。強力かつスケーラブルに、こうした視覚システムから詳細な情報を抽出しま
す。しかしディープラーニングは、通常利用されるサーバーシステムよりもはるかに大量のコンピュートリソースとメモ
リを必要とします。NVIDIA®Tesla アクセラレータは、コンパクトで省エネ効率に優れたフォームファクターでありなが
ら、ディープラーニングに必要な強力なパフォーマンスを提供します。
図 1: 従来の画像認識を用いて抽出された情報 2 図 2. ディープラーニングによる画像認識を用いて抽出された情報
ディープラーニングは、マシンラーニング(機械学習)において最も急速に成長している分野です。いくつものレイヤー
(ディープニューラルネットワーク(DNN))を使って、さまざまなレベルの表象的と抽象的なもの(画像、音声、テ
キストなど)のデータを意味あるものとして認識します。たとえば 図 3 では、1 枚の画像の具体的な特徴が、専用の人工
ニューラルネットワーク(ANN)によって低レベル、中レベル、高レベルで抽出され、理解されています。従来の知見
に基づくコンピューターの視覚的認識とは異なり、ANN は重要かつ微小な特徴を自動的に捉えることができます。これ
は、膨大な (情報収集に妥当であると判断された) タグ付きデータセットから学習しているからで、この実際の RAW イメ
ージから推論する際には、極めて高いインテリジェンスを提供します。従来型とディープラーニングの比較例として図 1
と図 2 を比べた場合、両者の情報検出の正確性がより顕著に見て取れますが、ディープラーニングが人間の能力をはる
1 NVIDIA AI シティ:blogs.nvidia.com/blog/2016/09/20/ai-city 2 Hikvision 2016 GTC により提供:on-demand.gputechconf.com/gtc/2016/presentation/s6840-shiliang-pu-intelligent-video.pdf
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かに上回る精度と性能を発揮することは明確です。また、NVIDIA インテリジェント ビデオ分析(IVA)プラットフォー
ムにより、ソフトウェア開発事業者は、自社のアプリケーションにおけるディープラーニングの活用が容易になります。
NVIDIA Tesla カード搭載の HPE Edgeline コンバージドエッジシステムは、IVA に完全に対応します。3
図 3. 人工ニューラルネットワーク(ANN)はどのように対象物を見ているのか?
インテリジェントビデオ分析(IVA)は重要な情報を抽出する点で優れています。しかし、安全、セキュリティ、または
障害の未然防止というシナリオにおける迅速な対処も同様に重要です。例えば、ラッシュアワーに複数車両による大事故
が発生したとします。その対処とは、迅速に警察、救急車、消防車を派遣し、車の流れを事故現場から迂回させるために
道路の標識を変え、事故発生直前/直後の映像(プリロールとポストロール)を警察用の証拠データとして自動的にアー
カイブする、というようなものです。
たいていの場合、数千台のエッジカメラから送られてくる全ての映像データを従来型のデータセンターやクラウドに送信
して処理すると:
1. リードタイムがかかりすぎて、大幅な対応の遅れにつながる。
2. すべての映像を処理できるだけのネットワーク回線を確保するには費用がかかり過ぎる。
3. 公衆ネットワークを介して送信すると、データの破損やスヌーピング(のぞき見)のリスクがある。
しかしこうした問題はすべて、HPE Edgeline コンバージドエッジシステムのようなコンパクトで耐久性のあるシステム
によって簡単に解決できます。NVIDIA Tesla によって高速化した ANN をフル活用して、エッジでカメラの映像をリア
ルタイムに直接処理できます。
3 NVIDIA インテリジェント ビデオ分析(IVA)プラットフォーム:nvidia.com/object/intelligent-video-analytics-platform.html
RAW データ 低いレベルの特徴 中間レベルの特徴 高いレベルの特徴
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図 4. エッジで処理することでイベントへの対応が迅速化して、データ転送量が少なくなるため、こうしたリスクを抑制することができます。
ソリューションの概要
ビデオ分析は、エッジコンピューティングの価値を端的に証明するものです。カメラの近くで映像を処理すれば、大量の
映像データをデータセンターまたはクラウドに転送する必要がなくなり、回線費用を削減できます。また、対応時間を大
幅に短縮でき、データの改変やスヌーピングの危険性も抑えられます。HPE Edgeline コンバージドエッジシステムと
NVIDIA Tesla P4 IVA により、AI 機能を搭載したエッジでカメラ映像データを処理し、インサイト獲得までの時間を短縮
できます。これらのハードウェアコンポーネントは、XJERA LABS の製品のような、高度に設計された ANN 対応のビデ
オ分析ソフトウェアと組み合わせることで、高度に自動制御ができ、パフォーマンスが高く、費用対効果の高いエッジビ
デオ分析プラットフォームを提供できます。HPE Aruba ワイアレス接続は、このシステムを数十台から数千のカメラに
簡単に拡張できます。また、ClearPass や Niara といった業界をリードする HPE の IoT セキュリティ ソフトウェアを使
用することで、潜在的に存在する不正エッジデバイスや脅威から運営組織を保護することができます。
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HPEコンバージドエッジシステム — 新しい製品カテゴリ
ヒューレット・パッカード エンタープライズが開発した新しい産業製品カテゴリである HPE コンバージドエッジシステ
ムは、リアルタイムのデータ収集、制御、エンタープライズクラスの分析機能を統合し、遠隔操作できるように専用設計
されています。HPE Edgeline は、このカテゴリにおいて業界初の製品です。コンパクトで、エネルギー効率、耐久性に
優れたプラットフォームで、幅広いネットワーク接続とデータ収集機能または制御オプションを提供し、ほぼすべてのエ
ッジビデオ処理環境に対応します。シャーシタイプ、サーバー数、NVIDIA GPU 数、CPU コア数、メモリ、ストレージ
はすべて、ビデオフィードの正確な数と品質、および求められている分析の精度に合わせて調整できます。
HPE Edgelineコンバージドエッジシステム HPE Edgeline EL1000 コンバージドエッジシステムは、NVIDIA GPU カード ×2、サーバーカートリッジ ×1、最大 16 個
のインテル®Xeon®コアを搭載した強力な HPE m510、128 GB RAM、最大 2 TB の非常に高速な NVMe SSD とデュアルポ
ート 10GbE NIC で構成されています。FHHL(フルハイト/ハーフレングス)PCIe カード(このテストでは NVIDIA
Tesla P4)を 2 枚、SFF SATA ドライブを 2 台搭載でき、Wi-Fi、LTE などのさまざまなワイヤレス接続オプションに対
応しています。0°C (32°F) 〜55°C (131°F) の過酷な温度環境でも動作する耐久性があります。4
図 5. HPE Edgeline EL1000 コンバージドエッジシステム
4 動作可能な温度領域を拡張するには、サポートオプションが必要になります。詳細は製品マニュアルを参照してください:hpe.com/info/edgeline
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HPE Edgeline EL4000 コンバージドエッジシステムは、1U のフォームファクターに、複数の NVIDIA GPU カードと最
大 4 台のサーバーカートリッジを搭載できます。サーバーカートリッジには HPE m510 サーバーが選択でき、この場合、
最大でインテル Xeon コア ×64、512 GB メモリ、SSD 8 TB、10GbE ポート ×8 をサポートします。NVIDIA Tesla P4 カ
ードと各サーバーカートリッジを接続することで驚異的な処理能力を発揮し、エッジにおいて最も困難とされるビデオ分
析アルゴリズムをスピーディに実行することが可能になります。5二重の冗長電源、耐久性(最大規格は HPE パートナー
を介した MIL-STD まで)、NEBS レベル 3 といった業界基準に準拠しており、製品を非常に信頼性のあるものにしてい
ます。これは通信事業者やその他のミッションクリティカルな事業者が使用するサーバー機器と同等の基準です。HPE
EL1000 と EL4000 はいずれも、ラック、壁面、デスク、さらにはお客様の機器に至るまで、あらゆる環境に適合する
マウントオプションをサポートしています。
図 6. HPE Edgeline EL4000 コンバージドエッジシステム
NVIDIA GPUとインテリジェントビデオ分析
NVIDIA Tesla GPU とインテリジェントビデオ分析(IVA)は革新的な NVIDIA Pascal™アーキテクチャーを採用していま
す。NVIDIA Tesla P4 は、AI を活用したレスポンシブなスマートサービスを実現する GPU(グラフィックス プロセッシ
ング ユニット)で、ディープラーニングのワークロードを実行するスケールアウトサーバーに対応するべく、コンピュ
ート効率を引き上げるために専用設計されました。6, 7あらゆるハイパースケール インフラストラクチャで推論のレイテ
ンシを 15 倍削減し、CPU の 60 倍という優れた省エネ効率を実現します。図 8 を参考にしてください。これにより、以
前はレイテンシが問題で不可能だった AI サービスが、提供できるようになります。
従来のマシンラーニングでは、画像にラベル付けしたり、音声認識を行う場合、まず人が特徴を抽出し、モダリティ固有
のマシンラーニング アルゴリズムを使用する必要がありました。しかし、この方法は、時間と精度の両方においていく
つもの欠陥があります。最新の高度なディープニューラルネットワークで、はこの動態を変えるために、アルゴリズムと
大量の映像やストリーミングデータを用います。そしてその処理には、GPU の高度なコンピュート能力が欠かせません。
5 このテストでは、NVIDIA Tesla P4 カードを 1 枚のみ適用しています。今後は、最大 4 枚の NVIDIA Tesla P4 カードに対応する HPE Edgeline
EL4000 システムのアップデートが予定されています。 6 images.nvidia.com/content/pdf/tesla/184457-Tesla-P4-Datasheet-NV-Final-Letter-Web.pdf 7 developer.nvidia.com/deep-learning
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マシンは今や、高速、正確、さらに大規模に学習することが可能になり、人が介在しない真の AI と AI コンピューティン
グを後押ししています。8, 9
図 7. ディープラーニングは、膨大な量のデータから学習し、優れた精度と速さで推論を導き出します。
ANN を備えた HPE Edgeline システムは、驚異的なスピードで、複数のカメラの映像を見たり、聞いたり、理解するこ
とができます。都市のあちこちに散らばった場所から大量の映像データを集め、小さなピクセル情報から有益なインサイ
トへと変換します。こうして確立した AI シティは、事故、ペットや子供たちが迷子になった時、または誰かに問題が生
じた場合に、認識して自動的に対応することができます。AI シティは多くの目を持ち、人間の生活を安全かつ幸せに保
ち、地域環境がスムーズに機能するように制御するなど、思考するロボットとして機能するようになります。
NVIDIA Tesla P4 アクセラレータは、エッジでこれらすべてに動力を与え、次のような機能と利点をもたらします。
1. リアルタイムの推論とレスポンシブな対応
2. 専用デコードエンジンを使用する、新しい AI ベースのビデオサービスの活用
3. 低電力スケールアウトサーバーで業界無二の効率性
4. TensorRT および DeepStream SDK による迅速な展開
5. INT8 の性能によるパフォーマンスの向上
8 blogs.nvidia.com/blog/2016/01/12/accelerating-ai-artificial-intelligence-gpus 9 nvidia.com/object/ai-computing.html
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AlexNet、バッチサイズ= 128、CPU:Intel MKL 2017 を使った Intel E5-2690v4、FPGA はノードの Arria10-115 1x M4/P4 で、P4 ボードの電源は
56W、P4 GPU の電源は 36W、M4 ボードの電源は 57W、M4 GPU の電源は 39W、GPU 電源を使用した Perf/W チャート
図 8. NVIDIA Tesla P4 は、HPE コンバージドエッジシステムのリアルタイム推論とスマートなユーザー体験を提供
XJERA LABS XJERA LABS は、さまざまな商業用アプリケーション向けに、革新的な映像および画像コンテンツ分析を提供する人工
知能(AI)ソリューションに注力しています。同社は、モバイルプラットフォームの行動検出やディープラーニングの研
究など、いくつかの賞と助成金を受賞しています。XJERA は、NVIDIA のソリューションとプラットフォームを活用して、
一般向けに市販されている製品にはない性能と精度を備えた監視用ビデオ分析ソリューションを提供します。
ビデオ分析の大きな技術面での課題の 1 つは、人をカウントすることです。これは、アルゴリズムで以下のような複数の
シナリオを管理する必要があるためです。
• 頭部姿勢、装飾、オクルージョン(別の物体との重なり)、髪型など、さまざまな人間や群衆の特徴
• 影や照明の方向、大きさの変化、視点などの環境的な条件
• カメラの取り付け位置とアングルの違いによるオクルージョンの特徴
XJERA LABS は、人を素早く検出して照準ロックし、高密度の環境で 1 本の線を横切る人の数を数えたり、指向角で設置
されたカメラから顔の認識を行うことができる、ディープラーニングが組み込まれたアルゴリズムを開発しました。シン
ガポールのテーマパークなど実際の生活環境での導入で、多様な場面で 88%の精度、そしてパラメーター再設定後には
95%の精度を記録しました。表 1 を参照してください。
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図 9. XJERA VCA による人のカウント(エリアカウントとラインカウント)
XJERA LABS は NVIDIA Tesla P4 のアクセラレーション機能を使用し、約 90%の驚くべき精度で 70 ミリ秒以内にライ
ブビデオ映像から様々な種類の属性を自動的に抽出しました。
人の属性
• 男性か女性か
• 長髪か短髪か
• 眼鏡を掛けているか
• 帽子をかぶっているか
• T シャツを着ているか
• 長袖か半袖か
• ジーンズを履いているか
• 短いズボンを履いているか
• 短いズボンか長いズボンか
• 服に柄があるか無地か
• 争い(行動)
車の属性
• 車の型式
• 車の色
• 車の速度
アーキテクチャーダイアグラム
ビデオ分析アルゴリズムのトレーニングは、極めてコンピュート使用が高く、学習のために大量のサンプルまたは履歴ビ
デオデータを読む込む必要があります。一般的には、複数の NVIDIA Tesla P100 アクセラレータを備えた HPE Apollo
6500 のような高密度で強力なシステムが、このタスクに使用されます。そして、トレーニング済み(学習済み)のモデ
ルをエッジの分析システムにアップロードし、リアルタイムビデオデータの解析に使用します。エッジの分析システムに
は、NVIDIA Tesla P4 アクセラレータを備えた HPE Edgeline EL4000 などが最適です。次に、エッジ全体から、着目し
た映像のセグメントだけ抽出するか、抽出された属性(例えば、顔だち、衣類、車種、ナンバープレート、火)のみを選
択的にアップロードするかを選ぶことができます。さらに、機器の電源を切る、交通信号を赤に変える、警報を鳴らすと
いった即時の(そして通常即時対応が必要となる)制御行動をとるために、この分析結果が役立つ場合があります。
この映像のエッジ処理は、対応時間を短くする点と、着目した映像または属性のみをアップリンクする点で優れており、
通信帯域幅の削減とデータリスクを抑制します。ですので、潜在的な問題の検出に何百ものビデオ映像を確認する必要は
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なく、容易に問題検出できるため、担当者の効率的な対応が可能になります。加えて、価値のある情報のほとんどがカメ
ラ映像からすでに抽出されているため、バックエンドでアーカイブする必要のあるビデオデータが少なくなり(通常はイ
ベントの前後のみ)、このことからデータセンターの大容量ストレージアレイの必要性が大きく軽減されます。
図 10. HPE と NVIDIA のエンドツーエンド インテリジェントビデオ分析(IVA)アーキテクチャー
この図は、エンドツーエンド インテリジェントビデオ分析の全体設計図を示したものですが、このホワイトペーパーで
は、NVIDIA Tesla P4 カード搭載の HPE Edgeline EL4000 の性能評価に主眼が置かれ図示されています。この目的で使
用される XJERA LABS 分析ソフトウェアは、実行するビデオ分析アルゴリズム向けにあらかじめトレーニング済みかつ
最適化されています。また、繰り返し安定したベンチマークが測定できるように、あらかじめ録画されたビデオストリー
ムを分析します。
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ビデオ分析の目標性能とシステム設定
目標性能のテスト
一貫性のある成果と再現性を求め、あらかじめ録画されたビデオストリームで分析が行われる自己完結型システムを使用
して、ビデオ分析性能テストを実施しました。目指すべきは、2 つの異なる条件下で(CPU 単体と GPU+CPU)ビデオ
分析ソフトウェアの精度と速度を測定し、NVIDIA Tesla P4 の処理能力(速度の違い)を認識することです。
ハードウェア構成
試験システムのハードウェア構成は以下の通りです。
1. HPE Edgeline EL4000 コンバージドエッジシステム(10GbE)×1
2. 800 W 電源 ×2
3. NVIDIA Tesla P4 カード ×1
4. HPE m510 サーバーカートリッジ ×1
a. インテル Xeon D-1548 / 2.0GHz(ターボ:2.3-2.6GHz)/ 8 コア/ 12MB / 45W
b. 128GB(4 x 32 GB)DDR4 RAM
c. 64 GB M.2 2242 SATA SSD ×1
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ソフトウェア構成
設定されたソフトウェアは次の通りです。
1. Ubuntu 14.04
2. XJERA XIntelligence 0.36
3. NVIDIA SDK (CUDA 8.0、cuDNN 5.1)
4. TensorRT 2.0
入力ビデオ
テストに使用される入力ビデオストリームは次の通りです。
1. 状況:テーマパークの混みあった場所
2. 解像度:720p
3. 1 秒当たりの枠(FPS):15
4. コーデック:H.264(AVC)
図 11. テストに使われた入力ビデオのサンプルフレーム
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ビデオ分析性能
XJERA のビデオ分析アルゴリズムは、人間の検出、侵入、および線を交差するのに 95%以上の精度を、属性検出に 85%
以上の精度となっています。表 1 を参照してください。
精度のために固定されたターゲットを想定すると、検出、侵入、線上の交差など、基本的なビデオ分析は、CPU でのみ
機能する同じアルゴリズムと比較して、GPU アクセラレーション解析は 31 倍の高い性能を示します。このギャップは、
属性検出などの複雑なビデオ分析が同じビデオストリームで行われた場合に、さらに 111 倍にまで拡大します。表 1 を参
照してください。
図 12. CPU のみと CPU+GPU を対比した、多様なビデオ分析アルゴリズムの性能
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表 1. CPU のみと CPU+GPU を対比した、多様なビデオ分析アルゴリズムの性能
ビデオ分析の種類 検出された属性
(存在する場合)
精度 性能(フレーム/秒)—
CPU のみ
性能(フレーム/秒)—
CPU + GPU
CPU + GPU 対 CPU
のみ
検出のみ 97% 4.8 149.3 1 秒あたり 31 倍の
フレーム数
検出+属性 男性 92% 0.9 100.0 1 秒あたり 111 倍以上の
フレーム
長い髪 93%
眼鏡 85%
帽子 96%
T シャツ 84%
長袖 86%
ショーツ 98%
ジーンズ 92%
ロングパンツ 92%
柄 88%
争い/喧嘩 94%
侵入 97% 4.8 149.3 1 秒あたり 31 倍の
フレーム数
線を交差する 96% 4.8 149.3 1 秒あたり 31 倍の
フレーム数
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システムサイジング
このテスト結果から、HPE Edgeline システムで分析できるビデオ画像の推定数は次のとおりです。
実環境で起こるサイジングは、ビデオ画像の品質(解像度、1 秒あたりのフレーム数、コーデックタイプ)、映像の中の
事象の複雑さ、実行されるビデオ分析のタイプなどによって差異があることに留意してください。
表 2. CPU+GPU ビデオ分析を使って HPE Edgeline システムごとに処理できるビデオ画像の推定数
システムモデル システムごとのサーバー システムごとの GPU ビデオ分析の種類 1 システムあたりの推定ビデオ画像数
(720P @ 15FPS)
HPE Edgeline EL1000
HPE m510 ×1 NVIDIA Tesla P4 ×1 検出 9
検出+属性 6
侵入 9
線を交差する 9
HPE Edgeline EL400010
HPE m510 ×1 NVIDIA Tesla P4 ×1 検出 9
検出+属性 6
侵入 9
線を交差する 9
HPE m510 ×2 NVIDIA Tesla P4 ×2 検出 18
検出+属性 12
侵入 18
線を交差する 18
HPE m510 ×3 NVIDIA Tesla P4 ×3 検出 27
検出+属性 18
侵入 27
線を交差する 27
HPE m510 ×4 NVIDIA Tesla P4 ×4 検出 36
検出+属性 24
侵入 36
線を交差する 36
10 このテストでは、NVIDIA Tesla P4 カードを 1 枚のみ使用しています。今後は、最大 4 枚の NVIDIA Tesla P4 カードに対応する HPE Edgeline
EL4000 システムのアップデートが予定されています。
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まとめ
エッジでのインテリジェントビデオ分析によって処理時間が短くなるだけでなく、前処理と選択的転送によってストレー
ジとネットワークのコストを大きく減らすことができます。大事なのは、ハードウェアとソフトウェアの正しい組み合わ
せを選ぶことで、それはプラットフォームについても言えます。
1. 結果の精度に高い信頼性をもたらします
2. 費用対効果の高い方法でカメラの画像を処理できます
3. 過酷なエッジ環境への配備に適しています
ターゲットにしている精度を考えると、CPU のみのビデオ分析を、CPU+GPU のパワフルかつ高速なビデオ分析機能に
匹敵させることは難しいことが、本書にて明確にご確認いただけます。実際には、人の属性の検出などの複雑なビデオ分
析アルゴリズムは、1 秒間に 1 つのビデオフレームを処理するためだけに、8 コア CPU 全体を必要とする可能性がありま
すから、1 台のカメラをサポートする役目も果たせません。
しかし、NVIDIA Tesla P4 GPU を利用した同じサーバーは、同じ 8 コア CPU を使用しながら、毎秒 100 フレームを簡単
に処理でき(約 6 台のカメラで@ 15fps)、はるかに実用的なエッジ分析ソリューションが実現します。またこの高性能
なソリューションで解放された CPU リソースでは、ビデオ分析結果をデータベースと相関させる、エッジの他のセンサ
ー(例えばバッジ読取り装置)からデータを収集する、設備(例えば、信号、警報)を制御するなど、他のタスクの実行
が可能になります。
HPE Edgeline コンバージドエッジシステムは、エンタープライズグレードのコンピュート機能(インテル Xeon プロセ
ッサー CPU および Intel または NVIDIA GPU)、高性能ストレージ(最大で NVMe ドライブ)、高速ネットワーキング
(最大で 10GbE)、データ収集/制御テクノロジー、業界をリードする管理性(HPE iLO)を、エッジサイトに配置する
のに適したコンパクトで耐久性のあるフォームファクターに統合した製品です。HPE Edgeline EL1000 は、同時に 6〜9
件のビデオ画像を分析できる単一サーバーシステムですが、筐体は非常にコンパクトで、車両内や分電箱内に余裕をもっ
て格納することができます。また、無線ネットワークが弱い現場に携帯して利用できる強力なワイヤレス機能(Wi-Fi お
よび 4G LTE)を備えています。HPE Edgeline EL4000 はラックに取り付けるか、壁面に据え付けることができるスリ
ムな 1U システムです。シャーシに 1〜4 台までのサーバーを搭載可能で、同時に最大 36 件のビデオ画像を容易に分析す
ることができます。複数の道路の交差点、建物のロビー、安全を確認すべき場所といったより広範囲な面積の監視に最適
な製品です。
結論として、HPE Edgeline コンバージドエッジシステム、NVIDIA Tesla、XJERA などのディープラーニング機能搭載の
ISV のエコシステムが理想的な組み合わせになります。最先端のビデオ分析ソリューションに最適なプラットフォームが、
スマートな監視環境を提供し、未来の AI シティを築きます。
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© Copyright 2017 Hewlett Packard Enterprise Development LP. 本書の内容は、将来予告なく
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たな保証を追加するものではありません。本書の内容につきましては万全を期しておりますが、
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い。
インテル Xeon およびインテルは、米国およびその他の国における Intel Corporation の商標で
す。NVIDIA は、米国およびその他の国における NVIDIA Corporation の商標および/または登録
商標です。その他すべての第三者の商標は、それぞれの所有者に帰属します。
a00004240JPN、2017 年 3 月
注記
コンピューターソフトウェアの機密性について。所持、使用、または複製するにあたっては、ヒューレット・パッカード
エンタープライズから使用許諾を得る必要があります。米国政府の連邦調達規則である FAR 12.211 および 12.212 の規定
に従って、商用コンピューターソフトウェア、コンピューター ソフトウェアドキュメントおよび商用品目のテクニカル
データは、ベンダーが提供する標準使用許諾規定に基づいて米国政府に使用許諾が付与されます。
詳細情報 hpe.com/jp/edgeline nvidia.com xjeralabs.com