再生治療を応用した歯周治療の現状 - Nihon University再生治療を応用した歯周治療 95 2) GTR法の治療成績 GTR法の骨内欠損に対するランダム比較試験(RCT)
インスリン療法と最新の治療薬インスリン治療の目的...
Transcript of インスリン療法と最新の治療薬インスリン治療の目的...
インスリンとは何・・・・・・・・・・・・・・・?
インスリンの特徴
• インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、ブドウ糖を血液中より細胞に取り込んだり、エネルギーに変えて血糖を下げたりする働きをしています。1型糖尿病の患者さんや一部の2型糖尿病の患者さんでは、自分の膵臓から分泌されるインスリンが不足しているため、注射によってインスリンを補う必要があります。インスリン療法は、一時的に疲れた膵臓を休めてやり、元気を取り戻すためにも使用する場合があります。
細胞の表面にある特定の鍵穴(受容体)にイ
スリンが結合すると、その細胞は血液中のブ
ドウ糖を骨格筋で取り込み、エネルギーとして
利用したり、脂肪組織で中性脂肪や肝臓でグ
リコーゲンにして蓄える。
●細胞が糖を利用する際に作用
インスリン治療の目的
・インスリン分泌の代替 不足しているインスリンを外から補う。
・確実に血糖を下げる作用 血液中にインスリンが吸収されると、すい臓のインスリン分泌能力に関係なく、血糖は必ず下がる。
・食事療法、運動療法も不可欠
食事療法は食べ物の分量やバランスを適正に保って、血糖の乱れを少なくし、運動療法は体の細胞でのインスリンの効きをよくする。
インスリンの働き
インスリンの分泌と作用
①1日中一定量が出ている「基礎分泌」 健康な人の場合、インスリンの分泌には一定のパターンがある。 24時間ほぼ一定量に保たれている分泌があり、これを「基礎分 という。
②食後に勢いよく出る「追加分泌」 「基礎分泌」とは別に、食事をして血液中のブドウ糖の量が増え とタイミングよく大量に分泌される。これを「追加分泌」という。 ブドウ糖(グルコース)は最もインスリン分泌を刺激する物質。 「追加分泌」によりエネルギーとしてすぐ利用される以外のブド 糖は肝臓でグリコーゲンとして、あるいは脂肪細胞で中性脂肪と して蓄えられる。 そして、血液中のブドウ糖濃度が下がると、この「追加分泌」は 次第に低下する。
糖尿病とインスリン
Ⅰ型ではインスリン注射が不可欠 ・ランゲルハンス島β細胞の大部分が破壊され、自分でインスリンを作れなくなることが多い
Ⅱ型は様々な治療法を組み合わせて ・日本人の糖尿病患者の95%以上 ・もともとの遺伝的素質に、食べすぎや運動不足、肥満、加齢、精 神ストレスなどが加わって発症 ・食事療法や運動療法を基本に、病態に合わせて経口薬(飲み薬)やインスリン注射を組み合わせたりする。
すい臓の病気などでもインスリン注射が必要
Ⅱ型糖尿病でインスリン治療が必要となるのは、
・妊娠・授乳時の血糖正常化(食事療法でコントロール不良)
・高血糖性昏睡 ・重症感染症、外傷、外科手術(中等度以上) ・重篤な肝障害・腎障害 ・経口血糖降下剤無効例、副作用で使用できない例 ・著明な高血糖、ケトーシス、極端なやせ等高度のインスリン不足などの状況
インスリンが枯渇しているわけではないので、通常は各食前 速効型か、あるいは1日1-2回の混合型や中間型でコント ロールできる
「インスリン治療の絶対的適応と相対的適応の例」
※「糖尿病治療ガイド2002-2003」(日本糖尿病学会編)
インスリン治療の適応
インスリン製剤
各タイプ別の特徴
●作用発現時間、最大作用時間、持続時間がちがう…
「超速効型」「速効型」「中間型」「持効型」4つの型があり、さらに中間型に速効型を一定割合混ぜた「混合型」がある。
・「中間型」「持効型」…基礎分泌に似た作用を狙ったもの。
・「超速効型」「速効型」…食後の追加分泌に似た作用。
・「混合型」…両方の作用を兼ね備えたもの。
インスリン製剤の種類 ●超速効型
ヒューマログ ノボラピッド アピドラ注
●速効型
ヒューマリンR ノボリンR注
●中間型
ヒューマリンN ノボリンN
●混合型(速効型+中間型)
ヒィーマリン3/7 ノボリン30R
●混合型(超速効型+中間型)
ノボラピッド30 ヒューマログミックス25・50
インスリン製剤の種類
●持効型溶解型
ランタス トレシーバ
インスリン構造
最新のインスリン製剤:ライゾデグ
ライゾデグ®は新しい持効型インスリンアナログ トレシーバ®(インスリン デグルデク)と超速効型インスリンアナログ ノボラピッド®(インスリン アスパルト)との配合剤で、1日1~2回皮下注射します。1日1回投与のときは、主たる食事の直前に投与し、1日2回投与のときは、朝食直前と夕食直前に投与します。2つの有効成分を配合したインスリン製剤は世界初で、空腹時および食後血糖値の両方を改善します。
針なし注射器
• 針を使わずに気泡の圧力で試薬や遺伝子を体内に届けられる「針なし注射器」の開発に、芝浦工業大学機械工学科の山西陽子准教授が成功した。直接皮膚に押し当てるだけで、痛みを伴わずに試薬や遺伝子を目的の場所へ高精度に輸送できるという。
インスリン吸入
◎現在販売申請中
③MANKIND社: AFREZZA 2009年FDAに承認申請
作用は吸入してから12~14分
で最大になり、持続時間はおよそ
3時間と短い。 自己注射を恐れる患者は少なくなく、患者がインスリン療法をためらったために治療の開始が遅れた症例は多い。
経口インスリン製剤
・ インスリンはタンパク質のため、消化管で分解されてしまうた
め、経口摂取できない。
• 分解しないような入れ物に入れる‥‥
• 英Diabetology社
• インスリンを安全性がよく確認されている安定化剤と水溶性を向上させる製剤と混合したものを小腸で溶解するカプセルに封入したもの。
• 細胞膜透過ペプチド(CPP)によるインスリン消化管吸収促進における分解安定化作用。(神戸学院大学薬学部)