データ損失ゼロ Recovery Appliance X8 / X8MZero Data Loss Recovery Appliance X8 / X8M...

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Zero Data Loss Recovery Appliance X8 / X8M オラクルの最新データ保護ソリューション ビジネス・データを保護するために今日のストレージ・ソリューションを使用し て、ミッション・クリティカルなエンタープライズ・データベースのニーズを満 たすことは簡単ではありません。これらのソリューションでは、リストアのたび に最新一日分のビジネス・データを失う可能性があり、バックアップ中の本番 サーバーに大きな負荷をかけ、データベース・レベルのリカバリ能力を検証する 機能に欠け、増大し続けるデータベースのニーズに応じてスケーリングすること ができません。これらの課題のおもな原因は、データベースを特定の整合性とパ フォーマンスの要件のあるトランザクション・システムとして処理せず、基本的 に一連の分散ファイルとしてコピーするという処理方法を利用しているためで す。 オラクルの Zero Data Loss Recovery Appliance(Recovery Appliance)は、Oracle Database と緊密に統合して、これらの要件に真っ向から対処する革新的なデー タ保護ソリューションです。データ損失を排除し、本番サーバーへのデータ保護 のオーバーヘッドを激減させます。さらに、Recovery Appliance はデータの整合 性とリカバリ能力を継続的に検証し、数千ものデータベースを保護するためにス ケーリングし、ライフサイクル全体を通じてディスク・バックアップ、テープ・ バックアップ、リモート・レプリケーションにわたりバックアップを保護します。 今日のデータベース保護の問題 今日のデータベース保護ソリューションの根本的な原因は次のとおりです。 バックアップ方法とリカバリ方法が数十年来の夜間バックアップ・パラダイ ムに基づいており、一日分の貴重なデータをリストアごとに失う可能性があ 本番サーバーとネットワークにはバックアップの大きなオーバーヘッドが データベース全体のバックアップ処理中、データの変更の有無に関係なく、 かかっている データの増加が止まらないため、バックアップ期間がますます拡大 バックアップ・アプライアンスをスケーリングして、データセンターの数百 から数千のデータベースを保護できない ディスクからテープ、レプリケーションまで、完全なデータ保護ライフサイ クルを十分に可視化し制御することができない Zero Data Loss Recovery Appliance の紹介 Oracle Zero Data Loss Recovery Appliance(Recovery Appliance)は、特にデー タベースを保護するように設計された世界初のエンジニアド・システムです。 おもな機能 リアルタイムの REDO 転送 効率的なレプリケーション 自律的なテープのアーカイブ エンド・ツー・エンドのデータ検証 永久増分バックアップ戦略 省スペースの仮想全体バックアップ バックアップ操作のオフロード データベース・レベルの保護ポリシー データベース対応の領域管理 クラウド規模のアーキテクチャ 統合した管理と制御

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Zero Data Loss Recovery Appliance X8 / X8M オラクルの最新データ保護ソリューション

ビジネス・データを保護するために今日のストレージ・ソリューションを使用して、ミッション・クリティカルなエンタープライズ・データベースのニーズを満たすことは簡単ではありません。これらのソリューションでは、リストアのたびに最新一日分のビジネス・データを失う可能性があり、バックアップ中の本番サーバーに大きな負荷をかけ、データベース・レベルのリカバリ能力を検証する機能に欠け、増大し続けるデータベースのニーズに応じてスケーリングすることができません。これらの課題のおもな原因は、データベースを特定の整合性とパフォーマンスの要件のあるトランザクション・システムとして処理せず、基本的に一連の分散ファイルとしてコピーするという処理方法を利用しているためです。

オラクルの Zero Data Loss Recovery Appliance(Recovery Appliance)は、Oracle Database と緊密に統合して、これらの要件に真っ向から対処する革新的なデータ保護ソリューションです。データ損失を排除し、本番サーバーへのデータ保護のオーバーヘッドを激減させます。さらに、Recovery Appliance はデータの整合性とリカバリ能力を継続的に検証し、数千ものデータベースを保護するためにスケーリングし、ライフサイクル全体を通じてディスク・バックアップ、テープ・バックアップ、リモート・レプリケーションにわたりバックアップを保護します。

今日のデータベース保護の問題

今日のデータベース保護ソリューションの根本的な原因は次のとおりです。

• バックアップ方法とリカバリ方法が数十年来の夜間バックアップ・パラダイ

ムに基づいており、一日分の貴重なデータをリストアごとに失う可能性があ

• 本番サーバーとネットワークにはバックアップの大きなオーバーヘッドが

データベース全体のバックアップ処理中、データの変更の有無に関係なく、

かかっている

• データの増加が止まらないため、バックアップ期間がますます拡大

• バックアップ・アプライアンスをスケーリングして、データセンターの数百

から数千のデータベースを保護できない

• ディスクからテープ、レプリケーションまで、完全なデータ保護ライフサイ

クルを十分に可視化し制御することができない

Zero Data Loss Recovery Appliance の紹介

Oracle Zero Data Loss Recovery Appliance(Recovery Appliance)は、特にデー

タベースを保護するように設計された世界初のエンジニアド・システムです。

おもな機能

• リアルタイムの REDO 転送

• 効率的なレプリケーション

• 自律的なテープのアーカイブ

• エンド・ツー・エンドのデータ検証

• 永久増分バックアップ戦略

• 省スペースの仮想全体バックアップ

• バックアップ操作のオフロード

• データベース・レベルの保護ポリシー

• データベース対応の領域管理

• クラウド規模のアーキテクチャ

• 統合した管理と制御

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Recovery Appliance は重要なデータベースを継続的に保護しながら、すべての

バックアップ処理においてオフロードを実現し本番サーバーにおけるオーバー

ヘッドを最小限に抑えます。

Zero Data Loss Recovery Appliance は、ベース・ラック構成で開始して小規模

Oracle 環境に対応でき、そこからスケールアウトして、データセンターの数百

から数千のデータベースのデータ保護要件をサポートできます。

図1:Zero Data Loss Recovery Appliance:アーキテクチャ概要

オラクルの Zero Data Loss Recovery Appliance は Oracle Database 内の新しい

Recovery Appliance 固有の機能および Recovery Manager(RMAN)バックアッ

プ・ツールと緊密に統合して、他のデータ保護ソリューションでは提供できな

いデータ保護機能とパフォーマンスを実現します。

データ損失の排除

Recovery Appliance のおもな設計目標は、他のデータ保護ソリューションを

使っていたら失う可能性のある重要なデータベース・データの損失をなくすこ

とです。

リアルタイムの REDO 転送

REDO ログは、Oracle データベース内でトランザクションの変更を実装する基

本的な手段です。Oracle Database 11g Release 2 以上のデータベースはすべて、

インメモリ・ログ・バッファから REDO を継続的に Recovery Appliance に直送

できます。これにより、独自のリアルタイムのデータ保護が実現して、データ

ベースを最後の 1 秒未満まで保護できます。REDO はデータベース共有メモリ

から送信されるため、本番システムへのオーバーヘッドが極めて低くなります。

リアルタイムの REDO 転送はオラクルの Data Guard テクノロジーに初めて実

装され、世界中の数千ものミッション・クリティカルなデータベースで導入さ

れています。Recovery Appliance はこのテクノロジーをシンプルにコスト効率

よくデータベースの最上層にまで拡張します。Recovery Appliance は、Data

Guard の高速フェイルオーバーと問合せオフロード機能を必ずしも必要としな

いデータベースに対し、今日の Data Guard と同様のレベルのデータ保護を実

現します。

おもな利点

• データ損失の排除

• 最小限の影響しか及ぼさないバックアップ

• データベース・レベルのリカバリ能力

• クラウド規模のデータ保護

管理機能

• Oracle Integrated Lights Out Manager(Oracle ILOM)

• Oracle Enterprise Manger Recovery Appliance Plug-in

• ディスクの自動的なスクラブと修復

• Recovery Appliance の RACLI コマンドライン管理

• SNMP(RFC1157、3416、3410、3414)

Recovery Appliance のおもな設計目標は、既存のデータ保護ソリューションを使っていたら失う可能性のある重要なデータベース・データの損失をなくすことです。

KEB Hana Card

「当社はデータ・ドメインをオラクルのZero Data Loss Recovery Appliance に換えて、リアルタイムの増分バックアップを実現し、毎月のクレジット・カードの取引でデータを失うことなく、8 億 5 千万米ドル以上を回収しています。また、バックアップ・サイズが平均 30 倍減少し、バックアップ容量が 65 %増えました。」

KEB Hana Card Co., Ltd.、ITチーム、シニア・マネージャー、Iljoon Lee

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効率的なレプリケーション

ローカル Recovery Appliance 上のバックアップは、サイトの停止や地域の災害

からの保護対策として、リモート Recovery Appliance に簡単に素早く複製でき

ます。レプリケーション・トポロジは、データセンターの要件に合わせてカス

タマイズできます。たとえば、レプリケーションをシンプルな 1 方向のトポロ

ジに設定したり、2 台の Recovery Appliance を相互複製に対応できるように設

定したり、中央の Recovery Appliance への複製が可能になるように複数のサテ

ライト Recovery Appliance を設定したりすることができます。すべてのトポロ

ジで、変更されたブロックだけが複製されるので、WAN ネットワークの使用を

最小限に抑えられます。

ローカル Recovery Appliance を使用できない場合、データをローカルでステー

ジングしなくても、リストア操作をリモート Recovery Appliance から直接実行

できます。

自律的なテープのアーカイブ

テープは、長期データ保存とアーカイブ用の非常に低コストなソリューション

です。また、ハッカーや従業員による意図的な攻撃、本番ソフトウェア/ハード

ウェアの異常、うっかりしたデータ削除から低コストで常に保護してくれます。

ただし、全体バックアップをテープに定期的に複製する要件は、本番システム

に大きなオーバーヘッドを課します。

Recovery Appliance は、テープへの全体バックアップと増分バックアップの複

製を自動化およびオフロードし、本番データベース・システムへのテープ・バッ

クアップの影響を完全になくします。32 Gb ファイバ・チャネル・アダプタを

Recovery Appliance にオプションで追加し、本体に付属の統合 Oracle Secure

Backup メディア管理ソフトウェアを使って、Recovery Appliance からテープ・

ライブラリにデータを直接送信することができます。

テープ・アーカイブのオフロードは、他のバックアップ・ソリューションに比

べて Recovery Appliance の大きな差別化要因となっています。企業は既存の

テープ・ライブラリを使い続けながら、本番システムへのテープ・バックアッ

プのオーバーヘッドを排除できます。高価なメディア・マネージャのデータベー

ス・バックアップ・エージェントを本番サーバーに置く必要はもうありません。

すべてのテープ・アクティビティが Recovery Appliance にオフロードされるた

め、テープ・ドライブは本番システムを低下させることなく終日実行できるよ

うになり、テープ・ドライブの使用率が改善し、コストが低減します。

オラクルの StorageTek テープなど、Oracle Secure Backup 対応のテープ・ハー

ドウェア製品はすべて Recovery Appliance でサポートされます。あるいは、他

社製テープ・バックアップ・エージェントを Recovery Appliance にデプロイし

て、既存のテープ・バックアップ・ソフトウェア、メディア・サーバー、プロ

セスに統合することもできます。

確実なリカバリ:エンド・ツー・エンドのデータ検証

Recovery Appliance は Oracle データベース・ブロックの内部形式を認識し、深

いレベルのデータ検証を実現します。バックアップ・データと REDO ブロック

はすべて、Recovery Appliance で受信されとき、テープにコピーされたとき、

Recovery Appliance を使用すると、企業はテープへの投資を保護し、現在のテープベースのデータ保存戦略を継続することができます。

すべてのバックアップ・データと REDO ブロックが各ステージで自動的に検証されます。

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複製されたときに自動的に検証されます。また、バックアップ・ブロックは定

期的にディスク上で検証されます。そのため、リカバリ操作によって常に有効

なデータがリストアされます。これは、Recovery Appliance の深いデータベー

ス統合がないと実現しないもう 1 つの独自の差別化要因です。検証中に破損が

検出されると、Recovery Appliance を支えるストレージ・ソフトウェアによっ

て、ミラー・コピーから正常なブロックが自動的に読み取られて、破損したブ

ロックが即座に修復されます。

さらに、Recovery Appliance ストレージ・ソフトウェアは、基盤のハード・ディ

スクを定期的に検査します。不良セクターが検出されると、ミラー・コピーか

ら即座に修復されます。

最小限の影響しか及ぼさないバックアップ

24 時間 365 日体制の要件があっても、多くの企業は依然として数時間のバッ

クアップ処理期間を設ける必要があり、その間本番ジョブが影響を受けます。

バックアップ処理期間はビジネスのメリットに直結せず、ピーク時間以外の処

理時間をめぐってビジネスに不可欠なレポーティングおよびバッチ・ワーク

ロードと時間を争奪し合う事態を招いています。グローバル経済が成長する中、

バックアップ処理期間は縮小し続けていますが、データ量は増大しています。

現在のディスクベースのデータ保護ソリューションの影響

現在のディスクベースのデータ保護ソリューションは、本番システムに大きな

負荷を課しています。データベースが拡大し続ける中、この影響はこれからも

大きくなります。おもな課題のいくつかを以下に挙げます。

• 重複排除アプライアンスは定期的に全体バックアップを取得する必要が

あります。全体バックアップではデータベース全体が読み取られるため、

本番ストレージ、サーバー、ネットワークに大きな影響が及ぶ上に、不必

要に長時間のバックアップ処理期間を設ける必要があります。

• ソース側の重複排除を使ってネットワーク要件を軽減する場合、本番サー

バーに高い CPU とメモリの負荷がかかるという悪影響が生じます。

• リカバリ・フェーズの間、データベースを開く前に、増分バックアップを

リストア済みのデータファイルに適用する必要があります。このプロセス

では、数日間ぶんの増分の変更適用を要することがあり、適用操作は通常、

ネットワーク全体で実行されるため、リカバリに非常に長い時間を要すこ

とがあります。

永久増分バックアップ・アーキテクチャ

Recovery Appliance の 2 番目の設計目標は、本番データベース・システムでの

バックアップ関連の処理を可能な限り最小限に減らして、変更データだけを送

信することです。不要なバックアップ処理の排除により、本番システムはおも

な目標である、ビジネスに不可欠なワークロードの処理に集中できるようにな

ります。

Recovery Appliance を使用すると、本番サーバーは、本番ワークロードを処理する本来の仕事に専念でき、バックアップやリカバリのタスクに忙殺されることがなくなります。

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Recovery Appliance は永久増分バックアップ・アーキテクチャを実装して、本

番システムへの影響を最小限に抑えます。このアーキテクチャは、次の 2 つの

革新的なテクノロジーをベースにしています。それは、Delta Push と Delta Store

です。

図2:Zero Data Loss Recovery Appliance:Delta PushとDelta Store

Delta Push

Delta Push を使用すると、保護されたデータベースは、一意の変更が含まれた

増分バックアップだけを Recovery Appliance に送信します。全体バックアップ

を繰り返す必要はありません。Delta Push は"永久増分"としても知られていま

す。1 回の全体バックアップ後、増分バックアップだけが本番システムで実行

されるためです。Delta Push は実質的に、ソース側の重複排除を高度に最適化

したものです。

Recovery Manager のブロック・チェンジ・トラッキングにより、本番データ

ベース上の変更されたブロックが非常に効率的に識別されるため、変更されて

いないデータを読み取る必要がなくなります。

保護されたデータベースと Recovery Appliance 間の特別な統合により、コミッ

トされた UNDO 表領域、未使用の表領域、ドロップされた表領域のブロックが

バックアップ・ストリームから排除されて、オーバーヘッドと領域の消費が大

幅に減ります。

Delta Push は、全体バックアップではなく変更されたデータだけを送信するの

で、他のソリューションに比べてネットワーク・トラフィックが大幅に軽減さ

れます。これにより、低コストなイーサネットをバックアップに使用できます。

高価な専用のファイバ・チャネルまたは Fibre Channel over Ethernet バック

アップ・ネットワークは不要です。また、ネットワーク・トラフィックを最小

限に減らすことで、保護されたデータベースからさらに遠くに Recovery

Appliance を配置でき、場合によっては WAN 越しのリモート・データセンター

に配置できます。

Delta Store

Delta Store は Recovery Appliance ソフトウェア・エンジンの“ブレイン”です。

Delta Store は、変更された着信データ・ブロックを検証してから圧縮し、索引

を付けて保存します。変更されたこれらのブロックは、仮想フル・データベー

ス・バックアップの基盤となるものであり、仮想フル・データベース・バック

Enterprise Strategy Group

「 Recovery Appliance は Data Protection as a Service(DPaaS)を提供し、データベースのパフォーマンスを加速化し、非常に細かいレベルの粒度でリカバリすることを可能にします。」

ESG、上級アナリスト、Jason Buffington 氏、プラクティス・ディレクターおよび上級アナリスト、Mark Peters 氏、調査アナリスト、Monya Keane 氏

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アップは、増分バックアップのポイント・イン・タイムにおけるスペース効率

に優れた物理フルバックアップのポインタベースの表現です。仮想フルバック

アップは、データセットおよび保護されたデータベースの変更率に応じて 10 倍

以上ストレージを効率化できます。

たとえば、100 TB のデータベース、1 %の変更率、30 日のリカバリ期間ポリシー

の場合、従来どおりに全体バックアップを毎週、増分バックアップを毎日実行

する手法だと、次のような結果になります。

• 全体バックアップ:(100 TB×5 回のバックアップ)

• 増分バックアップ:(1 TB×30 回のバックアップ)

• 合計:530 TB1

これと比較して Recovery Appliance の場合は、次のような結果になります。

• 全体バックアップ:100 TB

• 増分バックアップ:(1 TB×29 回のバックアップ)

• 合計:129 TB

従来のバックアップよりもストレージ消費量をほぼ 5 倍節約できます。

Recovery Appliance のオンディスク圧縮を考慮すると、合計節約量は 10 倍以

上に達する可能性があります。

Delta Store アーキテクチャの劇的な領域効率により、大量の仮想フルバック

アップをオンラインに維持することができ、ディスクベースのリカバリ期間を

大きく広げることができます。

リストア操作が必要な場合、Delta Store はもっとも近い増分バックアップの時

間に基づいて、効率的に物理フルバックアップを再作成します。リストア操作

は、Recovery Appliance の基盤となるハードウェア・アーキテクチャの大規模

なスケーラビリティとパフォーマンスによって支えられています。

Recovery Appliance からリストアする場合、全体バックアップをリストアした

後、すべての関連増分バックアップをリストアおよび適用する従来の低速プロ

セスが排除されます。

ほとんどのバックアップ操作をオフロード

バックアップ関連の処理は実質的にすべて、Recovery Appliance にオフロード

されます。これには、時間のかかる圧縮、バックアップの削除、検証、保守操

作が含まれます。その結果、バックアップ処理期間外のときでも本番システム

のリソースが解放されて、本番システムのパフォーマンスが向上します。

Zero Data Loss Recovery Appliance はクラウド・レベルで大規模にスケーリングできます。

1 'R'日のポイント・イン・タイム・リカバリ期間ポリシーを維持する毎週の全体バックアップと毎日の増分バックアップ手法で、合計ʻR + 7ʼ日間のバックアップをストレー

ジに保持するには、さらに 7 日間のバックアップ(1 日の全体バックアップ + 6 日の増分バックアップ)が必要です。これはデータベース・リカバリ設計が原因です。このリカバリ設計では、R 日以上経過した全体バックアップを少なくとも 1 つ、リストア操作のために保持する必要があり、その後、増分バックアップとアーカイブ・ログ・

バックアップを使って、R 日のリカバリ期間の開始時点へとさかのぼってリカバリされます。

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つまり、リアルタイムの REDO 転送と Delta Push により、保護されたデータ

ベースは最小限のバックアップ関連作業を実行し、変更されたデータだけを

Recovery Appliance に送信します。テープ・バックアップなど他のすべてのバッ

クアップおよびリカバリ関連の処理は Recovery Appliance によって実行され

ます。これは、Recovery Appliance の主要なアーキテクチャ・イノベーション

の 1 つであり、今日のバックアップ・ソリューションをはるかに超越していま

す。

クラウド規模の Database Protection as a Service

Recovery Appliance の 3 つ目の設計目標は、クラウド規模のデータベース保護

サービスをデータセンターの数十から数千のデータベースに提供することです。

複数の Recovery Appliance のテクノロジーによりこの目標を実現します。

ポリシー・ベースのデータ保護管理

Recovery Appliance は保護ポリシーの概念を導入して、アプライアンスとテー

プ上でデータベースごとに達成するリカバリ目標を定義します。保護ポリシー

を使用することで、データベースはリカバリ・サービス層で容易にグループ化

することができます。Recovery Appliance には事前定義済みの“Platinum”、

“Gold”、“Silver”、“Bronze”のポリシーがあり、これらをカスタマイズしてさまざ

まなビジネス・サービス・レベル・アグリーメントをサポートできます。たと

えば、Gold ポリシーのデータベース・バックアップはローカル Recovery

Appliance 上で 35 日、テープ上で 90 日のリカバリ期間を目標とし、Silver ポ

リシーで管理されるバックアップはローカル Recovery Appliance 上で 10 日、

テープ上で 30 日のリカバリ期間を目標としています。階層化保護ポリシーは、

リモートでレプリケートされた Recovery Appliance にも個別に適用できます。

追加のデータベースを作成した場合、既存の保護ポリシーの 1 つに容易に追加

できます。たとえば、新しい Finance データベースを Gold 保護ポリシーに容

易に追加できます。追加後、ポリシーのリカバリ期間目標が自動的にこのデー

タベースのバックアップに適用されます。この自動ポリシー・ベースのフレー

ムワークにより、企業は社内全体で Database Protection as a Service を簡単に

実装できます。

データベースを認識した領域管理

Recovery Appliance は保護ポリシーをベースに使用しながら、各データベース

のリカバリ期間目標に応じてすべてのバックアップ・ストレージ領域をフルに

管理します。たとえば、Gold ポリシーのメンバーである“Finance Database”は

過去 35 日以内にリカバリできる一方で、Silver ポリシーのメンバーである

“Products Database”は過去 10 日以内にリカバリできます。Delta Store に空き

領域がある場合、リカバリ期間目標より古いバックアップが保持されて、実質

的にリカバリ期間が延長されます。領域にあまり余裕がない場合、Recovery

Appliance はバックアップを消去し、データベース間で領域を自動的に再プロ

ビジョニングして、保護されたそれぞれのデータベースのリカバリ期間目標を

満たします。また、すべてのデータベースのリカバリ期間目標を満たすために、

領域が少なくなる前に、領域の使用履歴を基にバックアップを先見的に消去す

ることもできます。データファイル、REDO ログ、制御ファイル間の依存関係

Recovery Appliance を使用すると、データ保護のレベルをアプリケーションのビジネスの重要度にはるかに的確に合わせることができ、物理的なビットとバイトのレベルに制限されることがありません。

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を認識した上で、領域はデータベース内でインテリジェントに消去されます。

このリカバリ期間指向の領域管理手法は、通常の汎用バックアップ・アプライ

アンスのように不明瞭なストレージボリューム・レベルで領域を管理しなけれ

ばならない必要性を排除します。この革新的な手法では、各アプリケーション

のビジネスの重要度に合わせてデータが保護され、手動による領域のリバラン

シングが排除されます。

大型のクラウド規模のアーキテクチャ

Recovery Appliance は Oracle Exadata アーキテクチャをベースにしているため、

その実証済みのスケーラビリティ、冗長性、パフォーマンスを継承しています。

社内の追加のデータベースは Recovery Appliance によって保護されるため、コ

ンピューティング・サーバーとストレージ・サーバーをアプライアンスに容易

に追加できます。その結果、ビジネスの成長をシームレスにサポートする、シ

ンプル、無停止のスケールアウト・データ保護クラウドが実現します。

Recovery Appliance の構成

ベース・ラックおよびフル・ラック構成

基本構成では、X8 の場合は高速 InfiniBand を、X8M の場合は 100 Gb/秒の

Remote Direct Memory Access(RDMA)over Converged Ethernet(RoCE)を

使って 2 台のコンピューティング・サーバーと 3 台のストレージ・サーバーが

内部接続されています。RoCE はクラウド規模の超高速ネットワーク・ファブ

リックの最新世代であり、あるコンピュータがオペレーティング・システムや

CPU を介さずに別のコンピュータのデータに直接アクセスできるため、高帯域

幅で待機時間の短いアクセスが可能になります。

X8 および X8M により、基本構成で使用可能な容量が増えるため、155 TB の使

用可能な容量で可用性の高い構成を実現し、バックアップに備えることができ

ます。ベース・ラックは、追加のストレージ・サーバーをラックに追加するこ

とで段階的にアップグレードでき、最大 18 台のストレージ・サーバーをフル・

ラックに収納できます。各ストレージ・サーバーにより、使用可能な容量が 53

TB 増えます。フル・ラックの使用可能な総容量は 949 TB で、仮想フルバックアップの有効容量は最大 9.5 ペタバイトになります。2

Recovery Appliance は、通常 10 日間のリカバリ期間にわたって、アプライア

ンスの使用可能な容量とほぼ同じ合計サイズのデータベースを保護できます。

たとえば、2 台のコンピューティング・サーバーと 949 TB の使用可能な容量を

持つ 18 台のストレージ・サーバーからなる単一フル・ラック構成では、約 949

TB のソース・データベースを 10 日間のリカバリ期間の間保護することができ、

その 10 日間で生成された 10 個の 949 TB の仮想フルバックアップおよび REDO

データを保存できます。Recovery Appliance の正確なサイジングは、初期デー

タベースのサイズと増加率、TEMP と UNDO で消費されるストレージ、空き領

域、データベースの変更率、REDO 生成率、目的のリカバリ期間、データベー

スの圧縮性など、保護されたデータベースに関わる複数の要因によります。

Zero Data Loss Recovery Appliance を使用すると、完全スケールアウト・ストレージとコンピューティング・サーバーで容量とスループットを拡張できます。

X8 および X8M により、Recovery Applianceの容量が増えるため、単一のフル・ラックで最大 9.5 ペタバイトの仮想全体バックアップを、18 台のフル・ラック最大構成で 170ペタバイト以上の仮想全体バックアップをサポートできるようになりました。

2 有効容量は、毎日の変更率 10 %に基づいて計算されます。

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完全スケールアウト・アーキテクチャ

X8 でフル・ラックを超える追加容量が必要な場合は、2 台目のベース・ラック

を高速 InfiniBand 経由で接続できます。X8M では、2 台目のラックは 100 Gb/

秒の RoCE 経由で接続されます。2 台目のラックにも、2 台のコンピューティン

グ・サーバーが収容されており、構成の接続性と処理能力を強化します。最初

のラックと同様に、ストレージ容量はストレージ・サーバーの段階的な追加に

よって容易に拡張できます。最大 18 台の完全構成ラックを単一アプライアン

スにまとめて接続して、17 PB の使用可能な容量、つまり、170 ペタバイトの仮想フルバックアップを実現できます。

Recovery Appliance スケールアウト・アーキテクチャのパワーと柔軟性は、追

加のデータベースをサポートする必要がある場合、またはビジネス・データが

増加する場合に役立ちます。ストレージ、コンピューティング、ネットワーク

の容量をバランスよく段階的に追加することで、高いパフォーマンスが維持さ

れます。通常、2 台のコントローラに制限されていて、ストレージ、ネットワー

ク、コンピューティングをボトルネックのないバランスの取れた方法でスケー

リングできない従来のバックアップ・アプライアンスよりも、このアーキテク

チャの方がはるかに優れています。

パフォーマンス特性

スループットが極めて高いコンピューティング、ネットワーク、ストレージの

組合せと Recovery Appliance の独自のデータベース統合により、データセン

ター全体のデータ保護のニーズを容易にサポートするパフォーマンス・レベル

が実現します。

2 台のコンピューティング・サーバーと 18 台のストレージ・サーバーからなる

単一のフル・ラック Recovery Appliance は、最大 240 TB/時の実効速度で実行

される仮想フルバックアップもサポートできます。

この速度は他の市販製品をはるかに上回ります。このような速度が可能なのは、

Recovery Appliance で読み取り、送信し、処理する必要があるのが変更された

データだけだからです。その結果、他の製品より作業量がはるかに減少します。

単一ラックの Recovery Appliance は、最大 24 TB/時の持続的な差分取得速度を

達成できます。つまり、24 TB/時で変更データを受信して、240 TB/時の仮想バッ

クアップに変換できます。最大 24 TB/時のリストア速度にも対応できます。

ラックを構成に追加すると、パフォーマンスと容量の両方が直線的に増強され

ます。18 ラックの Recovery Appliance は最大 4 ペタバイト/時の仮想フルバッ

クアップ、432 TB/時の差分取得およびリストアを達成します。

単一の Recovery Appliance フル・ラックは、最大 240 TB/時の実効速度で実行される仮想全体バックアップをサポートし、18 台のフル・ラック構成は 4 ペタバイト/時をサポートします。

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ソフトウェア構成

Recovery Appliance の実行に必要なソフトウェアはすべて 1 つのソフトウェ

ア・ライセンスとして付属しています。

• バックアップ、リカバリ、およびレプリケーション

• メタデータおよび Recovery Manager のリカバリ・カタログ用の組込み

Oracle データベース

• Recovery Appliance 用の Recovery Manager バックアップ・モジュール

• ストレージ・ソフトウェア

• Oracle Secure Backup のソフトウェア

• Oracle Enterprise Manager による監視および管理

通常の Oracle ライセンスと同様に、Recovery Appliance ライセンスは新しいア

プライアンスに完全に移転可能です。ライセンスの基準はストレージのテラバ

イト数ではなく、ストレージ・ディスク・ドライブであるため、ディスク・ド

ライブがはるかに大規模でプロセッサが高速な新しいアプライアンスでも既存

のライセンスを使用できます。

エンド・ツー・エンドのデータ保護管理

データ保護管理タスクは通常、データベース管理者、バックアップ管理者、ス

トレージ管理者などの IT の役割に合わせて細分化された複数の管理領域に分

散されています。したがって、Recovery Manager を使って開始されたバック

アップが中間レイヤーで問題を起こさずに、バックアップ先(テープなど)に

達したかどうかを DBA が判断することは、ほとんどの場合ほぼ不可能です。

Recovery Appliance は、完全に自動化された統合データ保護管理でこの問題を

解決します。

Oracle Enterprise Manager Cloud Control による統合管理

Recovery Appliance は、バックアップが Recovery Manager を使って開始され

たときから、ディスク、テープに保存されるかリモート・データセンターの他

の Recovery Appliance に複製されるまでのデータ保護ライフサイクルを、

Oracle Enterprise Manager Cloud Control を使ってエンド・ツー・エンドかつ包

括的に表示します。すべてのバックアップの保存場所が Recovery Appliance カ

タログによって追跡されるので、Recovery Manager のリストア操作とリカバ

リ操作によって、保存されている場所に関係なく最適なバックアップを取得で

きます。データ保護ライフサイクルへのこのレベルのエンド・ツー・エンドの

可視性を提供できるのは Recovery Appliance だけです。

IDC

「企業は、従来の手法を使用する場合に起こりがちな停止時間やデータ損失なしで、主要ビジネス・アプリケーションの重要なデータをリアルタイムで保護する必要があります。Zero Data Loss Recovery Appliance は、簡単なスケーリングによってデータベースを社内全体で保護し、厳格化するリカバリ・ポイント目標を満たす、シンプルでありながら強力なソリューションでこのニーズに対応します。」

IDC、ストレージ・プラクティス、 プログラム・バイス・プレジデント、 Laura Dubois

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ZERO DATA LOSS RECOVERY APPLIANCE 11

図3:Recovery Appliance:エンド・ツー・エンドのデータ保護管理

Recovery Appliance はデータの増加に基づく容量の要件に加えて、現在と将来

のスループットを効果的に管理し、高度なストレージの監視とレポート機能を

搭載しています。Recovery Appliance 管理下の各データベースに必要な領域の

量は、そのバックアップ領域の使用履歴とリカバリ期間目標を基に予測的に計

算されます。必要な領域は Enterprise Manager でデータベースごとに明確に表

示され、Recovery Appliance はすべてのデータベースに必要な総領域を、使用

可能なストレージ合計のパーセンテージとして集計して、データ増加の対応か

ら不確定要素を排除します。現在のデータの増加を基に、容量がいつ超過する

かを知りたい場合は、Recovery Appliance Capacity Report さえ見れば、スト

レージの使用率、7 日、31 日、365 日の平均および最大スループットに関する

サマリーと詳細、および CPU、メモリ、IOPS の詳細を確認できます。また、必

要な領域が使用可能な総領域の 15 %以内(またはユーザーによる構成が可能な

他のしきい値)である場合は、警告を生成できます。

Oracle Database のデータ保護に対応する統合管理の簡素性は、データベース

を Recovery Appliance 保護管理に効率的に追加できることからも明らかです。

• 新し い デ ータ ベ ー スを 追 加 する 場 合 、Recovery Appliance の管 理 者は

Enterprise Manager の"Add Protected Database"ウィザードを使って、データ

ベースを適切な保護ポリシーに関連付け、データベースの資格証明を確立し

ます。

• 次にデータベース管理者はデータベースの Enterprise Manager の Backup

Settings ページを使って、Recovery Appliance をバックアップ先に選択し、

オプションでリアルタイムの REDO 転送を有効にして継続的にデータを保護

します。

Oracle Cloud へのバックアップのアーカイブ

オラクルのクラウド・イニシアチブの一部として、オラクルが管理する低コス

トなストレージ層である Oracle Cloud Storage へのバックアップのアーカイブ

を Recovery Appliance でサポートすることで、オンプレミス・テープの枠を超

えてオプションを広げることを目指しています。新しいバックアップ先として

Oracle Cloud Storage Archive Service をサポートする上で、今日、テープ・アー

カ イ ブ で 使 用 さ れ る も の と 同 じ Recovery Appliance の プ ロ セ ス と 標 準

関連製品

• Oracle Database 11g、12c、18c、19c

• Oracle Secure Backup

• Oracle Enterprise Manager

関連サービス

• 以 下 の サ ー ビ ス で Zero Data Loss Recovery Appliance がサポートされます。

• Oracle Advanced Customer Services

• Oracle Premier Support for Systems

• Oracle Consulting Services

• Oracle Platinum Services

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ZERO DATA LOSS RECOVERY APPLIANCE 12

Recovery Manager バックアップ形式を想定しています。

Recovery Appliance によって Oracle データベース対応のバックアップ・ライフ

サイクルがエンド・ツー・エンドで管理されるので、将来、Oracle Cloud Storage

へのバックアップ・アーカイブのサポートが開始されると、アーカイブ・バッ

クアップからクラウド・データベースを直接、簡単にプロビジョニングするこ

とができ、お客様のクラウドへの工程が加速化します。

まとめ:Oracle Database 保護の再定義

既存のデータ保護ソリューションはデータベースを、特定のデータの整合性、

パフォーマンス、可用性の要件を持つトランザクション・システムとしてでは

なく、単にコピー対象の汎用ファイルとして扱っているので、重要なデータベー

スのニーズを満たすことができません。今日のソリューションでは、ビジネス・

データは失われ、エンドユーザーが影響を受け、デプロイメントと管理が複雑

で断片化します。

オラクルの Zero Data Loss Recovery Appliance は高度なデータ保護テクノロ

ジーを Oracle Database と緊密に統合して、これらの要件に真っ向から対処し

ます。Recovery Appliance は、次のことを実現する革新的な最新手法でデータ

ベース保護環境を再定義します。

• データ損 失の排 除:独自のデータベース統合により、REDO データを

Recovery Appliance に継続的に転送して、最新のトランザクションをリア

ルタイムで保護できるため、データを失うことなくデータベースをリスト

アできます。

• 災害からのデータ保護:Recovery Appliance はリモート Recovery Appliance

にリアルタイムでデータを複製し、定期的にバックアップをテープにアー

カイブすることで、ビジネス・データをサイト停止から保護できます。デー

タベース・ブロックが継続的に検証されるので、転送または処理のどのス

テージでもデータ破損が排除されます。

• 本番環境への影響の排除:Oracle Database に統合されたバックアップ・アル

ゴリズムは、変更されたデータだけを Recovery Appliance に送信して、本番

データベースへの影響、I/O トラフィック、ネットワーク負荷を最小限に抑え

ます。費用のかかるバックアップ処理はすべて、Recovery Appliance にオフ

ロードされます。非生産的なバックアップ期間によってビジネス継続性が妨

げられることはもうなくなります。

• テープ・アーカイブのオフロード:Recovery Appliance はバックアップを低

コストなテープ・ストレージに直接アーカイブできるので、本番データベー

ス・サーバーへの負荷が解消されます。アーカイブ操作は日中と夜間の両方

の時間帯で実行できるので、テープ・ドライブの使用率が向上します。

• どの時点にもリストア可能:アプライアンスに保存されたデータベースの変

更データを使って、希望するどの時点でも仮想データベース全体コピーを効

率的に作成できます。

• クラウド規模の保護を提供:単一の Recovery Appliance により、データセン

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ZERO DATA LOSS RECOVERY APPLIANCE 13

ターまたは地域の数千ものデータベースのデータ保護要件に対処できます。

停止時間を設けなくても、容量をペタバイト単位のストレージにシームレス

に拡張できます。企業はポリシー・ベースの手法を使って Database Protection

as a Service を実装できるようになりました。その結果、管理者はエンタープ

ライズ・データベース保護の状態をいつでもエンド・ツー・エンドで表示で

きます。

Recovery Applianceの構成

ベース・ラック

コンピューティング・サーバー x 2。各コンピューティング・サーバーは次の接続を介して、

保護されたデータベース、レプリケーション、またはテープ・バックアップに使用すること

が可能:

• 1 Gb イーサネット銅ポート x 1(管理)

• 10 Gb Base-T イーサネットカッパーポート x 2 または 10/25 Gb オプティカル

SFP+/28 LOM イーサネット・ポート x 2

• Sun Dual 10/25 Gb イーサネット SFP+/28 PCIe 2.0 Low Profile Adapter、インテル

82599 10/25 Gb イーサネット・コントローラの組込みおよびプラガブル SFP+トラン

シーバのサポート用 ROHS-5。

» 10/25 Gb 光イーサネット・ポート x 2

• Sun Storage Dual 32 Gb ファイバ・チャネル PCIe Universal HBA、QLogic(テープ接

続用オプション)

» 32 Gb ファイバ・チャネル・ポート x 2

• 10 Gb ポート x 2 または 25 Gb ポート x 2(最大)、インジェスト・ネットワーク用

• 10 Gb ポート x 2 または 25 Gb ポート x 2(最大)、レプリケーション・ネットワーク用

各コンピューティング・サーバーにはさらに以下が含まれます。

• 24 コア、インテル Xeon 8260 プロセッサ(2.4 GHz) x 2

• 384 GB メモリ

• (X8 のみ):QDR(40 Gb/秒)2 ポート x 2

• (X8M のみ)100 Gb/秒 QSFP28 RoCE ファブリック・ポート x 2

• Oracle Integrated Lights Out Manager(Oracle ILOM)

• ホットスワップ対応の冗長電源 x 2

• ホットスワップ対応の冗長ファン

• 1 GB SuperCap バックアップ式ライト・キャッシュを備えたディスク・コントローラ HBA

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それぞれ以下のディスクを搭載したストレージ・サーバー x 3:

• 14 TB(RAW)7200 RPM ディスク x 12

各ストレージ・サーバーにはさらに以下が搭載されています。

• 16 コア、インテル Xeon 5218 プロセッサ(2.3 GHz) x 2

• 192 GB メモリ

• PCI フラッシュ・カード x 2

• Oracle Integrated Lights Out Manager(Oracle ILOM)

• ホットスワップ対応の冗長電源 x 2

• (X8 のみ)QDR(40 Gb/秒)InfiniBand ポート x 2

• (X8M のみ)100 Gb/秒 QSFP28 RoCE ファブリック・ポート x 2

• ホットスワップ対応の冗長ファン

• 1 GB SuperCap バックアップ式ライト・キャッシュを備えたディスク・コントローラ HBA

(X8 のみ)36 ポートの QDR(40 Gb/秒)InfiniBand スイッチ x 2

• 各 InfiniBand スイッチには外部接続用に 6 つのポートを搭載

(X8M のみ)36 ポートの 100 Gb/秒 RoCE スイッチ x 2

管理の接続性

• イーサネット・スイッチ、サーバーへの管理接続用

» 2 つの 1 GbEアップリンク銅ポートをデータセンター管理ネットワークとの接続

に使用可能

ラック・インフラストラクチャのハードウェア:

• 42U ラック

• 冗長配電ユニット(PDU) x 2

付属スペア・パーツ・キット:

• 14 TBディスク x 1

• PCI フラッシュ・カード x 1

Recovery Applianceの構成

ラック・サイズ コンピューティ

ング・サーバー

ストレージ・

サーバー

使用可能容量

(標準冗長性)

使用可能容量

(高冗長性)

ベース サーバー x 2 サーバー x 3 155 TB 95 TB

+ ストレージ・

サーバー

非該当 サーバー x 15

(最大)

ストレージ・

サーバー当た

り 53 TB

ストレージ・

サーバー当た

り 32 TB

単一ラックに最大 18 台のストレージ・サーバー。フル・ラックの使用可能容量:

• 標準冗長性:949 TB

• 高冗長性:587 TB

フル・ラックのバックアップおよびリストアのスループット:

• 25 Gb x 4:24 TB/時

• 10 Gb x 4:12 TB/時

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ZERO DATA LOSS RECOVERY APPLIANCE 15

Recovery Appliance X8の環境仕様

コンポーネント ベース・ラック フル・ラック

高さ

奥行き

2,000 mm(78.74インチ)

601 mm(23.66インチ)

1,197 mm(47.13インチ)

重量 412.7 kg(909.8ポンド) 932.3 kg(2,055.3ポンド)

最大消費電力

標準消費電力1

• 4.3 kW(4.4 kVA)

• 3.0 kW(3.0 kVA)

• 14.5 kW(14.7 kVA)

• 10.1 kW(10.3 kVA)

最大使用時の冷却能力

標準使用時の冷却能力

• 14,560 BTU/時(15,360 kJ/時)

• 10,192 BTU/時(10,752 kJ/時)

• 49,312 BTU/時(52,024 kJ/時)

• 34,519 BTU/時(36,417 kJ/時)

最大使用時のエアフロー2

標準使用時のエアフロー2

• 674 CFM

• 472 CFM

• 2,283 CFM

• 1,598 CFM

動作時騒音 • 9.4 B • 9.4 B

動作時温度:5 ºC~32 ºC(41 ºF~89.6 ºF)、サーバーのフロント・ベゼルに向けられた産業用温度

測定器で測定

動作時湿度:相対湿度10 %~90 %(結露なし)

動作時高度:最大3,048 m。高度900 m以上では300 m上昇するごとに、最高周囲温度が1ºC低下

1 標準消費電力は、アプリケーションの負荷によって変わります。

2 エアフローは前面から背面へと流れる必要があります。

Recovery Appliance X8ストレージ・サーバーの環境仕様1

コンポーネント 仕様

寸法 • 高さ:86.9 mm(3.4インチ)

• 幅:445.0 mm(17.5インチ)

• 奥行:759.0 mm(29.9インチ)

重量 • 34.8 kg(76.7ポンド)

最大使用時の消費電力

標準使用時の消費電力2

• 0.7 kW(0.7 kVA)

• 0.5 kW(0.5 kVA)

最大使用時の冷却能力

標準使用時の冷却能力

• 2,317 BTU/時/(2,444 kJ/時)

• 1,622 BTU/時/(1,711 kJ/時)

最大使用時のエアフロー3

標準使用時のエアフロー3

• 107 CFM

• 75 CFM

動作時騒音 • 8.2 B

動作時温度:5 ºC~32 ºC(41 ºF~89.6 ºF)

動作時湿度:相対湿度10 %~90 %(結露なし)

動作時高度:最大3048 m(高度900 m以上では300 m上昇するごとに最大周囲温度が1 °C低下)

1 ストレージ・サーバー環境の仕様は、1台のサーバー、スタンドアロン環境を対象としてい

ます。ストレージ・サーバーをRecovery Appliance X8ラックに追加すると、ラック環境の仕

様が優先されます。

2 標準消費電力は、アプリケーションの負荷によって変わります。

3 エアフローは前面から背面へと流れる必要があります。

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ZERO DATA LOSS RECOVERY APPLIANCE 16

Recovery Appliance X8Mの環境仕様

コンポーネント ベース・ラック フル・ラック

高さ

奥行き

2,000 mm(78.74インチ)

601 mm(23.66インチ)

1,197 mm(47.13インチ)

重量 411.6 kg(907.4ポンド) 931.2 kg(2,052.9ポンド)

最大消費電力

標準消費電力1

• 4.3 kW(4.4 kVA)

• 3.0 kW(3.1 kVA)

• 14.5 kW(14.8 kVA)

• 10.1 kW(10.3 kVA)

最大使用時の冷却能力

標準使用時の冷却能力

• 14,676 BTU/時(15,483 kJ/時)

• 10,273 BTU/時(10,838 kJ/時)

• 49,428 BTU/時(52,147 kJ/時)

• 34,600 BTU/時(36,503 kJ/時)

最大使用時のエアフロー2

標準使用時のエアフロー2

• 679 CFM

• 476 CFM

• 2,288 CFM

• 1,602 CFM

動作時騒音 • 9.1 B • 9.6 B

動作時温度:5 ºC~32 ºC(41 ºF~89.6 ºF)、サーバーのフロント・ベゼルに向けられた産

業用温度測定器で測定

動作時湿度:相対湿度10 %~90 %(結露なし)

動作時高度:最大3,048 m。高度900 m以上では300 m上昇するごとに、最高周囲温度が1 ºC低下

1 標準消費電力は、アプリケーションの負荷によって変わります。

2 エアフローは前面から背面へと流れる必要があります。

Recovery Appliance X8Mストレージ・サーバーの環境仕様1

コンポーネント 仕様

寸法 • 高さ:86.9 mm(3.4インチ)

• 幅:445.0 mm(17.5インチ)

• 奥行:759.0 mm(29.9インチ)

重量 • 34.8 kg(76.7ポンド)

最大消費電力

標準消費電力2

• 0.7 kW(0.7 kVA)

• 0.5 kW(0.5 kVA)

最大使用時の冷却能力

標準使用時の冷却能力

• 2,317 BTU/時/(2,444 kJ/時)

• 1,622 BTU/時/(1,711 kJ/時)

最大使用時のエアフロー3

標準使用時のエアフロー3

• 107 CFM

• 75 CFM

動作時騒音 • 8.2 B

動作時温度:5 ºC~32 ºC(41 ºF~89.6 ºF)

動作時湿度:相対湿度10 %~90 %(結露なし)

動作時高度:最大3,048 m(高度900 m以上では300 m上昇するごとに最大周囲温度が1 °C低下)

1 ストレージ・サーバー環境の仕様は、1台のサーバー、スタンドアロン環境を対象としてい

ます。ストレージ・サーバーをRecovery Appliance X8Mラックに追加すると、ラック環境の

仕様が優先されます。

2 標準消費電力は、アプリケーションの負荷によって変わります。

3 エアフローは前面から背面へと流れる必要があります。

Page 17: データ損失ゼロ Recovery Appliance X8 / X8MZero Data Loss Recovery Appliance X8 / X8M オラクルの最新データ保護ソリューション ビジネス・データを保護するために今日のストレージ・ソリューションを使用し

Recovery Appliance X8 / X8Mの準拠規格および認定規格

準拠規格 1、2、3:

• 安全性:UL/CSA 60950-1、EN 60950-1、IEC 60950-1 CB Scheme

(各国の規定に準拠)

• EMC 排出量:FCC CFR 47 Part 15、ICES-003、EN55032、EN61000-3-11、

EN61000-3-12

• EMC(イミュニティ):EN55024

認定規格 2、3:

• 北米(NRTL)、欧州連合(EU)、International CB Scheme、HSE Exemption(イン

ド)、BSMI(台湾)、CCC(PRC)、EAC(EAEU、ロシアを含む)、RCM(オー

ストラリア)、VCCI(日本)

EU 指令 3:

• 2014/35/EU 低電圧指令、2014/30/EU EMC 指令、2011/65/EU RoHS 指令、

2012/19/EU WEEE 指令

1 参照されている準拠規格と認定規格はすべて、本データ・シートの執筆時点での正式な

最新版です。詳細については、販売担当者にお問い合わせください。

2 その他の国の準拠規格/認定規格が適用される場合もあります。

3 準拠規格や認定規格の遵守は、シェルフレベルのシステムのみで実現されている場合が

あります。

お問い合わせ

Zero Data Loss Recovery Appliance について、詳しくはoracle.com/recoveryappliance を参照するか、+1.800.ORACLE1 でオラクルの担当者にお問い合わせください。

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