ディジタル変調に対する、データの生成と Agilent...

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ディジタル変調に対する、データの生成と Agilent Technologies ESG-D RF 信号発生器へのダウンロード Agilent E4430B 1 GHz Agilent E4431B 2 GHz Agilent E4432B 3 GHz Agilent E4433B 4 GHz Product Note

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はじめに ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3

ベースバンド・ジェネレータ・オプションを装備したAgilent ESG-Dによるディジタル・データ処理 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4

ディジタル・データによるRF搬送波の変調 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 5

データ・ビットと制御ビットの定義 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6

メモリへの直接書き込みによるデータとプロトコルの制御 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6

ユーザ・ファイル ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 7

フレーム伝送に対するユーザ・ファイル ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 9

問題の回避‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥11

異なるタイム・スロットに対して複数のユーザ・ファイルを選択した場合‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥13

要約‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥14

付録A:PCやワークステーションに使用できるGPIBインタフェース・カード‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥15

付録B:ユーザ・ファイルをロードするSCPIコマンド ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥16

付録C:Agilent ESG-Dにおけるユーザ・ファイルのアクセス ‥‥‥‥‥‥‥18

付録D:サンプル・プログラム ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥19

目次

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多くの無線ディジタル通信システム向けテスト・アプリケーションには、RF搬送波上で変調された特定のデータ・パターンが必要です。以下の例は、可能なアプリケーションと、ベースバンド・ジェネレータのオプション1EH、UN3、UN4、UN8またはUN9を装備したAgilent Technologies ESG-D信号発生器を使用して、それらのアプリケーションを実現する方法の一部です。

● 専用データ・シーケンス。専用通信プロトコルまたは新規開発通信規格をテストするには、データをバースト単位で適切にフレーム構成できることなど、データを自由に操作する必要があります。オプション1EHを装備したAgilentESG-Dは、NADC、GSM、PDC、PHSのフォーマットを備えます。オプションUN3とUN4 (UN3/4)およびUN8とUN9 (UN8/9)にはこれらの規格に加えてDECT、TETRAも含まれ、他のプロトコルをシミュレートできる柔軟性があります。他の通信方式の場合、データを信号発生器にダウンロードして連続変調が可能で、また、バースト情報を供給した場合、オプションUN3/4やUN8/9を装備したAgilent ESG-Dは規格外フレーム構成プロトコルをシミュレートできます。

● ビット・エラー・レート(BER)テストに対する意図的なエラーの追加。レシーバまたはエラー訂正アルゴリズムのデザイナは、意図的なビット・エラーを含む疑似ランダム雑音(PN)シーケンスを伝送して、受信チェーンやレシーバDSPに対するエラーの影響を確認したいことがあります。Agilent ESG-Dで内部生成されるPNシーケンスはITU仕様に適合して編集できないので、ユーザ・ファイルを使用して、このような場合に必要なPNシーケンスをダウンロードして伝送できます。

● さまざまなPNシーケンスの生成。通信システムのデザイナは、PN7またはPN13などのAgilent ESG-Dで内部供給されない疑似ランダム雑音シーケンスを伝送したいことがあります。このような場合任意のPNシーケンスをコンピュータ上で外部生成して、Agilent ESG-Dファイル・システムに保存できます。

● 複数フレームを生成して、通信プロトコルのシミュレート。いくつかの通信規格は、特定のシーケンスで伝送するのに複数フレームの情報を必要とするプロトコル構造を要求します。ユーザ・ファイル機能には、GSM (Global System forMobile)制御チャネル・マルチフレームなどの、複数フレームをシミュレートするのに必要な汎用性があります。

● エラー・コーディングによるテスト・シーケンスの生成。通信システムの中には順方向エラー訂正コードを使用して、伝送の際の破壊に対してデータ・トラヒックを保護するものもあります。Agilent ESG-Dにコード化パターンをロードして、エラー訂正レシーバの性能を測定できます。

本書は、データを生成してAgilent ESG-Dにダウンロードして、ディジタル変調する方法についてご説明いたします。本書は、テスト・エンジニア、プログラマ、アプリケーション開発者やその他ディジタル変調の原理に精通している方を対象に書かれています。ディジタル変調の基礎知識については、計測お客様窓口にApplication Note1298 “通信システムのディジタル変調 入門編” (5965-7160J)をご請求ください。

Agilent ESG-Dシリーズのディジタル信号発生器は、UN3/4またはUN8/9の内部ベースバンドI/Qジェネレータ・オプションを装備すると、ディジタル変調データの柔軟性と制御が大幅に向上します。Agilent ESG-Dによって、内部生成ITU準拠PN9やPN15データ・シーケンスなどの多くのタイプのデータ・シーケンスに加えて、多くの固定ビット・パターンを生成できます。

はじめに

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内蔵されるデータの柔軟性を拡張するために、外部生成データ・パターンをAgilent ESG-Dのメモリにダウンロードして変調できます。また、データを通信プロトコルなどの内部供給TDMAフレーミングに挿入できます。ダウンロードされたデータは、連続変調とフレーミングのどちらにも適用できます。

Agilent ESG-DでRF搬送波をディジタル変調するのに使用できるデータ・ソースは3つあり、連続伝送とフレーム伝送のどちらにも適用できます(図1参照)。

1.内部生成。Agilent ESG-Dは、PN9、PN15や多くの固定データ・パターン(ユーザ定義繰り返し4ビット・シーケンスまたは5種類の1と0のパターン)を供給します。

2.外部生成リアルタイム・データ。リアルタイム・データとタイミングは、外部データ・ソースによってフロントパネルのData、Data ClockやSymbol Syncのコネクタに供給できます。このデータは連続伝送、または、データ同期バースト・パルスをEXT1入力コネクタに供給することによってフレーム構成できます。さらに、外部データは内部生成フレーミングに多重化できます。注-本書では、外部生成リアルタイム・データについては取り上げていません。詳細やタイミング図については、Agilent ESG-D Series Signal GeneratorUser's Guideをご参照ください。

3.GPIBを経由した外部データのロード● パターンRAM (PRAM)ブロックへのロード。データやプロトコルを完全に制

御するため、データのブロックや制御ビットをPRAMに直接書き込めます。これは、専用通信プロトコルに対する規格外フレーミングの生成、既存通信規格の制限値のテストに役立ちます。この方法はすべての内部ファームウェア生成フレーミングをすべて完全にバイパスするので、タイムドメイン・フレーミング・パラメータをすべて制御できます。ただし、PRAMは揮発性メモリですので、測定器が初期設定されるか内部生成データの選択によって上書きされるか、または電源切断されると、データはすべて失われます。注-オプション1EHを装備したAgilent ESG-Dでは、フレーミングはダウンロードできません。ファームウェア・リリースがA.01.10のオプションUN3/4にはバグがあり、バーストを正しくオフにしません。このバグはA.01.12で一部修正(バーストを正しくオン/オフ)されましたが、バースト立ち上がり/立ち下がり時間はゼロに設定され、ゼロ以外の値にコマンドで指定しても調整されません。このことはファームウェア・リリースB.01.01またはオプションUN8/9で修正されます。Agilent ESG ファームウェアは、Agilent ESG web ページ(www.agilent.com/find/esg)からダウンロードできます。

ベースバンド・ジェネレータ・オプションを装備したAgilent ESG-Dによるディジタル・データ処理

3. HP-IB data download

HP 89441or device under test

1. HP ESG-D internal data

2. External real-time data

図1. ディジタル・データのソース

2. 外部リアルタイム・データ

3. GPIBデータ・ダウンロード

1. ESG-D内部データ

89441または被試験デバイス

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● ユーザ・ファイル。ユーザ・ファイルは、データ・パターンをAgilent ESG-Dマイクロプロセッサ・ファイル・システムにダウンロードしたり記憶したりする機構を備えます。したがって、連続変調に対して、または、内部生成TDMA規格のいずれかに対して、ユーザ・ファイルをデータ・ソースとして選択できます。データはファイルとして不揮発性メモリに記憶されるので、測定器の電源を切ったり、電源プラグをコンセントから抜いたりしても、データは保持され、後でリコールできます。

メモリからRF出力へのディジタル・データの基本変調は、図2に示すように以下のパスを通って行われます。

● 内部生成データまたはダウンロードされた外部データは、ファームウェアによってPRAMにロードされます。

● データ・クロックごとに、ベースバンド・データ・ジェネレータはデータとフレーミング情報をPRAM、PNジェネレータまたは外部コネクタから読み取り(測定器設定に応じて)、フォーマット済みシンボルをシンボル・ビルダ/フィルタリング・ハードウェアに供給します1。PRAMアドレス・カウンタはデータ・クロックごとに増分されるので、データ・クロックごとに次のデータ・バイトのアドレスに設定し直すことに注意してください。PRAMデータはデータ・クロックに同期してベースバンド・データ・ジェネレータに読み取られ、PRAMアドレス・カウンタはデータ・クロックで増分するので、PRAMの各アドレスは時間の増分とみなすことができます。

● シンボル・ビルダ・ハードウェアは、選択した変調タイプやフィルタリングに対応するI/Qアナログ電圧を発生します。

● I/Q変調器はRF変調信号を供給します。

注-TDMAフレーミングなしのオプションUN3/4を使用した連続PN9またはPN15の場合、専用ハードウェアPNジェネレータはPRAMを完全にバイパスして、データをベースバンド・データ・ジェネレータに供給します。連続変調に対して、オプションUN8/9はPN9、PN11、PN20やPN23のデータ・シーケンスを供給します。

ディジタル・データによるRF搬送波の変調

マイクロ・�プロセッサ�

システム・�メモリ��

ベースバンド・�データ・�ジェネレータ�

パターンRAM1 Mビット x 8または�

8 Mビット x 8

ベースバンド・�シンボル・�ビルダ�

I

Q

I / Q変調器�

RFチェーン� RF出力�

GPIB

リード・オンリ� 外部データ/クロック/同期�

PNジェネレータ�

バースト変調器�

図2. Agilent ESG-Dディジタル変調ブロック図

1. GMSKなどの1ビット/シンボル変調フォーマットの場合、シンボル・クロック周期ごとにデータ値が1つ読み取られるのに対して、π/4-DQPSKなどの2ビット/シンボル変調フォーマットの場合、シンボル・クロック周期ごとにデータ値が2つ読み取られます。

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PRAMには変調するデータ・ビットが含まれるだけでなく、バーストを含む搬送波をディジタル変調する制御ビットも含まれます。ファームウェアは7つの制御ビットを変調するデータの各ビットに追加するので、ユーザ・データの各ビットはPRAMの1バイト(8ビット)アドレス内に含まれます。各PRAMバイトは、下表に示すように編成されます。

ビット 機能 値 コメント

0 データ 0/1 このビットは変調するデータです。バースト(ビット2)が0に設定された場合、このビットは「任意」です。

1 予約 0 常に0

2 バースト 0/1 RFをオンにする場合は1。RFをブランクにする場合は0。非バースト、非TDMAシステムの場合、このビットはメモり位置すべてに対して1に設定され、RF出力オンを連続のままにします。フレーム構成データの場合、このビットは「オン」タイムスロットに対して1に設定され、「オフ」タイムスロットに対して0に設定されます。

3 予約 0 常に0

4 予約 1 常に1

5 予約 0 常に0

6 イベント1 0/1 このビットを1に設定すると、イベント1 BNCコネクタ出力 出力でレベル遷移が起こります。これはどの機能にも

使用でき、例えば、マーカ出力としてデータ・パターンをリスタートする外部ハードウェアにトリガをかけるのに、または、代替アドレスでこのビットを切り替えることによって、データ同期パルス列を作成するのに使用できます。

7 パターン・ 0/1 次のシーケンシャル・メモリ・アドレスに続く場合は0。リセット メモリの終了を示して、メモリ再生をリスタートする

場合は1。このビットはPRAMの最後のバイト(アドレス)以外のすべてに対して0に設定されます。PRAMの最後のバイト(アドレス)に対して1に設定され、パターンをリスタートします。

データやプロトコルを完全に制御するため、データのブロックや制御ビットをPRAMに直接書き込めます。これは、専用通信プロトコルに対する規格外フレーミングの生成や既存通信規格の制限値のテストに役立ちます。この方法はすべての内部ファームウェア生成フレーミングを完全にバイパスするので、タイムドメイン・フレーミング・パラメータをすべて制御できます。注-詳細については、Agilent ESG-D Signal Generator Programming Guideをご参照ください。

ロング・パターンの場合、ブロック・フォーマットでダウンロードする方が有利です。データのブロックをPRAMに直接ロードするSCPI(Standard Commands forProgrammable Instruments)コマンドは以下のとおりです。

:MEMory:DATA:PRAM:BLOCK<datablock>

別の方法として、データ値(バイト)のリストをロードするSCPIコマンドは以下のとおりです。

:MEMory:DATA:PRAM:LIST<value>[,<value>,<...>],ここで、<value>は上記のPRAMデータ・ビットと制御ビットの定義表に指定したように、0~255の有効値のいずれかです。各値はPRAM内の一意のバイトに対応することに注意してください。

データ・ビットと制御ビットの定義

メモリへの直接書き込みによるデータとプロトコルの制御

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例えば、FIX4データ・パターンの“1100”のバーストを5回行うには、32データ周期間バーストをオフにします(1ビット/シンボル変調フォーマットを仮定)。コマンドは以下のようになります。

:MEM:DATA:PRAM:LIST:MEM:DATA:PRAM:LIST21,21,20,20,21,21,20,20,21,21,20,20,21,21,20,20,21,21,20,20,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,16,144

“21”はデータ = 1、バースト=オン(1)を表します。“20”はデータ = 0、バースト=オンを表します。“16”はデータ = 任意、バースト=オフ(0)を表します。“144”はデータ = 任意、バースト=オフを表します。パターン繰り返し = オン(1)。

Agilent ESG-DでダウンロードされたPRAMシーケンスを変調するには、通信規格(変調フォーマット、フィルタやデータ・クロックを定義)を選択してアクティブにする必要があります。通信規格はMODEハードキーを押して、フロントパネル・キーまたは同等のSCPIコマンドを使用すると表示されます。Dataソフトキーを押すと、フロントパネルには“ダウンロードされたデータ”が表示されます。ファームウェアはダウンロードされたデータを自動的に確認、妥当性を検査できないことにご注意ください。

ユーザ・ファイルの重要な長所は、ユーザ・ファイルは測定器のファイル記憶システムに保存されるので不揮発性であることです。Agilent ESG-Dファイル・システム(メモリ・カタログ)は、Binary、StateとListのファイル・タイプを記憶します。Binaryユーザ・ファイルは、伝送でデータとして使用されるビット・シーケンスを記憶します。Stateファイルには測定器構成(周波数、パワーレベル、モードなど)が含まれ、後でリコールするためにストレージ・レジスタに保存されます。Listファイルは、Sweep/Listハードキーを押して定義したとおりに掃引情報を記憶します。

ユーザ・ファイルをデータ・ソースとして選択した場合、ファームウェアはPRAMにユーザ・ファイルに指定されたデータをロードして、選択した動作モードに応じて(連続伝送またはフレーム伝送を選択したかどうかに関係なく)、他の7つのPRAMビットを設定します。つまり、ユーザ・ファイルは1データ・ビットが1 PRAMバイトと等しくなるよう、PRAMにマッピングされます。

保存できるユーザ・ファイルのサイズは、Agilent ESG-Dのマイクロプロセッサ・ファイル・システムに使用できるメモリによって異なります。ファイル・システムに使用できる最大データ空間は約128 kバイト(1 Mビット)ですが、メモリが測定器ステート・ファイルまたは掃引リスト・ファイルを保存するのにも使用される場合、ユーザ・ファイルに使用できるメモリは減ります。

ユーザ・ファイル

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データのダウンロードSCPIはデータをASCIIバイト単位で指定するので、データは8ビットの倍数でダウンロードする必要があります。したがって、元のデータ・パターンの長さが8ビットの倍数でない場合、プログラマは(1)さらにビットを追加して、ASCII文字にする、(2)データ・パターンを複製して、不連続部のない連続繰り返しパターンを生成する、または、(3)文字列の長さが8ビットの倍数に達するよう、ビットを切り捨て破棄する必要があります。

例:

● 11ビットのデータ・パターンの連続繰り返し伝送の場合、88ビットがダウンロードされ、無関係なビットまたは欠落したビットのない11個のASCII文字を構成するよう、パターンは8回繰り返す必要があります。

● 11ビットのデータ・パターンの単一伝送の場合、16ビット(2個のASCII文字)がダウンロードされるよう、さらにビットを追加する必要があります。16ビットをダウンロードして、Agilent ESG-DフロントパネルでPattern Repeat =“Continuous”を選択します。この結果は、11個の必要なビットに加えて5個の不要ビット・パターンが繰り返されます。

ユーザ・ファイルをダウンロードするSCPIコマンド(Agilent ESG-D SignalGenerator Programming Guide参照)は以下のとおりです。

MMEM:DATA “filename”, #ABCfilename ファイル名A B内の数値の桁数で、BはC内のデータ量を指定しますB C内のデータのバイト数C ASCIIフォーマットで表したデータ(ASCII文字当たり8ビット)

例えば、以下のコマンドは9バイトのデータを“NEWDATAFILE”というユーザ・ファイルにダウンロードします。

MMEM:DATA “NEWDATAFILE”, #1912SA40789A = “1”;Bには1桁含まれることを指定しますB = “9”;Cには9バイトのデータが含まれることを指定しますC = “12SA40789”;Agilent ESG-DにダウンロードされるデータのASCII表記

注-ASCII 文字はすべてが印刷できるわけではありません。実際には、10進値33~126に対応するASCII文字だけが印刷可能なキーボード文字です。上記の例は、簡単にするため慎重に選んだものです。おそらく、8ビット・パターンに対応するASCII文字は印刷できません。したがって、ユーザ・ファイルのダウンロードやアップロードをするために書かれたプログラムは、ASCIIとシーケンスの表示可能な表記との間で正しく変換する必要があります。

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フレーム伝送に対してユーザ・ファイルをデータ・ソースとして指定することによって、実データを内部生成TDMAフレーミングに多重化する方法が簡単になります。ユーザ・ファイルは最初のフレームのアクティブなタイムスロットのデータ・フィールドを埋めて、ファイルにもっとデータがある限り、連続したフレームの同じタイムスロットを埋め続けます。この機能によって、通信システム・デザイナは専用データ・シーケンス、特定のPNシーケンスのダウンロードや変調、または、いくつかの移動通信プロトコルによって指定されたように、マルチフレーム伝送のシミュレートができます。図3の例が示すように、GSMマルチフレーム伝送は26フレームがスピーチに必要です。

Agilent ESG-Dでは、フレーム伝送に対してユーザ・ファイルをデータ・ソースとして選択した場合、ファームウェアはPRAMにアクティブなTDMA規格のフレーミング・プロトコルをロードします。“ON”タイムスロットに対応するすべてのアドレスの場合、バースト・ビットは“1”に設定され、データ・ビットはタイムスロットのデータ・フィールドに対するユーザ・ファイルの内容によって設定されます。他のビットは、選択した構成に従って設定されます。“OFF”タイムスロットの場合、バースト制御ビットは0に設定され、データは「任意」です。「パターン・リセット」はPRAMの最後に使用されるバイトに対して“1”に設定されるので、最後のバイトが読み出されると、パターンは繰り返されます。

注-PRAMのロードは静的です。つまり、ファームウェアは選択した構成に対して1回PRAMに書き込み、ハードウェアは繰り返し読み出します。データ・ソースまたはモードが変更されたときだけ、ファームウェアは揮発性PRAMメモリを上書きして、必要な構成を反映させます。

ユーザ・ファイルのアプリケーション例として、GSM伝送1のタイムスロット#1(TS1)に対して228ビットのユーザ・ファイルを伝送したい場合、GSMフレームの他の7個のタイムスロットはオフとなり、ユーザ・ファイルは連続した2つのフレームのタイムスロット#1を完全に埋めてから、繰り返します。

フレーム伝送に対するユーザ・ファイル

テール・�ビット�

テール・�ビット�

データ・�フィールド#1

データ・�フィールド#2

制御�ビット�

制御�ビット�

ミッドアンブル�

ガード・�ピリオド�

通常GSMタイムスロット= �156.25ビット= 576.92 us

フレーム= 8タイムスロット= �1250ビット= 4.615 ms

スピーチ・マルチフレーム(TCH) = �26フレーム = 32,500ビット= 120 ms

スーパーフレーム= �51マルチフレーム= 1,657,500ビット= 6.12 s

3 57 1 126 57 3 8.25

TS0 TS1 TS2 TS3 TS4 TS5 TS6 TS7

図3. GSMマルチフレーム伝送

114ビット�

時 間�

114ビット�228ビットの�ユーザ・ファイル�

フレーム1TS0 TS1 TS2 TS3 TS4 TS5 TS6 TS7

フレーム2TS0 TS1 TS2 TS3 TS4 TS5 TS6 TS7

フレーム1TS0 TS1 TS2

振 幅�

図4. ユーザ・ファイル・データの単一タイムスロットへのマッピング

1. 規格当たり、GSM通常チャネルは156.25ビット長で、57ビットのデータ・フィールドは2つ(タイムスロット当たり合計114ビット)、制御または信号用に42ビットあります。156.25ビットのタイムスロットを指定するGSM規格に準拠して、Agilent ESG-Dは156ビットのタイムスロットを使用して、タイムスロット4つごとにさらにガード・ビットを1つ追加します。

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このプロトコル構成の場合、ファームウェアはPRAMに以下のフレームをロードします。

フレーム タイム PRAM データ・ビット バースト・ パターン・スロット アドレス ビット リセット

1 0 0~155 0/1(任意) 0(オフ) 0(オフ)1 1(オン) 156~311 GSM規格によって 1(オン) 0

42ビット設定、ユーザ・ファイルの最初の114ビット

1 2 312~467 0/1(任意) 0 0

1 3 468~624 0/1(任意) 0 0

1 4 625~780 0/1(任意) 0 0

1 5 781~936 0/1(任意) 0 0

1 6 937~1092 0/1(任意) 0 0

1 7 1093~1249 0/1(任意) 0 0

2 0 1250~1405 0/1(任意) 0 02 1(オン) 1406~1561 GSM規格によって 1(オン) 0

42ビット設定、ユーザ・ファイルの残りの114ビット

2 2~6 1562~2342 0/1(任意) 0 0(オフ)2 7 2343~2499 0/1(任意) 0 0、

アドレス2499のみ1

注-TDMAソフトキーでの「同期出力」選択に応じて、イベント1出力は0/1に設定されます。この選択は、フレームの先頭、特定のタイムスロットの先頭、すべてのタイムスロットのいずれかでイベント1出力をイネーブルします。

Agilent ESG-D内ではタイムスロットの構成やイネーブルは別々にするので、1つのユーザ・ファイルを1つ以上のタイムスロットに個々に割り当てることができます。1つのタイムスロットは、指定されたデータ・ソース(PNシーケンスまたはユーザ・ファイル)を複数持つことはできません。ハードウェア・メモリにマッピングできるユーザ・ファイルのデータ量は、ベースバンド・ジェネレータで使用できるPRAM量と各フレームの数とサイズの両方によって異なります。フレーム伝送に必要なPRAM量は以下のとおりです。

PRAMサイズ = タイムスロットのサイズ×フレーム当たりのタイムスロット数×フレーム数

例えば、GSMに対してスーパーフレームを生成するには、PRAMサイズ = ビット/タイムスロット×タイムスロット/フレーム×

フレーム/マルチフレーム×マルチフレーム/スーパフレーム= 156.25×8×26×51= 1,657,500バイト

オプション1EH、UN3またはUN8で使用できる1 Mバイトのメモリは、このアプリケーションに対して十分でありません。8 MバイトのオプションUN4またはUN9が必要です。

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問題を最小限に抑えるために、すべてを満たす必要がある条件が3つあります。

● 選択したユーザ・ファイルは、各タイムスロットのデータ・フィールドを完全に埋めること。

● ユーザ・ファイルはASCII文字で表現できるよう、8ビットの倍数であること。

● 大きなユーザ・ファイルの場合、使用できるパターンRAMはデータやフレーミングをサポートするのに十分大きいこと。本書で後述するように、データ・ソースに対して511ビットの修正PN9シーケンスを含むGSM通常タイムスロットをオンにすると、2,555,000バイトのPRAMを使用します。

1.各タイムスロットを埋めるフレーム伝送に対してユーザ・ファイルを作成する場合、データ・パターンはタイムスロットの整数倍のデータ・フィールドを完全に埋めるのに十分長くなければなりません。ユーザ・ファイルがタイムスロットのデータ・フィールドを完全に埋めない場合、ファームウェアはどのデータもタイムスロットにロードしません(ユーザ・ファイルがタイムスロットのデータ・フィールドの1/2しか埋めない場合、データはまったく変調されません)。ユーザ・ファイルが連続繰り返しフレーム伝送で複数のタイムスロットを埋める場合(Frame Repeat =“Continuous”)、完全に埋められたデータ・フィールドが含まれる最後のタイムスロットの後に、ユーザ・ファイルはリスタートされます。例えば、ユーザ・ファイルにタイムスロット3.5個分のデータ・フィールドを埋めるだけのデータがある場合、ファームウェアは3個のタイムスロットにデータをロードして、3個目のタイムスロットの後にユーザ・ファイルをリスタートします。最後のタイムスロット0.5個分のデータはまったく変調されません。

2.8ビットの倍数SCPIデータはデータをASCIIバイト単位で指定するので、ユーザ・ファイルのデータは8ビットの倍数でダウンロードする必要があります。したがって、元のデータ・パターンの長さが8ビットの倍数でない場合、プログラマはさらにビットを追加して、ASCII文字にする、データ・パターンを複製して、不連続部のない連続繰り返しパターンを生成する、または、残りのビットを切り捨てる必要があります。

注-「8ビットの倍数」条件は、上記の「各タイムスロットを埋める」条件に追加されるものです。つまり、

データ・パターン長×繰り返し数                 = i、ここで、i(ASCII文字数)は整数であること8

かつ

データ・パターン長×繰り返し数                      = k、ここで、k(PRAMのタイムスロットのデータ・フィールドのサイズ フレーム数)は整数である

こと

問題の回避

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以下の方法を使用して、データ・パターンが連続的であるために繰り返す必要がある回数を計算できます。

この例では、GSMタイムスロットの114ビットのデータ・フィールドに対して、修正PN9、511ビットのデータ・パターンがデータ・ソースとして適用されます。以下の値で表を作成します。

A = 元のデータ・パターンの繰り返し数B = ユーザ・ファイル長 = 繰り返し数×元のデータ・パターン長C = ASCII文字数 = ユーザ・ファイル長/8 (ASCII文字当たり8ビット)D = フレーム数 = ユーザ・ファイル長/タイムスロットのデータ・

フィールドのサイズ(この例では114)E = 必要な合計PRAMメモリ = フレーム数×フレーム当たりのビット数(GSM

に対してこの例では1250)

A B C D E

繰り返し数 データ・ ASCII タイムスロット境界で 必要な合計PRAMパターン長x 文字数 終了するのに必要なフレーム数 メモリ繰り返し数 (B/8) (B/タイムスロットのデータ・ (D×フレーム

フィールドのサイズ) 当たりのビット数)

1 511 63.88 4.48 5,603.07

2 1,022 127.75 8.96 11,206.14

3 1,533 191.63 13.45 16,809.21

4 2,044 255.5 17.93 22,412.28

5 2,555 319.38 22.41 28,015.35

6 3,066 383.25 26.89 33,618.42

7 3,577 447.13 31.38 39,221.49

8 4,088 511 35.86 44,824.56

9 4,599 574.88 40.34 50,427.63. . . . . . . . . . . . . . .

455 232,505 29,063.13 2,039.52 2,549,396.92

456 233,016 29,127 2,044 2,555,000

カラムCとDの両方が整数の最初の行が(表を下方向に見ていくと)、不連続部なしでユーザ・ファイルを伝送するのに必要な最小繰り返し数となります。この例では、修正PN9を正しく生成して、ユーザ・ファイルにダウンロードするには、ユーザ・ファイル内で511ビットのパターンを456回繰り返す必要があり、合計233,016ビットが信号発生器にダウンロードされ、29, 127個のASCII文字が構成されます。

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3.使用できるパターンRAMは、データやフレーミング・オーバヘッドをサポートするのに十分大きいこと。大量のフレームに対して連続的である必要がある大きなユーザ・ファイルによって、使用できるPRAMを使い果たすことがあります。先程の例では、GSMタイムスロットに対して233,016ビットのユーザ・ファイルをデータ・ソースとして選択すると、ファームウェアは2,044フレーム分のデータを計算して、2,555,000バイトのPRAM空間を使用することになります。この構成にはオプションUN4またはUN9 (8 Mビットのデータ・メモリ)が必要で、この構成をUN3またはUN8のデータ・ジェネレータ(1 Mビット)にロードしようとすると、十分なPRAMを使用できないのでエラーとなります。PN9の代わりにPN11を使用した場合、データ・パターンを456回繰り返すには、933,432ビットのユーザ・ファイルが必要となり、8,188フレームと10,235,000バイトのPRAMが必要です。このバイト数はオプションUN4またはUN9が処理できる量より多いので、データを外部から入力する必要があります。

また、フレーム当たり大量のビットを指定する規格に対してユーザ・ファイルを選択した場合、PRAM空間の限度に至ることもあります。例えば、DECTプロトコルは480ビットのタイムスロットとフレーム当たり12タイムスロットを指定するので、フレーム当たり5,760バイトのPRAMが必要です。UN4またはUN9では1,456個の完全なDECTフレームを処理できます。

4.データ・パターンが使用できるPRAMメモリを超えた場合どうなるか。データ・フィールドは絶対に連続データ・ストリームである必要があり、データが使用できるPRAMを超えた場合、Data ClockとSymbol Syncのコネクタを経由して同期を取って、内部生成TDMAフレーミングによって、リアルタイム・データをData入力を経由して外部から提供できます。このセットアップの構成の詳細については、ユーザーズ・ガイドをご参照ください。

フレーム伝送に対して複数のユーザ・ファイルを選択した場合、必要なPRAM量は最大フレーム数を生成するユーザ・ファイルによって決まります。連続繰り返しデータ・パターンを生成するには、各ユーザ・ファイルはタイムスロットの整数倍を完全に埋めるのに十分長くなければなりません。さらに、ユーザ・ファイルはすべて正しく変調するための「8ビットの倍数」と「十分なPRAMメモリ」の条件を満たす必要があります。

例えば、DataPattern#1にはGSMタイムスロットのデータ・フィールドを埋める114ビットが含まれ、DataPattern#2にはカスタムGSMタイムスロットに対する148ビットが含まれる場合、これらのデータ・パターンを不連続部のない連続繰り返しユーザ・ファイルとして正しく伝送するには、両データ・パターンを4回繰り返す必要があります。したがって、ユーザ・ファイル#1には456ビット含まれ、ユーザ・ファイル#2には592ビット含まれます。つまり、各ユーザ・ファイルはちょうど4フレームずつPRAMに作成します。

複数のユーザ・ファイルが異なる数の完全なフレームを生成する場合、ユーザ・ファイルは別々のサイクルで繰り返します。最大フレーム数を生成するユーザ・ファイルが繰り返すとき、ユーザ・ファイルはすべてリスタートします。例えば、ユーザ・ファイル#1はデータを完全に伝送するのに4フレーム必要で、ユーザ・ファイル#2は3フレームしか必要ありません。ユーザ・ファイル#2は3番目のフレーム後に繰り返して、ユーザ・ファイル#1が繰り返すとき再度繰り返します。これらのユーザ・ファイルが互いの整数倍の場合、両ユーザ・ファイルは連続的となり、ユーザ・ファイル#2は2フレーム後に繰り返します。

異なるタイム・スロットに対して複数のユーザ・ファイルを選択した場合

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フレーム伝送に対してユーザ・ファイルなしで、PN9またはPN15を選択した場合

ユーザ・ファイルを含まないで、PN9またはPN15を選択して、異なるタイムスロットを埋める場合、各PNシーケンスはハードウェアで生成され、それぞれの指定タイムスロットを埋めて、シーケンスが繰り返えされるとき、疑似ランダム・データの不連続部は発生しません。

フレーム伝送に対してユーザ・ファイルと一緒に選択したPNシーケンス

PNシーケンスを選択して、タイムスロットを埋めて、別のタイムスロットに対してユーザ・ファイルを選択した場合、PNシーケンスはファームウェア実装されます。注-PNシーケンスはユーザ・ファイルの役割を果たして、PN9はPN15とは別に処理されます。

選択したTDMAプロトコルに関係なく、ファームウェアで生成されたPN9シーケンスは連続的であるために、必ず511フレームが必要です。ユーザ・ファイルが511フレームより少なく生成する場合、ユーザ・ファイルは必要に応じて繰り返して、511フレーム分のデータ・フィールドを埋めます。ユーザ・フレームが511フレームより多く埋める場合、PN9は511番目のフレーム後に繰り返して、ユーザ・ファイルが繰り返すとき再度繰り返します。ユーザ・ファイルが511フレームの整数倍でない場合、ユーザ・ファイルかPN9のいずれかが不連続となります。

他のタイムスロットに対してユーザ・ファイルを選択したかどうかに関係なく、そして、選択したTDMAプロトコルに関係なく、PN15シーケンスはその長さのため必ず不連続となります。PN15シーケンスは、ちょうど等しい長さ(32,767ビット)のユーザ・ファイルとして振る舞います。

本書をご参照いただくことにより、データを生成し、Agilent ESG-Dにダウンロードして、ディジタル変調を行えるようになります。TDMAプロトコルに、または、特定の連続変調繰り返しビット・パターンに、ユーザ・ファイルをデータ・ソースとして適用することができます。最高のプロトコル柔軟性を達成するため、PRAMダウンロードを制御して、ユーザ定義プロトコルを生成できます。詳細については、Agilent ESG-Dのユーザーズ・ガイドとプログラミング・ガイドをご参照ください。

フレーム#1 フレーム#2 フレーム#3

フレーム#1 フレーム#2

フレーム#4 フレーム#1 フレーム#2

フレーム#3 フレーム#1

ユーザ・ファイル#2�リスタート�

フレーム#1 フレーム#2

ユーザ・ファイル#1�リスタート�

フレーム#3 フレーム#4

ユーザ・ファイル#1�リスタート�

フレーム#1 . . .

フレーム#3 フレーム#1 フレーム#1 . . .

ユーザ・ファイル#2�リスタート�

ユーザ・ファイル#2�リスタート�

ユーザ・ファイル#2�リスタート�

図5. 長さの異なるユーザ・ファイルの繰り返し

要約

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この情報は、原稿執筆時現在のものです。最新情報については、www.agilent.co.jp /find/tmにアクセスいただくか、お近くの計測お客様窓口にお問い合わせしてください。

GPIBインタフェース・カード

82341C 82340B 82335B

コントローラ PCベース PCベース PCベース

オペレーティング・ Windows 3.1/ Windows 3.1/ MS-DOS®、システム 95/NT® 95/NT Windows 3.1

I/Oライブラリ SICL/VISA SICL/VISA コマンド・ライブラリ/SICL

言語 C/C++、 C/C++、 C/C++、Pascal、Visual BASIC、 Visual BASIC、 BASIC for PC

HP VEE HP VEE (Visual BASICを含む)、HP VEE

バックプレーン ISA/EISA、 ISA/EISA、 ISA/EISA、16ビット 8ビット 8ビット

最大I/O 750 KB/秒 520 KB/秒 355 KB/秒

バッファ 内蔵 なし なし

HPワークステーションに使用できるGPIBインタフェース・カード

GPIBインタフェース・カード

E2071C E2070C

オペレーティング・システム HP-UX HP-UX

コントローラ HPシリーズ700 HPシリーズ700ワークステーション ワークステーション

I/Oライブラリ SICL/VISA SICL/VISA

言語 ANCI C、HP VEE、 ANSI C、HP VEE、HP BASIC HP BASIC

バックプレーン EISA EISA

最大I/O 750 KB/秒 230 KB/秒

バッファ 内蔵 なし

以下のGPIBケーブルを用意しています。

● 10833A - 1 メートル・ケーブル● 10833B - 2 メートル・ケーブル● 10833C - 4 メートル・ケーブル● 10833D - 5 メートル・ケーブル

付録A:PCやワークステーションに使用できるGPIBインタフェース・カード

Windows、Windows NTおよびMS-DOSは、Microsoft Corp.の米国登録商標です。

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SCPI(Standard Commands for Programmable Instruments)は、Agilent ESG信号発生器と通信するための言語です。SCPIをSICLやVISAと混同しないようご注意ください。SICLとVISAはGPIBを経由して通信するプログラムに使用される関数のI/Oライブラリです。SCPIは、Agilent ESG-D測定器自身と通信するのに使用する言語そのものです。

GPIB用 I/OライブラリSICL(Standard Instrument Control Library)とVISA(Virtual Instrument SoftwareArchitecture)は、GPIBインタフェース用I/Oアプリケーションを開発するのに使用するI/Oライブラリです。SICLはモジュール構造測定器通信ライブラリで、さまざまなコンピュータ・アーキテクチャ、I/Oインタフェースやオペレーティング・システムとともに動作します。このライブラリを使用して、C/C++またはVisualBASICで書かれたアプリケーションは、ソース・コード・レベルで、変更なしか、またはほんの少しの変更で、一方のシステムからもう一方に移植できます。VISAはI/Oライブラリで、VXI plug&play 標準に準拠したI/Oアプリケーションや測定器ドライバを開発するのに使用できます。VISAを使用して開発したアプリケーションや測定器ドライバは、VISA I/Oレイヤを持つVXI plug&playシステム・フレームワーク上で実行できます。

これらのライブラリのいずれかまたは両方が、GPIBインタフェース・カードに付属します。また、シリーズ700コントローラ(モデルE2091D)用SICL /VISAやPC(モデルE2094E)用SICL/VISAもご購入できます。SICLとVISAの詳細については、SICL/VISAソフトウェア・パッケージに付属するSICL User's GuideやVISAUser’s Guideをご参照ください。

SCPIコマンド以下のSCPIコマンドを使用して、ソースのディジタル変調のリモート・プログラミングに対してユーザ・ファイルをダウンロードします。

MMEM:DATA “filename”, #ABCfilename ファイル名A B内の数値の桁数で、BはC内のデータ量を指定しますB C内のデータのバイト数C ASCIIフォーマットで表したデータ(ASCII文字当たり8ビット)

例:以下のコマンドは10バイトのデータを“NEWDATAFILE2”というユーザ・ファイルにダウンロードします。

MMEM:DATA “NEWDATAFILE2”, #21012&A%4D789A = “2”;Bには2桁含まれることを指定します、この場合10B = “10”;Cには10バイトのデータが含まれることを指定しますC = “12&A%4D789”;Agilent ESG-DにダウンロードされるデータのASCII表記

注-ASCII文字はすべてが印刷できるわけではありません。実際には、10進値33~126に対応するASCII文字だけが印刷可能なキーボード文字です。上記の例は、簡単にするため慎重に選んだものです。どちらかといえば、8ビット・パターンに対応するASCII文字は印刷できません。したがって、ユーザ・ファイルのダウンロードやアップロードをするために書かれたプログラムは、ASCIIとシーケンスの表示可能な表記との間で正しく変換する必要があります。

付録B:ユーザ・ファイルをロードするSCPIコマンド

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以下のSCPIコマンドを使用して、ディジタル変調ユーザ・ファイルに問い合わせて、ASCIIデータ・バイトをファイルから返します。

MMEM:DATA? “filename”

例:以下の例は、ASCIIデータ・バイトを“NEWDATAFILE”から返します。

MMEM:DATA? “NEWDATAFILE”

データは、前述した同じ#ABCフォーマットで返されます。#12SA40789

例:以下の例はASCIIデータ・バイトを“NEWDATAFILE2”から返します

MMEM:DATA? “NEWDATAFILE2”

データは、前述した同じ#ABCフォーマットで返されます。#21012&A%4D789

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Agilent ESG-Dでメモリ・カタログを表示する方法

使用できるメモリや先在するファイルを決めるには、Agilent ESG-Dフロントパネルで以下のキー操作に従います。

変調に対してユーザ・ファイルを選択する方法

注-ユーザ・ファイルをダウンロードした後、Localボタンを押して、測定器をローカル・モードにします。

連続変調伝送でユーザ・ファイルをデータとして選択する手順

Pattern Repeat Contを選択した場合、データ・パターンは連続して繰り返されます。

ユーザ・ファイルを選択して、タイムスロットのデータ・フィールドを埋める手順

Frame Repeat Contを選択した場合、得られるフレームのセットが連続して繰り返されます。

付録C:Agilent ESG-Dにおけるユーザ・ファイルのアクセス

Utility

Binary

Memory CatalogCatalog Type

(All)

図6.

Data User File ファイルの�選択�

Mode 規格の選択�Data Format

Pattern FramedPattern

図7.

Configure Timeslot User File ファイルの�選択�

Mode 規格の選択�Data Format

Pattern FramedFramed

Timeslot Type(Normal)

図8.

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サンプル・プログラムについては、ESG-Dのユーザーズ・ガイドまたはプログラミング・ガイドのユーザ・ファイル・アプリケーション部分をご参照ください。

以下のVisual C++で書かれたプログラムからの抜粋は、VISA I/OライブラリやSICLコマンド言語の使用方法を示します。

// Downloads a User File to the ESG

void CUserfileDialog::DownloadFile()

{ViSession defaultRM, vi;/* Open session to GPIB device at address 22 */viOpenDefaultRM(&defaultRM);viOpen(defaultRM, “GPIB0::22::INSTR”, VI_NULL, VI_NULL, &vi);

/* Generate the command to download a 32 bit (4 byte) sequence*/char* WriteString = “MMEM:DATA “Userfile1”, #1412SA”;

int Length = strlen(WriteString);unsigned long BytesTransferred[1];

/* Write the command to the ESG. Userfile1 is downloaded */viWrite(vi, WriteString, Length, BytesTransferred);

/* Close session */viClose(vi);viClose(defaultRM);

}

付録D:サンプル・プログラム

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5966-1010J040001302-L/H