あらゆるデータからの迅速な洞察

テクニカル ホワイト ペーパー

公開日:2013 年 6 月

対象:SQL Server 2014 および SQL Server 2012

要約: 最新のビジネス インテリジェンス (BI) プラットフォームであっても、情報やデータのまったく新しいスコープ、スケール、多

様性に順応する必要があります。また、日々の情報探索や情報を中心としたコラボレーションのための新しい方法を継続

的に取り入れていく必要があります。Microsoft SQL Server は、Microsoft Office と Microsoft SharePoint の使いや

すいセルフサービス機能を BI ユーザーに提供しながら、堅牢なデータ管理機能で組織全体にわたって信頼性の高い一貫

したデータを維持するニーズを満たしています。Office と SharePoint 2013、および今後のリリースとの連携により、

Microsoft Excel は包括的で強力なセルフサービス型 BI ツールとして機能します。ビッグデータが広く浸透した結果、構造

化されているかどうかに関係なく、BI ユーザーは使用可能なすべてのデータからビジネス洞察を得る必要があります。このホ

ワイト ペーパーでは、現代のエンタープライズの BI プラットフォームに不可欠な要素として、ビッグ データを対象としたマイクロ

ソフトの機能についても説明します。

ページ 2

著作権

このドキュメントに記載されている情報は、このドキュメントの発行時点におけるマイクロソフトの見解を示すものです。変化

する市場状況に対応する必要があるため、このドキュメントは、記載された内容の実現に関するマイクロソフトの確約とは

みなされないものとします。また、発行以降に発表される情報の正確性に関して、マイクロソフトはいかなる保証もいたしま

せん。

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Windows、Windows Server は、Microsoft Corporation およびその関連会社の商標です。

その他のすべての商標は、それぞれの所有者に帰属します。

ページ 3

目次

変化を続けるデータ世界 ...................................................................................................................... 4

Microsoft SQL Server で実現する迅速な洞察 ................................................................................ 4

新しいビジネス インテリジェンス機能 ......................................................................................................6

Excel の迅速なデータ探索 ............................................................................................................................................... 6

Excel の Power View による魅力的な対話型の視覚化...................................................................................................... 6

表形式および多次元の両モデルに対する Power View サポート ........................................................................................ 7

Excel 用 Power Query (プロジェクト コード名 Data Explorer)........................................................................................... 8

Excel 用 Power Map (プロジェクト コード名 GeoFlow) ....................................................................................................... 9

PowerPivot によるセルフサービス型分析 (Excel で実行) ................................................................................................... 10

管理されたセルフサービス型 BI ........................................................................................................................................ 11

IT に関するガバナンスとコンプライアンス、洞察力、および監視............................................................................................. 11

セルフサービス型コンテンツ作成と IT 管理とのバランス ........................................................................................................ 13

SharePoint による管理の容易性 ............................................................................................................................................ 14

信頼性の高い一貫したデータ ......................................................................................................................................... 14

BI Semantic Model ................................................................................................................................................................... 14

エンタープライズ情報管理 (EIM) ..................................................................................................................................... 15

Data Quality Services .............................................................................................................................................................. 15

マスター データ サービス ............................................................................................................................................................... 16

SQL Server Integration Services ......................................................................................................................................... 16

ビッグ データ分析およびデータ ウェアハウス ...................................................................................................................... 16

膨大なデータ ウェアハウジング .................................................................................................................................................... 16

インメモリ テクノロジによる次世代のパフォーマンス .................................................................................................................. 17

マイクロソフトのビッグ データ ソリューション................................................................................................................................. 17

まとめ .................................................................................................................................................... 18

追加情報 ............................................................................................................................................. 19

ページ 4

変化を続けるデータ世界

ビジネスの方法が変化した結果、データの利用方法も変化しています。非構造化データやイメージ ファイルに加えて、セン

サー ネットワークなどの新しいソースからの情報に対するトランザクションは増加し、ビジネスで取り扱われる情報量もデータ

の種類も増加の一途をたどっています。今日のビジネスには、新しい問題が投げかけられています。ビジネスがオンラインに

移行するにつれて、まったく新しいデータ セットだけでなく、リアルタイムで対応しなければならない緊急性をもたらす新しい

チャネルが広く使用されるようになりました。現在、ビジネス上の洞察を得るために処理、管理、および分析する必要のある

情報の種類と形には、これまでにない新しいスコープ、スケール、そして多様性があります。

データは従来のデータ型を超えて拡散しています。Gartner によれば、世界中のデータの総量は年間 59% の割合で増加

しています。さらに、Gartner はその 70 ～ 85% は非構造化データだと推定しています1。構造化データから多様で構造化

されていない複雑なデータ型への急速な移行により、組織は複雑なデータの種類や従来とは異なるデータ ソース (ビッグ

データなど) をサポートするバックエンド ソリューションを必要としています。

方法や前提は変わりつつあります。Web で実現可能なあらゆること、そしてソーシャル メディアの出現により、今日のユー

ザーは、これまでとはまったく異なる新しい方法で情報の検索、共有、およびコラボレーションを行うようになりました。情報へ

のアクセス、他のユーザーとのコラボレーションや共同作業、そして他のユーザーの作業結果の活用において、ビジネス イン

テリジェンスも例外ではありません。

Microsoft SQL Server で実現する迅速な洞察

過去数年間のマイクロソフトのイノベーションは多くの実績を残してきました。Forrester Research は、セルフサービス型 BI

についての多くの記事の中でマイクロソフトを業界リーダーと認め、「ビジネス ユーザーは、セルフサービス型 BI に Microsoft

Excel を使用している」と断言しています2。

"迅速な洞察" とは、使い慣れた Microsoft Office 生産性スイートにより、組織の誰もがセルフサービス機能を活用して、

日々の情報探索および情報を中心としたコラボレーションを可能にすることです。また、リレーショナル ソースと非リレーショナ

ル ソースの区別なく、あらゆるサイズと種類のデータを管理するために必要なツールを IT 部門に提供してすべての使用可

能なデータを活用し、新しいビジネス洞察を可能にすることです。SQL Server は、以下の強化機能によって組織全体に

迅速な洞察を提供します。

1 出典: 「Information Management Goes 'Extreme': The Biggest Challenges for 21st-Century CIOs」(Mark

Beyer) Gartner Symposium Presentation、2011 年 10 月

2 出典: 「The Forrester Wave: Self-Service Business Intelligence Platforms, Q2 2012」Forrester Research

(http://www.forrester.com/home)

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Microsoft Excel による迅速なデータ探索: マイクロソフトは、使い慣れた生産性ツールである Microsoft Office と

Microsoft SharePoint によるセルフサービス機能をこれまで通り活用できるようにします。Excel で一般的な

PowerPivot アドインを SQL Server に提供することにより、マイクロソフトはあらゆるレベルのユーザーが実質的にあら

ゆるソースのデータに迅速にアクセスし、そのデータを Excel で分析およびモデル化して、SharePoint でコラボレーション

および共有できるようにします。マイクロソフトは、セルフサービス機能の一部として Power View も提供しています。

Power View は非常にインタラクティブなブラウザー ベースのツールで、データ探索や視覚化が容易です。マイクロソフ

トの管理されたセルフサービス型ビジネス インテリジェンスによって、以下の作業は Excel の PowerPivot と Power

View による日常的な作業として迅速な洞察を得る手段となります。

o あらゆるソースからのデータへのアクセスと統合

o 説得力のあるレポートや分析アプリケーションの作成

o 斬新な方法でのデータの視覚化と対話

o Excel と SharePoint の使い慣れたツールによる洞察の容易なコラボレーションと共有

管理されたセルフサービス型 BI: この機能は、エンドユーザーの作成したデータとコンテンツを管理および保護するため

に必要なツールを IT 部門に提供することを目的としています。マイクロソフトは、ユーザー生成のコンテンツを監視およ

び管理するため、またそのコンテンツを IT 部門が管理するエンタープライズ規模のソリューションに変換するための独自

のツールを通して、IT 管理者が必要とする洞察と監督の機能を提供します。組織は、コンプライアンス プロセスを簡素

化でき、しかもユーザーの俊敏性や独創性は損なわれません。もう 1 つの利点は、SharePoint 2013 によって、BI ソ

リューションに対するエンタープライズ規模の IT ガバナンスが可能になることです。

信頼性の高い一貫したデータ: データの種類とソースの数が増大した結果、ユーザーがアクセスするデータの信頼性と

一貫性を向上させることが組織にとってますます重要になります。Microsoft SQL Server は、統合されたエンタープラ

イズ情報管理 (EIM) ツールの完全なスイートを提供します。Data Quality Services は、IT プロフェッショナルがデータ

の品質を向上させるために役立ちます。また、Windows Azure Marketplace への接続に加えて、サードパーティの

参照データでデータをプロファイル、クレンジング、および照合するなどの独自の多くの機能を提供します。生産性の向

上およびマスター データのメンテナンスを目的とした新しい Excel アドインに加えて、これらのツールによってソリューション

開発時間が短縮され、容易な管理が可能になります。

ビッグ データ分析およびスケーラブルなデータ ウェアハウス:組織は、リレーショナル ソースと非リレーショナル ソースの

区別なく、使用可能なあらゆるデータのパワーを利用して、イノベーションおよび新しいビジネス チャンスにつながる新し

い洞察の種類を推進する必要があります。マイクロソフトのお客様は、最大の分析およびデータ ウェアハウス ソリュー

ションのいくつかで SQL Server の利点を実感しています。SQL Server の AlwaysOn によって完全なフォールト トレラ

ンスと障害回復が追加され、さらにインメモリ テクノロジによって次世代のパフォーマンスは 10 ～ 100 倍向上します。

SQL Server は非リレーショナルなデータ型を活用することを可能にしてデータ ウェアハウスに革新をもたらし、Hadoop

によるビッグ データ活用も実現します。

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新しいビジネス インテリジェンス機能

Excel の迅速なデータ探索

SQL Server 2014 のデータ探索機能は、ユーザーがあらゆるソースのデータにアクセスして、統合できるようにすることによっ

て強化されています。ユーザーは、説得力のあるレポートや分析アプリケーションを作成でき、使い慣れたツールを使用する

ことでコラボレーションと共有はさらに容易になります。ユーザーは、オンプレミス、シンジケート、または構造化されていない

データ ソースを含む広範なデータ ソースのデータを使用することで、対話型、表形式、グラフィカル形式、および自由形式

のレポートを作成できます。SQL Server には、プログラム可能な機能によるカスタマイズ機能もあります。

Excel の Power View による魅力的な対話型の視覚化

マイクロソフトは、ビジネス エグゼクティブからインフォメーション ワーカーまで、あらゆるタイプのユーザーに対し、非常にインタラ

クティブで応答性の高いデータ探索、視覚化、およびプレゼンテーション エクスペリエンスを Excel で提供することにより、セ

ルフサービス型レポート作成機能を実現します。誰でも、数秒でレポートを作成することや、シングル クリックでデータの "形

状" の変換、傾向や異常をすぐに識別できる強力な時限アニメーション シーケンスの追加、発見した洞察を基にリッチなプ

レゼンテーションで説得力のある事例の作成を行うことができます (図 1)。

図 1:Microsoft Excel の Power View

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Excel の Power View には次のような利点があります。

ビジュアル デザイン エクスペリエンス:ユーザーは、Microsoft Office の使い慣れた外観を備えた完全に対話型の

Web ベースのオーサリング環境で情報にアクセスし、分析できます。ユーザーはさまざまな表、グラフ、ビューでデータを

作成、操作して、目的に最も適した形でデータを視覚化できます。

データのフィルタリングとハイライト:Power View は基盤となる BI Semantic Model (BISM) によって異なるテーブル

間のリレーションシップを識別できるので、ユーザーはデータを操作して洞察を得ることが容易になります。この一般的な

メタデータ レイヤーから、ユーザーはさまざまな視覚化フィルターを適用し、レポート全体の機能をハイライトできます

(BISM の詳細については、後述の「SQL Server 2014 では、Reporting Services 用の SharePoint 統合プラット

フォーム、および Power View などのセルフサービス型 BI 機能を提供できます。これらの機能は、Reporting

Services の管理と構成を SharePoint サーバーの全体管理ポータルと PowerShell スクリプトに統合することにより、

SharePoint 管理者の TCO 削減に役立ちます。IT プロフェッショナルは、シングル スイッチを使用することで組織内の

すべてのインフォメーション ワーカーのためにレポート機能を有効にでき、他の SharePoint 機能のように管理できま

す。

」を参照してください)。

プレゼンテーション対応:Power View を使用すると、ユーザーは迅速かつ容易に情報を共有し、実質的にいつでも

表示し、データを提示させることができ、別のプラットフォームでプレビューする必要がありません。ユーザーがレポートを

SharePoint Excel Services に公開すると、他のユーザーはその情報を容易に表示し、操作できるようになります。

パフォーマンス:時間とリソースの節約のため、Power View はいつでも視覚化に必要なデータのみを取得します。

視覚化の強化:レポート スタイルとテーマ、背景と背景画像、ハイパーリンク、円グラフ、マップのサポート、主要業績評

価指標などのフォーマットがあります。

表形式および多次元の両モデルに対する Power View サポート

SQL Server Analysis Services の Power View サポートを使用すると、組織は既存の BI 投資を最大限に活用しなが

ら、表形式および多次元の両 BISM による柔軟なモデル化を含む最新の BI エンド ユーザー ツールをユーザーに提供でき

ます。ユーザーは、表とマトリックスからバブル チャート、両方のモデル タイプに基づく小さな複数のグラフ セットへのさまざまな

視覚化をすばやく実現できます(図 2)。

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図 2:Power View での多次元 BISM キューブの視覚化

Excel 用 Power Query (プロジェクト コード名 Data Explorer)

"Power Query” は Excel アドインで、データ探索とアクセスを簡略化することにより Excel のセルフサービス型ビジネス イン

テリジェンス エクスペリエンスを強化したものです。このプレビューでは、リリース予定の機能の初期表示が示されます。ユー

ザーは、データの探索、組み合わせ、Excel での高度な分析用の再処理を容易に行うことができます。"Power Query" で

は、次の処理を行うことができます。

外部ソース (リレーショナル データベース、Excel、テキスト、XML ファイル、OData フィード、Web ページ、Hadoop 分

散ファイル システムなど) のデータの識別とインポート。

データ検索機能を使用した関連データの探索。

Excel や PowerPivot などのツールでの詳細な分析を目的とした異なるデータ ソースからのデータの結合およびデータ

の変換 (図 3)。

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図 3:" Power Query の分析とクエリ編集

Excel 用 Power Map (プロジェクト コード名 GeoFlow)

" Power Map ” により、ユーザーは地理と時間に関するデータをプロットして視覚化し、データを 3 次元 (3D) 的に処理

し、対話型ツアーを作成して他のユーザーと共有することが可能になります (図 4)。" Power Map " では、次の処理を行

うことができます。

データのマッピング: Excel データ モデルや PowerPivot を含む Excel ブックの 100 万行以上のデータを Microsoft

Bing の 3 次元マップにプロットします。列、ヒートマップ、およびバブルでの視覚化が可能です。

新しい洞察の探索: 地理空間でデータを表示し、タイムスタンプのあるデータの経時変化を観察します。数クリックで

注釈をつけることやデータの比較を行うことができます。

ストーリーの共有: シーンをキャプチャし、広範囲に共有できる映画風のガイド ツアーを作成して興味深い方法でユー

ザーを引き付けます。

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図 4:チケット販売などの地理空間データから " Power Map “ で洞察を取得

PowerPivot によるセルフサービス型分析 (Excel で実行)

SQL Server 2014 では、実質的にあらゆるデータ ソースにアクセスしてデータを統合し、説得力のあるセルフサービス型レ

ポートや分析アプリケーションを作成できます (図 5)。これらのレポートは Excel Services に公開し、強化されたコラボレー

ション機能によって組織全体で容易に共有できます。IT 部門は、SharePoint サーバーの全体管理コンソールで使用可

能な PowerPivot 管理ダッシュボードでの完全な監視をとおして、これらのソリューションを管理できます。この管理コンソー

ルでは、管理者がユーザーの独創性を損なうことなくデータを管理および保護できます。

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図 5:PowerPivot による Excel ブック内のデータの分析

PowerPivot は Excel に統合されているだけではなく、主要業績評価指標 (KPI) などの高度な分析機能、高度なソー

ト、パースペクティブ、階層、および高度なビジネス ロジックも提供します。また、拡張された Data Analysis Expressions

(DAX) 機能も含まれているので、エンド ユーザーは Excel に似た機能を含む高度な分析ソリューションを構築できます。

PowerPivot の使用に加えて、ユーザーは Excel のフラッシュ フィルでのデータのクリーンアップと整形によって Excel での分

析をすばやく行うことができます。また、クイック分析を使用したデータのプレビューにより、条件付き書式設定を適用して

表、グラフ、ピボットテーブルを作成することや、クイック調査を使用して多次元および表形式のデータ モデルをナビゲートし、ト

レンド グラフを作成して情報の経時変化を分析することができます。

管理されたセルフサービス型 BI

IT に関するガバナンスとコンプライアンス、洞察力、および監視

ユーザーが SharePoint 2013 で作成したスプレッドシートの探索と評価を有効にすること、および Excel 2013 の Inquire

によるスプレッドシートの比較、系列の追跡、対話型診断の実施、分析レポートの配信を行うことにより、組織はガバナン

スとコンプライアンスを強化し、ビジネス クリティカルな Excel 資産を容易に追跡できます (図 6)。

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図 6:Excel の Inquire による Excel ブックの分析

SharePoint サーバーの全体管理コンソールの一部として使用可能な PowerPivot 管理ダッシュボード (図 7) は、IT 部

門がデータやブックの使用状況を監視し、サーバーからパフォーマンス メトリックを収集するために役立ちます。この診断情

報から IT 管理者は組織全体でのデータの使用方法を視覚的に把握することができるので、使用パターンについての理解

を深め、最適な結果を得るために時間とリソースをどこに費やすかを判断できます。

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図 7:PowerPivot 管理ダッシュボードによるデータ、使用状況、およびメトリックの監視

セルフサービス型コンテンツ作成と IT 管理とのバランス

SQL Server 2014 は PowerPivot モデルを Analysis Services に直接インポートする機能 (図 8) を備えているので、エン

ド ユーザーが作成するセルフサービス型コンテンツと IT 部門が管理する企業ソリューションの間のギャップを補完します。IT

プロフェッショナルは PowerPivot 管理ダッシュボードから関心のあるブックを識別し、ユーザーのためにこれらのブックを積極

的に管理できます。このレベルの管理は、Microsoft Visual Studio 内のプロフェッショナル BI 管理ツールで使用可能な

拡張機能によって実現されます。IT プロフェッショナルはロール ベース セキュリティおよびその他の必要な拡張機能を追加

し、そのモデルをユーザー コミュニティに戻して展開します。

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図 8:Visual Studio 内での PowerPivot からのエンド ユーザー コンテンツのインポート

SharePoint による管理の容易性

SQL Server 2014 では、Reporting Services 用の SharePoint 統合プラットフォーム、および Power View などのセルフ

サービス型 BI 機能を提供できます。これらの機能は、Reporting Services の管理と構成を SharePoint サーバーの全体

管理ポータルと PowerShell スクリプトに統合することにより、SharePoint 管理者の TCO 削減に役立ちます。IT プロフェッ

ショナルは、シングル スイッチを使用することで組織内のすべてのインフォメーション ワーカーのためにレポート機能を有効にで

き、他の SharePoint 機能のように管理できます。

信頼性の高い一貫したデータ

BI Semantic Model

SQL Server 2014 は BI Semantic Model (BISM) を採用しています (図 9)。ビジネス インテリジェンス ソリューションを構

築する複数の方法をユーザーに提供するこの単一モデルには以下が含まれます。

SQL Server Analysis Services を BI スペシャリストにとって不可欠なものにする強力なオンライン分析処理 (OLAP)

テクノロジの継続的なサポート。

IT プロフェッショナルと開発者が行と列のデータ処理で使い慣れたツール。

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個人、チーム、企業の各コンテキストに広がる BI ソリューション範囲のサポート。

図 9:BI Semantic Model

BISM を使用すると、組織は小規模な個人用 BI ソリューションから最大規模の組織 BI ニーズまでさまざまな規模に拡張

できます。BISM は、レポート、分析、スコアカード、ダッシュボード、カスタム アプリケーションなど、あらゆるエンド ユーザー エ

クスペリエンスを網羅する 1 つのモデルで、柔軟なモデル エクスペリエンス、高度なビジネス ロジックを構築するための豊富

な機能、最も要求の厳しいエンタープライズ ニーズを満たすスケーラビリティを開発者に提供します。

エンタープライズ情報管理 (EIM)

Data Quality Services

Data Quality Services (DQS) は、組織でエンド ツー エンドのデータ管理を完成させるために役立ちます。DQS は、デー

タ スチュワードがデータ品質トピックのナレッジ ベースを作成および維持するためのナレッジ ドリブンのツールを提供します。こ

れらのトピックは、組織データの品質を改善してデータ管理を容易にするために役立ちます。特に、組織的なナレッジを使

用してデータをプロファイル、クレンジング、および照合することによってデータの品質を向上させることができます。データ ス

チュワードは Data Quality Services をスタンドアロン ツールとして実行することや SQL Server Integration Services と統

合することができます。SQL Server を使用すると、顧客はサードパーティ データのソースとして Windows Azure

Marketplace DataMarket にアクセスし、データ品質プロジェクトのデータを検証およびクレンジングできます。

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マスター データ サービス

マスター データ サービス (MDS) を使用すると、組織はデータ統合処理で使用するマスター データ構造 (オブジェクト マッピ

ング、参照データ、次元、階層) を容易に管理できます。エンティティ ベースのステージング機能を使用すると、データベース

管理者 (DBA) はエンティティのすべてのメンバーと属性値を同時に読み込むことができます。さらに、マスター データ マネー

ジャー Web アプリケーションのエクスプローラーと統合管理機能は、Microsoft Silverlight ブラウザー開発ツールに基づく

新しい外観に更新されています。DBA はメンバーを迅速に追加または削除することや、容易に階層に移動することができ

ます。

Excel 用の MDS アドインによってデータ管理はユーザーに解放され、インフォメーション ワーカーが直接 Excel でデータ管理

アプリケーションを構築できます。インフォメーション ワーカーは、このアドインを使用して、MDS データベースからフィルター処

理済みのデータ セットを読み込み、データを Excel で操作し、変更を MDS データベースに公開して戻すことができます。

管理者はアドインで新しいエンティティと属性を作成することもできます。

SQL Server Integration Services

SQL Server Integration Services は、データ統合に関する障壁を取り除くために役立ちます。Integration Services を

使用すると、あらゆる規模の組織において、これまで以上に効率的な企業情報の管理、生産性の向上、および処理の合

理化が容易になります。SQL Server Integration Services の包括的なサポートは、ミッション クリティカルなアプリケーショ

ンとしてデータ統合機能を実行するために役立ちます。これには、ETL (抽出、変換、および読み込み) タスクの展開、管理

用の豊富な DBA および IT 担当者向けサポートが含まれます。SQL Server には、管理および他の機能を別の SQL

Server インスタンスとして実行できる機能も含まれます。

ビッグ データ分析およびデータ ウェアハウス

SQL Server 2014 は分析およびデータ ウェアハウス ソリューションに対するエンタープライズ規模のニーズに対応し、

AlwaysOn による完全なフォールト トレランスと障害回復の提供による 99.9% のアップタイムを実現します。

膨大なデータ ウェアハウジング

マイクロソフトは、従来のデータ ウェアハウスでデータの保管と分析を行うための堅牢でスケーラブルなプラットフォームを提供

するデータ ウェアハウス ソリューション ファミリ (SQL Server、SQL Server Fast Track Data Warehouse、および SQL

Server Parallel Data Warehouse) を介して、組織がビッグ データという課題に取り組むために役立つ広範なソリューショ

ンを提供しています。SQL Server 2014 は、リモート BLOB ストレージなどの拡張機能、および大規模なスライディング ウィ

ンドウ シナリオをサポートする 15,000 パーティションまで拡張されるパーティション テーブルを提供します ("スライディング ウィ

ンドウ シナリオ" では、最新データが格納される新しいパーティションの追加と最古データが含まれるパーティションの削除に

より、時間が経過してもパーティションの数が同じになるようにパーティション テーブルが効果的に管理されます)。また、SQL

Server 2014 は非常に大きなワークロードおよび統合シナリオでも高パフォーマンスを実現できるように 640 もの論理コア

用にサポートを増強しています。

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インメモリ テクノロジによる次世代のパフォーマンス

インメモリ テクノロジにより、Microsoft SQL Server 2014 は分析とデータ ウェアハウスの世代を飛び越え、10 ～ 100 倍と

いうパフォーマンス向上を実現しています。一般的な業界ハードウェアでの 1 秒あたり数百億行のスキャン速度により、イン

メモリ ColumnStore はかつてない量のデータと実質的に思考速度で対話し探索できる機能をユーザーに提供します。

マイクロソフトのビッグ データ ソリューション

マイクロソフトのビッグ データ戦略では、従来のデータ プラットフォームの外に存在し始めたアンビエント データを有効化する

ために Hadoop が採用されています。Hadoop は MapReduce 並列コンピューティング エンジンおよび環境のオープン

ソース実装で、エンタープライズ データ セットの最大サイズさえ超えるデータ ストリームの処理に使用されます。データがセン

サー、クリックストリーム、ソーシャル メディア、地理的な場所からのものか、大量に生成または収集されたものかに関係な

く、Hadoop がその処理と分析を担います。

マイクロソフトは Hadoop のエンタープライズ規模の実装 (ディストリビューション) を提供しています。これは、Windows

Server と Windows Azure では HDInsight と呼ばれ、SQL Server、Active Directory、Microsoft System Center と

統合されて使いやすさ、効率、コスト効果が大幅に向上し、組織はビッグ データのもたらす可能性を十分に活用できるよう

になります。HDInsight はマイクロソフトのサポートする Hadoop ディストリビューションで、Apache と 100% の互換性があ

ります。HDInsight は、広範に使用されるビジネス インテリジェンス ツールに接続しながら、これまで手付かずだった非構造

化データへの新しい洞察によって組織を活性化します。

マイクロソフトのビッグ データ ソリューションでは、Twitter や Facebook などのソーシャル メディア サイトおよび Windows

Azure Marketplace の数百の信頼できるデータ プロバイダから公開されているデータで分析を増強できます。Azure

Marketplace には、組織が新しいビジネス洞察を明らかにするために役立つアプリケーションとデータ マイニング アルゴリズ

ムも公開されています。

マイクロソフトのビッグ データ戦略全体を補完するため、PolyBase は画期的なテクノロジを SQL Server 並列データ ウェア

ハウスのデータ処理エンジンに提供しています。PolyBase は非リレーショナル データと従来のリレーショナル データを分析の

ために結合する簡単な方法として設計されています。通常はデータ ウェアハウスへの Hadoop データの事前設定は IT の

仕事となり、また MapReduce での非リレーショナル データのクエリのために広範囲のトレーニングが必要になるのに対し、

PolyBase はこれらの作業をシームレスに処理し、ユーザーは容易にビッグ データがもたらす利点を活用できます。

また、PowerPivot、Power View、およびエンタープライズ データ ウェアハウス ツールとの緊密な統合により、マイクロソフト

のビッグ データ ソリューションは組織が毎日使用するツールによって組織の構造化データと非構造化データのすべてに深い

洞察を提供します。

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まとめ

組織は急増する情報量と新しいデータの種類に対応するという課題に直面しています。急成長するデータに取り組むに

は、情報やデータのスケールと多様性の増大に対応するために役立つビジネス インテリジェンス ソリューションが必要です。

同時に、エンド ユーザーが使いやすいツールによってビジネス洞察を取得して共有することを可能にする必要があります。

Microsoft SQL Server は、Microsoft Office と Microsoft SharePoint のエンド ユーザー向けセルフサービス機能およ

び組織全体にわたる信頼性の高い一貫したデータを維持するためのツールによってユーザー主体の BI とデータ管理機能

のバランスを取ります。Office 2013 と SharePoint 2013 との連携により、Excel 2013 は包括的で強力なセルフサービス

型 BI になります。

Excel の Power View と PowerPivot は、非常にインタラクティブで、データの探索、視覚化、プレゼンテーションの機能を

提供するユーザー エクスペリエンスを介して強力なセルフサービス型レポート機能をすべてのユーザーに提供します。インメモ

リ テクノロジは、エンド ユーザーが数 10 億行のデータをすぐに分析することを可能にします。さらに SQL Server 2014 では

PowerPivot が強化されていて、さらに高度な分析機能を提供し、エンド ユーザーが使い慣れた Excel 機能を使用して

高度な分析ソリューションを構築できます。また、ユーザーは、フラッシュ フィル、クイック分析、およびクイック調査を使用して

Excel の分析をスピードアップできます。

SQL Server は管理されたセルフサービス型 BI の機能を提供するので、IT 部門はエンド ユーザーに強力な BI 機能を提

供しながら、PowerPivot IT 管理ダッシュボードでコンテンツの監視と管理のニーズおよび洞察と監督の強化とのバランス

を取ることができます。PowerPivot モデルは Analysis Services にインポートできるので、SQL Server はエンド ユーザーの

作成する BI アプリケーションと IT が管理する企業ソリューションとの隔たりをなくすことができます。SQL Server では

SharePoint との統合も強化され、管理が容易になります。

SQL Server 2014 は、データを信頼性の高い一貫したものにするためのツールを組織に提供します。新しい BI Semantic

Model はすべてのエンド ユーザー エクスペリエンスに対してシングル モデルを提供し、組織は、小規模な個人用 BI ソ

リューションから最大規模の組織 BI ニーズまで規模を拡張できます。Data Quality Services は、組織はデータ品質トピッ

クのナレッジ ベースを作成および維持するために役立ちます。マスター データ サービスは、マスター データ構造の容易な管

理を実現します。SQL Server Integration Services の機能強化およびサーバーとしての SQL Server Integration

Services は、組織の情報管理作業の効率を高め、生産性を向上させるのに役立ちます。

最後に、マイクロソフトは今後もビッグ データ分析およびデータ ウェアハウスに尽力していきます。マイクロソフトの広範なデー

タ ウェアハウス製品およびサービスは、従来の環境にあるデータの保存と分析を目的とした堅牢でスケーラブルなソリューショ

ンを提供します。現在、マイクロソフトは、実質的にあらゆるデータからのビジネス洞察をすべてのユーザーに提供するための

構想の一環として Apache Hadoop (HDInsight) を採用しています。使い慣れたマイクロソフト ツールを活用し、既存の

Hadoop ツール (Pig や Hive など) と Java で互換性を維持することにより、新しい Hadoop ベースの Windows 向け

ディストリビューションでは、取得、インストール、および構成の簡素化されたエクスペリエンスを IT プロフェッショナルに提供し

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ます。この新しいディストリビューションは、組織が Hadoop の豊富な洞察をマイクロソフト ビジネス インテリジェンス プラット

フォームとシームレスに組み合わせ、さまざまなユーザーがあらゆるデータからビジネス洞察を引き出すことを可能にします。

追加情報

このホワイト ペーパーに記載されているトピックに関する追加情報については、以下の Web サイトを参照してください。

http://www.microsoft.com/ja-jp/sqlserver/: SQL Server Web サイト

http://www.microsoft.com/en-us/bi/default.aspx: マイクロソフト ビジネス インテリジェンス Web サイト (英

語)

http://www.microsoft.com/bigdata/: マイクロソフトのビッグ データ ソリューション (英語)

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