アスベスト除去工法と...

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一般社団法人JATI協会 2020年2月6日 一般社団法人 JATI協会 土屋 新潟県アスベスト対策技術研修会 アスベスト除去工法と 飛散防止対策について 1 一般社団法人JATI協会 目次 1.石綿と石綿含有製品 1-1.各レベルについて 1-2.各レベル建材の使用例 2.石綿含有建材の処理工事 2-1.各レベル共通事項 2-2.レベル1製品の除去作業 2-3.レベル2製品の除去作業 2-4.レベル3製品の除去作業 2-5.その他の処理作業 2-6.建築用仕上塗材の除去作業 3.各除去作業における飛散防止対策について 3-1.工事エリア事前調査 3-2.漏えい管理 3-3.工事中の飛散防止対策 2

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2020年2月6日一般社団法人 JATI協会

土屋 浩

新潟県アスベスト対策技術研修会

アスベスト除去工法と飛散防止対策について

1

一般社団法人JATI協会

目 次

1.石綿と石綿含有製品1-1.各レベルについて1-2.各レベル建材の使用例

2.石綿含有建材の処理工事2-1.各レベル共通事項2-2.レベル1製品の除去作業2-3.レベル2製品の除去作業2-4.レベル3製品の除去作業2-5.その他の処理作業2-6.建築用仕上塗材の除去作業

3.各除去作業における飛散防止対策について3-1.工事エリア事前調査3-2.漏えい管理3-3.工事中の飛散防止対策

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n130347
資料No.3
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1.石綿と石綿含有建材

☆石綿とは?・繊維状を呈しているアクチノライト、アモサイト、アンソフィライト、

クリソタイル、クロシドライト及びトレモライト《厚生労働省 平成18年基発第0811002号》

…6種類の石綿があることは、少なくとも1950年代からは知られている。

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☆石綿の外観

左上:クリソタイル上 :アモサイト左 :クロシドライト

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1.石綿と石綿含有製品

☆石綿とは?・繊維状を呈しているアクチノライト、アモサイト、アンソフィライト、

クリソタイル、クロシドライト及びトレモライト《厚生労働省 平成18年基発第0811002号》

…6種類の石綿があることは、少なくとも1950年代からは知られている。

☆石綿含有製品とは?・石綿を0.1重量%を超えて含有する製品

《労働安全衛生法施行令第6条第23号》…過去には、1重量%、5重量%を超えて含有する製品とする

時期もあった。⇒製造時は石綿含有製品ではなかったが、現在では石綿含有

製品に該当する場合もあることに注意!

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石綿含有建材の種類(1) 吹付け石綿(石綿含有吹付け材)…レベル1

・吹付け石綿・石綿含有吹付けロックウール(乾式・湿式)・石綿含有吹付けバーミキュライト・石綿含有吹付けパーライト

(2) 石綿含有耐火被覆材(吹付け石綿を除く)…レベル2・石綿含有耐火被覆板・石綿含有けい酸カルシウム板第二種

(3) 石綿含有断熱材(吹付け石綿を除く)…レベル2・石綿含有屋根用折板断熱材・石綿含有煙突断熱材

(4) 石綿含有保温材(吹付け石綿を除く)…レベル2・石綿保温材・石綿含有けいそう土保温材・石綿含有バーミキュライト保温材・石綿含有けい酸カルシウム保温材・石綿含有不定形保温材(石綿含有水練り保温材)

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(5) 石綿含有成形板の例…レベル3・石綿含有スレート波板・石綿含有スレートボード

…石綿含有製品は、フレキシブル板、平板、軟質板及び軟質フレキシブル板の4種類-外観による識別は困難

・石綿含有けい酸カルシウム板第一種・石綿含有パルプセメント板・石綿含有スラグせっこう板・石綿含有せっこうボード(石膏ボード)・石綿含有ロックウール吸音化粧板(岩綿吸音板)・石綿含有住宅屋根用化粧スレート・石綿含有窯業系サイディング・石綿含有押出成形セメント板・石綿含有ビニル床タイル・石綿含有ソフト巾木・石綿含有フリーアクセスフロア材・石綿含有セメント円筒・石綿含有耐火二層管(トミジ管)

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(6) その他(吹付け材・保温材等・成形板・仕上塗材以外)の例・石綿含有接着剤・石綿含有壁紙・石綿含有ジョイントシート・石綿紡織品(石綿布、石綿リボン、石綿糸及びその加工品)・石綿含有塗料・石綿含有パテ

【参考】 建築用仕上塗材の種類と通称例(JIS A 6909:2014 より)・薄付け仕上塗材…セメントリシン、樹脂リシン等・厚付け仕上塗材…セメントスタッコ、樹脂スタッコ等・軽量骨材仕上塗材…パーライト吹付、ひる石吹付け・複層仕上塗材…セメント系吹付けタイル、水系エポキシタイル等・可とう形改修用仕上塗材

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石綿含有建材の材料レベル一覧表

(石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル[2.20版]から引用

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1-1.各レベルについて

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レベルとは?・石綿則では、「レベル」という用語は使用していない。・石綿含有製品の密度等を勘案してレベル分けをした*)が、解体等における石綿粉じんの飛散は、製品のレベルだけでは決まらない。⇒解体方法、劣化状況、石綿含有量などの影響がある。

*建設業労働災害防止協会「建築物の解体等工事における石綿粉じんへのばく露防止マニュアル」

レベル 製品の種類 処理時の発じん性

レベル1 石綿含有吹付け材 著しく高い

レベル2石綿含有保温材・

断熱材・耐火被覆材高い

レベル3その他の石綿含有建材

(成形板等)比較的低い

解体の方法、劣化状況等によっては、発じん量が増加

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【参考】 材料(製品)レベルについて(石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル[2.20版]を参照)

・レベルの分類は建築物等の解体等の作業における石綿粉じんの発じん性等を考慮したもの。・発じん性に影響する因子は多数ある。①製品の種類等

密度(かさ密度も含む)の軽重、石綿の種類、石綿含有率 等②施工後の劣化状況

施工時の状態(現場施工かどうか)、石綿以外の原料の種類、使用部位の環境状況(温度、湿度、気流等)等

⇒これらの因子が複雑に絡み合っているので、同じレベルの石綿含有材料でも、発じん性が異なることがある。さらに、建築物等の解体等における作業方法(手ばらしか、機械によるか等) も、発じん性に影響を与える。

石綿含有製品を取り扱う作業では、発じん性の目安としてレベルを参照しつつも、劣化状況のほか、作業方法といった因子等を十分に考慮する必要がある。

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各法令等による製品の分類のまとめ

石綿則 大防法 廃掃法2) 建基法

吹付け石綿石綿含有吹付けロックウール(乾式・半乾式・湿式)

レベル11)

特定建築材料

廃石綿等

対象

石綿含有吹付けバーミキュライト石綿含有吹付けパーライト

レベル1

- 4)

石綿含有保温材・断熱材・耐火被覆板

レベル2

その他の石綿含有建材(成形板等)

レベル3

- 4) 石綿含有産業廃棄物石綿含有シール材等

レベル外 3)

1) 「レベル1」等の用語は「建災防マニュアル」 の用語

2) 建築物等から除去等した場合3) レベル外とは、レベル1,2,3に規定されていない製品4) 「-」は、法の適用外 12

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1-2.各レベル建材の使用例

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☆石綿含有吹付け材

鉄骨造の梁・柱に吹付けた例

垂れ下がりがひどい ⇒

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1-2.各レベル建材の使用例

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☆石綿含有吹付け材

階段の天井(吸音)…塗装をした例

機械室の壁・天井(吸音)

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☆石綿含有吹付け材

折版屋根の裏面に吹き付けた例(断熱)

温泉の浴室天井に吹き付けた例(断熱・結露防止)

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☆石綿含有耐火被覆材

ニチアス株式会社 カタログより転載

けい酸カルシウム板第二種を耐火被覆として施工した例(この製品は無石綿)

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☆石綿含有耐火被覆材

けい酸カルシウム板第二種を防火区画ケーブル貫通部(床)に使用した例*パテ材も石綿含有の場合あり

古河電工株式会社 カタログより転載

D 18

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☆石綿含有断熱材

屋根用折版裏断熱材の施工例

煙突断熱材の施工例

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☆石綿含有保温材

けい酸カルシウム保温材及び水練り保温材を配管の保温に使用した例(カバー)

水練り保温材

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☆石綿含有保温材

配管の保温に使用された例(ヘッダー内部のため見えない)

ボイラーに使用された例(金属製カバーにより、保温材は見えない)

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☆石綿含有成形板の使用例

*ビル内装…石綿含有建材が使用されている可能性・天井:石膏ボード、けい酸カルシウム板第一種

ロックウール吸音天井板 等・壁 :石膏ボード、けい酸カルシウム板第一種

スレートボード 等・巾木:ソフト巾木(一般名)・床 :ビニル床タイル 等・ドア :防火ドアの部材 等

ビル内装(イメージ)

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☆石綿含有成形板の使用例

*一般住宅外装・軒天…けい酸カルシウム板第一種、スレートボード 等・外壁…窯業系サイディング、スレートボード

一般住宅外装(イメージ)

D 23

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☆石綿含有成形板の使用例

*キッチン・壁………けい酸カルシウム板第一種、スレートボード 等

(化粧板、タイル貼りの下地材)・吊戸棚…けい酸カルシウム板第一種 等

*風呂場・壁……スレートボード 等

(化粧板、タイル貼りの下地材)

・天井…スレートボード

キッチン(イメージ)D 24

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☆石綿含有成形板の使用例

*一般住宅屋根・住宅屋根用化粧スレート

S 25

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☆石綿含有成形板の使用例

*ベランダの隔て板 *トイレブース・フレキシブル板 ・フレキシブル板(化粧板)けい酸カルシウム板第一種

S 26

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☆石綿含有成形板の使用例

*駅・フレキシブル板(化粧板)

*トンネル・フレキシブル板(化粧板)

S 27

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☆建築用仕上塗材の使用例

☆外装

出典:日本建築仕上材工業会ホームページ

S 28

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• 施工者に事前調査を義務付け(大防法では元請)

• 全ての石綿含有建材(レベル1~3)を調査、結果を記録・調査者:石綿に関し一定の知見を有し、的確に判断できる者

建築物石綿含有建材調査者(19年4月より3省共管制度に)

石綿作業主任者、日本アスベスト調査診断協会登録者

・不明なものは分析を義務付け(吹付け以外は、分析を略して

みなし措置でも可)

・図面と異なる場合が多い⇒現地確認必須

・隠ぺい部分も見落としの無いように

・調査結果の掲示

・調査結果も40年保存

① 事前調査

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2.石綿含有建材の処理工事

2-1.各レベル共通事項

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② 作業計画の作成と周知

• 記載項目

・作業方法・飛散抑制措置・ばく露防止措置

・周辺環境への対応・廃棄物処理

• 類似作業での作業環境測定結果を参考に 管理計画を策定(保護具の選定等)

• 施工中に、事前調査で把握していなかった石綿含有建材が発見された場合、都度作業計画の見直しを行う

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② 作業計画の作成と周知

発 注 者

元請業者・統括安全衛生責任者・監理技術者又は主任技術者

アスベスト除去業者

・主任技術者・石綿作業主任者

産業廃棄物処理業者(運搬)

産業廃棄物処理業者(処分)

環境測定機関

・廃棄物処理法で産業廃棄物処理委託は元請業者に義務付け・環境測定機関の委託は法的規制はないが、元請によっては直

接委託することもある31

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③解体等の作業における法届出一覧

レベル 1 レベル 2 3 期日

安衛法(工事計画届)

耐火・準耐火建築物の吹付け除去

不要 14日前まで

石綿則

(作業届)

上記以外の建築物・工作物の吹付け除去・封じ込め・囲い込み

建築物・工作物の除去・封じ込め・囲い込み作業

不要 施工開始前まで

大防法

(特定粉じん排出等作業実施届)

建築物・工作物の吹付け・保温材・断熱材・耐火被覆材の除去・封じ込め・囲い込み

不要 14日前まで

発注者による届け出(14.6~)

*1) 作業届と計画届双方の対象となる場合は、計画届に作業届の内容も含めればよい。

*2) 自治体によっては、条例上の届出義務もあるので留意する。32

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レ ベ ル 1 レ ベ ル 2 レ ベ ル 3 石 綿 な し

石綿則

事前調査結果

石綿ありの掲示(石綿則) 石綿無の掲示

作業方法等

行政指導(部長通知) 同左 同左

大防法

事前調査結果

特定工事該当の掲示(法第18条の17)

特定工事該当なしの掲示(法第18条の17)

作業方法等

掲示(規則第16条の4/作業基準)

④表示・掲示(事前調査結果・作業内容)

赤字が改正部分

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(一社)日本建設業連合会モデル様式【レベル1、2(石綿届出対象)】

④掲示看板の例

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(一社)日本建設業連合会モデル様式【レベル3及び石綿未使用】

④掲示看板の例

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④ 作業員向け掲示(石綿則)

・石綿取扱い・立入禁止・喫煙/飲食禁止・作業主任者の職務・事前調査の結果

近隣向けにも掲示することが望ましい

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(参考)大防法における特定工事(※)の手順例

発 注 者 元 請 業 者

仮工事請負契約(除去等工事の費用別途)

事前調査情報提供

発注者への説明特定粉じん排出等作業届出(作業開始の14日前まで)

特定粉じん排出等作業の開始

除去等工事の詳細見積もり

本工事請負契約または精算変更契約(除去等工事の適正額計上)

赤字:法改正部分(2014.6~)

事前調査結果の掲示

解体等工事の着工

※特定粉じん排出等作業を伴う工事

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⑤ 資格者の設置・教育・健康診断

レベル1 レベル2 レベル3石綿則

廃掃法 特別管理産廃管理責任者の設置 (排出事業者)

特別教育受講者(除去作業に係る全ての作業員)

石綿健康診断(常時石綿を取り扱う作業員等)

元請は、作業員の資格・教育・健康診断を確認*06.3以前の特化則技能講習修了者は選任可

石綿作業主任者の選任(06.4以降石綿作業主任者技能講習修了者*)

レベル3(成

型板)の撤去においても必

要です。

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1 石綿等の有害性(喫煙の影響を含む) 0.5時間

2 石綿等の使用状況 1時間

3 石綿等の粉じんの発散を抑制するための措置 1時間

4 保護具の使用方法 1時間

5 そのほか、石綿等のばく露の防止に関する必要な事項

1時間

⑥ 石綿作業主任者の職務

• 作業員のばく露防止に資する作業方法を決め、指導する• 保護具の使用状況の監視• 換気装置の点検• 立入禁止措置・表示の実施• 作業の実施結果の記録

特別教育の内容 講義時間は厚労大臣告示で指定

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⑦ 健康診断

• 一般健康診断 :年1回

(粉じん発散業務従事者は6ヶ月に1回)

• 特殊健康診断

石綿健康診断 :6ヶ月に1回

石綿取り扱い作業を行っている周辺の作業に

従事している作業員も石綿健康診断を受診

じん肺健康診断:1~3年に1回

• 雇入れ時、就業時にも実施

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⑧ 呼吸用保護具等(レベル1の例)

区分 呼吸用保護具の種類

① 面体形及びフード形の電動ファン付き呼吸用保護具

プレッシャデマンド形(複合式)エアラインマスク

送気マスク、自給式呼吸器

② 全面形取替え式防じんマスク(粒子捕集効率99.9%以上)

③ 半面形取替え式防じんマスク(粒子捕集効率99.9%以上)

④ 半面形取替え式防じんマスク(粒子捕集効率95.0%以上)

作 業保護具 保護衣 措 置

建材 工法

吹付け材

吹付け石綿・石綿含有吹付けロックウール・石綿含有吹付けバーミキュライト・石綿含有吹付けパーライト

通常の方法 ①(石綿則で義務付)

保護衣(使い捨て)

作業場の隔離等

グローブバッグ ①、②、③ 作業衣(又は保護衣)

グローブバッグによる隔離等

その他特殊工法 粉じん飛散等の実情に応じて個別に判断

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⑨ 作業記録の保存(石綿則06年改正:記録後30年⇒作業終了から40年に)

• 事業者保存が基本、元請業者としても保存が望ましい・作業員名 ・作業内容 ・作業期間・異常の有無(有の場合は状況・措置の概要)

• 周辺作業従事者の記録保存も必要

湿潤化(安全面を優先)

毎日、作業終了時に作業場の清掃

洗眼、洗身又はうがい、更衣、洗濯等の各設備を設置

休憩室の設置(出入口に付着物除去措置)

仮設材・工具等の付着物の除去(石綿則06年改正)

⑩ その他の事項

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工事計画届(耐火・準耐火以外は作業届) ・特定粉じん排出等作業実施届(14日前まで)

特管管理責任者・石綿作業主任者・特別教育

隔離養生、集じん排気、セキュリティーゾーン

隔離解除前の措置・漏えい監視

立入禁止・掲示

保護衣(使い捨て)

呼吸用保護具(電動ファン付き)

環境測定・作業記録 等

吹付け石綿、石綿含有吹付けロックウール、

石綿含有吹付けバーミキュライト・パーライト

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2-1.レベル1の除去作業

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集じん・排気装置

排気口

漏洩の点検

HEPAフィルタ作業前の負圧の点検

洗身室更衣室 前室

(セキュリティゾーン)

隔離空間内は・電動ファン付き呼吸用保護具・フード付きの保護衣

粉じん飛散抑制剤等により湿潤化

目視・スモークテスターで 漏れ点検

① 隔離工法概念図

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② 除去作業手順

①集じん・排気装置は24時

間稼動が原則。やむを得ず排気装置を停止させるには、毎日作業終了時に、清掃と換気(隔離の確保)

②吹付け石綿下の 天井板撤去は、養生後に実施

③養生撤去前には 1.5時間以上換気(作業場内の特定粉じんの処理)。処理後、空気測定結果を確認して養生撤去。

呼吸用保護具等

準備

隔離養生(床、壁等)

天井材撤去

吹付け材除去

隔離養生材撤去

廃棄物処理

(作業前測定)

(中測定)

(作業後測定2)

(作業後測定1)

集じん・排気

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③ 準 備

• チェックリストの作成が望ましい

• 工事の開始前に

①作業計画の作成 ②作業主任者の選任

③表示・掲示 ④保護具等資機材の準備

⑤作業員の特別教育 など

• その日の作業前に

①作業区分、内容、手順、人数の確認

②有資格者の確認 ③資機材の確認

④廃棄物置き場の確認 など46

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④ 作業場の隔離

①プラスチックシートによる密閉

②集じん・排気装置による負圧化

作業場の隔離

漏えい防止のため、出入口はジッパー等で密閉できることが望ましい。また、出入り口の覆いは厚手のものが望ましい。

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ポケット

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一般社団法人JATI協会 52

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一般社団法人JATI協会 54

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一般社団法人JATI協会 56

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⑤ セキュリティーゾーンの設置

・更衣室・洗身室・前室の3室構造からなる

・前室に靴ふきマットを設置

・洗身室には通常エアシャワーが用いられている

・更衣室には、うがい用の水、マスク洗浄用の水または濡れぞうきん、マスクフィルター廃棄用蓋付き容器等を装備

人の退出・廃棄物の搬出時の隔離作業場からの石綿粉じんの漏えいを防ぐためのもの

ジッパー式または厚手の垂れ幕が望ましい

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⑤ セキュリティーゾーンの使い方□作業員の退場時

①前室でマスク以外の保護衣、手袋等を脱ぎ、全て廃棄する

②洗身室で、エアシャワーを30秒以上浴び、マスクや衣服に付着している石綿粉じんを除去する

③更衣室でマスクをはずす

□廃棄物の搬出時

①作業場内で除去した石綿を専用袋に入れ、密封

②前室で袋の外側に付着した石綿粉じんを高性能真空掃除機等で除去した後、透明のプラスチック袋に入れ、密封(これで二重梱包)

③エアシャワーで外側の粉じんを除去した後、決められた場所に集積・保管

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⑤セキュリティーゾーンの使い方

作業員の退場時

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除去石綿の搬出作業

⑤セキュリティーゾーンの使い方

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□集じん・排気装置の使用目的①隔離作業場内の粉じんをHEPAフィルターで除去②隔離作業場内を負圧に保ち、粉じん漏洩を防止

□除去開始から24時間稼働が原則・集じん・排気装置の停止は、隔離の解除につながる⇒仕事仕舞いにやむを得ず停止する場合は、

除去した石綿の袋詰め、清掃後一定時間(1.5時間以上)換気後停止

(アモサイト、クロシドライトは要注意)

□集じん・排気装置停止時・外気の吹込みを防ぐため、排気口を塞ぐ

⑥ 集じん・排気装置/設置及び作業場の負圧化

61

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□集じん・排気装置の設置台数・排気風量は4回換気/時以上(負圧の確保)

集じん・排気装置の必要台数は以下の式で算出

⑥ 集じん・排気装置/設置及び作業場の負圧化

集じん・排気装置の必要台数 ≧

床面積×高さ×4

集じん・排気装置の排気能力(㎡/分/台)×60分

・排気ダクトが長い場合、曲がりが多い場合等は圧力損失を考慮 ⇒ 相当余裕を見込むことが必要

62

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3)除去した廃棄物の梱包と作業場からの搬出等・除去した特定建築材料(廃棄する養生シート、フィルター等を含む)はすべて特別管理産業廃棄物として処理・処分方法は、管理型埋立処分、溶融、無害化のいずれか・埋立処分の場合、固形化または安定化のうえ、耐水性材料での二重梱包

作業場内で専用プラスチック袋詰め

飛散抑制剤等で安定化、袋内の空気を抜き密封(一重梱包)

前室で袋の外に付着している石綿粉じんを高性能掃除機等で拭ったうえ、二重梱包

施工区画内一時保管場所で集積63

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⑧ 隔離解除前の粉じん処理

1)作業場内の清掃 2)検査(目視確認)

3)除去面への粉じん飛散防止処理剤の散布

4)隔離シート面への粉じん飛散防止処理剤の散布

5)作業場内の石綿等の粉じんの処理

①粉じん飛散抑制剤を空中散布し、粉じんの沈降を促進させる②集じん・排気装置を1.5時間以上稼働させ、作業場内の

粉じんを処理・サーキュレーターを併用ことにより粉じん処理の効率が向上

*作業場内の総繊維数濃度を測定し、石綿等の粉じん処理がなされていることを確認したうえで、隔離を解除することが基本

・PCM法、リアルタイムモニター等により測定・測定は、抑制剤が沈降した後で!!・アモサイト、クロシドライトは要注意

64

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⑨ 隔離養生撤去・片づけ・記録

隔離シートの撤去 仕上げ清掃

(6)使用工具、資機材の搬出・・・付着粉じんを確実に拭い取る

(7)集じん排気装置の清掃・HEPAフィルタの交換、漏えい点検

(8)養生シートの撤去

(9)セキュリティーゾーンの解体 (仕上げ清掃)

(10)作業記録・・石綿則で40年間保存が義務付け

65

一般社団法人JATI協会 66

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一般社団法人JATI協会 68

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⑩ 廃棄物処理

薬剤による安定化または固型化の上、耐水性材料で2重梱包(埋立処分基準)

委託処理の場合、事前に使用薬剤等を文書で通知

管理型埋立処分

除去物、保護衣、養生材、フィルタ等全て特別管理産業廃棄物(廃石綿等 )

溶融又は無害化71

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• 作業届(大防法14日前・石綿則作業開始前)• 特管管理責任者・石綿作業主任者・特別教育

<掻き落とし・破砕・切断による場合>

• 隔離・集じん排気・セキュリティーゾーン・保護衣

<それ以外の場合>

• 当該作業員以外立入禁止・掲示 ⇒ 作業間調整• 周辺の養生・作業衣(又は保護衣)• 呼吸用保護具(電動ファン以外も可)• 湿潤化• 洗身・更衣・洗濯設備• 環境測定・作業記録 等

石綿含有保温材・断熱材・耐火被覆板

72

2-3.レベル2の除去作業

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① 配管保温材(エルボ部)

二重梱包した配管(特管)

〔石綿則作業届:要〕

〔大防法届:自治体確認〕

掻き落とし等による除去

・通常の掻き落とし

・グローブバッグ使用による

掻き落とし

前後での切断による除去

切断後の掻き落とし

グローブバッグ

73

保温材プラスチック袋詰め

② 配管保温材

掻き落とし・破砕・切断によらない除去

保温材被覆撤去湿潤化

保温材取外し

74

74

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ウォータージェットによる除去

煙突上部及び灰出し口を隔離養生

③ 煙突断熱材

人力による掻き落とし(内径600mm以上)

専用機械による掻き落とし(乾式、ウォータージェット)

作業場隔離⇒十分な負圧管理が重要(外部隔離、高さによる

ドラフトなどに留意)

乾式除去の専用機械

日本建築センターの審査証明取得工法あり

75

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<煙突断面図>

負圧管理の考え方はそれぞれの工法により異なることはあり得る

隔離部分 煙突

セキュリティーゾーン

屋上

機械室

灰出口

76

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④ 断熱材・フェルトン(1) ・・・参考

日本建築センター「審査証明」を受けた工法

飛散抑制剤散布

77

断熱材をつけたまま取外し

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④ 断熱材・フェルトン(2)

屋根上で養生梱包し、クレーンで吊下ろし 大気環境測定

吊下ろした折版を養生内で裁断機で粉じん飛散をしないよう切断(局所排気装置付)

フレコン詰めで溶融施設で処分

78

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⑤ 廃棄物処理

• 特管「廃石綿等」の定義(レベル2関連)

① 石綿保温材

② けいそう土保温材

③ パーライト保温材

④ ①~③と同等以上に石綿飛散の恐れ

のある保温材・断熱材・耐火被覆材

⇒ 比重0.5未満のもの

79

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石綿作業主任者・特別教育・作業計画

関係者以外立入禁止・掲示

作業衣(又は保護衣)、呼吸用保護具

湿潤化、破砕しないように撤去(手ばらし、投下禁止)

洗身・更衣・洗濯設備

環境測定・ 作業記録 等

普通産廃(がれき類・ガラ陶・廃プラ)

・最終処分場に直送が原則(中間処理での破砕不可)

・処理委託契約書・マニフェストに

「石綿含有産業廃棄物」の表示

石綿含有成形板

80

2-4.レベル3の除去作業

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• 建築物等の4面に、建築物等の高さ以上の防じんシート、プラスチックシート等を設置

• 原則、原形のまま壊さずに手ばらし

• 外した成形板の投下・重機による踏みつけ厳禁

• 屋根上での作業では、踏み抜き、滑落に注意。足場板を置いてひとの通路を確保

• 散水などにより十分湿潤化して、撤去作業を行う。

• 足場つなぎのため、外装材を部分的に

撤去する場合には、部分的な湿潤化、

又は高性能真空掃除機で吸引しなが

ら撤去

• 高所作業車を用いて内部から止めつけ

ボルトを切断する(右の写真)

① 解体・撤去(屋根・外壁)

カッター使用 81

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① 解体・撤去(内装/天井)

①天井裏に石綿含有吹付けがある場合

• 長年の劣化により吹付け材が劣化・脱落し、天井上

に堆積しているおそれがあるとき、隔離養生後に天井

解体することが必要(天井のみの取替え改修工事で

も隔離養生が必要、届出が必要となることも)

• 場合によっては、天井上の堆積物を分析し、堆積物の石綿の有無を確認することも必要

*解体工事業者が認識せずに撤去しないよう徹底す

ることが重要

82

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②石綿含有成形板(天井材)の除去・原則、壊さないように、手ばらし(可動式足場など使用)・落とした天井材を踏み付け壊さないように

しかし、(石綿含有岩綿吸音天井板+石膏ボード)の二重張りの場合など、撤去時に壊さざるを得ないことも・・・。そのおそれのあるときには

・開口部養生(窓等開口部は目張り等シートで覆う)を行う・HEPAフィルター付きの集じん・排気装置、又は高性能真空

掃除機を設置し、場内の粉じんを捕集しながら撤去・除去した石綿含有建材を袋詰め等のうえ搬出・水噴霧等により浮遊粉じんの沈降を促進させる。高性能真空

掃除機での床清掃

① 解体・撤去(内装/天井)

83

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・基本は、壊さないよう手ばらし

・対象建材の湿潤化、もしくは散水等により浮遊粉じんを沈降させる

・原則、開口部養生①窓等の開口部の目張り(プラスチック

シート等で覆う)さらに②できれば、HEPAフィルター付きの

集じん・排気装置、高性能真空掃除機を設置し、場内の粉じんを捕集

③水噴霧等により浮遊粉じんの沈降を促進させる。高性能真空掃除機での床清掃

① 解体・撤去(内装/壁・床)

ビニル床タイルの除去84

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• 石綿含有産業廃棄物(成形板:レベル3):産業廃棄物

種類:がれき類・廃プラスチック類・ガラスくず等

*廃石綿等(レベル1・レベル2):特別管理産業廃棄物

• 処分方法

①埋立処分(安定型埋立処分場で処分可)

場所を決め埋立し、記録に残す

②中間処理(溶融・無害化認定)

(中間処理での破砕不可)

• 委託契約書・マニフェストに

「石綿含有産業廃棄物」の表示

• 保管、運搬時:破砕しないように、他のものとは混ぜない、飛散防止措置

② 廃棄物処理(廃棄物処理法)

85

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• 廃棄物処理法上では、運搬車への積込みに必要な最小限度の破砕(湿潤化しながら)は認められているが・・・

<事例>

石綿含有成形板を飛散防止目的で袋詰めするために湿潤化しながら破砕することで、大量の石綿粉じんを飛散させた!!

② 廃棄物処理(廃棄物処理法)

*スレートの平面を湿潤化しても、破断面から粉じん飛散は防げない*飛散防止目的の梱包のために小割りするのは本末転倒

86

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② 廃棄物処理(廃棄物処理法)

↑割らずに大型フレコンで梱包

梱包には、「石綿含有産業廃棄物」・注意事項等を表示(廃棄物処理法・厚労省通知)

石綿表示(日建連企画製品)⇒

87

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ー 現実的には次のような対応が必要 ー

• 作業届(大防法14日前・石綿則作業開始前)

• 特管管理責任者・石綿作業主任者・特別教育

<封じ込め、囲い込みで粉じん飛散のおそれのあるとき>

• 隔離・負圧除じん・セキュリティーゾーン・保護衣

<上記以外の場合>

• 当該作業員以外立入禁止・掲示 ⇒ 作業間調整

• 周辺の養生・作業衣

• 呼吸用保護具(電動ファンマスク以外も可)

• 湿潤化、洗身・更衣・洗濯設備

• 環境測定・作業記録 等 88

2-5.その他の処理工事

レベル1・2の封じ込め・囲い込み作業

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設備機器等に含まれる石綿含有製品

エアダクトのジョイントパッキン

<その他>

・電気設備:盤類、照明器具

・空調・衛生設備:各種機器パッキン材・シール材

・昇降機設備:ブレーキライニング・各種パッキン材

アングルをはずさなければ粉じん飛散は生じない

このまま電炉で溶融できれば理想的

現状では、粉じん飛散防止のため

どれだけの措置が必要か不明確89

レベル1~3以外の除去作業

2-5.その他の処理工事

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<関係マニュアル>

「建築物の改修・解体時における石綿含有建築用仕上塗材からの石綿粉じん飛散防止処理技術指針」平成28年4月28日(国立研究開発法人建築研究所・日本建築仕上材工業会)

90

2-6.建築用仕上塗材の除去作業

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建築用仕上塗材について

セメント、合成樹脂などの結合材、顔料、骨材を主原料とし、吹付け、ローラー塗り(砂骨ローラー、各種パターンローラー含む)、こて塗りで凹凸模様やゆず肌

模様などに仕上げることができる材料

下塗り、主材塗り、上塗りの工程が基本で、膜厚が、一般塗料(数十μm)より厚膜(数mm~10mm程度)で

造形的な仕上がりが可能

JIS A6909 で規格化されている(一般塗料は主にJIS Kの分類で規格化されている)

91

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塗材の種類(カッコ内は通称) 販売期間 石綿含有率(%)

薄塗材C(セメントリシン) 1981~1988

0.4%

薄塗材E(樹脂リシン) 1979~1987

0.1~0.9

複層塗材(吹付けタイル) 1970~1999

0.1~5.0

防水型複層塗材(弾性吹付けタイル) 1974~1996

0.1~4.6

厚塗材(スタッコ) 1975~1999

0.1~3.2

軽量塗材(吹付けパーライト、吹付けバーミキュライト)

1965~1992

0.4~24.4

日本建築仕上材工業会会員会社が過去に販売した石綿含有仕上塗材の概要

出典:日本建築仕上材工業会HP92

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仕上塗材の使用例

93

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汎 用 的 な 仕 上 げ の 例

複層塗材:吹付けタイル

厚塗材:スタッコ 厚塗材:スタッコ

薄塗材E:樹脂リシン

94

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仕上塗材の使用例

95

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石綿含有部分

96

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石綿含有部分

97

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豆知識

●ルーツは吹付材

戦後セメント系リシン吹付けの流行に始まり、各種吹付材が開発 ー 1970年(昭和45年)に最初のJISが制定される 「化粧用セメント吹付材」

●吹付材から仕上塗材(しあげぬりざい)へ

昭和40年代後半からは、ローラー塗りによる材料も実用化し普及 ー 1983年(昭和58年)以降仕上塗材と総称されるようになった。

98

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各法令の規制対象となる石綿含有建材

建基法 安衛法・石綿則 大防法 廃掃法

規制対象(使用禁止)

レベル1

・吹付け石綿

・石綿含有吹付けロックウール

特定建築材料

特別管理産業廃棄物

「廃石綿等」

・石綿含有ひる石吹付け

・石綿含有パーライト吹付け

レベル2

・石綿含有保温材

・石綿含有断熱材

・石綿含有耐火被覆材

レベル3

・石綿含有成形板等

・その他

石綿含有産業廃棄物

石綿含有建築用仕上塗材

99

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大防法における基本的考え方(環水大発第1705301号平成29年5月30日)

• 吹付け工法によるもの

石綿含有吹付け材(特定建築材料)⇒届出要

• ローラー塗り、こて塗りによるもの

特定建築材料ではない⇒届出の義務付けなし

• いずれも粉じん飛散防止が必要

• 「負圧・隔離」(作業基準)⇔同等の措置(次頁参照)

<石綿則においても同様の考え方>

(厚労省「漏洩防止対策徹底マニュアルマニュアル」)100

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<石綿障害予防規則則>(抜粋)

(吹付けられた石綿等の除去等に係る措置)

第6条 事業者は、次のいずれかの作業に労働者を従事させるときは、次項に定め

る措置を講じなければならない。ただし、当該措置と同等以上の効果を有する措

置を講じたときは、この限りではない。

一 ~三 略

2 事業者が講じる前項本文の措置は、次の各号に掲げるものとする。

一 前項各号に掲げる作業を行う作業場所(以下この項において「石綿等の除去

等を行う作業場所」という。)を、それ以外の作業を行う作業場所から隔離すること。

二 石綿等の除去等を行う作業場所にろ過集じん方式の集じん・排気装置を使用

すること。

三 石綿等の除去等を行う作業場所を負圧に保つこと。

四 石綿等の除去等を行う作業場所の出入口に前室、洗身室及び更衣室を設置す

ること。これらの室の設置に当たっては、石綿等の除去等を行う作業場所から労働

者が退出するときに、前室、洗身室及び更衣室をこれらの順に通過するように互

いに連接させること。を設置すること。

五~七 略

101

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<大気汚染防止法施行規則>(抜粋)

別表第7(第十六条の四(作業基準)関係)

一 令第三条の四第一号に掲げる作業(次項又は三の項に掲げるもの

を除く。)

次に掲げる事項を遵守して作業の対象となる建築物等に使用されてい

る特定建築材料を除去するか、又はこれと同等以上の効果を有する措

置を講ずること。

イ 特定建築材料の除去を行う場所(以下「作業場」という。)を他の場

所から隔離し、作業場の出入口に前室を設置すること。

ロ 作業場及び前室を負圧に保ち、作業場及び前室の排気に日本工

業規格Z八一二二に定めるHEPAフィルタを付けた集じん・排気装置

を使用すること。

ハ~チ 略

102

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措置 解体・改修(既存塗膜除去)

解体・改修(既存塗膜除去)

石綿則第6条但し書き

改修(塗膜洗浄)石綿関連作業に

該当せず

事 前 調 査 要 要 要

結果の掲示 要 要 要

届 出 要 要 -(該当せず)

隔 離 等 要 不要 -(該当せず)

作業主任者 要 要 -(該当せず)

特 別 教 育 要 要 -(該当せず)

保 護 具 電動ファン付以上 防じんマスク以上 -(該当せず)

作 業 記 録 40年保存 40年保存 -(該当せず)

廃 棄 物 除去物・養生材等特管産業廃棄物

除去物:特管産廃養生材等:産廃

全て産廃

区 分 Ⅰ Ⅱ Ⅲ

石綿含有建築用仕上塗材の改修工事等における石綿則等の規制

103

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既存仕上塗材層をすべて除去する場合の処理工法の選定

区分 処理工法(建築研究所における除去実験に基づき判断)

超高圧水洗工法(100MPa以上)

高圧水洗工法(30~50MPa程度)

超音波ケレン工法

ディスクグラインダーケレン工法

集じん装置付超高圧水洗工法(100MPa以上)

集じん装置付ディスクグラインダー工法

剥離剤併用超高圧水洗工法(100MPa以上)有機系塗材のみ

剥離剤併用高圧水洗工法(30~50MPa程度)有機系塗材のみ

剥離剤併用手工具ケレン工法:有機系塗材のみ

剥離剤併用超音波ケレン工法:有機系塗材のみ

超音波ケレン工法(HEPAフィルタ付掃除機併用)

104

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ディスクグラインダー

ディスクグラインダーケレン工法による発塵状況

区分 Ⅰ

写真提供:㈱藤林商会 105

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集じん装置付きディスクグラインダー

集じん装置

集じん装置付きディスクグラインダーケレン工法の

発塵状況

区分 Ⅱ

写真提供:㈱藤林商会106

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集じん装置付きアクア・セルロータ

集じん装置付き超高圧水洗工法(アクア・セルロータ)による

発塵状況

区分 Ⅱ

写真提供:㈱藤林商会 107

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建築用仕上塗材除去工事の留意点(1)

<区分Ⅰ>

• 石綿含有吹付け材の除去と同様で隔離措置

厚労省「石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル」等を参照

• 外部の風等の影響に配慮 ⇒ 負圧を高める

<区分Ⅱ>

• 隔離措置が不要(粉じん飛散がないことの実証が必要)

• その他は<区分Ⅰ>と同様

• 集じん装置付きディスクグラインダー

a)入隅部等の作業が困難なため、補助工法との併用

補助工法での粉じん飛散に配慮 ⇒ 部分隔離も

b)排気に注意・・・最終的にはHEPAフィルターで除去、

目詰まりを防ぐ工夫

c)小片の飛散の可能性 ⇒ 最終清掃を確実に108

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建築用仕上塗材除去工事の留意点(2)

<区分Ⅱ>

• 集じん装置付き高圧水洗工法

a)入隅部等の作業が困難なため、補助工法との併用

補助工法での粉じん飛散に配慮 ⇒ 部分隔離も

b)廃水はすべて回収

(垂れ流しは不可)

c)廃水処理・・凝集沈殿

させ、上澄み水をろ過後

排水

d)排水基準に石綿規制

なし・・できるだけ石綿

除去に配慮 出典:石綿含有押出成形セメント板解体改修工事における石綿対策(押出成形セメント板協会)

109

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建築用仕上塗材除去工事の留意点(3)

<区分Ⅱ>

• 剥離剤併用工法

a)無機系塗材では不可

b)有機溶剤に対する配慮(SDSを確認)

c)試験塗りで剥離剤及び放置時間を確認

d)下地調整塗材が残る可能性あり ⇒

e)仕上塗材が剥離剤でゲル状になったとき

⇒養生シートへの付着に配慮必要

<改修工事>

• 通常、除去後除去面に粉じん飛散防止剤を散布

⇒ 除去後に仕上塗材を施工する場合は、下塗材を塗布

<剥離剤の試験塗り>

110

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3.粉じん飛散防止対策について

3-1-1 工事エリアの事前調査(隣室が負圧)

111

負圧

間仕切(ボード)

1.空調機械室の壁・天井の吹付け石綿除去2.隣のボイラー室は常に換気されていて負圧状態3.空調機械室とボイラー室の間仕切は、軽鉄ボード

(デッキと軽鉄ランナーの間に隙間有り)4.空調機械室の空気がボイラー室側へ、常に流れ

ている

除去作業の可否:工事不可工事の条件:ボイラー室の空調停止

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3-1-2 工事エリアの事前調査(部分除去)

112

除去作業エリア

隔離養生ライン

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床面の隔離養生例

壁面の隔離養生例

隔離養生後天井の撤去を行うと壁面の養生の継ぎ足しが必要となる

□隔離養生計画

①隔離作業場は狭いほうが良い(漏えいリスク小、清掃等が容易)

②広い面積の部屋を分割して隔離する場合には要注意!!

③外部に面する開口部を有する場合の隔離にも要注意!!

④内部の設備等の養生・・発熱のある機器類は熱を逃がす工夫を

113

3-1-2 工事エリアの事前調査(部分除去:隔離例)

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3-1-3 工事エリアの事前調査(岩綿吸音板)

114岩綿吸音板(天井)

会議室

岩綿吸音板

石膏ボード(PB)

1.岩綿吸音板の手バラシは難しい(捨貼りのPBにタッカー止め)2.岩綿吸音板とPBを同時に撤去(バール等使用)3.撤去する際の粉じんが隣接するエリア(隣の会議室や廊下)へ

飛散する可能性がある4.隣接するエリアの天井が在来天井ではない場合は、隙間があ

る場合が想定されるので、隣接するエリアへの粉塵飛散防止対策がj必要となる場合がある

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一般社団法人JATI協会

3-1-3 工事エリアの事前調査(岩綿吸音板)

115岩綿吸音板(天井)

会議室

粉じんが隣接エリアへ飛散する可能性がある

吸気面

排気面

HEPAフィルター

計器部分から漏えいしていることもある

116

3-2-1 漏えい管理(集じん・排気装置)

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最も漏えいしやすい個所

117

3-2-1 漏えい管理(集じん・排気装置)

一般社団法人JATI協会

フィルタ取り付け面の隙間から煙が吸い込まれていく

吸気口を一時的にふさぎスモークテスタで漏れを確認する。

118

スモークテスタによる、集じん・排気装置の漏れ等の確認 例

118

3-2-1 漏えい(集じん・排気装置)

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<作業開始時>

① 作業開始前に集じん・排気装置を稼働させ、デジタル粉じん計で排気ダクト内の空気濃度を測定。10分間測定し、数値が「0」又は「0」近くなることを確認

② 集じん・排気装置の吸気側でスモークテスターで煙を発生させ、デジタル粉じん計の値が上昇しないことを確認すれば正常、装置の漏えいなし

③ ①、②で異常が確認された時は、その原因を究明し、必要な措置を講じる。

・漏えいのない集じん・排気装置を使用する

搬入前に点検し、その記録を添付させる

◇吸引ポンプ式デジタル粉じん計等を使用した漏洩監視◇

デジタル粉じん計を使用した漏洩監視例-1

119

3-2-1 漏えい管理(集じん・排気装置)

デジタル粉じん系の場合

パーティクルカウンターの場合

*粉じん濃度の減衰確認の例

120

3-2-1 漏えい管理(集じん・排気装置)

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◇吸引ポンプ式デジタル粉じん計等を使用した漏洩監視◇

<作業開始直後、作業中>

① 除去作業開始直後、粉じん濃度の上昇がないことを確認

② 除去作業開始から終了までの間、定期的にまたは連続で測定

③ 作業開始前から粉じん濃度の上昇がみられた場合、

集じん・排気装置の排気系統を点検し、

原因究明と必要な措置を講じる

<記録の保存>

確認した年月日、方法、結果等を記録し、

工事終了まで保存(石綿則では40年

保存) デジタル粉じん計を使用した漏洩監視例-2

121

3-2-1 漏えい管理(集じん・排気装置)

小学校教室内

小学校教室外の排気口

排気口の位置が高い場合の測定もダクト内での測定で可能になる

122

3-2-1 漏えい管理(集じん・排気装置)

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倉庫等天井が高い場合、棚足場を設置し足場上を隔離

集じん排気装置を隔離作業場の外に設置する場合、1次、2次フィルター付きの吸気口を作業場内に設置

123

3-2-1 漏えい管理(集じん・排気装置設置例)

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集じん・排気の空気の流れは、セキュリティーゾーン⇒集じん排気装置へ。

作業場内の石綿粉じんを集じん・排気するためには、セキュリティーゾーンの対角に集じん排気装置を配置する。

124

3-2-2 漏えい管理(集じん・排気装置設置位置)

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□プラスチックダクトの取扱い・吊り下げの時や曲がり部分が

閉塞することのないように・先端部での閉塞は厳禁(排気量が激減)

曲がり部分や先端部にアルミダクトで補強

125

3-2-3 漏えい管理(集じん・排気ダクト)

□集じん排気装置は、原則として、隔離作業場内に設置・フィルター交換時の粉じん飛散に配慮

□フィルターの交換・HEPAフィルターは500時間が目安・初期圧力損失245Paの2倍程度の

圧力損失となったとき・1次フィルターは3~4回/日・2次フィルターは1回/日程度

□HEPAフィルターの交換の方法・作業場外の場合・・隔離場所を設ける・作業場内の場合・・除去作業中の交換は不可

除去作業終了後、作業場内の空気を清浄にした後、隔離シート撤去前に交換

作業場が狭いとき、フィルター交換面のみ作業場内に入れる

126

3-2-4 漏えい管理(集じん・排気装置フィルター交換)

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1次、2次フィルタを取り外し、廃棄袋に入れて処理をする。127

3-2-4 漏えい管理(集じん・排気装置フィルター交換)

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◇セキュリティーゾーンは次のいずれかで監視

・更衣室に設置した微差圧計により負圧の保持を定期的に確認

・スモークテスターまたは吹き流し

により、更衣室から除去作業場に

空気が流入していることを確認

*セキュリティーゾーン前での

粉じん濃度測定は、外部からの

吸引する空気を測定している

可能性がある。

負圧の確認は最低作業開始前1回/日

128

3-2-4 漏えい管理(セキュリティーゾーン)

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◇作業員の退出時に起こりやすい・エアシャワーにより十分に付着している粉じんを除去

・休憩時等作業員が一度に退出するときは一人づつ確実に

・それには退出時に時間的余裕を持たせることが重要

◇作業停止時の漏えい防止・出入り口はジッパー式とし、閉鎖することが望ましい

・出入り口の覆いは厚手で重量のあるものが望ましい

◇作業再開時の負圧管理・作業再開時には、集じん・排気装置稼働により負圧を確保し

てから作業員が入場

⇒ 集じん・排気装置のスイッチを外部に確保

129

3-2-4 漏えい管理(セキュリティーゾーン)

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◇その他の箇所の監視・建物の構造上、除去対象の吹付け部分から漏えいする恐れ

⇒集じん・排気装置稼働前にスモークテスターで漏えい確認

・目視により、養生シートの破損、はがれ等を確認する

必要に応じて、スモークテスターを用いて、集じん・排気装置

稼働時に空気の吹込みがないかを確認

*集じん・排気装置の稼働により負圧が確保されている場合

かなりの大きさの破損でも漏えいは生じないが、夜間等で装

置を停止させたときに漏えいが生じる恐れがある。

130

3-2-5 漏えい管理(隔離エリア内)

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1)除去する特定建築材料の湿潤化・粉じん飛散抑制剤(または水)による湿潤化 → 除去作業中の粉じんを抑制・浸透時間を待って除去、浸透計の使用・除去作業中も必要に応じて粉じん飛散抑制剤散布

2)石綿含有吹付け材等の掻き落とし、切断または破砕・除去作業中の足場からの転落に注意・仕上げのワイヤブラシ掛け時に粉じん飛散大 → 飛散抑制剤の空中散布・除去作業終了後の目視確認

除去中の粉じん飛散の抑制が、粉じん漏えいリスクを低減させる

粉じん飛散抑制剤による湿潤化手工具による除去作業 ワイヤブラシによる

擦り落とし作業131

3-2-5 漏えい管理(湿潤化と空中散布)

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□負圧の確認、漏えいの有無の確認

・集じん・排気装置稼働後、養生シートの内側への膨らみで確認

・マイクロマノメータで差圧を確認

①差圧は-2~-5Paが目安

②0.1Pa表示可能の機器を用いる

③「ゼロ点調整」を必ず

④内外の開放端は同じ高さに

⑤温度変化の少なく、風の当たらない

場所に設置

作業場負圧のため、内側に膨らんでいる

マイクロマノメーター 例

132

3-2-5 漏えい管理(負圧の管理)

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・スモークテスターで気流を確認

①隔離シート等の接合部、入隅部等建築部材の取り合い部など、目視で確認するとともに、スモークテスターで漏れがないか確認

②隔離作業場内の気流の確認を行い、空気の滞留部がないか確認

③建物の入り口の開閉、エレベータの稼働等による作業場内への風の吹きこみ、引き抜きの有無の確認

④セキュリティーゾーン入口で、作業場内への気流を確認

スモークテスター

133

3-2-5 漏えい管理(気流の確認)

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EVシャフト

(竪穴区画)

耐火区画壁 外壁

EVホール

EV入口(三方枠)

層間塞ぎ(層の区画)にアスベスト綿が使用されている⇒除去の対象、綿状で漏洩

高層ビルではドラフト効果で上昇気流が強い⇒隔離の負圧を阻害する可能性有り

耐火被覆を除去すると隙間ができる

居室

通常の負圧隔離範囲

EV入口周りの耐火区画壁としてラス金網にアスベスト吹付け⇒除去対象、隙間が多い

134

3-3-1 工事中の飛散防止対策(隔離)鉄骨造の場合

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3-3-1 工事中の飛散防止対策(隔離)鉄骨造の場合

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床層間材料(吹付け材)欠損部

3-3-1 工事中の飛散防止対策(隔離)鉄骨造の場合

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3-3-1 工事中の飛散防止対策(隔離)鉄骨造の場合

一般社団法人JATI協会 138

3-3-2 工事中の飛散防止対策(貫通部)

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排気ダクトの隔離養生の貫通部隙間を完全に封鎖

排気ダクトの貫通用パネル、今後市販の予定

139

3-3-2 工事中の飛散防止対策(貫通部)

一般社団法人JATI協会 140

3-3-3 工事中の飛散防止対策(天井内堆積物と貫通部)

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一般社団法人JATI協会 141

3-3-3 工事中の飛散防止対策(天井内堆積物と貫通部)

一般社団法人JATI協会

• 事例1・・・照明器具を取り付けるため、石綿含有天井

材に1箇所の開口部を設ける

<対応例>

・部分的な隔離、高性能真空掃除機による集じん・排気

・作業員の保護マスクの使用 等

• 事例2・・・配線工事で石綿含有ボードに穴あけ

<対応例>

・高性能真空掃除機等を利用した局所集じん

・作業員の保護マスクの使用 等

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3-3-4 その他の石綿取り扱い作業における対策

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吹付け石綿・保温材等の近傍における臨時作業(石綿則)

• 吹付け下の天井改修工事(大防法 特定工事となる場合もある)

• 吹付け下の天井裏作業

• 吹付けのあるPS内、機械室内での作業 等

・保護具・保護衣又は作業衣の使用を義務付け

・・・石綿則14年改正で保温材等が追加・・・

作業計画の作成、保護マスク・

高性能付真空掃除機を用意する

のが望ましい

143

3-3-4 その他の石綿取り扱い作業における対策

一般社団法人JATI協会

ご清聴ありがとうございました。

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