リニア中央新幹線「奈良市附近駅」...

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リニア中央新幹線「奈良市附近駅」 を核とした地域振興 2019年1月18日 スーパー・メガリージョン構想検討会 奈良県提出資料 2019年1月18日 奈良県知事 荒井 正吾 資料7

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  • リニア中央新幹線「奈良市附近駅」を核とした地域振興

    2019年1月18日スーパー・メガリージョン構想検討会奈良県提出資料

    2019年1月18日

    奈良県知事 荒井 正吾

    資料7

  • 目次

    1 民間資本によるリニア中央新幹線建設の意味と全国新幹線鉄道整備法の精神

    2 リニア中央新幹線建設の沿線地域への今後の影響を判断するため、東海道新幹線開業50年の軌跡を辿る

    3 リニア中央新幹線の高速便益の国土への均てんを図るには

    4 今後の国土形成をどう進めるのか

  • 1

    ○鉄道事業法と全国新幹線鉄道整備法(以下、「全幹法」という。)

    ○JR東海は、中央新幹線の整備にあたり、全幹法に基づき、自己資金で建設することを選択。同法に基づく新線の建設主体、営業主体の国土交通大臣指名を受けた(平成23年5月20日)。

    1 民間資本によるリニア中央新幹線建設の意味と全国新幹線鉄道整備法の精神

    (1)鉄道整備には2つの法体系

  • 2

    ○鉄道建設のプロセスを法定化し、プロセスの重要段階を国家が承認、明示。全幹法の手続では、①基本計画の決定、②整備計画の決定、③環境影響評価の実施、④工事実施計画の認可の4段階が重要。

    ○リニア中央新幹線建設(起点東京都、終点大阪市)では、基本計画において主要な経過地を①甲府市附近、②名古屋市附近、③奈良市附近と定められた(昭和48年11月15日 新谷寅三郎運輸大臣告示)。

    ○また、整備計画(平成23年5月26日 大畠章宏国土交通大臣決定)では、主要な経過地を①甲府市附近、②赤石山脈中南部、③名古屋市附近、④奈良市附近と定められた。

    ○東京・名古屋区間では、環境影響評価が平成23年6月から平成26年8月まで実施され、平成26年10月17日に工事実施計画の認可が国土交通大臣から与えられ、同年12月17日から工事が始まった。

    (2)全幹法の手続とは

  • 3

    ○新幹線の建設のプロセス(建設・営業主体、起終点・主要な経過地等)を法律に基づき明示決定することで阻害行為を排除し、建設を円滑に行うことができる。

    ○新幹線網形成の国家的見地からの目的を「国土の総合的かつ普遍的開発に果たす役割の重要性に鑑み、国民経済の発展とともに国民生活領域の拡大、地域の振興に資すること」とした。

    ○これは、高速鉄道の建設が国家の主導的役割で行われるのを前提に、高速鉄道の便益について、「国土の総合的かつ普遍的開発」、「国民経済の発展」、「国民生活領域の拡大」、「地域の振興」とされたものと理解。それぞれの概念の今日的意味は改めて問い続ける必要があるものと思料。

    ○新幹線の建設が進んできた今日、リニア中央新幹線には国土軸の二重系化、第一軸使用困難の場合のリダンダンシーの確保、東海道新幹線リニューアルの際の国土幹線機能の代替性確保の意味も含まれていると理解。

    (3)全幹法の精神とは

  • 4

    ○リニア中央新幹線の建設においては、民間資本の自主性・自律性を尊重するとともに、全幹法の示す国家的見地からの目的達成のため、国及び地方公共団体は、同法の精神に則って、極力協力・支援を行うことが必要。

    ○今後のわが国の幹線鉄道網のあり方についての検討が必要。リニア新幹線・フル規格新幹線・ミニ新幹線・FGトレイン・高速化する在来線をどのように組み合わせて、明治以来の幹線鉄道網を高機能化するのか、できるのかを、国家的見地から再構築することが必要。

    ○その際、公共事業方式フル規格新幹線の建設・運営及び並行在来線の扱いについて、民営化されたJRとの関係を改めて問い直す必要がある。

    (4)リニア中央新幹線の建設が、全幹法の手続に則り、民間資本で行われる意味

  • (出典)総務省統計局「国勢調査」

    5

    2 リニア中央新幹線建設の沿線地域への今後の影響を判断するため、東海道新幹線開業50年の軌跡を辿る

    (1)人口

    3,855,000 8,839,469

    1,833,000 2,610,353

    862,000 1,412,916 1,546,000

    2,031,903

    3,392,000 7,483,128

    2,470,000 3,700,305 2,485,000

    9,126,214

    6,278,000

    13,515,271

    0

    2,000,000

    4,000,000

    6,000,000

    8,000,000

    10,000,000

    12,000,000

    14,000,000

    16,000,000

    1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

    人口の推移(東海道新幹線沿線)

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県

    愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    (人)

    ・東京、大阪、神奈川は、東海道新幹線開業前の人口増が著しい。・開業後における東京・大阪の人口増は全国並み。・開業後も神奈川の人口増が著しい。・滋賀及び愛知の人口増は高速道路開通による工場増加、

    自動車産業拡大によるものと思われる。

    133 124 166 119 156 127

    206

    124

    020406080

    100120140160180200220

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1965-2015年における人口の伸び率※1965年を100とした場合

    沿線平均 142全国平均 129

    173 115 99 110 141 118

    178 173

    020406080

    100120140160180200220

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1950-1965年における人口の伸び率※1950年を100とした場合

    沿線平均 151全国平均 118

    (%)

    (%)

  • 6

    (2)総生産

    ・60年間の沿線地域の経済生産の伸び率は全国平均を上回る。沿線経済

    生産の東京集中が進む。

    ・1975年以降の沿線地域の経済生産の伸び率は全国平均並み。

    40,504,735

    10,345,459

    6,163,555

    39,559,324

    17,292,439 33,918,792

    1,529,161

    79,080,148

    91,024,125

    74,495,656

    106,964,406 104,339,162

    0

    20,000,000

    40,000,000

    60,000,000

    80,000,000

    100,000,000

    1955

    1957

    1959

    1961

    1963

    1965

    1967

    1969

    1971

    1973

    1975

    1977

    1979

    1981

    1983

    1985

    1987

    1989

    1991

    1993

    1995

    1997

    1999

    2001

    2003

    2005

    2007

    2009

    2011

    2013

    2015

    県内総生産の推移(東海道新幹線沿線)

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県

    愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    (100万円)県内総生産の伸び率(東海道新幹線沿線)

    (出典)内閣府経済社会総合研究所「県民経済計算」

    286 338 469

    346 413 394 395 409

    0

    200

    400

    600

    800

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1975-2015年(40年間)における伸び率※1975年を100とした場合

    沿線平均378全国平均360

    (%)

    5,881 5,344 7,464 5,216

    8,306 6,205

    10,623

    6,823

    0

    2,000

    4,000

    6,000

    8,000

    10,000

    12,000

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1955-2015年(60年間)における伸び率※1955年を100とした場合

    沿線平均7,001全国平均6,043

    2,057 1,581 1,590 1,508 2,013 1,576

    2,691

    1,668

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1955-1975年(20年間)における伸び率※1955年を100とした場合沿線平均1,852全国平均1,677

    東京都38%

    大阪府21%

    愛知県13%

    神奈川県13%

    静岡県6%

    京都府4%

    岐阜県3%

    滋賀県2%

    各県の比率(1965年)

    東京都41%

    大阪府15%

    愛知県15%

    神奈川県13%

    静岡県7%

    京都府4%

    岐阜県3%

    滋賀県2%

    各県の比率(2015年)

  • 7

    (3)沿線法人数

    ・50年間の東京・大阪・愛知の法人数の伸び率は全国平均以下。都府県外

    流出が大きいのでは。

    ・沿線の法人数の4割強が東京に集中。

    73,301 123,885

    159,517

    222,568 239,760 228,794

    56,447

    157,788

    176,503

    206,937

    338,224

    440,266

    573,286 596,234

    565,869

    0

    100,000

    200,000

    300,000

    400,000

    500,000

    600,000

    1965 1975 1985 1995 2005 2015

    法人数(東海道新幹線沿線)

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    (社)

    (出典)国税庁「長期時系列データ(法人数)」

    312 320

    449

    313 317 371

    425 273

    0

    100

    200

    300

    400

    500

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1965-2015年における法人数の伸び率(東海道新幹線沿線)

    ※1965年を100とした場合

    沿線平均310

    全国平均345

    (%)

    東京都43%

    大阪府17%

    神奈川県13%

    愛知県12%

    静岡県6%

    京都府4%

    岐阜県3% 滋賀県

    2%

    東海道新幹線沿線各県法人数の比率(2015年)

  • 8

    (4)沿線都道府県税

    ・50年間の都道府県税の伸び率は東京、滋賀が著しい。

    ・大阪、京都、静岡が平均以下。

    ・沿線平均伸び率は全国平均伸び率を下回る。

    551,368,939

    1,253,326,163

    135,463,599

    1,154,687,151

    2,968,822,824

    3,988,651,211

    4,602,717,816

    5,162,436,445

    0

    1,000,000,000

    2,000,000,000

    3,000,000,000

    4,000,000,000

    5,000,000,000

    1964 1975 1985 1995 2005 2015

    都道府県税収の推移(東海道新幹線沿線)

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県

    愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    (千円)

    (出典)総務省統計局「社会・人口統計体系」(1964年のみ自治省「道府県税徴収実績(決算額)」による)

    1,387 1,739

    3,277

    2,481 2,249

    1,887

    2,302

    3,495

    0

    500

    1000

    1500

    2000

    2500

    3000

    3500

    4000

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1964-2014年における都道府県税収の伸び率(東海道新幹線沿線)

    (%) 沿線平均2,499全国平均

    2,643

    ※1964年を100とした場合

    東京都50%

    大阪府13%

    愛知県12%

    神奈川県12%

    静岡県5%

    京都府3%

    岐阜県3%

    滋賀県2%

    東海道新幹線沿線各県の比率(2015年)

  • 9

    (5)沿線市町村税

    ・東京の伸び率は突出していない。神奈川、滋賀の伸び率が著しい。

    ・大阪、京都は平均以下の伸び率。

    ・沿線平均伸び率が全国平均伸び率を上回る。

    67,792,309

    433,863,487

    800,117,939

    1,195,435,869

    1,633,193,614 1,716,711,142 1,649,508,944

    1,560,426,083

    404,315,705

    214,366,345

    294,386,673

    1,449,480,338

    629,816,857

    1,673,178,091

    1,737,066,247

    0

    200,000,000

    400,000,000

    600,000,000

    800,000,000

    1,000,000,000

    1,200,000,000

    1,400,000,000

    1,600,000,000

    1,800,000,000

    1964 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

    市町村税収の推移(東海道新幹線沿線)

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県

    愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    (千円)

    (出典)総務省統計局「社会・人口統計体系」(1964年のみ自治省「地方財政統計年報昭和39年版」による)

    2,302 2,545

    4,113

    3,060 3,526

    3,258

    3,905

    3,308

    0

    500

    1000

    1500

    2000

    2500

    3000

    3500

    4000

    4500

    5000

    1964-2014年における市町村税収の伸び率(東海道新幹線沿線)

    (%)

    沿線平均3,131全国平均

    3,109

    ※1964年を100とした場合

  • 10

    (6)沿線の就業地別有効求人倍率

    ・沿線有効求人倍率は全国平均より上回っているが、その差は縮まっている。

    ・沿線の労働需給は年代によって、変化がある。

    (注)沿線平均は単純平均(出典)厚生労働省「職業安定業務統計」

    有効求人倍率(東海道新幹線沿線)

    ※就業地別、季節調整値を使用

    (倍)

    0.62 0.60 0.85

    1.27 1.37 1.27 0.72 0.88

    0.000.200.400.600.801.001.201.401.601.802.002.20

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1985年 沿線平均0.95

    全国平均0.67

    0.51 0.53 0.70 0.89 0.80 0.89 0.52 0.71

    0.000.200.400.600.801.001.201.401.601.802.002.20

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    2000年 沿線平均0.69

    全国平均0.62

    (倍)

    1.24 1.20 1.08 1.58 1.56

    1.21 0.96

    1.81

    0.000.200.400.600.801.001.201.401.601.802.002.20

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    2015年 沿線平均1.33

    全国平均1.23

    (倍)

    (倍)

    0.71

    0.45 1.18 1.40

    1.95

    1.51

    0.75

    0.57

    0.000.200.400.600.801.001.201.401.601.802.002.20

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1965年 沿線平均1.07

    全国平均0.61

  • 11

    (7)高齢化率

    ・沿線地域の高齢化率は全国平均より低い。全国平均とのポイント差は、

    2000年まで大きくなり、その後縮小。

    ・近年高齢化率が一挙に進む。

    (注)沿線平均は単純平均(出典)総務省統計局「国勢調査」

    高齢化率(東海道新幹線沿線)

    4.6 7.0 8.1 7.0 5.3 6.4 4.4 4.3

    0.05.0

    10.015.020.025.030.0

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1965年(%) 沿線平均5.9全国平均6.3差0.4

    15.0 17.5 16.1 18.2 14.5

    17.7 13.8 15.9

    0.05.0

    10.015.020.025.030.0

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    2000年(%) 沿線平均16.1全国平均17.4差1.3 26.1 27.5

    24.2 28.1 23.8 27.8 23.9 22.7

    0.05.0

    10.015.020.025.030.0

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    2015年(%) 沿線平均25.5全国平均26.6差1.1

  • 20.52 20.62 20.95 20.77 21.08 21.25 21.09 21.23

    15.00

    16.00

    17.00

    18.00

    19.00

    20.00

    21.00

    22.00

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    2017年 沿線平均20.94全国平均21.00

    (年)

    12

    (8)健康寿命

    ・沿線平均は男女とも全国並み。

    ・男女とも滋賀・静岡が長い。

    (注)健康寿命。健康寿命(日常的に介護を必要とせず、健康で自立した生活ができる期間)の算出にあたっては、要介護1までを健康と定義し、「65歳平均自立期間」を採用している。なお、国の公表する健康寿命は、厚生労働省「国民生活基礎調査」の結果を用いているが、要介護認定に基づくほうが客観性があるため、奈良県では、65歳平均自立期間を採用。平均は、単純平均。

    (出典)奈良県健康づくり推進課調べ

    健康寿命(東海道新幹線沿線)

    男性 女性

    19.58 20.00 20.43 20.22 20.00 20.73

    20.23 20.01

    15.00

    16.00

    17.00

    18.00

    19.00

    20.00

    21.00

    22.00

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    2007年 沿線平均20.15全国平均20.23

    (年)

    17.36 18.09 18.36 17.89 18.01 18.23 18.12 17.97

    15.00

    16.00

    17.00

    18.00

    19.00

    20.00

    21.00

    22.00

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    2017年 沿線平均 18.00全国平均 17.93

    (年)

    16.59 16.88 16.95 17.08 16.91 17.21 17.36 17.49

    15.00

    16.00

    17.00

    18.00

    19.00

    20.00

    21.00

    22.00

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    2007年 沿線平均 17.06全国平均 16.95

    (年)

  • 13

    (9)沿線の高齢者人口

    ・沿線地域の高齢者人口の伸び率は全国平均より高い。近年、伸びが著しい。

    ・神奈川・大阪・愛知の高齢者人口の伸び率が高い。

    303,520 500,674

    716,579

    1,047,875

    1,634,218

    2,278,324

    703,419

    337,877

    567,571

    1,760,763

    1,021,283

    2,158,157

    468,963

    731,808

    1,055,850

    1,530,695

    2,295,527

    3,005,516

    0

    500,000

    1,000,000

    1,500,000

    2,000,000

    2,500,000

    3,000,000

    3,500,000

    1965 1975 1985 1995 2005 2015

    高齢者人口の推移(東海道新幹線沿線)

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県

    愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    (人)

    (出典)総務省統計局「国勢調査」

    538 359 360 369 492 419

    764 489

    0

    500

    1,000

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1965-2005年における伸び率※1965年を100とした場合 沿線平均497全国平均415

    751 476 488 474 694 549 1,114

    641

    0

    500

    1,000

    1,500

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1965-2015年における伸び率※1965年を100とした場合 沿線平均679全国平均541

    139 133 135 128 141 131 146 131

    0

    50

    100

    150

    200

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    2005-2015年における伸び率※2005年を100とした場合沿線平均137全国平均130

    高齢者人口の伸び率(東海道新幹線沿線) (%)

  • 14

    (10)沿線の若者(15歳~24歳)人口

    ・滋賀・神奈川の伸び率が高い。東京・大阪の伸び率は低い。

    ・沿線地域の伸び率は全国平均より高い。

    1,602,987

    1,258,660 1,389,759 1,413,860

    970,504

    878,841

    278,746

    145,626 191,313

    760,696 315,254

    911,287

    2,878,064

    2,135,380 2,115,851

    1,901,393

    1,422,710 1,320,427

    0

    500,000

    1,000,000

    1,500,000

    2,000,000

    2,500,000

    3,000,000

    3,500,000

    1965 1975 1985 1995 2005 2015

    15~24歳人口の推移(東海道新幹線沿線)

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県

    愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    (人)

    (注)沿線平均は単純平均(出典)総務省統計局「国勢調査」

    61 69

    103

    67 71 65

    95

    49

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    140

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1965-2005年における15~24歳人口の伸び率(東海道新幹線沿線)

    ※1965年を100とした場合 沿線平均

    72全国平均

    70

    55 58

    90

    57 66 54

    89

    46

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    140

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1965-2015年における15~24歳人口の伸び率(東海道新幹線沿線)

    沿線平均64

    全国平均60

    ※1965年を100とした場合

    (%)

    (%)

  • 15

    (11)女性の合計特殊出生率

    ・東京・京都は低い。

    ・沿線平均は全国平均並み。

    (注)沿線平均は単純平均(出典)厚生労働省「人口動態統計」

    合計特殊出生率(東海道新幹線沿線)

    2.20 2.02 2.19 2.22 2.23 2.21 2.22 2.00

    0.00

    0.50

    1.00

    1.50

    2.00

    2.50

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1965年(倍)

    1.33 1.33 1.58 1.49 1.47 1.48 1.34 1.11

    0.00

    0.50

    1.00

    1.50

    2.00

    2.50

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1995年(倍) 沿線平均1.39

    全国平均1.42

    1.39 1.35 1.61 1.56 1.57 1.54 1.39 1.24

    0.00

    0.50

    1.00

    1.50

    2.00

    2.50

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    2015年(倍) 沿線平均1.46

    全国平均1.45

    沿線平均2.16

    全国平均2.14

  • (12)女性の就業率

    ・岐阜・静岡は高い。

    ・沿線平均は全国平均よりやや低い。

    (出典)総務省統計局「国勢調査」

    2015年1995年

    女性の就業率(東海道新幹線沿線)

    (%)(%)

    16

    65.5 68.2 69.3

    72.7 69.2 71.9 66.1

    69.6

    0.0

    10.0

    20.0

    30.0

    40.0

    50.0

    60.0

    70.0

    80.0

    90.0

    100.0

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    沿線平均68.4全国平均69.2

    53.4 58.0 60.3 64.0 61.0

    66.0 54.1 59.0

    0.0

    10.0

    20.0

    30.0

    40.0

    50.0

    60.0

    70.0

    80.0

    90.0

    100.0

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    沿線平均58.0全国平均59.7

  • 17

    (13)観光入込客数

    ・東京の入込客数が多い。沿線全体(大阪、京都を除く)の2/3。

    ・2010年以降、東京の伸び率が大きい。

    45,182 82,316

    121,879 172,869 181,700

    886,522 840,902

    977,468

    1,084,227 1,087,421 1,137,777 1,170,772

    0

    200,000

    400,000

    600,000

    800,000

    1,000,000

    1,200,000

    1,400,000

    2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

    2010-2016年の観光入込客数(東海道新幹線沿線)

    滋賀県 岐阜県 愛知県静岡県 神奈川県 東京都

    (千人)

    116.7 109.0 115.5 109.6 105.1 132.1

    0.0

    20.0

    40.0

    60.0

    80.0

    100.0

    120.0

    140.0

    滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    2010-2016年の観光入込客数の伸び率(東海道新幹線沿線)

    (%) 沿線平均123.9

    (出典)観光庁「観光入込客統計」 大阪府、京都府は2010-2016のデータなし

    東京都63%

    神奈川

    県12%

    愛知県9%

    静岡県8%

    岐阜県5% 滋賀県

    3%

    各県の比率(2010年)

    東京都67%

    神奈川

    県10%

    愛知県8%

    静岡県7%

    岐阜県5%

    滋賀県3%

    各県の比率(2016年)

    ※2010年を100とした場合

  • 21,764,630 23,343,620 23,881,430

    28,369,250 30,366,080

    31,010,470 33,212,480

    14,405,110

    18,921,720

    4,310,460 4,649,630

    5,575,640 6,205,370

    17,189,390

    16,331,430 20,756,330

    41,528,320

    49,189,870 52,824,060

    54,258,780

    59,087,920 57,514,950

    59,949,670

    0

    10,000,000

    20,000,000

    30,000,000

    40,000,000

    50,000,000

    60,000,000

    70,000,000

    2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

    2011-2017年の宿泊者数(東海道新幹線沿線)

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県

    愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    (人)

    大阪府

    滋賀県

    18

    (14)宿泊者数

    (出典)観光庁「宿泊旅行統計調査」

    ・東京が最も多く、その次が大阪。岐阜と滋賀が低い。東京が全体の1/3。

    ・沿線地域の伸び率は全国平均より高い。

    東京都

    岐阜県

    152.6 131.4 107.9 111.3

    138.5 107.0 127.1 144.4

    0.0

    50.0

    100.0

    150.0

    200.0

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    2011-2017年の宿泊者数の伸び率(東海道新幹線沿線)

    (%)沿線平均133.8全国平均122.1

    ※2011年を100とした場合

    東京都31%

    大阪府16%

    静岡県14%

    神奈川

    県12%

    京都府11%

    愛知県9%

    岐阜県4%

    滋賀県3%

    東海道新幹線沿線

    各県の比率(2011年)

    東京都33%

    大阪府18%

    静岡県12%

    神奈川

    県11%

    京都府10%

    愛知県10%

    岐阜県3%

    滋賀県3%

    東海道新幹線沿線

    各県の比率(2017年)

  • 19

    (15)ホテル客室数

    ・東京が最も多く、その次が大阪。東京が沿線全体の1/3。大阪が1/5。

    ・過去20年間の伸び率は大阪が大きい。東京が低い。

    35,190

    71,193

    14,273

    27,038

    9,143 6,567

    11,927

    29,752

    20,291

    32,600

    77,233 83,502 84,833

    86,112

    93,669 95,756 96,113 97,879 100,122

    110,641

    0

    20,000

    40,000

    60,000

    80,000

    100,000

    120,000

    1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

    1996-2017年のホテル客室数(東海道新幹線沿線)

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県

    愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    (室)

    東京都

    大阪府

    202.3 189.4

    164.7 181.6 157.6 168.5 160.7 143.3

    0.0

    50.0

    100.0

    150.0

    200.0

    250.0

    大阪府 京都府 滋賀県 岐阜県 愛知県 静岡県 神奈川県 東京都

    1996-2017年のホテル客室数の伸び率(東海道新幹線沿線)

    (%) 沿線平均164.6全国平均163.0

    ※1996年を100とした場合

    (出典)厚生労働省「衛生行政報告例」

    東京都35%

    大阪府22%

    神奈川県10%

    静岡県9%

    愛知県9%

    京都府8%

    岐阜県4%

    滋賀県3%

    東海道新幹線沿線

    各県の比率(2017年)

    東京都40%

    大阪府18%

    神奈川県11%

    愛知県9%

    静岡県9%

    京都府7%

    岐阜県3%

    滋賀県3%

    東海道新幹線沿線

    各県の比率(1996年)

  • 20

    ○移住、定住への高速鉄道の影響は少なく、他の要素の影響が大きいように思われる。

    ○沿線交流機能向上により、東京・大阪の観光客数、宿泊者数が大きくなってきたように思われる。

    ○東海道メガロポリス形成により、同地域の経済生産は他地域より優勢であったように思われる。

    ○経済総生産、法人数の東京集中が著しく、都道府県税の東京集中も著しい結果になっている。

    ○沿線各都府県の諸指標の新幹線開通による影響は不明であると思われる。

    総括

  • 21

    ○わが国の2大都市圏を結ぶ中心国土軸には、災害等に備えて、常にリダンダンシーの考え方が必要。

    ○国土の有効利用のためには、鉄道に加えて他モードの交通インフラ(高速道路、空港)との結節性の確保も極めて重要。

    ○経済社会のグローバル化に伴い増加するインバウンド観光需要及び外国人労働者の域内各地域との往来の円滑のために、国際空港との結節が極めて重要。

    ○地域の発展・振興のためには、高速幹線鉄道の駅の周辺地区の整備と駅に接続する域内交通体系(鉄道、道路、バス等)の整備が必要不可欠。

    3 リニア中央新幹線の高速便益の国土への均てんを図るには

    (1)リニア中央新幹線は大都市間を結ぶだけでなく、都市と地方、地方と地方も結びます。そのため、リニアについては、次のような視点が大事だと考えます。

  • 22

    ○都市と地方の共生を図る視点が大事。都市住民に農村と森林に触れ合う機会を増大し、都市住民に安息の機会を与える。都市在住の優秀な才能に地方を訪問、移住、定住する機会を増大し、地方を活性化させる。

    ○都市間、都市―地方間、地方間交流の意義を確認する。異文化、異能者、異流儀を互いに尊重する風土を作り、グローバル社会で活躍する人材を育成する。

  • ②五條市にリニア中央新幹線等の排出土砂を利用した大規模広域防災拠点

    (2,000m滑走路付)の整備

    (2)上記の視点に立ち、奈良県では次のような整備構想を必要と考えています。

    23

    ①奈良市附近駅の整備

    ・先端的で高度な知識関連の産業・研究所・学術機関・オフィスが大規模に集積し、高度なサービスが行き届いたまちに整備

    ・早期の位置確定が必要

    ・南海トラフ巨大地震に備える・造成には、リニア中央新幹線等の排出土砂を利用・排出土砂運搬には専用軌道を建設し、後刻リニア中央新幹線~関西国際空港の新幹線に転用するなど、有効活用を検討

  • ③リニア中央新幹線奈良市附近駅と関西国際空港を直結するリニア新支線

    24

    ・常電導リニアで新幹線を建設(単線)

    ・途中の停車駅の候補地は、大和高田市、御所市、五條市、橋本市とする

    ・リニア中央新幹線排出土砂専用軌道を転用

  • 25

    ④高速道路との結節性を向上させ、紀伊半島全体の移動性の向上を図る(奈良市附近駅から和歌山市まで約1時間)

    ⑤在来鉄道との結節性を向上させ、県内及び近隣地域との移動の円滑化を図る

    ⑥スイスに学ぶ森林環境管理制度を確立し、生産、防災、生物多様性、レクリエーション機能を備えた恒続林(Dauerwald)を整備する。リニア沿線の森の機能を多様化する

    ⑦新大阪地下ホームでリニア中央新幹線と四国及び山陰直通のFG新幹線を接続

  • 26

    ○田園都市構想研究グループがまとめた報告書によると、「都市に田園のゆとりを、田園に都市の活力をもたらし、両者の活発で安定した交流を促し、地域社会と世界を結ぶ、自由で、平和な、開かれた社会、そうした国づくりを目指す」と書かれています。

    ○同構想について、大平総理は、「人と自然、都市と農村に新しい視点をもたらし」、「この構想は地域の個性を生かして、みずみずしい住民生活を築いていこうとする」、「そこでは基礎自治体の自主性が尊重される」、「緑と自然に包まれ、やすらぎに満ち、帰属意識の強いみずみずしい人間関係の脈打つ地域生活圏を展開する」、「大都市もふるさと社会と感じられる国をつくることを目指す」と述べています。

    4 今後の国土形成をどう進めるのか

    (1)リニア中央新幹線を活用した今後の国土形成の目指す方向としては大平内閣(1978年~1979年)の「田園都市国家構想」のようなものが望ましいと考えます。

  • (2)これからの国土形成については、「地方分権」と「グローバル化」を基軸に考えていくべきです。従来の国家主導でない、新しいやり方で進めるべきと考えます。

    27

    ○地方分権一括法の施行(2000年)により、国と地方政府は法的には対等な関係になりました。これからの国土形成を進めるにあたっても、「地域の知恵を結集した国全体の総合計画」が必要です。

    ○地域には異なる地勢に応じた地域の知恵が発生する余地があります。国家も含めて、異質な立場を尊重し、どのような制度の中にもすべての人の居場所がある柔軟な国家を創る必要があります。

    ○独創的な考えの人々は地方で育つ傾向があります。(日本には独創的な考えの人々が地方に存在していました(横井小楠、内藤湖南、中江兆民、南方熊楠、白川静、宮崎市定等))。

    ○わが国の国土の7割は森林です。リニア中央新幹線は森林環境の豊かな地域を通ります。多くの人々が森林と触れ合うことで、新しい発想が生まれることを期待します。

    ○国土計画は「技術的・論理的に」、国土づくりは「もっと論理的、科学的に」(宮本武之輔、兼岩伝一)。

  • (3)グローバル化・デジタル化の進展とリニア中央新幹線共生の道は

    28

    ○地域の交流機能の拡大は、グローバル社会とのより頻繁な接触の中で、地域に育まれた勤勉性、刻苦精神、先取性、自由闊達さ、独創性が大きな刺激を受け、グローバル社会に生き残れるわが国独自の思想の発展と実践の展開に繋がることと信じています。

    ○地域の発展にとって必要不可欠なのは、視野の広いグローバル化時代の高度な人材です。高速交通体系の整備により、時間移動の長い高度人材が世界の端から日本の地方まで訪れていただくことが可能となり、グローバル化時代に地域が生き抜く力を与えていただくことを大いに期待しています。

    ○デジタル化の急速な進展に伴い、Face to Faceでないビジネス領域の拡大、遠隔地での皆と一緒でない仕事の可能性の拡大等が見えてきました。そのような傾向の帰結(雇用と職業の分離等)についても思いをめぐらせ、リニア中央新幹線との共生関係を探求すべきです。

    ○SМRの限界についての考察も必要です。デジタル人材の都市集中と都市生活費の高騰のため、行き場を求めています。リニア中央新幹線が役立つ道も考えるべきです。

  • (4)高速交通機能向上を活用した地域の振興には地域の自助努力が不可欠です。

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    ○地域で人、物、金、情報がより活発に流動し、地域地域が独自の発展を遂げるためには、地域の自律的自助努力が基本です。

    ○地域にはそれぞれの独自の地勢、歴史があります。地域の独自資源を大切にし、地域振興の元手にすべきです。

    ○地域それぞれの発展が国全体の発展に繋がるものと確信しています。わが国は国主導で地域が従う発展形態から、地域独自の発展の努力を国が束ね育む発展形態へと変化すべきです。