「アスベストデータベース」に関連する日本工業規 …...「アスベストデータベース」に関連する日本工業規格(JIS)の変遷 1. 概要 「石綿(アスベスト)含有建材データベース(以下
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G2桐山・財津・吉田
アスベスト
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前回からの改善点 構成の変更
情報の追加
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目次
動機過去の事例アスベストとは?主な健康被害アスベスト訴訟対策・規制法問題点と改善案まとめ
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動機 学校や工場などの身近な場所でおこる環境問題
誰にでも起こる可能性がある
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発症する職種&石綿使用製品
歯科技工士、美容師、酒類製造、クリーニング、レンガ・陶器、エレベーター保守、セメント、スレート、ボイラー、電気工事、配管、水道工事、石油化学工場、造船所、ガラス製品、清掃工場、ゴム・タイヤ、消防、石工、アスファルト、ブラウン管、天井材・屋根材・床材などなど
←工場屋根
水道管→
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過去の事例三菱ふそう
クボタ
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三菱ふそう 初のアスベスト労災認定事件(2006年8月申請、2006年12月認定) 三菱ふそう元従業員男性
1962年に三菱日本重工業に入社→川崎自動車製作所(現ふそうの川崎製作所)に41年間勤務。2003年9月に退職
2006年8月:中皮腫で死亡(当時の記事より)
被害者への賠償額()
経過 アスベスト含有製品を扱った可能性のある社員の健康診断(胸部直接撮影)を実施
アスベストを含む自動車部品を総点検し、代替品への切り替えを完了
出所:Response「三菱ふそう元従業員、初のアスベスト被害による労災認定」2007年1月22日(http://response.jp/article/2007/01/22/90538.html)
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クボタ 2005年アスベスト問題が再燃した事件
• 兵庫県尼崎市のクボタ旧神崎工場の従業員74人• 2005年6月アスベスト関連病で死亡
• 被害者への賠償金(総額32億円)
経過• 工場周辺1km圏内の住民被害者にも労災並みの 高4600万円の救済金を支払うとした。
• 石綿業界 大手のニチアスも、工場周辺400m圏内の住民被害者に 高3000万円の救済金を支払うとした。
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アスベストとは
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アスベストとは?
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別名:石綿 種類
蛇紋石や角閃石が繊維状に変形した天然の鉱石 蛇紋石系(クリソタイル)と角閃石系(クロシドライト、アモサイト)に大別
クリソタイル、クロシドライト、アモサイト
性質:耐久性、耐熱性に優れる 用途:建設資材、家庭用品に使用
鉱石の特徴クリソタイル 綿のように柔らかい 日本:2004年に使用禁止
クロシドライト
針状に尖った繊維で、クリソタイルのような柔らかさはない
日本:毒性が強く1995年に使用も製造も禁止
アモサイト 柔軟性があって強靭 1995年から使用も製造も禁止
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「静かなる時限爆弾」 職業性のものや、家庭・環境でのアスベスト曝露→大気中のアスベスト曝露により中皮腫を発症
潜伏期間:平均約40年、自覚症状がほとんどない
発症者の多くがどこでアスベストを
吸い込んでいたかわからない。
その結果
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輸入量
13出所「アスベスト健康被害の救済」
http://www.erca.go.jp/asbestos/what/whats/ryou.html
主な輸入先
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主な健康被害
アスベスト肺
肺がん
悪性中皮腫
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アスベストによる健康被害
http://www.ikeda-hp.com/ikedahp/knowledge/knowledge05.html16
アスベスト肺 肺が繊維化してしまう肺腺維症という病気
職業上アスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に起こるといわれている
潜伏期間:15~20年
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出所「国際安全衛生センター」http://www.jniosh.go.jp/icpro/jicosh-old/japanese/country/uk/statistics/hse-bulletin/2003_04/index.html
肺がん 石綿が肺がんを起こすメカニズムはまだ解明されていない
肺細胞に取り込まれた石綿繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされている
潜伏期間:15~40年
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出所「国際安全衛生センター」http://www.jniosh.go.jp/icpro/jicosh-old/japanese/country/uk/statistics/hse-bulletin/2003_04/index.html
悪性中皮腫 肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び、大血管の起始部を覆う心膜などにできる悪性の腫瘍
若い時期にアスベストを吸い込んだ人のほうがなりやすい
潜伏期間:20~50年
19出所「中央労働災害防止協会」
http://www.jisha.or.jp/international/statistics/201204_02.html
Q:危険なのにも関わらずなぜ、使われ続けたのか! 安価、使用用途広い
戦後:高度経済成長期の建設ラッシュに多く使用
昭和40年代以降:ビルの耐火被覆、吸音、断熱用のための吹き付け材として大量に使用
But,国:健康被害に対する認識あり
70年以上も前の1937年から泉南地域を中心とする石綿工場の労働衛生調査(「保険院調査」)を実施
戦後も繰り返し調査→深刻な被害実態を知っていた
危険性を国民に知らせなかった背景
石綿のメリット(経済性)>デメリット(健康被害)
経済成長を優先課題として大量に使用を認めてきた
http://www.asbestos-osaka1.sakura.ne.jp/20
アスベスト訴訟の課題
訴訟の難しさ
問題点
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アスベスト訴訟の課題
訴訟の難しさ
問題点
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出所(http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/10-3/matsumoto.pdf)
アスベスト訴訟の難しさ因果関係の証明が必要!
アスベスト被害に対して企業や国に損害賠償責任を追及するためには,生じた健康被害が加害行為によるものかという発症原因についての因果関係(集団的因果関係)と,それが肯定されるとしても個々の原告の健康被害は被告の加害行為により発症したものかという因果関係(個別的因果関係)が問題
要するに!!勤めていた労働者がアスベストの暴露が原因で発症したのかさらに、その集団の中の個人単位でアスベストによる発症なのかの証明が必要!!
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因果関係を証明するにおいての問題点
職業暴露家族暴露環境暴露予見暴路時効
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職業暴露 アスベスト疾患である被害者が1か所のアスベスト粉じん職場で
アスベストに暴露されていたことが明らかな場合は,被害発生の原因が特定されやすく因果関係は問題にならない。しかし、被害者が複数のアスベスト関連職場に勤務した経験がある場合だと証明が難しくなる。
松尾じん肺訴訟・東京地裁1990・3・27悪性中皮腫で死亡した電気工事監督者である夫亡Aの遺族(妻と子)が雇用主であるY会社を相手取り損害賠償請求を請求した電気工事監督者事件
亡Aは被告会社に勤務する以前の1975年から1986年にB電機商会
で電気工事作業に従事していたが,その期間に天井部分の鉄骨部に断絶材として吹き付けられている石綿を撤去したことが認められたため、健康被害は電気工事中のものではないとして否定された
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家族暴露 家庭内に帰宅するような場合には,同居の家族が,自らはアスベ
スト職場で働いていたのではないにもかかわらず,間接的にアスベスト粉じんにおかされる危険性がある。
細倉じん肺訴訟・仙台地裁1996・3・22ミサワリゾート事件‥原告らの被相続人であるAが死亡
石綿製造企業である被告のもとに勤務していた亡Aの
父親Bが持ち帰った作業衣やマスクに付着していたアスベスト
粉じんを吸入した結果,悪性中皮腫となり死亡
亡Aの死因が悪性中皮腫によるものかは断定できないうえ,仮に亡Aの死因が悪性中皮腫であり,かつ,亡Aが石綿の家庭内暴露を受けたこととの間に相当因果関係があるとしても,被告にはその当時,家庭内暴露による従業員の家族の健康被害発生の危険性の予見可能性がなかったとして,責任を否定している。
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環境暴露 アスベスト製品を製造する工場から飛散したアスベスト粉じん
が周囲の住民に健康被害をもたらす。
大阪泉南アスベスト訴訟・大阪地裁2010・5・19国を被告とした泉南訴訟では,アスベスト製造工場の近くで農
業を営んでいた原告が工場から飛散したアスベスト粉じんに暴
露し,アスベスト疾患になったと主張。
工事現場から一定距離内に居住する原告には、騒音被害に対する不法行為責任を認めたが,アスベスト粉じんの飛散については,本件敷地の外への粉じんの飛散の有無,その量,損害などが不明であるとして,この点に関する解体業者の責任は否定している。
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予見暴露 被害発生の予見可能性がなかったとして,被告の責任を否定し
た判決
職業暴露における札幌国際観事件
ホテルの機械室,ボイラー室で業務に従事していた労働者が吹
付石綿によるアスベスト粉じんの暴露により悪性中皮腫で死亡
遺族が雇用主の損害賠償責任を追及
このような免責を認めず,被告は「石綿含有製品を取り扱う作業に当たる労働者に対して,法令上要求される措置(局所排気装置による排気,呼吸用保護具の使用,湿潤化,立入禁止措置,健康診断等従業員の健康管理)を講じていたと認めるに足りる証拠はない。」として安全配慮義務違反の責任を認定している。
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時効 アスベスト疾患は長期の潜在性を有する特徴
潜伏期間は3年から50年
長期潜在性が損害賠償請求権の消滅時効との関連で被害救済への問題
長野石綿じん肺訴訟・長野地裁1986・6・27提訴時にすでに死亡から10年以上労働者の遺族の安全配慮義務
違反の債務不履行に基づく損害賠償請求権
10年間の消滅時効期間が経過しているとして損害賠償請求を棄
却
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事件名 判決年月日 認否 被災者1人あたり賠償認容額
長野石綿じん肺訴訟 1986. 6.27 ○ 1650~2420万円
米軍横須賀基地石綿じん肺訴訟 2002.10. 7 ○ 1540~2740万円
米軍横須賀基地石綿じん肺訴訟 2003. 5.27 ○ 1540~2740万円
ミサワリゾート事件 2004. 3.25 ×
関西保温工業事件 2004. 9.16 ○ 5670万円
ミサワリゾート事件 2005. 1.20 ×
関西保温工業事件 2005. 4.27 ○ 4677万円
住友重機工業事件 2006.10.30 ○
札幌国際観光事件 2007. 3. 2 ×
札幌国際観光事件 2008. 8.29 ○ 3235万円
電気工事監督者事件 2009. 2.16 ×
建物解体工事事件 2009. 3.13 △ 10万円
米軍横須賀基地訴訟 2009. 7. 6 ○ 7684万円
中部電力事件 2009. 7. 7 ○ 3000万円
近鉄高架下建物吹付アスベスト事件 2009. 8.31 ○ 4944万円
(旧)日本エタニットパイプ事件 2009. 9.14 △ 1000~2500万円
三井倉庫事件 2009.11.20 ○ 3366万円
近鉄高架下建物吹付アスベスト事件 2010. 3. 5 ○ 5995万円
渡辺工業事件 2010. 4.21 ○ 2290万円( )
大阪泉南アスベスト訴訟 2010. 5.19 △ 825万円~2750万円
○請求認容,×請求棄却,△請求を認容された原告と棄却された原告がいた
30 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/10-3/matsumoto.pdf
裁判に関する考察
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意義・評価する所2005年9月29日健康被害者の救済を目的とする新法の骨格を決定。
労災補償を受けずに死亡した労働者の遺族に対しては、労災並みの補償を行う。原則 中皮腫患者は全員救済する
問題・改善点予見的因果関係の証明がほぼ不可能
国側は敗訴しても、責任に真正面から向き合わず、被害者への補償やこれから起きる被害への対策をないがしろにしている
アスベスト対策及び関連法規制
労働安全衛生法
石綿障害予防規則
大気汚染防止法
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労働安全衛生法(昭和47年10月1日制定・平成16年10月1日改正)
内容
所定の製品でアスベスト含有率1重量%を超えるものの製造を禁止。
当分の間製造等が許可される製品については名称等の表示や文書の交付等が義務づけられる。
その他、健康管理手帳の交付、計画の届出等を定める。
結果
アスベストの輸入が大幅に減少。
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石綿障害予防規則(平成17年2月24日制定・平成23年8月1日改正)
内容• 事前調査・記録(40年間保存)• 石綿作業主任者の選任• 作業時の湿潤化• 作業場の隔離・立ち入り禁止、掲示版の設置
• 労働者が就業する建物で吹き付けアスベストの暴露のおそれがある場合は除去などの措置をとること
労働安全衛生法に基づく省令であり、一部の規定を除きこれらの規定に違反した場合は、労働安全衛生法に基づく罰則の適用がある。
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大気汚染防止法(昭和43年6月10日制定・平成元年6月28日改正・平成8年5月9日改正)
内容 建築物の解体等に伴うばい煙、揮発性有機化合物及び粉じんの排出等を規制
特定粉塵排出等作業実施届書を県に提出
義務 工事の施工者は、工事開始14日前までに都道府県へ届出すること。
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アスベスト規制 1975年青石綿・茶石綿吹き付け(5%以上)禁止
1995年青石綿・茶石綿の輸入・製造・使用禁止
1995年白石綿吹き付け(1%以上)禁止
2004年全石綿の原則使用禁止(代替品のない製品を除く)
2006年全面禁止
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規制の効果
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輸入量の減少
被害者への賠償・保障制度
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被害者への賠償・保障制度
アスベスト対策の問題点と改善案
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問題点
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諸外国の法制度・規制
カナダ 空気中のアスベスト濃度は10立方センチメートルあたり 大1本(ほこり程度の大きさ)に制限されている。
しかしアスベストの有害科学物質入りを拒否。
アメリカ• アスベスト吹き付けは1975年に全面禁止。• アスベスト被害補償法案。
日本は諸外国に比べて対応が遅れていた。
まとめ要約
アスベストは家族、職場、大気などどこからでも吸い込む恐れがある。
訴訟を起こすには因果関係の証明が必要。 規制などで輸入量を軽減している。問題点 国がもっと早く規制や法を作るべきだった。 潜伏期間が長いため被害がわかりにくい。改善策
アスベストの接点の因果関係の証明をゆるくする必要がある。
十分な救済金の確保
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参考URL http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/0495.pdf
http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/07/tp0729-1.html
http://response.jp/article/2007/01/22/90538.html http://www.asbestos-osaka1.sakura.ne.jp
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