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1 1 モータ HILS の概要 2 自動車の電子化及び、電気自動車やハイブリッド車の実用化に伴い、 モータの使用数が増大しています。従来行われていた駆動用モータ 単体のシミュレーション、レシプロエンジンとモータの駆動力分配制御 シミュレーションの利用に加え、パワーウインドやサンルーフなどのボ ディー系、電動パワーステアリングやそのアシスト機能など、高度な制 御、大電流の制御などが要求されています。この為、モータ制御シス テムの開発には、電源設備や実モータを使わずに制御系の検証をす る、シミュレーションによる試験が重要になっています。 A&DのモータHILSは、インバータ/モータを用いることなく、机上で制 御系全体の動きを見ながら開発・設計・動作検証を行うことが可能に なります。また、レゾルバ入力に対応した3相PWMモータコントロール ボードにより、モータコントローラの構築も可能です。 ■ モータHILSの需要 はじめに

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モータ HILS の概要

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自動車の電子化及び、電気自動車やハイブリッド車の実用化に伴い、モータの使用数が増大しています。従来行われていた駆動用モータ単体のシミュレーション、レシプロエンジンとモータの駆動力分配制御シミュレーションの利用に加え、パワーウインドやサンルーフなどのボディー系、電動パワーステアリングやそのアシスト機能など、高度な制御、大電流の制御などが要求されています。この為、モータ制御システムの開発には、電源設備や実モータを使わずに制御系の検証をする、シミュレーションによる試験が重要になっています。

A&DのモータHILSは、インバータ/モータを用いることなく、机上で制御系全体の動きを見ながら開発・設計・動作検証を行うことが可能になります。また、レゾルバ入力に対応した3相PWMモータコントロールボードにより、モータコントローラの構築も可能です。

■ モータHILSの需要

はじめに

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モータを回す

■ 実モータ(DCブラシレスモータの例)を回す場合

モータコントローラからPWM信号を出力し、モータから回転信号と電流センサ信号をモータコントローラにフィードバックします。

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■ モータHILSによるシミュレーンの例

実機との置換え

HILS (Hardware in the Loop Simulation)

実モータを置換えた例実ECUを置換えた例

設計者の机上で電源設備やモータなしにモータコントローラの動作検証が可能

ECUの開発や自由度の高いモータ制御が可能

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実機との置換え

■ モータSILSによるシミュレーンの例SILS (Software in the Loop Simulation)

実ECUと実モータの両方を置換えた例

設計者の机上でECUや電源設備・実モータなしにモータとコントローラの開発・設計や動作検証が可能

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HILS / SILS 用プラットホーム

■ AD5435シリーズ

■ RPT用途の最適機

■ 高性能スタンドアロン・コントローラ・ Modelサイクル max.20kHz・ シミュレーションDSPをDual構成・ Model駆動 Celeron-M 1.5GHzGUI駆動 SH4 200MHz

・ TFTカラーモニタ搭載・ タッチパネル・ ハンドキャリー・サイズ

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モータHILSの事例

■ 実ECUと仮想モータの構成

モータコントローラ(実ECU)にA&Dのモータシミュレータを接続する事により、設計者の机上でモータコントローラの動作検証が可能です。電源設備や実モータを使用しないため作業環境の安全が保たれます。

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モータHILSの事例

■ モータシミュレータの概要AD5435 + AD5430-27の構成

■ AD5430-27インターフェース・AD5435筐体に1枚実装可能・3スロット占有(23W消費)

デジタル信号・PWM入力 : 6点・予備信号入力 : 1点・PWM出力 : 6点・エンコーダ出力/ホール素子信号 : 3点

アナログ信号・レゾルバキャリア(励磁)入力 :1点・レゾルバ角度情報 SIN,COS :2点・電流センサ出力(3相出力) :3点

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レゾルバ模擬は、FPGA内部で持っている電気角をSIN と COSに変換して出力し、乗算器を使い入力されたキャリア信号に対しAM変調をかける事により実現します。

モータHILSの事例

■ モータシミュレータの概要AD5435 + AD5430-27のFPGA部

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モータHILSの事例

■ モータシミュレータの概要AD5435 + AD5430-27のその他機能

モータをシミュレーションするにあたって重要な点は 入力されたPWM信号に対応した電流センサ信号を高速に返す必要が有ります。

その他の機能は、AD5435用に豊富に取り揃えてあるオプションボードを使用する事により構築可能です。

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■ インバータモデルとモータモデル

・FPGA上で実行

高速なシミュレートが可能

・インバータモデル,モータモデル

A&D が作成・サンプル提供

・モータモデルは下記3種をサポート

DCBL モデルIPMSM モデル

JMAG IPMSM モデル

注)モータモデルはユーザによる変更が可能(Xilinx ブロックセットで構築)

JMAGは株式会社日本総合研究所の登録商標です。

モータHILSの事例

■ インバータ / モータモデルの概要

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モータHILSの事例

■ インバータ / モータモデルの構築

MATLAB/Simulink は、 MathWorks社の製品です。System Generator 及び ISE は、Xilinx社の製品です。JMAGは、株式会社日本総合研究所の登録商標です。

制御対象となるモータを高速でシミュレーションする為には、高い演算処理能力が必要になります。弊社では、モデル化したインバータ/モータをFPGA上でリアルタイム演算を行い、高い応答速度でシミュレーションするモータシミュレータを提供します。

モータパラメータ

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モータHILSの事例

■ IPMSM JMAGモデルによるシミュレーションの結果例

オシロスコープの波形・上段 :レゾルバ信号・下段:電流センサ信号

シミュレーション条件・クローズドループ,速度制御・電気角周波数400Hz・入力PWM 正弦波400Hz・PWM搬送波 10kHz

正転 逆転

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・AD5430-18とAD5435を組み合わせる事によりモータコントローラをMATLAB/Simulinkで構築する事が可能です

モータコントローラの事例

■ モータコントローラの概要AD5435 + AD5430-18の構成-1

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モータコントローラの事例

■ モータコントローラの概要AD5435 + AD5430-18の構成 -2

・レゾルバ入力 : 2ch (Sin/Cos)+励磁出力

・アナログ入力 : 4ch 差動入力 16bitAD同時

・PWM出力 : 6ch(UH/UL/VH/VL/WH/WL)

・同期クロック信号出力 : 2ch(AD/PWM)

■ AD5430-18インターフェース

特徴・レゾルバ信号をダイレクトに入力可能であり、多摩川精機社製R/Dコンバータを搭載・同期クロックが2種類(タイマ・角度)あり、動作中に切り替え可能・同期クロックにより、PWM出力とA/D入力の同期が可能・PWM出力のキャリア信号に対してA/Dサンプリングのディレイ時間(ディレイ角度)が設定可能・PWM出力のキャリア信号に同期してSimulinkモデルが駆動される・PWM出力のキャリア信号に三角波を使用・PWM出力にデットバンド回路を実装・PWM出力のキャリア周波数が動作中に切り替え可能

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モータコントローラの事例

■ モータコントローラの概要AD5435 + AD5430-18のアプリケーション例

想定したインバータ回路

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モータSILSの事例

■ モータSILSによるシミュレーンの例SILS (Software in the Loop Simulation)

■ モータコントローラとモータシミュレータの組合せAD5435 + AD5430-18とAD5435 + AD5430-27

モータコントローラとモータシミュレータを組合わせることで、開発・設計・動作検証を机上で行うことができます。仮想のモータやECUを自由に取扱うことができます。また、電源設備や実モータを使用しないため、作業環境の安全が保たれます。

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AD5435とAD5430-27(モータシミュレーションボード)を組み合わせる事により、実際のインバータ/モータを使わずに机上で制御系全体の動きを見ながら開発・設計・動作検証が可能になりモータシミュレータを構築する事ができます。

実際のモータHILSを構築する場合、モータ用の模擬信号の他にコイルの温度・インバータ素子温度・故障状態信号の出力・電源電圧の入力・CAN通信等が必要になりますが、これらのモータHILSに必要な入出力信号はモータ用の模擬信号ほどのレスポンスは必要ありません。AD5435用に豊富に取り揃えてあるオプションボードを利用することにより構築が可能になります。