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ヨブ(:) (:ダイ)(:ショウ) 1 章 1 節 ウヅの(:)にヨブという(:)(:ヒト)があった。そのひ ととなりは(:マッタ)く、かつ(:タダ)しく、(:カミ)(:オソ)れ、(:アク)(:トオ)ざかった。 1章2節 (:カレ)(:オトコ)(:)(:ニン)(:オンナ)(:)(三人:サン ニン)があり、 1章3節 その(家畜:カチク)(:ヒツジ)(千頭:セントウ)、らくだ三千(:トウ)(:ウシ)五百くびき、(:メス)ろば五百(:トウ)で、しもべも(非常:ヒジョウ)(:オオ)く、この(:ヒト)(:ヒガシ)(人々:ヒトビト)のうちで(:モット)(: オオ)いなる(:モノ)であった。 1 章 4 節 そのむすこたちは、めいめい(自分:ジブン)(:)に、 (自分: ジブン)(:イエ)でふるまいを(:モウ)け、その(三人:サンニン)(姉妹:シマイ)(:マネ)いて(一緒:イッショ)(:)(:)みするのを(:ツネ)とした。 1 章 5 節 そのふるまいの(:)がひとめぐり(:オワ)るごとに、ヨブは (:カレ)らを(:)(:)せて(聖別:セイベツ)し、(朝早:アサハヤ)(:)きて、 (:カレ)らすべての(:カズ)にしたがって(燔祭:ハンサイ)をささげた。これは ヨブが「わたしのむすこたちは、ことによったら(:ツミ)(:オカ)し、そ (:ココロ)(:カミ)をのろったかもしれない」と(:オモ)ったからである。 ヨブはいつも、このように(:)った。 1 章 6 節 ある(:)(:カミ)(:)たちが(:)て、(:シュ)(:マエ) (:)った。サタンも(:)てその(:ナカ)にいた。 1章7節 (:シュ)(:)われた、「あなたはどこから(:)たか」。サ タンは(:シュ)(:コタ)えて(:)った、「(:)(:)きめぐり、あちら こちら(:アル)いてきました」。

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ヨブ(記:キ)

(第:ダイ)一(章:ショウ)

1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという(名:ナ)の(人:ヒト)があった。そのひ

ととなりは(全:マッタ)く、かつ(正:タダ)しく、(神:カミ)を(恐:オソ)れ、(悪:アク)に

(遠:トオ)ざかった。

1 章 2 節 (彼:カレ)に(男:オトコ)の(子:コ)七(人:ニン)と(女:オンナ)の(子:コ)(三人:サン

ニン)があり、

1 章 3 節 その(家畜:カチク)は(羊:ヒツジ)七(千頭:セントウ)、らくだ三千(頭:トウ)、

(牛:ウシ)五百くびき、(雌:メス)ろば五百(頭:トウ)で、しもべも(非常:ヒジョウ)に

(多:オオ)く、この(人:ヒト)は(東:ヒガシ)の(人々:ヒトビト)のうちで(最:モット)も(大:

オオ)いなる(者:モノ)であった。

1 章 4 節 そのむすこたちは、めいめい(自分:ジブン)の(日:ヒ)に、(自分:

ジブン)の(家:イエ)でふるまいを(設:モウ)け、その(三人:サンニン)の(姉妹:シマイ)を

も(招:マネ)いて(一緒:イッショ)に(食:ク)い(飲:ノ)みするのを(常:ツネ)とした。

1 章 5 節 そのふるまいの(日:ヒ)がひとめぐり(終:オワ)るごとに、ヨブは

(彼:カレ)らを(呼:ヨ)び(寄:ヨ)せて(聖別:セイベツ)し、(朝早:アサハヤ)く(起:オ)きて、

(彼:カレ)らすべての(数:カズ)にしたがって(燔祭:ハンサイ)をささげた。これは

ヨブが「わたしのむすこたちは、ことによったら(罪:ツミ)を(犯:オカ)し、そ

の(心:ココロ)に(神:カミ)をのろったかもしれない」と(思:オモ)ったからである。

ヨブはいつも、このように(行:イ)った。

1 章 6 節 ある(日:ヒ)、(神:カミ)の(子:コ)たちが(来:キ)て、(主:シュ)の(前:マエ)

に(立:タ)った。サタンも(来:キ)てその(中:ナカ)にいた。

1 章 7 節 (主:シュ)は(言:イ)われた、「あなたはどこから(来:キ)たか」。サ

タンは(主:シュ)に(答:コタ)えて(言:イ)った、「(地:チ)を(行:ユ)きめぐり、あちら

こちら(歩:アル)いてきました」。

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1 章 8 節 (主:シュ)はサタンに(言:イ)われた、「あなたはわたしのしもべ

ヨブのように(全:マッタ)く、かつ(正:タダ)しく、(神:カミ)を(恐:オソ)れ、(悪:アク)

に(遠:トオ)ざかる(者:モノ)の(世:ヨ)にないことを(気:キ)づいたか」。

1 章 9 節 サタンは(主:シュ)に(答:コタ)えて(言:イ)った、「ヨブはいたずら

に(神:カミ)を(恐:オソ)れましょうか。

1 章 10 節 あなたは(彼:カレ)とその(家:イエ)およびすべての(所有物:ショユウ

ブツ)のまわりにくまなく、まがきを(設:モウ)けられたではありませんか。

あなたは(彼:カレ)の(勤労:キンロウ)を(祝福:シュクフク)されたので、その(家畜:カチク)

は(地:チ)にふえたのです。

1 章 11 節 しかし(今:イマ)あなたの(手:テ)を(伸:ノ)べて、(彼:カレ)のすべて

の(所有物:ショユウブツ)を(撃:ウ)ってごらんなさい。(彼:カレ)は(必:カナラ)ずあな

たの(顔:カオ)に(向:ム)かって、あなたをのろうでしょう」。

1 章 12 節 (主:シュ)はサタンに(言:イ)われた、「(見:ミ)よ、(彼:カレ)のすべ

ての(所有物:ショユウブツ)をあなたの(手:テ)にまかせる。ただ(彼:カレ)の(身:ミ)

に(手:テ)をつけてはならない」。サタンは(主:シュ)の(前:マエ)から(出:デ)て

(行:イ)った。

1 章 13 節 ある(日:ヒ)ヨブのむすこ、(娘:ムスメ)たちが(第:ダイ)一の(兄:ア

ニ)の(家:イエ)で(食事:ショクジ)をし、(酒:サケ)を(飲:ノ)んでいたとき、

1 章 14節 (使者:シシャ)がヨブのもとに(来:キ)て(言:イ)った、「(牛:ウシ)が(耕:

タガヤ)し、ろばがそのかたわらで(草:クサ)を(食:ク)っていると、

1 章 15 節 シバびとが(襲:オソ)ってきて、これを(奪:ウバ)い、つるぎを

もってしもべたちを(打:ウ)ち(殺:コロ)しました。わたしはただひとりのが

れて、あなたに(告:ツ)げるために(来:キ)ました」。

1 章 16 節 (彼:カレ)がなお(語:カタ)っているうちに、またひとりが(来:キ)

て(言:イ)った、「(神:カミ)の(火:ヒ)が(天:テン)から(下:クダ)って、(羊:ヒツジ)およ

びしもべたちを(焼:ヤ)き(滅:ホロ)ぼしました。わたしはただひとりのがれ

て、あなたに(告:ツ)げるために(来:キ)ました」。

1 章 17 節 (彼:カレ)がなお(語:カタ)っているうちに、またひとりが(来:キ)

て(言:イ)った、「カルデヤびとが三(組:クミ)に(分:ワカ)れて(来:キ)て、らくだ

を(襲:オソ)ってこれを(奪:ウバ)い、つるぎをもってしもべたちを(打:ウ)ち

(殺:コロ)しました。

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わたしはただひとりのがれて、あなたに(告:ツ)げるために(来:キ)ました」。

1 章 18 節 (彼:カレ)がなお(語:カタ)っているうちに、またひとりが(来:キ)

て(言:イ)った、「あなたのむすこ、(娘:ムスメ)たちが(第:ダイ)一の(兄:アニ)の(家:

イエ)で(食事:ショクジ)をし、(酒:サケ)を(飲:ノ)んでいると、

1 章 19 節 (荒野:アラノ)の(方:ホウ)から(大風:オオカゼ)が(吹:フ)いてきて、(家:

イエ)の四すみを(撃:ウ)ったので、あの(若:ワカ)い(人:ヒト)たちの(上:ウエ)につぶ

れ(落:オ)ちて、(皆:ミナ)(死:シ)にました。わたしはただひとりのがれて、あ

なたに(告:ツ)げるために(来:キ)ました」。

1 章 20 節 このときヨブは(起:オ)き(上:ア)がり、(上着:ウワギ)を(裂:サ)き、

(頭:アタマ)をそり、(地:チ)に(伏:フ)して(拝:ハイ)し、

1 章 21 節 そして(言:イ)った、「わたしは(裸:ハダカ)で(母:ハハ)の(胎:ハラ)

を(出:デ)た。また(裸:ハダカ)でかしこに(帰:カエ)ろう。(主:シュ)が(与:アタ)え、

(主:シュ)が(取:ト)られたのだ。(主:シュ)のみ(名:メイ)はほむべきかな」。

1 章 22 節 すべてこの(事:コト)においてヨブは(罪:ツミ)を(犯:オカ)さず、ま

た(神:カミ)に(向:ム)かって(愚:オロ)かなことを(言:イ)わなかった。

(第:ダイ)二(章:ショウ)

2 章 1 節 ある(日:ヒ)、また(神:カミ)の(子:コ)たちが(来:キ)て、(主:シュ)の(前:

マエ)に(立:タ)った。サタンもまたその(中:ナカ)に(来:キ)て、(主:シュ)の(前:マエ)

に(立:タ)った。

2 章 2 節 (主:シュ)はサタンに(言:イ)われた、「あなたはどこから(来:キ)た

か」。サタンは(主:シュ)に(答:コタ)えて(言:イ)った、「(地:チ)を(行:ユ)きめぐり、

あちらこちら(歩:アル)いてきました」。

2 章 3 節 (主:シュ)はサタンに(言:イ)われた、「あなたは、わたしのしも

べヨブのように(全:マッタ)く、かつ(正:タダ)しく、(神:カミ)を(恐:オソ)れ、(悪:

アク)に(遠:トオ)ざかる(者:モノ)の(世:ヨ)にないことを(気:キ)づいたか。あなた

は、わたしを(勧:スス)めて、ゆえなく(彼:カレ)を(滅:ホロ)ぼそうとしたが、(彼:

カレ)はなお(堅:カタ)く(保:タモ)って、おのれを(全:マット)うした」。

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2 章 4 節 サタンは(主:シュ)に(答:コタ)えて(言:イ)った、「(皮:カワ)には(皮:カワ)

をもってします。(人:ヒト)は(自分:ジブン)の(命:イノチ)のために、その(持:モ)

っているすべての(物:モノ)をも(与:アタ)えます。

2 章 5 節 しかしいま、あなたの(手:テ)を(伸:ノ)べて、(彼:カレ)の(骨:ホネ)

と(肉:ニク)とを(撃:ウ)ってごらんなさい。(彼:カレ)は(必:カナラ)ずあなたの(顔:

カオ)に(向:ム)かって、あなたをのろうでしょう」。

2 章 6 節 (主:シュ)はサタンに(言:イ)われた、「(見:ミ)よ、(彼:カレ)はあなた

の(手:テ)にある。ただ(彼:カレ)の(命:イノチ)を(助:タス)けよ」。

2 章 7 節 サタンは(主:シュ)の(前:マエ)から(出:デ)て(行:イ)って、ヨブを(撃:

ウ)ち、その(足:アシ)の(裏:ウラ)から(頭:アタマ)の(頂:イタダキ)まで、いやな(腫物:

ハレモノ)をもって(彼:カレ)を(悩:ナヤ)ました。

2 章 8 節 ヨブは(陶器:トウキ)の(破片:ハヘン)を(取:ト)り、それで(自分:ジブン)

の(身:ミ)をかき、(灰:ハイ)の(中:ナカ)にすわった。

2 章 9 節 (時:トキ)にその(妻:ツマ)は(彼:カレ)に(言:イ)った、「あなたはなおも

(堅:カタ)く(保:タモ)って、(自分:ジブン)を(全:マット)うするのですか。(神:カミ)を

のろって(死:シ)になさい」。

2 章 10 節 しかしヨブは(彼女:カノジョ)に(言:イ)った、「あなたの(語:カタ)

ることは(愚:オロ)かな(女:オンナ)の(語:カタ)るのと(同:オナ)じだ。われわれは(神:

カミ)から(幸:サチ)をうけるのだから、(災:ワザワイ)をも、うけるべきではない

か」。すべてこの(事:コト)においてヨブはそのくちびるをもって(罪:ツミ)を

(犯:オカ)さなかった。

2 章 11 節 (時:トキ)に、ヨブの(三人:サンニン)の(友:トモ)がこのすべての(災:

ワザワイ)のヨブに(臨:ノゾ)んだのを(聞:キ)いて、めいめい(自分:ジブン)の(所:

トコロ)から(尋:タズ)ねて(来:キ)た。すなわちテマンびとエリパズ、シュヒび

とビルダデ、ナアマびとゾパルである。(彼:カレ)らはヨブをいたわり、(慰:

ナグサ)めようとして、たがいに(約束:ヤクソク)してきたのである。

Page 5: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

2 章 12 節 (彼:カレ)らは(目:メ)をあげて(遠方:オチカタ)から(見:ミ)たが、(彼:

カレ)のヨブであることを(認:ミト)めがたいほどであったので、(声:コエ)をあ

げて(泣:ナ)き、めいめい(自分:ジブン)の(上着:ウワギ)を(裂:サ)き、(天:テン)に

(向:ム)かって、ちりをうちあげ、(自分:ジブン)たちの(頭:アタマ)の(上:ウエ)に

まき(散:チ)らした。

2 章 13 節 こうして(七日:ナノカ)(七夜:ナナヨ)、(彼:カレ)と(共:トモ)に(地:チ)に

(座:ザ)していて、ひと(言:コト)も(彼:カレ)に(話:ハナ)しかける(者:モノ)がなかっ

た。(彼:カレ)の(苦:クル)しみの(非常:ヒジョウ)に(大:オオ)きいのを(見:ミ)たからで

ある。

(第:ダイ)三(章:ショウ)

3 章 1 節 この(後:ノチ)、ヨブは(口:クチ)を(開:ア)いて、(自分:ジブン)の(生:

ウマ)れた(日:ヒ)をのろった。

3 章 2 節 すなわちヨブは(言:イ)った、

3 章 3 節 「わたしの(生:ウマ)れた(日:ヒ)は(滅:ホロ)びうせよ。『(男:オトコ)の

(子:コ)が、(胎:ハラ)にやどった』と(言:イ)った(夜:ヨル)もそのようになれ。

3 章 4 節 その(日:ヒ)は(暗:クラ)くなるように。(神:カミ)が(上:ウエ)からこれ

を(顧:カエリ)みられないように。(光:ヒカリ)がこれを(照:テラ)さないように。

3 章 5 節 やみと(暗黒:アンコク)がこれを(取:ト)りもどすように。(雲:クモ)が、

その(上:ウエ)にとどまるように。(日:ヒ)を(暗:クラ)くする(者:モノ)が、これを

(脅:オド)かすように。

3 章 6 節 その(夜:ヨル)は、(暗:クラ)やみが、これを(捕:トラ)えるように。(年:

トシ)の(日:ヒ)のうちに(加:クワ)わらないように。(月:ツキ)の(数:カズ)にもはい

らないように。

3 章 7 節 また、その(夜:ヨル)は、はらむことのないように。(喜:ヨロコ)び

の(声:コエ)がそのうちに(聞:キ)かれないように。

3 章 8 節 (日:ヒ)をのろう(者:シャ)が、これをのろうように。レビヤタン

を(奮:フル)い(起:オコ)すに(巧:タク)みな(者:モノ)が、これをのろうように。

3 章 9 節 その(明:ア)けの(星:ホシ)は(暗:クラ)くなるように。(光:ヒカリ)を(望:

ノゾ)んでも、(得:エ)られないように。また、あけぼののまぶたを(見:ミ)

ることのないように。

Page 6: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

3 章 10 節 これは、わたしの(母:ハハ)の(胎:ハラ)の(戸:ト)を(閉:ト)じず、ま

た(悩:ナヤ)みをわたしの(目:メ)に(隠:カク)さなかったからである。

3 章 11 節 なにゆえ、わたしは(胎:ハラ)から(出:デ)て、(死:シ)ななかっ

たのか。(腹:ハラ)から(出:デ)たとき(息:イキ)が(絶:タ)えなかったのか。

3 章 12 節 なにゆえ、ひざが、わたしを(受:ウ)けたのか。なにゆえ、(乳:

チ)ぶさがあって、わたしはそれを(吸:ス)ったのか。

3 章 13 節 そうしなかったならば、わたしは(伏:フ)して(休:ヤス)み、(眠:

ネム)ったであろう。そうすればわたしは(安:ヤス)んじており、

3 章 14 節 (自分:ジブン)のために(荒:ア)れ(跡:アト)を(築:キズ)き(直:ナオ)し

た(地:チ)の(王:オウ)たち、(参議:サンギ)たち、

3 章 15 節 あるいは、こがねを(持:モ)ち、しろがねを(家:イエ)に(満:ミ)

たした(君:キミ)たちと(一緒:イッショ)にいたであろう。

3 章 16 節 なにゆえ、わたしは(人知:ヒトシ)れずおりる(胎児:タイジ)のご

とく、(光:ヒカリ)を(見:ミ)ないみどりごのようでなかったのか。

3 章 17 節 かしこでは(悪人:アクニン)も、あばれることをやめ、うみ(疲:

ツカ)れた(者:モノ)も、(休:ヤス)みを(得:トク)、

3 章 18 節 (捕:トラ)われ(人:ビト)も(共:トモ)に(安:ヤス)らかにおり、(追:オ)い

(使:ツカ)う(者:モノ)の(声:コエ)を(聞:キ)かない。

3 章 19 節 (小:チイ)さい(者:モノ)も(大:オオ)きい(者:モノ)もそこにおり、(奴

隷:ドレイ)も、その(主人:シュジン)から(解:ト)き(放:ハナ)される。

3 章 20 節 なにゆえ、(悩:ナヤ)む(者:モノ)に(光:ヒカリ)を(賜:タマ)い、(心:ココロ)

の(苦:クル)しむ(者:モノ)に(命:イノチ)を(賜:タマ)わったのか。

3 章 21 節 このような(人:ヒト)は(死:シ)を(望:ノゾ)んでも(来:コ)ない、こ

れを(求:モト)めることは(隠:カク)れた(宝:タカラ)を(掘:ホ)るよりも、はなはだし

い。

3 章 22 節 (彼:カレ)らは(墓:ハカ)を(見:ミ)いだすとき、(非常:ヒジョウ)に(喜:

ヨロコ)び(楽:タノ)しむのだ。

3 章 23 節 なにゆえ、その(道:ミチ)の(隠:カク)された(人:ヒト)に、(神:カミ)

が、まがきをめぐらされた(人:ヒト)に、(光:ヒカリ)を(賜:タマ)わるのか。

Page 7: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

3 章 24 節 わたしの(嘆:ナゲ)きはわが(食物:ショクモツ)に(代:カワ)って(来:キタ)

り、わたしのうめきは(水:ミズ)のように(流:ナガ)れ(出:デ)る。

3 章 25 節 わたしの(恐:オソ)れるものが、わたしに(臨:ノゾ)み、わたし

の(恐:オソ)れおののくものが、わが(身:ミ)に(及:オヨ)ぶ。

3 章 26 節 わたしは(安:ヤス)らかでなく、またおだやかでない。わたし

は(休:ヤス)みを(得:エ)ない、ただ(悩:ナヤ)みのみが(来:ク)る」。

(第:ダイ)四(章:ショウ)

4 章 1 節 その(時:トキ)、テマンびとエリパズが(答:コタ)えて(言:イ)った、

4 章 2 節 「もし(人:ヒト)があなたにむかって(意見:イケン)を(述:ノ)べるな

らば、あなたは(腹:ハラ)を(立:タ)てるでしょうか。しかしだれが(黙:ダマ)

っておれましょう。

4 章 3 節 (見:ミ)よ、あなたは(多:オオ)くの(人:ヒト)を(教:オシ)えさとし、(衰:

オトロ)えた(手:テ)を(強:ツヨ)くした。

4 章 4 節 あなたの(言葉:コトバ)はつまずく(者:モノ)をたすけ(起:オコ)し、

かよわいひざを(強:ツヨ)くした。

4 章 5 節 ところが(今:イマ)、この(事:コト)があなたに(臨:ノゾ)むと、あな

たは(耐:タ)え(得:エ)ない。この(事:コト)があなたに(触:フ)れると、あなたは

おじ(惑:マド)う。

4 章 6 節 あなたが(神:カミ)を(恐:オソ)れていることは、あなたのよりど

ころではないか。あなたの(道:ミチ)の(全:マッタ)きことは、あなたの(望:ノゾ)

みではないか。

4 章 7 節 (考:カンガ)えてみよ、だれが(罪:ツミ)のないのに、(滅:ホロ)ぼさ

れた(者:モノ)があるか。どこに(正:タダ)しい(者:モノ)で、(断:タ)ち(滅:ホロ)ぼさ

れた(者:モノ)があるか。

4 章 8 節 わたしの(見:ミ)た(所:トコロ)によれば、(不義:フギ)を(耕:タガヤ)し、

(害悪:ガイアク)をまく(者:モノ)は、それを(刈:カ)り(取:ト)っている。

4 章 9 節 (彼:カレ)らは(神:カミ)のいぶきによって(滅:ホロ)び、その(怒:イカ)

りの(息:イキ)によって(消:キ)えうせる。

4 章 10 節 ししのほえる(声:コエ)、たけきししの(声:コエ)はともにやみ、

(若:ワカ)きししのきばは(折:オ)られ、

Page 8: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

4 章 11 節 (雄:ユウ)じしは(獲物:エモノ)を(得:エ)ずに(滅:ホロ)び、(雌:メス)じし

の(子:シ)は(散:チ)らされる。

4 章 12 節 さて、わたしに、(言葉:コトバ)がひそかに(臨:ノゾ)んだ、わ

たしの(耳:ミミ)はそのささやきを(聞:キ)いた。

4 章 13 節 すなわち(人:ヒト)の(熟睡:ジュクスイ)するころ、(夜:ヨル)の(幻:マボ

ロシ)によって(思:オモ)い(乱:ミダ)れている(時:トキ)、

4 章 14 節 (恐:オソ)れがわたしに(臨:ノゾ)んだので、おののき、わたし

の(骨:ホネ)はことごとく(震:フル)えた。

4 章 15 節 (時:トキ)に、(霊:レイ)があって、わたしの(顔:カオ)の(前:マエ)を(過:

ス)ぎたので、わたしの(身:ミ)の(毛:ケ)はよだった。

4 章 16 節 そのものは(立:タ)ちどまったが、わたしはその(姿:スガタ)を

(見:ミ)わけることができなかった。一つのかたちが、わたしの(目:メ)の(前:

マエ)にあった。わたしは(静:シズ)かな(声:コエ)を(聞:キ)いた、

4 章 17節 『(人:ヒト)は(神:カミ)の(前:マエ)に(正:タダ)しくありえようか。(人:

ヒト)はその(造:ツク)り(主:シュ)の(前:マエ)に(清:キヨ)くありえようか。

4 章 18 節 (見:ミ)よ、(彼:カレ)はそのしもべをさえ(頼:タノ)みとせず、そ

の(天使:テンシ)をも(誤:アヤマ)れる(者:モノ)とみなされる。

4 章 19 節 まして、(泥:ドロ)の(家:イエ)に(住:ス)む(者:モノ)、ちりをその(基:

モト)とする(者:モノ)、しみのようにつぶされる(者:モノ)。

4 章 20 節 (彼:カレ)らは(朝:アサ)から(夕:ユウ)までの(間:アイダ)に(打:ウ)ち(砕:

クダ)かれ、(顧:カエリ)みる(者:モノ)もなく、(永遠:エイエン)に(滅:ホロ)びる。

4 章 21 節 もしその(天幕:テンマク)の(綱:ツナ)が(彼:カレ)らのうちに(取:ト)り

(去:サ)られるなら、ついに(悟:サト)ることもなく、(死:シ)にうせるではない

か』。

(第:ダイ)五(章:ショウ)

5 章 1 節 (試:ココロ)みに(呼:ヨ)んでみよ、だれかあなたに(答:コタ)える(者:

モノ)があるか。どの(聖者:セイジャ)にあなたは(頼:タノ)もうとするのか。

Page 9: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

5 章 2 節 (確:タシ)かに、(憤:イキドオ)りは(愚:オロ)かな(者:モノ)を(殺:コロ)し、

ねたみはあさはかな(者:シャ)を(死:シ)なせる。

5 章 3 節 わたしは(愚:オロ)かな(者:モノ)の(根:ネ)を(張:ハ)るのを(見:ミ)た、

しかしわたしは、にわかにそのすみかをのろった。

5 章 4 節 その(子:コ)らは(安:ヤス)きを(得:エ)ず、(町:マチ)の(門:モン)でしえた

げられても、これを(救:スク)う(者:モノ)がない。

5 章 5 節 その(収穫:シュウカク)は(飢:ウ)えた(人:ヒト)が(食:タ)べ、いばらの(中:

ナカ)からさえ、これを(奪:ウバ)う。また、かわいた(者:モノ)はその(財産:ザ

イサン)をあえぎ(求:モト)める。

5 章 6 節 (苦:クル)しみは、ちりから(起:オコ)るものでなく、(悩:ナヤ)みは(土:

ツチ)から(生:ショウ)じるものでない。

5 章 7 節 (人:ヒト)が(生:ウマ)れて(悩:ナヤ)みを(受:ウ)けるのは、(火:ヒ)の(子:

コ)が(上:ウエ)に(飛:ト)ぶにひとしい。

5 章 8 節 しかし、わたしであるならば、(神:カミ)に(求:モト)め、(神:カミ)

に、わたしの(事:コト)をまかせる。

5 章 9 節 (彼:カレ)は(大:オオ)いなる(事:コト)をされるかたで、(測:ハカ)り(知:

シ)れない、その(不思議:フシギ)なみわざは(数:カゾ)えがたい。

5 章 10 節 (彼:カレ)は(地:チ)に(雨:アメ)を(降:フ)らせ、(野:ノ)に(水:ミズ)を(送:

オク)られる。

5 章 11 節 (彼:カレ)は(低:ヒク)い(者:モノ)を(高:タカ)くあげ、(悲:カナ)しむ(者:

モノ)を(引:ヒ)き(上:ア)げて、(安全:アンゼン)にされる。

5 章 12 節 (彼:カレ)は(悪賢:ワルガシコ)い(者:モノ)の(計:ハカ)りごとを(敗:ハイ)ら

れる。それで(何事:ナニゴト)もその(手:テ)になし(遂:ト)げることはできない。

5 章 13 節 (彼:カレ)は(賢:カシコ)い(者:モノ)を、(彼:カレ)ら(自身:ジシン)の(悪巧:

ワルダク)みによって(捕:トラ)え、(曲:マガ)った(者:モノ)の(計:ハカ)りごとをくつ

がえされる。

5 章 14 節 (彼:カレ)らは(昼:ヒル)も、やみに(会:ア)い、(真昼:マヒル)にも、(夜:

ヨル)のように(手探:テサグ)りする。

Page 10: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

5 章 15 節 (彼:カレ)は(貧:マズ)しい(者:モノ)を(彼:カレ)らの(口:クチ)のつるぎ

から(救:スク)い、また(強:ツヨ)い(者:モノ)の(手:テ)から(救:スク)われる。

5 章 16 節 それゆえ(乏:トボ)しい(者:モノ)に(望:ノゾ)みがあり、(不義:フギ)

はその(口:クチ)を(閉:ト)じる。

5 章 17 節 (見:ミ)よ、(神:カミ)に(戒:イマシ)められる(人:ヒト)はさいわいだ。

それゆえ(全能者:ゼンノウシャ)の(懲:チョウ)しめを(軽:カロ)んじてはならない。

5 章 18 節 (彼:カレ)は(傷:キズ)つけ、また(包:ツツ)み、(撃:ウ)ち、またその

(手:テ)をもっていやされる。

5 章 19 節 (彼:カレ)はあなたを六つの(悩:ナヤ)みから(救:スク)い、七つのう

ちでも、(災:ワザワイ)はあなたに(触:フ)れることがない。

5 章 20 節 ききんの(時:トキ)には、あなたをあがなって、(死:シ)を(免:マ

ヌガ)れさせ、いくさの(時:トキ)には、つるぎの(力:チカラ)を(免:マヌカ)れさせら

れる。

5 章 21 節 あなたは(舌:シタ)をもってむち(打:ウ)たれる(時:トキ)にも、お

おい(隠:カク)され、(滅:ホロ)びが(来:ク)る(時:トキ)でも、(恐:オソ)れることはな

い。

5 章 22 節 あなたは(滅:ホロ)びと、ききんとを(笑:ワラ)い、(地:チ)の(獣:ケ

モノ)をも(恐:オソ)れることはない。

5 章 23 節 あなたは(野:ノ)の(石:イシ)と(契約:ケイヤク)を(結:ムス)び、(野:ノ)の

(獣:ケモノ)はあなたと(和:ヤワ)らぐからである。

5章24節 あなたは(自分:ジブン)の(天幕:テンマク)の(安全:アンゼン)なことを

(知:シ)り、(自分:ジブン)の(家畜:カチク)のおりを(見回:ミマワ)っても、(欠:カ)け

た(物:モノ)がなく、

5 章 25 節 また、あなたの(子孫:シソン)の(多:オオ)くなり、そのすえが(地:

チ)の(草:クサ)のようになるのを(知:シ)るであろう。

5 章 26 節 あなたは(高齢:コウレイ)に(達:タッ)して(墓:ハカ)に(入:ハイ)る、あた

かも(麦束:ムギタバ)をその(季節:キセツ)になって(打:ウ)ち(場:ジョウ)に(運:ハコ)

びあげるようになるであろう。

5 章 27 節 (見:ミ)よ、われわれの(尋:タズ)ねきわめた(所:トコロ)はこのと

おりだ。あなたはこれを(聞:キ)いて、みずから(知:シ)るがよい」。

(第:ダイ)六(章:ショウ)

Page 11: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

6 章 1 節 ヨブは(答:コタ)えて(言:イ)った、

6 章 2 節 「どうかわたしの(憤:イキドオ)りが(正:タダ)しく(量:ハカ)られ、(同

時:ドウジ)にわたしの(災:ワザワイ)も、はかりにかけられるように。

6 章 3 節 そうすれば、これは(海:ウミ)の(砂:スナ)よりも(重:オモ)いに(相違:

ソウイ)ない。それゆえ、わたしの(言葉:コトバ)が(軽率:ケイソツ)であったのだ。

6 章 4 節 (全能者:ゼンノウシャ)の(矢:ヤ)が、わたしのうちにあり、わたし

の(霊:レイ)はその(毒:ドク)を(飲:ノ)み、(神:カミ)の(恐:オソ)るべき(軍勢:グンゼイ)

が、わたしを(襲:オソ)い(攻:セ)めている。

6 章 5 節 (野:ノ)ろばは、(青草:アオクサ)のあるのに(鳴:ナ)くであろうか。(牛:

ウシ)は(飼葉:カイバ)の(上:ウエ)でうなるであろうか。

6 章 6 節 (味:アジ)のない(物:モノ)は(塩:シオ)がなくて(食:タ)べられようか。

すべりひゆのしるは(味:アジ)があろうか。

6 章 7 節 わたしの(食欲:ショクヨク)はこれに(触:フ)れることを(拒:コバ)む。

これは、わたしのきらう(食物:ショクモツ)のようだ。

6 章 8 節 どうかわたしの(求:モト)めるものが(獲:エ)られるように。どう

か(神:カミ)がわたしの(望:ノゾ)むものをくださるように。

6 章 9 節 どうか(神:カミ)がわたしを(打:ウ)ち(滅:ホロ)ぼすことをよしとし、

み(手:テ)を(伸:ノ)べてわたしを(断:タ)たれるように。

6 章 10 節 そうすれば、わたしはなお(慰:ナグサ)めを(得:トク)、(激:ハゲ)

しい(苦:クル)しみの(中:ナカ)にあっても(喜:ヨロコ)ぶであろう。わたしは(聖:セ

イ)なる(者:モノ)の(言葉:コトバ)を(否:イナ)んだことがないからだ。

6 章 11 節 わたしにどんな(力:チカラ)があって、なお(待:マ)たねばならな

いのか。わたしにどんな(終:オワ)りがあるので、なお(耐:タ)え(忍:シノ)ばね

ばならないのか。

6 章 12 節 わたしの(力:チカラ)は(石:イシ)の(力:チカラ)のようであるのか。わ

たしの(肉:ニク)は(青銅:セイドウ)のようであるのか。

6 章 13 節 まことに、わたしのうちに(助:タス)けはなく、(救:スク)われる

(望:ノゾ)みは、わたしから(追:オ)いやられた。

Page 12: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

6 章 14 節 その(友:トモ)に(対:タイ)するいつくしみをさし(控:ヒカ)える(者:

モノ)は、(全能者:ゼンノウシャ)を(恐:オソ)れることをすてる。

6章15節 わが(兄弟:キョウダイ)たちは(谷川:タニガワ)のように、(過:ス)ぎ(去:

サ)る(出水:シュッスイ)のように(欺:アザム)く。

6 章 16 節 これは(氷:コオリ)のために(黒:クロ)くなり、そのうちに(雪:ユキ)

が(隠:カク)れる。

6 章 17 節 これは(暖:アタタ)かになると(消:キ)え(去:サ)り、(暑:アツ)くなる

とその(所:トコロ)からなくなる。

6 章 18 節 (隊商:タイショウ)はその(道:ミチ)を(転:テン)じ、むなしい(所:トコロ)

へ(行:イ)って(滅:ホロ)びる。

6 章 19 節 テマの(隊商:タイショウ)はこれを(望:ノゾ)み、シバの(旅:タビ)び

とはこれを(慕:シタ)う。

6 章 20 節 (彼:カレ)らはこれにたよったために(失望:シツボウ)し、そこに

(来:キ)てみて、あわてる。

6章21節 あなたがたは(今:イマ)わたしにはこのような(者:モノ)となった。

あなたがたはわたしの(災難:サイナン)を(見:ミ)て(恐:オソ)れた。

6 章 22 節 わたしは(言:イ)ったことがあるか、『わたしに(与:アタ)えよ』

と、あるいは『あなたがたの(財産:ザイサン)のうちからわたしのために、

まいないを(贈:オク)れ』と、

6 章 23 節 あるいは『あだの(手:テ)からわたしを(救:スク)い(出:ダ)せ』

と、あるいは『しえたげる(者:モノ)の(手:テ)からわたしをあがなえ』と。

6 章 24 節 わたしに(教:オシ)えよ、そうすればわたしは(黙:ダマ)るであ

ろう。わたしの(誤:アヤマ)っている(所:トコロ)をわたしに(悟:サト)らせよ。

6 章 25 節 (正:タダ)しい(言葉:コトバ)はいかに(力:チカラ)のあるものか。し

かしあなたがたの(戒:イマシ)めは(何:ナニ)を(戒:イマシ)めるのか。

6章26節 あなたがたは(言葉:コトバ)を(戒:イマシ)めうると(思:オモ)うのか。

(望:ノゾ)みの(絶:タ)えた(者:モノ)の(語:カタ)ることは(風:カゼ)のようなものだ。

6 章 27 節 あなたがたは、みなしごのためにくじをひき、あなたがた

の(友:トモ)をさえ(売:ウ)り(買:カ)いするであろう。

6 章 28 節 (今:イマ)、どうぞわたしを(見:ミ)られよ、わたしはあなたが

たの(顔:カオ)に(向:ム)かって(偽:イツワ)らない。

Page 13: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

6 章 29 節 どうぞ、(思:オモ)いなおせ、まちがってはならない。さらに

(思:オモ)いなおせ、わたしの(義:ギ)は、なおわたしのうちにある。

6 章 30 節 わたしの(舌:シタ)に(不義:フギ)があるか。わたしの(口:クチ)は

(災:ワザワイ)をわきまえることができぬであろうか。

(第:ダイ)七(章:ショウ)

7 章 1 節 (地上:チジョウ)の(人:ヒト)には、(激:ハゲ)しい(労務:ロウム)があるで

はないか。またその(日:ヒ)は(雇人:ヤトイニン)の(日:ヒ)のようではないか。

7 章 2 節 (奴隷:ドレイ)が(夕暮:ユウグレ)を(慕:シタ)うように、(雇人:ヤトイニン)

がその(賃銀:チンギン)を(望:ノゾ)むように、

7 章 3 節 わたしは、むなしい(月:ツキ)を(持:モ)たせられ、(悩:ナヤ)みの(夜:

ヨル)を(与:アタ)えられる。

7 章 4 節 わたしは(寝:ネ)るときに(言:イ)う、『いつ(起:オ)きるだろうか』

と。しかし(夜:ヨル)は(長:ナガ)く、(暁:アカツキ)までころびまわる。

7 章 5 節 わたしの(肉:ニク)はうじと(土:ツチ)くれとをまとい、わたしの

(皮:カワ)は(固:カタ)まっては、またくずれる。

7 章 6 節 わたしの(日:ヒ)は(機:キ)のひよりも(速:ハヤ)く、(望:ノゾ)みをも

たずに(消:キ)え(去:サ)る。

7 章 7 節 (記憶:キオク)せよ、わたしの(命:イノチ)は(息:イキ)にすぎないこと

を。わたしの(目:メ)は(再:フタタ)び(幸:サチ)を(見:ミ)ることがない。

7 章 8 節 わたしを(見:ミ)る(者:モノ)の(目:メ)は、かさねてわたしを(見:ミ)

ることがなく、あなたがわたしに(目:メ)を(向:ム)けられても、わたしはい

ない。

7 章 9 節 (雲:クモ)が(消:キ)えて、なくなるように、(陰府:ヨミ)に(下:クダ)

る(者:モノ)は(上:ア)がって(来:ク)ることがない。

7 章 10 節 (彼:カレ)は(再:フタタ)びその(家:イエ)に(帰:カエ)らず、(彼:カレ)の(所:

トコロ)も、もはや(彼:カレ)を(認:ミト)めない。

7 章 11 節 それゆえ、わたしはわが(口:クチ)をおさえず、わたしの(霊:

レイ)のもだえによって(語:カタ)り、わたしの(魂:タマシイ)の(苦:クル)しさによっ

て(嘆:ナゲ)く。

7 章 12 節 わたしは(海:ウミ)であるのか、(龍:リュウ)であるのか、あなた

はわたしの(上:ウエ)に(見張:ミハ)りを(置:オ)かれる。

Page 14: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

7 章 13 節 『わたしの(床:ユカ)はわたしを(慰:ナグサ)め、わたしの(寝床:

ネドコ)はわが(嘆:ナゲ)きを(軽:カル)くする』とわたしが(言:イ)うとき、

7 章 14 節 あなたは(夢:ユメ)をもってわたしを(驚:オドロ)かし、(幻:マボロ

シ)をもってわたしを(恐:オソ)れさせられる。

7 章 15 節 それゆえ、わたしは(息:イキ)の(止:ト)まることを(願:ネガ)い、

わが(骨:ホネ)よりもむしろ(死:シ)を(選:エラ)ぶ。

7 章 16 節 わたしは(命:イノチ)をいとう。わたしは(長:ナガ)く(生:イ)きる

ことを(望:ノゾ)まない。わたしに(構:カマ)わないでください。わたしの(日:

ヒ)は(息:イキ)にすぎないのだから。

7 章 17 節 (人:ヒト)は(何者:ナニモノ)なので、あなたはこれを(大:オオ)きなも

のとし、これにみ(心:ココロ)をとめ、

7 章 18 節 (朝:アサ)ごとに、これを(尋:タズ)ね、(絶:タ)え(間:マ)なく、こ

れを(試:ココロ)みられるのか。

7 章 19 節 いつまで、あなたはわたしに(目:メ)を(離:ハナ)さず、つばを

のむまも、わたしを(捨:ス)てておかれないのか。

7 章 20 節 (人:ヒト)を(監視:カンシ)される(者:モノ)よ、わたしが(罪:ツミ)を(犯:

オカ)したとて、あなたに(何:ナニ)をなしえようか。なにゆえ、わたしをあ

なたの(的:マト)とし、わたしをあなたの(重荷:オモニ)とされるのか。

7 章 21 節 なにゆえ、わたしのとがをゆるさず、わたしの(不義:フギ)

を(除:ノゾ)かれないのか。わたしはいま(土:ツチ)の(中:ナカ)に(横:ヨコ)たわる。

あなたがわたしを(尋:タズ)ねられても、わたしはいないでしょう」。

(第:ダイ)八(章:ショウ)

8 章 1 節 (時:トキ)にシュヒびとビルダデが(答:コタ)えて(言:イ)った、

8 章 2 節 「いつまであなたは、そのような(事:コト)を(言:イ)うのか。あ

なたの(口:クチ)の(言葉:コトバ)は(荒:アラ)い(風:カゼ)ではないか。

8 章 3 節 (神:カミ)は(公義:キミヨシ)を(曲:マ)げられるであろうか。(全能者:ゼ

ンノウシャ)は(正義:セイギ)を(曲:マ)げられるであろうか。

8 章 4 節 あなたの(子:コ)たちが(彼:カレ)に(罪:ツミ)を(犯:オカ)したので、(彼:

カレ)らをそのとがの(手:テ)に(渡:ワタ)されたのだ。

8 章 5 節 あなたがもし(神:カミ)に(求:モト)め、(全能者:ゼンノウシャ)に(祈:イノ)

るならば、

Page 15: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

8 章 6 節 あなたがもし(清:キヨ)く、(正:タダ)しくあるならば、(彼:カレ)は

(必:カナラ)ずあなたのために(立:タ)って、あなたの(正:タダ)しいすみかを(栄:

サカ)えさせられる。

8 章 7 節 あなたの(初:ハジ)めは(小:チイ)さくあっても、あなたの(終:オワ)

りは(非常:ヒジョウ)に(大:オオ)きくなるであろう。

8 章 8 節 (先:サキ)の(代:ダイ)の(人:ヒト)に(問:ト)うてみよ、(先祖:センゾ)たち

の(尋:タズ)ねきわめた(事:コト)を(学:マナ)べ。

8 章 9 節 われわれはただ、きのうからあった(者:モノ)で、(何:ナニ)も(知:

シ)らない、われわれの(世:ヨ)にある(日:ヒ)は、(影:カゲ)のようなものであ

る。

8 章 10 節 (彼:カレ)らはあなたに(教:オシ)え、あなたに(語:カタ)り、その(悟:

サト)りから(言葉:コトバ)を(出:ダ)さないであろうか。

8 章 11 節 (紙:カミ)(草:グサ)は(泥:ドロ)のない(所:トコロ)に(生長:セイチョウ)する

ことができようか。(葦:アシ)は(水:ミズ)のない(所:トコロ)におい(茂:シゲ)るこ

とができようか。

8 章 12 節 これはなお(青:アオ)くて、まだ(刈:カ)られないのに、すべて

の(草:クサ)に(先:セン)だって(枯:カ)れる。

8 章 13 節 すべて(神:カミ)を(忘:ワス)れる(者:モノ)の(道:ミチ)はこのとおりだ。

(神:カミ)を(信:シン)じない(者:モノ)の(望:ノゾ)みは(滅:ホロ)びる。

8 章 14 節 その(頼:タノ)むところは(断:タ)たれ、その(寄:ヨ)るところは、

くもの(巣:ス)のようだ。

8章15節 その(家:イエ)によりかかろうとすれば、(家:イエ)は(立:タ)たず、

それにすがろうとしても、それは(耐:タ)えない。

8 章 16 節 (彼:カレ)は(日:ヒ)の(前:マエ)に(青々:アオアオ)と(茂:シゲ)り、その(若

枝:ワカエダ)を(園:ソノ)にはびこらせ、

8 章 17 節 その(根:ネ)を(石塚:イシヅカ)にからませ、(岩:イワ)の(間:アイダ)

に(生:イ)きていても、

8 章 18 節 もしその(所:トコロ)から(取:ト)り(除:ノゾ)かれれば、その(所:ト

コロ)は(彼:カレ)を(拒:コバ)んで(言:イ)うであろう、『わたしはあなたを(見:ミ)

たことがない』と。

Page 16: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

8 章 19 節 (見:ミ)よ、これこそ(彼:カレ)の(道:ミチ)の(喜:ヨロコ)びである、そ

してほかの(者:モノ)が(地:チ)から(生:ショウ)じるであろう。

8 章 20 節 (見:ミ)よ、(神:カミ)は(全:マッタ)き(人:ヒト)を(捨:ス)てられない。

また(悪:アク)を(行:オコナ)う(者:モノ)の(手:テ)を(支持:シジ)されない。

8 章 21 節 (彼:カレ)は(笑:ワラ)いをもってあなたの(口:クチ)を(満:ミ)たし、

(喜:ヨロコ)びの(声:コエ)をもってあなたのくちびるを(満:ミ)たされる。

8 章 22 節 あなたを(憎:ニク)む(者:モノ)は(恥:ハジ)を(着:キ)せられ、(悪:ア)

しき(者:モノ)の(天幕:テンマク)はなくなる」。

(第:ダイ)九(章:ショウ)

9 章 1 節 ヨブは(答:コタ)えて(言:イ)った、

9 章 2 節 「まことにわたしは、その(事:コト)のそのとおりであること

を(知:シ)っている。しかし(人:ヒト)はどうして(神:カミ)の(前:マエ)に(正:タダ)し

くありえようか。

9 章 3 節 よし(彼:カレ)と(争:アラソ)おうとしても、千に一つも(答:コタ)える

ことができない。

9 章 4 節 (彼:カレ)は(心:ココロ)(賢:カシコ)く、(力強:チカラヅヨ)くあられる。だれ

が(彼:カレ)にむかい、おのれをかたくなにして、(栄:サカ)えた(者:モノ)がある

か。

9 章 5 節 (彼:カレ)は、(山:ヤマ)を(移:ウツ)されるが、(山:ヤマ)は(知:シ)らない。

(彼:カレ)は(怒:イカ)りをもって、これらをくつがえされる。

9 章 6 節 (彼:カレ)が、(地:チ)を(震:フル)い(動:ウゴ)かしてその(所:トコロ)を(離:

ハナ)れさせられると、その(柱:ハシラ)はゆらぐ。

9 章 7 節 (彼:カレ)が(日:ヒ)に(命:メイ)じられると、(日:ヒ)は(出:デ)ない。(彼:

カレ)はまた(星:ホシ)を(閉:ト)じこめられる。

9 章 8 節 (彼:カレ)はただひとり(天:テン)を(張:ハ)り、(海:ウミ)の(波:ナミ)を(踏:

フ)まれた。

9 章 9 節 (彼:カレ)は(北斗:ホクト)、オリオン、プレアデスおよび(南:ミナミ)

の(密室:ミッシツ)を(造:ツク)られた。

9 章 10 節 (彼:カレ)が(大:オオ)いなる(事:コト)をされることは(測:ハカ)りがた

く、(不思議:フシギ)な(事:コト)をされることは(数:スウ)(知:シ)れない。

Page 17: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

9 章 11 節 (見:ミ)よ、(彼:カレ)がわたしのかたわらを(通:トオ)られても、

わたしは(彼:カレ)を(見:ミ)ない。(彼:カレ)は(進:スス)み(行:イ)かれるが、わたし

は(彼:カレ)を(認:ミト)めない。

9 章 12 節 (見:ミ)よ、(彼:カレ)が(奪:ウバ)い(去:サ)られるのに、だれが(彼:

カレ)をはばむことができるか。だれが(彼:カレ)にむかって『あなたは(何:ナ

ニ)をするのか』と(言:イ)うことができるか。

9 章 13 節 (神:カミ)はその(怒:イカ)りをやめられない。ラハブを(助:タス)

ける(者:モノ)どもは(彼:カレ)のもとにかがんだ。

9 章 14 節 どうしてわたしは(彼:カレ)に(答:コタ)え、(言葉:コトバ)を(選:エラ)

んで、(彼:カレ)と(議論:ギロン)することができよう。

9 章 15 節 たといわたしは(正:タダ)しくても(答:コタ)えることができな

い。わたしを(責:セ)められる(者:モノ)にあわれみを(請:コ)わなければならな

い。

9 章 16 節 たといわたしが(呼:ヨ)ばわり、(彼:カレ)がわたしに(答:コタ)え

られても、わたしの(声:コエ)に(耳:ミミ)を(傾:カタム)けられたとは(信:シン)じな

い。

9 章 17 節 (彼:カレ)は(大風:オオカゼ)をもってわたしを(撃:ウ)ち(砕:クダ)き、

ゆえなく、わたしに(多:オオ)くの(傷:キズ)を(負:オ)わせ、

9 章 18 節 わたしに(息:イキ)をつかせず、(苦:ニガ)い(物:モノ)をもってわ

たしを(満:ミ)たされる。

9 章 19 節 (力:チカラ)の(争:アラソ)いであるならば、(彼:カレ)を(見:ミ)よ、さ

ばきの(事:コト)であるならば、だれが(彼:カレ)を(呼:ヨ)び(出:ダ)すことがで

きよう。

9 章 20 節 たといわたしは(正:タダ)しくても、わたしの(口:クチ)はわた

しを(罪:ツミ)ある(者:モノ)とする。たといわたしは(罪:ツミ)がなくても、(彼:

カレ)はわたしを(曲:マガ)った(者:モノ)とする。

9 章 21 節 わたしは(罪:ツミ)がない、しかしわたしは(自分:ジブン)を(知:

シ)らない。わたしは(自分:ジブン)の(命:イノチ)をいとう。

9 章 22 節 (皆:ミナ)(同一:ドウイツ)である。それゆえ、わたしは(言:イ)う、

『(彼:カレ)は(罪:ツミ)のない(者:モノ)と、(悪:ア)しき(者:モノ)とを(共:トモ)に(滅:ホロ)

ぼされるのだ』と。

9 章 23 節 (災:ワザワイ)がにわかに(人:ヒト)を(殺:コロ)すような(事:コト)があ

ると、(彼:カレ)は(罪:ツミ)のない(者:モノ)の(苦難:クナン)をあざ(笑:ワラ)われる。

9 章 24 節 (世:ヨ)は(悪人:アクニン)の(手:テ)に(渡:ワタ)されてある。

Page 18: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

(彼:カレ)はその(裁判人:サイバンニン)の(顔:カオ)をおおわれる。もし(彼:カレ)でな

ければ、これはだれのしわざか。

9 章 25 節 わたしの(日:ヒ)は(飛脚:ヒキャク)よりも(速:ハヤ)く、(飛:ト)び(去:

サ)って(幸:サチ)を(見:ミ)ない。

9 章 26 節 これは(走:ハシ)ること(葦舟:アシブネ)のごとく、えじきに(襲:オ

ソ)いかかる、わしのようだ。

9 章 27 節 たといわたしは『わが(嘆:ナゲ)きを(忘:ワス)れ、(憂:ウレ)い(顔:

ガオ)をかえて(元気:ゲンキ)よくなろう』と(言:イ)っても、

9 章 28 節 わたしはわがもろもろの(苦:クル)しみを(恐:オソ)れる。あなた

がわたしを(罪:ツミ)なき(者:モノ)とされないことをわたしは(知:シ)っている

からだ。

9 章 29 節 わたしは(罪:ツミ)ある(者:モノ)とされている。どうして、いた

ずらに(労:ロウ)する(必要:ヒツヨウ)があるか。

9 章 30 節 たといわたしは(雪:ユキ)で(身:ミ)を(洗:アラ)い、(灰汁:アク)で(手:

テ)を(清:キヨ)めても、

9 章 31 節 あなたはわたしを、みぞの(中:ナカ)に(投:ナ)げ(込:コ)まれるの

で、わたしの(着物:キモノ)も、わたしをいとうようになる。

9 章 32 節 (神:カミ)はわたしのように(人:ヒト)ではないゆえ、わたしは

(彼:カレ)に(答:コタ)えることができない。われわれは(共:トモ)にさばきに(臨:

ノゾ)むことができない。

9 章 33 節 われわれの(間:アイダ)には、われわれふたりの(上:ウエ)に(手:

テ)を(置:オ)くべき(仲裁者:チュウサイシャ)がない。

9 章 34 節 どうか(彼:カレ)がそのつえをわたしから(取:ト)り(離:ハナ)し、

その(怒:イカ)りをもって、わたしを(恐:オソ)れさせられないように。

9 章 35 節 そうすれば、わたしは(語:カタ)って、(彼:カレ)を(恐:オソ)れるこ

とはない。わたしはみずからそのような(者:モノ)ではないからだ。

(第:ダイ)一〇(章:ショウ)

10 章 1 節 わたしは(自分:ジブン)の(命:イノチ)をいとう。わたしは(自分:

ジブン)の(嘆:ナゲ)きを(包:ツツ)まず(言:イ)いあらわし、わが(魂:タマシイ)の(苦:

クル)しみによって(語:カタ)ろう。

10 章 2 節 わたしは(神:カミ)に(申:モウ)そう、わたしを(罪:ツミ)ある(者:モノ)

とされないように。なぜわたしと(争:アラソ)われるかを(知:シ)らせてほしい。

Page 19: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

10 章 3 節 あなたはしえたげをなし、み(手:テ)のわざを(捨:ス)て、(悪

人:アクニン)の(計画:ケイカク)を(照:テラ)すことを(良:ヨ)しとされるのか。

10 章 4 節 あなたの(持:モ)っておられるのは(肉:ニク)の(目:メ)か、あなた

は(人:ヒト)が(見:ミ)るように(見:ミ)られるのか。

10 章 5 節 あなたの(日:ヒ)は(人:ヒト)の(日:ヒ)のごとく、あなたの(年:トシ)

は(人:ヒト)の(年:トシ)のようであるのか。

10 章 6 節 あなたはなにゆえわたしのとがを(尋:タズ)ね、わたしの(罪:

ツミ)を(調:シラ)べられるのか。

10章7節 あなたはわたしの(罪:ツミ)のないことを(知:シ)っておられる。

またあなたの(手:テ)から(救:スク)い(出:ダ)しうる(者:モノ)はない。

10章8節 あなたの(手:テ)はわたしをかたどり、わたしを(作:ツク)った。

ところが(今:イマ)あなたはかえって、わたしを(滅:ホロ)ぼされる。

10 章 9 節 どうぞ(覚:オボ)えてください、あなたは(土:ツチ)くれをもっ

てわたしを(作:ツク)られた(事:コト)を。ところが、わたしをちりに(返:カエ)

そうとされるのか。

10 章 10 節 あなたはわたしを(乳:チチ)のように(注:ソソ)ぎ、(乾酪:カンラク)

のように(凝:コ)り(固:カタ)まらせたではないか。

10 章 11 節 あなたは(肉:ニク)と(皮:カワ)とをわたしに(着:キ)せ、(骨:ホネ)

と(筋:スジ)とをもってわたしを(編:ア)み、

10 章 12 節 (命:イノチ)といつくしみとをわたしに(授:サズ)け、わたしを

(顧:カエリ)みてわが(霊:レイ)を(守:マモ)られた。

10 章 13 節 しかしあなたはこれらの(事:コト)をみ(心:ココロ)に(秘:ヒ)めお

かれた。この(事:コト)があなたの(心:ココロ)のうちにあった(事:コト)をわたし

は(知:シ)っている。

10 章 14 節 わたしがもし(罪:ツミ)を(犯:オカ)せば、あなたはわたしに(目:

メ)をつけて、わたしを(罪:ツミ)から(解:ト)き(放:ハナ)されない。

10 章 15 節 わたしがもし(悪:ワル)ければわたしはわざわいだ。たとい

わたしが(正:タダ)しくても、わたしは(頭:アタマ)を(上:ア)げることができな

い。わたしは(恥:ハジ)に(満:ミ)ち、(悩:ナヤ)みを(見:ミ)ているからだ。

10 章 16 節 もし(頭:アタマ)をあげれば、あなたは、ししのようにわた

しを(追:オ)い、わたしにむかって(再:フタタ)びくすしき(力:リョク)をあらわさ

れる。

Page 20: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

10 章 17 節 あなたは(証人:ショウニン)を(入:イ)れ(替:カ)えてわたしを(攻:セ)

め、わたしにむかってあなたの(怒:イカ)りを(増:マ)し、(新:アラ)たに(軍勢:グ

ンゼイ)を(出:ダ)してわたしを(攻:セ)められる。

10 章 18 節 なにゆえあなたはわたしを(胎:ハラ)から(出:ダ)されたか、

わたしは(息絶:イキタ)えて(目:メ)に(見:ミ)られることなく、

10 章 19 節 (胎:ハラ)から(墓:ハカ)に(運:ハコ)ばれて、(初:ハジ)めからなかっ

た(者:モノ)のようであったなら、よかったのに。

10 章 20 節 わたしの(命:イノチ)の(日:ヒ)はいくばくもないではないか。

どうぞ、しばしわたしを(離:ハナ)れて、(少:スコ)しく(慰:ナグサ)めを(得:エ)さ

せられるように。

10 章 21 節 わたしが(行:イ)って、(帰:カエ)ることのないその(前:マエ)に、

これを(得:エ)させられるように。わたしは(暗:クラ)き(地:チ)、(暗黒:アンコク)

の(地:チ)へ(行:イ)く。

10 章 22 節 これは(暗:クラ)き(地:チ)で、やみにひとしく、(暗黒:アンコク)

で(秩序:チツジョ)なく、(光:ヒカリ)もやみのようだ」。

(第:ダイ)一一(章:ショウ)

11 章 1 節 そこでナアマびとゾパルは(答:コタ)えて(言:イ)った、

11 章 2 節 「(言葉:コトバ)が(多:オオ)ければ、(答:コタエ)なしにすまされる

だろうか。(口:クチ)の(達者:タッシャ)な(人:ヒト)は(義:ギ)とされるだろうか。

11章3節 あなたのむなしい(言葉:コトバ)は(人:ヒト)を(沈黙:チンモク)させる

だろうか。あなたがあざけるとき、(人:ヒト)はあなたを(恥:ハ)じさせない

だろうか。

11 章 4 節 あなたは(言:イ)う、『わたしの(教:オシエ)は(正:タダ)しい、わた

しは(神:カミ)の(目:メ)に(潔:イサギヨ)い』と。

11 章 5 節 どうぞ(神:カミ)が(言葉:コトバ)を(出:ダ)し、あなたにむかって

くちびるを(開:ヒラ)き、

11 章 6 節 (知恵:チエ)の(秘密:ヒミツ)をあなたに(示:シメ)されるように。(神:

カミ)はさまざまの(知識:チシキ)をもたれるからである。それであなたは(知:

シ)るがよい、(神:カミ)はあなたの(罪:ツミ)よりも(軽:カル)くあなたを(罰:バッ)

せられることを。

11 章 7 節 あなたは(神:カミ)の(深:フカ)い(事:コト)を(窮:キワ)めることができ

るか。

Page 21: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

(全能者:ゼンノウシャ)の(限界:ゲンカイ)を(窮:キワ)めることができるか。

11 章 8 節 それは(天:テン)よりも(高:タカ)い、あなたは(何:ナニ)をなしうる

か。それは(陰府:ヨミ)よりも(深:フカ)い、あなたは(何:ナニ)を(知:シ)りうるか。

11 章 9 節 その(量:リョウ)は(地:チ)よりも(長:ナガ)く、(海:ウミ)よりも(広:ヒロ)

い。

11 章 10 節 (彼:カレ)がもし(行:ユ)きめぐって(人:ヒト)を(捕:トラ)え、さばき

に(召:メ)し(集:アツ)められるとき、だれが(彼:カレ)をはばむことができよう。

11 章 11 節 (彼:カレ)は(卑:イヤ)しい(人間:ニンゲン)を(知:シ)っておられるか

らだ。(彼:カレ)は(不義:フギ)を(見:ミ)る(時:トキ)、これに(心:ココロ)をとめられ

ぬであろうか。

11 章 12 節 しかし(野:ノ)ろばの(子:コ)が(人:ヒト)として(生:ウマ)れるとき、

(愚:オロ)かな(者:モノ)も(悟:サト)りを(得:エ)るであろう。

11 章 13 節 もしあなたが(心:ココロ)を(正:タダ)しくするならば、(神:カミ)

に(向:ム)かって(手:テ)を(伸:ノ)べるであろう。

11 章 14 節 もしあなたの(手:テ)に(不義:フギ)があるなら、それを(遠:

トオ)く(去:サ)れ、あなたの(天幕:テンマク)に(悪:アク)を(住:ス)まわせてはならな

い。

11 章 15 節 そうすれば、あなたは(恥:ハ)じることなく(顔:カオ)をあげ

ることができ、(堅:カタ)く(立:タ)って、(恐:オソ)れることはない。

11 章 16 節 あなたは(苦:クル)しみを(忘:ワス)れ、あなたのこれを(覚:オボ)

えることは、(流:ナガ)れ(去:サ)った(水:ミズ)のようになる。

11 章 17 節 そしてあなたの(命:イノチ)は(真昼:マヒル)よりも(光:ヒカ)り(輝:カ

ガヤ)き、たとい(暗:クラ)くても(朝:アサ)のようになる。

11 章 18 節 あなたは(望:ノゾ)みがあるゆえに(安:ヤス)んじ、(保護:ホゴ)

されて(安:ヤス)らかにいこうことができる。

11 章 19 節 あなたは(伏:フ)してやすみ、あなたを(恐:オソ)れさせるも

のはない。(多:オオ)くの(者:モノ)はあなたの(好意:コウイ)を(求:モト)めるであろ

う。

11 章 20 節 しかし(悪:ア)しき(者:モノ)の(目:メ)は(衰:オトロ)える。

Page 22: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

(彼:カレ)らは(逃:ニ)げ(場:バ)を(失:ウシナ)い、その(望:ノゾ)みは(息:イキ)の(絶:

タ)えるにひとしい」。

(第:ダイ)一二(章:ショウ)

12 章 1 節 そこでヨブは(答:コタ)えて(言:イ)った、

12 章 2 節 「まことに、あなたがたのみ、(人:ヒト)である、(知恵:チエ)

はあなたがたと(共:ドモ)に(死:シ)ぬであろう。

12 章 3 節 しかしわたしも、あなたがたと(同様:ドウヨウ)に(悟:サト)りを

もつ。わたしはあなたがたに(劣:オト)らない。だれがこのような(事:コト)

を(知:シ)らないだろうか。

12 章 4 節 わたしは(神:カミ)に(呼:ヨ)ばわって、(聞:キ)かれた(者:モノ)であ

るのに、その(友:トモ)の(物笑:モノワラ)いとなっている。(正:タダ)しく(全:マッタ)

き(人:ヒト)は(物笑:モノワラ)いとなる。

12 章 5 節 (安:ヤス)らかな(者:モノ)の(思:オモ)いには、(不幸:フコウ)な(者:モノ)

に(対:タイ)する(侮:アナド)りがあって、(足:アシ)のすべる(者:モノ)を(待:マ)って

いる。

12 章 6 節 かすめ(奪:ウバ)う(者:モノ)の(天幕:テンマク)は(栄:サカ)え、(神:カミ)

を(怒:イカ)らす(者:モノ)は(安:ヤス)らかである。(自分:ジブン)の(手:テ)に(神:カミ)

を(携:タズサ)えている(者:モノ)も(同様:ドウヨウ)だ。

12 章 7 節 しかし(獣:ケモノ)に(問:ト)うてみよ、それはあなたに(教:オシ)

える。(空:ソラ)の(鳥:トリ)に(問:ト)うてみよ、それはあなたに(告:ツ)げる。

12 章 8 節 あるいは(地:チ)の(草:クサ)や(木:キ)に(問:ト)うてみよ、(彼:カレ)

らはあなたに(教:オシ)える。(海:ウミ)の(魚:サカナ)もまたあなたに(示:シメ)す。

12 章 9 節 これらすべてのもののうち、いずれか(主:シュ)の(手:テ)がこ

れをなしたことを(知:シ)らぬ(者:モノ)があろうか。

12 章 10 節 すべての(生:イ)き(物:モノ)の(命:イノチ)、およびすべての(人:ヒ

ト)の(息:イキ)は(彼:カレ)の(手:テ)のうちにある。

12 章 11 節 (口:クチ)が(食物:ショクモツ)を(味:アジ)わうように、(耳:ミミ)は(言

葉:コトバ)をわきまえないであろうか。

12 章 12 節 (老:オ)いた(者:モノ)には(知恵:チエ)があり、(命:イノチ)の(長:ナガ)

い(者:モノ)には(悟:サト)りがある。

Page 23: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

12 章 13 節 (知恵:チエ)と(力:チカラ)は(神:カミ)と(共:トモ)にあり、(深慮:シンリョ)

と(悟:サト)りも(彼:カレ)のものである。

12 章 14 節 (彼:カレ)が(破壊:ハカイ)すれば、(再:フタタ)び(建:タ)てることがで

きない。(彼:カレ)が(人:ヒト)を(閉:ト)じ(込:コ)めれば、(開:ヒラ)き(出:ダ)すこと

ができない。

12 章 15 節 (彼:カレ)が(水:ミズ)を(止:ト)めれば、それはかれ、(彼:カレ)が

(水:ミズ)を(出:ダ)せば、(地:チ)をくつがえす。

12 章 16 節 (力:チカラ)と(深:フカ)き(知恵:チエ)は(彼:カレ)と(共:トモ)にあり、

(惑:マド)わされる(者:モノ)も(惑:マド)わす(者:モノ)も(彼:カレ)のものである。

12 章 17 節 (彼:カレ)は(議:ギ)(士:アキラ)たちを(裸:ハダカ)にして(連:ツ)れ

(行:ユ)き、さばきびとらを(愚:オロ)かにし、

12 章 18 節 (王:オウ)たちのきずなを(解:ト)き、(彼:カレ)らの(腰:コシ)に(腰

帯:コシオビ)を(巻:マ)き、

12 章 19 節 (祭司:サイシ)たちを(裸:ハダカ)にして(連:ツ)れ(行:ユ)き、(力:チカ

ラ)ある(者:モノ)を(滅:ホロ)ぼし、

12 章 20 節 みずから(頼:タノ)む(者:モノ)たちの(言葉:コトバ)を(奪:ウバ)い、

(長老:チョウロウ)たちの(分別:ブンベツ)を(取:ト)り(去:サ)り、

12 章 21 節 (君:キミ)たちの(上:ウエ)に(侮:アナド)りを(注:ソソ)ぎ、(強:ツヨ)い

(者:モノ)たちの(帯:オビ)を(解:ト)き、

12 章 22 節 (暗:クラ)やみの(中:ナカ)から(隠:カク)れた(事:コト)どもをあらわ

し、(暗黒:アンコク)を(光:ヒカリ)に(引:ヒ)き(出:ダ)し、

12 章 23 節 (国々:クニグニ)を(大:オオ)きくし、またこれを(滅:ホロ)ぼし、

(国々:クニグニ)を(広:ヒロ)くし、また(捕:トラ)え(行:ユ)き、

12 章 24 節 (地:チ)の(民:タミ)の(長:チョウ)たちの(悟:サト)りを(奪:ウバ)い、

(彼:カレ)らを(道:ミチ)なき(荒野:アラノ)にさまよわせ、

12 章 25 節 (光:ヒカリ)なき(暗:クラ)やみに(手探:テサグ)りさせ、(酔:ヨイ)うた

(者:シャ)のようによろめかせる。

(第:ダイ)一三(章:ショウ)

13 章 1 節 (見:ミ)よ、わたしの(目:メ)は、これをことごとく(見:ミ)た。

わたしの(耳:ミミ)はこれを(聞:キ)いて(悟:サト)った。

13 章 2 節 あなたがたの(知:シ)っている(事:コト)は、わたしも(知:シ)って

いる。

Page 24: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

わたしはあなたがたに(劣:オト)らない。

13 章 3 節 しかしわたしは(全能者:ゼンノウシャ)に(物:モノ)を(言:イ)おう、わ

たしは(神:カミ)と(論:ロン)ずることを(望:ノゾ)む。

13章4節 あなたがたは(偽:イツワ)りをもってうわべを(繕:ツクロ)う(者:モノ)、

(皆:ミナ)、(無用:ムヨウ)の(医師:イシ)だ。

13 章 5 節 どうか、あなたがたは(全:マッタ)く(沈黙:チンモク)するように。

これがあなたがたの(知恵:チエ)であろう。

13 章 6 節 (今:イマ)、わたしの(論:ロン)ずることを(聞:キ)くがよい。わた

しの(口:クチ)で(言:イ)い(争:アラソ)うことに(耳:ミミ)を(傾:カタム)けるがよい。

13章7節 あなたがたは(神:カミ)のために(不義:フギ)を(言:イ)おうとする

のか。また(彼:カレ)のために(偽:イツワ)りを(述:ノ)べるのか。

13 章 8 節 あなたがたは(彼:カレ)にひいきしようとするのか。(神:カミ)

のために(争:アラソ)おうとするのか。

13 章 9 節 (神:カミ)があなたがたを(調:シラ)べられるとき、あなたがたは

(無事:ブジ)だろうか。あなたがたは(人:ヒト)を(欺:アザム)くように(彼:カレ)

を(欺:アザム)くことができるか。

13 章 10 節 あなたがたがもし、ひそかにひいきするならば、(彼:カレ)

は(必:カナラ)ずあなたがたを(責:セ)められる。

13 章 11 節 その(威厳:イゲン)はあなたがたを(恐:オソ)れさせないであろ

うか。(彼:カレ)をおそれる(恐:オソ)れがあなたがたに(臨:ノゾ)まないであろ

うか。

13 章 12 節 あなたがたの(格言:カクゲン)は(灰:ハイ)のことわざだ。あな

たがたの(盾:タテ)は(土:ツチ)の(盾:タテ)だ。

13 章 13 節 (黙:モク)して、わたしにかかわるな、わたしは(話:ハナ)そう。

(何事:ナニゴト)でもわたしに(来:ク)るなら、(来:ク)るがよい。

13 章 14 節 わたしはわが(肉:ニク)をわが(歯:ハ)に(取:ト)り、わが(命:イノチ)

をわが(手:テ)のうちに(置:オ)く。

13 章 15 節 (見:ミ)よ、(彼:カレ)はわたしを(殺:コロ)すであろう。わたしは

(絶望:ゼツボウ)だ。しかしなおわたしはわたしの(道:ミチ)を(彼:カレ)の(前:マエ)

に(守:マモ)り(抜:ヌ)こう。

13 章 16 節 これこそわたしの(救:スクイ)となる。(神:カミ)を(信:シン)じない

(者:モノ)は、(神:カミ)の(前:マエ)に(出:デ)ることができないからだ。

13 章 17 節 あなたがたはよくわたしの(言葉:コトバ)を(聞:キ)き、わた

しの(述:ノ)べる(所:トコロ)を(耳:ミミ)に(入:イ)れよ。

Page 25: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

13 章 18 節 (見:ミ)よ、わたしはすでにわたしの(立:タ)ち(場:ジョウ)を(言:

イ)い(並:ナラ)べた。わたしは(義:ギ)とされることをみずから(知:シ)ってい

る。

13 章 19 節 だれかわたしと(言:イ)い(争:アラソ)う(事:コト)のできる(者:モノ)

があろうか。もしあるならば、わたしは(黙:モク)して(死:シ)ぬであろう。

13 章 20 節 ただわたしに二つの(事:コト)を(許:ユル)してください。そう

すれば、わたしはあなたの(顔:カオ)をさけて(隠:カク)れることはないでしょ

う。

13 章 21 節 あなたの(手:テ)をわたしから(離:ハナ)してください。あな

たの(恐:オソ)るべき(事:コト)をもってわたしを(恐:オソ)れさせないでくださ

い。

13 章 22 節 そしてお(呼:ヨ)びください、わたしは(答:コタ)えます。わ

たしに(物:モノ)を(言:イ)わせて、あなたご(自身:ジシン)、わたしにお(答:コタ)

えください。

13 章 23 節 わたしのよこしまと、わたしの(罪:ツミ)がどれほどあるか。

わたしのとがと(罪:ツミ)とをわたしに(知:シ)らせてください。

13 章 24 節 なにゆえ、あなたはみ(顔:カオ)をかくし、わたしをあなた

の(敵:テキ)とされるのか。

13 章 25 節 あなたは(吹:フ)き(回:マワ)される(木:キ)の(葉:ハ)をおどし、

(干:ヒ)あがったもみがらを(追:オ)われるのか。

13 章 26 節 あなたはわたしについて(苦:ニガ)き(事:コト)どもを(書:カ)き

しるし、わたしに(若:ワカ)い(時:トキ)の(罪:ツミ)を(継:ツ)がせ、

13 章 27 節 わたしの(足:アシ)を(足:アシ)かせにはめ、わたしのすべての

(道:ミチ)をうかがい、わたしの(足:アシ)の(周囲:シュウイ)に(限:カギ)りをつけら

れる。

13 章 28 節 このような(人:ヒト)は(腐:クサ)れた(物:モノ)のように(朽:ク)ち

(果:ハ)て、(虫:ムシ)に(食:ク)われた(衣服:イフク)のようにすたれる。

(第:ダイ)一四(章:ショウ)

14 章 1 節 (女:オンナ)から(生:ウマ)れる(人:ヒト)は(日:ニチ)が(短:ミジカ)く、(悩:

ナヤ)みに(満:ミ)ちている。

14 章 2 節 (彼:カレ)は(花:ハナ)のように(咲:サ)き(出:デ)て(枯:カ)れ、(影:カゲ)

のように(飛:ト)び(去:サ)って、とどまらない。

Page 26: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

14 章 3 節 あなたはこのような(者:モノ)にさえ(目:メ)を(開:ア)き、あなた

の(前:マエ)に(引:ヒ)き(出:ダ)して、さばかれるであろうか。

14 章 4 節 だれが(汚:ヨゴ)れたもののうちから(清:キヨ)いものを(出:ダ)

すことができようか、ひとりもない。

14 章 5 節 その(日:ヒ)は(定:サダ)められ、その(月:ツキ)の(数:カズ)もあな

たと(共:トモ)にあり、あなたがその(限:カギ)りを(定:サダ)めて、(越:コ)える

ことのできないようにされたのだから、

14 章 6 節 (彼:カレ)から(目:メ)をはなし、(手:テ)をひいてください。そう

すれば(彼:カレ)は(雇人:ヤトイニン)のように、その(日:ヒ)を(楽:タノ)しむことがで

きるでしょう。

14 章 7 節 (木:キ)には(望:ノゾ)みがある。たとい(切:キ)られてもまた(芽:

メ)をだし、その(若枝:ワカエダ)は(絶:タ)えることがない。

14 章 8 節 たといその(根:ネ)が(地:チ)の(中:ナカ)に(老:オ)い、その(幹:ミキ)

が(土:ツチ)の(中:ナカ)に(枯:カ)れても、

14 章 9 節 なお(水:ミズ)の(潤:ウルオ)いにあえば(芽:メ)をふき、(若木:ワカギ)

のように(枝:エダ)を(出:ダ)す。

14 章 10 節 しかし(人:ヒト)は(死:シ)ねば(消:キ)えうせる。(息:イキ)が(絶:タ)

えれば、どこにおるか。

14 章 11 節 (水:ミズ)が(湖:ミズウミ)から(消:キ)え、(川:カワ)がかれて、かわ

くように、

14 章 12 節 (人:ヒト)は(伏:フ)して(寝:ネ)、また(起:オ)きず、(天:テン)のつき

るまで、(目:メ)ざめず、その(眠:ネム)りからさまされない。

14 章 13 節 どうぞ、わたしを(陰府:ヨミ)にかくし、あなたの(怒:イカ)り

のやむまで、(潜:ヒソ)ませ、わたしのために(時:トキ)を(定:サダ)めて、わた

しを(覚:オボ)えてください。

14 章 14 節 (人:ヒト)がもし(死:シ)ねば、また(生:イ)きるでしょうか。わ

たしはわが(服役:フクエキ)の(諸:ショ)(日:ヒ)の(間:アイダ)、わが(解放:カイホウ)の(来:

ク)るまで(待:マ)つでしょう。

14 章 15 節 あなたがお(呼:ヨ)びになるとき、わたしは(答:コタ)えるで

しょう。あなたはみ(手:テ)のわざを(顧:カエリ)みられるでしょう。

14 章 16 節 その(時:トキ)あなたはわたしの(歩:アユ)みを(数:カゾ)え、わた

しの(罪:ツミ)を(見:ミ)のがされるでしょう。

Page 27: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

14 章 17 節 わたしのとがは(袋:フクロ)の(中:ナカ)に(封:フウ)じられ、あなた

はわたしの(罪:ツミ)を(塗:ヌ)りかくされるでしょう。

14 章 18 節 しかし(山:ヤマ)は(倒:タオ)れてくずれ、(岩:イワ)もその(所:トコロ)

から(移:ウツ)される。

14 章 19 節 (水:ミズ)は(石:イシ)をうがち、(大水:オオミズ)は(地:チ)のちりを

(洗:アラ)い(去:サ)る。このようにあなたは(人:ヒト)の(望:ノゾ)みを(断:タ)たれ

る。

14 章 20 節 あなたはながく(彼:カレ)に(勝:カ)って、(彼:カレ)を(去:サ)り(行:

イ)かせ、(彼:カレ)の(顔:カオ)かたちを(変:カワ)らせて(追:オ)いやられる。

14 章 21 節 (彼:カレ)の(子:コ)らは(尊:トウト)くなっても、(彼:カレ)はそれを

(知:シ)らない、(卑:イヤ)しくなっても、それを(悟:サト)らない。

14 章 22 節 ただおのが(身:ミ)に(痛:イタ)みを(覚:オボ)え、おのれのため

に(嘆:ナゲ)くのみである」。

(第:ダイ)一五(章:ショウ)

15 章 1 節 そこでテマンびとエリパズは(答:コタ)えて(言:イ)った、

15 章 2 節 「(知者:チシャ)はむなしき(知識:チシキ)をもって(答:コタ)えるであ

ろうか。(東風:ヒガシカゼ)をもってその(腹:ハラ)を(満:ミ)たすであろうか。

15 章 3 節 (役:ヤク)に(立:タ)たない(談話:ダンワ)をもって(論:ロン)じるであ

ろうか。(無益:ムエキ)な(言葉:コトバ)をもって(争:アラソ)うであろうか。

15 章 4 節 ところがあなたは(神:カミ)を(恐:オソ)れることを(捨:ス)て、(神:

カミ)の(前:マエ)に(祈:イノ)る(事:コト)をやめている。

15 章 5 節 あなたの(罪:ツミ)はあなたの(口:クチ)を(教:オシ)え、あなたは(悪

賢:ワルガシコ)い(人:ヒト)の(舌:シタ)を(選:エラ)び(用:モチ)いる。

15 章 6 節 あなたの(口:クチ)みずからあなたの(罪:ツミ)を(定:サダ)める、

わたしではない。あなたのくちびるがあなたに(逆:サカ)らって(証明:ショウメ

イ)する。

15 章 7 節 あなたは(最初:サイショ)に(生:ウマ)れた(人:ヒト)であるのか。(山:

ヤマ)よりも(先:サキ)に(生:ウマ)れたのか。

15 章 8 節 あなたは(神:カミ)の(会議:カイギ)にあずかったのか。

Page 28: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

あなたは(知恵:チエ)を(独占:ドクセン)しているのか。

15 章 9 節 あなたが(知:シ)るものはわれわれも(知:シ)るではないか。あ

なたが(悟:サト)るものはわれわれも(悟:サト)るではないか。

15 章 10 節 われわれの(中:ナカ)にはしらがの(人:ヒト)も、(年老:トシオ)いた

(人:ヒト)もあって、あなたの(父:チチ)よりも(年上:トシウエ)だ。

15 章 11 節 (神:カミ)の(慰:ナグサ)めおよびあなたに(対:タイ)するやさしい

(言葉:コトバ)も、あなたにとって、あまりに(小:チイ)さいというのか。

15 章 12 節 どうしてあなたの(心:ココロ)は(狂:クル)うのか。どうしてあ

なたの(目:メ)はしばたたくのか。

15 章 13 節 あなたが(神:カミ)にむかって(気:キ)をいらだて、このよう

な(言葉:コトバ)をあなたの(口:クチ)から(出:ダ)すのはなぜか。

15 章 14 節 (人:ヒト)はいかなる(者:モノ)か、どうしてこれは(清:キヨ)くあ

りえよう。(女:オンナ)から(生:ウマ)れた(者:モノ)は、どうして(正:タダ)しくあり

えよう。

15 章 15 節 (見:ミ)よ、(神:カミ)はその(聖:セイ)なる(者:モノ)にすら(信:シン)

を(置:オ)かれない、もろもろの(天:テン)も(彼:カレ)の(目:メ)には(清:キヨ)くない。

15 章 16 節 まして(憎:ニク)むべき(汚:ヨゴ)れた(者:モノ)、また(不義:フギ)

を(水:ミズ)のように(飲:ノ)む(人:ヒト)においては。

15 章 17 節 わたしはあなたに(語:カタ)ろう、(聞:キ)くがよい。わたし

は(自分:ジブン)の(見:ミ)た(事:コト)を(述:ノ)べよう。

15 章 18 節 これは(知者:チシャ)たちがその(先祖:センゾ)からうけて、(隠:

カク)す(所:トコロ)なく(語:カタ)り(伝:ツタ)えたものである。

15 章 19 節 (彼:カレ)らにのみこの(地:チ)は(授:サズ)けられて、(他国人:タ

コクジン)はその(中:ナカ)に(行:ユ)き(来:キ)したことがなかった。

15 章 20 節 (悪:ア)しき(人:ヒト)は(一生:イッショウ)の(間:アイダ)、もだえ(苦:ク

ル)しむ。(残酷:ザンコク)な(人:ヒト)には(年:トシ)の(数:カズ)が(定:サダ)められてい

る。

15 章 21 節 その(耳:ミミ)には(恐:オソ)ろしい(音:オト)が(聞:キコ)え、(繁栄:ハ

ンエイ)の(時:トキ)にも(滅:ホロ)ぼす(者:モノ)が(彼:カレ)に(臨:ノゾ)む。

Page 29: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

15 章 22 節 (彼:カレ)は、(暗:クラ)やみから(帰:カエ)りうるとは(信:シン)ぜず、

つるぎにねらわれる。

15 章 23 節 (彼:カレ)は(食物:ショクモツ)はどこにあるかと(言:イ)いつつさま

よい、(暗:クラ)き(日:ヒ)が(手近:テヂカ)に(備:ソナ)えられてあるのを(知:シ)る。

15 章 24 節 (悩:ナヤ)みと(苦:クル)しみとが(彼:カレ)を(恐:オソ)れさせ、(戦:タ

タカ)いの(備:ソナ)えをした(王:オウ)のように(彼:カレ)に(打:ウ)ち(勝:カ)つ。

15 章 25 節 これは(彼:カレ)が(神:カミ)に(逆:サカ)らってその(手:テ)を(伸:ノ)

べ、(全能者:ゼンノウシャ)に(逆:サカ)らって(高慢:コウマン)にふるまい、

15 章 26 節 (盾:タテ)の(厚:アツ)い(面:メン)をもって(強情:ゴウジョウ)に、(彼:

カレ)にはせ(向:ム)かうからだ。

15 章 27 節 また(彼:カレ)は(脂肪:シボウ)をもってその(顔:カオ)をおおい、

その(腰:コシ)には(脂肪:シボウ)の(肉:ニク)を(集:アツ)め、

15 章 28 節 (滅:ホロ)ぼされた(町々:マチマチ)に(住:ス)み、(人:ヒト)の(住:ス)ま

ない(家:イエ)、(荒塚:アラツカ)となる(所:トコロ)におるからだ。

15 章 29 節 (彼:カレ)は(富:ト)める(者:モノ)とならず、その(富:トミ)はながく

(続:ツヅ)かない、また(地:チ)に(根:ネ)を(張:ハ)ることはない。

15 章 30 節 (彼:カレ)は(暗:クラ)やみからのがれることができない。(炎:

ホノオ)はその(若枝:ワカエダ)を(枯:カ)らし、その(花:ハナ)は(風:カゼ)に(吹:フ)き

(去:サ)られる。

15 章 31 節 (彼:カレ)をしてみずから(欺:アザム)いて、むなしい(事:コト)に

たよらせてはならない。その(報:ムク)いはむなしいからだ。

15章32節 (彼:カレ)の(時:トキ)のこない(前:マエ)にその(事:コト)がなし(遂:ト)

げられ、(彼:カレ)の(枝:エダ)は(緑:ミドリ)とならないであろう。

15 章 33 節 (彼:カレ)はぶどうの(木:キ)のように、その(熟:ジュク)さない

(実:ミ)をふり(落:オト)すであろう。またオリブの(木:キ)のように、その(花:

ハナ)を(落:オト)すであろう。

Page 30: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

15 章 34 節 (神:カミ)を(信:シン)じない(者:モノ)のやからは(子:コ)なく、まい

ないによる(天幕:テンマク)は(火:ヒ)で(焼:ヤ)き(滅:ホロ)ぼされるからだ。

15 章 35 節 (彼:カレ)らは(害悪:ガイアク)をはらみ、(不義:フギ)を(生:ウ)み、

その(腹:ハラ)は(偽:イツワ)りをつくる」。

(第:ダイ)一六(章:ショウ)

16 章 1 節 そこでヨブは(答:コタ)えて(言:イ)った、

16 章 2 節 「わたしはこのような(事:コト)を(数多:カズオオ)く(聞:キ)いた。

あなたがたは(皆人:ミナト)を(慰:ナグサ)めようとして、かえって(人:ヒト)を(煩:

ワズラ)わす(者:モノ)だ。

16 章 3 節 むなしき(言葉:コトバ)に、はてしがあろうか。あなたは(何:

ナニ)に(激:ゲキ)して(答:コタエ)をするのか。

16 章 4 節 わたしもあなたがたのように(語:カタ)ることができる。もし

あなたがたがわたしと(代:カワ)ったならば、わたしは(言葉:コトバ)を(練:ネ)

って、あなたがたを(攻:セ)め、あなたがたに(向:ム)かって(頭:アタマ)を(振:フ)

ることができる。

16 章 5 節 また(口:クチ)をもって、あなたがたを(強:ツヨ)くし、くちびる

の(慰:ナグサ)めをもって、あなたがたの(苦:クル)しみを(和:ヤワ)らげることが

できる。

16 章 6 節 たといわたしは(語:カタ)っても、わたしの(苦:クル)しみは(和:

ヤワ)らげられない。たといわたしは(忍:シノ)んでも、どれほどそれがわた

しを(去:サ)るであろうか。

16 章 7 節 まことに(神:カミ)は(今:イマ)わたしを(疲:ツカ)れさせた。(彼:カレ)

はわたしのやからをことごとく(荒:アラ)した。

16 章 8 節 (彼:カレ)はわたしを、しわ(寄:ヨ)らせた。これがわたしに(対:

タイ)する(証拠:ショウコ)である。またわたしのやせ(衰:オトロ)えた(姿:スガタ)が

(立:タ)って、わたしを(攻:セ)め、わたしの(顔:カオ)にむかって(証明:ショウメイ)

する。

16 章 9 節 (彼:カレ)は(怒:イカ)ってわたしをかき(裂:サ)き、わたしを(憎:ニ

ク)み、わたしに(向:ム)かって(歯:ハ)をかみ(鳴:ナ)らした。わたしの(敵:テキ)

は(目:メ)を(鋭:スルド)くして、わたしを(攻:セ)める。

16 章 10 節 (人々:ヒトビト)はわたしに(向:ム)かって(口:クチ)を(張:ハ)り、

(侮:アナド)ってわたしのほおを(打:ウ)ち、ともに(集:アツ)まってわたしを(攻:

セ)める。

Page 31: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

16 章 11 節 (神:カミ)はわたしをよこしまな(者:モノ)に(渡:ワタ)し、(悪人:ア

クニン)の(手:テ)に(投:ナ)げいれられる。

16 章 12 節 わたしは(安:ヤス)らかであったのに、(彼:カレ)はわたしを(切:

キ)り(裂:サ)き、(首:クビ)を(捕:トラ)えて、わたしを(打:ウ)ち(砕:クダ)き、わた

しを(立:タ)てて(的:マト)とされた。

16 章 13 節 その(射手:シャシュ)はわたしを(囲:カコ)む。(彼:カレ)は(無慈悲:ム

ジヒ)にもわたしの(腰:コシ)を(射:イ)(通:ドオ)し、わたしの(肝:キモ)を(地:チ)に

(流:ナガ)れ(出:ダ)させられる。

16 章 14 節 (彼:カレ)はわたしを(打:ウ)ち(破:ヤブ)って、(破:ヤブ)れに(破:

ヤブ)れを(加:クワ)え、(勇士:ユウシ)のようにわたしに、はせかかられる。

16 章 15 節 わたしは(荒布:アラメ)を(膚:ハダ)に(縫:ヌ)いつけ、わたしの

(角:ツノ)をちりに(伏:フ)せた。

16 章 16 節 わたしの(顔:カオ)は(泣:ナ)いて(赤:アカ)くなり、わたしのまぶ

たには(深:フカ)いやみがある。

16 章 17 節 しかし、わたしの(手:テ)には(暴虐:ボウギャク)がなく、わた

しの(祈:イノ)は(清:キヨ)い。

16 章 18 節 (地:チ)よ、わたしの(血:チ)をおおってくれるな。わたしの

(叫:サケ)びに、(休:ヤス)む(所:トコロ)を(得:エ)させるな。

16 章 19 節 (見:ミ)よ、(今:イマ)でもわたしの(証人:ショウニン)は(天:テン)にあ

る。わたしのために(保証:ホショウ)してくれる(者:モノ)は(高:タカ)い(所:トコロ)に

ある。

16 章 20 節 わたしの(友:トモ)はわたしをあざける、しかしわたしの(目:

メ)は(神:カミ)に(向:ム)かって(涙:ナミダ)を(注:ソソ)ぐ。

16 章 21 節 どうか(彼:カレ)が(人:ヒト)のために(神:カミ)と(弁論:ベンロン)し、

(人:ヒト)とその(友:トモ)との(間:アイダ)をさばいてくれるように。

16 章 22 節 (数年:スウネン)(過:ス)ぎ(去:サ)れば、わたしは(帰:カエ)らぬ(旅路:

タビジ)に(行:イ)くであろう。

(第:ダイ)一七(章:ショウ)

17 章 1 節 わが(霊:レイ)は(破:ヤブ)れ、わが(日:ヒ)は(尽:ツ)き、(墓:ハカ)は

わたしを(待:マ)っている。

17 章 2 節 まことにあざける(者:モノ)どもはわたしのまわりにあり、わ

が(目:メ)は(常:ツネ)に(彼:カレ)らの(侮:アナド)りを(見:ミ)る。

Page 32: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

17 章 3 節 どうか、あなた(自:ミズカ)ら(保証:ホショウ)となられるように。

ほかにだれがわたしのために(保証:ホショウ)となってくれる(者:モノ)があろ

うか。

17 章 4 節 あなたは(彼:カレ)らの(心:ココロ)を(閉:ト)じて、(悟:サト)ることの

ないようにされた。それゆえ、(彼:カレ)らに(勝利:ショウリ)を(得:エ)させられ

るはずはない。

17 章 5 節 (分:ワ)け(前:マエ)を(得:エ)るために(友:トモ)を(訴:ウッタ)えるもの

は、その(子:コ)らの(目:メ)がつぶれるであろう。

17 章 6 節 (彼:カレ)はわたしを(民:タミ)の(笑:ワラ)い(草:グサ)とされた。わ

たしは(顔:カオ)につばきされる(者:モノ)となる。

17 章 7 節 わが(目:メ)は(憂:ウレ)いによってかすみ、わがからだはすべ

て(影:カゲ)のようだ。

17 章 8 節 (正:タダ)しい(者:モノ)はこれに(驚:オドロ)き、(罪:ツミ)なき(者:モノ)

は(神:カミ)を(信:シン)ぜぬ(者:モノ)に(対:タイ)して(憤:イキドオ)る。

17 章 9 節 それでもなお(正:タダ)しい(者:モノ)はその(道:ミチ)を(堅:カタ)く

(保:タモ)ち、(潔:イサギヨ)い(手:テ)をもつ(者:モノ)はますます(力:チカラ)を(得:エ)る。

17 章 10 節 しかし、あなたがたは(皆:ミナ)(再:フタタ)び(来:ク)るがよい、

わたしはあなたがたのうちに(賢:カシコ)い(者:モノ)を(見:ミ)ないのだ。

17章11節 わが(日:ヒ)は(過:ス)ぎ(去:サ)り、わが(計:ハカ)りごとは(敗:ヤブ)

れ、わが(心:ココロ)の(願:ネガ)いも(敗:ヤブ)れた。

17 章 12 節 (彼:カレ)らは(夜:ヨル)を(昼:ヒル)に(変:カ)える。(彼:カレ)らは(言:

イ)う、『(光:ヒカリ)が(暗:クラ)やみに(近:チカ)づいている』と。

17 章 13 節 わたしがもし(陰府:ヨミ)をわたしの(家:イエ)として(望:ノゾ)

み、(暗:クラ)やみに(寝床:ネドコ)をのべ、

17 章 14 節 (穴:アナ)に(向:ム)かって『あなたはわたしの(父:チチ)である』

と(言:イ)い、うじに(向:ム)かって『あなたはわたしの(母:ハハ)、わたしの(姉

妹:シマイ)である』と(言:イ)うならば、

17 章 15 節 わたしの(望:ノゾ)みはどこにあるか、だれがわたしの(望:

ノゾ)みを(見:ミ)ることができようか。

Page 33: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

17 章 16 節 これは(下:クダ)って(陰府:ヨミ)の(関門:カンモン)にいたり、われ

われは(共:トモ)にちりに(下:クダ)るであろうか」。

(第:ダイ)一八(章:ショウ)

18 章 1 節 そこでシュヒびとビルダデは(答:コタ)えて(言:イ)った、

18 章 2 節 「あなたはいつまで(言葉:コトバ)にわなを(設:モウ)けるのか。

あなたはまず(悟:サト)るがよい、それからわれわれは(論:ロン)じよう。

18 章 3 節 なぜ、われわれは(獣:ケモノ)のように(思:オモ)われるのか。な

ぜ、あなたの(目:メ)に(愚:オロ)かな(者:モノ)と(見:ミ)えるのか。

18 章 4 節 (怒:イカ)っておのが(身:ミ)を(裂:サ)く(者:モノ)よ、あなたのため

に(地:チ)は(捨:ス)てられるだろうか。(岩:イワ)はその(所:トコロ)から(移:ウツ)さ

れるだろうか。

18 章 5 節 (悪:ア)しき(者:モノ)の(光:ヒカリ)は(消:キ)え、その(火:ヒ)の(炎:ホノオ)

は(光:ヒカリ)を(放:ハナ)たず、

18 章 6 節 その(天幕:テンマク)のうちの(光:ヒカリ)は(暗:クラ)く、(彼:カレ)の(上:

ウエ)のともしびは(消:キ)える。

18 章 7 節 その(力:チカラ)ある(歩:アユ)みはせばめられ、その(計:ハカ)りご

とは(彼:カレ)を(倒:タオ)す。

18 章 8 節 (彼:カレ)は(自分:ジブン)の(足:アシ)で(網:アミ)にかかり、また(落:

オト)し(穴:アナ)の(上:ウエ)を(歩:アユ)む。

18 章 9 節 わなは(彼:カレ)のかかとを(捕:トラ)え、(網:アミ)わなは(彼:カレ)

を(捕:トラ)える。

18 章 10 節 (輪:ワ)なわは(彼:カレ)を(捕:トラ)えるために(地:チ)に(隠:カク)さ

れ、(張:ハ)り(網:アミ)は(彼:カレ)を(捕:トラ)えるために(道:ミチ)に(設:モウ)けられ

る。

18章11節 (恐:オソ)ろしい(事:コト)が(四方:シホウ)にあって(彼:カレ)を(恐:オソ)

れさせ、その(歩:アユ)みにしたがって(彼:カレ)を(追:オ)う。

18 章 12 節 その(力:チカラ)は(飢:ウ)え、(災:ワザワイ)は(彼:カレ)をつまずかす

ために(備:ソナ)わっている。

18 章 13 節 その(皮膚:ヒフ)は(病:ヤマイ)によって(食:ク)いつくされ、(死:シ)

のういごは(彼:カレ)の(手足:テアシ)を(食:ク)いつくす。

18 章 14 節 (彼:カレ)はその(頼:タノ)む(所:トコロ)の(天幕:テンマク)から(引:ヒ)き

(離:ハナ)されて、(恐:オソ)れの(王:オウ)のもとに(追:オ)いやられる。

Page 34: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

18 章 15 節 (彼:カレ)に(属:ゾク)さない(者:モノ)が(彼:カレ)の(天幕:テンマク)に

(住:ス)み、(硫黄:イオウ)が(彼:カレ)のすまいの(上:ウエ)にまき(散:チ)らされる。

18 章 16 節 (下:シタ)ではその(根:ネ)が(枯:カ)れ、(上:ウエ)ではその(枝:エダ)

が(切:キ)られる。

18 章 17 節 (彼:カレ)の(形見:カタミ)は(地:チ)から(滅:ホロ)び、(彼:カレ)の(名:ナ)

はちまたに(消:キ)える。

18 章 18 節 (彼:カレ)は(光:ヒカリ)からやみに(追:オ)いやられ、(世:ヨ)の(中:

ナカ)から(追:オ)い(出:ダ)される。

18 章 19 節 (彼:カレ)はその(民:タミ)の(中:ナカ)に(子:コ)もなく、(孫:マゴ)も

なく、(彼:カレ)のすみかには、ひとりも(生:イ)き(残:ノコ)る(者:モノ)はない。

18 章 20 節 (西:ニシ)の(者:シャ)は(彼:カレ)の(日:ヒ)について(驚:オドロ)き、

(東:ヒガシ)の(者:シャ)はおじ(恐:オソ)れる。

18 章 21 節 まことに、(悪:ア)しき(者:モノ)のすまいはこのようであり、

(神:カミ)を(知:シ)らない(者:モノ)の(所:トコロ)はこのようである」。

(第:ダイ)一九(章:ショウ)

19 章 1 節 そこでヨブは(答:コタ)えて(言:イ)った、

19 章 2 節 「あなたがたはいつまでわたしを(悩:ナヤ)まし、(言葉:コトバ)

をもってわたしを(打:ウ)ち(砕:クダ)くのか。

19 章 3 節 あなたがたはすでに十(度:ド)もわたしをはずかしめ、わた

しを(悪:ワル)くあしらってもなお(恥:ハ)じないのか。

19 章 4 節 たといわたしが、まことにあやまったとしても、そのあや

まちは、わたし(自身:ジシン)にとどまる。

19 章 5 節 もしあなたがたが、まことにわたしに(向:ム)かって(高:タカ)

ぶり、わたしの(恥:ハジ)を(論:ロン)じるならば、

19 章 6 節 『(神:カミ)がわたしをしえたげ、その(網:アミ)でわたしを(囲:

カコ)まれたのだ』と(知:シ)るべきだ。

19 章 7 節 (見:ミ)よ、わたしが『(暴虐:ボウギャク)』と(叫:サケ)んでも(答:

コタ)えられず、(助:タス)けを(呼:ヨ)び(求:モト)めても、さばきはない。

Page 35: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

19 章 8 節 (彼:カレ)はわたしの(道:ミチ)にかきをめぐらして、(越:コ)える

ことのできないようにし、わたしの(行:イ)く(道:ミチ)に(暗:クラ)やみを(置:オ)

かれた。

19 章 9 節 (彼:カレ)はわたしの(栄:サカ)えをわたしからはぎ(取:ト)り、わ

たしのこうべから(冠:カンムリ)を(奪:ウバ)い、

19 章 10 節 (四方:シホウ)からわたしを(取:ト)りこわして、うせさせ、わ

たしの(望:ノゾ)みを(木:キ)のように(抜:ヌ)き(去:サ)り、

19 章 11 節 わたしに(向:ム)かって(怒:イカ)りを(燃:モ)やし、わたしを(敵:

テキ)のひとりのように(思:オモ)われた。

19 章 12 節 その(軍勢:グンゼイ)がいっせいに(来:キ)て、(塁:ルイ)を(築:キ

ズ)いて(攻:セ)め(寄:ヨ)せ、わたしの(天幕:テンマク)のまわりに(陣:ジン)を(張:

ハ)った。

19 章 13 節 (彼:カレ)はわたしの(兄弟:キョウダイ)たちをわたしから(遠:トオ)

く(離:ハナ)れさせられた。わたしを(知:シ)る(人々:ヒトビト)は(全:マッタ)くわた

しに(疎遠:ソエン)になった。

19 章 14 節 わたしの(親類:シンルイ)および(親:シタ)しい(友:トモ)はわたしを

(見捨:ミス)て、

19 章 15 節 わたしの(家:イエ)に(宿:ヤド)る(者:モノ)はわたしを(忘:ワス)れ、

わたしのはしためらはわたしを(他人:タニン)のように(思:オモ)い、わたしは

(彼:カレ)らの(目:メ)に(他国人:タコクジン)となった。

19 章 16 節 わたしがしもべを(呼:ヨ)んでも、(彼:カレ)は(答:コタ)えず、わ

たしは(口:クチ)をもって(彼:カレ)に(請:コ)わなければならない。

19 章 17 節 わたしの(息:イキ)はわが(妻:ツマ)にいとわれ、わたしは(同:

オナ)じ(腹:ハラ)の(子:コ)たちにきらわれる。

19 章 18 節 わらべたちさえもわたしを(侮:アナド)り、わたしが(起:オ)

き(上:ア)がれば、わたしをあざける。

19 章 19 節 (親:シタ)しい(人々:ヒトビト)は(皆:ミナ)わたしをいみきらい、わ

たしの(愛:アイ)した(人々:ヒトビト)はわたしにそむいた。

19 章 20 節 わたしの(骨:ホネ)は(皮:カワ)と(肉:ニク)につき、わたしはわず

かに(歯:ハ)の(皮:カワ)をもってのがれた。

19 章 21 節 わが(友:トモ)よ、わたしをあわれめ、わたしをあわれめ、

(神:カミ)のみ(手:テ)がわたしを(打:ウ)ったからである。

19 章 22 節 あなたがたは、なにゆえ(神:カミ)のようにわたしを(責:セ)

め、わたしの(肉:ニク)をもって(満足:マンゾク)しないのか。

Page 36: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

19 章 23 節 どうか、わたしの(言葉:コトバ)が、(書:カ)きとめられるよ

うに。どうか、わたしの(言葉:コトバ)が、(書物:ショモツ)にしるされるように。

19 章 24 節 (鉄:テツ)の(筆:フデ)と(鉛:ナマリ)とをもって、ながく(岩:イワ)に

(刻:キザ)みつけられるように。

19 章 25 節 わたしは(知:シ)る、わたしをあがなう(者:モノ)は(生:イ)きて

おられる、(後:ノチ)の(日:ヒ)に(彼:カレ)は(必:カナラ)ず(地:チ)の(上:ウエ)に(立:タ)た

れる。

19 章 26 節 わたしの(皮:カワ)がこのように(滅:ホロ)ぼされたのち、わた

しは(肉:ニク)を(離:ハナ)れて(神:カミ)を(見:ミ)るであろう。

19 章 27 節 しかもわたしの(味方:ミカタ)として(見:ミ)るであろう。わた

しの(見:ミ)る(者:モノ)はこれ(以外:イガイ)のものではない。わたしの(心:ココロ)

はこれを(望:ノゾ)んでこがれる。

19 章 28 節 あなたがたがもし『われわれはどうして(彼:カレ)を(責:セ)

めようか』と(言:イ)い、また『(事:コト)の(根源:コンゲン)は(彼:カレ)のうちに(見:

ミ)いだされる』と(言:イ)うならば、

19 章 29 節 つるぎを(恐:オソ)れよ、(怒:イカ)りはつるぎの(罰:バツ)をきた

らすからだ。これによって、あなたがたは、さばきのあることを(知:シ)

るであろう」。

(第:ダイ)二〇(章:ショウ)

20 章 1 節 そこでナアマびとゾパルは(答:コタ)えて(言:イ)った、

20 章 2 節 「これによって、わたしは(答:コタ)えようとの(思:オモ)いを(起:

オコ)し、これがために(心中:シンジュウ)しきりに(騒:サワ)ぎ(立:タ)つ。

20 章 3 節 わたしはわたしをはずかしめる(非難:ヒナン)を(聞:キ)く、しか

し、わたしの(悟:サト)りの(霊:レイ)がわたしに(答:コタ)えさせる。

20 章 4 節 あなたはこの(事:コト)を(知:シ)らないのか、(昔:ムカシ)から(地:

チ)の(上:ウエ)に(人:ヒト)の(置:オ)かれてよりこのかた、

20 章 5 節 (悪:ア)しき(人:ヒト)の(勝:カ)ち(誇:ホコリ)はしばらくであって、

(神:カミ)を(信:シン)じない(者:モノ)の(楽:タノ)しみはただつかのまであること

を。

20 章 6 節 たといその(高:タカ)さが(天:テン)に(達:タッ)し、その(頭:アタマ)が

(雲:クモ)におよんでも、

Page 37: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

20 章 7 節 (彼:カレ)はおのれの(糞:フン)のように、とこしえに(滅:ホロ)び、

(彼:カレ)を(見:ミ)た(者:モノ)は(言:イ)うであろう、『(彼:カレ)はどこにおるか』

と。

20 章 8 節 (彼:カレ)は(夢:ユメ)のように(飛:ト)び(去:サ)って、(再:フタタ)び(見:

ミ)ることはない。(彼:カレ)は(夜:ヨル)の(幻:マボロシ)のように(追:オ)い(払:ハラ)わ

れるであろう。

20 章 9 節 (彼:カレ)を(見:ミ)た(目:メ)はかさねて(彼:カレ)を(見:ミ)ることが

なく、(彼:カレ)のいた(所:トコロ)も(再:フタタ)び(彼:カレ)を(見:ミ)ることがなかろ

う。

20 章 10 節 その(子:コ)らは(貧:マズ)しい(者:モノ)に(恵:メグ)みを(求:モト)

め、その(手:テ)は(彼:カレ)の(貨財:カザイ)を(償:ツグナ)うであろう。

20 章 11 節 その(骨:ホネ)には(若:ワカ)い(力:チカラ)が(満:ミ)ちている、しか

しそれは(彼:カレ)と(共:トモ)にちりに(伏:フ)すであろう。

20 章 12 節 たとい(悪:アク)は(彼:カレ)の(口:クチ)に(甘:アマ)く、これを(舌:シ

タ)の(裏:ウラ)にかくし、

20 章 13 節 これを(惜:オ)しんで(捨:ス)てることなく、(口:クチ)の(中:ナカ)

に(含:フク)んでいても、

20 章 14 節 その(食物:ショクモツ)は(彼:カレ)の(腹:ハラ)の(中:ナカ)で(変:カワ)り、

(彼:カレ)の(内:ナイ)で(毒蛇:ドクジャ)の(毒:ドク)となる。

20 章 15 節 (彼:カレ)は(貨財:カザイ)をのんでも、またそれを(吐:ハ)き(出:

ダ)す、(神:カミ)がそれを(彼:カレ)の(腹:ハラ)から(押:オ)し(出:ダ)されるからだ。

20 章 16 節 (彼:カレ)は(毒蛇:ドクジャ)の(毒:ドク)を(吸:ス)い、まむしの(舌:

シタ)は(彼:カレ)を(殺:コロ)すであろう。

20 章 17 節 (彼:カレ)は(蜜:ミツ)と(凝乳:ギョウニュウ)の(流:ナガ)れる(川:カワ)々

を(見:ミ)ることができない。

20 章 18 節 (彼:カレ)はほねおって(獲:エ)たものを(返:カエ)して、それを

(食:ク)うことができない。その(商:アキナ)いによって(得:エ)た(利益:リエキ)をも

って(楽:タノ)しむことができない。

20 章 19 節 (彼:カレ)が(貧:マズ)しい(者:モノ)をしえたげ、これを(捨:ス)て

たからだ。(彼:カレ)は(家:イエ)を(奪:ウバ)い(取:ト)っても、それを(建:タ)てる

ことができない。

20 章 20 節 (彼:カレ)の(欲張:ヨクバ)りは(足:タ)ることを(知:シ)らぬゆえ、

その(楽:タノ)しむ(何物:ナニモノ)をも(救:スク)うことができないであろう。

Page 38: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

20 章 21 節 (彼:カレ)が(残:ノコ)して(食:タ)べなかった(物:モノ)とては一つ

もない。それゆえ、その(繁栄:ハンエイ)はながく(続:ツヅ)かないであろう。

20 章 22 節 その(力:チカラ)の(満:ミ)ちている(時:トキ)、(彼:カレ)は(窮境:キュウ

キョウ)に(陥:オチイ)り、(悩:ナヤ)みの(手:テ)がことごとく(彼:カレ)の(上:ウエ)に(臨:ノ

ゾ)むであろう。

20 章 23 節 (彼:カレ)がその(腹:ハラ)を(満:ミ)たそうとすれば、(神:カミ)はそ

の(激:ハゲ)しい(怒:イカ)りを(送:オク)って、それを(彼:カレ)の(上:ウエ)に(降:フ)り

(注:ソソ)ぎ、(彼:カレ)の(食物:ショクモツ)とされる。

20 章 24 節 (彼:カレ)は(鉄:テツ)の(武器:ブキ)を(免:マヌガ)れても、(青銅:セイ

ドウ)の(矢:ヤ)は(彼:カレ)を(射:イ)(通:トオ)すであろう。

20 章 25 節 (彼:カレ)がこれをその(身:ミ)から(引:ヒ)き(抜:ヌ)けば、きらめ

く(矢:ヤ)じりがその(肝:キモ)から(出:デ)てきて、(恐:オソ)れが(彼:カレ)の(上:ウ

エ)に(臨:ノゾ)む。

20 章 26 節 もろもろの(暗黒:アンコク)が(彼:カレ)の(宝物:タカラモノ)のために

たくわえられ、(人:ヒト)が(吹:フ)き(起:オコ)したものでない(火:ヒ)が(彼:カレ)を

(焼:ヤ)きつくし、その(天幕:テンマク)に(残:ノコ)っている(者:モノ)を(滅:ホロ)ぼす

であろう。

20 章 27 節 (天:テン)は(彼:カレ)の(罪:ツミ)をあらわし、(地:チ)は(起:タ)って

(彼:カレ)を(攻:セ)めるであろう。

20 章 28 節 その(家:イエ)の(財産:ザイサン)は(奪:ウバ)い(去:サ)られ、(神:カミ)

の(怒:イカ)りの(日:ヒ)に(消:キ)えうせるであろう。

20 章 29 節 これが(悪:ア)しき(人:ヒト)の(神:カミ)から(受:ウ)ける(分:ブン)、

(神:カミ)によって(定:サダ)められた(嗣業:シギョウ)である」。

(第:ダイ)二一(章:ショウ)

21 章 1 節 そこでヨブは(答:コタ)えて(言:イ)った、

21 章 2 節 「あなたがたはとくと、わたしの(言葉:コトバ)を(聞:キ)き、

これをもって、あなたがたの(慰:ナグサ)めとするがよい。

21 章 3 節 まずわたしをゆるして(語:カタ)らせなさい。わたしが(語:カタ)

ったのち、あざけるのもよかろう。

Page 39: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

21 章 4 節 わたしのつぶやきは(人:ヒト)に(対:タイ)してであろうか。わた

しはどうして、いらだたないでいられようか。

21 章 5 節 あなたがたはわたしを(見:ミ)て、(驚:オドロ)き、(手:テ)を(口:

クチ)にあてるがよい。

21 章 6 節 わたしはこれを(思:オモ)うと(恐:オソ)ろしくなって、からだが

しきりに(震:フル)えわななく。

21 章 7 節 なにゆえ(悪:ア)しき(人:ヒト)が(生:イ)きながらえ、(老齢:ロウレイ)

に(達:タッ)し、かつ(力強:チカラヅヨ)くなるのか。

21 章 8 節 その(子:コ)らは(彼:カレ)らの(前:マエ)に(堅:カタ)く(立:タ)ち、その

(子孫:シソン)もその(目:メ)の(前:マエ)に(堅:カタ)く(立:タ)つ。

21 章 9 節 その(家:イエ)は(安:ヤス)らかで、(恐:オソ)れがなく、(神:カミ)のつ

えは(彼:カレ)らの(上:ウエ)に(臨:ノゾ)むことがない。

21 章 10 節 その(雄牛:オウシ)は(種:タネ)を(与:アタ)えて、(誤:アヤマ)ることな

く、その(雌牛:メウシ)は(子:コ)を(産:ウ)んで、そこなうことがない。

21 章 11 節 (彼:カレ)らはその(小:チイ)さい(者:モノ)どもを(群:ム)れのよう

に(連:ツ)れ(出:ダ)し、その(子:コ)らは(舞:マ)い(踊:オド)る。

21 章 12 節 (彼:カレ)らは(手鼓:シュコ)と(琴:コト)に(合:ア)わせて(歌:ウタ)い、

(笛:フエ)の(音:ネ)によって(楽:タノ)しみ、

21 章 13 節 その(日:ヒ)をさいわいに(過:ス)ごし、(安:ヤス)らかに(陰府:ヨ

ミ)にくだる。

21 章 14 節 (彼:カレ)らは(神:カミ)に(言:イ)う、『われわれを(離:ハナ)れよ、

われわれはあなたの(道:ミチ)を(知:シ)ることを(好:コノ)まない。

21 章 15 節 (全能者:ゼンノウシャ)は(何者:ナニモノ)なので、われわれはこれ

に(仕:ツカ)えねばならないのか。われわれはこれに(祈:イノ)っても、なんの

(益:エキ)があるか』と。

21 章 16 節 (見:ミ)よ、(彼:カレ)らの(繁栄:ハンエイ)は(彼:カレ)らの(手:テ)にあ

るではないか。(悪人:アクニン)の(計:ハカ)りごとは、わたしの(遠:トオ)く(及:オヨ)

ぶ(所:トコロ)でない。

21 章 17 節 (悪人:アクニン)のともしびの(消:ケ)されること、(幾:イク)たびあ

るか。

Page 40: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

その(災:ワザワイ)の(彼:カレ)らの(上:ウエ)に(臨:ノゾ)むこと、(神:カミ)がその(怒:

イカ)りをもって(苦:クル)しみを(与:アタ)えられること、(幾:イク)たびあるか。

21 章 18 節 (彼:カレ)らが(風:カゼ)の(前:マエ)のわらのようになること、あ

らしに(吹:フ)き(去:サ)られるもみがらのようになること、(幾:イク)たびある

か。

21 章 19 節 あなたがたは(言:イ)う、『(神:カミ)は(彼:カレ)らの(罪:ツミ)を(積:

ツ)みたくわえて、その(子:コ)らに(報:ムク)いられるのだ』と。どうかそれ

を(彼:カレ)ら(自身:ジシン)に(報:ムク)いて、(彼:カレ)らにその(罪:ツミ)を(知:シ)ら

せられるように。

21 章 20 節 すなわち(彼:カレ)ら(自身:ジシン)の(目:メ)にその(滅:ホロ)びを

(見:ミ)させ、(全能者:ゼンノウシャ)の(怒:イカ)りを(彼:カレ)らに(飲:ノ)ませられる

ように。

21 章 21 節 その(月:ツキ)の(数:カズ)のつきるとき、(彼:カレ)らはその(後:

ゴ)の(家:イエ)になんのかかわる(所:トコロ)があろうか。

21 章 22 節 (神:カミ)は(天:テン)にある(者:モノ)たちをさえ、さばかれるの

に、だれが(神:カミ)に(知識:チシキ)を(教:オシ)えることができようか。

21 章 23 節 ある(者:モノ)は(繁栄:ハンエイ)をきわめ、(全:マッタ)く(安:ヤス)らか

に、かつおだやかに(死:シ)に、

21 章 24 節 そのからだには(脂肪:シボウ)が(満:ミ)ち、その(骨:ホネ)の(髄:

ズイ)は(潤:ウルオ)っている。

21 章 25 節 ある(者:モノ)は(心:ココロ)を(苦:クル)しめて(死:シ)に、なんの(幸:

サチ)をも(味:アジ)わうことがない。

21 章 26 節 (彼:カレ)らはひとしくちりに(伏:フ)し、うじにおおわれる。

21 章 27 節 (見:ミ)よ、わたしはあなたがたの(思:オモ)いを(知:シ)り、わ

たしを(害:ガイ)しようとするたくらみを(知:シ)る。

21 章 28 節 あなたがたは(言:イ)う、『(王侯:オウコウ)の(家:イエ)はどこにあ

るか、(悪人:アクニン)の(住:ス)む(天幕:テンマク)はどこにあるか』と。

21 章 29 節 あなたがたは(道:ミチ)(行:イ)く(人々:ヒトビト)に(問:ト)わなか

ったか、(彼:カレ)らの(証言:ショウゲン)を(受:ウ)け(入:イ)れないのか。

Page 41: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

21 章 30 節 すなわち、(災:ワザワイ)の(日:ヒ)に(悪人:アクニン)は(免:マヌガ)れ、

(激:ハゲ)しい(怒:イカ)りの(日:ヒ)に(彼:カレ)は(救:スク)い(出:ダ)される。

21 章 31 節 だれが(彼:カレ)に(向:ム)かって、その(道:ミチ)を(告:ツ)げ(知:シ)

らせる(者:モノ)があるか、だれが(彼:カレ)のした(事:コト)を(彼:カレ)に(報:ムク)い

る(者:モノ)があるか。

21 章 32 節 (彼:カレ)はかかれて(墓:ハカ)に(行:イ)き、(塚:ツカ)の(上:ウエ)で(見

張:ミハ)りされ、

21 章 33 節 (谷:タニ)の(土:ツチ)くれも(彼:カレ)には(快:ココロヨ)く、すべての

(人:ヒト)はそのあとに(従:シタガ)う。(彼:カレ)の(前:マエ)に(行:イ)った(者:モノ)も

(数:カゾ)えきれない。

21 章 34 節 それで、あなたがたはどうしてむなしい(事:コト)をもって、

わたしを(慰:ナグサ)めようとするのか。あなたがたの(答:コタエ)は(偽:イツワ)

り(以外:イガイ)の(何:ナニ)ものでもない」。

(第:ダイ)二二(章:ショウ)

22 章 1 節 そこでテマンびとエリパズは(答:コタ)えて(言:イ)った、

22 章 2 節 「(人:ヒト)は(神:カミ)を(益:エキ)することができるであろうか。

(賢:カシコ)い(人:ヒト)も、ただ(自身:ジシン)を(益:エキ)するのみである。

22 章 3 節 あなたが(正:タダ)しくても、(全能者:ゼンノウシャ)になんの(喜:

ヨロコ)びがあろう。あなたが(自分:ジブン)の(道:ミチ)を(全:マット)うしても、(彼:

カレ)になんの(利益:リエキ)があろう。

22 章 4 節 (神:カミ)はあなたが(神:カミ)を(恐:オソ)れることのゆえに、あな

たを(責:セ)め、あなたをさばかれるであろうか。

22 章 5 節 あなたの(悪:アク)は(大:オオ)きいではないか。あなたの(罪:ツミ)

は、はてしがない。

22 章 6 節 あなたはゆえなく(兄弟:キョウダイ)のものを(質:シツ)にとり、

(裸:ハダカ)な(者:モノ)の(着物:キモノ)をはぎ(取:ト)り、

22 章 7 節 (疲:ツカ)れた(者:モノ)に(水:ミズ)を(飲:ノ)ませず、(飢:ウ)えた(者:

モノ)に(食物:ショクモツ)を(与:アタ)えなかった。

22 章 8 節 (力:チカラ)ある(人:ヒト)は(土地:トチ)を(得:トク)、(名:メイ)ある(人:ヒト)

はそのうちに(住:ス)んだ。

Page 42: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

22 章 9 節 あなたは、やもめをむなしく(去:サ)らせた。みなしごの(腕:

ウデ)は(折:オ)られた。

22 章 10 節 それゆえ、わなはあなたをめぐり、(恐怖:キョウフ)は、にわ

かにあなたを(驚:オドロ)かす。

22 章 11 節 あなたの(光:ヒカリ)は(暗:クラ)くされ、あなたは(見:ミ)ること

ができない。(大水:オオミズ)はあなたをおおうであろう。

22 章 12 節 (神:カミ)は(天:テン)に(高:タカ)くおられるではないか。(見:ミ)

よ、いと(高:タカ)き(星:ホシ)を。いかに(高:タカ)いことよ。

22 章 13 節 それであなたは(言:イ)う、『(神:カミ)は(何:ナニ)を(知:シ)ってお

られるか。(彼:カレ)は(黒雲:コクウン)を(通:トオ)して、さばくことができるのか。

22 章 14 節 (濃:コ)い(雲:クモ)が(彼:カレ)をおおい(隠:カク)すと、(彼:カレ)は

(見:ミ)ることができない。(彼:カレ)は(天:テン)の(大空:オオゾラ)を(歩:アユ)まれる

のだ』と。

22 章 15 節 あなたは(悪:ア)しき(人々:ヒトビト)が(踏:フ)んだいにしえの

(道:ミチ)を(守:マモ)ろうとするのか。

22 章 16 節 (彼:カレ)らは(時:トキ)がこないうちに(取:ト)り(去:サ)られ、そ

の(基:モト)は(川:カワ)のように(押:オ)し(流:ナガ)された。

22 章 17 節 (彼:カレ)らは(神:カミ)に(言:イ)った、『われわれを(離:ハナ)れて

ください』と、また『(全能者:ゼンノウシャ)はわれわれに(何:ナニ)をなしえよ

うか』と。

22 章 18 節 しかし(神:カミ)は(彼:カレ)らの(家:イエ)を(良:ヨ)い(物:モノ)で(満:

ミ)たされた。ただし(悪人:アクニン)の(計:ハカ)りごとはわたしのくみする(所:

トコロ)ではない。

22 章 19 節 (正:タダ)しい(者:モノ)はこれを(見:ミ)て(喜:ヨロコ)び、(罪:ツミ)

なき(者:モノ)は(彼:カレ)らをあざ(笑:ワラ)って(言:イ)う、

22 章 20 節 『まことにわれわれのあだは(滅:ホロ)ぼされ、その(残:ノコ)

した(物:モノ)は(火:ヒ)で(焼:ヤ)き(滅:ホロ)ぼされた』と。

22 章 21 節 あなたは(神:カミ)と(和:ヤワ)らいで、(平安:ヘイアン)を(得:エ)るが

よい。そうすれば(幸福:コウフク)があなたに(来:ク)るでしょう。

Page 43: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

22 章 22 節 どうか、(彼:カレ)の(口:クチ)から(教:オシエ)を(受:ウ)け、その(言

葉:コトバ)をあなたの(心:ココロ)におさめるように。

22 章 23 節 あなたがもし(全能者:ゼンノウシャ)に(立:タ)ち(返:カエ)って、お

のれを(低:ヒク)くし、あなたの(天幕:テンマク)から(不義:フギ)を(除:ノゾ)き(去:

サ)り、

22 章 24 節 こがねをちりの(中:ナカ)に(置:オ)き、オフルのこがねを(谷

川:タニガワ)の(石:イシ)の(中:ナカ)に(置:オ)き、

22 章 25 節 (全能者:ゼンノウシャ)があなたのこがねとなり、あなたの(貴

重:キチョウ)なしろがねとなるならば、

22 章 26 節 その(時:トキ)、あなたは(全能者:ゼンノウシャ)を(喜:ヨロコ)び、(神:

カミ)に(向:ム)かって(顔:カオ)をあげることができる。

22 章 27 節 あなたが(彼:カレ)に(祈:イノ)るならば、(彼:カレ)はあなたに(聞:

キ)かれる。そしてあなたは(自分:ジブン)の(誓:チカ)いを(果:ハタ)す。

22 章 28 節 あなたが(事:コト)をなそうと(定:サダ)めるならば、あなた

はその(事:コト)を(成就:ジョウジュ)し、あなたの(道:ミチ)には(光:ヒカリ)が(輝:カガ

ヤ)く。

22 章 29 節 (彼:カレ)は(高:タカ)ぶる(者:モノ)を(低:ヒク)くされるが、へりく

だる(者:モノ)を(救:スク)われるからだ。

22 章 30 節 (彼:カレ)は(罪:ツミ)のない(者:モノ)を(救:スク)われる。あなたは

その(手:テ)の(潔:イサギヨ)いことによって、(救:スク)われるであろう」。

(第:ダイ)二三(章:ショウ)

23 章 1 節 そこでヨブは(答:コタ)えて(言:イ)った、

23 章 2 節 「きょうもまた、わたしのつぶやきは(激:ハゲ)しく、(彼:カ

レ)の(手:テ)はわたしの(嘆:ナゲ)きにかかわらず、(重:オモ)い。

23 章 3 節 どうか、(彼:カレ)を(尋:タズ)ねてどこで(会:ア)えるかを(知:シ)

り、そのみ(座:ザ)に(至:イタ)ることができるように。

23 章 4 節 わたしは(彼:カレ)の(前:マエ)にわたしの(訴:ウッタ)えをならべ、

(口:クチ)をきわめて(論議:ロンギ)するであろう。

23 章 5 節 わたしは、わたしに(答:コタ)えられるみ(言葉:コトバ)を(知:シ)

り、わたしに(言:イ)われる(所:トコロ)を(悟:サト)ろう。

Page 44: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

23 章 6 節 (彼:カレ)は(大:オオ)いなる(力:チカラ)をもって、わたしと(争:アラソ)

われるであろうか、いな、かえってわたしを(顧:カエリ)みられるであろう。

23 章 7 節 かしこでは(正:タダ)しい(人:ヒト)は(彼:カレ)と(言:イ)い(争:アラソ)

うことができる。そうすれば、わたしはわたしをさばく(者:モノ)から(永

久:エイキュウ)に(救:スク)われるであろう。

23 章 8 節 (見:ミ)よ、わたしが(進:スス)んでも、(彼:カレ)を(見:ミ)ない。(退:

シリゾ)いても、(彼:カレ)を(認:ミト)めることができない。

23 章 9 節 (左:ヒダリ)の(方:ホウ)に(尋:タズ)ねても、(会:ア)うことができな

い。(右:ミギ)の(方:ホウ)に(向:ム)かっても、(見:ミ)ることができない。

23 章 10 節 しかし(彼:カレ)はわたしの(歩:アユ)む(道:ミチ)を(知:シ)ってお

られる。(彼:カレ)がわたしを(試:ココロ)みられるとき、わたしは(金:キン)のよ

うに(出:デ)て(来:ク)るであろう。

23 章 11 節 わたしの(足:アシ)は(彼:カレ)の(歩:アユ)みに(堅:カタ)く(従:シタガ)

った。わたしは(彼:カレ)の(道:ミチ)を(守:マモ)って(離:ハナ)れなかった。

23 章 12 節 わたしは(彼:カレ)のくちびるの(命令:メイレイ)にそむかず、そ

の(口:クチ)の(言葉:コトバ)をわたしの(胸:ムネ)にたくわえた。

23 章 13 節 しかし(彼:カレ)は(変:カワ)ることはない。だれが(彼:カレ)をひ

るがえすことができようか。(彼:カレ)はその(心:ココロ)の(欲:ホッ)するところ

を(行:オコナ)われるのだ。

23 章 14 節 (彼:カレ)はわたしのために(定:サダ)めた(事:コト)をなし(遂:ト)

げられる。そしてこのような(事:コト)が(多:オオ)く(彼:カレ)の(心:ココロ)にある。

23 章 15 節 それゆえ、わたしは(彼:カレ)の(前:マエ)におののく。わたし

は(考:カンガ)えるとき、(彼:カレ)を(恐:オソ)れる。

23 章 16 節 (神:カミ)はわたしの(心:ココロ)を(弱:ヨワ)くされた。(全能者:ゼ

ンノウシャ)はわたしを(恐:オソ)れさせられた。

23 章 17 節 わたしは、やみによって(閉:ト)じこめられ、(暗黒:アンコク)

がわたしの(顔:カオ)をおおっている。

(第:ダイ)二四(章:ショウ)

24 章 1 節 なにゆえ、(全能者:ゼンノウシャ)はさばきの(時:トキ)を(定:サダ)

めておかれないのか。なにゆえ、(彼:カレ)を(知:シ)る(者:モノ)がその(日:ヒ)

を(見:ミ)ないのか。

Page 45: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

24 章 2 節 (世:ヨ)には(地境:ジザカイ)を(移:ウツ)す(者:モノ)、(群:ム)れを(奪:

ウバ)ってそれを(飼:カ)う(者:モノ)、

24 章 3 節 みなしごのろばを(追:オ)いやる(者:モノ)、やもめの(牛:ウシ)を

(質:シツ)に(取:ト)る(者:モノ)、

24 章 4 節 (貧:マズ)しい(者:モノ)を(道:ミチ)から(押:オ)しのける(者:モノ)があ

る。(世:ヨ)の(弱:ヨワ)い(者:モノ)は(皆:ミナ)(彼:カレ)らをさけて(身:ミ)をかくす。

24 章 5 節 (見:ミ)よ、(彼:カレ)らは(荒野:アラノ)におる(野:ノ)ろばのように

(出:デ)て(働:ハタラ)き、(野:ノ)で(獲物:エモノ)を(求:モト)めて、その(子:コ)らの(食

物:ショクモツ)とする。

24 章 6 節 (彼:カレ)らは(畑:ハタ)でそのまぐさを(刈:カ)り、また(悪人:アクニ

ン)のぶどう(畑:バタケ)で(拾:ヒロ)い(集:アツ)める。

24 章 7 節 (彼:カレ)らは(着:キ)る(物:モノ)がなく、(裸:ハダカ)で(夜:ヨル)を(過:

ス)ごし、(寒:サム)さに(身:ミ)をおおうべき(物:モノ)もない。

24 章 8 節 (彼:カレ)らは(山:ヤマ)の(雨:アメ)にぬれ、しのぎ(場:ジョウ)もなく

(岩:イワ)にすがる。

24 章 9 節 (みなしごをその(母:ハハ)のふところから(奪:ウバ)い、(貧:マ

ズ)しい(者:モノ)の(幼:ヨウ)な(子:コ)を(質:シツ)にとる(者:モノ)がある。)

24 章 10 節 (彼:カレ)らは(着:キ)る(物:モノ)がなく、(裸:ハダカ)で(歩:アル)き、

(飢:ウ)えつつ(麦束:ムギタバ)を(運:ハコ)び、

24 章 11 節 (悪人:アクニン)のオリブ(並:ナ)み(木:キ)の(中:ナカ)で(油:アブラ)を

しぼり、(酒:サケ)ぶねを(踏:フ)んでも、かわきを(覚:オボ)える。

24 章 12 節 (町:マチ)の(中:ナカ)から(死:シ)のうめきが(起:オコ)り、(傷:キズ)

ついた(者:モノ)の(魂:タマシイ)が(助:タス)けを(呼:ヨ)び(求:モト)める。しかし(神:カ

ミ)は(彼:カレ)らの(祈:イノ)を(顧:カエリ)みられない。

24 章 13 節 (光:ヒカリ)にそむく(者:モノ)たちがある。(彼:カレ)らは(光:ヒカリ)

の(道:ミチ)を(知:シ)らず、(光:ヒカリ)の(道:ミチ)にとどまらない。

24章14節 (人:ヒト)を(殺:コロ)す(者:モノ)は(暗:クラ)いうちに(起:オ)き(出:デ)

て(弱:ヨワ)い(者:モノ)と(貧:マズ)しい(者:モノ)を(殺:コロ)し、(夜:ヨル)は(盗:ヌスミ)び

ととなる。

Page 46: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

24 章 15 節 (姦淫:カンイン)する(者:モノ)の(目:メ)はたそがれを(待:マ)って、

『だれもわたしを(見:ミ)ていないだろう』と(言:イ)い、(顔:カオ)におおう(物:

モノ)を(当:ア)てる。

24 章 16 節 (彼:カレ)らは(暗:クラ)やみで(家:イエ)をうがち、(昼:ヒル)は(閉:ト)

じこもって(光:ヒカリ)を(知:シ)らない。

24 章 17 節 (彼:カレ)らには(暗黒:アンコク)は(朝:アサ)である。(彼:カレ)らは(暗

黒:アンコク)の(恐:オソ)れを(友:トモ)とするからだ。

24 章 18 節 あなたがたは(言:イ)う、『(彼:カレ)らは(水:ミズ)のおもてにす

みやかに(流:ナガ)れ(去:サ)り、その(受:ウ)ける(分:ブン)は(地:チ)でのろわれ、

(酒:サケ)ぶねを(踏:フ)む(者:モノ)はだれも(彼:カレ)らのぶどう(畑:バタケ)の(道:ミ

チ)に(行:イ)かない。

24章19節 ひでりと(熱:アツ)さは(雪水:ユキミズ)を(奪:ウバ)い(去:サ)る、(陰

府:ヨミ)が(罪:ツミ)を(犯:オカ)した(者:モノ)に(対:タイ)するも、これと(同様:ドウヨウ)

だ。

24 章 20 節 (町:マチ)の(広場:ヒロバ)は(彼:カレ)らを(忘:ワス)れ、(彼:カレ)らの

(名:ナ)は(覚:オボ)えられることなく、(不義:フギ)は(木:キ)の(折:オ)られるよ

うに(折:オ)られる』と。

24 章 21 節 (彼:カレ)らは(子:コ)を(産:ウ)まぬうまずめをくらい、やもめ

をあわれむことをしない。

24 章 22 節 しかし(神:カミ)はその(力:チカラ)をもって、(強:ツヨ)い(人々:ヒト

ビト)を(生:イ)きながらえさせられる。(彼:カレ)らは(生:イ)きる(望:ノゾ)みの

ない(時:トキ)にも(起:オ)きあがる。

24 章 23 節 (神:カミ)が(彼:カレ)らに(安全:アンゼン)を(与:アタ)えられるので、

(彼:カレ)らは(安:ヤス)らかである。(神:カミ)の(目:メ)は(彼:カレ)らの(道:ミチ)の(上:

ウエ)にある。

24 章 24 節 (彼:カレ)らはしばし(高:タカ)められて、いなくなり、ぜにあ

おいのように(枯:カ)れて(消:キ)えうせ、(麦:ムギ)の(穂:ホ)(先:サキ)のように

(切:キ)り(取:ト)られる。

Page 47: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

24 章 25 節 もし、そうでないなら、だれがわたしにその(偽:イツワ)り

を(証明:ショウメイ)し、わが(言葉:コトバ)のむなしいことを(示:シメ)しうるだろ

うか」。

(第:ダイ)二五(章:ショウ)

25 章 1 節 そこでシュヒびとビルダデは(答:コタ)えて(言:イ)った、

25 章 2 節 「(大権:タイケン)と(恐:オソ)れとは(神:カミ)と(共:トモ)にある。(彼:

カレ)は(高:タカ)き(所:トコロ)で(平和:ヘイワ)を(施:ホドコ)される。

25 章 3 節 その(軍勢:グンゼイ)は(数:カゾ)えることができるか。(何物:ナ

ニモノ)かその(光:ヒカリ)に(浴:ヨク)さないものがあるか。

25 章 4 節 それで(人:ヒト)はどうして(神:カミ)の(前:マエ)に(正:タダ)しくあ

りえようか。(女:オンナ)から(生:ウマ)れた(者:モノ)がどうして(清:キヨ)くありえ

ようか。

25 章 5 節 (見:ミ)よ、(月:ツキ)さえも(輝:カガヤ)かず、(星:ホシ)も(彼:カレ)の(目:

メ)には(清:キヨ)くない。

25 章 6 節 うじのような(人:ヒト)、(虫:ムシ)のような(人:ヒト)の(子:コ)はな

おさらである」。

(第:ダイ)二六(章:ショウ)

26 章 1 節 そこでヨブは(答:コタ)えて(言:イ)った、

26 章 2 節 「あなたは(力:チカラ)のない(者:モノ)をどれほど(助:タス)けたか

しれない。(気力:キリョク)のない(腕:ウデ)をどれほど(救:スク)ったかしれない。

26 章 3 節 (知恵:チエ)のない(者:モノ)をどれほど(教:オシ)えたかしれない。

(悟:サト)りをどれほど(多:オオ)く(示:シメ)したかしれない。

26章4節 あなたはだれの(助:タス)けによって(言葉:コトバ)をだしたのか。

あなたから(出:デ)たのはだれの(霊:レイ)なのか。

26 章 5 節 (亡霊:ボウレイ)は(水:ミズ)およびその(中:ナカ)に(住:ス)むものの

(下:シタ)に(震:フル)う。

26 章 6 節 (神:カミ)の(前:マエ)では(陰府:ヨミ)も(裸:ハダカ)である。(滅:ホロ)び

の(穴:アナ)もおおい(隠:カク)すものはない。

26 章 7 節 (彼:カレ)は(北:キタ)の(天:テン)を(空間:クウカン)に(張:ハ)り、(地:チ)を

(何:ナニ)もない(所:トコロ)に(掛:カ)けられる。

Page 48: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

26 章 8 節 (彼:カレ)は(水:ミズ)を(濃:コ)い(雲:クモ)の(中:ナカ)に(包:ツツ)まれる

が、その(下:シタ)の(雲:クモ)は(裂:サ)けない。

26 章 9 節 (彼:カレ)は(月:ツキ)のおもてをおおい(隠:カク)して、(雲:クモ)をそ

の(上:ウエ)にのべ、

26 章 10 節 (水:ミズ)のおもてに(円:エン)を(描:エガ)いて、(光:ヒカリ)とやみ

との(境:サカイ)とされた。

26 章 11 節 (彼:カレ)が(戒:イマシ)めると、(天:テン)の(柱:ハシラ)は(震:フル)い、

かつ(驚:オドロ)く。

26 章 12 節 (彼:カレ)はその(力:チカラ)をもって(海:ウミ)を(静:シズ)め、その

(知恵:チエ)をもってラハブを(打:ウ)ち(砕:クダ)き、

26 章 13 節 その(息:イキ)をもって(天:テン)を(晴:ハ)れわたらせ、その(手:

テ)をもって(逃:ニ)げるへびを(突:ツ)き(通:トオ)される。

26 章 14 節 (見:ミ)よ、これらはただ(彼:カレ)の(道:ミチ)の(端:ハシ)にすぎな

い。われわれが(彼:カレ)について(聞:キ)く(所:トコロ)はいかにかすかなささや

きであろう。しかし、その(力:チカラ)のとどろきに(至:イタ)っては、だれが(悟:

サト)ることができるか」。

(第:ダイ)二七(章:ショウ)

27 章 1 節 ヨブはまた(言葉:コトバ)をついで(言:イ)った、

27 章 2 節 「(神:カミ)は(生:イ)きておられる。(彼:カレ)はわたしの(義:ギ)

を(奪:ウバ)い(去:サ)られた。(全能者:ゼンノウシャ)はわたしの(魂:タマシイ)を(悩:ナ

ヤ)まされた。

27 章 3 節 わたしの(息:イキ)がわたしのうちにあり、(神:カミ)の(息:イキ)

がわたしの(鼻:ハナ)にある(間:アイダ)、

27 章 4 節 わたしのくちびるは(不義:フギ)を(言:イ)わない、わたしの

(舌:シタ)は(偽:イツワ)りを(語:カタ)らない。

27 章 5 節 わたしは(断:ダン)じて、あなたがたを(正:タダ)しいとは(認:

ミト)めない。わたしは(死:シ)ぬまで、(潔白:ケッパク)を(主張:シュチョウ)してやめ

ない。

27 章 6 節 わたしは(堅:カタ)くわが(義:ギ)を(保:タモ)って(捨:ス)てない。

わたしは(今:イマ)まで一(日:ニチ)も(心:ココロ)に(責:セ)められた(事:コト)がない。

Page 49: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

27 章 7 節 どうか、わたしの(敵:テキ)は(悪人:アクニン)のようになり、わた

しに(逆:サカ)らう(者:モノ)は(不義:フギ)なる(者:モノ)のようになるように。

27 章 8 節 (神:カミ)が(彼:カレ)を(断:タ)ち、その(魂:タマシイ)を(抜:ヌ)きとられ

るとき、(神:カミ)を(信:シン)じない(者:モノ)になんの(望:ノゾ)みがあろう。

27 章 9 節 (災:ワザワイ)が(彼:カレ)に(臨:ノゾ)むとき、(神:カミ)はその(叫:サケ)

びを(聞:キ)かれるであろうか。

27 章 10 節 (彼:カレ)は(全能者:ゼンノウシャ)を(喜:ヨロコ)ぶであろうか、(常:ツ

ネ)に(神:カミ)を(呼:ヨ)ぶであろうか。

27 章 11 節 わたしは(神:カミ)のみ(手:テ)についてあなたがたに(教:オシ)

え、(全能者:ゼンノウシャ)と(共:トモ)にあるものを(隠:カク)すことをしない。

27 章 12 節 (見:ミ)よ、あなたがたは(皆:ミナ)みずからこれを(見:ミ)た、

それなのに、どうしてむなしい(者:モノ)となったのか。

27 章 13 節 これは(悪人:アクニン)の(神:カミ)から(受:ウ)ける(分:ブン)、(圧制:

アッセイ)(者:シャ)の(全能者:ゼンノウシャ)から(受:ウ)ける(嗣業:シギョウ)である。

27 章 14 節 その(子:コ)らがふえればつるぎに(渡:ワタ)され、その(子孫:

シソン)は(食物:ショクモツ)に(飽:ア)きることがない。

27 章 15 節 その(生:イ)き(残:ノコ)った(者:モノ)は(疫病:エキビョウ)で(死:シ)ん

で(埋:ウ)められ、そのやもめらは(泣:ナ)き(悲:カナ)しむことをしない。

27 章 16 節 たとい(彼:カレ)は(銀:ギン)をちりのように(積:ツ)み、(衣服:イ

フク)を(土:ツチ)のように(備:ソナ)えても、

27 章 17 節 その(備:ソナ)えるものは(正:タダ)しい(人:ヒト)がこれを(着:キ)、

その(銀:ギン)は(罪:ツミ)なき(者:モノ)が(分:ワ)かち(取:ト)るであろう。

27 章 18 節 (彼:カレ)の(建:タ)てる(家:イエ)は、くもの(巣:ス)のようであり、

(番人:バンニン)の(造:ツク)る(小屋:コヤ)のようである。

27 章 19 節 (彼:カレ)は(富:ト)める(身:ミ)で(寝:ネ)ても、(再:フタタ)び(富:ト)

むことがなく、(目:メ)を(開:ア)けばその(富:トミ)はない。

Page 50: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

27 章 20 節 (恐:オソ)ろしい(事:コト)が(大水:オオミズ)のように(彼:カレ)を(襲:

オソ)い、(夜:ヨル)はつむじ(風:カゼ)が(彼:カレ)を(奪:ウバ)い(去:サ)る。

27 章 21 節 (東風:ヒガシカゼ)が(彼:カレ)を(揚:ア)げると、(彼:カレ)は(去:サ)

り、(彼:カレ)をその(所:トコロ)から(吹:フ)き(払:ハラ)う。

27 章 22 節 それは(彼:カレ)を(投:ナ)げつけて、あわれむことなく、(彼:

カレ)はその(力:チカラ)からのがれようと、もがく。

27 章 23 節 それは(彼:カレ)に(向:ム)かって(手:テ)を(鳴:ナ)らし、あざけり

(笑:ワラ)って、その(所:トコロ)から(出:デ)て(行:ユ)かせる。

(第:ダイ)二八(章:ショウ)

28 章 1 節 しろがねには(掘:ホ)り(出:ダ)す(穴:アナ)があり、(精錬:セイレン)

するこがねには(出:デ)どころがある。

28 章 2 節 くろがねは(土:ツチ)から(取:ト)り、あかがねは(石:イシ)から(溶:

ト)かして(取:ト)る。

28 章 3 節 (人:ヒト)は(暗:クラ)やみを(破:ヤブ)り、いやはてまでも(尋:タズ)

ねきわめて、(暗:クラ)やみおよび(暗黒:アンコク)の(中:ナカ)から(鉱石:コウセキ)を

(取:ト)る。

28 章 4 節 (彼:カレ)らは(人:ヒト)の(住:ス)む(所:トコロ)を(離:ハナ)れて(縦穴:タテア

ナ)をうがち、(道:ミチ)(行:イ)く(人:ヒト)に(忘:ワス)れられ、(人:ヒト)を(離:ハナ)れて

(身:ミ)をつりさげ、(揺:ユ)れ(動:ウゴ)く。

28 章5節 (地:チ)はそこから(食物:ショクモツ)を(出:ダ)す。その(下:シタ)は(火:

ヒ)でくつがえされるようにくつがえる。

28 章 6 節 その(石:イシ)はサファイヤのある(所:トコロ)、そこにはまた(金

塊:キンカイ)がある。

28 章 7 節 その(道:ミチ)は(猛禽:モウキン)も(知:シ)らず、たかの(目:メ)もこれ

を(見:ミ)ず、

28 章 8 節 (猛獣:モウジュウ)もこれを(踏:フ)まず、ししもこれを(通:トオ)ら

なかった。

28 章 9 節 (人:ヒト)は(堅:カタ)い(岩:イワ)に(手:テ)をくだして、(山:ヤマ)を(根

元:ネモト)からくつがえす。

28 章 10 節 (彼:カレ)は(岩:イワ)に(坑道:コウドウ)を(掘:ホ)り、その(目:メ)はも

ろもろの(尊:トウト)い(物:モノ)を(見:ミ)る。

Page 51: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

28 章 11 節 (彼:カレ)は(水路:スイロ)をふさいで、(漏:モ)れないようにし、

(隠:カク)れた(物:モノ)を(光:ヒカリ)に(取:ト)り(出:ダ)す。

28 章 12 節 しかし(知恵:チエ)はどこに(見:ミ)いだされるか。(悟:サト)りの

ある(所:トコロ)はどこか。

28 章 13 節 (人:ヒト)はそこに(至:イタ)る(道:ミチ)を(知:シ)らない、また(生:

イ)ける(者:モノ)の(地:チ)でそれを(獲:エ)ることができない。

28 章 14 節 (淵:フチ)は(言:イ)う、『それはわたしのうちにない』と。ま

た(海:ウミ)は(言:イ)う、『わたしのもとにない』と。

28 章 15 節 (精:セイ)(金:キン)もこれと(換:カ)えることはできない。(銀:ギ

ン)も(量:ハカ)ってその(価:アタイ)とすることはできない。

28 章 16 節 オフルの(金:キン)をもってしても、その(価:アタイ)を(量:ハカ)

ることはできない。(尊:トウト)い(縞:シマ)めのうも、サファイヤも(同様:ドウ

ヨウ)である。

28 章 17 節 こがねも、(玻璃:ハリ)もこれに(並:ナラ)ぶことができない。

また(精:セイ)(金:キン)の(器物:キブツ)もこれと(換:カ)えることができない。

28 章 18 節 さんごも(水晶:スイショウ)も(言:イ)うに(足:タ)りない。(知恵:チエ)

を(得:エ)るのは(真珠:シンジュ)を(得:エ)るのにまさる。

28 章 19 節 エチオピヤのトパズもこれに(並:ナラ)ぶことができない。

(純金:ジュンキン)をもってしても、その(価:アタイ)を(量:ハカ)ることはできない。

28 章 20 節 それでは(知恵:チエ)はどこから(来:ク)るか。(悟:サト)りのある

(所:トコロ)はどこか。

28 章 21 節 これはすべての(生:イ)き(物:モノ)の(目:メ)に(隠:カク)され、(空:

ソラ)の(鳥:トリ)にも(隠:カク)されている。

28 章 22 節 (滅:ホロ)びも(死:シ)も(言:イ)う、『われわれはそのうわさを

(耳:ミミ)に(聞:キ)いただけだ』。

28 章 23 節 (神:カミ)はこれに(至:イタ)る(道:ミチ)を(悟:サト)っておられる、

(彼:カレ)はそのある(所:トコロ)を(知:シ)っておられる。

28 章 24 節 (彼:カレ)は(地:チ)の(果:ハテ)までもみそなわし、(天:テン)が(下:

シタ)を(見:ミ)きわめられるからだ。

28 章 25 節 (彼:カレ)が(風:カゼ)に(重:オモ)さを(与:アタ)え、(水:ミズ)をます

で(量:ハカ)られたとき、

28 章 26 節 (彼:カレ)が(雨:アメ)のために(規定:キテイ)を(設:モウ)け、(雷:カミナリ)

のひらめきのために(道:ミチ)を(設:モウ)けられたとき、

Page 52: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

28 章 27 節 (彼:カレ)は(知恵:チエ)を(見:ミ)て、これをあらわし、これを(確:

タシ)かめ、これをきわめられた。

28 章 28 節 そして(人:ヒト)に(言:イ)われた、『(見:ミ)よ、(主:シュ)を(恐:オソ)

れることは(知恵:チエ)である、(悪:アク)を(離:ハナ)れることは(悟:サト)りであ

る』と」。

(第:ダイ)二九(章:ショウ)

29 章 1 節 ヨブはまた(言葉:コトバ)をついで(言:イ)った、

29章2節 「ああ(過:ス)ぎた(年月:ネンゲツ)のようであったらよいのだが、

(神:カミ)がわたしを(守:マモ)ってくださった(日:ヒ)のようであったらよいの

だが。

29 章 3 節 あの(時:トキ)には、(彼:カレ)のともしびがわたしの(頭:アタマ)の

(上:ウエ)に(輝:カガヤ)き、(彼:カレ)の(光:ヒカリ)によってわたしは(暗:クラ)やみを

(歩:アユ)んだ。

29章4節 わたしの(盛:サカ)んな(時:トキ)のようであったならよいのだが。

あの(時:トキ)には、(神:カミ)の(親:シタ)しみがわたしの(天幕:テンマク)の(上:ウエ)に

あった。

29 章 5 節 あの(時:トキ)には、(全能者:ゼンノウシャ)がなおわたしと(共:トモ)

にいまし、わたしの(子供:コドモ)たちもわたしの(周囲:シュウイ)にいた。

29 章 6 節 あの(時:トキ)、わたしの(足跡:アシアト)は(乳:チチ)で(洗:アラ)われ、

(岩:イワ)もわたしのために(油:アブラ)の(流:ナガ)れを(注:ソソ)ぎだした。

29 章 7 節 あの(時:トキ)には、わたしは(町:マチ)の(門:モン)に(出:デ)て(行:

イ)き、わたしの(座:ザ)を(広場:ヒロバ)に(設:モウ)けた。

29 章8節 (若:ワカ)い(者:モノ)はわたしを(見:ミ)てしりぞき、(老:オ)いた(者:

モノ)は(身:ミ)をおこして(立:タ)ち、

29 章 9 節 (君:キミ)たる(者:モノ)も(物:モノ)(言:イ)うことをやめて、その(口:

クチ)に(手:テ)を(当:ア)て、

29 章 10 節 (尊:トウト)い(者:モノ)も(声:コエ)をおさめて、その(舌:シタ)を(上:

ウワ)あごにつけた。

29 章 11 節 (耳:ミミ)に(聞:キ)いた(者:モノ)はわたしを(祝福:シュクフク)された

(者:モノ)となし、(目:メ)に(見:ミ)た(者:モノ)はこれをあかしした。

Page 53: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

29章12節 これは(助:タス)けを(求:モト)める(貧:マズ)しい(者:モノ)を(救:スク)

い、また、みなしごおよび(助:タス)ける(人:ヒト)のない(者:モノ)を(救:スク)った

からである。

29 章 13 節 (今:イマ)にも(滅:ホロ)びようとした(者:モノ)の(祝福:シュクフク)が

わたしに(来:キ)た。わたしはまたやもめの(心:ココロ)をして(喜:ヨロコ)び(歌:ウ

タ)わせた。

29 章 14 節 わたしは(正義:セイギ)を(着:キ)、(正義:セイギ)はわたしをおお

った。わたしの(公義:キミヨシ)は(上着:ウワギ)のごとく、また(冠:カンムリ)のよう

であった。

29 章 15 節 わたしは(目:メ)しいの(目:メ)となり、(足:アシ)なえの(足:アシ)

となり、

29 章 16 節 (貧:マズ)しい(者:モノ)の(父:チチ)となり、(知:シ)らない(人:ヒト)

の(訴:ウッタ)えの(理由:リユウ)を(調:シラ)べてやった。

29 章 17 節 わたしはまた(悪:ア)しき(者:モノ)のきばを(折:オ)り、その(歯:

ハ)の(間:アイダ)から(獲物:エモノ)を(引:ヒ)き(出:ダ)した。

29 章 18 節 その(時:トキ)、わたしは(言:イ)った、『わたしは(自分:ジブン)

の(巣:ス)の(中:ナカ)で(死:シ)に、わたしの(日:ヒ)は(砂:スナ)のように(多:オオ)く

なるであろう。

29 章 19 節 わたしの(根:ネ)は(水:ミズ)のほとりにはびこり、(露:ツユ)は

(夜:ヨ)もすがらわたしの(枝:エダ)におくであろう。

29 章 20 節 わたしの(栄:サカ)えはわたしと(共:トモ)に(新:アタラ)しく、わた

しの(弓:ユミ)はわたしの(手:テ)にいつも(強:ツヨ)い』と。

29 章 21 節 (人々:ヒトビト)はわたしに(聞:キ)いて(待:マ)ち、(黙:モク)して、

わたしの(教:オシエ)に(従:シタガ)った。

29 章 22 節 わたしが(言:イ)った(後:ノチ)は(彼:カレ)らは(再:フタタ)び(言:イ)

わなかった。わたしの(言葉:コトバ)は(彼:カレ)らの(上:ウエ)に(雨:アメ)のように

(降:フ)りそそいだ。

29 章 23 節 (彼:カレ)らは(雨:アメ)を(待:マ)つように、わたしを(待:マ)ち(望:

ノゾ)み、(春:ハル)の(雨:アメ)を(仰:アオ)ぐように(口:クチ)を(開:ア)いて(仰:アオ)いだ。

29 章 24 節 (彼:カレ)らが(希望:キボウ)を(失:ウシナ)った(時:トキ)にも、わたし

は(彼:カレ)らにむかってほほえんだ。(彼:カレ)らはわたしの(顔:カオ)の(光:ヒカ

リ)を(除:ノゾ)くことができなかった。

Page 54: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

29 章 25 節 わたしは(彼:カレ)らのために(道:ミチ)を(選:エラ)び、そのかし

らとして(座:イマ)し、(軍:グン)(中:チュウ)の(王:オウ)のようにしており、(嘆:ナゲ)

く(者:モノ)を(慰:ナグサ)める(人:ヒト)のようであった。

(第:ダイ)三〇(章:ショウ)

30 章 1 節 しかし(今:イマ)はわたしよりも(年:トシ)(若:ワカ)い(者:モノ)が、か

えってわたしをあざ(笑:ワラ)う。(彼:カレ)らの(父:チチ)はわたしが(卑:イヤ)しめ

て、(群:ム)れの(犬:イヌ)と(一緒:イッショ)にさえしなかった(者:モノ)だ。

30 章 2 節 (彼:カレ)らの(手:テ)の(力:チカラ)からわたしは(何:ナニ)を(得:エ)る

であろうか、(彼:カレ)らはその(気力:キリョク)がすでに(衰:オトロ)えた(人々:ヒトビ

ト)だ。

30 章 3 節 (彼:カレ)らは(乏:トボ)しさと(激:ハゲ)しい(飢:ウ)えとによって、

かわいた(荒:ア)れ(地:チ)をかむ。

30 章 4 節 (彼:カレ)らは、ぜにあおいおよび(灌木:カンボク)の(葉:ハ)を(摘:

ツ)み、れだまの(根:ネ)をもって(身:ミ)を(暖:アタタ)める。

30 章 5 節 (彼:カレ)らは(人々:ヒトビト)の(中:ナカ)から(追:オ)いだされ、(盗:

ヌスミ)びとを(追:オ)うように、(人々:ヒトビト)は(彼:カレ)らを(追:オ)い(呼:ヨ)ばわ

る。

30 章 6 節 (彼:カレ)らは(急流:キュウリュウ)の(谷間:タニマ)に(住:ス)み、(土:ツチ)の

(穴:アナ)または(岩:イワ)の(穴:アナ)におり、

30 章 7 節 (灌木:カンボク)の(中:ナカ)にいななき、いらくさの(下:シタ)に(押:

オ)し(合:ア)う。

30 章 8 節 (彼:カレ)らは(愚:オロ)かな(者:モノ)の(子:コ)、また(卑:イヤ)しい(者:

モノ)の(子:コ)であって、(国:クニ)から(追:オ)いだされた(者:モノ)だ。

30 章 9 節 それなのに、わたしは(今:イマ)(彼:カレ)らの(歌:ウタ)となり、(彼:

カレ)らの(笑:ワラ)い(草:グサ)となった。

30 章 10 節 (彼:カレ)らはわたしをいとい、(遠:トオ)くわたしをはなれ、

わたしの(顔:カオ)につばきすることも、ためらわない。

30 章 11 節 (神:カミ)がわたしの(綱:ツナ)を(解:ト)いて、わたしを(卑:イヤ)

しめられたので、(彼:カレ)らもわたしの(前:マエ)に(慎:ツツシ)みを(捨:ス)てた。

Page 55: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

30 章 12 節 このともがらはわたしの(右:ミギ)に(立:タ)ち(上:ア)がり、わ

たしを(追:オ)いのけ、わたしにむかって(滅:ホロ)びの(道:ミチ)を(築:キズ)く。

30 章 13 節 (彼:カレ)らはわたしの(道:ミチ)をこわし、わたしの(災:ワザワイ)

を(促:ウナガ)す。これをさし(止:ト)める(者:モノ)はない。

30 章 14 節 (彼:カレ)らは(広:ヒロ)い(破:ヤブ)れ(口:グチ)からはいるように

(進:スス)みきたり、(破壊:ハカイ)の(中:ナカ)をおし(寄:ヨ)せる。

30 章 15 節 (恐:オソ)ろしい(事:コト)はわたしに(臨:ノゾ)み、わたしの(誉:

ホマレ)は(風:カゼ)のように(吹:フ)き(払:ハラ)われ、わたしの(繁栄:ハンエイ)は(雲:

クモ)のように(消:キ)えうせた。

30 章 16 節 (今:イマ)は、わたしの(魂:タマシイ)はわたしの(内:ナイ)にとけて

(流:ナガ)れ、(悩:ナヤ)みの(日:ヒ)はわたしを(捕:トラ)えた。

30 章 17 節 (夜:ヨル)はわたしの(骨:ホネ)を(激:ハゲ)しく(悩:ナヤ)まし、わた

しをかむ(苦:クル)しみは、やむことがない。

30 章 18 節 それは(暴力:ボウリョク)をもって、わたしの(着物:キモノ)を(捕:

トラ)え、はだ(着:ギ)のえりのように、わたしをしめつける。

30章19節 (神:カミ)がわたしを(泥:ドロ)の(中:ナカ)に(投:ナ)げ(入:イ)れられ

たので、わたしはちり(灰:ハイ)のようになった。

30 章 20 節 わたしがあなたにむかって(呼:ヨ)ばわっても、あなたは

(答:コタ)えられない。わたしが(立:タ)っていても、あなたは(顧:カエリ)みられ

ない。

30 章 21 節 あなたは(変:カワ)って、わたしに(無情:ムジョウ)な(者:モノ)とな

り、み(手:テ)の(力:チカラ)をもってわたしを(攻:セ)め(悩:ナヤ)まされる。

30 章 22 節 あなたはわたしを(揚:ア)げて(風:カゼ)の(上:ウエ)に(乗:ノ)せ、

(大風:オオカゼ)のうなり(声:ゴエ)の(中:ナカ)に、もませられる。

30 章 23 節 わたしは(知:シ)っている、あなたはわたしを(死:シ)に(帰:

カエ)らせ、すべての(生:イ)き(物:モノ)の(集:アツ)まる(家:イエ)に(帰:カエ)らせられ

ることを。

30 章 24 節 さりながら(荒塚:アラツカ)の(中:ナカ)にある(者:モノ)は、(手:テ)

を(伸:ノ)べないであろうか、(災:ワザワイ)の(中:ナカ)にある(者:モノ)は(助:タス)け

を(呼:ヨ)び(求:モト)めないであろうか。

Page 56: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

30 章 25 節 わたしは(苦:クル)しい(日:ヒ)を(送:オク)る(者:モノ)のために(泣:

ナ)かなかったか。わたしの(魂:タマシイ)は(貧:マズ)しい(人:ヒト)のために(悲:カ

ナ)しまなかったか。

30 章 26 節 しかしわたしが(幸:サチ)を(望:ノゾ)んだのに(災:ワザワイ)が

(来:キ)た。(光:ヒカリ)を(待:マ)ち(望:ノゾ)んだのにやみが(来:キ)た。

30 章 27 節 わたしのはらわたは(沸:ワ)きかえって、(静:シズ)まらない。

(悩:ナヤ)みの(日:ヒ)がわたしに(近:チカ)づいた。

30 章 28 節 わたしは(日:ヒ)の(光:ヒカリ)によらずに(黒:クロ)くなって(歩:ア

ル)き、(公会:コウカイ)の(中:ナカ)に(立:タ)って(助:タス)けを(呼:ヨ)び(求:モト)める。

30 章 29 節 わたしは(山犬:ヤマイヌ)の(兄弟:キョウダイ)となり、だちょうの

(友:トモ)となった。

30 章 30 節 わたしの(皮膚:ヒフ)は(黒:クロ)くなって、はげ(落:オ)ち、わた

しの(骨:ホネ)は(熱:アツ)さによって(燃:モ)え、

30 章 31 節 わたしの(琴:コト)は(悲:カナ)しみの(音:オト)となり、わたしの

(笛:フエ)は(泣:ナ)く(者:モノ)の(声:コエ)となった。

(第:ダイ)三一(章:ショウ)

31 章 1 節 わたしは、わたしの(目:メ)と(契約:ケイヤク)を(結:ムス)んだ、ど

うして、おとめを(慕:シタ)うことができようか。

31 章 2 節 もしそうすれば(上:ウエ)から(神:カミ)の(下:モト)される(分:ブン)

はどんなであろうか。(高:タカ)き(所:トコロ)から(全能者:ゼンノウシャ)の(与:アタ)

えられる(嗣業:シギョウ)はどんなであろうか。

31 章 3 節 (不義:フギ)なる(者:モノ)には(災:ワザワイ)が(下:クダ)らないであ

ろうか。(悪:アク)をなす(者:モノ)には(災難:サイナン)が(臨:ノゾ)まないであろう

か。

31 章 4 節 (彼:カレ)はわたしの(道:ミチ)をみそなわし、わたしの(歩:アユ)

みをことごとく(数:カゾ)えられぬであろうか。

31 章 5 節 もし、わたしがうそと(共:トモ)に(歩:アユ)み、わたしの(足:アシ)

が(偽:イツワ)りにむかって(急:イソ)いだことがあるなら、

31 章 6 節 ((正:タダ)しいはかりをもってわたしを(量:ハカ)れ、そうす

れば(神:カミ)はわたしの(潔白:ケッパク)を(知:シ)られるであろう。)

Page 57: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

31 章 7 節 もしわたしの(歩:アユ)みが、(道:ミチ)をはなれ、わたしの(心:

ココロ)がわたしの(目:メ)にしたがって(歩:アユ)み、わたしの(手:テ)に(汚:ヨゴ)

れがついていたなら、

31 章 8 節 わたしのまいたのを(他:ホカ)の(人:ヒト)が(食:タ)べ、わたしの

ために(成長:セイチョウ)するものが、(抜:ヌ)き(取:ト)られてもかまわない。

31 章 9 節 もし、わたしの(心:ココロ)が、(女:オンナ)に(迷:マヨ)ったことがあ

るか、またわたしが(隣:トナ)り(人:ジン)の(門:モン)で(待:マ)ち(伏:ブ)せしたこ

とがあるなら、

31 章 10 節 わたしの(妻:ツマ)が(他:ホカ)の(人:ヒト)のためにうすをひき、

(他:ホカ)の(人:ヒト)が(彼女:カノジョ)の(上:ウエ)に(寝:ネ)てもかまわない。

31 章 11 節 これは(重:オモ)い(罪:ツミ)であって、さばきびとに(罰:バッ)

せられるべき(悪事:アクジ)だからである。

31 章 12 節 これは(滅:ホロ)びに(至:イタ)るまでも(焼:ヤ)きつくす(火:ヒ)で

あって、わたしのすべての(産業:サンギョウ)を(根:ネ)こそぎ(焼:ヤ)くであろう。

31 章 13 節 わたしのしもべ、また、はしためがわたしと(言:イ)い(争:

アラソ)ったときに、わたしがもしその(言:イ)い(分:ブン)を(退:シリゾ)けたこと

があるなら、

31 章 14 節 (神:カミ)が(立:タ)ち(上:ア)がられるとき、わたしはどうしよ

うか、(神:カミ)が(尋:タズ)ねられるとき、なんとお(答:コタ)えしようか。

31 章 15 節 わたしを(胎内:タイナイ)に(造:ツク)られた(者:モノ)は、(彼:カレ)を

も(造:ツク)られたのではないか。われわれを(腹:ハラ)の(内:ナイ)に(形造:カタチヅ

ク)られた(者:モノ)は、ただひとりではないか。

31 章 16 節 わたしがもし(貧:マズ)しい(者:モノ)の(願:ネガ)いを(退:シリゾ)

け、やもめの(目:メ)を(衰:オトロ)えさせ、

31 章 17 節 あるいはわたしひとりで(食物:ショクモツ)を(食:タ)べて、みな

しごに(食:タ)べさせなかったことがあるなら、

31 章 18 節 (わたしは(彼:カレ)の(幼:オサナ)い(時:トキ)から(父:チチ)のように

(彼:カレ)を(育:ソダ)て、またその(母:ハハ)の(胎:ハラ)を(出:デ)たときから(彼:カ

レ)を(導:ミチビ)いた。)

Page 58: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

31 章 19 節 もし(着物:キモノ)がないために(死:シ)のうとする(者:モノ)や、

(身:ミ)をおおう(物:モノ)のない(貧:マズ)しい(人:ヒト)をわたしが(見:ミ)た(時:ト

キ)に、

31 章 20 節 その(腰:コシ)がわたしを(祝福:シュクフク)せず、また(彼:カレ)がわ

たしの(羊:ヒツジ)の(毛:ケ)で(暖:アタタ)まらなかったことがあるなら、

31 章 21 節 もしわたしを(助:タス)ける(者:モノ)が(門:モン)におるのを(見:

ミ)て、みなしごにむかってわたしの(手:テ)を(振:フ)り(上:ア)げたことがあ

るなら、

31 章 22 節 わたしの(肩骨:ケンコツ)が、(肩:カタ)から(落:オ)ち、わたしの(腕:

ウデ)が、つけ(根:ネ)から(折:オ)れてもかまわない。

31 章 23 節 わたしは(神:カミ)から(出:デ)る(災:ワザワイ)を(恐:オソ)れる、そ

の(威光:イコウ)の(前:マエ)には(何事:ナニゴト)もなすことはできない。

31 章 24 節 わたしがもし(金:キン)をわが(望:ノゾ)みとし、(精:セイ)(金:キン)

をわが(頼:タノ)みと(言:イ)ったことがあるなら、

31 章 25 節 わたしがもしわが(富:トミ)の(大:オオ)いなる(事:コト)と、わた

しの(手:テ)に(多:オオ)くの(物:モノ)を(獲:エ)た(事:コト)とを(喜:ヨロコ)んだことが

あるなら、

31 章 26 節 わたしがもし(日:ヒ)の(輝:カガヤ)くのを(見:ミ)、または(月:ツ

キ)の(照:テ)りわたって(動:ウゴ)くのを(見:ミ)た(時:トキ)、

31 章 27 節 (心:ココロ)ひそかに(迷:マヨ)って、(手:テ)に(口:クチ)づけしたこ

とがあるなら、

31 章 28 節 これもまたさばきびとに(罰:バッ)せらるべき(悪事:アクジ)

だ。わたしは(上:カミ)なる(神:カミ)を(欺:アザム)いたからである。

31 章 29 節 わたしがもしわたしを(憎:ニク)む(者:モノ)の(滅:ホロ)びるのを

(喜:ヨロコ)び、または(災:ワザワイ)が(彼:カレ)に(臨:ノゾ)んだとき、(勝:カ)ち(誇:

ホコ)ったことがあるなら、

31 章 30 節 (わたしはわが(口:クチ)に(罪:ツミ)を(犯:オカ)させず、のろい

をもって(彼:カレ)の(命:イノチ)を(求:モト)めたことはなかった。)

31 章 31 節 もし、わたしの(天幕:テンマク)の(人々:ヒトビト)で、『だれか(彼:

カレ)の(肉:ニク)に(飽:ア)きなかった(者:モノ)があるか』と、(言:イ)わなかった

ことがあるなら、

Page 59: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

31 章 32 節 ((他国人:タコクジン)はちまたに(宿:ヤド)らず、わたしはわ

が(門:モン)を(旅:タビ)びとに(開:ヒラ)いた。)

31 章 33 節 わたしがもし(人々:ヒトビト)の(前:マエ)にわたしのとがをお

おい、わたしの(悪事:アクジ)を(胸:ムネ)の(中:ナカ)に(隠:カク)したことがあるな

ら、

31 章 34 節 わたしが(大衆:タイシュウ)を(恐:オソ)れ、(宗族:ソウゾク)の(侮:アナ

ド)りにおぢて、(口:クチ)を(閉:ト)じ、(門:モン)を(出:デ)なかったことがある

なら、

31 章 35 節 ああ、わたしに(聞:キ)いてくれる(者:モノ)があればよいの

だが、(わたしのかきはんがここにある。どうか、(全能者:ゼンノウシャ)がわ

たしに(答:コタ)えられるように。)ああ、わたしの(敵:テキ)の(書:カ)いた(告

訴状:コクソジョウ)があればよいのだが。

31 章 36 節 わたしは(必:カナラ)ずこれを(肩:カタ)に(負:オ)い、(冠:カンムリ)の

ようにこれをわが(身:ミ)に(結:ムス)び、

31 章 37 節 わが(歩:アユ)みの(数:カズ)を(彼:カレ)に(述:ノ)べ、(君:キミ)たる

(者:モノ)のようにして、(彼:カレ)に(近:チカ)づくであろう。

31 章 38 節 もしわが(田畑:タハタ)がわたしに(向:ム)かって(呼:ヨ)ばわり、

そのうねみぞが(共:トモ)に(泣:ナ)き(叫:サケ)んだことがあるなら、

31 章 39 節 もしわたしが(金:キン)を(払:ハラ)わないでその(産物:サンブツ)

を(食:タ)べ、その(持:モ)ち(主:ヌシ)を(死:シ)なせたことがあるなら、

31 章 40 節 (小麦:コムギ)の(代:カワ)りに、いばらがはえ、(大麦:オオムギ)

の(代:カワ)りに(雑草:ザッソウ)がはえてもかまわない」。ヨブの(言葉:コトバ)

は(終:オワ)った。

(第:ダイ)三二(章:ショウ)

32 章 1 節 このようにヨブが(自分:ジブン)の(正:タダ)しいことを(主張:

シュチョウ)したので、これら(三人:サンニン)の(者:モノ)はヨブに(答:コタ)えるのをや

めた。

32章2節 その(時:トキ)ラム(族:ゾク)のブズびとバラケルの(子:コ)エリフ

は(怒:イカ)りを(起:オコ)した。

Page 60: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

すなわちヨブが(神:カミ)よりも(自分:ジブン)の(正:タダ)しいことを(主張:シュ

チョウ)するので、(彼:カレ)はヨブに(向:ム)かって(怒:イカ)りを(起:オコ)した。

32章3節 またヨブの(三人:サンニン)の(友:トモ)がヨブを(罪:ツミ)ありとしな

がら、(答:コタ)える(言葉:コトバ)がなかったので、エリフは(彼:カレ)らにむか

っても(怒:イカ)りを(起:オコ)した。

32 章 4 節 エリフは(彼:カレ)らが(皆:ミナ)、(自分:ジブン)よりも(年長者:ネ

ンチョウシャ)であったので、ヨブに(物:モノ)(言:イ)うことをひかえて(待:マ)って

いたが、

32 章 5 節 ここにエリフは(三人:サンニン)の(口:クチ)に(答:コタ)える(言葉:コト

バ)のないのを(見:ミ)て(怒:イカ)りを(起:オコ)した。

32 章 6 節 ブズびとバラケルの(子:コ)エリフは(答:コタ)えて(言:イ)った、

「わたしは(年若:トシワカ)く、あなたがたは(年老:トシオ)いている。それゆえ、

わたしははばかって、わたしの(意見:イケン)を(述:ノ)べることをあえてしな

かった。

32 章 7 節 わたしは(思:オモ)った、『(日:ヒ)を(重:カサ)ねた(者:モノ)が(語:カタ)

るべきだ、(年:トシ)を(積:ツ)んだ(者:モノ)が(知恵:チエ)を(教:オシ)えるべきだ』

と。

32 章 8 節 しかし(人:ヒト)のうちには(霊:レイ)があり、(全能者:ゼンノウシャ)

の(息:イキ)が(人:ヒト)に(悟:サト)りを(与:アタ)える。

32 章 9 節 (老:オ)いた(者:モノ)、(必:カナラ)ずしも(知恵:チエ)があるのではな

く、(年:トシ)とった(者:モノ)、(必:カナラ)ずしも(道理:ドウリ)をわきまえるので

はない。

32 章 10 節 ゆえにわたしは(言:イ)う、『わたしに(聞:キ)け、わたしも

またわが(意見:イケン)を(述:ノ)べよう』。

32 章 11 節 (見:ミ)よ、わたしはあなたがたの(言葉:コトバ)に(期待:キタイ)

し、その(知恵:チエ)ある(言葉:コトバ)に(耳:ミミ)を(傾:カタム)け、あなたがたが

(言:イ)うべき(言葉:コトバ)を(捜:サガ)し(出:ダ)すのを(待:マ)っていた。

32 章 12 節 わたしはあなたがたに(心:ココロ)をとめたが、あなたがた

のうちにヨブを(言:イ)いふせる(者:モノ)はひとりもなく、また(彼:カレ)の(言

葉:コトバ)に(答:コタ)える(者:モノ)はひとりもなかった。

32 章 13 節 おそらくあなたがたは(言:イ)うだろう、『われわれは(知

恵:チエ)を(見:ミ)いだした、(彼:カレ)に(勝:カ)つことのできるのは(神:カミ)だけ

で、(人:ヒト)にはできない』と。

Page 61: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

32 章 14 節 (彼:カレ)はその(言葉:コトバ)をわたしに(向:ム)けて(言:イ)わな

かった。わたしはあなたがたの(言葉:コトバ)をもって(彼:カレ)に(答:コタ)える

ことはしない。

32 章 15 節 (彼:カレ)らは(驚:オドロ)いて、もはや(答:コタ)えることをせず、

(彼:カレ)らには、もはや(言:イ)うべき(言葉:コトバ)がない。

32 章 16 節 (彼:カレ)らは(物言:モノイ)わず、(立:タ)ちとどまって、もはや

(答:コタ)えるところがないので、わたしはこれ(以上:イジョウ)(待:マ)つ(必要:

ヒツヨウ)があろうか。

32 章 17 節 わたしもまたわたしの(分:ブン)を(答:コタ)え、わたしの(意

見:イケン)を(述:ノ)べよう。

32 章 18 節 わたしには(言葉:コトバ)が(満:ミ)ち、わたしのうちの(霊:レイ)

がわたしに(迫:セマ)るからだ。

32 章 19 節 (見:ミ)よ、わたしの(心:ココロ)は(口:クチ)を(開:ア)かないぶどう

(酒:シュ)のように、(新:アタラ)しいぶどう(酒:シュ)の(皮袋:カワブクロ)のように、

(今:イマ)にも(張:ハ)りさけようとしている。

32 章 20 節 わたしは(語:カタ)って、(気:キ)を(晴:ハ)らし、くちびるを(開:

ヒラ)いて(答:コタ)えよう。

32 章 21 節 わたしはだれをもかたより(見:ミ)ることなく、また(何人:

ナンニン)とにもへつらうことをしない。

32 章 22 節 わたしはへつらうことを(知:シ)らないからだ。もしへつ

らうならば、わたしの(造:ツク)り(主:シュ)は(直:タダ)ちにわたしを(滅:ホロ)ぼ

されるであろう。

(第:ダイ)三三(章:ショウ)

33 章 1 節 だから、ヨブよ、(今:イマ)わたしの(言:イ)うことを(聞:キ)け、

わたしのすべての(言葉:コトバ)に(耳:ミミ)を(傾:カタム)けよ。

33 章 2 節 (見:ミ)よ、わたしは(口:クチ)を(開:ア)き、(口:クチ)の(中:ナカ)の(舌:

シタ)は(物言:モノイ)う。

33 章 3 節 わたしの(言葉:コトバ)はわが(心:ココロ)の(正:タダ)しきを(語:カタ)

り、わたしのくちびるは(真実:シンジツ)をもってその(知識:チシキ)を(語:カタ)

る。

33 章 4 節 (神:カミ)の(霊:レイ)はわたしを(造:ツク)り、(全能者:ゼンノウシャ)の

(息:イキ)はわたしを(生:イ)かす。

33 章 5 節 あなたがもしできるなら、わたしに(答:コタ)えよ、わたしの

(前:マエ)に(言葉:コトバ)を(整:トトノ)えて、(立:タ)て。

Page 62: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

33 章 6 節 (見:ミ)よ、(神:カミ)に(対:タイ)しては、わたしもあなたと(同様:

ドウヨウ)であり、わたしもまた(土:ツチ)から(取:ト)って(造:ツク)られた(者:モノ)

だ。

33 章 7 節 (見:ミ)よ、わたしの(威厳:イゲン)はあなたを(恐:オソ)れさせな

い、わたしの(勢:イキオ)いはあなたを(圧:アッ)しない。

33章8節 (確:タシ)かに、あなたはわたしの(聞:キ)くところで(言:イ)った、

わたしはあなたの(言葉:コトバ)の(声:コエ)を(聞:キ)いた。

33 章 9 節 あなたは(言:イ)う、『わたしはいさぎよく、とがはない。わ

たしは(清:キヨ)く、(不義:フギ)はない。

33 章 10 節 (見:ミ)よ、(彼:カレ)はわたしを(攻:セ)める(口実:コウジツ)を(見:

ミ)つけ、わたしを(自分:ジブン)の(敵:テキ)とみなし、

33 章 11 節 わたしの(足:アシ)をかせにはめ、わたしのすべての(行:オコナ)

いに(目:メ)をとめられる』と。

33 章 12 節 (見:ミ)よ、わたしはあなたに(答:コタ)える、あなたはこの(事:

コト)において(正:タダ)しくない。(神:カミ)は(人:ヒト)よりも(大:オオ)いなる(者:

モノ)だ。

33 章 13 節 あなたが『(彼:カレ)はわたしの(言葉:コトバ)に(少:スコ)しも(答:

コタ)えられない』といって、(彼:カレ)に(向:ム)かって(言:イ)い(争:アラソ)うのは、

どういうわけであるか。

33 章 14 節 (神:カミ)は一つの(方法:ホウホウ)によって(語:カタ)られ、また二

つの(方法:ホウホウ)によって(語:カタ)られるのだが、(人:ヒト)はそれを(悟:サト)

らないのだ。

33 章 15 節 (人々:ヒトビト)が(熟睡:ジュクスイ)するとき、または(床:ユカ)にま

どろむとき、(夢:ユメ)あるいは(夜:ヨル)の(幻:マボロシ)のうちで、

33 章 16 節 (彼:カレ)は(人々:ヒトビト)の(耳:ミミ)を(開:ヒラ)き、(警告:ケイコク)

をもって(彼:カレ)らを(恐:オソ)れさせ、

33 章 17 節 こうして(人:ヒト)にその(悪:ア)しきわざを(離:ハナ)れさせ、

(高:タカ)ぶりを(人:ヒト)から(除:ノゾ)き、

33 章 18 節 その(魂:タマシイ)を(守:マモ)って、(墓:ハカ)に(至:イタ)らせず、そ

の(命:イノチ)を(守:マモ)って、つるぎに(滅:ホロ)びないようにされる。

33 章 19 節 (人:ヒト)はまたその(床:ユカ)の(上:ウエ)で(痛:イタ)みによって

(懲:コ)らされ、その(骨:ホネ)に(戦:タタカ)いが(絶:タ)えることなく、

Page 63: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

33 章 20 節 その(命:イノチ)は、(食物:ショクモツ)をいとい、その(食欲:ショクヨク)

は、おいしい(食物:ショクモツ)をきらう。

33 章 21 節 その(肉:ニク)はやせ(落:オ)ちて(見:ミ)えず、その(骨:ホネ)は(見:

ミ)えなかったものまでもあらわになり、

33 章 22 節 その(魂:タマシイ)は(墓:ハカ)に(近:チカ)づき、その(命:イノチ)は(滅:

ホロ)ぼす(者:モノ)に(近:チカ)づく。

33 章 23 節 もしそこに(彼:カレ)のためにひとりの(天使:テンシ)があり、

千のうちのひとりであって、(仲:ナカ)(保:タモ)となり、(人:ヒト)にその(正:タダ)

しい(道:ミチ)を(示:シメ)すならば、

33 章 24 節 (神:カミ)は(彼:カレ)をあわれんで(言:イ)われる、『(彼:カレ)を(救:

スク)って、(墓:ハカ)に(下:クダ)ることを(免:マヌカ)れさせよ、わたしはすでに

あがないしろを(得:エ)た。

33章25節 (彼:カレ)の(肉:ニク)を(幼:ヨウ)な(子:コ)の(肉:ニク)よりもみずみず

しくならせ、(彼:カレ)を(若:ワカ)い(時:トキ)の(元気:ゲンキ)に(帰:カエ)らせよ』と。

33 章 26 節 その(時:トキ)、(彼:カレ)が(神:カミ)に(祈:イノ)るならば、(神:カミ)

は(彼:カレ)を(顧:カエリ)み、(喜:ヨロコ)びをもって、み(前:マエ)にいたらせ、その

(救:スクイ)を(人:ヒト)に(告:ツ)げ(知:シ)らせられる。

33 章 27 節 (彼:カレ)は(人々:ヒトビト)の(前:マエ)に(歌:ウタ)って(言:イ)う、『わ

たしは(罪:ツミ)を(犯:オカ)し、(正:タダ)しい(事:コト)を(曲:マ)げた。しかしわた

しに(報復:ホウフク)がなかった。

33 章 28 節 (彼:カレ)はわたしの(魂:タマシイ)をあがなって、(墓:ハカ)に(下:ク

ダ)らせられなかった。わたしの(命:イノチ)は(光:ヒカリ)を(見:ミ)ることができ

る』と。

33 章 29 節 (見:ミ)よ、(神:カミ)はこれらすべての(事:コト)をふたたび、み

たび(人:ジン)に(行:オコナ)い、

33 章 30 節 その(魂:タマシイ)を(墓:ハカ)から(引:ヒ)き(返:カエ)し、(彼:カレ)に

(命:イノチ)の(光:ヒカリ)を(見:ミ)させられる。

33 章 31 節 ヨブよ、(耳:ミミ)を(傾:カタム)けてわたしに(聞:キ)け、(黙:モク)

せよ、わたしは(語:カタ)ろう。

33 章 32 節 あなたがもし(言:イ)うべきことがあるなら、わたしに(答:

コタ)えよ、(語:カタ)れ、わたしはあなたを(正:タダ)しい(者:モノ)にしようと(望:

ノゾ)むからだ。

Page 64: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

33 章 33 節 もし(語:カタ)ることがないなら、わたしに(聞:キ)け、(黙:モク)

せよ、わたしはあなたに(知恵:チエ)を(教:オシ)えよう」。

(第:ダイ)三四(章:ショウ)

34 章 1 節 エリフはまた(答:コタ)えて(言:イ)った、

34 章 2 節 「あなたがた(知恵:チエ)ある(人々:ヒトビト)よ、わたしの(言葉:

コトバ)を(聞:キ)け、あなたがた(知識:チシキ)ある(人々:ヒトビト)よ、わたしに(耳:

ミミ)を(傾:カタム)けよ。

34 章 3 節 (口:クチ)が(食物:ショクモツ)を(味:アジ)わうように、(耳:ミミ)は(言

葉:コトバ)をわきまえるからだ。

34 章 4 節 われわれは(正:タダ)しい(事:コト)を(選:エラ)び、われわれの(間:

アイダ)に(良:ヨ)い(事:コト)の(何:ナニ)であるかを(明:アキ)らかにしよう。

34 章 5 節 ヨブは(言:イ)った、『わたしは(正:タダ)しい、(神:カミ)はわた

しの(公義:キミヨシ)を(奪:ウバ)われた。

34 章 6 節 わたしは(正:タダ)しいにもかかわらず、(偽:イツワ)る(者:モノ)

とされた。わたしにはとががないけれども、わたしの(矢傷:ヤキズ)はいえ

ない』と。

34 章 7 節 だれかヨブのような(人:ヒト)があろう。(彼:カレ)はあざけりを

(水:ミズ)のように(飲:ノ)み、

34 章 8 節 (悪:アク)をなす(者:モノ)どもと(交:マジ)わり、(悪人:アクニン)と(共:

トモ)に(歩:アユ)む。

34 章 9 節 (彼:カレ)は(言:イ)った、『(人:ヒト)は(神:カミ)と(親:シタ)しんでも、

なんの(益:エキ)もない』と。

34 章 10 節 それであなたがた(理解:リカイ)ある(人々:ヒトビト)よ、わたし

に(聞:キ)け、(神:カミ)は(断:ダン)じて(悪:アク)を(行:オコナ)うことなく、(全能者:

ゼンノウシャ)は(断:ダン)じて(不義:フギ)を(行:オコナ)うことはない。

34 章 11 節 (神:カミ)は(人:ヒト)のわざにしたがってその(身:ミ)に(報:ムク)

い、おのおのの(道:ミチ)にしたがって、その(身:ミ)に(振:フ)りかからせられ

る。

34 章 12 節 まことに(神:カミ)は(悪:ア)しき(事:コト)を(行:オコナ)われない。

(全能者:ゼンノウシャ)はさばきをまげられない。

34 章 13 節 だれかこの(地:チ)を(彼:カレ)にゆだねた(者:モノ)があるか。だ

れか(全世界:ゼンセカイ)を(彼:カレ)に(負:オ)わせた(者:モノ)があるか。

34 章 14 節 (神:カミ)がもしその(霊:レイ)をご(自分:ジブン)に(取:ト)りもど

し、その(息:イキ)をご(自分:ジブン)に(取:ト)りあつめられるならば、

Page 65: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

34 章 15 節 すべての(肉:ニク)は(共:トモ)に(滅:ホロ)び、(人:ヒト)はちりに(帰:

カエ)るであろう。

34 章 16 節 もし、あなたに(悟:サト)りがあるならば、これを(聞:キ)け、

わたしの(言:イ)うところに(耳:ミミ)を(傾:カタム)けよ。

34章17節 (公義:キミヨシ)を(憎:ニク)む(者:モノ)は(世:ヨ)を(治:オサ)めることが

できようか。(正:タダ)しく(力:リキ)ある(者:モノ)を、あなたは(非難:ヒナン)する

であろうか。

34 章 18 節 (王:オウ)たる(者:モノ)に(向:ム)かって『よこしまな(者:モノ)』と

(言:イ)い、つかさたる(者:モノ)に(向:ム)かって、『(悪:ア)しき(者:モノ)』と(言:

イ)うことができるであろうか。

34 章 19 節 (神:カミ)は(君:キミ)たる(者:モノ)をもかたより(見:ミ)られるこ

となく、(富:ト)める(者:モノ)を(貧:マズ)しき(者:モノ)にまさって(顧:カエリ)みら

れることはない。(彼:カレ)らは(皆:ミナ)み(手:テ)のわざだからである。

34 章 20 節 (彼:カレ)らはまたたく(間:マ)に(死:シ)に、(民:タミ)は(夜:ヨル)の

(間:アイダ)に(振:フル)われて、(消:キ)えうせ、(力:チカラ)ある(者:モノ)も(人手:ヒト

デ)によらずに(除:ノゾ)かれる。

34 章 21 節 (神:カミ)の(目:メ)が(人:ヒト)の(道:ミチ)の(上:ウエ)にあって、その

すべての(歩:アユ)みを(見:ミ)られるからだ。

34 章 22 節 (悪:アク)を(行:オコナ)う(者:モノ)には(身:ミ)を(隠:カク)すべき(暗:ク

ラ)やみもなく、(暗黒:アンコク)もない。

34 章 23 節 (人:ヒト)がさばきのために(神:カミ)の(前:マエ)に(出:デ)るとき、

(神:カミ)は(人:ヒト)のために(時:トキ)を(定:サダ)めておかれない。

34 章 24 節 (彼:カレ)は(力:チカラ)ある(者:モノ)をも(調:シラ)べることなく(打:

ウ)ち(滅:ホロ)ぼし、(他:ホカ)の(人々:ヒトビト)を(立:タ)てて、これに(替:カ)えられ

る。

34 章 25 節 このように、(神:カミ)は(彼:カレ)らのわざを(知:シ)り、(夜:ヨル)

の(間:アイダ)に(彼:カレ)らをくつがえされるので、(彼:カレ)らはやがて(滅:ホロ)

びる。

34 章 26 節 (彼:カレ)は(人々:ヒトビト)の(見:ミ)る(所:トコロ)で、(彼:カレ)らをそ

の(悪:アク)のために(撃:ウ)たれる。

34 章 27 節 これは(彼:カレ)らがそむいて(彼:カレ)に(従:シタガ)わず、その

(道:ミチ)を(全:マッタ)く(顧:カエリ)みないからだ。

Page 66: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

34 章 28 節 こうして(彼:カレ)らは(貧:マズ)しき(者:モノ)の(叫:サケ)びを(彼:

カレ)のもとにいたらせ、(悩:ナヤ)める(者:モノ)の(叫:サケ)びを(彼:カレ)に(聞:キ)か

せる。

34 章 29 節 (彼:カレ)が(黙:ダマ)っておられるとき、だれが(非難:ヒナン)す

ることができようか。(彼:カレ)が(顔:カオ)を(隠:カク)されるとき、だれが(彼:

カレ)を(見:ミ)ることができようか。(一国:イッコク)の(上:ウエ)にも、(一人:ヒトリ)

の(上:ウエ)にも(同様:ドウヨウ)だ。

34章30節 これは(神:カミ)を(信:シン)じない(者:モノ)が(世:ヨ)を(治:オサ)める

ことがなく、(民:タミ)をわなにかける(事:コト)のないようにするためである。

34 章 31 節 だれが(神:カミ)に(向:ム)かって(言:イ)ったか、『わたしは(罪:

ツミ)を(犯:オカ)さないのに、(懲:チョウ)しめられた。

34 章 32 節 わたしの(見:ミ)ないものをわたしに(教:オシ)えられたい。

もしわたしが(悪:ワル)い(事:コト)をしたなら、(重:カサ)ねてこれをしない』と。

34 章 33 節 あなたが(拒:コバ)むゆえに、(彼:カレ)はあなたの(好:コノ)むよ

うに(報:ムク)いをされるであろうか。あなたみずから(選:エラ)ぶがよい、わ

たしはしない。あなたの(知:シ)るところを(言:イ)いなさい。

34 章 34 節 (悟:サト)りある(人々:ヒトビト)はわたしに(言:イ)うだろう、わ

たしに(聞:キ)くところの(知恵:チエ)ある(人:ヒト)は(言:イ)うだろう、

34 章 35 節 『ヨブの(言:イ)うところは(知識:チシキ)がなく、その(言葉:

コトバ)は(悟:サト)りがない』と。

34 章 36 節 どうかヨブが(終:オワ)りまで(試:ココロ)みられるように、(彼:

カレ)は(悪人:アクニン)のように(答:コタ)えるからである。

34 章 37 節 (彼:カレ)は(自分:ジブン)の(罪:ツミ)に、とがを(加:クワ)え、われ

われの(中:ナカ)にあって(手:テ)をうち、(神:カミ)に(逆:サカ)らって、その(言葉:

コトバ)をしげくする」。

(第:ダイ)三五(章:ショウ)

35 章 1 節 エリフはまた(答:コタ)えて(言:イ)った、

35 章 2 節 「あなたはこれを(正:タダ)しいと(思:オモ)うのか、あなたは

『(神:カミ)の(前:マエ)に(自分:ジブン)は(正:タダ)しい』と(言:イ)うのか。

Page 67: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

35章3節 あなたは(言:イ)う、『これはわたしになんの(益:エキ)があるか、

(罪:ツミ)を(犯:オカ)したのとくらべてなんのまさるところがあるか』と。

35章4節 わたしはあなたおよび、あなたと(共:トモ)にいるあなたの(友

人:ユウジン)たちに(答:コタ)えよう。

35 章 5 節 (天:テン)を(仰:アオ)ぎ(見:ミ)よ、あなたの(上:ウエ)なる(高:タカ)き

(空:ソラ)を(望:ノゾ)み(見:ミ)よ。

35 章 6 節 あなたが(罪:ツミ)を(犯:オカ)しても、(彼:カレ)になんのさしさわ

りがあるか。あなたのとがが(多:オオ)くても、(彼:カレ)に(何:ナニ)をなし(得:

エ)ようか。

35 章 7 節 またあなたは(正:タダ)しくても、(彼:カレ)に(何:ナニ)を(与:アタ)

え(得:エ)ようか。(彼:カレ)はあなたの(手:テ)から(何:ナニ)を(受:ウ)けられるで

あろうか。

35 章 8 節 あなたの(悪:アク)はただあなたのような(人:ヒト)にかかわり、

あなたの(義:ギ)はただ(人:ジン)の(子:コ)にかかわるのみだ。

35 章 9 節 しえたげの(多:オオ)いために(叫:サケ)び、(力:チカラ)ある(者:モノ)

の(腕:ウデ)のゆえに(呼:ヨ)ばわる(人々:ヒトビト)がある。

35 章 10 節 しかし、ひとりとして(言:イ)う(者:モノ)はない、『わが(造:

ツク)り(主:シュ)なる(神:カミ)はどこにおられるか、(彼:カレ)は(夜:ヨル)の(間:アイダ)

に(歌:ウタ)を(与:アタ)え、

35 章 11 節 (地:チ)の(獣:ケモノ)よりも(多:オオ)く、われわれを(教:オシ)え、

(空:ソラ)の(鳥:トリ)よりも、われわれを(賢:カシコ)くされる(方:ホウ)である』と。

35 章 12 節 (彼:カレ)らが(叫:サケ)んでも(答:コタ)えられないのは、(悪:ア)

しき(者:モノ)の(高:タカ)ぶりによる。

35 章 13 節 まことに(神:カミ)はむなしい(叫:サケ)びを(聞:キ)かれない。ま

た(全能者:ゼンノウシャ)はこれを(顧:カエリ)みられない。

35 章 14 節 あなたが(彼:カレ)を(見:ミ)ないと(言:イ)う(時:トキ)はなおさら

だ。さばきは(神:カミ)の(前:マエ)にある。あなたは(彼:カレ)を(待:マ)つべきで

ある。

35 章 15 節 (今:イマ)(彼:カレ)が(怒:イカ)りをもって(罰:バッ)せず、(罪:ツミ)

とがを(深:フカ)く(心:ココロ)にとめられないゆえに

35 章 16 節 ヨブは(口:クチ)を(開:ア)いてむなしい(事:コト)を(述:ノ)べ、(無

知:ムチ)の(言葉:コトバ)をしげくする」。

Page 68: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

(第:ダイ)三六(章:ショウ)

36 章 1 節 エリフは(重:カサ)ねて(言:イ)った、

36 章 2 節 「しばらく(待:マ)て、わたしはあなたに(示:シメ)すことがあ

る。なお(神:カミ)のために(言:イ)うべき(事:コト)がある。

36 章 3 節 わたしは(遠:トオ)くからわが(知識:チシキ)を(取:ト)り、わが(造:

ツク)り(主:シュ)に(正義:セイギ)を(帰:キ)する。

36 章 4 節 まことにわたしの(言葉:コトバ)は(偽:イツワ)らない。(知識:チシキ)

の(全:マッタ)き(者:モノ)があなたと(共:トモ)にいる。

36 章 5 節 (見:ミ)よ、(神:カミ)は(力:チカラ)ある(者:モノ)であるが、(何:ナニ)を

も(卑:イヤ)しめられない、その(悟:サト)りの(力:チカラ)は(大:オオ)きい。

36 章 6 節 (彼:カレ)は(悪:ア)しき(者:モノ)を(生:イ)かしておかれない、(苦:

クル)しむ(者:モノ)のためにさばきを(行:オコナ)われる。

36 章 7 節 (彼:カレ)は(正:タダ)しい(者:モノ)から(目:メ)を(離:ハナ)さず、(位:

クライ)にある(王:オウ)たちと(共:トモ)に、とこしえに、(彼:カレ)らをすわらせて、

(尊:トウト)くされる。

36 章 8 節 もし(彼:カレ)らが(足:アシ)かせにつながれ、(悩:ナヤ)みのなわに

(捕:トラ)えられる(時:トキ)は、

36 章 9 節 (彼:カレ)らの(行:オコナ)いと、とがと、その(高:タカ)ぶったふる

まいを(彼:カレ)らに(示:シメ)し、

36 章 10 節 (彼:カレ)らの(耳:ミミ)を(開:ヒラ)いて、(教:オシエ)を(聞:キ)かせ、

(悪:アク)を(離:ハナ)れて(帰:カエ)ることを(命:メイ)じられる。

36 章 11 節 もし(彼:カレ)らが(聞:キ)いて(彼:カレ)に(仕:ツカ)えるならば、

(彼:カレ)らはその(日:ヒ)を(幸福:コウフク)に(過:ス)ごし、その(年:トシ)を(楽:タノ)し

く(送:オク)るであろう。

36 章 12 節 しかし(彼:カレ)らが(聞:キ)かないならば、つるぎによって

(滅:ホロ)び、(知識:チシキ)を(得:エ)ないで(死:シ)ぬであろう。

36章13節 (心:ココロ)に(神:カミ)を(信:シン)じない(者:モノ)どもは(怒:イカ)りを

たくわえ、(神:カミ)に(縛:シバ)られる(時:トキ)も、(助:タス)けを(呼:ヨ)び(求:モト)

めることをしない。

Page 69: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

36 章 14 節 (彼:カレ)らは(年若:トシワカ)くして(死:シ)に、その(命:イノチ)は(恥:

ハジ)のうちに(終:オワ)る。

36 章 15 節 (神:カミ)は(苦:クル)しむ(者:モノ)をその(苦:クル)しみによって

(救:スク)い、(彼:カレ)らの(耳:ミミ)を(逆境:ギャッキョウ)によって(開:ヒラ)かれる。

36 章 16 節 (神:カミ)はまたあなたを(悩:ナヤ)みから、(束縛:ソクバク)のない

(広:ヒロ)い(所:トコロ)に(誘:サソ)い(出:ダ)された。そしてあなたの(食卓:ショクタク)

に(置:オ)かれた(物:モノ)はすべて(肥:コ)えた(物:モノ)であった。

36 章 17 節 しかしあなたは(悪人:アクニン)のうくべきさばきをおのれに

(満:ミ)たし、さばきと(公義:キミヨシ)はあなたを(捕:トラ)えている。

36 章 18 節 あなたは(怒:イカ)りに(誘:サソ)われて、あざけりに(陥:オチイ)

らぬように(心:ココロ)せよ。あがないしろの(大:オオ)いなるがために、おの

れを(誤:アヤマ)るな。

36 章 19 節 あなたの(叫:サケ)びはあなたを(守:マモ)って、(悩:ナヤ)みを(免:

マヌカ)れさせるであろうか、いかに(力:チカラ)をつくしても(役:ヤク)に(立:タ)た

ない。

36 章 20 節 (人々:ヒトビト)がその(所:トコロ)から(断:タ)たれるその(夜:ヨル)

を(慕:シタ)ってはならない。

36 章 21 節 (慎:ツツシ)んで(悪:アク)に(傾:カタム)いてはならない。あなたは

(悩:ナヤ)みよりもむしろこれを(選:エラ)んだからだ。

36 章 22 節 (見:ミ)よ、(神:カミ)はその(力:チカラ)をもってあがめられる。

だれか(彼:カレ)のように(教:オシ)える(者:モノ)があるか。

36 章 23 節 だれか(彼:カレ)のためにその(道:ミチ)を(定:サダ)めた(者:モノ)

があるか。だれか『あなたは(悪:ワル)い(事:コト)をした』と(言:イ)いうる(者:

モノ)があるか。

36 章 24 節 (神:カミ)のみわざをほめたたえる(事:コト)を(忘:ワス)れてはな

らない。これは(人々:ヒトビト)の(歌:ウタ)いあがめるところである。

36 章 25 節 すべての(人:ヒト)はこれを(仰:アオ)ぎ(見:ミ)る。(人:ヒト)は(遠:

トオ)くからこれを(見:ミ)るにすぎない。

36 章 26 節 (見:ミ)よ、(神:カミ)は(大:オオ)いなる(者:モノ)にいまして、われ

われは(彼:カレ)を(知:シ)らない。その(年:トシ)の(数:カズ)も(計:ハカ)り(知:シ)る

ことができない。

Page 70: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

36 章 27 節 (彼:カレ)は(水:ミズ)のしたたりを(引:ヒ)きあげ、その(霧:キリ)

をしたたらせて(雨:アメ)とされる。

36 章 28 節 (空:ソラ)はこれを(降:フ)らせて、(人:ヒト)の(上:ウエ)に(豊:ユタ)

かに(注:ソソ)ぐ。

36 章 29 節 だれか(雲:クモ)の(広:ヒロ)がるわけと、その(幕屋:マクヤ)のとど

ろくわけとを(悟:サト)ることができようか。

36 章 30 節 (見:ミ)よ、(彼:カレ)はその(光:ヒカリ)をおのれのまわりにひろ

げ、また(海:ウミ)の(底:ソコ)をおおわれる。

36 章 31 節 (彼:カレ)はこれらをもって(民:タミ)をさばき、(食物:ショクモツ)

を(豊:ユタ)かに(賜:タマ)い、

36 章 32 節 いなずまをもってもろ(手:テ)を(包:ツツ)み、これに(命:メイ)

じて(敵:テキ)を(打:ウ)たせられる。

36 章 33 節 そのとどろきは、(悪:アク)にむかって(怒:イカ)りに(燃:モ)える

(彼:カレ)を(現:アラワ)す。

(第:ダイ)三七(章:ショウ)

37 章 1 節 これがためにわが(心:ココロ)もまたわななき、その(所:トコロ)

からとび(離:ハナ)れる。

37 章 2 節 (聞:キ)け、(神:カミ)の(声:コエ)のとどろきを、またその(口:クチ)

から(出:デ)るささやきを。

37 章 3 節 (彼:カレ)はこれを(天:テン)が(下:シタ)に(放:ハナ)ち、その(光:ヒカリ)

を(地:チ)のすみずみまで(至:イタ)らせられる。

37 章 4 節 その(後:ゴ)、(声:コエ)とどろき、(彼:カレ)はそのいかめしい(声:

コエ)をもって(鳴:ナ)り(渡:ワタ)られる。その(声:コエ)の(聞:キコ)える(時:トキ)、(彼:

カレ)はいなずまを(引:ヒ)きとめられない。

37 章 5 節 (神:カミ)はその(驚:オドロ)くべき(声:コエ)をもって(鳴:ナ)り(渡:ワ

タ)り、われわれの(悟:サト)りえない(大:オオ)いなる(事:コト)を(行:オコナ)われる。

37 章 6 節 (彼:カレ)は(雪:ユキ)に(向:ム)かって『(地:チ)に(降:フ)れ』と(命:メイ)

じ、(夕立:ユウダチ)および(雨:アメ)に(向:ム)かって『(強:ツヨ)く(降:フ)れ』と(命:

メイ)じられる。

37 章 7 節 (彼:カレ)はすべての(人:ヒト)の(手:テ)を(封:フウ)じられる。これ

はすべての(人:ヒト)にみわざを(知:シ)らせるためである。

37 章 8 節 その(時:トキ)、(獣:ケモノ)は(穴:アナ)に(入:ハイ)り、そのほらにと

どまる。

Page 71: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

37 章 9 節 つむじ(風:カゼ)はそのへやから、(寒:サム)さは(北風:キタカゼ)

から(来:ク)る。

37 章 10 節 (神:カミ)のいぶきによって(氷:コオリ)が(張:ハ)り、(広々:ヒロビロ)

とした(水:ミズ)は(凍:コオ)る。

37 章 11 節 (彼:カレ)は(濃:コ)い(雲:クモ)に(水気:ミズケ)を(負:オ)わせ、(雲:ク

モ)はそのいなずまを(散:チ)らす。

37 章 12 節 これは(彼:カレ)の(導:ミチビ)きによってめぐる。(彼:カレ)の(命:

メイ)じるところをことごとく(世界:セカイ)のおもてに(行:オコナ)うためである。

37 章 13 節 (神:カミ)がこれらをこさせるのは、(懲:チョウ)しめのため、

あるいはその(地:チ)のため、あるいはいつくしみのためである。

37 章 14 節 ヨブよ、これを(聞:キ)け、(立:タ)って(神:カミ)のくすしきみ

わざを(考:カンガ)えよ。

37 章 15 節 あなたは(知:シ)っているか、(神:カミ)がいかにこれらに(命:

メイ)じて、その(雲:クモ)の(光:ヒカリ)を(輝:カガヤ)かされるかを。

37 章 16 節 あなたは(知:シ)っているか、(雲:クモ)のつりあいと、(知識:

チシキ)の(全:マッタ)き(者:モノ)のくすしきみわざを。

37 章 17 節 (南風:ミナミカゼ)によって(地:チ)が(穏:オダ)やかになる(時:トキ)、

あなたの(着物:キモノ)が(熱:アツ)くなることを。

37 章 18 節 あなたは(鋳:イ)た(鏡:カガミ)のように(堅:カタ)い(大空:オオゾラ)

を、(彼:カレ)のように(張:ハ)ることができるか。

37 章 19 節 われわれが(彼:カレ)に(言:イ)うべき(事:コト)をわれわれに(教:

オシ)えよ、われわれは(暗:クラ)くて、(言葉:コトバ)をつらねることはできな

い。

37 章 20 節 わたしは(語:カタ)ることがあると(彼:カレ)に(告:ツ)げること

ができようか、(人:ヒト)は(滅:ホロ)ぼされることを(望:ノゾ)むであろうか。

37 章 21 節 (光:ヒカリ)が(空:ソラ)に(輝:カガヤ)いているとき、(風:カゼ)(過:ス)

ぎて(空:ソラ)を(清:キヨ)めると、(人々:ヒトビト)はその(光:ヒカリ)を(見:ミ)ること

ができない。

37 章 22 節 (北:キタ)から(黄金:オウゴン)のような(輝:カガヤ)きがでてくる。

(神:カミ)には(恐:オソ)るべき(威光:イコウ)がある。

37 章 23 節 (全能者:ゼンノウシャ)は――われわれはこれを(見:ミ)いだすこ

とができない。

Page 72: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

(彼:カレ)は(力:チカラ)と(公義:キミヨシ)とにすぐれ、(正義:セイギ)に(満:ミ)ちて、

これを(曲:マ)げることはない。

37 章 24 節 それゆえ、(人々:ヒトビト)は(彼:カレ)を(恐:オソ)れる。(彼:カレ)

はみずから(賢:カシコ)いと(思:オモ)う(者:モノ)を(顧:カエリ)みられない」。

(第:ダイ)三八(章:ショウ)

38 章 1 節 この(時:トキ)、(主:シュ)はつむじ(風:カゼ)の(中:ナカ)からヨブに

(答:コタ)えられた、

38 章 2 節 「(無知:ムチ)の(言葉:コトバ)をもって、(神:カミ)の(計:ハカ)りごと

を(暗:クラ)くするこの(者:モノ)はだれか。

38 章 3 節 あなたは(腰:コシ)に(帯:タイ)して、(男:オトコ)らしくせよ。わた

しはあなたに(尋:タズ)ねる、わたしに(答:コタ)えよ。

38 章 4 節 わたしが(地:チ)の(基:モト)をすえた(時:トキ)、どこにいたか。

もしあなたが(知:シ)っているなら(言:イ)え。

38 章 5 節 あなたがもし(知:シ)っているなら、だれがその(度量:ドリョウ)

を(定:サダ)めたか。だれが(測:ハカ)りなわを(地:チ)の(上:ウエ)に(張:ハ)ったか。

38 章 6 節 その(土台:ドダイ)は(何:ナン)の(上:ウエ)に(置:オ)かれたか。その

(隅:スミ)の(石:イシ)はだれがすえたか。

38 章 7 節 かの(時:トキ)には(明:ア)けの(星:ホシ)は(相共:アイトモ)に(歌:ウタ)い、

(神:カミ)の(子:コ)たちはみな(喜:ヨロコ)び(呼:ヨ)ばわった。

38 章8節 (海:ウミ)の(水:ミズ)が(流:ナガ)れいで、(胎内:タイナイ)からわき(出:

デ)たとき、だれが(戸:ト)をもって、これを(閉:ト)じこめたか。

38 章 9 節 あの(時:トキ)、わたしは(雲:クモ)をもって(衣:コロモ)とし、(黒雲:

コクウン)をもってむつきとし、

38 章 10 節 これがために(境:サカイ)を(定:サダ)め、(関:セキ)および(戸:ト)

を(設:モウ)けて、

38 章 11 節 (言:イ)った、『ここまで(来:キ)てもよい、(越:コ)えてはなら

ぬ、おまえの(高波:タカナミ)はここにとどまるのだ』と。

Page 73: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

38 章 12 節 あなたは(生:ウマ)れた(日:ヒ)からこのかた(朝:アサ)に(命:メイ)

じ、(夜明:ヨア)けにその(所:トコロ)を(知:シ)らせ、

38 章 13 節 これに(地:チ)の(縁:エン)をとらえさせ、(悪人:アクニン)をその

(上:ウエ)から(振:フ)り(落:オト)させたことがあるか。

38 章 14 節 (地:チ)は(印:イン)せられた(土:ツチ)のように(変:カワ)り、(衣:コロ

モ)のようにいろどられる。

38 章 15 節 (悪人:アクニン)はその(光:ヒカリ)を(奪:ウバ)われ、その(高:タカ)く

あげた(腕:ウデ)は(折:オ)られる。

38 章 16 節 あなたは(海:ウミ)の(源:ミナモト)に(行:イ)ったことがあるか。

(淵:フチ)の(底:ソコ)を(歩:アル)いたことがあるか。

38 章 17 節 (死:シ)の(門:モン)はあなたのために(開:ヒラ)かれたか。あなた

は(暗黒:アンコク)の(門:モン)を(見:ミ)たことがあるか。

38 章 18 節 あなたは(地:チ)の(広:ヒロ)さを(見:ミ)きわめたか。もしこれ

をことごとく(知:シ)っているならば(言:イ)え。

38 章 19 節 (光:ヒカリ)のある(所:トコロ)に(至:イタ)る(道:ミチ)はいずれか。(暗:

クラ)やみのある(所:トコロ)はどこか。

38 章 20 節 あなたはこれをその(境:サカイ)に(導:ミチビ)くことができる

か。その(家路:イエジ)を(知:シ)っているか。

38 章 21 節 あなたは(知:シ)っているだろう、あなたはかの(時:トキ)す

でに(生:ウマ)れており、またあなたの(日数:ニッスウ)も(多:オオ)いのだから。

38 章 22 節 あなたは(雪:ユキ)の(倉:クラ)にはいったことがあるか。ひょ

うの(倉:クラ)を(見:ミ)たことがあるか。

38 章 23 節 これらは(悩:ナヤ)みの(時:トキ)のため、いくさと(戦:タタカ)いの

(日:ヒ)のため、わたしがたくわえて(置:オ)いたものだ。

38 章 24 節 (光:ヒカリ)の(広:ヒロ)がる(道:ミチ)はどこか。(東風:ヒガシカゼ)の

(地:チ)に(吹:フ)き(渡:ワタ)る(道:ミチ)はどこか。

38 章 25 節 だれが(大雨:オオアメ)のために(水路:スイロ)を(切:キ)り(開:ヒラ)き、

いかずちの(光:ヒカリ)のために(道:ミチ)を(開:ヒラ)き、

38 章 26 節 (人:ヒト)なき(地:チ)にも、(人:ヒト)なき(荒野:アラノ)にも(雨:アメ)

を(降:フ)らせ、

38 章 27 節 (荒:ア)れすたれた(地:チ)をあき(足:タ)らせ、これに(若草:ワカ

クサ)をはえさせるか。

38 章 28 節 (雨:アメ)に(父:チチ)があるか。(露:ツユ)の(玉:タマ)はだれが(生:ウ)

んだか。

38 章 29 節 (氷:コオリ)はだれの(胎:ハラ)から(出:デ)たか。

Page 74: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

(空:ソラ)の(霜:シモ)はだれが(生:ウ)んだか。

38 章 30 節 (水:ミズ)は(固:カタ)まって(石:イシ)のようになり、(淵:フチ)のお

もては(凍:コオ)る。

38 章 31 節 あなたはプレアデスの(鎖:クサリ)を(結:ムス)ぶことができる

か。オリオンの(綱:ツナ)を(解:ト)くことができるか。

38 章 32 節 あなたは(十二宮:ジュウニキュウ)をその(時:トキ)にしたがって

(引:ヒ)き(出:ダ)すことができるか。(北斗:ホクト)とその(子星:ネノホシ)を(導:ミチ

ビ)くことができるか。

38 章 33 節 あなたは(天:テン)の(法則:ホウソク)を(知:シ)っているか、そのお

きてを(地:チ)に(施:ホドコ)すことができるか。

38 章 34 節 あなたは(声:コエ)を(雲:クモ)にあげ、(多:オオ)くの(水:ミズ)にあ

なたをおおわせることができるか。

38 章 35 節 あなたはいなずまをつかわして(行:イ)かせ、『われわれは

ここにいる』と、あなたに(言:イ)わせることができるか。

38 章 36 節 (雲:クモ)に(知恵:チエ)を(置:オ)き、(霧:キリ)に(悟:サト)りを(与:アタ)

えたのはだれか。

38 章 37 節 だれが(知恵:チエ)をもって(雲:クモ)を(数:カゾ)えることがで

きるか。だれが(天:テン)の(皮袋:カワブクロ)を(傾:カタム)けて、

38 章 38 節 ちりを一つに(流:ナガ)れ(合:ア)わさせ、(土:ツチ)くれを(固:カ

タ)まらせることができるか。

38 章 39 節 あなたはししのために(食物:ショクモツ)を(狩:カ)り、(子:コ)じし

の(食欲:ショクヨク)を(満:ミ)たすことができるか。

38 章 40 節 (彼:カレ)らがほら(穴:アナ)に(伏:フ)し、(林:ハヤシ)のなかに(待:マ)

ち(伏:ブ)せする(時:トキ)、あなたはこの(事:コト)をなすことができるか。

38 章 41 節 からすの(子:コ)が(神:カミ)に(向:ム)かって(呼:ヨ)ばわり、(食

物:ショクモツ)がなくて、さまようとき、からすにえさを(与:アタ)える(者:モノ)

はだれか。

(第:ダイ)三九(章:ショウ)

39 章 1 節 あなたは(岩間:イワマ)のやぎが(子:コ)を(産:ウ)むときを(知:シ)

っているか。あなたは(雌:メス)じかが(子:コ)を(産:ウ)むのを(見:ミ)たことが

あるか。

39 章 2 節 これらの(妊娠:ニンシン)の(月:ツキ)を(数:カゾ)えることができる

か。これらが(産:ウ)む(時:トキ)を(知:シ)っているか。

39 章 3 節 これらは(身:ミ)をかがめて(子:コ)を(産:ウ)み、そのはらみ(子:

ゴ)を(産:サン)みいだす。

Page 75: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

39 章 4 節 その(子:コ)は(強:ツヨ)くなって、(野:ノ)に(育:ソダ)ち、(出:デ)

て(行:イ)って、その(親:オヤ)のもとに(帰:カエ)らない。

39 章 5 節 だれが(野:ノ)ろばを(放:ハナ)って、(自由:ジユウ)にしたか。だ

れが(野:ノ)ろばのつなぎを(解:ト)いたか。

39 章 6 節 わたしは(荒野:アラノ)をその(家:イエ)として(与:アタ)え、(荒:ア)

れ(地:チ)をそのすみかとして(与:アタ)えた。

39 章 7 節 これは(町:マチ)の(騒:サワ)ぎをいやしめ、(御者:ギョシャ)の(呼:ヨ)

ぶ(声:コエ)を(聞:キ)きいれず、

39 章 8 節 (山:ヤマ)を(牧場:マキバ)としてはせまわり、もろもろの(青物:

アオモノ)を(尋:タズ)ね(求:モト)める。

39 章 9 節 (野牛:ヤギュウ)は(快:ココロヨ)くあなたに(仕:ツカ)え、あなたの(飼

葉:カイバ)おけのかたわらにとどまるだろうか。

39 章 10 節 あなたは(野牛:ヤギュウ)に(手綱:タヅナ)をつけてうねを(歩:ア

ル)かせることができるか、これはあなたに(従:シタガ)って(谷:タニ)を(耕:タガ

ヤ)すであろうか。

39 章 11 節 その(力:チカラ)が(強:ツヨ)いからとて、あなたはこれに(頼:タノ)

むであろうか。またあなたの(仕事:シゴト)をこれに(任:マカ)せるであろうか。

39 章 12 節 あなたはこれにたよって、あなたの(穀物:コクモツ)を(打:ウ)

ち(場:ジョウ)に(運:ハコ)び(帰:カエ)らせるであろうか。

39 章 13 節 だちょうは(威勢:イセイ)よくその(翼:ツバサ)をふるう。しか

しこれにはきれいな(羽:ハネ)と(羽毛:ウモウ)があるか。

39章14節 これはその(卵:タマゴ)を(土:ツチ)の(中:ナカ)に(捨:ス)て(置:オ)き、

これを(砂:スナ)のなかで(暖:アタタ)め、

39 章 15 節 (足:アシ)でつぶされることも、(野:ノ)の(獣:ケモノ)に(踏:フ)まれ

ることも(忘:ワス)れている。

39 章 16 節 これはその(子:コ)に(無情:ムジョウ)であって、あたかも(自分:

ジブン)の(子:コ)でないようにし、その(苦労:クロウ)のむなしくなるをも(恐:

オソ)れない。

39 章 17 節 これは(神:カミ)がこれに(知恵:チエ)を(授:サズ)けず、(悟:サト)

りを(与:アタ)えなかったゆえである。

Page 76: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

39 章 18 節 これがその(身:ミ)を(起:オコ)して(走:ハシ)る(時:トキ)には、(馬:

ウマ)をも、その(乗:ノ)り(手:テ)をもあざける。

39 章 19 節 あなたは(馬:ウマ)にその(力:チカラ)を(与:アタ)えることができ

るか。(力:チカラ)をもってその(首:クビ)を(装:ヨソオ)うことができるか。

39 章 20 節 あなたはこれをいなごのように、とばせることができる

か。その(鼻:ハナ)あらしの(威力:イリョク)は(恐:オソ)ろしい。

39 章 21 節 これは(谷:タニ)であがき、その(力:チカラ)に(誇:ホコ)り、みずか

ら(出:デ)ていって(武器:ブキ)に(向:ム)かう。

39 章 22 節 これは(恐:オソ)れをあざ(笑:ワラ)って、(驚:オドロ)くことなく、

つるぎをさけて(退:シリゾ)くことがない。

39 章 23 節 (矢筒:ヤヅツ)はその(上:ウエ)に(鳴:ナ)り、やりと(投:ナ)げやり

と、あいきらめく。

39 章 24 節 これはたけりつ、(狂:クルイ)いつ、(地:チ)をひとのみにし、

ラッパの(音:オト)が(鳴:ナ)り(渡:ワタ)っても、(立:タ)ちどまることがない。

39 章 25 節 これはラッパの(鳴:ナ)るごとにハアハアと(言:イ)い、(遠:

トオ)くから(戦:タタカ)いをかぎつけ、(隊長:タイチョウ)の(大声:オオゴエ)およびとき

の(声:コエ)を(聞:キ)き(知:シ)る。

39 章 26 節 たかが(舞:マ)いあがり、その(翼:ツバサ)をのべて(南:ミナミ)に

(向:ム)かうのは、あなたの(知恵:チエ)によるのか、

39 章 27 節 わしがかけのぼり、その(巣:ス)を(高:タカ)い(所:トコロ)につく

るのは、あなたの(命令:メイレイ)によるのか。

39 章 28 節 これは(岩:イワ)の(上:ウエ)にすみかを(構:カマ)え、(岩:イワ)のと

がり、または(険:ケワ)しい(所:トコロ)におり、

39 章 29 節 そこから(獲物:エモノ)をうかがう。その(目:メ)の(及:オヨ)ぶと

ころは(遠:トオ)い。

39 章 30 節 そのひなもまた(血:チ)を(吸:ス)う。おおよそ(殺:コロ)された

(者:モノ)のある(所:トコロ)には、これもそこにいる」。

(第:ダイ)四〇(章:ショウ)

40 章 1 節 (主:シュ)はまたヨブに(答:コタ)えて(言:イ)われた、

Page 77: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

40 章 2 節 「(非難:ヒナン)する(者:モノ)が(全能者:ゼンノウシャ)と(争:アラソ)おう

とするのか、(神:カミ)と(論:ロン)ずる(者:モノ)はこれに(答:コタ)えよ」。

40 章 3 節 そこで、ヨブは(主:シュ)に(答:コタ)えて(言:イ)った、

40 章 4 節 「(見:ミ)よ、わたしはまことに(卑:イヤ)しい(者:モノ)です、な

んとあなたに(答:コタ)えましょうか。ただ(手:テ)を(口:クチ)に(当:ア)てるのみ

です。

40 章 5 節 わたしはすでに(一度:イチド)(言:イ)いました、また(言:イ)いま

せん、すでに(二度:フタタビ)(言:イ)いました、(重:カサ)ねて(申:モウ)しません」。

40 章 6 節 (主:シュ)はまたつむじ(風:カゼ)の(中:ナカ)からヨブに(答:コタ)え

られた、

40 章 7 節 「あなたは(腰:コシ)に(帯:タイ)して、(男:オトコ)らしくせよ。わ

たしはあなたに(尋:タズ)ねる、わたしに(答:コタ)えよ。

40 章 8 節 あなたはなお、わたしに(責任:セキニン)を(負:フ)わそうとする

のか。あなたはわたしを(非:ヒ)とし、(自分:ジブン)を(是:コレ)としようとす

るのか。

40章9節 あなたは(神:カミ)のような(腕:ウデ)を(持:モ)っているのか、(神:

カミ)のような(声:コエ)でとどろきわたることができるか。

40 章 10 節 あなたは(威光:イコウ)と(尊厳:ソンゲン)とをもってその(身:ミ)

を(飾:カザ)り、(栄光:エイコウ)と(華麗:カレイ)とをもってその(身:ミ)を(装:ヨソオ)っ

てみよ。

40 章 11 節 あなたのあふるる(怒:イカ)りを(漏:モ)らし、すべての(高:タカ)

ぶる(者:モノ)を(見:ミ)て、これを(低:ヒク)くせよ。

40 章 12 節 すべての(高:タカ)ぶる(者:モノ)を(見:ミ)て、これをかがませ、

また(悪人:アクニン)をその(所:トコロ)で(踏:フ)みつけ、

40 章 13 節 (彼:カレ)らをともにちりの(中:ナカ)にうずめ、その(顔:カオ)を

(隠:カク)れた(所:トコロ)に(閉:ト)じこめよ。

40 章 14 節 そうすれば、わたしもまた、あなたをほめて、あなたの

(右:ミギ)の(手:テ)はあなたを(救:スク)うことができるとしよう。

40 章 15 節 (河馬:カバ)を(見:ミ)よ、これはあなたと(同様:ドウヨウ)にわた

しが(造:ツク)ったもので、(牛:ウシ)のように(草:クサ)を(食:ク)う。

40 章 16 節 (見:ミ)よ、その(力:チカラ)は(腰:コシ)にあり、その(勢:イキオ)いは

(腹:ハラ)の(筋:スジ)にある。

Page 78: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

40 章 17 節 これはその(尾:オ)を(香柏:コウハク)のように(動:ウゴ)かし、そ

のももの(筋:スジ)は(互:タガイ)にからみ(合:ア)う。

40 章 18 節 その(骨:ホネ)は(青銅:セイドウ)の(管:クダ)のようで、その(肋骨:

ロッコツ)は(鉄:テツ)の(棒:ボウ)のようだ。

40 章 19 節 これは(神:カミ)のわざの(第:ダイ)一のものであって、これ

を(造:ツク)った(者:モノ)がこれにつるぎを(授:サズ)けた。

40 章 20 節 (山:ヤマ)もこれがために(食物:ショクモツ)をいだし、もろもろ

の(野:ノ)の(獣:ケモノ)もそこに(遊:アソ)ぶ。

40 章 21 節 これは(酸:サン)(棗:ナツメ)の(木:キ)の(下:シタ)に(伏:フ)し、(葦:アシ)

の(茂:シゲ)み、または(沼:ヌマ)に(隠:カク)れている。

40 章 22 節 (酸:サン)(棗:ナツメ)の(木:キ)はその(陰:カゲ)でこれをおおい、

(川:カワ)の(柳:ヤナギ)はこれをめぐり(囲:カコ)む。

40 章 23 節 (見:ミ)よ、たとい(川:カワ)が(荒:ア)れても、これは(驚:オドロ)

かない。ヨルダンがその(口:クチ)に(注:ソソ)ぎかかっても、これはあわてな

い。

40 章 24 節 だれが、かぎでこれを(捕:トラ)えることができるか。だれ

が、わなでその(鼻:ハナ)を(貫:ツラヌ)くことができるか。

(第:ダイ)四一(章:ショウ)

41 章 1 節 あなたはつり(針:バリ)でわにをつり(出:ダ)すことができる

か。(糸:イト)でその(舌:シタ)を(押:オサ)えることができるか。

41章2節 あなたは(葦:アシ)のなわをその(鼻:ハナ)に(通:トオ)すことができ

るか。つり(針:バリ)でそのあごを(突:ツ)き(通:トオ)すことができるか。

41 章 3 節 これはしきりに、あなたに(願:ネガ)い(求:モト)めるであろう

か。(柔:ヤワ)らかな(言葉:コトバ)をあなたに(語:カタ)るであろうか。

41 章 4 節 これはあなたと(契約:ケイヤク)を(結:ムス)ぶであろうか。あなた

はこれを(取:ト)って、ながくあなたのしもべとすることができるであろ

うか。

41 章 5 節 あなたは(鳥:トリ)と(戯:タワム)れるようにこれと(戯:タワム)れ、ま

たあなたのおとめたちのために、これをつないでおくことができるで

あろうか。

Page 79: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

41 章 6 節 (商人:アキンド)の(仲間:ナカマ)はこれを(商品:ショウヒン)として、(小

売商人:コウリショウニン)の(間:アイダ)に(分:ワ)けるであろうか。

41 章 7 節 あなたは、もりでその(皮:カワ)を(満:ミ)たし、やすでその(頭:

アタマ)を(突:ツ)き(通:トオ)すことができるか。

41 章 8 節 あなたの(手:テ)をこれの(上:ウエ)に(置:オ)け、あなたは(戦:タタ

カ)いを(思:オモ)い(出:ダ)して、(再:フタタ)びこれをしないであろう。

41 章 9 節 (見:ミ)よ、その(望:ノゾ)みはむなしくなり、これを(見:ミ)て

すら(倒:タオ)れる。

41 章 10 節 あえてこれを(激:ゲキ)する(勇気:ユウキ)のある(者:モノ)はひと

りもない。それで、だれがわたしの(前:マエ)に(立:タ)つことができるか。

41 章 11 節 だれが(先:サキ)にわたしに(与:アタ)えたので、わたしはこれ

に(報:ムク)いるのか。(天:テン)が(下:シタ)にあるものは、ことごとくわたしの

ものだ。

41 章 12 節 わたしはこれが(全身:ゼンシン)と、その(著:イチジル)しい(力:

チカラ)と、その(美:ウツク)しい(構造:コウゾウ)について(黙:ダマ)っていることは

できない。

41 章 13 節 だれがその(上着:ウワギ)をはぐことができるか。だれがそ

の(二重:ニジュウ)のよろいの(間:アイダ)にはいることができるか。

41 章 14 節 だれがその(顔:カオ)の(戸:ト)を(開:ヒラ)くことができるか。そ

のまわりの(歯:ハ)は(恐:オソ)ろしい。

41 章 15 節 その(背:セ)は(盾:タテ)の(列:レツ)でできていて、その(堅:カタ)

く(閉:ト)じたさまは(密封:ミップウ)したように、

41 章 16 節 (相互:ソウゴ)に(密接:ミッセツ)して、(風:カゼ)もその(間:アイダ)

に、はいることができず、

41 章 17 節 (互:タガイ)に(相:ソウ)(連:ツラ)なり、(固:カタ)く(着:ツ)いて(離:ハナ)

すことができない。

41 章 18 節 これが、くしゃみすれば(光:ヒカリ)を(発:ハッ)し、その(目:メ)

はあけぼののまぶたに(似:ニ)ている。

41 章 19 節 その(口:クチ)からは、たいまつが(燃:モ)えいで、(火花:ヒバナ)

をいだす。

Page 80: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

41 章 20 節 その(鼻:ハナ)の(穴:アナ)からは(煙:ケムリ)が(出:デ)てきて、さな

がら(煮:ニ)え(立:タ)つなべの(水煙:スイエン)のごとく、(燃:モ)える(葦:アシ)の(煙:

ケムリ)のようだ。

41 章 21 節 その(息:イキ)は(炭火:スミビ)をおこし、その(口:クチ)からは(炎:

ホノオ)が(出:デ)る。

41 章 22 節 その(首:クビ)には(力:チカラ)が(宿:ヤド)っていて、(恐:オソ)ろし

さが、その(前:マエ)に(踊:オド)っている。

41 章 23 節 その(肉片:ニクヘン)は(密接:ミッセツ)に(相:ソウ)(連:ツラ)なり、(固:カ

タ)く(身:ミ)に(着:ツ)いて(動:ウゴ)かすことができない。

41 章 24 節 その(心臓:シンゾウ)は(石:イシ)のように(堅:カタ)く、うすの(下

石:シモイシ)のように(堅:カタ)い。

41 章 25 節 その(身:ミ)を(起:オコ)すときは(勇士:ユウシ)も(恐:オソ)れ、その

(衝撃:ショウゲキ)によってあわて(惑:マド)う。

41 章 26 節 つるぎがこれを(撃:ウ)っても、きかない、やりも、(矢:ヤ)

も、もりも(用:ヨウ)をなさない。

41 章 27 節 これは(鉄:テツ)を(見:ミ)ること、わらのように、(青銅:セイド

ウ)を(見:ミ)ること(朽:ク)ち(木:キ)のようである。

41 章 28 節 (弓矢:ユミヤ)もこれを(逃:ノ)がすことができない。(石投:イシナ)

げの(石:イシ)もこれには、わらくずとなる。

41 章 29 節 こん(棒:ボウ)もわらくずのようにみなされ、(投:ナ)げやり

の(響:ヒビ)きを、これはあざ(笑:ワラ)う。

41 章 30 節 その(下腹:カフク)は(鋭:スルド)いかわらのかけらのようで、

(麦:ムギ)こき(板:バン)のようにその(身:ミ)を(泥:ドロ)の(上:ウエ)に(伸:ノ)ばす。

41 章 31 節 これは(淵:フチ)をかなえのように(沸:ワ)きかえらせ、(海:ウミ)

を(香油:コウユ)のなべのようにする。

41 章 32 節 これは(自分:ジブン)のあとに(光:ヒカ)る(道:ミチ)を(残:ノコ)し、

(淵:フチ)をしらがのように(思:オモ)わせる。

41 章 33 節 (地:チ)の(上:ウエ)にはこれと(並:ナラ)ぶものなく、これは(恐:

オソ)れのない(者:モノ)に(造:ツク)られた。

41 章 34 節 これはすべての(高:タカ)き(者:モノ)をさげすみ、すべての(誇:

ホコ)り(高:タカ)ぶる(者:モノ)の(王:オウ)である」。

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(第:ダイ)四二(章:ショウ)

42 章 1 節 そこでヨブは(主:シュ)に(答:コタ)えて(言:イ)った、

42 章 2 節 「わたしは(知:シ)ります、あなたはすべての(事:コト)をなす

ことができ、またいかなるおぼしめしでも、あなたにできないことは

ないことを。

42章3節 『(無知:ムチ)をもって(神:カミ)の(計:ハカ)りごとをおおうこの(者:

モノ)はだれか』。それゆえ、わたしはみずから(悟:サト)らない(事:コト)を(言:

イ)い、みずから(知:シ)らない、(測:ハカ)り(難:ガタ)い(事:コト)を(述:ノ)べました。

42 章 4 節 『(聞:キ)け、わたしは(語:カタ)ろう、わたしはあなたに(尋:タ

ズ)ねる、わたしに(答:コタ)えよ』。

42章5節 わたしはあなたの(事:コト)を(耳:ミミ)で(聞:キ)いていましたが、

(今:イマ)はわたしの(目:メ)であなたを(拝見:ハイケン)いたします。

42 章 6 節 それでわたしはみずから(恨:ウラ)み、ちり(灰:ハイ)の(中:ナカ)

で(悔:ク)います」。

42 章 7 節 (主:シュ)はこれらの(言葉:コトバ)をヨブに(語:カタ)られて(後:ノチ)、

テマンびとエリパズに(言:イ)われた、「わたしの(怒:イカ)りはあなたとあな

たのふたりの(友:トモ)に(向:ム)かって(燃:モ)える。あなたがたが、わたしの

しもべヨブのように(正:タダ)しい(事:コト)をわたしについて(述:ノ)べなか

ったからである。

42 章 8 節 それで(今:イマ)、あなたがたは(雄牛:オウシ)七(頭:トウ)、(雄羊:オ

ヒツジ)七(頭:トウ)を(取:ト)って、わたしのしもべヨブの(所:トコロ)へ(行:イ)き、

あなたがたのために(燔祭:ハンサイ)をささげよ。わたしのしもべヨブはあな

たがたのために(祈:イノ)るであろう。わたしは(彼:カレ)の(祈:イノ)を(受:ウ)け

いれるによって、あなたがたの(愚:オロ)かを(罰:バツ)することをしない。

あなたがたはわたしのしもべヨブのように(正:タダ)しい(事:コト)をわたし

について(述:ノ)べなかったからである」。

42 章 9 節 そこでテマンびとエリパズ、シュヒびとビルダデ、ナアマ

びとゾパルは(行:イ)って、(主:シュ)が(彼:カレ)らに(命:メイ)じられたようにし

たので、(主:シュ)はヨブの(祈:イノ)を(受:ウ)けいれられた。

42 章 10 節 ヨブがその(友人:ユウジン)たちのために(祈:イノ)ったとき、

(主:シュ)はヨブの(繁栄:ハンエイ)をもとにかえし、そして(主:シュ)はヨブのすべ

ての(財産:ザイサン)を(二倍:ニバイ)に(増:マ)された。

Page 82: ヨブ (記:キ)e-mailbox.co.jp/toc/kyuyaku/yobuki.pdf · 2016. 9. 9. · ヨブ (記:キ) (第:ダイ)一(章:ショウ ) 1 章 1 節 ウヅの(地:チ)にヨブという (名:ナ)の(人:ヒト

42 章 11 節 そこで(彼:カレ)のすべての(兄弟:キョウダイ)、すべての(姉妹:

シマイ)、および(彼:カレ)の(旧知:キュウチ)の(者:モノ)どもことごとく(彼:カレ)のもと

に(来:キ)て、(彼:カレ)と(共:トモ)にその(家:イエ)で(飲:ノ)み(食:ク)いし、かつ(主:

シュ)が(彼:カレ)にくだされたすべての(災:ワザワイ)について(彼:カレ)をいたわ

り、(慰:ナグサ)め、おのおの(銀一:ギンイチ)ケシタと(金:キン)の(輪:ワ)一つを(彼:

カレ)に(贈:オク)った。

42 章 12 節 (主:シュ)はヨブの(終:オワ)りを(初:ハジ)めよりも(多:オオ)く(恵:

メグ)まれた。(彼:カレ)は(羊:ヒツジ)一万四(千頭:セントウ)、らくだ六(千頭:セントウ)、

(牛:ウシ)一千くびき、(雌:メス)ろば一(千頭:セントウ)をもった。

42 章 13 節 また(彼:カレ)は(男:オトコ)の(子:コ)七(人:ニン)、(女:オンナ)の(子:

コ)(三人:サンニン)をもった。

42 章 14 節 (彼:カレ)はその(第:ダイ)一の(娘:ムスメ)をエミマと(名:ナ)づけ、

(第二:ダイニ)をケジアと(名:ナ)づけ、(第三:ダイサン)をケレン・ハップクと(名:

ナ)づけた。

42 章 15 節 (全国:ゼンコク)のうちでヨブの(娘:ムスメ)たちほど(美:ウツク)し

い(女:オンナ)はなかった。(父:チチ)はその(兄弟:キョウダイ)たちと(同様:ドウヨウ)

に(嗣業:シギョウ)を(彼:カレ)らにも(与:アタ)えた。

42 章 16 節 この(後:ノチ)、ヨブは百四十(年:ネン)(生:イ)きながらえて、そ

の(子:コ)とその(孫:マゴ)と(四代:ヨンダイ)までを(見:ミ)た。

42 章 17 節 ヨブは(年老:トシオ)い、(日:ヒ)(満:ミ)ちて(死:シ)んだ。