驚くべき医療のマイクロロボット...驚くべき医療のマイクロロボット...

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驚くべき医療のマイクロロボット 水野 めぐみ 村上 晶穂 日和 悟 廣安 知之 2016 4 29 IS Report No. 2016042810 Report Medical Information System Laboratory

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驚くべき医療のマイクロロボット   

水野 めぐみ 村上 晶穂 日和 悟 廣安 知之   

2016年 4月 29日   

IS Report No. 2016042810   

ReportMedical Information  System Laboratory  

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Abstract

低侵襲医療の実現と医師の手では届かない細部の治療を行うため,マイクロロボットの開発が行われ

ている.医療におけるマイクロロボットは,小さいだけでなく,安全なものが求められている.ヒド

ロゲルという素材が注目されており,素材の特性だけで細胞を掴み取ることができるようになった.

また,血管を通るサイズのロボットを低コストで作製することができるようになった.現在,磁性粒

子を埋め込み,目的部位に遠隔で誘導することが考えられている.

キーワード: マイクロロボット, 生体適合性, ヒドロゲル, 3Dプリント

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目 次

第 1章 はじめに . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2

第 2章 マイクロロボットの概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

2.1 マイクロロボットの定義 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

2.2 医療におけるマイクロロボット . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

第 3章 硬いロボット . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4

第 4章 軟らかいロボット . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5

4.1 ヒトデ型ロボット(グリッパー). . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5

4.1.1 ヒドロゲル . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6

4.1.2 グリッパーの利用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6

4.2 マイクロフィッシュ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7

第 5章 今後の課題と展望 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8

第 6章 まとめ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9

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第 1章 はじめに

近年,半導体技術の発展により,電気回路と微細な機械構造を,一つの半導体基盤上に集積させた

MEMS (Micro Electro Mechanical Systems)技術が開発された.これにより,ミリメートルオーダー

の基盤で物理的信号を電気信号に変換し処理し,駆動することが可能となり,多くのデバイスが小型

化されてきた [1].医療分野ではこの技術がカプセル型内視鏡に応用され,自走可能で,情報通信機

能を備えた小型機器が開発された.これにより,直径 11mm,全長 26mmのカプセルを飲むだけで

体内の撮影を行うことが可能となった.しかし,このカプセルでは,発見した病気を治療することは

できていない.

また,医師の手では,届かない部分や精度に限界があり,重要なものが密集している神経の周辺,

脳の深部や毛細血管など,まだまだ治療できない病気がある.そして,薬には副作用という問題があ

る.がんの治療によく用いられる抗がん剤は,健全な細胞の増殖も止めてしまう.そのため,脱毛,

吐き気・嘔吐,味覚異常による食欲不振などを引き起こし,辛い闘病生活を余儀なくされる [2].これ

らの課題の解決を目指し,より低侵襲に,より細部にロボットを挿入し,人間の手で行えない部位の

治療や目的部位にのみピンポイントに薬を届ける DDS (Drug Delivery System)を実現させるため,

マイクロロボットの開発が進められている.DDSが実現されれば,副作用を大幅に減らすことがで

きるほか,薬の投与量も減らすことができる.そのため,医療費の増加という社会問題の改善にもつ

ながる [3].

本稿では,医療におけるマイクロロボットが求められていること,現在開発が進んでいる技術,そ

して今後の課題と展望について述べる.

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第 2章 マイクロロボットの概要

2.1 マイクロロボットの定義

マイクロロボットの定義は明確ではない部分がある.物理的サイズが 1mm以下のロボットを示す

ことがある一方で,単に従来よりも小型化されたものを示すこともある.現状として,1mm以下の

マイクロロボットは実用化にいたっていないため,10mm以下のものをマイクロロボットとされるこ

とが多い [4].

また,世間では,自動機械を全てロボットと称される風潮があり,人によってロボットの概念は著

しく異なっている.検索エンジンのような物理的な形のないプログラムだけのものをロボットという

こともあり,技術の進歩に伴って,ロボットの定義は変化している.しかし,共通して言えることは,

人間の代わりに作業を自律的に行うものであることである [5] [6].

2.2 医療におけるマイクロロボット

生体内部にロボットを挿入するためには,単に小さいだけではなく,安全性が求められる.そのた

め,従来のような無機質なロボットではなく,生体適合性の高い素材で構成されたマイクロロボット

の開発が注目されている.このようなロボットの開発には,材料の特性をいかに機械要素として活用

するかが大きな課題となっている.また,生体内部に機械を入れる場合,感染症が心配されるため,

機器は使い捨てされている.そのため,低コストで製造できることが求められている.

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第 3章 硬いロボット

直径 1mm,長さ 5mmの血栓を除去するためのロボットがある.このロボットは,人間の血流速度

と脈拍が似ている生きたミニ豚の血管で作動の試演が行われている.人間の血液は,血流速度が 0-

666mm/sの間を不規則に動くため,目的部位までの誘導が難しいとされてきたが,冠状動脈と大静

脈・大動脈など太い血管の中を動き,目的部位に移動しながら詰まった血管を通すことを可能にして

いる.ロボットは 20-30回 /sで回転し,ドリルのように血栓に穴を開けて血を通す.ロボットを動か

す動力は外部の磁場で,血管内の移動経路は,血管内部のロボットを見ながら外部で操縦すること,

プログラムによって自動で動かすことができる [7].このように直径のサイズが 1mmと少し大きい

ものの,大動脈であればロボットが血管の中を自走することができるようになってきている.

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第 4章 軟らかいロボット

4.1 ヒトデ型ロボット(グリッパー)

Fig. 4.1に,ジョン・ホプキンス大学の研究チームによって開発された,ヒトデ型のロボットの構造

を示す.ヒドロゲルの一種である吸湿性の高いポリN-イソプロピルアクリルアミド (pNIPAM-AAc:

N-isopropylacrylamide-co-acrylic acid)の層の上に,吸湿性の低いポリプロピレンフマル酸 (PPF)が

配置されている.このロボットは,温度,酸性度の変化によって膨張伸縮を起こすヒドロゲルによっ

て,バッテリーのような電力源を搭載しない,素材の特性によって開閉する仕組みとなっている.

Fig. 4.1 グリッパーの構造(参考文献 [8]より自作)

Fig. 4.2には,温度による物質 2種類の構造変化を示す.そして,Fig. 4.3にはこの構造変化によ

るグリッパーの開閉の様子を示す.36℃を超えると pNIPAM-AAcは水を放出し,収縮する.それ

により,開いた状態のグリッパーは PPFが付着している面を外側にして閉じる.そして,36℃よ

り低くなると pNIPAM-AAcは,水を吸収し,膨張する.それにより,開いた状態のグリッパーは

pNIPAM-AAcの面を外側にして閉じる.2種類の物質の厚みや PPFの間隔を調整することにより,

様々な大きさのグリッパーを作ることができる.また,数百 µmのグリッパーも実現可能であると考

えられている.

Fig. 4.2 温度に対する構造の変化(参考文献 [8]より自作)

Fig. 4.3 グリッパーの開閉の様子(参考文献 [8]より自作)

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4.1ヒトデ型ロボット(グリッパー) 第 4 章 軟らかいロボット

4.1.1 ヒドロゲル

水になじみやすい物質により 3次元網目構造が形成されると,網目の中に閉じ込められた水分子が

流動性を失い,固体状になる.このような物質を総称してヒドロゲルと呼ぶ.身近な例には,寒天や

ゼリーなどが挙げられる.ヒドロゲルの水の含有量は著しく高いため,生体適合性に優れており,コ

ンタクトレンズや細胞培地などに使用されている.Fig. 4.4に,ヒドロゲルが膨張伸縮する仕組みを

示す.ある種のヒドロゲルは温度などの外部刺激に応答し,可逆的に脱水和・水和することによって

膨張伸縮し,体積変化起こす.この特性を利用し,軟らかく,軽く,ウェットなアクチュエータとし

て注目されている.人工臓器などにも応用されており,今後医療分野で欠かせない素材になる [9].

加熱

冷却

Fig. 4.4 ヒドロゲルの膨張伸縮(参考文献 [9]より自作)

4.1.2 グリッパーの利用

グリッパーはゲルという軟らかい素材で構成されているが,細胞を掴み取ることができる.現段階

では,次のような利用が考えられている.まず,グリッパーを 4℃まで冷やし,完全に閉じた状態に

し,カテーテルに挿入する.次に,カテーテルによってグリッパーを開き,目的部位にのせる.体内

の温度は 36℃より高いためグリッパーは逆方向に閉じる.このようにして,細胞を掴み取ることが

考えられている.

また,磁性ナノ粒子を加えることにより,磁性プローブによって遠隔でグリッパーを誘導すること

ができる.これを利用し,遠隔で目的部位まで操作し細胞を掴み取ることが期待されている.そして,

薬を掴ませ,目的の場所でリリースすることが考えられている.

このように,グリッパーによって健全な組織を破壊する切開手術を行うことなく,大腸がんや腫瘍

などを掴み取るという外科的手術を行えるようになることが期待され,またDDSの実現が考えられ

ている.このロボットの長所は,ヒドロゲルの特性により,体内で自己分解し排泄することができる

ため,薬をリリースした後に,体外へロボットを取り出す必要がない [10].また,磁場による遠隔操

作中に,位置を見失っても自己分解できるため,安全であると考えられる [8].

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4.2マイクロフィッシュ 第 4 章 軟らかいロボット

4.2 マイクロフィッシュ

マイクロフィッシュはカリフォルニア大学サンディエゴ校Wei Zhuが開発したロボットで,大き

さ 0.12mm,厚さ 0.03mmと髪の毛の太さよりも小さな魚型ロボットである.このロボットも主に

ヒドロゲルの一種であるポリエチレングリコールジアクリレート (PEGDA)で構成されている.Fig.

4.5(a)にマイクロフィッシュの構造を示す.この魚の体全体にはポリジアセチレン (PDA)のナノ粒子

が散りばめられ,尾びれには白金のナノ粒子,頭部には酸化鉄のナノ粒子が埋め込まれている.PDA

は毒素を中和することができる物質でこのロボットを汚染された液体に入れると毒素を中和すること

ができる.また,毒素を中和するときに蛍光発光するため,毒素の探知をすることも可能である.ま

た,尾びれの白金ナノ粒子が,過酸化水素と反応することで,尾が動いて前進することができる.過

酸化水素は酸素を消費する過程で発生する反応性の高い副産物であり活性酸素の一種で,体内に存在

する物質である [11].そして,頭部に酸化鉄が埋め込まれていることにより,磁気で遠隔に操作する

ことができる.このロボットの最大の特徴は,µCOP(microscale continuous optical printing)とい

う 3Dプリント技術によって数秒で数百個のマイクロフィッシュを作ることができることである [12].

Fig. 4.5(b)に µCOPの仕組みを示す.設計は computer-aided design (CAD)によって行う.紫外線

光を digital micromirrors device (DMD)チップに照射する.DMDチップは,約 200万枚のマイクロ

サイズの鏡を制御することができる半導体チップであり,PEGDAに紫外線光を反射させることによ

り,1µmの解像度でプリントすることが可能である.PEGDAは光硬化性を示す物質である [13].

(a) マイクロフィッシュの構造

(参考文献 [13]より自作)

(b) µCOPの仕組み(参考文献 [13]より自作)

Fig. 4.5 マイクロフィッシュの構造と作製の仕組み

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第 5章 今後の課題と展望

血管ロボットにより,大動脈のような太い血管であれば,ロボットが自走できるようになり,血栓を

除去できるようになった.しかし,細い血管ではまだ利用できない大きさである.血管ロボットは,

無機質な素材で構成されており,生体適合性が低いため,体内に挿入することに抵抗を感じる人もい

る.また,体内に残留すると危険であった.一方で,グリッパーやマイクロフィッシュは生体適合性

が高い素材により構成されており,安全性の高いロボットが開発された.グリッパーにより素材の特

性のみで細胞を掴み取ることができるようになった.血管を通れる大きさで作製することで,薬を掴

ませ目的部位にのみ薬を運ぶことができるようになる.しかし,体内でどう遠隔に目的部位まで移動

させ,温度調節を行うかという課題がある.また,血管に入り込むことができる大きさであるマイク

ロフィッシュに,ナノ粒子を埋め込み,磁性により遠隔操作できるようになった.µCOPの技術によ

り数秒で数百個作製することができるため,低コストで作製が可能となった.グリッパー同様,体内

でどう誘導するかといった課題はあるが,薬を埋め込むことができれば,低コストなDDSの実現に

利用できる.

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第 6章 まとめ

本稿ではマイクロロボットの開発のために現在どのような研究がされているかを述べた.低侵襲に医

師の手では行えない細部の治療を行うため,マイクロロボットの開発が行われている.ヒドロゲルと

いう安全性の高い素材によるロボットの開発が注目されてきた.体内でどのように遠隔操作するのか

という課題があるが,グリッパーにより,温度変化によって細胞を掴み取ることが可能となった.マ

イクロフィッシュにより血管内に挿入できる大きさで,スムーズに動くことができるロボットが開発

された.また,ロボットが単純な構造であり,3Dプリントの技術が進歩したことにより,これらを

低コストに高速に,作製することができるようになった.

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参考文献

[1] “動く半導体で,様々な機器の小型・軽量・高性能化を実現,” http://www.nedo.go.jp/hyoukabu/

articles/201316omron/index.html, 閲覧日:2016年 4月 29日.

[2] http://www.kobemc-gan.jp/?cat=43 閲覧日:2016年 4月 29日.

[3] “エレクトロニクスで投薬を制御する,” http://www.tel.co.jp/museum/magazine/medical/

121012_topics_03/04.html, 閲覧日:2016年 4月 29日.

[4] 光岡 豊一福田 敏男, 夢のマイクロロボット, 第 1版, 株式会社オーム社, 1995.

[5] 舟久保煕康, “医用ロボットの展望,” https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmbe1963/

20/6/20_6_451/_pdf, 閲覧日:2016年 4月 29日.

[6] “検索エンジンロボットを制御する,” http://tech.bayashi.net/pdmemo/robots.html, 閲覧

日:2016年 4月 29日.

[7] “詰まった血管を通すロボットを開発…世界初,” http://japanese.joins.com/article/136/

129136.html?servcode=&sectcode=, 閲覧日:2016年 4月 29日.

[8] J.C. Breger, C. Yoon, R. Xiao, H.R. Kwag, M.O. Wang, J.P. Fisher, T.D. Nguyen and D.H.

Gracias, “Self-folding thermo-magnetically responsive soft microgrippers,” ACS applied mate-

rials and interfaces, vol. 7, no. 5, pp. 3398–3405, 2015.

[9] “光を当てるだけで何度でも望む場所を加工できるヒドロゲルを開発,” http://www.riken.jp/

pr/press/2013/20130703_1/#note1, 閲覧日:2016年 4月 29日.

[10] “仕事を終えたら体内で自動分解される医療用マイクロロボット,” http://www.gizmodo.jp/

2015/02/post_16623.html, 閲覧日:2016年 4月 29日.

[11] “生体内のレドックス(酸化還元)反応と活性酸素種,” http://www.sci.toho-u.ac.jp/bio/

column/031624.html, 閲覧日:2016年 4月 29日.

[12] “未来の医療を担う?「魚型のマイクロロボット」に期待されること,” http://www.lifehacker.

jp/2015/09/150912_3dprinted_fish.html, 閲覧日:2016年 4月 29日.

[13] W. Zhu, J. Li, Y.J. Leong, I. Rozen, X. Qu, R. Dong, Z. Wu, W. Gao, P.H. Chung, J. Wang,

et al., “3D-Printed Artifi cial Microfish,” Advanced Materials, vol. 27, no. 30, pp. 4411–4417,

2015.

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