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中国四国食料・農業・農村情勢報告 (概要版) 中国四国農政局 平成21年度 親切・丁寧、身近な相談しやすい農政局 この報告書は中国四国農政局ホームページからダウンロードできます。 http://www.maff.go.jp/chushi/hakusyo_josei/houkoku/index.html

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中国四国食料・農業・農村情勢報告

(概要版)

中国四国農政局

平成21年度

平 成 2 2 年 6 月

親切・丁寧、身近な相談しやすい農政局

この報告書は中国四国農政局ホームページからダウンロードできます。

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平成 21 年度 中国四国食料・農業・農村情勢報告 ≪概要版≫

中国・四国地域「農の姿」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・表紙裏

①12のプロジェクトで「親切・丁寧、身近な相談しやすい農政局」へ ・・・・・・・・・・1

②~新たな農政への大転換~「新たな食料・農業・農村基本計画」 ・・・・・・・・・・・3

③お米の消費拡大に子ども達も参加 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

特集編のイメージ図・はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

第1章 なぜ「連携」を進める必要があるのか ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

中国・四国地域には「強み」や「地域の宝」が存在 / 中国・四国地域では「弱み」も露呈 /

中国・四国地域における「連携」の必要性 /

第2章 「連携」事例の分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

「連携」手法の形 / 「連携」事例からみた「契機」「効果」「斬新性」の特徴

第3章 さらなる「連携」の発展に向けて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

「連携」の手法の新たな視点 / 「連携」の持続性の確保に向けたポイント

おわりに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13

【参考資料】調査事例の概要と「連携」の進化に向けたアプローチ ・・・・・・・・・・14

第1章 中国・四国の農業・農村の姿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18

中国・四国の農業生産・農業経済の動向 / 中国・四国の農業構造の動向 /

中国・四国の耕地・耕作放棄地の動向

第2章 食の安全の確保と「食」と「農」の結びつきの強化 ・・・・・・・・・・・・・19

食料自給率向上に向けた取組 / 食品の安全確保 / 消費者の信頼確保 / 食育の推進 /

地産地消の推進 / 米粉食品の利用拡大 / 食品産業及び容器包装・食品リサイクルの現状 /

食と農の連携(農商工連携の促進)

第3章 地域の特性を活かした多様かつ高度な農業生産の展開 ・・・・・・・・・・・・23

米政策 / 水稲 / 麦・大豆 / 園芸作物・特産作物 / 畜産 / 耕畜連携の取組

第4章 多様な農業生産を支えるヒト・農地・技術 ・・・・・・・・・・・・・・・・・26

水田経営所得安定対策 / 担い手の育成・確保対策 / 農地政策 / 耕作放棄地対策 /

農業生産基盤の整備等の状況 / 鳥獣被害防止対策の推進 / 知的財産の創造・保護・活用 /

環境に配慮した食料生産の推進 / 農産物等の輸出への取組の支援

第5章 元気な農業を実現する地域ぐるみでの農村の活性化 ・・・・・・・・・・・・・30

農山漁村の活性化に向けた取組 / 豊かなむらづくりへの取組 / 農地・水・環境保全向上対策 /

中山間地域の振興に向けた取組 / 農村の生活環境整備等 / バイオマスの利活用の推進

用語等の説明 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34

農業経済・農業構造等に係る主要指標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35

本文等で後に(※)が付いている語句の意味は、P34の「用語の説明」を参照して下さい。

概要版は「平成 21年度中国四国食料・農業・農村情勢報告」をもとに、「中国・四国地域の『強み』

や『地域の宝』を活かす『連携』手法を探る」をテーマに調査・分析を行った結果と「中国・四国

の食料・農業・農村の動向」について、ポイントとなる部分をとりまとめたものです。

なお、本書の詳細な内容については、「平成 21年度 中国四国食料・農業・農村情勢報告」に記

載していますので、そちらもご覧になってください。

トピックス

【特集編】中国・四国地域の「強み」や「地域の宝」を活かす「連携」手法を探る

【動向編】中国・四国の食料・農業・農村の動向

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○中国・四国地域は、多様な気象条件や地形条件のもとで様々な農産物の生産や地域住

民の活動が展開されています。

○このような地域農業、地域の強みを活かし、問題を一つずつ解決していくため、農

政局の施策を実施することに加え、農政局の職員一人ひとりが農業者、消費者、地

域の人の声を聞き、施策をわかりやすく伝え、一緒に考えるなど利用者の視点に立

つことが必要となっています。

○2009 年度から農政局の独自の取組として、利用者の視点に立ち、中国・四国の特性

を踏まえた重点課題について、部局横断、県等との連携による現場主義パッケージ

化プロジェクトに取り組んでいます。

農政局独自の現場主義パッケージ化プロジェクトを始動

トピックス① 12 のプロジェクトで「親切・丁寧、身近な相談しやすい農政局」へ

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○"利用者の視点に立つ"ためには、農業者、消費者、地域の人の声を直接聞き、施策

をわかりやすく伝え、一緒に考えることが必要となります。農政局では、2009 年度

の新たな取組である現場主義・情報発信プロジェクトの一環として、次の取組を実

施しました。

(1) 「一日農政局in○○」の開催

○管内全県(9回)で、農政局幹部職員が地域住民の方々と車座になって、地域の課

題の解決策について一緒に考えました。参加者からは「このような機会をどんどん

増やしてほしい」、「今後とも農政局との連携を密にしたい」などの意見が出されて

おり、今後もきめ細やかな「一日農政局」に取り組むこととしています。

(2) 「所属長と現場の方との意見交換」の実施

○所属長(局長、次長、局室・部長及び所長)が一年間で 100 人以上の地域リーダー

や先駆者の方と意見交換を行い、現場で聞いた貴重な意見を農政局が行う施策等に

反映しました。この意見交換で出会った方とは、人とのつながり・ネットワークの

形成が図られ大きな成果となりました。

現場主義・情報発信プロジェクトにより地域の声を聞き一緒に考える取組

in隠岐の島町(6/24)~町を元気にするための一次産業を核とした町興し~(島根県隠岐の島町)

inれいほく(2/9)~れいほく八菜・八稲・八恵、畜産等による地域興しについて~(高知県土佐町)

in西条(1/27)~食と農の連携によるブランドづくりについて~(愛媛県西条市)

in徳島(10/27)~青年農業者がリードする徳島農業~(徳島県徳島市)

in三豊市(8/26)~学校給食における地元農畜産物

の利用促進~(香川県三豊市)

in仁保(11/10)~中山間地域における農村コミュ

ニティを中心とした地域づくり~(山口県山口市)

in広島(7/22)~お米の新たな需要の創出~(広島県東広島市)

in美作(9/15)~「食」と「農」の絆を深める「食農

教育」~(岡山県津山市)

in鹿野町(11/24)~持続的な集落機能の発揮と営農展開について~(鳥取県鳥取市)

地域のブランドづくりを検討

-in 西条より-

地域の方と一緒に考えた内容と一日農政局の開催地

町興しについて活発な議論を展開

-in 隠岐の島町より-

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○食料・農業・農村基本計画は、食料・農業・農村基本法に基づき、食料・農業・農

村に関し、政府が中長期的に取り組むべき方針を定めたものであり、情勢変化等を

踏まえ、概ね5年ごとに変更することとされています。

○2010 年3月 30 日、政府は、食料・農業・農村をめぐる情勢の変化などを踏まえ、

食料・農業・農村基本法の基本理念を具体化し、農業・農村の再生を図るため、新た

な食料・農業・農村基本計画を閣議決定しました。

○新たな食料・農業・農村基本計画では、策定から 10 年後の食料自給率の目標が供給

熱量ベースで 45%から 50%に引き上げられるとともに、「戸別所得補償制度」「農

業・農村の6次産業化」等が新たに掲げられています。

○2011 年度の戸別所得補償制度の本格実施に向け、事業の効果や円滑な事業運営を検

証するために、2010 年度に戸別所得補償モデル対策を実施することとなりました。

○戸別所得補償モデル対策のねらいは、我が国の食料自給率向上のために、日本の優

れた生産装置である水田を余すことなく活用すること、そして水田農業の「テコ入

れ」を行うことにあります。

○そのため自給率向上のポイントとなる麦・大豆・米粉用米・飼料用米等についてシ

ンプルで分かりやすい助成体系の下に「生産拡大を促す対策」と、水田農業の経営

安定を図るために、恒常的に赤字に陥っている「米に対して補填する対策」をセッ

トで行うものです。

○農政局では、岡山県岡山市でのブロック説明会及び管内各県別の説明会等で対策の

内容について丁寧に説明し、広く周知するとともに、農政局内の「戸別所得補償制

度推進室」及び管内農政事務所に、本制度に関する情報提供、意見等の把握を行う

相談窓口を設置し、関係機関、農業者からの問合せや相談に応じています。

2010 年3月 30 日新たな食料・農業・農村基本計画が閣議決定

トピックス② ~新たな農政への大転換~「新たな食料・農業・農村基本計画」

戸別所得モデル対策の円滑な推進に向けた取組

農林水産省ホームページ 「新たな食料・農業・農村基本計画」

http://www.maff.go.jp/j/keikaku/k_aratana/index.html

農政局ホームページ 「戸別所得補償制度に関する窓口一覧」

http://www.maff.go.jp/chushi/iken/kobetuhosyo.html

中国四国ブロック説明会の様子

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(1) 水田利活用自給力向上事業

○自給率向上のために水田で麦・大豆・米粉用米・飼料用米等を生産する販売農家・

集落営農の皆さんに、主食用米と同等の所得を確保できる水準を国からの直接支払

いにより実施します。

(2) 米戸別所得補償モデル事業

○自給率向上のための環境整備を図るために、恒常的に生産に要する費用が販売価格

を上回る米に対し、国からの直接支払いにより実施します。

○生産数量目標に従って生産する販売農家・集落営農の皆さんに対して、主食用米の

作付面積 10a当たり1万5千円を定額交付します。(定額部分)

○米の価格が下落した場合には、追加の補てんも行います。(変動部分)

○農業・農村の活力が低下し地域の維持・存続も危ぶまれているなか、農業や農村の

再生・活性化を図るためには、農林水産物等をはじめ農村に存在する資源を有効に

活用し、農業サイドによる生産・加工・販売の一体化、第1次産業としての農業と

第2次産業としての製造業、第3次産業としての小売業等の事業との融合による地

域ビジネスの展開と新たな業態の創出を促し、農山漁村の活性化に寄与する「農山漁

村の6次産業化」を推進していくことが重要となっています。

○2010 年3月には農林漁業者等の「農林漁業経営の改善」を目的とする「農林漁業者等

による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律案(6次産業化法案)」が閣議決定

され、国会にて審議されているところです。

○「農山漁村の6次産業化」を推進するため、2010 年度から「未来を切り拓く6次産業

創出総合対策」を創設し、農林水産業・農山漁村の有する「資源」を活用した地域ビジ

ネスの展開等を支援し、農林水産業の成長産業化、食品産業の高度化、新産業の創

出を図ることとしています。

○農政局においても、食品関連事業者、農林漁業者等(事業者等)から事業内容や事業

申請手続きなどについての問い合わせに対応するため、2010 年3月に未来を切り拓

く6次産業創出総合対策について相談受付窓口を設置し、食品関連事業者、農林漁

業者等への情報提供や相談対応を一元的に行っています。

農山漁村の6次産業化の推進に向けた取組

戸別所得補償モデル対策の概要(シンプルでわかりやすい二つの事業)

 

 変動部分 変動部分なし

標準的な販売価格

   標準的な生産に要する費用

当年産の販売価格

当年産の販売価格

(※)交付対象面積は主食用米の作付面積から一律 10a 控除して算定されます。

定額部分 1.5万円/10a

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○農政局、農政事務所では、米の消費拡大を目的とした朝食欠食の改善や米飯学校給

食の推進、米の新用途の需要拡大を目的とした米粉食品の普及拡大の取組等を展開

しており、これらの取組には次世代を担う子ども達も参加しています。

子ども達の笑顔があふれ体育館全体が一つの「食卓」に

〇農政局と広島農政事務所は、食料自給率を上げるための試みとして、広島県内の小

学校で 2010 年1月 12 日~15 日の期間に毎朝、児童全員に始業前の早朝に体育館に

集まって、おにぎりや味噌汁を食べてもらう取組を行いました。自主参加でしたが

参加率は約9割となり、熱心な子ども達ばかりでした。

〇おにぎりや味噌汁をもらった子ども達は、小さなグループになって楽しそうにおに

ぎりをほおばっていました。当日は、体育館全体が一つの「食卓」のようでした。

〇普段朝食でパンを食べることが多い子ども達も、今回おにぎりを食べたことでご飯

が好きになった子どもが増えたようです。

〇同小学校の6年生とその保護者に、食事の大

切さや食料自給率の現状を説明する特別授

業を行いました。授業の後のアンケートでは、

大半の参加者は家庭に帰り、家族みんなで食

べ物の大切さ等について話し合ってみたい

と回答していました。

米粉食品を若い世代に積極的にアピール

〇農政局、農政事務所では、米粉の更なる普及・

推進を図ろうと、消費者の方々に身近に米粉食

品を利用して頂く取り組みとして、幼稚園・小

学生の親子や、高校生といった若い世代を対象

にした米粉パン・ケーキ等の実技講習会等を行

っています。

トピックス③ お米の消費拡大に子ども達も参加

前からごはんが好き41%

かわらない 2 5%

好きにならなかった 2%

ご飯が好きになった30%

毎日パン、パンの日が多い5 3%

ごはんの日が多い30%

食べなかったなど2%

毎日ごはん13%

ごはんやパンは食べないなど 4%

図Ⅰ-1 参加児童のアンケート結果(抜粋)

資料:中国四国農政局調べ

注:アンケートは 258 名が回答

体育館がにぎやかな食卓に

保護者も真剣に聞いています

お父さんに愛情いっぱい手作り

のロールケーキをプレゼント

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中国・四国地域の「強み」や「地域の宝」を活かす 「連携」手法を探る 【特集編】特集編のイメージ図

中国・四国地域の特徴

立地条件

様々な都市が適度に配置

気象条件

地域により多様な条件 ・日本海側 ・瀬戸内海 ・太平洋側

地形条件

中山間地域が主 ・急傾斜地 ・狭い集落内耕地

交通条件

・縦横に整備された高速道路 ・管外近隣 大都市 圏へのアクセス向上

特集編のイメージ図

農業・農村の衰退が

全国より早く進行

・耕地面積の減少 ・耕作放棄地の増加 ・農家戸数の減少 ・基幹的農業従事者の 減少

「弱み」…「弱み」が露呈

土地利用型農業

に厳しい制約

・小さい経営規模 ・高い生産コスト 「米どころ」の東北 ・ 北陸地域との違い

「強み」…「地域の強み」や「地域の宝」が存在する もののさらに活かす必要

生産地と消費地が近接 する地域構造

・農業者・農村住民と 消費者・都市住民の 交流等に強み

・地域ビジネスの可能性

多様かつ高度な生産の可能性 ・先進的な6次産業化の事例

の存在 ・中国の畜産物、四国の野菜・果樹等多様な生産

中国・四国地域の「強み」や「地域の宝」を活かした総合的・戦略的展開が必要

再生への「テコ入れ」

(零細な )水田農業の

再生に向けたテコ入れ

平成 22 年度

戸別所得補償モデル対策 ・水田利活用自給力向上事業 ・米戸別所得補償モデル事業

畑作・畜産等へのテコ入れ

リンクして推進

(車の

両輪)

「強み」を発揮

多様かつ高度な農業生産の

さらなる展開

複合化 他作物との 複合経営 多角化 加工・販売等 農外関連産 業への取組

6次産業化 地域資源・人 材を活用し て、地域全体 で農業を中心 とする経営の 6次産業化

「連携」 がキーポイント

個々の 技術 ・ ノウハウ 及び 施 策だけで は限 界 がある

①地域自らの創意・工夫 ②「参加・支援・応援したくなる」魅力の発掘 ③儲かる農業への取組

中 国・ 四国 地域の 「連 携」 の事例調査と分析

施策の

パッケージ化

地域の取組を 支えるため、 部局横断的な 「中国四国農 政局独自の現 場主義パッケ ージ化プロジ ェクト」に取 り組む

多様な主体の

マッチングの

促進等

中国四国農政局

の 「連携 」の取組

のポイント

連携の手法の新たな視点

重層的な連携軸 集落営農を核とした 地域協働と能力に応 じた個別営農の両立 (タテ軸の連携) 【わくわくつわの協同組合の事例】

(ビジネスの )チェーン化 異業種・異分野との ヨコ軸の連携 (農商工連携等 )

地域ぐるみによる協働 不利な条件を「地域 ぐるみ」の助け合い で解決

「連携」の持続性確保に向けた ポイント ①地域内の多岐に わたる「連携」が 生み出す相乗効果

②農業者の地域・ 都市住民 ・消費 者等への貢献に 対し、地域等は 農業者を応援

③地域の資源(宝)・マンパワー に応じた、地道で無理のなく息の長い取組

④他産業とのWin-Winの 関係の構築

⑤新たな「ヒト(人材)」の参入による刺激

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(1 ) 生産地 (農村 )と 消費地 (都市 )の 近接

〇特徴が異なる様々な都市が適度に分散し

て配置される中国・四国地域では、農業者

と消費者の交流、農村住民と都市住民の交

流等、「生産地 (農村 )と消費地 (都市)がお互い比較的近くに位置している」といった見

方が可能です。 〇また、様々な都市圏が独立して配置され

ることによって、各都市圏を中心とした地

域ビジネスの展開の可能性も大きいとも

いえます。 (2 ) 先進的 な6 次産 業化の 事例 の存在

〇中国・四国地域には、地域の多様な農畜産物や人材を活かした農業・農村の魅力の発

掘により、地域や施設への来訪者数の増加等の効果を挙げている先進的な6次産業

化※の事例が存在しています。

はじめに 厳しい環境にある農業・農村の閉塞感を打開し、中国・四国地域の農業・農村を元

気にするためには、中国・四国地域の気候条件による多様な農業生産や様々な都市が

適度に配置される地域構造等の特徴を踏まえて、農業者が消費者、商業者・工業者、

販売業者、都市住民、地域非農家等様々な人と「連携」することが重要なポイントで

はないかと考えています。 しかし、「連携」に取り組むにあたっては、そのアプローチの仕方が様々であるとと

もに、そもそも連携相手が見つからないというように「マッチング」が課題となるこ

ともあります。 本報告書では農業者等の「連携」のアプローチに焦点を当てて、事例調査や分析を

行うことにより、「連携」に係る手法や「連携」の持続性の確保に向けたポイント等を

取りまとめました。

中 国 ・ 四 国 地 域 に は 「 強 み 」 や 「 地域の宝」が存在

図Ⅱ-1 中国・四国地域の都市配置

資料:平成 17 年度国勢調査を元に作成

第1章 なぜ「連携」を進める必要があるのか

先 進的 な6 次産業 化の 事例 :世羅高原6次産業ネットワーク(広島県世羅町) 広島県の中東 部に位置す る世羅町で は「生産者

のネットワーク による地域 丸ごとブラ ンド化」を

活動の理念として、1 9 99 年に世羅高原6次産業ネットワークが設立されました。 ネットワークに参加する第1~3次産業に係る

57 団体が連携を結び、各種イベントの実施・商品開発・直売所での販売等の取組を通じて、地域経済

の活性化を図っています。ネットワークの形成に

より 2 00 7 年の世羅町の観光客数はネットワーク設立時に比べて倍増の約 2 00 万人になりました。

0

50

100

150

200

250

00 01 02 03 04 05 06 07

世羅町観光客数 (世羅町統計より)(千人)

(西暦)

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(3 ) 気象条 件・ 地形 条件等 を活 かした 多様な農畜産物の生産 〇中国・四国地域では、多様な気象条件

や傾斜度の高い地形条件等により、

中国の畜産物、四国の野菜・果樹等、

県ごとに多様な農畜産物の生産が展

開されています。

(1 ) 農業・農村の 衰退 が早 く進行

〇「農業者」「農地」等の指標について、

全国で農業・農村の衰退の状況がみ

られるが、中山間地域が大宗を占め

る中国・四国地域はその進行が全国

平均に比べて早くなっています。 ・耕地面積、耕地利用率の減少 ・耕作放棄地率の増加 ・総農家数の減少 ・基幹的農業従事者 (特に 65 歳未満 )の減少

(2 ) 土地利 用型 農業 に厳し い制 約

〇中国・四国地域は地形等の制約から、販売農家1戸当たりの水稲作付面積は全国で最

も小さい地域の一つとなっています。また、小規模経営等により、米の生産コスト

(全算入生産費)は全国値に比べ中国・四国地域は大幅に高くなっています。

図Ⅱ-2 品目別農業産出額の割合

資料:農林水産省「平成 2 0 年生産農業所得統計」

中 国 ・ 四 国 地 域 で は 「 弱 み 」 も 露 呈

図Ⅱ-3 耕地面積、基幹的農業従事者等の推移

資料:農林水産省「農林業センサス」「 耕地及び作付面積統計」

注:1) 増減率は 2005 年/1995 年比。

2) 耕地利用率=作付延べ面積÷耕地面積

3) 耕作放棄地率=耕作放棄地面積÷

(経営耕地面積+耕作放棄地面積)×100

図Ⅱ-4 水稲作付規模(2005 年 ) 図Ⅱ-5 米の生産費(2008 年産の全算入生産費)

資料:農林水産省「2005 年農林業センサス」

注: 水稲作付規模は販売農家1戸当たり

の水稲作付面積

資料:農林水産省「平成 2 0 年産米生産費」

注 : ここでいう生産 費は資本 利子 ・地代全額

算入生産費

注: 中国地域・四国地域の生産費はそれぞれ

の地域の対象農家の平均値

0% 20% 40% 60% 80% 100%

鳥取

島根

岡山

広島

山口

徳島

香川

愛媛

高知

米 野菜 果実

畜産

その他

2005 1995 2005

469.2 46.9 40.9

増減率(%) ▲7% 増減率(%) ▲13%

耕地利用率 93.4% 95.4% 85 .5%

38.6 4.0 6.1

増減率(%) 58% 増減率(%) 52%

耕作放棄地率(%) 9.7% 9.8% 17 .1%

284.8 55.8 45.9増減率(%) ▲17% 増減率(%) ▲18%

224.1 36.6 30.5

増減率(%) ▲12% 増減率(%) ▲17%

95.4 17.9 10.0

増減率(%) ▲38% 増減率(%) ▲44%

中国・四国

基幹的農業従事者 (万人)

全国

1995

503.8

24.4

344.4

25 6.0

耕地面積(万ha)

97.7%

5.6%

うち65歳未満(万人)

154.3

耕作放棄地

面積 (万ha)

総農家数(万戸)

0.96

うち中国 0.63うち四国 0.55

水稲作付規模 (ha/戸)

 全国 146,754うち中国 178,792うち四国 194,699

 全国

10a当たり米生産費 (円)

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(農業 者及び 農業 ・農村 の活 力の 再生に向けて)

〇中国・四国地域の農業・農村の「活力」を再生するためには、地域の「強み」や「地

域の宝」を活かして、①地域自らの創意・工夫、②農業・農村の『参加・支援・応

援したくなる』ような魅力の発掘、③儲かる農業への取組、により農業者及び農業・

農村が元気になる必要があると考えています。 (「弱 み」に 対し て戸別 所得 補償 モデル対策等による農業再生への「テコ入れ」)

〇厳しい条件の水田農業等の再生に向けた「テコ入れ」として、水田農業では 2010年度(平成 22年度 )に水田利活用自給力向上事業、米戸別所得補償モデル事業からなる「戸別所得補償モデル対策」に取り組むとともに、畑作・畜産等の農業について

も各種施策を実施しています。 (「強 み」や 「地 域の宝 」を 活か した総合的かつ戦略的な施策の展開が必要)

〇土地利用型農業において地形的制約等がある一方、中国・四国地域は生産地と消費地

の近接や多様かつ高度な農業生産の可能性といった「強み」や、多くの良質な農畜

産物といった「地域の宝」が存在しています。 〇こうした「強み」や「地域の宝」を活かして、農業・農村の「活力」の再生を図る

ためには、中国・四国地域の多様な農業生産に応じて、総合的かつ戦略的に施策を

展開していく必要があります。 〇このため、「戸別所得補償モデル対策」等の農業再生に向けたテコ入れの取組に併せ

て、地域の「強み」や「地域の宝」を活かすため、農業経営の複合化・多角化や「農

業・農村の6次産業化」による新たな付加価値の創出の取組に、「車の両輪」として

互いにリンクさせながら、推進していくことが必要です。 (様々 な異分 野・ 異業種 との 「連 携」は、地域の「強み」の発揮へのキーポイント)

〇地域にはこうした「強み」や「地域の宝」を活かした先進的な経営体も存在するも

のの、「農業・農村の6次産業化」等により地域の「強み」や「地域の宝」をさら

に活かしていくためには、食品加工の視点や、販売・流通の視点、さらには観光の

視点等様々な分野の視点の技術・ノウハウが必要な場面も多くなりますが、個々の

技術・ノウハウ等だけでは限界があります。 〇様々な異分野・異業種の人材と「連携」することにより、それらの技術・ノウハウ

等を共有し、取り込んでいくことが、農業・農村のさらなる展開へのキーポイント

になると考えています。 〇また、こうした様々な異分野・異業種の人材と「連携」することにより、他分野の

技術・ノウハウ等を取り込むとともに、他分野の人材と接することによる農業者の

生産意欲への刺激や、「連携」による地域の一体感の醸造等といった相乗効果の発

揮も期待できます。

中国・四国地域における「連携」の必要性

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〇「連携」に関係すると思われる管内の多様な事例を収集して、それらの事例の「連

携」の『構成する者』『きっかけ・理由』『効果』『斬新性』等で整理しました。

〇様々な「連携手法」の形のなかから、2つの観点からの手法の構成に着目します。 【 (ビ ジネス の)チ ェー ン化 】

〇農商工連携や食農連携のように農業と異業種・異分野との「ヨコ」軸の連携手法で、主

に農業者と異業者が「 (ビジネスの)チェーン化」の「連携」を構成しています。内容としては、主に契約関係や商品開発等直接的に収益性向上に関わる取組が該当します。

【 地域 ぐる みによ る協 働】

〇地域の枠組のなかで地域住民が一緒に知恵を出し合い、助け合いながら、「地域ぐる

み」により地域の不利な条件を解決するとともに、多様な地域資源を守り育てるよ

うな取組です。内容としては、主に農地・水・環境の保全や食育、地域活性化等の取

組が該当します。 (「連携 」を始 める 『き っかけ ・理 由』の 特徴 )

〇農業・農村の衰退の進行を反映して、農業者の高齢化や耕作放棄地の増加等といった

地域・地域農業の衰退が契機となって「連携」を開始する事例が多くなっています。 〇商品開発に係る「連携」に取り組む事例では、食品業者は「地域の農産物を活用した商

品を開発したい」という思いから、農業者は「取引価格が低い規格外の農産物を有効

活用したい」という要望から「連携」を始めた事例が多く見られます。

(「連携 」によ る『 効果 』の特 徴)

〇「契約栽培による販売価格の上昇」、「地域活性化による定住人口の増加」、「放牧によ

る耕作放棄地解消」等様々な取組内容に応じた直接的な「効果」が発生しています。 〇直接的な効果以外では、直接販売の取組で消費者との交流により消費者ニーズを意

識するなど、「連携」の取組において、様々な者(消費者・都市住民等 )と交流することにより農業者に「生産意欲の向上」といった効果が生じる事例も多く見られます。

〇「農村住民と都市住民との交流」等の取組では、都市住民が交流した農業者と「契約栽

培」を結ぶなど、交流相手が地域の農業者を応援することにより、所得向上等の効

果が発生している事例も見られます。

(「連携 」によ る『 斬新 性』の 特徴)

〇農産物の輸出等「斬新性」の高い分野に取り組むことは、「連携」にとって必須ではな

いものの、消費者・マスコミ等の注目を集める有効な手段であり、注目によりブラ

ンド農産物の価値を高めるなどの付随的な効果が発生する可能性があります。

第2章 「連携」事例の分析

「 連 携 」 手 法 の 形

「 連 携 」 事 例 か ら み た 「 契 機 」「効果」「斬新性」の特徴

図Ⅱ-6 (ビジネスの)チェーン化の 「連携」のイメージ

資料:中国四国農政局作成

図Ⅱ-7 地域ぐるみによる協働の 「連携」のイメージ

資料:中国四国農政局作成

生産団体(JA)

原料の 契約栽培

異業者

食品業者[酒造] 農業者

農業者

団体 (地域活性化)

地 域

農業者 非農家 (地域内

全戸参加)

地域の各種団体

協力者 行政

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〇「連携」に関係する事例の中から、12 事例について現地調査や聞き取り調査を実施

し、「連携」の進化・持続性に向けたポイントを確認しました。 〇「連携手法」の形として「(ビジネスの )チェーン化」「地域ぐるみによる協働」に着目しました。「連携手法」の観点からみると、それぞれの手法の取組において、もう一方

の手法の視点を取り入れること、例えば「(ビジネスの)チェーン化」の取組を進める上で「地域ぐるみによる協働」の視点を取り入れることが、「連携」を発展させる上で

重要なポイントの一つと考えられます。 〇「(ビジネスの )チェーン化」のような「ヨコ」軸の連携とは異なり、各階層の組織が「タテ」軸のチェーンを形成して、

集落営農を核とした地域協働と多様な個別営農の両立

を図る先進的な「重層的な連携軸」を形成する新しい事

例が見られます。

第3章 さらなる「連携」の発展に向けて

「 連 携 」 の 手 法 の 新 た な 視 点

「(ビジ ネス の)チ ェー ン化」の連携 に「地域ぐ るみ によ る協働 」の視 点の 取込 の事例 :

(株 )遠 赤青 汁(愛 媛県 東温 市) 同社は農商工連携の取組や消費者への直接販売等の取組により「(ビジネスの )チェー

ン化」の色が強い事例ですが、地域の耕作放棄地を農地所有者と協働して解消する「地

域再生事業」を「地域ぐるみ」で取り組むことにより、地域からの同社への信頼が高まる

とともに、信頼感から商品のブランド力も高まるといった効果が発生しています。 (P17 参考資料)

重層的な連携軸を形成する新しい事例:わく わく つわの 協同 組合(島根 県津和 野町 ) 島根県津和野町において、機械の協同利用や地域貢献という観点から 11 の集落営農

法人を束ねる新たな協同組合が設立されました。協同組合・集落営農法人・個別農家が役

割分担をしながら重層的な「タテ」の連携を形成することにより、集落営農を核とした

地域協働と能力に応じた個別営農の両立を図っています。

「重層的連携」を構成する者の役割分担

各主体の

位置付け備考

事業

協同組合

機械の

共同利用と地域貢献

11の特定農業法人を束ねてスケールメリットを

活かせる取組

集落

営農

法人

土地利用型

農業の担い

リ ター ゙ー の目が

届く範囲で展開

個別

農家様々な経営

集落営農法人のオペレーターや観光農園等多様な取組

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(1 ) 地域内 の多 岐に わたる 「連 携」が 生み出す相乗効果

〇多様な者が「地域」の中で多岐にわたる連携軸を形成するこ

とにより、「地域」全体で一体感を持って活動に取り組むこ

とが可能です。さらに、連携軸の多様性により、幅広い分

野の農産物・技術・ノウハウ等を共有する可能性が広がる

とともに、相乗効果の発揮も期待できます。 (2 ) 農業者 の地 域・都 市住 民等へ の貢 献に 対し、 地域等は農業者を応援

〇農業者が、生産者・消費者間の農畜産物供給の関係を越えた、

農と福祉・食育・都市農村交流等の「地域」や「都市住民」等

への貢献が図られる取組を行うことにより、農業者への信

頼が高まり、「地域」等から農業者への「応援」を受けること

が期待されます。 (3 ) 地域の 資源(宝)・マン パワー に応 じた 、地道 で無 理なく息の長い取組

〇地域の資源(宝)やマンパワー等の実情をよく把握した上で、地域の実情に応じた、無理のない地道な息の長い取組を行うことが、持続性の確保において重要です。

(4 ) 他産業 との Wi n-W in の関係 の構築

〇「他産業とのWinーWinの関係の構築」は、特に「農業者」と「異業者」が経

済的な繋がりを重視して協力する「(ビジネスの)チェーン化」の手法をとる「連

携」において、「連携」の持続性を確保するにあたって必須の項目となっています。

「連携」の持続性の確保に向けたポイント

地 域が 農業 者を応 援し てい る事例 :えん たの れん こん推 進会 議(徳 島県 鳴門市 ) 地域住民・都市住民に対して、環境配慮型のれんこん生産をテーマとした食育の取組

を実施する同推進会議では、そうした取組の結果から、地域住民等から環境配慮型の

農業への理解が深まったことにより、地域の企業等からの協力を受け、れんこんのブ

ランド化を進めています。 (P16 参考資料)

地域の資源・マン パワー に応 じた 、地道 で息 の長い取組の事例:

備 前福 岡の 市圏地 産地 消推 進協議 会(岡 山県 瀬戸 内市) 備前福岡の市は月1回 (大市は年2回 )の開催で通常市は大規模ではないものの、地元

の農産物を地元で加工・販売・消費するといった地産地消の流れを作り上げています。

出展者は定期的・継続的に消費者と交流することにより、売れる商品の生産に対する意

識が向上しています。 (P14 参考資料)

Win-Winの関係の構築を図る事例:(有 )漂 流岡山 (岡 山県岡 山市) 同社では連携相手である生産者へは野菜の再生産可能な価格及び一定量での買取り

を行うことにより生産計画が立てやすくなるメリット、小売業者へは珍しい野菜の販

売や魅力的なPOPの活用により客を呼ぶ「魅力的な売り場」の提供により店がにぎわ

うというメリット、そして (有 )漂流岡山は集出荷に掛かる手数料の収入といったような3者のWin-Winの関係を構築しています。 (P14 参考資料)

地域内の多岐にわたる連携軸を形成する事例 :JA 香川 県象郷 支店 (香川 県琴 平町) 社会福祉協会が中心となって、生産者、JA、食品加工業者、観光協会、高校とい

った多様な者がそれぞれの特性を活かした役割分担により「連携」し、新商品の開発・

販売等による地域の産業振興という目標に取り組んでいます。 (P16 参考資料)

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(5 ) 新たな 「ヒ ト( 人材)」の参 入に よる刺激

〇他分野・他地域の人材が「連携」に参加することが重要です。人材の参加により、

新たな発想・視点の導入や客観性の確保、「地域の宝」の掘り起し等が可能となり、

「連携」の取組も活性化されることが期待されます。

おわりに 本報告書で整理した連携手法の新たな視点や、連携の持続性のポイントを踏まえて、

中国四国農政局が今後以下のよう な視点・意識で「連携」を含めた重要課題に取り組ん

でまいりたいと考えています。

(多様な主体のマッチングの促進)

農業者と異業者等多様な主体の「連携」を進めていくためには、多様な主体のマッチ

ングの促進が重要です。「連携」の取組も多様であることから、農商工連携のマッチン

グの取組に加えて、米粉製造者と需要者のマッチングや水田農家と畜産農家のマッチ

ング等、多様な分野の「連携」のマッチングをさらに促進していくことが必要です。 今後は、農政局の持 つ幅広い農業 分野の所掌や地 域に密着した 出先機関 (農政事務

所、国営事業 (務 )所 )の特徴を活かして、様々な「連携」、特に分野を越える「連携」や県境を越えるような「連携」のマッチングに、各部局の職員が情報等の連絡を密にしなが

ら「現場主義」で積極的に取り組みたいと考えています。 また、行政同士も積極的に「連携」を進めていくことが重要です。そのため、国と国 (省

庁間 )や国と県、県と市町村、市町村同士等の行政の「連携」のマッチングについても、行政の広域的な勉強会を開催するなど、積極的な役割を果たしたいと考えています。

(中国四国農政局における施策のパッケージ化の試み)

地域農業を元気にし、地域を活性化するため、中国四国農政局としては、「親切・丁

寧、身近な相談しやすい農政局」として、地域農業、地域の強みを活かし、問題を一つ

ずつ解決していく、現場第一の取組を掲げています。 連携の必要な理由の一つとして、「農業者の個々の技術・ノウハウでは取組に限界が

ある」ことを挙げました。中国四国農政局の業務で考えると、農政局では農業の各分野

の施策を各部局が、地域の実情に即して実施しています。加えて、そうした施策の効

果をさらに高めるとともに、幅広い分野や地域に密着した出先機関等の特徴を活かし

て様々な「連携」のマッチングに取り組むためには、部局・出先機関が横断的に課題に取

り組む必要があります。 そのため、中国四国農政局では農政局独自の取組として、中国・四国地域の課題・特

性を踏まえた重点課題について、部局横断・県等の連携による施策のパッケージ化の試

み (現場主義パッケージ化プロジェクト )に 2 0 09 年度より取り組んでいます。 現在、地域の課題・特性を踏まえた 12 の重点課題についてプロジェクトを設定して

おり、今後必要に応じ新たな課題の追加や既存の課題の整理・統合等を行う予定です。 中国四国農政局では、今後も「中国・四国の農業・農村が元気になる」ことを目指して、

「連携」を十分に活用しながら、様々な課題に対して問題を一つずつ解決していく、現

場第一の取組を行ってまいります。

新 たな 「ヒト (人材 )」の 参入 の事例 :市 山環境 保全 会(島 根県 江津市 ) 農地・水・環境保全向上対策に取り組む同団体の事務局長の牛尾さんは 2 0 05 年にUタ

ーンし、実家の農業 の傍ら市山公民 館長も務め地 域の活動に積極 的に参加され ていま

す。会社員の経験を活かして、取組活動における事務処理やプレゼンテーションソフト

の活用等に役立てるとともに、農業においてはデータを分析して経験則の可視化とコス

ト削減等に活かす取組を行うなど、地域農業への新たな刺激となっています。

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〇参考資料では現地調査や聞き取り調査を行った下記の事例の概要を紹介するととも

に、調査によって得られた「連携」の進化・持続性に向けたポイントを確認します。

【参考資料】調査事例の概要と「連携」の進化に向けたアプローチ

大 学 の 先 生 が ベ ン チ ャ ー 企 業 を 設立し、生産者、食品業者、地域の有志等と「連

携 」 し て 休 耕 田 を 活 用 し た 淡 水 魚ホンモロコの養殖 ・加 工・販 売 ◆ (有 )内水 面隼研 究所 、鳥 取県ホ ンモ ロコ生産組合 (鳥取 県八頭 町) ○大学の助教授であった七條さんが、ベンチャー

企業を設立し、休耕田を活用した淡水魚ホンモ

ロコの養殖・加工・販売に取り組んでいます。 ○生産者 (生産組合 )、大学、県漁業センター、食品業者、建設業者等地域の多様な者と多岐にわ

たる連携を形成しているのが特徴的です。 ○「 (ビジネスの )チェーン」の取組ですが、地域の多様な者が参加している点で「地域ぐるみによ

る協働」の特徴も持っています。 ○初期コストの安さや、収益の可能性等によりホ

ンモロコ生産は広く普及して、鳥取県はホンモ

ロコ養殖者数日本一の県となりました。 販 売 ・流 通 業 者 が 生 産 者 ・ス ー パ ー 等 と「連 携 」し て、 地 元 産 野 菜 の 再 生 産 可 能 価

格 での集荷 ・ス ー パ ー で の 卸 し ◆ (有 )漂流 岡山 (岡山 県岡 山市) ○地元産高級果物のHP販売を行う同社は、小売

店から地産地消コーナーの提供の依頼があり、

地元産野菜の集荷・卸しを開始しました。 ○取組は (ビジネスの )チェーン化の特徴があり、生産者には野菜を再生産 可能価格・一定の量で

買い取るとともに、小売店には魅力的な売り場

を作る企画やアイデアを提供して、Win-W

inの関係を構築しています。 ○さらに、同社は他地 域の販売・流通業者と地域

間で連携し、販売する農産物の多様化や販路拡

大を図っています。 歴 史 に 残 る 中 世 福 岡 の 市 の 復 活 を 目指し、「備前福岡の市」を月1回開催 ◆ 備前 福岡 の市圏 地産 地消 推進協 議会(岡山県瀬戸内市) ○備前福岡の市圏地産地消推進協議会は、直売市

の開催の他、自立できる農業の推進、地産地消

メニューの普及、食育、まちづくり等の活動に、

地域内各団体や行政等と 連携して、「地域ぐる

みの協働」により取り組んでいます。 ○歴史に残る中世福岡 の市の復活を目 指し、「備

前福岡の市」として直売市を月1回 (大市を年2回 )開催するとともに、出店者である農業者や食品業者・製造業者等が有機的に連携して 商品開

発等を行っています。 ○市の 開設 によ って 消費者 の顔 が見 える 販売 を

行うことにより、生産者等の良い商品を作ると

いう意識が高まっています。

休耕田に設置した

ホンモロコ養殖池

魅力的な売り場(地産地消 コーナ ー)

現代版「備前福岡の大市」の様子

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地 域 の 有 志 が 耕 作 放 棄 地 で の 短 角 牛放牧に「地 域 ぐ る み」で 取 り 組 む ◆ 高梁 短角 牛生産 組合 (岡 山県高 梁市) ○高齢化等による耕作放棄地の増加に対し、地域

の有志が高梁短角牛生産組合を結成し、短角牛

を活用した耕作放棄地への実証的な放牧に「地

域ぐるみによる協働」で取り組んでいます。 ○放牧の費用を組合員の協力金から賄うため、西

日本では珍しい短角牛を岩手から導入して、低

コストで放牧を行っています。当初は4頭で開

始した 放牧の 取組は 効果 が見え るにつ れて近

隣に広がり、現在は 1 9 頭まで増加しました。 ○耕作 放棄地 の雑草 が無 くなり 景観が 改善 され

ることにより、近隣農家が元気になり、会合等

が活発化するといった効果も発生しています。 「桃 太 郎 ね ぎ 」の生 産 を 通 じ た 障 害 者 雇 用 等 に より 「農 と 福 祉」に 取 組 ◆ (有 )岡山 県農商 (岡 山県 岡山市 ) ○青ネギの大規模生産を行う同社は、自社ブラン

ド「桃太郎 ねぎ」を直 接取 引で小 売店 等に出 荷

しています。 ○同社 は地 域の 福祉施 設の 障害 者と地 域住 民 等

との農を通じた交流を深めるため、関係団体の

協力により「平成いもの会」を立ち上げ、さつま

いもの作付・収穫等による 交流活動に「地域ぐ

るみの協働」により取り組んでいます。 ○「平成いもの会」の活動を踏まえ、同社は農業生

産を通じた障害者雇用の取組を開始し、現在は

福祉事 業の 取組 に向け て設 立し たN PO法 人

において障害者を 2 4 名雇用しています。 J A と 販 売 業 者 、 行 政 等 が 「連携 」し て ブ ラ ン ド米 「維 新 伝 心 米」を 台 湾 へ 輸 出 ◆ JA あぶ らんど 萩( 山口 県萩市 ・阿武町) ○同JAはブランド米「維新伝心米」等、観光を軸

としたブランド化の推進を展開しています。 ○台湾 のス ーパ ーと連 携し てい た販 売業者 の 提

案・仲立ちにより、同JAと販売業者が (ビジネスの )チェーンを形成し、台湾への輸出に取り組むこととなりました。

○取組にあたっては、「維新伝心米」台湾輸出プロ

ジェクト会議を立ち上げ、JA、地元量販店、

ジェトロ、県、市・町、農政事務所等をメ ンバ

ーとして月1回の定例会議を開き、輸出に向け

た情報交換や協議を実施しました。 ○輸出 の取 組自 体は大 きく 儲か るも のでは な い

ものの、「台湾に高級米として輸出」ということ

により生産者の意欲が向上するとともに、マス

コミ等の注目の高まりにより、国内でも販売が

しやすくなったという効果も現れています。

食欲旺盛な短角牛

「平成いもの会」の収穫の様子

維新伝心米

観光パッ ケーシ ゙

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「地 域 ぐ る み の 協 働」で れ ん こ ん の 作 付 か ら 収 穫ま で の農作業体験等の取組 ◆ えん たの れんこ ん推 進会 議(徳 島県鳴門市) ○ほ場周 辺水路 で絶 滅種「カワバ タモロ コ」が発

見されたのを契機として、生き物と共存できる

農業を 目指す れんこ ん農 家と大 学の先 生が連

携して同推進会議の取組を始めました。 ○自然環境の維持管理を通じ、地域を元気にする

ことを目指して、れんこんの作付から収穫まで

の農作 業体験 や、田 舟レ ース等 のイベ ントを

「地域ぐるみの協働」により実施しています。 ○取組 により 参加者 が維 持管理 作業の 大変 さや

重要性を認識するとともに、農家は参加者との

交流により、取組への意欲が向上しています。 ○推進会議では取組の持続性を高めるため、「え

んたのれんこん」のブランド化を進めることに

より収益性の向上を目指しています。 バ ラ 生 産 農 家 が 電 力 会 社 と 「連携 」し て「国 内 ク レ ジ ッ ト 制 度」に 取 組 ◆ (有 )岡松 バラ園 (徳 島県 海陽町 ) ○大規模バラ生産を行う同社は、原油高騰による

コスト 増対 策と して 温室ハ ウス の暖 房用 にヒ

ートポンプを導入しました。 ○同社はヒートポ ンプ導入に より削減した CO2排出枠を四国電力 (株 )が買い取る国内クレジット制度を活用しています。 (「 (ビジネスの )チェーン化」の連携 )

○取組 によ り同 社は排 出権 の売 却益 を得る と と

もに、四国電力も排出枠の取得により削減目標

等の達 成に 活用 する という Wi n- Wi nの

関係を構築しています。 地 域 内 の 生 産 者 (J A )、 社 会 福 祉 協 議 会 、 食 品業 者 等 地域の多様な者が多岐に

わたる多様な連携軸を形成し、ガーリックオイルの開発 ・販 売 ◆ JA 香川 県象郷 支店 、琴 平町社 会福祉協議会(香川県琴平町) ○「にんにく」産地である琴平町では、食品加工業

者の地 元産 にん にく の活用 や生 産者 の規 格外

にんにくの活用、社会福祉協議会が障害者の自

立支援 のた めの 作業 の場と いう 3者 の要 望を

満たす「ガー リッ クオイ ル」の生産・加 工・販売

に向けた連携体制を、試行錯誤を経て構築しま

した。 ○農商工が連携した (ビジネスの )チェーン化の連携の内容ですが、社会福 祉協議会が加工・販売

ラインの中心に位置した体制により、地域への

社会貢 献の 観点 から 地域の 多様 な者 が多 岐に

わたる連携軸を形成し、「地域ぐるみの協働」に

より取組を進めています。 ○地域住民も継続的な購入により、こうした取組

を応援するといった動きも見られます。

斎藤さんによる

泥上げの説明

電気式

ヒート ポ ンフ ゚

温風空調

作業所における加工作業

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全 国 の 生 産 者 と 産 地 間 連 携 し て 、 季節に変動されない農産物供給体制を確立 ◆ (有 )ジェ イ・ウ イン グファ ーム (愛媛 県東 温市) ○同社は麦・水稲・雑穀といった穀類や野菜を栽培

するとともに、加工・販売までの一貫経営を行っ

ています。「地域から耕作放棄地は出さない」と

の方針のもと、遊休農地等を集積して、経営耕

地約 1 20 ha で大規模経営を行っています。 ○「顔の見える 商品販 売」や「契約に基づく 計画生

産」の理念のも と、消 費者の ニーズ を常に 把握

し、積極的なマーケティングを展開しています。 ○また、他府県の複数の大規模生産者と広域連携

することにより、季節に変動されない農産物供

給体制を確立しています。 有 機 栽 培 ケ ー ル を 原 料 と し た 青 汁 の製造 ・販 売 に 併 せ て 、 「地 域 ぐ る み の 協 働 」

に よ り 「地 域 再 生 事 業」と し て 地 域 の 耕 作 放 棄 地を 再 生 ◆ 遠赤 青汁(株)( 愛媛 県東 温市) ○同社は一貫した生産・加工・販売体制により、有

機栽培のケールを原料と する青汁を製造・販売

しています。 ○ケールの多用途利用のため、同社は (有 )遠赤有機農園及び契約農家とと もに、「有機栽培ケー

ルを活用した石鹸、入浴 剤及び化粧品の開 発・

製造・販売」で農商工等 連携事業計画の認 定を

受けています。 ○同社設立当初より、自 社の費用で「地域再生事

業」として、近隣地域で 増加していた耕作 放棄

地を借受け、草木や石の除去及びたい肥の投入

等有機農場への再生に取り組んでいます。 県 境 を 越 え た 広 域 対 策 協 議 会 を 設 立し、両市町のJA ・猟 友 会・行 政 等 が 「連 携」

し て 鳥 獣 被 害 防 止 活 動 を 実 施 ◆ 阿佐 地域 鳥獣害 防止 広域 対策協 議会(高知県香美市、徳島県那賀町) ○両市町は、シカによるゆずの食害等の対策をそ

れぞれの地域で実施していたものの、害獣にと

っては県境がないことから、十分な効果が得ら

れていませんでした。 ○両市 町の 行政 等の鳥 獣被 害対 策関 係者が 県 境

をまたいで同協議会を設立し、補助事業を活用

して、シカに加えてイノ シシ・サルも対象とし

た鳥獣被害対策に取り組んでいます。 ○県境を跨いだ取組により、獣害の減少といった

効果に加えて、両県それ ぞれの農家・鳥獣被害

対策担 当者 等が互 いの 知識・経験 を吸 収・交換

することにより、被害対策への技術や意識が向

上しています。

「先人の知恵」

である

昔からの機械

も現役で稼動

耕作放棄地を

有機農場へ再生

被害を防ぐ

防止柵(那賀町)

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○農業産出額(2008 年)は 8,588 億円です。中国地域は米、野菜、鶏の割合が高く、四

国地域は野菜、果実の割合が高くなっています。

○農業経営体(個別経営)1経営体当たりの経営収支 (2008 年)は、農業粗収益 303 万

円、農業経営費は 221 万円、農業所得は 82 万円となっています。 図Ⅲ-1農業産出額の主要部門別構成比

○総農家(2005 年)は 45 万 9,318 戸

で、2000 年に比べ4万 5,622 戸

(9.0%)減少しています。

○2005 年の販売農家の農家人口※は

114 万 5,383 人、農業従事者※は

79 万 5,252 人で、2000 年時点と比

べて それ ぞれ 31 万 1,098 人

(21.4%)、20 万 7,771 人(20.7%)

減少しています。このうち基幹的

農業従事者※は 30 万 4,574 人で、

2000年時点と比べて2万 5,282 人

(7.7%)減少しています。

○耕地面積(2009 年)は 39 万 8,800ha で、主に宅地等の非農業用途への転用や耕作放

棄等により、前年に比べて 2,300ha(0.6%)減少しました。

〇農作物作付(栽培)延べ面積の減少により、耕地利用率※(2008 年)は 83.2%[中国

79.4% 四国 89.8%]で、前年に比べて 0.6 ポイント低下しました。

○耕作放棄地面積(2005 年)は6万 1,401ha で、2000年と比べて 6,496ha 増加しました。

中国・四国の農業生産・農業経済の動向

第1章 中国・四国の農業・農村の姿

中国・四国の食料・農業・農村の動向 【動向編】

中国・四国の農業構造の動向

中国・四国の耕地・耕作放棄地の動向

資料:農林水産省「生産農業所得統計」

図Ⅲ-2 販売農家の農家人口及び農業労働力 (中国 ・四国地域 )

資料:農林水産省「2005 年農林業センサス結果」

「2000 年世界農林業センサス結果」

65歳以上458 204 204

332 374404

40~64496

92116

350463389

15~39332

810

113

166247

171

106

0

20 0

40 0

60 0

80 0

1,00 0

1,20 0

1,40 0

1,60 0

2000年 2005年 2000年 2005年 2000年 2005年

(千人)

農家人口  農業従事者   基幹的農業従事者

1,456

1,145

1,003

330 305

795

1 4歳以下

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- 19 -

○我が国のカロリーベースの食料自給率(2008 年)は、国内産糖(さとうきび)及び大豆

の生産量が増加したことや、国際価格の高騰により一部農産物(チーズ等)の輸入量

が減少したことなどにより、前年に比べて1ポイント上昇し、41%になりました。

○2010 年3月に策定された新たな「食料・農業・農村基本計画」においては、2020 年度の

食料自給率の目標は、国際情勢、農業・農村の状況、課題克服のための関係者の最

大限の努力を前提として、カロリーベースで 50%まで引き上げることとしています。

○農畜水産物の生産段階における安全の確保に向けて以下の取組を実施しています。

・農薬や家畜・養殖水産物への飼料、動物用医薬品等の使用状況等の調査点検

・GAP※ 及びIPM※ の普及推進

・BSEの発生防止に向けて、飼料用の豚肉骨粉等の原料収集先に対し、飼料原料の

管理状況を調査

・高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の発生に備え、初動対応訓練の実施や知識を

深めるための講習会を開催 ○リスクコミュニケーション※の円滑な推進に向けて、食品安全に関するセミナーの

開催や、消費者等へ食品安全・食品表示等食と農に関するトピックスについての正し

い知識の普及を図る「食と農の知っ得講座」の開催等により、食品安全等の情報提

供を実施しています。なお、「食と農の知っ得講座」は 2009 年度 515 回開催し、延

べ約1万 4,000 人が受講しました。

第2章 食の安全の確保と「食」と「農」の結びつきの強化

食料自給率向上に向けた取組

食品の安全確保

資 料 : 農林 水 産 省 作 成

図Ⅲ-3 カロリーベースの 食料自給率の推移

図Ⅲ-4 品目別供給熱量自給率(20 08 年度)

資 料 : 農林 水 産 省 作 成

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- 20 -

○2009 年度は期限表示の改ざん等の不適正表示事件が相次いで発生しました。管内で

もふぐ加工品(山口県)、魚介乾製品(愛媛県)等 18 件の不適正表示事案について指

示・公表の措置が行われました。

○農政局及び農政事務所では、食品表示担

当職員(食品表示Gメン)が日常的に小売

店舗等を巡回し、生鮮食品の名称や原産

地の表示状況を調査しています。

○広く国民から表示違反疑義情報の提供等

を受ける「食品表示 110 番」窓口を設置す

るとともに、消費者の皆様の目で食品の

表示状況をモニタリングしていただく

「食品表示ウォッチャー」制度を活用し、

情報収集を行っています。

○米穀に対する消費者の信頼確保に向けた取組として、国が用途を限定して販売した

政府所有米穀や、新規需要米及び加工用米の適正流通を確保するため、米穀加工業

者等を対象として立入検査を実施し、対象米穀の使用状況の確認を実施しました。

○米穀のさらなる信頼確保に向けて、「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報

の伝達に関する法律」(米トレーサビリティ法)が成立し、取引等の記録の作成・保存

(トレーサビリティ※)については 2010 年 10 月、産地情報の伝達については 2011 年

7月に順次施行されます。

○食育の推進のため、農政局では毎年6月の「食育月間」におけるパネル展等を開催す

るとともに、会員の活動やイベント情報等をホームページやメールマガジン等で紹

介する「中国四国食育ネットワーク」を運営しています。

○農政局では、1日に「何を」「どれだけ」食べたら良い

かの目安をコマのイラストでわかりやすく示した「食事

バランスガイド」を活用し、お米を中心に魚、肉、野菜

等多様な副菜から構成された「日本型食生活」の実践や、

農林漁業の体験活動をとおして「食の大切さ」「農林漁

業の素晴らしさ」を学ぶ、「教育ファーム」の取組を推

進しています。

消費者の信頼確保

食育の推進

農政局ホームページ「中国四国食育ネットワーク」

http://www.maff.go.jp/chushi/syokuiku/index.htm

食事バランスガイド

図Ⅲ-5 食品表示Gメンによる 生鮮食品の表示状況調査結果

資 料 : 生鮮 食 品 及 び 加 工 食 品の 品 質 表 示 実 施

状 況 調 査等 の 結 果 に つ い て

( 2 0 0 9 年 7 月 2 9 日公 表 )

調査店舗数 3,968店舗原産地表示欠落率 16.0%調査商品数 62万2千商品名称表示欠落率 0.3%原産地表示欠落率 0.5%

事例:木ノ庄西小学校(木ノ庄西地区教育ファーム推進協議会) 全校児童 4 3 名の尾道市立木ノ庄西小学校では、食を大切にす

る心を育てるため、地域の生産者や学校ボランティアの方に指導

を受けながら、地域の特産物である「ぶどう」の房づくりから収

穫後の箱詰めまでの農業体験に取り組んでいます。

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○地産地消への関心が年々高まっていることから、中国・四国の各地域で、地元でとれ

た新鮮な農産物の消費者への提供の他、地場産農産物の直売所の整備や学校給食等

への利用促進等様々な地産地消の取組が展開されています。

○農政局では地域における地産地消推進に向けた実践的な計画(地産地消推進計画※)

の策定を促進しており、管内では 2010 年3月末時点で 156 件が策定されています。

○農林水産省では、地産地消の取組に関する知見や経験を有し、各地域で優れた地産

地消の取組に貢献されている人を、「地産地消の仕事人」として、2009 年度は中国・

四国管内では2人(全国 41 人)を選定しました。

○米の一人当たりの年間消費量は、食の欧米化や消費者ニーズの多様化等により、

1962年度をピークにその後年々減少し、2008年度は 59.0kgとほぼ半減しています。 ○食品への米粉の利活用が着実に拡大し、米粉パン等の新規用途向け原料米使用量で

2007 年度の 6,000tから 2008年度には 9,500t(推計値)に拡大しています。 ○管内の学校給食における米粉パン導入については、米粉パンの他に麺、だんご汁を

加え 2008年度で 645校が実施しています。 ○農政局では、民間企業や団体等で構成する米粉食品普及推進協議会等と連携し、米

粉セミナー・シンポジウムや米粉料理教室、米粉パン製造技術講習会、メールマガジ

ン、米粉食品販売店マップ等による普及啓発に取り組んでいます。

地産地消の推進

2009年度に選定された管内の「地産地消の仕事人」

田邊眞幸さん(鳥取県日南町) 「日野郡新そば祭り実行委員会」の事務局長

江草聡美さん(岡山県岡山市) シニア野菜ソムリエの資格取得後食育や講演等で岡山県内の食材や食育を伝える活動

米粉食品の利用拡大

図Ⅲ-6 米粉パン等の原料米使用量 の推移 (全国 )

資 料 : 農 林 水 産 省 「 地方 農 政 事 務 所 等 に よ る

米 粉 パ ン等 買 受 業 者 か ら の聞 き 取 り 」

農政局ホームページ「米粉に関する情報」

http://www.maff.go.jp/chushi/syokuryou/kome/komeko/index.html

米粉食品販売店マップ

事例:香川県丸亀市綾歌学校給食センター 農林水産省では、地産地消の一層 の推進を図るため、地産

地消 給食 等メ ニ ュー コン テス ト を実 施し てい る とこ ろで す

が、2 00 9 年度のコンテストでは、学校給食・社員食堂部門において、同センターで考案されたメ ニュー「今と昔ふるさと

の味再発見!」が文部科学大臣賞を受賞しました。

米粉料理教室

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○中国・四国地域の食品製造業の動向(2007 年3月末)は、事業所数が 4,426 か所(前年

比 98%)と減少する一方、従業員数は 12 万4千人(同 101%)、製造品出荷額は2兆

7,442 億円(同 109%)とそれぞれ増加しています。

○卸売市場は管内に 369 市場が開設され、生鮮食料品等の安定的・効率的な流通網を形

成しています。管内卸売市場の取扱高・市場経由率は年々減少しており、加工・調整

体制の強化やコールドチェーン整備等ニーズへの適切な対応が求められています。

○容器包装リサイクルは年々リサイクルの実施取組が増加しているものの、廃棄量全

体の 20%程度であり、さらなる意識の向上・制度の普及啓発が必要となっています。

農政局では制度の普及啓発や再商品化義務不履行事業者(ただ乗り事業者)への対策

の強化を継続して行っています。

○食品リサイクルでは再生利用等の実施に一定の成果が見られるものの、事業者業種

間格差が大きく、特に食品流通の川下である食品小売業・外食産業のリサイクルの取

組が低迷しています。

○地域を支える農林漁業者と中小企業者が連携した新商品開発や新サービスの提供、

販路開拓等の促進により地域経済の活性化を図るため、「農商工等連携促進法」に基

づく施策を推進しています。

○農政局では、施策の推進のため、啓発用リーフレットの関係者への配布や、「農商工

連携等推進員」として業務等を通じた農商工連携等の取組について広範にPR等を

行う局内職員の指名、商談会・セミナー等の開催等の取組を実施しています。

○取組の結果、2009 年度に事業者から申請のあった「農商工等連携事業計画」の認定は

管内で 26 件であり、地域活性化に向けた意欲的な取組がなされています。

○また、中小企業地域資源活用促進法に基づく支援や産学官の異業種が連携した食料

産業クラスターの形成等を各種施策と一体的に推進しています。

食品産業及び容器包装・食品リサイクルの現状

食と農の連携(農商工連携の促進)

図Ⅲ-7 農政局における「食と農の連携」に掛かる取組

資 料 : 中国 四 国 農 政 局 作 成

農 商 工 連 携等 推 進 員 の 設 置 中 国四国 農政 局独自 の取組 とし

て、日常の業務のあらゆる機会を

通じ、農商工連携等の取組を広範

にPRす るな どの役 割を担 う農

商工連携等推進員を設置

商 談 会 の 実施 販 売促進会が全国6箇所、商談会

が全国8箇所で開催され、中国・

四国 地域 では 高松 市 (2 01 0 年 1

月)、 岡山市( 20 10 年 2 月 )に おい

てそれぞれ商談会を開催

「農 商 工 等 連携 促 進 法 」 に 基 づ く

農 商 工 等 連携 事 業 計 画 認 定

53 件(2 00 9 年 度 まで) うち 20 09 年 度は 26 件

(中 国 地域: 3 1 件 四 国 地域 :2 2 件) ◆ 尾 道 産 ジ ャ ン ボ ニ ン ニク を 用 い た 調 味 料 等 の 食

品 加 工 品の 開 発 と 販 路 拡 大

農 :( 株) 元 気 丸

企 :( 有) コ リ ア ン ・ フ ー ズ 食 農 連 携 促進 施 設 整 備 事 業

( 2 0 0 9 年 度 補 正 予 算 ) 農 業 者と食品産業事業者が 安定的取

引関係を確立し、地域の資 源である

農産物を活用した新商品等 の事業化

を促進するため、食品の加工・販 売の

ために必要な施設整備を支援

(2 3 地 区 で事業を実施)

「中 小 企 業 地域 資 源 活 用 促 進 法 」 に

基 づ く 事 業計 画 認 定

95 件(2 00 9 年 度 まで) うち 20 09 年 度は 31 件

(中 国 地域: 4 5 件 四 国 地域 :5 0 件) ◆ 「 ゆ ず ・ 高 濃 度 ト マ ト」 を 活 用 し た ジ ュ ー ス ・

ゼ リ ー の開 発 に よ る 新 た な販 路 の 拡 大

(有) 高 知ア イ ス( 高 知 県 い の町 )

食 料 産 業 クラ ス タ ー 事 業 に よ る 商 品 開発 等

・ 管内全県でクラスター協議会が設置

・ 地域の農産物を使った新商品が 3 6 品 開 発

【 徳島県】 (2 0 0 6 年 度)

◆「 や まも も」 を 利 用 し た

『 ケ ー キ』『 ど ら 焼 き 』

◆「 春 にん じ ん」 を 利 用 し た

『 に ん じん パ ウ ダ ー 』

(2 0 0 8 年 度)

◆ 阿 波 やま も も ソ フ ト ク ッキ ー

【 お かやま】 (2 0 0 8 年 度)

◆ 新 高 梨酢 の

ド レ ッ シン グ

◆ マ ス カッ ト 、

ピ オ ー ネ(果 実 酢) 、

ワ イ ン ビネ ガ ー

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- 23 -

○2009 年度は食料自給率・自給力向上に向けて、農政局では産地確立対策や水田等有

効活用促進対策の措置等により水田フル活用を推進しました。

○2010 年度は、米戸別所得補償モデル対策の実施に伴い、ペナルティ的要素を排除し

た公平かつ透明性のある生産数量目標の配分ルールの確立が重要となっています。

○2009 年産の水稲の作付面積(子実用)は 17 万 4,900ha で、前年産に比べて 600ha 減

少しました。収穫量は 87 万 8,700tで、作付面積及び 10a当たり収量の減少により、

前年産に比べて4万 1,300t減少しています。

○2009 年産の4麦※計の作付面積は前年並の 8,280ha でした。収穫量は降雨による湿

害等により2万 2,700tと前年産に比べて 8,800t(28%)減少しました。

○2009 年産の大豆の作付面積は 6,800ha と前年産に比べて減少した。収穫量も、10a

当たり収量が減少したため、9,110t と前年産に比べて 2,090t 減少しました。

第3章 地域の特性を活かした多様かつ高度な農業生産の展開

米政策

水稲

麦・大豆

図Ⅲ-8 2009 年産水稲の品種別面積

資 料 : 中国 四 国 農 政 局 統 計 部

「平 成 2 1 年 産 水 稲 の 品 種 別収 穫 量 」

注 : 農 林 水 産 省 「 作 物 統 計 」 よ り 、 「 平 成

2 1 年 産 水 稲 の 産 地 品 種 別 収 穫 量 」 の

数 値 の 足し 上 げ に よ り 算 出し た 。

図Ⅲ-9 2009 年産水稲の品種別面積

資 料 : 中国 四 国 農 政 局 統 計 部 「平 成 2 1 年 産 水 稲 の収 穫 量 」

面積(ha)コシヒカリ 70,400ヒノヒカリ 37,000ひとめぼれ 10,900

あきたこまち 9,100アケボノ 6,000キヌヒカリ 4,230朝日 3,540

きぬむすめ 3,130

作付面積(ha)

10a当たり収量(kg)

収穫量(t)

作況指数

鳥取県 14,200 481 68,300 94 島根県 19,300 490 94,600 96

岡山県 33,700 537 181,000 102 広島県 26,000 521 135,500 100 山口県 23,800 499 118,800 99中国計 116,900 512 598,200 99

徳島県 13,700 471 64,500 99 香川県 15,200 496 75,400 99 愛媛県 15,600 494 77,100 99 高知県 13,500 470 63,500 102

四国計 58,100 483 280,500 100中国四国計 174,900 502 878,700 99

図Ⅲ-10 麦の生産動向(中国 ・四国地域 ) 図Ⅲ-11 大豆の生産動向(中国 ・四国地域 )

【P】

資 料 : 農林 水 産 省 大 臣 官 房 統計 部 「 作 物 統 計 」 資 料 : 農林 水 産 省 大 臣 官 房 統計 部 「 作 物 統 計 」

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

1987 93 98 2003 05 06 07 08 09

作付面積(ha)

0

20,00 0

40,00 0

60,00 0

80,00 0裸麦

六条大麦

二条大麦

小麦

収穫量

収穫量(t)

(西暦)

0

5 ,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

1987 91 98 2001 05 06 07 08 09

作付面積(ha)

0

5,00 0

10 ,0 00

15 ,0 00

20 ,0 00

25 ,0 00

30 ,0 00

35 ,0 00

収穫量(t)

収穫量

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(1) 野菜

○中国・四国地域の野菜は、平地の温暖な冬期や中山間地の冷涼な夏期のように自然・

立地条件を活用した多様な野菜生産が展開されています。

○作付面積(2008 年)は近年減少傾向にあり、5万 ha と前年に比べて 400ha 減少しま

した。一方、産出額(2008 年)は 2,170 億円と前年に比べて 35 億円増加しています。

○品種別の野菜の産出額(2008 年)では、なす、ねぎ、トマト、きゅうり、かんしょ、

いちごが 100 億円以上となっています。

(2) 果物

○中国・四国地域の果樹はうんしゅうみかん、なし、もも、ぶどう等で全国有数の産地

が形成されています。果樹(果実)の産出額は 1,231 億円(2008 年)で、農業産出額全

体に占める割合は 14%となっており、地域の重要な基幹作物となっています。

○栽培面積は、ピーク時の 1973 年から年々減少を続け、2009 年には4万 5,500ha と

ピーク時の半分以下となっています。

園芸作物・特産作物

図Ⅲ-12 野菜の作付面積及び産出額の推移

資 料 : 農林 水 産 省 「 耕 地 及 び作 付 面 積 統 計 」「 生 産農 業 所 得 統 計 」

図Ⅲ-13 果樹(果実)の 農業産出額 (20 08 年)

資 料 : 農林 水 産 省 「 生 産 農 業所 得 統 計 」

資 料 : 農林 水 産 省 「 果 樹 生 産出 荷 統 計 ( 平 成 2 1 年度 概 算 ) 」

同 生 産 流通 振 興 課 「 平 成 1 9 年 特 産 果 樹 生 産 動 態等 調 査 」

07年 08年 前年比 07年 08年 前年比

鳥取県 4,810 4,810 100% 182 200 110% 29%島根県 3,300 3,230 98% 90 87 97% 15%岡山県 5,730 5,760 101% 182 182 100% 14%広島県 6,710 7,000 104% 173 168 97% 16%山口県 5,580 5,560 100% 124 123 99% 18%徳島県 7,840 7,510 96% 367 377 103% 36%香川県 5,700 5,610 98% 247 239 97% 30%愛媛県 5,880 5,570 95% 205 188 92% 14%高知県 4,890 4,910 100% 565 606 107% 59%計 50,400 50,000 99% 2,135 2,170 102% 25%

野菜の作付面積 (ha) 野菜の産出額 (億円) 農業産出額に占める割合(08年)

鳥取県 69 10%島根県 39 6%岡山県 171 13%広島県 128 12%山口県 41 6%徳島県 101 10%香川県 54 7%愛媛県 530 39%

高知県 98 10%計 1,2 31 14%

果樹(果実)の産出額(億円)

農業産出額に占める割合

図Ⅲ-14 中国四国地域の主要産地

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(3) 花き・特産作物

○中国・四国地域の花きは、洋ラン類やゆり等が全国でも有数の産地となっています。

2008 年産の花きの作付(収穫)面積は、切り花類が 1,745ha、鉢もの類が 5,400a、花

壇用苗もの類が 8,850a であり、花き全般で減少傾向にあります。産出額も近年減少

傾向にあり、2008 年は 304 億円となりました。

○中国・四国地域の畑作物・地域特産物については、茶、葉たばこ、そば等が地域の

重要な作物として、栽培されています。一方、中山間地域等では小規模ながら地域

における主要な特産作物となっているものも多く、みつまた(全国の 100%)、オリ

ーブ(同 96.6%)等は全国に占める割合が高くなっています。

○畜産農家戸数(2009 年)は 8,906 戸と、前年に比べ 4.8%減少しました。産出額(2008

年)は 2,439 億円であり、部門別では鶏の割合が高くなっています。

○部門別では、戸数は全部門で減少、飼養頭数は酪農・肉用牛・ブロイラーで減少、養

豚・採卵鶏で拡大、経営規模(1 戸当たり飼養頭数・羽数)はブロイラーで縮小、それ

以外の部門で拡大しました。

○2009 年産の主要な飼料作物の作付面積は1万 6,220ha で、前年に比べて 2.5%減少

しました。作物別では、牧草類が1万 1,400ha と最も多く、青刈りとうもろこしと

ソルゴーはそれぞれ 2,440ha、2,380ha となっています。

○耕畜連携を推進し飼料自給率を向上させる取組は、地域資源循環型農業の確立のみ

ならず地域の農畜産業の振興にもつながる取組として積極的に推進しています。 ○稲発酵粗飼料生産・利用の取組は近年拡大傾向

にあり、管内の作付面積は 2000 年度に3ha 程度

であったものが、2009 年度には 601ha まで増加

しています。

○飼料用米の生産・利用拡大への取組も 2006 年度

に 0.5ha 程度であったものが 2009 年度では

172ha と作付面積が増加しています。

畜産

産出額(億円)

2,439 うち 乳用牛 491

肉用牛 386豚 370鶏 1,172

畜産の産出額

図Ⅲ-15 部門別飼養戸数・飼養頭 (羽)数・経営規模 (中国 ・四国地域 2009 年)

資 料 : 農林 水 産 省

「生 産 農業 所 得 統 計 」

図Ⅲ-16 畜産産出額 (中国 ・四国地域 2008 年)

資 料 : 農林 水 産 省 「 畜 産 統 計 」 「畜 産 物 流 統 計 」

注 : ①酪 農 の 飼 養 頭 数 は めす 、② 採 卵 鶏 の飼 養 戸 数 は 種 鶏の み の 飼養 者 及 び 1, 0 0 0 羽未 満 の 飼 養 者 を 除 く 、飼 養羽 数 は 6カ 月 以 上 の 成 鶏 めす 羽 数 、③ ブ ロ イ ラ ー の 飼養 頭(羽 ) 数 は 2 0 0 8 年 の 年 間 出 荷羽 数 と 読 み 替 え る 。

耕畜連携の取組

汎用型飼料収穫機 (島 根 県 邑南 町 )

飼養戸数(戸)

飼養

頭(羽)数(頭、羽)

経営規模(頭、羽/1戸)

酪農 1,790 805百 45.0肉用牛 5,780 2,113百 36.6養豚 411 5,835百 1,420

採卵鶏 476 24,982千 524.83ブロイラー 449 注:7,124万 -

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- 26 -

○水田経営所得安定対策※の申請状況(2009 年産)は、3,590 経営体から加入申請があ

り、申請経営対数は前年に比べて 141 経営体増加しました。

〇品目別の作付計画面積は米2万 2,537ha、4麦 8,052ha、大豆 2,839ha となり、前年

と比べてそれぞれ 1,405ha、109ha、25ha 増加しました。

(1) 認定農業者制度※の推進

○認定農業者数は 2008年度末現在で 21,585(うち法人 1,538)経営体と全国の 8.8%を

占めています。

〇営農類型別では稲作主体、果樹主体、施設野菜主体の割合の順に高くなっています。

第4章 多様な農業生産を支えるヒト・農地・技術

水田経営所得安定対策

担い手の育成・確保対策

小計 個人 法人 小計 特定農業団体

準ずる組織

米 4麦 大豆

鳥取県 228 189 140 49 39 - 39 1,849 109 544島根県 574 493 371 122 81 68 13 4,119 630 574岡山県 495 482 442 40 13 - 13 2,078 2,303 298広島県 341 336 190 146 5 1 4 3,344 133 407山口県 765 680 581 99 85 79 6 5,305 939 558徳島県 65 65 54 11 - - - 168 125 10香川県 500 439 383 56 61 60 1 3,850 2,114 75愛媛県 521 507 458 49 14 4 10 1,505 1,693 258高知県 101 101 97 4 - - - 319 7 113

中国・四国計 3,590 3,292 2,716 576 298 212 86 22,537 8,052 2,839

加入状況 (単位:経営体) 品目別作付計画面積(単位:ha)

計認定農業者 集落営農組織

図Ⅲ-1 7 2 009 年 産 の 加 入 状 況(経 営 形 態 別申 請経営体数・品 目 別 作 付 計画面積 )

資 料 : 中国 四 国 農 政 局 調 べ

注 : ( 1 )認 定 農 業 者 の 中 には 、 法 人 化 さ れ た 集落 営 農 組 織 ( 例 : 特 定農 業 法 人 ) が 含 ま れて い る 。

( 2 ) 本 結 果 表 の 数 値 は 加 入 申 請 を 行 っ た 経 営 体 の 数 値 で あ り 、 交 付 金 の 交 付 要 件 等 内 容 に 係 る

審 査 は 行っ て い な い た め 、全 て の 経 営 体 が 交 付対 象 者 と な る わ け では な い 。

( 3 )作 付 計 画 面 積 は 、加 入 申 請 を 行 っ た経 営 体 の 20 0 9 年 産 作付 予 定 面 積 で あ り、 交 付 金 の 支 払

対 象 と なら な い ビ ー ル 用 大麦 、黒 大 豆 や自 家 消 費 用 等 が 含 まれ る こ と か ら、実 際 に 交 付 金 の

支 払 対 象と な る 面 積 と は 一致 し な い 。

( 4 )ラ ウ ン ド の 関 係 で数 値 が 一 致 し な い こと が あ る 。

図 Ⅲ -18 認 定 農 業 者 数 図 Ⅲ -19 営 農 類 型 別 認定農業者の割合

資 料 : 中国 四 国 農 政 局 調 べ

注 : 2 0 0 9 年 3 月 末現 在 資 料 : 中国 四 国 農 政 局 調 べ

注 : 2 0 0 8 年 3 月 末現 在

うち法人

鳥取県 1,168 97島根県 1,262 185岡山県 3,357 192

広島県 1,356 279山口県 1,525 169徳島県 2,650 110

香川県 1,660 155愛媛県 4,895 266高知県 3,712 85

中国・四国計 21,585 1,538

全国計 246,035 13,228

認定農業者

中国・四国地域(単位:%)

施設野菜

主体 18.7

果樹主体

19.1

稲作主体24.9

露地野菜主体 8.9

花き主体5.2

酪農主体4.7

その他

18.5

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(2) 法人化・集落営農の推進

○農業生産法人数は 1,329 法人(2009 年1月1日現在)で、前年に比べて 9.6%増加し

ました。農政局では効率的かつ安定的な農業経営の確立に向けて、個別の農業経営

の現状を踏まえつつ、経営上のメリットが大きい農業経営の法人化を推進していま

す。

○中山間地域が大宗を占める中国・四国地域では、集落営農の数が 2,137(2010 年 2 月

1 日現在)であり、従来より集落営農の取組が盛んとなっています。また、特定農業

法人※数(2009 年 3 月末現在)は 337 法人で全国 793 法人の 42.5%を、特定農業団体※数(2009 年 3 月末現在)は 225 団体で全国 1,845 団体の 12.2%を占めています。

○農政局は集落営農推進に向けた取組として、2009 年8月山口県にて「特定農業法

人・集落営農サミット」を開催し、事例発表・意見交換等を実施しました。

(3) 新規就農者の育成・確保

○管内の新規就農者は 674 人(2008 年)で、内訳は新規学卒者が 107 人、Uターン者が

354 人、農業外からの新規参入者が 213 人です。営農部門別では野菜(全体の 54.1%)

が最も多く、次いで果樹(同 23.5%)、水稲(同 10.8%)の順となっています。

(4) 男女共同参画の推進

○農業就業人口の約半数が女性であるにも関わらず、農業委員・農協の役員等、地域方

針等の決定の場等に積極的に社会参画する女性は依然少ない状況です。農政局では

関係各方面の連携のもと、男女共同参画の推進に取り組んでいます。

(5) 高齢者・障害者が活動できる環境づくり

○農村では高齢化が進行しているものの、高齢者は技術・経験を活かして地域の多様な

活動の担い手として重要な役割を担っています。今後は、高齢者の経験・技能を担い

手・新規就農者等の支援・育成へ活かすための取組を行うこととしています。

○障害者の農業分野への雇用促進を図るため、農政局では「岡山地域農業の障害者雇用

促進ネットワーク」の事務局として運営を支援するとともに、局内に「農の福祉力推

進チーム」を設置するなど、局内外で推進体制を整備し、その推進を図っています。

資 料 : 農林 水 産 省 経 営 局 ・ 中国 四 国 農 政 局 調 べ

注 : 農業 生 産 法 人 は 20 0 9 年 1 月 1 日 、 特定 農

業 法 人 ・特 定 農 業 団 体 は 20 0 9 年 3 末 現 在

図 Ⅲ -2 0 農 業 生 産法 人 数 ・特 定 農 業 法 人 数

・特 定 農 業 法 人 数

鳥取県 90 17 3島根県 197 88 70岡山県 122 5 2広島県 295 144 2山口県 145 66 82徳島県 71 1 0香川県 124 5 61愛媛県 197 10 5高知県 88 1 0

中国・四国計 1,329 337 225全国 11,064 793 1,845

農業生産法人数

特定農業法人数

特定農業団体数 特 定 農 業法 人 ・ 集 落 営 農

サ ミ ッ ト (山 口 県 )

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(1 ) 農地の利用及び流動化

○2008 年3月末現在の農業振興地域は、中国・四国管内の 205 市町村のうち、199 市町

村で指定されています。また、2007 年 12 月現在の農業振興地域内の農用地面積は

49 万 6,403ha、うち農用地区域内の農用地面積は 39 万 851ha で、設定率は 78.7%

となっています。

○農地転用面積は近年減少傾向にあり、2008 年は 1,396ha で、前年比 81.9%となって

います。用途別では、住宅用地が 485ha と最も多くなっています。

○耕作目的の農地の権利移動面積(2007 年)は1万 6,358ha で、前年より 184ha 増加し

ました。権利移動面積のうち、利用権等の設定(賃貸借)によるものが全体の9割以

上を占めています。 (2 ) 認定農業者等が経営する農地面積

○2008 年度末現在の中国・四国管内における

「認定農業者(特定農業法人含む)、基本構想

水準到達農業者、特定農業団体、集落内の

営農を一括管理・運営している集落営農」

(以下「認定農業者等」という。)が経営する

農地の集積率(認定農業者等が経営する農

地面積が耕地面積に占める割合)は 19.3%

で、都府県平均(31.8%)を下回っている。

(3 ) 企業 等の農業参入の促進

○特定法人貸付事業※による企業等の農業参入が増加しています。中国・四国地域では

2009 年9月1日現在、105 法人が特定法人貸付事業により、278.1ha の遊休農地を

中心とした農地を借受けて農業経営に参入しています。

〇2008 年度の耕作放棄地全体調査の結果を踏ま

えて、2009 年度に創設した耕作放棄地再生利用

緊急対策により、県協議会、地域協議会を設置

し、国・協議会・利用者が連携しながら耕作放棄

地対策の総合的な取組を進めています。

〇2010 年3月時点で、県協議会は管内全ての県で

設立がされており、地域協議会は 204 市町村の

うち 171 市町村で設置され、約 184ha の再生作

業に取り組まれています。

農地政策

耕地面積(ha) ①

認定農業者等が経営する農地面積 (ha)②

農地集積率②/①

鳥取県 35,400 6,700 18.9%島根県 38,900 8,800 22.6%岡山県 70,400 10,400 14.8%広島県 59,700 8,700 14.6%山口県 50,900 10,000 19.6%徳島県 31,700 5,300 16.7%香川県 32,600 7,900 24.2%愛媛県 55,600 13,400 24.1%高知県 28,900 6,700 23.2%

中国・四国計 404,100 77,900 19.3%都府県 3,487,000 1,108,400 31.8%

資 料:「 耕地 及 び 作 物 面 積 統計」・「 集 落 営 農

実 態 調 査」・農 林 水 産 省 経 営局 調 べ

注:20 0 8 年 3 月末 時 点

図 Ⅲ -2 1 認 定 農 業者 等への農地集積率

耕 作 放棄地対策

事 例:三島食品株式会社(食 料品製造販売) 広島県広島市の同社は、安全安心な食品を消費者に提供するた

め、自社農場を開設し、ふりかけの原料となる赤シソを栽培する

とともに、一次加工施設を県の補助で整備しました。自社産原料

で製品の差異化に寄与しています。

耕 作 放 棄地 再 生 の 取 組 (山 口 県山 陽 小 野 田 市 埴 生 地区)

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○水田の整備状況(2008 年)は、標準区画以上に整備された割合が 41%と全国平均 61%

に比べて低くなっています。特に四国地域は 23%と極めて低い状況です。畑地の整

備状況(2008 年)は、末端農道の整備率は 51%で全国平均 73%に比べると低いもの

の、末端畑地かんがい施設の整備率は 29%と全国平均 21%を上回っています。

○整備状況等を踏まえて、中国・四国地域では、かんがい排水施設整備やほ場整備、農

道整備、農地防災・農地保全等の国営・補助事業を計画的かつ総合的に進めています。

○野生鳥獣による農林水産業被害は、収益性の低下や農業者の生産意欲の減退に伴う

耕作放棄等、農山村や集落機能の維持・存続にも影響を与えています。 ○2008年度の鳥獣による被害金額は約 24.6億円、被害面積は 6.6千 haとなっており、いずれもイノシシによる割合が高くなっています。

○地域の特性を活かした農林水産物・食品の高付加価値化を図るため、 2008 年度より農林水産物・食品地域ブランド化支援事業を実施し、商品の品質向上、生産体制の整

備、効果的なマーケティング、品質や名称の管理等の取組を支援しています。

資 料 : 農林 水 産 省 生 産 局 調べ

農 業 生産基盤の整備等の状況

鳥 獣被害防止対策の推進

図 Ⅲ -2 4 鳥 獣 被 害の 推移 (中 国 ・四 国地 域 )

資 料 : 農林 水 産 省 生 産 局 調べ

知 的 財産の創造・保護・活用

図 Ⅲ -2 5 農 林 水 産物 ・食 品地 域 ブ ランド化支援事業の取組概要

資 料: 中国 四 国 農 政 局 調 べ

カラス14%

イノシシ54%

サル1 1%

シカ7%

ヒヨドリ4%

その他10%

中国四国被害金額(24.5億円)

イノシシ

44%

カラス16%

サル

8%

その他13%

スズメ

7%

シカ12%

中国四国

被害面積(6 6千ha)

0.0

4.0

8.0

12.0

16.0

02 03 04 05 06 07 08 (年度)

(千ha)

0

10

20

30

40

50(億円)

被害面積 被害金額

図Ⅲ-2 3 被 害 金 額及 び被害面積( 20 08 年 度)

事業地区名 県名高知三波川帯地区 高知県高瀬地区 高知県

直轄地すべり事業

図Ⅲ-2 2 20 09 年国 営 か ん が い排水事業 ・国 営 総合 農 地防災事業・直 轄 地 す べり事業実施地区

資 料: 中国 四 国 農 政 局 作 成

注: 弓 浜半 島 地 区 、 香 川 用 水地 区 は 国 営 造 成 土 地改 良

施 設 整 備事 業

事業地区名 県名弓浜半島地区 鳥取県 斐伊川沿岸地区 島根県 岡山南部地区 岡山県

香川用水土器川沿岸地区 香川県香川用水地区 香川県道前道後平野地区 愛媛県

国営かんがい排水事業事業地区名 県名

吉野川下流域地区 徳島県那賀川地区 徳島県

国営総合農地防災事業

事業実施主体 対象品目広島県世羅町 世羅高原6次産業推進協議会 赤なし広島県廿日市市 大野漁業協同組合 一粒かき「安芸の一粒」、「厳蠣」山口県長門市 深川養鶏農業協同組合 長州黒地鶏愛媛県愛南町 愛南漁業協同組合 「愛南日帰りかつお」とそのシリーズ化愛媛県全域 えひめ愛フード推進機構 媛っこ地鶏(鶏肉)、あまおとめ(いちご)、伊予美人(さといも)愛媛県今治市 越智今治農業協同組合 はれひめ(中晩生柑橘)高知県四万十市 (株)四万十ドラマ ISO野菜の加工品づくり

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〇農政局では持続性の高い農業生産の推進に向けて、有機農業をはじめとする環境保

全型農業の推進を図っています。

〇持続性の高い農業生産の担い手となるエコファーマー※の認定件数は、2009 年9月

末現在で 12,021 件と前年度末(11,586 件)に比べ 3.8%増加しています。

○有機農業への参入促進や普及啓発、モデルタウンの育成及び土づくりの推進を図る

ことを目的とした地域有機農業推進事業により地域の取組を支援しています。

○世界的な日本食ブームの広がりやアジア諸国等における経済発展により農林水産物

等の輸出拡大のチャンスが拡大しており、政府としては 2020 年までに農林水産物・

食品の輸出額1兆円規模を目指して、輸出促進に取り組んでいます。

○農政局は、農林水産物・食品の輸出拡大に向けたセミナー・商談会・試食会等を開催し

ており、生産者や食品事業者に加えて、国内外のバイヤー等の参加がありました。

県名 品目(輸出国)

鳥取県 二十世紀梨島根県 米(きぬむすめ、ヘルシー元氣米)、牡丹苗

岡山県 白桃・ぶどう広島県 カキ・なし

山口県 ふぐ徳島県 なると金時

香川県 みかん・盆栽愛媛県 みかん・ハマチ

高知県 グロリオサ

環境に配慮した食料生産の推進

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知

(件数)

資 料 : 農林 水 産 省 生 産 局 農業 環 境 対 策 課 調 べ

注 :2009 年 度 は 9月 末 時 点

図 Ⅲ -2 6 エ コ フ ァー マー認定件数の推移 図 Ⅲ -2 7 県 別 エ コフ ァーマー認定件数

資 料 : 農林 水 産 省 生 産 局 農業 環 境 対 策 課 調 べ

注 :2009 年 9 月 末時 点

農 産 物等の輸出への取組の支援

資 料: 中国 四 国 農 政 局 作 成

図 Ⅲ -28 管 内 各 県 の 輸出の取組

0

50

100

150

200

250

2001 02 03 04 05 06 07 08 09

0

2

4

6

8

10

12

全国(千件) 管内(千件)

全国

管内

(年度)

商 談 会 (岡 山 県)

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〇農山漁村に人を呼び込み地域を活性化するための支援策を総合的に展開するため、

2007 年に「農山漁村活性化プロジェクト支援交付金」が創設され、地域の創意工夫を

活かして活性化計画を作成した地方公共団体に対して、農山漁村地域活性化の取組

を総合的に支援しています。2009 年度管内では、33 件の活性化計画が新たに作成さ

れ、34 市町村で農山漁村の活性化に向けた取組が実施されています。

○グリーン・ツーリズムをはじめとする都市と農山漁村の共生・対流は地域活性化に向

けた重要な施策の1つであり、関係府省と連携のもと、魅力ある交流拠点の整備を

はじめとした各種取組により地域活性化を図っています。 ○田んぼや農業用用排水路等は、農業生産の場である

と同時に、多くの生きもの達の生息場所にもなって

います。2009 年度も小学校、地域住民等と連携して

「田んぼの生きもの調査」を実施しており、魚類は

229 地点で 41 種、カエルは 45 地点で7種、水生昆

虫は 265 地点で8種を確認しました。

○農林水産祭のむらづくり部門では、自主的努力と創意工夫によるむらづくり活動を

通じて地域の活性化に貢献している集団を表彰しています。2009 年度は、3集団が

農林水産大臣賞を、1集団が中国四国農政局長賞を受賞しました。なお、島根県の「槻

之屋振興会」は「日本農林漁業振興会会長賞」を受賞しました。

第5章 元気な農業を実現する地域ぐるみでの農村の活性化

農山漁村の活性化に向けた取組

事 例:『黒潮カツオ体験隊』 (高知県黒潮町) 黒潮町佐賀地区の「黒潮カツオ体験隊」は、漁業の引退者や現役猟師の妻がインスト

ラクターとして従事して、「カツオのワラ焼きタタキ作り体験」の事業を実施していま

す。2006 年からは漁家民宿を開業し、2009 年5月には8件の漁家民宿が営業しており、

2008 年度から合計で 100 名近くの小学生を受け入れています。

→第7回オーライ!ニッポン大賞審査委員会長賞受賞(農山漁村イキイキ実践部門)

豊 か なむらづくりへの取組

事 例:槻之屋振興会(島 根県雲南市) :日本農林漁業振興会会長賞受賞 集落の農業や生活等に関わる社会基盤整備のベースとして「槻之屋振興会」を、地域

農業の活性化を目的として「農事組合法人槻之屋ヒーリング」を設立し、農業生産の発

展による地域活性化の推進体制を整備しました。両法人が両輪となり自治会と協力し

て多面的なむらづくり活動や営農活動を実践・支援するなかから、農家レストランを契

機とする新たな女性グループの結成や野菜生産グループの学校給食野菜生産、老人ク

ラブ活動等老若男女の多岐にわたる取組が芽生え、活動範囲も広がっています。

資 料: 中国 四 国 農 政 局 作 成

表彰名 むらづくりの主体 所在地

日本農林漁業振興会会長賞農林水産大臣賞

槻之屋振興会 島根県雲南市木次町

農林水産大臣賞 農事組合法人ネオ・アシスタント淳風 岡山県瀬戸内市邑久町農林水産大臣賞 であいの里 蜷川 高知県幡多郡黒潮町

中国四国農政局長賞 農事組合法人 かみあさライスセンター 愛媛県今治市朝倉

図Ⅲ-2 9 農 林 水 産祭 む らづ く り 部門 受 賞 集 団 一 覧( 20 09 年度 )

魚 類 調 査

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○良好に維持保全された農地・農業用水等の資源や農村環境を守り、これらの質を高め

る地域での共同活動と環境保全に向けた先進的な営農活動を総合的に支援するため、

「農地・水・環境保全向上対策」を 2007 年度から実施しています。

○中国・四国地域では、2009 年度に、管内 2,500 活動組織が取組面積9万 9,875ha で

共同活動に、243 活動組織が取組面積 3,394ha で営農活動に取り組んでいます。

○「中山間地域等直接支払制度」は、将来に

向けた農業生産活動等の継続に向けた前向

きな取組を促進し、水路・農道等の管理活

動や耕作放棄地の発生防止等の活動ととも

に、機械・農作業の共同化や新規就農者・

認定農業者の育成、担い手への農地集積等

の取組を推進しています。

〇中国 ・四国地域では対象農用地を有する

178 市町村の 98%に当たる 174 市町村で、

9,026 協定が締結されています(2009 年実

施状況見込み)。

農地・水・環境保全向上対策

図 Ⅲ -3 0 農 地・水 ・環 境 保 全 向 上対策の取組状況

(20 09 年 度 中 国・四 国 地 域)

資 料: 中国 四 国 農 政 局 調 べ

注:20 0 9 年 1 1 月 15 日 現 在 で 取 り まと め た 数 値 。

中山間地域の振興に向けた取組

図 Ⅲ -3 1 中 山 間 地域 等直接支払制度の

実 施 状 況(2 009 年 度 見 込 み)

資 料: 中国 四 国 農 政 局 調 べ

注: ラウ ン ド の 関 係 で 、 計と 内 訳 が 一 致

し な い 場合 が あ る 。

事例:豊田集落協定 (香川 県さぬき市) 当集落はイノシシによる農作物被害や高齢化の進行が

課題となっていました。このため、2期対策の3年目か

ら体制整備単価に移行し、非農家を含め集落ぐるみで農

地を守るとともに、農業機械の共同利用に向けた組織づ

くりに取り組むこととしました。集落内農地を囲む電気

柵設置や農業機械 の共同利用 を行う任意 組織「ヒヨサト

農園」を設立し、集落内の連携や活性化を図りました。

活動組織数

取組面積(ha)

活動組織数

取組面積(ha)

鳥取県 362 9,639 22 241島根県 486 20,336 80 1,270岡山県 290 11,125 5 48広島県 119 4,081 45 515山口県 308 17,220 46 822徳島県 104 7,812 1 13香川県 217 7,837 3 37愛媛県 424 16,171 31 284高知県 190 5,654 10 164計 2,500 99,875 243 3,394

県名共同活動支援 営農活動支援

法 面 の 草刈 り

県名実施

市町村数協定数 交付面積

(ha)

鳥取県 17 654 7,173 島根県 20 1,452 13,700 岡山県 25 1,458 11,451 広島県 17 1,533 19,985 山口県 17 926 12,577 徳島県 17 668 4,432 香川県 12 456 2,896 愛媛県 18 1,089 16,133 高知県 31 790 7,138計 174 9,026 95,485

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○中国・四国地域の農村生活環境は、中山間地域で下水道・農業集落排水施設等の整備

が立ち後れているなど、都市部と農村部に大きな差がみられます。

○農政局では、農村生活環境の整備を促進するため、農業集落排水施設整備や農村振

興総合整備、中山間地域総合整備等の推進に取り組んでいます。

○持続的に発展可能な社会「バイオマス・ニッポン」の早期実現に向けて、農政局では広

く地域の関係者の連携の下、バイオマス※の発生から利用まで、効率的なプロセス

で結ばれた総合的利活用システムを構築し、安定的かつ適正にバイオマスを利用す

る「バイオマスタウン」の構築を推進しています。

○現在、中国・四国地域ではバイオマスタウンが 35 地区(市町村)あり、それぞれの地

域において主体的な取組が展開されています。

○農政局においても、これらの取組に対して地域バイオマス利活用交付金等により支

援しているほか、セミナーの開催や農政局ホームページ等を通じて、バイオマスタ

ウン内外に対する先進的な地域の取組事例等の普及等をしています。

農村の生活環境整備等

バイオマスの利活用の推進

農 業 集 落排 水 処 理 施 設 の 施工 例

事例:バイオマスタウン真庭(岡山県真庭市) 木質バイオマス発電やエタノール製造、廃食用油のバ

イオディーゼル燃料製造、ペレットボイラーの利用、家

畜排せつ物の堆肥化等多角的なバイオマス利用に、行政

と事業者と市民が協力・連携して取り組んでいます。 また、市内のバイオマス関連施設等を巡る「バイオマ

スツアー」は、2009 年度「新エネ大賞」(経済産業省)の

最高賞である経済産業大臣賞を受賞しました。

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用語の説明(※のついた語句の説明 []内の数字はページ) [7]農業の6次産業化:農業、農村の再生・発展に向け、意欲ある農業者が生産物の質的

向上や差別化、加工・販売の一体化に取り組めるようにするとともに、 農業と2次産業・3次産業との融合等を通じて新たな産業や需要(市場)を創出すること。

[18]農家人口:農家世帯員

農業従事者:15 歳以上の農家の世帯員のうち過去 1 年間に自営農業に従事した者 基幹的農業従事者:農業就業人口(農業従事者のうち主として自営農業に従事した者)のうちふだんの主な状態が「仕事が主(農業)」の者

耕地利用率:耕地面積に対する作付(栽培)延べ面積の割合 [19]GAP:Good Agricultural Practice(農業生産工程管理)。農業生産活動を行う上で

必要な関係法令等の内容に則して定められる点検項目に沿って、農業生 産活動の各工程の正確な実施、記録、点検及び評価を行うことによる持続的な改 善活動のことです。

IPM:Integrated Pest Management(総合的病害虫・雑草管理)。病害虫・雑草が発生しにくい環境を整え、防除の要否及びその実施時期を適切に判断し、天敵や粘着板や粘着テープ等の多様な防除方法を組み合わせることで、農薬の使用を最小限とする環境に配慮した防除方法です。

リスクコミュニケーション:リスクそのもの、リスクに関連する要因、リスクの感じ方等について、リスク評価者、リスク管理者、消費者、食品関連事業者、学会その他の「関係者」との間で、情報と意見を相互に交換すること。

[20]トレーサビリティ : トレーサビリティとは食品の移動を把握できることであり、トレ

ーサビリティを確立すれば、食品事故があったときの原因究明や食品回 収などがより迅速に行えるようになる。

[21]地産地消推進計画 : 地方公共団体、農業者団体、食品産業事業者、消費者団体等が計

画主体となり、直売所、量販店、学校、外食産業等における地場農産物の利用促進、生産者と消費者の交流活動など地域の実情に応じて、地産地消に関する明確な目標を設定し、関係者が共通の認識を持って取組を進めようというもの。

[23]4麦 :小麦、二条大麦、六条大麦、裸麦の総称。 [26]水田経営所得安定対策 : 2007 年4月に導入された、土地利用型農業の体質強化を加

速的に進めるとともに、WTOにおける国際規律にも対応し得るよう、施策の対象となる担い手を明確化したうえで、その経営の安定を図る品目横断的経営安定対策が導入された。同年 12 月には、生産現場からの意見・要望を踏まえて、名称を水田経営所得安定対策とし、運用改善等の見直しが行われた。

認定農業者制度 : 認定農業者制度とは、農業経営基盤強化促進法に基づき、市町村が地域の実情に即して効率的・安定的な農業経営の目標等を内容とする基本構想を策定し、この目標を目指して農業者が作成した農業経営改善計画を認定する制度です。

[27]特定農業法人 : 特定農業法人とは担い手不足が見込まれる地域において、 ①その地

域の農地の過半を集積する相手方として一定の地 縁的まとまりを持つ地域の地権者の合意を得た法人で、 ②地権者から農地を引き受けるよう依頼があったときは、これに応じる義務を負うという特別な性格を有する農業法人(農業経営基盤強化促進法第 23 条第4項)

特定農業団体 : 特定農業団体とは担い手不足が見込まれる地域において、 ①その地域の農地面積の2/3以上について農作業を受託する相手方として、一定の地縁的まとまりを持つ地域の地権者の合意を得た任意組織であって、農業法人となることが確実と見込まれ、②地権者から農作業を引き受けるよう依頼があったときは、これに応じる義務を負うという性格を有する任意 組織(農業経営基盤強化促進法第23 条第4項)

[28]特定法人貸付事業 : 農業生産法人以外の法人に農地の権利取得を認める 農業経営基

盤強化促進法に基づく制度 [30]エコファーマー :1999 年 1 0 月に施行された「持続性の高い農業生産方式の導入の促

進に関する法律」に基づき、土づくり、化学肥料・農薬の使用の低減に取り組む技術を導入する計画を策定し、県知事の認定を受けた農業者

[33]バイオマス: 動植物に由来する有機物である資源で化石資源を除いたもの。太陽のエ

ネルギーを使って動植物が産み出すものであり、生命と太陽がある限り、再生可能。バイオマスの利用により大気中の二酸化炭素を増 加させないカーボンニュートラルの特徴を持つ。

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1 中国・四国農業の主要指標

単位 全 国 中国・四国 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 資  料

千戸 49,566 4,523 210 261 732 1,146 591 298 378 583 324 国勢調査17年

千人 127,768 11,762 607 742 1,957 2,877 1,493 810 1,012 1,468 796 〃

㎢ 377,947 50,728 3,507 6,708 7,113 8,479 6,114 4,147 1,877 5,678 7,105 国土地理院21年

(※は、境界未定のため参考値)

人/㎢ 338 232 173 111 275 339 244 195 540 259 112 国勢調査17年

% 4.8 7.5 10.9 10.1 6.4 4.3 6.8 9.8 7.1 9.4 12.7 〃

百戸 28,482 4,593 350 443 818 740 500 388 470 559 325 2005年農林業センサス

〃 19,634 2,941 249 293 517 421 323 244 313 370 211 〃

      専  業 〃 4,432 771 44 49 123 117 92 67 65 128 86 〃

う   男子生産年齢人口のいる専業農家 〃 1,867 212 14 11 25 20 15 27 18 43 40 〃

ち       1種兼業 〃 3,083 314 31 28 41 35 28 34 27 53 36 〃

      2種兼業 〃 12,119 1,855 174 216 353 268 203 143 221 189 89 〃

百人 83,705 11,454 1,091 1,229 2,061 1,519 1,120 1,009 1,286 1,356 782 2005年農林業センサス

う 農 業 就 業 人 口 〃 33,526 4,697 411 427 795 630 474 438 479 642 401 〃

ち 基幹的農業従事者 〃 22,407 3,046 289 305 465 340 310 309 278 464 286 〃

百ha 46,090 3,988 352 385 694 588 506 313 322 542 287 耕地及び作付面積統計21年

田 〃 25,060 2,869 243 310 545 430 409 208 266 243 216 〃

う 普 通 畑 〃 11,690 549 80 51 102 83 58 58 24 62 31 〃

ち 樹 園 地 〃 3,147 528 20 18 39 67 35 45 32 235 38 〃

牧 草 地 〃 6,188 42 10 6 8 9 4 2 0 2 3 〃

a 162 87 101 87 85 79 101 81 69 97 88 耕地面積/総農家数

億円 86,509 8,588 702 602 1,294 1,073 697 1,052 786 1,356 1,026 生産農業所得統計20年

      米       〃 19,312 2,002 160 233 393 297 295 144 165 176 139 〃

野     菜 〃 21,105 2,171 200 87 182 168 123 377 239 188 606 〃

果     実 〃 7,410 1,231 69 39 171 128 41 101 54 530 98 〃

花     き 〃 3,656 304 22 19 29 31 29 39 39 37 59 〃

畜     産 〃 27,108 2,439 223 200 478 411 188 279 254 323 83 〃

耕 地 面 積

農 家 1 戸 当 た り 耕 地 面 積

総 人 口

区          分

総 世 帯 数

農 業 産 出 額

販 売 農 家 数

販 売 農 家 人 口

総 面 積

人 口 密 度

第 1 次 産 業 就 業 比 率

総 農 家 数

※ ※

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平成 21 年度

中国四国食料・農業・農村情勢報告(概要版)

発 行 者:中国四国農政局 問い合わせ先:企画調整室

〒700-8532

岡山市北区下石井1丁目4番 1号 岡山第2合同庁舎

TEL 086(224)4511(代表)(内線2117)

FAX 086(235)8115

URL http://www.maff.go.jp/chushi/

【徳島県鳴門市 えんたのれんこん推進会議(特集編事例より)】