国際水準GAPの推進について...平成29年11月22日 農林水産省...

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平成29年11月22日 農林水産省 生産局農業環境対策課 国際水準GAPの推進について 参考3

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平成29年11月22日

農林水産省生産局農業環境対策課

国際水準GAPの推進について

参考3

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1 GAPをめぐる最近の動き

〇 ふくしま。GAPチャレンジ宣言

(平成29年5月15日)

〇 みえGAPチャレンジ宣言

(平成29年7月24日)

〇 青森県立五所川原農林高校

日本の農業高校で初めてGLOBALG.A.P.認証を取得

〇 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会

食材調達基準においてGAPを記載

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「GAP」とは農業において、食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するた

めの生産工程管理の取組。(GAP:Good Agricultural Practice)

「GAPをする」とは農業者がGAP(活動又は取組)を自ら実施すること。認証を取得しているかどうかは関係ない。

「GAP認証」とは

第三者機関の審査により、GAPが正しく実施されていることが確認された証明。

ASIAGAP/JGAP : 一般財団法人日本GAP協会が策定した日本発のGAP認証。JGAP Advance/JGAP BasicからASIAGAP/JGAPに改名し、平成29年8月より運用開始。

GLOBALG.A.P. : ドイツのFoodPLUSGmbHが策定したGAP認証。主に欧州で普及している。青果物に関してGFSI承認を受けている。

「GAP認証をとる」とはGAP認証を受けること。これにより、GAPを実施していることが客観的に証明される。

2 GAPとは何か

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3 GAPの取組と生産者にとっての意義

・ 農業者がGAPを実施することは、生産管理の向上、効率性の向上、生産者自身や従業員の経営意識の向上といった経営改善につながるといった効果がある。

・ さらには、持続可能な農業生産の実現に資する。

< 食品安全 >

異物混入の防止、農薬適正使用と保管来訪者への衛生指示 など

< 環境保全 >

適切な施肥、土壌浸食の防止、廃棄物の適正処理・利用、水の使用量の把握と節水対策 など

< 労働安全>

機械・設備の点検・整備、作業安全用の保護具の着用、事故防止の作業手順書作成 など

包装資材のそばに灯油など汚染の原因となるものを置かない

廃棄物を農場に放置しない

危険な作業はスイッチを止めてから行う(巻き込まれ防止)

堆肥置き場や調製施設では、専用の履物を準備する

危険箇所の掲示をする

農薬空容器は分別して処分

< 人権保護 >

家族経営協定の締結、技能実習生の適切な労働条件の遵守

など

< 農場経営管理 >

責任者の配置、教育訓練の実施、内部点検の実施 など

< その他 >

商品回収テストの実施、

資材仕入先の評価 など

< 国際水準のGAPが求める取組(例)>

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4 世界における食をめぐる状況、見えない価値へのニーズ

・ GAP認証により、「見えない価値」の見える化 取引の際の信頼確保につながる

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食品安全認証スキームの承認

食品事故の多発原料の調達・加工・生産の グローバル化監査コストの増大認証の仕組みの乱立

食品安全のグローバル規格の必要性を共有

2000年5月 GFSI発足グローバルな食品事業者(世界70カ国、約400社が加入するTCGF(The Consumer Goods Forum)の下部組織。日本企業は75社が加入。

設立の背景

ビジョン

ミッション 世界中の消費者の信頼を得るため、食品安全での継続的改善を推し進める

ビジョン、ミッション、目的

すべての消費者に安全な食品を

目的 ・食品安全リスクの低減・コストの最適化・能力開発・力量向上・知識の交流ネットワー

キング

食品安全マネジメントシステム間で等価性を図り、収束させることにより、食品安全リスクを軽減するとともに、コストを最適化する。

GFSI

承認基準

承認

承認基準の適合性を審査

1.組織への要求事項

(1)食品安全マネジメント(2)適正製造規範(GMP)(3)HACCP

2.認証の仕組みへの要求事項

(認証の信頼性を高める仕組み)

5 Global Food Safety Initiative(GFSI)の概要

・カーギル Mike Robach氏

ボードメンバー(20名)

● コカコーラ ● ネスレ ● カルフール● モンデリーズ● マクドナルド● ウォルマート ● タイソン● 中糧集団有限公司● テスコ ● イオン ● ダノン● ドール ● アマゾン ● オーシャン● メトロ ● コストコ

● 新希望六和股份有限公司

Chair

・アホールドAnita Scholete op Reimer氏

・ウェグマンズ Gillian Kelleher氏

Vice-Chairs

Member

SQF (米)

GRMS (デンマーク)

FSSC22000 (蘭)

IFS (独)

CANADAGAP (加)

Global Aquaculture Alliance (米)

BRC (英)

GLOBALG.A.P. (独)

PrimusGFS (米)

(政府規格技術的同等性承認)

China HACCP (中)

※ 括弧内は本部のある場所

1.のみ承認

1.と2.の両方を承認

※赤枠は青果物の認証スキームが承認されているもの

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(参考)求められる持続可能性: 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会 ①

出典:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会作成資料 6

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出典:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会作成資料

(参考)求められる持続可能性: 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会 ②

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(参考) 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会における食材調達基準(農産)

出典:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会作成資料 8

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(参考) 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会における食材調達基準(畜産)

出典:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会作成資料 9

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〇 組織図の作成責任者、役割分担等を整理。

〇 リスク評価と対策生産工程に潜むリスクを分析・評価し、その対策を講じることにより事故を未然に防ぐ。

〇 ルールの策定、生産計画・記帳台帳の作成農場に適したルールを策定。

〇 環境整備とルールの周知徹底整理整頓がGAP実践の基本。また、農場のルールを従業員や来訪者へ周知徹底するため、

ルールを分かりやすく掲示。

〇 生産活動の実施と改善作成した農場ルール等に従い生産活動を実施。その内容を点検し、改善につなげる。

6 生産現場での具体的な取組 ①

GAPの取組の基本

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〇 生産現場におけるリスク評価と対策の手順

6 生産現場での具体的な取組 ②

作業使用する

器具リスクの概要 分類 危害 頻度

深刻度

評価 対策

収穫ハサミ

ハサミの汚れの収穫物への付着 食(生物) 細菌等 中 高 高 作業前に洗浄、アルコール消毒

作業者の手の汚れの収穫物への付着 食(生物) 細菌等 中 高 高 清潔な手袋の着用

作業者の着衣等からの収穫物への農薬の付着

食(化学) 農薬 低 高 中 農薬散布後は防護服を脱ぎ、手を洗ってから収穫

ハサミによる怪我 労働 ハサミ 低 低 低 清潔な手袋の着用

コンテナ コンテナの汚れの収穫物への付着 食(生物) 細菌等 中 高 高 衛生的な場所でのコンテナの保管、定期的な洗浄

選果場への輸送

軽トラック

作業者の手の汚れの収穫物への付着 食(生物) 細菌等 中 高 高 清潔な手袋の着用

作業者の着衣等からの収穫物への農薬の付着

食(化学) 農薬 低 高 中 農薬散布後は防護服を脱ぎ、手を洗ってから収穫

軽トラの汚れの収穫物への付着 食(生物) 細菌等 中 高 高堆肥や有機物の輸送トラックをしようしない、汚れがある場合は洗浄

輸送中の収穫物のドリフト農薬の被爆 食(化学) 農薬 低 高 中 ホロで被覆する

輸送中の交通事故 労働 不特定 低 高 中 任意保険の加入、安全運転の励行

燃料の浪費 環境 燃料 低 低 低 燃費を考慮した走行の実施

選別計量包装

収穫台、はかり、包装資材

作業者の手の汚れの収穫物への付着 食(生物) 細菌等 中 高 高 清潔な手袋の着用

作業者の着衣等からの収穫物への農薬の付着

食(化学) 農薬 低 高 中 農薬散布後は防護服を脱ぎ、手を洗ってから収穫

はかりの汚れの収穫物への付着食(生物) 細菌等 低 高 中 収穫前後でのはかりの洗浄

食(化学) 農薬 低 高 中 収穫物専用のはかりの使用

包装時の異物の混入 食(物理)虫、異物等

高 中 高防虫ネットによる虫の侵入防止作業台の整理整頓

(リスク評価と対策の例)

① 作業内容や使用器具に応じて、リスクを検討し、それらについて発生頻度や深刻度を評価したうえで、対策を講じる。

② 対策の内容と結果を記録し、必要に応じてリスク及び対策の再検討を行う。

(上記①、②をくり返す)

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作業者の労働安全について

① 圃場、作業道、倉庫・農産物取扱い施設及びその敷地等における危険な場所、危険な作業に関するリスク評価を年1回以上実施し、事故やけがを防止する対策を文書化している。

リスク評価とその対策は、自分の農場及び同業者で発生した事故やけがの情報や自分の農場で発生したヒヤリハットの情報を参考にしている。危険な作業として下記を必ず評価の対象としている。1)乗用型機械の積み降ろし及び傾斜地や段差での使用2)耕耘機の使用3)草刈機(刈払い機)の斜面・法面での使用4)脚立の使用

② 上記①で立てた事故やけがを防止する対策を周知し実施している。③ 圃場、倉庫、農産物取扱い施設及び作業内容に変更があった場合には、リスク評価とその対策を見直している。

使用者と労働者のコミュニケーションについて

管理者と労働者との間で、健康、安全福祉に関する懸念事項について(恐怖や脅迫、報復を伴うことなく)オープンに話し合うことができ、最低年1回、そのための機会をもっているという記録がある。健康、安全、福祉面で作業者にとって気掛かりな点に対し、取り組みが行われているという証拠がある。

労働条件の提示について

① 使用者は、労働者に対して、就労前に下記に示す労働条件を文書で示している。1)従事する業務内容と就業する場所2)労働する期間、期間が限定される場合には雇用契約の更新に関する事項3)労働する時間、休憩時間、休日4)賃金とその支払方法及び支払い時期5) 退職に関する事項(雇用の解除に関する権利、解雇の条件等)

② 外国人労働者の場合には、労働者が理解できる言語で労働条件を文書で示している。

(求められる取組の例)

○ 作業者の労働安全確保や人権保護に関する取組

出典: ASIAGAP管理点・適合基準及びGLOBALG.A.P.管理点・適合基準を基に農林水産省生産局農業環境対策課で作成

6 生産現場での具体的な取組 ③

GAPの実践現場では、農業労働環境の改善を図るため、・ 作業環境における農作業事故などのリスクの評価や対策の周知、・ 使用者と労働者のコミュニケーションの推進、・ 円滑な雇用契約のための、労働条件の提示等 の取組を実施。

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7 GAPの取組・認証取得の拡大の推進施策 ① (GAPをする)

見えない価値(例) JGAP認証(例)

【目標】〈生産現場が変わる〉【KPI】平成30年度中に、各県内のGAP指導体制に

おける指導員数が全国で1,000人以上育成確保

東京オリンピック・パラリンピック競技大会まで

【目標】〈国際水準に達する取組が浸透〉

ほぼ全ての国内の産地で国際水準のGAPを実施

2021年から2030年まで

○ 生産現場への周知徹底GAPは「農業者」の経営改善上、必要不可欠な取組との共通認識。都道府県等のGAPは、オリパラ調達基準を満たす農林水産省ガイドライン準拠に統一。→将来的に、国際水準のGAPに向けて発展的解消。

○ 農林水産省関連事業等において優先採択等を検討。

○ 各県内で高い水準で指導できる人材の育成確保を図り、GAP指導体制を構築。

○ 全国農作業安全確認運動、農薬危害防止運動等の関連運動と連携強化。

○ 農業教育機関におけるGAP教育を促進。実習を含むGAP教育の拡充へ向け次期高等学校学習指導要領の改訂を検討。

○ オリパラ調達で推奨される有機農業、農福連携、農業遺産も一体的に推進。

施 策 国際水準GAPの取組拡大に向けて

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JGAP認証(例)

【目標】東京オリンピック・パラリンピック競技大会に必要な食材量を余裕を持って十分に供給できるGAP認証取得農産物等の出荷量確保

【KPI】・ 平成31年度末までに現状の3倍以上の認証取得

・ 日本発GAP認証の仕組みが国際承認を得る(GLOBALG.A.P.と同等の扱い)

東京オリンピック・パラリンピック競技大会まで

【目標】〈フードチェーンが変わる〉

・ 日本発GAP認証がアジアで主流の仕組み(デファクトスタンダード)となる

2021年から2030年まで

○ 価値を共有する流通業者等を結集し、オールジャパンでの協力体制を構築。

○ 地方における審査員の育成確保の促進、団体認証の推進により、審査コスト削減と認証体制強化を図る。

○ 優良事例表彰によるメリット周知とともに認証取得支援を検討。(なお、認証取得は販売戦略、取引先要請等に基づき農業経営者が判断することが基本。)

○ 日本発GAP認証の仕組みの国際承認による国際規格化を官民連携して推進。平成30年3月の東京でのGFSI世界会議を成功させ、30年末~31年はじめの承認を目指す。

○ 日本発GAP認証のアジアでの認知向上を図る。

施 策 GAP認証の取得拡大に向けて

7 GAPの取組・認証取得の拡大の推進施策 ② (GAP認証をとる)

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畜産におけるGAPの推進状況

・3月31日にJGAP家畜・畜産物の基準書を公表。

・審査認証機関の認定、審査員の養成等認証体制を構築し、8月21日に農場の認証を開始。

・8月31日にGAP認証取得の準備段階の取組であるGAP取得チャレンジシステムを運用開始。

<GAP認証取得等状況> (H29.11.15時点)

畜産における農業生産工程管理(Good Agricultural Practice)とは

農業生産活動の持続性を確保するため、

①食品安全・家畜衛生・環境保全・労働安全・アニマルウェルフェアに関する法令等を遵守する

ための点検項目を定め、②これらの実施、記録、点検、評価を繰り返しつつ生産工程の管理や改

善を行う取組のこと。

JGAP家畜・畜産物:5経営体(乳用牛1,肉用牛1,養豚3)、

GAP取得チャレンジシステム:3経営体(肉用牛3)、

GLOBALG.A.P.:1経営体(大学1)

(参考) 畜産におけるGAPの取組について

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(参考)GAPの取組・認証取得拡大に向けて

「経済財政運営と改革の基本方針2017(骨太方針)」(平成29年6月9日閣議決定)(抜粋)

2.成長戦略の加速等(6)海外の成長市場との連携強化② 戦略的な輸出・観光促進

農林水産業の輸出力を強化するため、JFOODOを核として、綿密な需要把握に基づく戦略的なプロモーション等を行うとともに、地域商社等の取組、物流や輸出環境の整備等を促進する。また、JASなど規格・認証の活用や国際規格化等を戦略的に推進するとともに、効果的・効率的な輸出拠点整備を、ハード・ソフト両面から進める。

4.地方創生、中堅・中小企業・小規模事業者支援(2)攻めの農林水産業の展開

生産資材価格の引下げ、流通・加工の構造改革、生乳改革、収入保険制度の創設、GAP・HACCPの戦略的推進と食の安全確保、6次産業化の推進、農業協同組合・農業委員会改革の実施、多様な担い手の育成・確保、中山間地域を含めた産地の収益力強化等により競争力強化を更に加速させていく。

第2 具体的施策Ⅲ 地域経済好循環システムの構築2.攻めの農林水産業の展開ⅱ)バリューチェーン全体での付加価値の向上④規格・認証、知的財産の戦略的推進・ 国産農林水産物の輸出増や国内での販路拡大に向けて、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会も契機として、生産現場における国際水準のGAP(農業生産工程管理)の実施及び認証取得の拡大、有機農業等の持続可能な農業の普及・拡大、HACCP(食品製造等に関する危害要因を分析し、特に重要な工程を監視・記録するシステム)に基づく衛生管理の制度化及び森林認証材の普及を推進するとともに、日本発のGAP認証、HACCPをベースとした食品安全管理規格認証及び水産エコラベル認証の仕組みに関し、普及及び国際承認に向けた民間団体の取組や、国際標準の議論に参画できる人材育成体制整備を促進する。

「未来投資戦略2017」(平成29年6月9日閣議決定)(抜粋)

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GAP拡大の推進 平成30年度予算概算要求額 883(-)百万円

輸出拡大や人材育成など我が国農畜産業競争力の強化を図る観点から、国際水準GAPの取組及び認証取得の拡大を図っていくために必要な取組を総合的に支援します。

○ 各県内の指導体制における国際水準GAPの指導員数を1000名以上育成確保(KPI、平成30年度中)○ 国際水準GAPについて、現状の3倍以上の認証取得(KPI、平成31年度末)○ 日本発GAP認証の仕組みが国際承認を得る○ 日本版畜産GAP取得経営体数の増加及び国産畜産物に対する評価の向上

2 農業経営確立支援事業 696 (673)百万円の内数

農業大学校等における国際水準GAPに関する新たな教育カリキュラムの作成・実施に対する支援

【補助率】定額 【事業実施主体】都道府県、民間団体

3 日・アセアン連携によるGAP認知度向上推進事業 17 (―)百万円

日本発GAP認証のアジアにおける認知度向上のため、アセアン各国との情報交換等を行う調整員をアセアン事務局に派遣

【拠出先】アセアン事務局

1 GAP拡大推進加速化事業 866 (-)百万円

※ 農業高校におけるGAP教育の充実については、文部科学省と連携して推進(審査費用は、上記1(1)①及び(2)で支援)

②GAP関連運動推進【GAPをする】

農作業安全運動や農薬危害防止運動等と連動し、食品安全、環境保全、労働安全等のGAPの取組内容に関する生産者の理解度向上に向けた研修会開催の取組を支援

【補助率】定額【事業実施主体】民間団体

③日本発GAPの国際化推進【GAP認証をとる】

日本発GAP認証の国際規格化のための取組を支援

【補助率】定額【事業実施主体】民間団体

(1)農産GAP拡大推進加速化

①GAP取組・認証拡大推進交付金

【GAPをする】【GAP認証をとる】

地域の実情に応じて国際水準GAPの取組や認証拡大が加速的に進展するよう、都道府県の取組を交付金により機動的に支援

<都道府県の取組内容>ア 国際水準GAPを指導・審査できる人材の育成・充実イ 県内の人材による指導活動の推進、生産者のGAP実践のレベルアップ

ウ 地域のモデルとなる農業者に対する認証取得のための環境整備や審査費用への補助 など

【交付率】定額 【事業実施主体】都道府県

(2)畜産GAP拡大推進加速化

【GAPをする】【GAP認証をとる】

日本版畜産GAPの審査員・指導員の育成、GAP認証取得、GAP認証取得の前段階の取組である「GAP取得チャレンジシステム」の普及等を支援 【補助率】定額、1/2以内 【事業実施主体】民間団体等

目 標

541 (-)百万円

325 (-)百万円

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