大学院インターンシップ設備系 WG 報告書 · 2011.3.31...

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2011.3.31 大学院インターンシップ設備系 WG 報告書 産学連携建築教育連絡会議 *1 大学院インターンシップ設備系 WG *3 *1: 本会議は、士会連合会・JIA・日事連・BCSJSCAJABMEE・日本建築学会・全建教 *2 から の推薦委員により構成される。また国交省がオブザーバー参加している。 *2: 全建教は全国建築系大学教育連絡協議会の略称である。全国の大学連合であり、日本建築学会内 にある。 *3: メンバー:久野覚(名古屋大学/全建教)、渡辺健二(日建設計/JABMEE)、若松宏(総合設備 計画/JABMEE)、山本雅洋(大林組/BCS)、伊東民雄(高砂熱学工業/JABMEE)、川瀬貴晴 (千葉大学/オブザーバー) 1

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2011.3.31

大学院インターンシップ設備系 WG 報告書

産学連携建築教育連絡会議*1

大学院インターンシップ設備系 WG*3

*1: 本会議は、士会連合会・JIA・日事連・BCS・JSCA・JABMEE・日本建築学会・全建教*2から

の推薦委員により構成される。また国交省がオブザーバー参加している。

*2: 全建教は全国建築系大学教育連絡協議会の略称である。全国の大学連合であり、日本建築学会内

にある。

*3: メンバー:久野覚(名古屋大学/全建教)、渡辺健二(日建設計/JABMEE)、若松宏(総合設備

計画/JABMEE)、山本雅洋(大林組/BCS)、伊東民雄(高砂熱学工業/JABMEE)、川瀬貴晴

(千葉大学/オブザーバー)

1

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1.はじめに

本 WG の目的は、大学院インターンシップ設備系に関し、どのような内容で行うか、ガ

イドラインあるいは参考資料となるものを作成することにある。 まず、設備設計者が実際に行う設計業務・プロセスおよび設備設計者が具備すべき技術・

能力を整理した。続いて、インターンシップを実施するに当たり、その中でどのような経

験をさせられるか、今までの実施例を参考にモデルプランを数種作成した。以降に、その

検討結果を示す。 2010 年 8 月 5 日第 1 回 WG で方針を協議し、10 月 29 日第 2 回 WG で報告書第 1 次案

の検討を行い、11 月 15 日に第 1 次案を作成、各所に意見聴取を行った。寄せられた意見を

2011 年 1 月 20 日第 3 回で検討し修正作業に入り、2 月 15 日に報告書第 2 次案を作成、2月 16 日第 4 回 WG で最終確認を行い、再度各所に意見聴取を行った。その間およびその後

はメールにて作業を行い、本報告書を作成した。 大学院インターンシップの目的は、設計実務を経験することにある。これは、一級建築

士受験資格要件の一部となるばかりではなく、学生にとって実社会の多くの情報・体験を

得る機会となる。そのあり方は多様であるが、WGでの検討結果がこれらの目的を果たす

ための一助となれば幸いである。 2.前提とした条件

以下の条件を前提として作業を行った。 ・ 2011 年度以降実施のインターンシップの参考資料となるものを作成する。 ・ 1 年認定のための最初の 4 単位(最低 120 時間以上)を想定する。ただし、最

低時間数を 120 時間より多くの時間数にしている大学もある。 ・ 実際に設計が進行している適当な物件がない場合でも、別システムの検討を行

うなど、実際の設計作業と同等の内容を経験させることが可能であればよいと

した。 ・ 大都市・大規模組織だけでなく、地方都市・中小規模組織にも十分適用可能な

ものとする。 3.インターンシッププログラムの検討

3.1 メニューの作成

現在のメニュー案を別添資料として示す。 総合設計事務所・設備設計事務所・総合建設業設計部・設備工事業設計部における設計・

監理業務について整理を行った。組織の規模の大小も考慮し、網羅的に項目を上げている。

したがって、全ての項目を行っている組織はないと思われる。 このメニュー案は、新築物件を想定して作成されている。設備の場合は、竣工後の設備

2

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診断・省エネ診断・リニューアル・コミッショニング等が行われる場合があり、設備設計

者がその業務を担当する。個々の作業内容は、新築物件の場合と共通するので、適宜この

メニューを利用すればよい。 また、インターンシップの具体的内容については、秘密保持の観点や指導体制等の事情

を考慮し、各受け入れ先の判断で決まるものであり、メニューにある作業が実際に行われ

ている場合であってもインターンシップの内容に含めなければならないということはない。

クライアントを含めた打ち合わせ参加などは難しい場合もあろう。 3.2 モデルプログラムの作成

いくつかのプログラム例を別添資料として示す。留意点を以下に示す。 ・ ここで上げた例は、あくまで参考例である。 ・ 1 日 8 時間連続 15 日間の表現にしてあるが、当然土日祭日等で分断される。

受け入れ先の仕事の状況や学生の都合により、半日だけという日が加わる場合

もありうるし、途中期間をおいて数日ずつ実施するという場合もありうる。合

計時間が 120 時間以上になればよい。 ・ 120 時間で経験できる内容は非常に限られており、メニューの中から適宜選択

し、組み合わせてプログラムを構成する。 ・ 1 単位(30 時間以上)ずつあるいは 2 単位(60 時間以上)ずつの設定になっ

ている場合、複数の受け入れ先で合計 120 時間以上経験すればよいとなってい

る場合も、それぞれ時間数に合わせて考えればよい。 ・ 受入先のそのときの状況および学生の知識・能力によって、当然プログラムの

内容が変わることはありうる。 ・ したがって、受入先および大学側とで予め相談し個別プログラムを考えること

が望ましい。ただし、複数の学生を同時に受け入れる場合などは個別対応が困

難であることが予想され、受け入れ先が設定する固定プログラムにならざるを

得ない場合もあろう。 4.おわりに

冒頭で、大学院インターンシップは設計実務を経験することと述べたが、設備設計の場

合、実際の設計業務の補助をしようとするならば、各種計算についてある程度の能力を必

要とする。これを欠いていると、計算法の教育に時間を取られてしまい、実際の設計活動

を体験するという目的がやや損なわれる。この問題については種々の考え方があり、ここ

で深く論じることは控えるが、大学院インターンシップの導入により、建築教育界すなわ

ち大学と建築実務界双方および両者の関係が徐々に新しい状態に移行して行くものと思わ

れる。 以上

3

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設備系インターンシップ/メニュー

区分 項目 内容

設備設計の手順

進行中または完了プロジェクトのスケジュール表・検討資

料・成果品などを利用して設備設計の内容(電気・空調・衛

生)と設計手順の説明を受ける。 各段階での意匠・構造設計者との協議事項、関連法規と諸官

庁協議事項の説明を受ける。 設備設計者の役割

プロジェクトにおける設備設計者の役割や求められるもの、

建築士としての義務や守秘義務の重要性の説明を受ける。

共通

設備設計の重要性 性能保証、環境負荷低減、ライフサイクルコスト、将来更新

などに対して設備設計の関わりが深いことの説明を受ける。

設備設計図書 基本設計書・実施設計書の事例を用いて、設計図書として必

要な情報の説明を受ける。 意匠および構造設計図を利用して、設備スペース・断面詳

細・梁貫通など、設備と他工事との関わりの説明を受ける。

主要な設計テーマ 社会的関心が高い・クライアントの要望が強いなど、設計の

主要テーマについて、事例に基づき説明を受ける。 テーマ例) 空調方式、熱源方式、CO2削減、CASBEE、リニューアル、

設備診断、エネルギー診断、コミッショニング 基礎的な設計手法 熱負荷計算、設計原単位、設計図作成などの補助業務実施に

必要な基礎知識の説明を受ける。 既往の研修プログラム活用も可とする。

設計情報収集 製品説明会、展示会などで設計に関する情報を収集する。 施設見学などで実際の機器や納まりを確認する。

基本設計 事前調査の補助 現地調査・法調査・事例調査などを補助する。

検討資料の作成補助 クライアント用比較資料、意匠担当者用納まり検討図などの

作成を補助する。 基本設計書の作成補助 設計主旨、設備概要書、基本設計図(プロット図含む)など

の作成を補助する。 設計打合せ出席 クライアントや意匠担当者など社内外での打合せに同席す

る。または打合せ記録作成を補助する。 消防・水道局などの諸官庁打合せに協力する。

実施設計 ( 改 修 含

む)

計算書作成の補助(空調) 熱負荷計算、換気計算、省エネ計算書など ※該当プロジェクトがない場合は、既設計プロジェクトの再

計算などで代替する。 計算書作成の補助(電気) 照度計算(器具選定・配置検討含む)、電気負荷集計、幹線

計算、省エネ計算書など ※同上

計算書作成の補助(衛生) 給水設備容量、配管サイズ計算、省エネ計算書など ※同上

機器選定の補助 計算書に基づく主要機器の選定 ※同上

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実 施 設 計

(続き) 実施設計図の作成補助 特記仕様書、平面図、詳細図(施工図含む)などを手書きま

たはCADで作成する。 該当プロジェクトがない場合は、既設計プロジェクトの再設

計または図面チェックなどで代替する。 シミュレーションの補助 年間エネルギー消費、温熱環境予測などのシミュレーション

を行う。 積算業務の補助 数量拾い出し、参考見積書徴収の協力を行う。

監理 現場打合せの出席 現場施工の場へ赴き、クライアント・施工者との打合せに同

席し監理業務についての理解を深める。 また、施工の実際を見学し設計から建物完成の過程を体験す

る。施工管理業務の補助を含む。 性能検証の協力 竣工検査または運用段階での環境実測・エネルギー消費分析

などにおいて性能検証の協力をする。 諸官庁検査(消防、建築確認審査機関など)における協力を

行う。

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■設備系インターンシップ/モデルプログラムその1 基本・実施・監理総合的なプログラム例

4単

位(120時

間=

8時

間/日

×15日

区分

項目

1日目

2日目

3日目

4日目

5日目

6日目

7日

目8日

目9日

目10日

目11日

目12日

目13日

目14日

目15日

目時

日時間

共通

設備

設計

の手

順0.5

4.0

設備

設計

者の

役割

0.5

4.0

設備

設計

の重

要性

1.0

8.0

設備

設計

図書

1.0

8.0

主要

な設

計テ

ーマ

基礎

的な

設計

手法

0.5

4.0

設計

情報

収集

基本

設計

事前

調査

の補

検討

資料

の作

成補

助4.0

32.0

基本

設計

書の

作成

補助

1.0

8.0

設計

打合

せ出

席0.0

実施

設計

(改修含む)

計算

書作

成の

補助

(空

調)

1.5

12.0

計算

書作

成の

補助

(電

気)

計算

書作

成の

補助

(衛

生)

0.5

4.0

機器

選定

の補

助0.5

4.0

実施

設計

図の

作成

補助

2.0

16.0

シミ

ュレ

ーシ

ョン

の補

監理

現場

打合

せの

出席

2.0

16.0

性能

検証

の協

計15.0

120.0

K市

庁舎

の再

計算

を行

い、

空調

負荷

計算

と換

気計

算の

基礎

を理

解す

る。

A本

社ビ

ル(

設計

中)

の空

調方

式比

較、

熱源

比較

、エ

ネル

ギー

シミ

ュレ

ーシ

ョン

、L

CC

O2

算出

の補

助を

行う

A本

社ビ

ル(

設計

中)

基本

設計

書の

作成

補助

を行

う。

新人

研修

資料

を利

用し

て、

空調

負荷

計算

の基

本を

理解

する

内  容

新人

研修

資料

、「

実務

の知

識」

を利

用し

て、

設備

設計

の概

要と

手順

を理

解す

る。

K市

庁舎

(施

工中

)の

基本

設計

書、

スケ

ジュ

ール

表を

用い

て実

施し

た業

務内

容を

理解

する

設備

設計

者と

の経

験談

や意

見交

換を

通し

て、

設備

設計

の重

要性

・や

りが

いを

理解

する

K市

庁舎

の基

本設

計書

と実

施設

計図

に基

づき

、①

図面

の見

方、

②設

備概

要を

理解

する

。さ

らに

、図

面の

色塗

りを

行う

こと

によ

り③

空調

ダク

トと

配管

のつ

なが

りを

理解

する

計算

結果

に基

づき

、空

調機

・熱

源・

送風

機の

機器

選定

を行

う。

(再

計算

K市

庁舎

にお

いて

、実

施図

面を

参考

にし

なが

ら空

調ダ

クト

およ

び配

管図

を作

成す

る。

K市

庁舎

の再

計算

を行

い、

水槽

・ポ

ンプ

容量

算定

の基

礎を

理解

する

現場

で施

工状

況の

視察

と定

例会

議に

出席

し、

監理

者の

役割

を理

解す

る。

(3

日目

:K

市庁

舎、

14

日目

:S

病院

6

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■設備系インターンシップ/モデルプログラムその2 基本設計を主体としたプログラム例

4単

位(120時

間=

8時

間/日

×15日

区分

項目

1日目

2日目

3日目

4日目

5日目

6日目

7日

目8日

目9日

目10日

目11日

目12日

目13日

目14日

目15日

目時

日時間

共通

設備

設計

の手

順0.5

4.0

設備

設計

者の

役割

0.5

4.0

設備

設計

の重

要性

1.0

8.0

設備

設計

図書

0.5

4.0

主要

な設

計テ

ーマ

0.5

4.0

基礎

的な

設計

手法

設計

情報

収集

基本

設計

事前

調査

の補

助1.0

8.0

検討

資料

の作

成補

助6.0

48.0

基本

設計

書の

作成

補助

2.5

20.0

設計

打合

せ出

席1.5

12.0

実施

設計

(改修含む)

計算

書作

成の

補助

(空

調)

計算

書作

成の

補助

(電

気)

計算

書作

成の

補助

(衛

生)

機器

選定

の補

実施

設計

図の

作成

補助

シミ

ュレ

ーシ

ョン

の補

監理

現場

打合

せの

出席

1.0

8.0

性能

検証

の協

計15.0

120.0

Lマ

ンシ

ョン

の現

場で

施工

状況

の視

察と

定例

会議

に出

席し

、監

理者

の役

割を

理解

する

マン

ショ

ンに

おけ

る老

朽化

診断

、改

修事

例に

より

ニュ

ーア

ルの

手順

と重

要性

を理

解す

る。

Lマ

ンシ

ョン

(施

工中

)の

基本

設計

書、

スケ

ジュ

ール

表を

用い

て実

施し

た業

務内

容を

理解

する

設備

設計

者と

の経

験談

や意

見交

換を

通し

て、

設備

設計

の重

要性

・や

りが

いを

理解

する

Lマ

ンシ

ョン

の基

本設

計書

と実

施設

計図

に基

づき

、①

図面

の見

方、

②設

備概

要を

理解

する

。さ

らに

、図

面の

色塗

りを

行う

こと

によ

り③

衛生

配管

のつ

なが

りを

理解

する

内  容

クラ

イア

ント

や意

匠担

当者

など

社内

外で

の打

合せ

に同

席す

る。

Mマ

ンシ

ョン

のク

ライ

ント

およ

び意

匠担

当者

との

打合

せ資

料作

成を

補助

する

。(

照明

方式

およ

び器

具、

衛生

器具

、パ

イプ

シャ

フト

納ま

りな

ど)

Mマ

ンシ

ョン

の基

本設

計作

成を

補助

する

照明

器具

と衛

生器

具の

ショ

ール

ーム

で商

品情

報を

収集

する

「実

務の

知識

」を

利用

して

、設

備設

計の

概要

と手

順を

理解

する

7

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■設備系インターンシップ/モデルプログラムその3 実施設計を中心としたプログラム例Ⅰ

4単

位(120時

間=

8時

間/日

×15日

区分

項目

1日目

2日目

3日目

4日目

5日目

6日目

7日目

8日

目9日

目10日

目11日

目12日

目13日

目14日

目15日

目時

日時間

共通

設備

設計

の手

順0.5

4.0

設備

設計

者の

役割

0.5

4.0

設備

設計

の重

要性

0.5

4.0

設備

設計

図書

1.5

12.0

主要

な設

計テ

ーマ

0.5

4.0

基礎

的な

設計

手法

0.5

4.0

設計

情報

収集

0.5

4.0

基本

設計

事前

調査

の補

検討

資料

の作

成補

基本

設計

書の

作成

補助

設計

打合

せ出

実施

設計

(改修含む)

計算

書作

成の

補助

(空

調)

2.5

20.0

計算

書作

成の

補助

(電

気)

1.0

8.0

計算

書作

成の

補助

(衛

生)

1.5

12.0

機器

選定

の補

助1.0

8.0

実施

設計

図の

作成

補助

3.0

24.0

シミ

ュレ

ーシ

ョン

の補

助0.5

4.0

積算

業務

の補

監理

現場

打合

せの

出席

1.0

8.0

性能

検証

の協

計15.0

120.0

「実

務の

知識

」を

利用

して

、設

備設

計の

概要

と手

順を

理解

する

。各

段階

での

意匠

・構

造設

計者

との

協議

事項

、関

連法

規と

諸官

庁協

議事

項の

説明

を受

ける

A事

務所

(竣

工済

み)

のス

ケジ

ュー

ル表

・成

果品

など

を用

いて

実施

した

業務

内容

(電

気・

空調

・衛

生)

を理

解す

る。

設備

設計

者と

の経

験談

や意

見交

換を

通し

て、

設備

設計

の重

要性

・や

りが

いを

理解

する

A事

務所

の基

本設

計書

と実

施設

計図

に基

づき

、①

図面

の見

方、

②設

備概

要を

理解

する

。さ

らに

、図

面の

色塗

りを

行う

こと

によ

り③

空調

ダク

トと

配管

のつ

なが

りを

理解

する

。ま

た意

匠お

よび

構造

設計

図を

用い

て、

設備

スペ

ース

・断

面詳

細・

梁貫

通な

ど、

設備

と他

工事

との

関わ

りを

理解

する

B事

務所

の再

計算

を行

い、

給水

設備

容量

、配

管サ

イズ

計算

、省

エネ

計算

書な

どの

基礎

を理

解す

る。

新人

研修

資料

を利

用し

て、

空調

負荷

計算

と換

気計

算の

基本

を理

解す

る。

製品

説明

会、

展示

会な

どで

設計

に関

する

情報

を収

集す

る。

B事

務所

にお

いて

、年

間エ

ネル

ギー

消費

の再

シミ

ュレ

ーシ

ョン

を行

う。

B事

務所

の現

場で

施工

状況

の視

察と

定例

会議

に出

席し

、監

理者

の役

割を

理解

する

B事

務所

(施

工中

)の

再計

算を

行い

、熱

負荷

計算

、換

気計

算、

省エ

ネ計

算書

など

の基

礎を

理解

する

B事

務所

の再

計算

を行

い、

照度

計算

(器

具選

定・

配置

検討

含む

)、

省エ

ネ計

算書

など

の基

礎を

理解

する

B事

務所

の再

計算

結果

に基

づき

、空

調機

・熱

源・

送風

機の

機器

選定

を行

う。

(再

計算

B事

務所

にお

いて

、実

施図

面を

参考

にし

なが

ら空

調ダ

クト

およ

び配

管図

を作

成す

る。

また

、空

調機

械室

詳細

図(

施工

図含

む)

の実

例を

見て

、納

まり

を理

解す

る。

内  容

クラ

イア

ント

の要

望で

ある

省エ

ネル

ギー

化と

使い

勝手

向上

など

に対

して

、空

調方

式、

熱源

方式

につ

いて

、A

事務

所な

どで

の検

討例

に基

づき

説明

を受

ける

8

Page 10: 大学院インターンシップ設備系 WG 報告書 · 2011.3.31 大学院インターンシップ設備系wg 報告書 産学連携建築教育連絡会議*1 大学院インターンシップ設備系wg*3

■設備系インターンシップ/モデルプログラムその4 実施設計を主体としたプログラム例Ⅱ(設備設計事務所)

4単

位(120時

間=

8時

間/日

×15日

)

区分

項目

1日目

2日目

3日目

4日目

5日目

6日目

7日目

8日

目9日

目10日

目11日

目12日

目13日

目14日

目15日

目時

日時間

共通

設備

設計

の手

順0.5

4.0

設備

設計

者の

役割

設備

設計

の重

要性

設備

設計

図書

0.5

4.0

主要

な設

計テ

ーマ

1.5

12.0

基礎

的な

設計

手法

0.5

4.0

設計

情報

収集

0.5

4.0

基本

設計

事前

調査

の補

検討

資料

の作

成補

基本

設計

書の

作成

補助

設計

打合

せ出

席1.5

12.0

実施

設計

(改修含む)

計算

書作

成の

補助

(空

調)

2.0

16.0

計算

書作

成の

補助

(電

気)

2.0

16.0

計算

書作

成の

補助

(衛

生)

1.0

8.0

機器

選定

の補

助1.0

8.0

実施

設計

図の

作成

補助

2.0

16.0

シミ

ュレ

ーシ

ョン

の補

監理

現場

打合

せの

出席

1.0

8.0

性能

検証

の協

計15.0

120.0

機器

類の

配置

など

を下

図と

して

作り

、業

務ビ

ルAの

平面

図(

1階

・基

準階

など

)の

作図

を行

う。

業務

ビル

Aの

計算

書に

基づ

き、

カタ

ログ

など

も見

なが

ら主

要機

器の

仕様

をリ

スト

アッ

プし

てゆ

く。

アト

リエ

事務

所と

とも

に参

加し

てい

るプ

ロポ

ーザ

ル競

技・

Gセ

ンタ

ーの

打合

せに

同席

する

。課

題を

読み

取り

、提

案書

をま

とめ

てゆ

くプ

ロセ

スを

体験

する

業務

ビル

Aの

熱負

荷計

算、

換気

計算

など

を指

導者

と作

業分

担し

なが

ら進

める

大学

の総

合実

習棟

Bに

おけ

る照

度計

算(

器具

選定

・配

置検

討含

む)

、電

気負

荷集

計の

一部

を試

みる

進行

中の

プロ

ジェ

クト

のス

ケジ

ュー

ル表

・検

討資

料・

参考

プロ

ジェ

クト

成果

品な

どを

利用

して

設備

設計

の内

容と

手順

の説

明を

受け

る。

内  容

進行

中の

プロ

ポー

ザル

競技

・Gセ

ンタ

ーで

求め

れれ

てい

るCASBEEに

つい

て、

提案

書に

表記

する

ため

の作

業を

行う

。ア

トリ

エ事

務所

打合

せの

ため

に、

モデ

ル試

算を

し最

終提

案の

ため

の資

料作

成を

行う

1.0

8.0

これ

まで

に実

施さ

れた

プロ

ジェ

クト

にお

ける

設備

設計

者の

役割

や求

めら

れる

もの

を説

明を

受け

る。

最終

日に

、そ

れま

での

作業

を振

り返

り、

総括

打合

せを

行う

基本

設計

書・

実施

設計

書の

事例

を用

いて

、設

計図

書と

して

必要

な内

容の

説明

を受

ける

業務

ビル

Aの

給水

量を

算定

し、

サン

プル

資料

を参

考に

水道

局と

の打

合せ

資料

をま

とめ

る。

熱負

荷計

算、

設計

原単

位、

設計

図作

成な

どの

補助

業務

実施

に必

要な

基礎

知識

の説

明を

受け

る。

製品

説明

会、

展示

会な

どで

設計

に関

する

情報

を収

集す

る。

高層

集合

住宅

Cの

施工

現場

へ赴

き、

クラ

イア

ント

・施

工者

との

打合

せに

同席

し監

理業

務に

つい

ての

理解

を深

める

。ま

た、

施工

の実

際を

見学

し、

設計

から

建物

完成

の過

程を

体験

する

9

Page 11: 大学院インターンシップ設備系 WG 報告書 · 2011.3.31 大学院インターンシップ設備系wg 報告書 産学連携建築教育連絡会議*1 大学院インターンシップ設備系wg*3

■設備系インターンシップ/モデルプログラムその5 実施設計を主体としたプログラム例Ⅲ(地方・中小設設計備事務所)

4単

位(120時

間=

8時

間/日

×15日

区分

項目

1日目

2日目

3日目

4日目

5日目

6日目

7日

目8日

目9日

目10日

目11日

目12日

目13日

目14日

目15日

目時

日時間

共通

設備

設計

の手

順0.5

4.0

設備

設計

者の

役割

0.5

4.0

設備

設計

の重

要性

0.5

4.0

設備

設計

図書

0.5

4.0

主要

な設

計テ

ーマ

基礎

的な

設計

手法

0.5

4.0

設計

情報

収集

基本

設計

事前

調査

の補

助0.5

4.0

検討

資料

の作

成補

基本

設計

書の

作成

補助

1.5

12.0

設計

打合

せ出

実施

設計

(改修含む)

計算

書作

成の

補助

(空

調)

3.0

24.0

計算

書作

成の

補助

(電

気)

1.0

8.0

計算

書作

成の

補助

(衛

生)

機器

選定

の補

実施

設計

図の

作成

補助

3.0

24.0

シミ

ュレ

ーシ

ョン

の補

助2.0

16.0

監理

現場

打合

せの

出席

1.0

8.0

性能

検証

の協

計15.0

120.0

進行

中ま

たは

完了

プロ

ジェ

クト

の検

討資

料・

成果

品な

どを

利用

して

設備

設計

の内

容と

手順

の説

明を

受け

る。

それ

らの

プロ

ジェ

クト

にお

いて

、設

備設

計者

の役

割や

求め

られ

たも

のに

つい

て説

明を

受け

る。

将来

のメ

ンテ

ナン

ス、

運用

後の

フィ

ード

バッ

クな

どを

竣工

プロ

ジェ

クト

を題

材に

説明

を受

ける

内  容

完了

した

プロ

ジェ

クト

の基

本設

計書

・実

施設

計書

を見

なが

ら、

設計

業務

の全

体像

につ

いて

の説

明を

受け

る。

社会

的関

心が

高い

・ク

ライ

アン

トの

要望

が強

いな

ど、

設計

の主

要テ

ーマ

につ

いて

、事

例に

基づ

き説

明を

受け

る。

テー

マ例

)0.5

業務

ビル

・Tビ

ルの

現地

調査

を補

助す

る。

(既

設の

上下

水道

状況

など

。)

業務

ビル

・Tビ

ルの

基本

設計

図な

どの

作成

を補

助す

る。

4.0

空調

方式

、熱

源方

式、

CO

2削減

、C

ASB

EEな

リニ

ュー

アル

、設

備診

断、

エネ

ルギ

ー診

断、

コミ

ッシ

ョニ

ング

熱負

荷計

算、

設計

原単

位、

設計

図作

成な

どの

補助

業務

実施

に必

要な

基礎

知識

の説

明を

受け

る。

現場

施工

の場

へ赴

き、

クラ

イア

ント

・施

工者

との

打合

せに

同席

し監

理業

務に

つい

ての

理解

する

。ま

た、

施工

の実

際を

見学

し、

設計

から

建物

完成

の過

程を

体験

する

業務

ビル

・Tビ

ルの

熱負

荷計

算、

換気

計算

など

を試

みる

既設

計の

照度

計算

を器

具形

式・

配灯

を変

えて

計算

する

業務

ビル

・Tビ

ルの

ダク

ト平

面図

作図

を試

みる

完成

して

数年

のDビ

ルに

つい

て、

エネ

ルギ

ー消

費量

デー

タを

整理

し、

年間

エネ

ルギ

ー消

費、

CO2排

出量

ほか

の算

出資

料を

作成

する

10

Page 12: 大学院インターンシップ設備系 WG 報告書 · 2011.3.31 大学院インターンシップ設備系wg 報告書 産学連携建築教育連絡会議*1 大学院インターンシップ設備系wg*3

■設備系インターンシップ/モデルプログラムその6 小規模物件を主体とした実施設計中心のプログラム例

4単

位(120時

間=

8時

間/日

×15日

)

区分

項目

1日目

2日目

3日目

4日目

5日目

6日目

7日目

8日

目9日

目10日

目11日

目12日

目13日

目14日

目15日

目時

日時間

共通

設備

設計

の手

順0.5

4.0

設備

設計

者の

役割

設備

設計

の重

要性

1.0

8.0

設備

設計

図書

主要

な設

計テ

ーマ

基礎

的な

設計

手法

1.5

12.0

設計

情報

収集

基本

設計

事前

調査

の補

検討

資料

の作

成補

基本

設計

書の

作成

補助

設計

打合

せ出

席0.5

4.0

実施

設計

(改修含む)

計算

書作

成の

補助

(空

調)

3.0

24.0

計算

書作

成の

補助

(電

気)

計算

書作

成の

補助

(衛

生)

0.5

4.0

機器

選定

の補

助1.5

12.0

実施

設計

図の

作成

補助

6.5

52.0

シミ

ュレ

ーシ

ョン

の補

監理

現場

打合

せの

出席

性能

検証

の協

計15.0

120.0

A建物: 小規模な集合住宅の設計

 B建物:小規模で低層の業務ビルの設計

進行

中の

プロ

ジェ

クト

のス

ケジ

ュー

ル表

・検

討資

料な

どを

利用

して

設備

設計

の内

容と

手順

の説

明を

受け

る。

(A建

物・

B建

物に

共通

する

事柄

。)

建築

事務

所と

A建

物に

つい

て、

設計

内容

の説

明・

確認

など

の打

ち合

わせ

に同

席す

る。

熱負

荷計

算、

設計

主旨

、設

計図

作成

要領

など

の補

助業

務実

施に

必要

な基

礎知

識の

説明

を受

ける

。(

A建

物、

B建

物そ

れぞ

れ着

手前

に資

料集

めな

ども

含む

。)

内  容

設計

物件

の熱

負荷

計算

、換

気計

算な

どを

行い

機器

選定

条件

をま

とめ

る。

設計

物件

の給

水設

備容

量、

配管

サイ

ズ計

算な

どを

行い

、作

図の

条件

整理

をま

とめ

る。

設計

方針

や計

算条

件に

適す

る機

種の

カタ

ログ

を用

意し

、選

定を

試み

る。

平面

図、

詳細

図な

どの

作図

作業

を行

う。

将来

のメ

ンテ

ナン

ス、

運用

後の

フィ

ード

バッ

クな

どを

竣工

プロ

ジェ

クト

を題

材に

説明

を受

ける

11

Page 13: 大学院インターンシップ設備系 WG 報告書 · 2011.3.31 大学院インターンシップ設備系wg 報告書 産学連携建築教育連絡会議*1 大学院インターンシップ設備系wg*3

■設備系インターンシップ/モデルプログラムその7 設計事務所と設備工事会社で分担した例

4単

位(120時

間=

8時

間/日

×15日

区分

項目

1日目

2日目

3日目

4日目

5日目

6日目

7日目

8日

目9日

目10日

目11日

目12日

目13日

目14日

目15日

目時

日時間

共通

設備

設計

の手

順1.0

8.0

設備

設計

者の

役割

1.0

8.0

設備

設計

の重

要性

0.5

4.0

設備

設計

図書

1.0

8.0

主要

な設

計テ

ーマ

基礎

的な

設計

手法

0.5

4.0

設計

情報

収集

基本

設計

事前

調査

の補

検討

資料

の作

成補

基本

設計

書の

作成

補助

設計

打合

せ出

実施

設計

(改修含む)

計算

書作

成の

補助

(空

調)

1.0

8.0

計算

書作

成の

補助

(電

気)

計算

書作

成の

補助

(衛

生)

0.5

4.0

機器

選定

の補

助0.5

4.0

実施

設計

図の

作成

補助

  

Ⅰ.C

AD

基本

操作

0.5

4.0

  

Ⅱ.ダ

クト

作図

準備

1.5

12.0

  

Ⅲ.ダ

クト

、配

管作

図1.5

12.0

  

Ⅳ.作

図仕

上げ

1.5

12.0

  

Ⅴ.機

械室

作図

2.0

16.0

シミ

ュレ

ーシ

ョン

の補

監理

現場

打合

せの

出席

2.0

16.0

性能

検証

の協

計15.0

120.0

新人

研修

資料

を利

用し

て、

空調

負荷

計算

の基

本を

理解

する

新人

研修

資料

、「

実務

の知

識」

を利

用し

て、

設備

設計

の概

要と

手順

を理

解す

る。

内  容

K市

庁舎

(施

工中

)の

基本

設計

書、

スケ

ジュ

ール

表を

用い

て実

施し

た業

務内

容を

理解

する

設備

設計

者と

の経

験談

や意

見交

換を

通し

て、

設備

設計

の重

要性

・や

りが

いを

理解

する

K市

庁舎

の基

本設

計書

と実

施設

計図

に基

づき

、①

図面

の見

方、

②設

備概

要を

理解

する

。さ

らに

、図

面の

色塗

りを

行う

こと

によ

り③

空調

ダク

トと

配管

のつ

なが

りを

理解

する

  

施工

図の

基礎

とC

AD

操作

を理

解。

ダク

ト作

図、

配管

作図

、 

 数

量拾

い演

習。

計算

結果

に基

づき

、空

調機

・熱

源・

送風

機の

機器

選定

を行

う。

(再

計算

K市

庁舎

の再

計算

を行

い、

空調

負荷

計算

と換

気計

算の

基礎

を理

解す

る。

K市

庁舎

の再

計算

を行

い、

水槽

・ポ

ンプ

容量

算定

の基

礎を

理解

する

  

梁ス

リー

ブ検

討・

作図

、天

井伏

図作

図。

現場

で施

工状

況視

察と

施工

管理

の補

助を

行う

  

ルー

ト検

討、

ダク

トサ

イズ

検討

、空

調機

配置

、縦

ダク

ト・

配管

配置

、メ

イン

ダク

ト作

  

系統

枝ダ

クト

作図

、器

具接

続、

トラ

クレ

予知

事項

検討

・作

  

機械

室作

図、

断面

図、

3D

図作

図、

トラ

クレ

予知

事項

検討

、 

 最

終確

設計事務所でのプログラム

設備施工会社でのプログラム

12

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2011.3.31

大学院インターンシップ設備系 WG 報告書

―付録―

報告書第1次案および第2次案に対する意見およびWGの見解

産学連携建築教育連絡会議

大学院インターンシップ設備系 WG

1

Page 16: 大学院インターンシップ設備系 WG 報告書 · 2011.3.31 大学院インターンシップ設備系wg 報告書 産学連携建築教育連絡会議*1 大学院インターンシップ設備系wg*3

報告書第1次案に対する各所からの意見およびWGの見解

インターンシップの意義

○ インターンシップは、業界の業務に触れ、知識経験が増し、将来の活動分野を選択する

情報を得ること、人と組織のネットワークを築くこと、である。 ○ 実務の場を経験し、設計や施工分野に進みたいと思ってもらうことが第一の目的だと思

う。 ○ 就職する前に、設計業務とはこういうものだということを承知してきて欲しい。その場

としてインターンシップは望ましい。 ○ メニューには、講義で教育する内容が多いが、インターンシップは実際の設計図書に慣

れ親しむことに主眼を置くべきである。 → WGとしても同様の意見です。あまり断定的に記述はしにくいのですが、考慮いたし

ます。

○ 施工管理(工事業)や建築設備診断(建築事務所登録をしている調査会社・コンサルタ

ント会社)も可能であろう。 ○ 建設会社や設備工事会社の施工現場において施工管理の支援業務を行うことを学外イ

ンターンシップとして申請したところ、受理された。審査基準には設計・工事監理業務

と限定されているが、施工管理も認められるようである。 → 実際の実務経験では「管理」も実務経験となりますが、大学院インターンシップの場

合は「監理」に限定し「管理」は適合しないというのが建前です。ただ、状況に応じ

て認められている場合があることは確認しましたので、メニュー・モデルプログラム

で考慮しました。設備診断は本文中に記載があります。

全体について

○ 4 単位分全部ではなく、合計して 4 単位分になればいいので、1週間単位等のメニュー

も必要ではないか。 ○ 大学によっては、2 週間×2 回として、受け入れ先を変えている例もあるので、内容が

重複する可能性があるが、是として欲しい。 → 指摘の通りですので、説明を追加します。

2

Page 17: 大学院インターンシップ設備系 WG 報告書 · 2011.3.31 大学院インターンシップ設備系wg 報告書 産学連携建築教育連絡会議*1 大学院インターンシップ設備系wg*3

○ 「ガイドライン」という言葉は多種多様であるインターンシップを限定的にしてしまう

可能性がある。 ○ あくまでも、ガイドライン(参考プログラム)として扱うのが良い。 → あくまで参考資料とするものであり、強制するものではありません。

○ 中小事務所や地方事務所対象のプログラム例の必要性を強く感じる。 ○ モデルプランの例示を進めるのがよい。 ○ プログラム例が 6 例あるが、少々外れてもいいのか。(拘束力のない)プログラム例は

有用であろう。 → モデルプログラムの修正・追加を検討しました。

メニューに関して

○ 必須項目はない方が自由度が増してよい。 ○ メニューに特記仕様(配管・ダクト・断熱仕様)や積算に関する項目を入れると幅広く

なる。 ○ コストに関するメニューがあってもいい。 ○ 空調・衛生・電気専業のように専門分化した会社もあるので、そうした配慮も必要であ

ろう。 ○ 「到達イメージ・成果物」の欄を設け、ある程度目標を定めた方が指導しやすい。 ○ 「性能保証、環境負荷低減、省エネ」などの用語を追加して欲しい。内容としては「設備

の工種が多岐にわたり広範囲であることを理解する」。 ○ 共通の項目に「関連法規」を追記し、内容としては「設備関連法規の概要把握と建築基

準法、消防法、ビル管法、省エネ法など主な法規を理解する」。 ○ 基本設計の基本設計書の作成補助の内容に「設備概要書、プロット図」を追記 ○ 基本設計の項目に「諸官庁等との協議補助」を追記し、内容としては「インフラ事業者

所轄消防署、審査機関との協議に同行する。また、事前資料の作成補助及び打合議事録

作成を補助する」。 ○ 実施設計図の作成補助の内容に「機器表、器具表、換気量計算書、CAD による図面修

正」を追記。 ○ 監理の性能検証の協力の内容に「諸官庁検査(消防中間検査、消防完成検査、審査機関

完成検査など)における性能検証の協力」を追記。

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○ 共通項目で、「社会人としての心得」(会社組織・会社の歴史・社内ルール・守秘義務等) ○ 打ち合わせに参加するのはいいが、記録作成補助は無理である。 ○ 納まり検討図の作成は無理である。 ○ 計算をさせるのは、ほとんどの学生が少しの時間で習得するので意義は大きい。各種計

算機プログラムを使わせるのも、最近の学生は問題なく行える。ただし、初めて触れる

プログラムなどは個人によってモチベーションが異なるので良く理解して教える必要

がある。 ○ 社内 CPD に参加させる。 ○ 当社作品や現場の見学。 → 必須項目の設定は行わないこととしました。いただいた意見を基にメニューを再検討

しました。

情報セキュリティーについて

○ クライアントが出席する設計あるいは現場打ち合わせへの参加は困難である。守秘義務

に関する微妙なやり取りが発生する、クライアントの事前許可が必要になるなどの理由

による。官庁工事であれば可能かもしれない。 ○ クライアントや設計部外との打ち合わせ出席は、情報セキュリティの関係で難しいので

はないか。 ○ 社内的には情報セキュリティーが懸念されていたが、受け入れてみて個人的に感じるの

は大学と企業の信頼関係が重要であるということである。大学でも対象学生の能力・性

格を把握し、受け入れ側でもそれに応えるべく体制を整えることが必要である。学生の

志や意欲が高ければ、受け入れ側も充実した体制を組むことになる。 → 基本的にメニューの中の項目を取り入れるかどうかは、受け入れ先の都合で決めてい

ただくことになります。どの項目も強制ではありません。ただ、インターンシップに

行った学生にとって、打ち合わせ参加は貴重な経験になっているようです。

大学教育について

○ 現状案は新入社員教育プログラムのように見える。学生に基礎知識がないと座学で教え

る時間が長くなってしまう。実務に触れるということがインターンシップの醍醐味であ

り、大学では設計の基礎だけでなく演習も行った上で参加するという関係が望ましい。

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○ 「実際の設計作業と同等以上の作業を経験させる」というのは、インターンシップでは

「補助」レベルなので無理である。仮に期待するのなら、事前に大学の教育カリキュラ

ムで相応の教育が必要である。 ○ 大学と受け入れ側で予め相談することは受け入れ側のかなりな負担になるので、ある程

度は可能であるかもしれないが、メニュー案に沿った内容であれば一任して欲しい。 → 設備設計の教育について、大学間にかなりの格差があるのは事実です。かなりインテ

ンシブな設計演習を行っている大学から、計算法を教える程度で演習までは行ってい

ない大学まであります。したがって、大学から予め学生の能力等を受け入れ先に連絡

することが必要だろうと考えています。

一方、東京本社のような場合は複数の大学から学生を同時に受け入れるという場合が

あろうかと思います。その場合、個別プログラムを組むことは難しいと予想されます。

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報告書第2次案に対する各所からの意見およびWGの見解 ○ モデルプログラムが「その1」から「その7」まであります。いずれのプログラムも1

5日間で一通り体験できるプログラムとなっています。ですが実際にはこのプログラム

通りに学生に体験してもらうことは不可能です。全国大手の総合建築事務所さんならば

常に複数の業務が稼動しているので15日間の間にスタートするもの、丁度中間段階の

もの、最終まとめを行っているもの、それぞれを数日ずつ体験してもらえば実務を一通

り体験することになります。

弊社のような設備の設計事務所の場合、丁度学生をお預かりした時に都合よく体験し

てもらえるかどうかはその時にならないと分かりません。昨年弊社がこのお話を頂いた

ときには丁度2週間くらいで設計を行う小規模な物件が予定されていたので「ちょうど

よい。」と思っていたのですが、客先のスケジュールの関係で体験してもらうことが出

来ませんでした。実際には学生さんには2週間のうちのほとんどを空調熱負荷計算に従

事してもらいました。ですから実務のほんの一部した体験してもらえなったことになり、

学生さんからしてみれば「バイトにいってきた」という感覚になってしまったかもしれ

ません。

インターンシップは「15日間連続して」ではなく「年数回にわけてTOTAL15

から20日になるように」していただければもう少し幅広く体験できるように思われま

す。

→ 合計時間数が 120 時間以上になればよいので、半日ずつにするとか、期間的に細分化

することは可能です。本文中に補足しました。

○ 資料に記載されている質疑応答で既に議論されていると思いますが、以下、気のついた

点です。参考になれば幸いです。

① 監理段階に性能検証の協力という項目がありますが、最近の傾向として、直接の設

備設計ではないのですが、省エネ診断や省エネガイドラインなどの環境コンサルの

業務も設備のセクションでは増えてきています。こうした分野に関しては、対象に

なるのか?(できれば対象にしていただきたい)このあたりの表現があっても良い

かと思いました。(ガイドラインなどは、設計の前段階、省エネ診断は、竣工後と

なり、時間軸では、表現しにくい。)

② 最近、守秘義務や設計責任を強く施主から言われるケースが増えており、意見にも

ありましたが、施主関連の会議体等への参加は、場合によってはかなり制約を受け

ると思います。

③ これも意見にありましたが、ほとんどの学生さんが、設備設計のやり方を知らない

まま、作業に入るので、実際は、半分ぐらいは、その勉強になってしまい、本来の

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設計の部分に触れる時間は少ないように感じます。インターンに来る目的にもより

ますが、基礎的な設備設計の知識は、取得している場合とそうでない場合(特に、

環境系の学生さん)で、メニューを少し変えることもあるかと思いました。

→ ①のコンサル業務は対象になると考えています。ただ、全てがコンサル業務の内容で

いいのかについてはWG内でも議論があり、現在の表現になっています。また、設計

の前段階・竣工後の対応という時間軸についても議論がありました。表現が非常に煩

雑になるので、新築の場合に準拠するという表現にしました。

②守秘義務についても述べていますが、もう少し補足しました。

③これも重要な問題です。「4.おわりに」の記述の行間をお汲み取りいただきたいと

思います。

○ WGの目的の項目で、インターンシップの目的を「設計実務を経験することにある。」

と書かれていますが、「建築」を志す人間に対して、あえて進路を「設計実務」と言う

狭い分野に限定する事が本当に良いのかと思いました。

→ 限定しているわけではありませんが、あまり深く立ち入った表現もしにくいところで

す。

○ インターンシップについて、2年ほど前から大学院の建築設備計画演習を担当している

経験から意見を述べることにいたします。受け入れ企業にとっても、どのように対応す

るかあるいはできるか判断しにくい状況が想像されますので、短期間のインターンシッ

ププログラムを効果あるものにするには、受講生が学部および大学院で履修した内容を

受け入れ企業に対してよく説明することが重要と考えます。それにより、インターンシ

ップの内容が、より適切な内容に調整されると思います。また、上記演習を担当した経

験から、受講生は建築設備の実物を見学する機会が少なかったと感じました。大学教育

では、大勢での建物見学、特に機械室などの見学は、事故などの危険性から制約が多く、

なかなか実施しにくいのではと想像しました。大学院は少人数になるので、演習やイン

ターンシップの中で、実際の設備に触れる機会を増やすと、「百聞は一見にしかず」で、

理解が深まると考えます。私は、上記演習の中に大学施設の設備見学を入れていますが、

なかなか好評です。

→ 実際に学協会等の見学会でも、設計実務の方が多数参加され活発な質疑が行われてい

ます。学生だけの見学会とはレベルが違いますので、設計情報収集という表現にして

います。

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