気づいていますか、虐待のサイン - Kawagoe...広報川越 1276・2012.8.10 2...
Transcript of 気づいていますか、虐待のサイン - Kawagoe...広報川越 1276・2012.8.10 2...
-
広報川越№1276・2012.8.10 2
気づいていますか、虐待のサイン
児童虐待は、マスコミでも大きく取り上げられる社会問
題です。本来、子どもを守る立場であるはずの親が子ども
に身体的、精神的苦痛を与えてしまう児童虐待。しつけと
の違い、子どもに及ぼす影響など、虐待について正しく理
解し、子どもや保護者から発せられる虐待のサインを見逃
さないことが大切です。
子育て支援課L224‐5821
■こんなことしていませんか?
しつけのつもりで子どもをたた
く、家や車の
中に置き去り
にして出かけ
る、子どもを
無視する、き
つい言葉遣い
でしかりつけ
る。思い当た
ることはあり
ませんか。
児童虐待で問題になるのが、その
行為がしつけであるのか虐待である
のかという線引きです。いくら保護
者が「しつけの問題」だと言っても、
子どもにとって苦痛な行為は虐待に
なり、親権があるからといって正当
化されるものではありません。
児童虐待は子どもの心身に深い傷
を与え、その後の人生に大きな影響
を及ぼします。頼りにできる親から
虐待を受けることの精神的負担は、
相当大きいものとなります。
■子どもに及ぼす影響
身体的影響
低身長低体重や免疫機能、自律神
経系への影響などが生じることがあ
ります。また、暴力による外傷を負
った場合、運動機能や言語機能の発
達の遅れが生じることがあります。
知的影響
子どもの物事への関心が薄れ、知
的発達が遅れる場合があります。
情緒的影響
褒められたり、認められたりする
ことが少ないと、自信が持てなくな
り、周囲への不信感を抱くようにな
ることがあります。
■虐待の要因
児童虐待の通告や相談件数は年々
増加しています(①参照)。虐待は子
どもの心身に大きな傷を残し、最悪
の場合、死に至ることもあります。
なぜ虐待は起こるのか。その背景に
はいくつかの要因があります。
保護者側の要因
保護者自身が、虐待を受けて育っ
た場合。性格が攻撃的衝動的である
場合。望まない妊娠による子であっ
たりする場合など。
子ども側の要因
よく泣いたり、わがままを言った
りする「手のかかる子」の場合。子
どもに慢性疾患や、障害がある場合
など。
養育環境の要因
失業や賃金の削減などにより生活
が苦しい場合。核家族化や隣近所と
の関係の希薄化により育児に関する
相談相手が近くにいない場合など。
■虐待の種類と虐待者
虐待の種類は行為によって4つの
種類に分類されます。統計によると、
虐待の種類は心理的虐待が、虐待者
は実母が一番多くなっています(②
③参照)。
2,000
3,000
4,000
5000
(件)
190
2,4252,657
2,665
3,449
4,504
20 21 22 23 (年度)
①�県内児童相談所における児童虐待相談受付件数の推移
虐待の種類 具 体 例
心理的虐待暴言、脅迫、無視、子どもの目の前で DV(ドメスティック・バイオレンス)を行うなど
身体的虐待殴る、蹴る、溺れさせる、首をしめる、タバコの火を押し付けるなど
ネグレクト家や車の中に置き去りにする、病気やけがをしても治療しない、食事を与えないなど
性的虐待子どもへ性交・性的行為の強要、性器や性交を見せる。ポルノグラフの被写体にするなど
②児童虐待の4つの種類
-
3 広報川越№1276・2012.8.10
■虐待を防ぐには
虐待は、複数の要因が重なって起
こります。虐待が行われる場合は、
前兆と思われる行動が現れます。そ
してそれは、子どもだけでなく保護
者にも見られることがあります。次
のようなサインを見逃さないこと
が、虐待を防ぐ適切な支援につなが
ります。
子どもからのサイン
●�
不自然なアザや、やけどのあとが
ある
●�
服や体がいつも
汚れている
●急にやせた
●表情が乏しい
●�
落ち着きがなく
乱暴になる
●親を避けている
保護者からのサイン
●�
家の中や外が散らかっていて、不
衛生
●�
隣近所との交流がなく孤立してい
る●�
子どもの健康や
安全に配慮して
いない
●�
子どもを置いて
外出している
●�
いつも子どもに
辛くあたる
■通報義務
虐待を受けたと思われる子どもを
発見した場合は、すぐに、市町村や
児童相談所などに通告しなければな
らないと「児童虐待の防止等に関す
る法律」で定められています。
通報の際は「もし違ったらどうし
よう」「近所付き合いもあるし」と
考えてしまうかもしれません。しか
し、虐待を防ぐには周囲の気づきが
大切です。早期発見ができれば、問
題が大きくなる前に解決ができま
す。また、保護者が子育てについて
誰かに相談できるきっかけになるか
もしれません。虐待のサインを少し
でも感じたら、ためらわずに連絡・
通報してください。
■体制の強化
児童虐待は、その背景にある社会
環境や、生活環境が影響することか
ら、地域ぐるみで対策をとることが
求められます。地域のネットワーク
を拡充し、市民一人ひとりが地域の
親子を見守ることが大切です。
市では、県の児童虐待相談体制モ
デル事業を実施します。今年から3
年間で、子どもと保護者の支援体制
の構築、職員体制の強化を図り、児
童虐待を未然に防ぐための取り組み
を充実していきます。
実母55.1%実母55.1%
心理的虐待42.2%
心理的虐待42.2%
身体的虐待29.5%
身体的虐待29.5%
ネグレクト26.1%
ネグレクト26.1%性的虐待
2.2%性的虐待2.2%
その他4.8%その他4.8%
実父以外の父6.8%
実父以外の父6.8%
実父33.3%実父33.3%
児童虐待防止SOSセンター 市では、増加する児童虐待の相談に対応するため、昨年7月1日に「児童虐待防止SOSセン
ター」を設置。主な相談内容は、「親の怒鳴り
声が聞こえる」などの近隣住民からの通報、子
ども本人から「親に叩かれた」などの相談、親
からの育児相談などがありました。身の回りの
「もしかして…」。その気づきで子どもだけでな
く、保護者もまた救われるかもしれません。
開�設日時…月~金曜日、午前8時30分~午後6
時15分(祝・休日、年末年始を除く)
*ファクスO0120-283-565 でも相談で
きます。(即日の対応ができない場合がありま
す)
*開設日時以外は「休日夜間児童虐待通報ダイ
ヤル」L048-779-1154(虐待通報のみ)に
ご連絡ください。
専用電話…L0120-2つ
8ば
3さ
-5S
0O
5S
(通話中の場合は子育て支援課L224-5821)
③虐待者別割合と虐待種類別割合(平成23年度埼玉県)土日子育て電話相談室
「やまぶき」 L234‐ 3166 土曜・日曜にも相談ができる電話相談室
「やまぶき」を開設しました。専門の相談員
が対応します。平日、時間が取れない方も
気軽にご利用ください。
相談時間…土・日曜日、午前9時~午後5時