著者・MASAKI、かく語りき...

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サムピングを連続して行なう際には…… ドアノブを回すようなイメージを持つと良い。 イメージ・トレーニング。人差指を固定することで…… 無駄の少ない動きを右手首に覚えさせることができる。 セーハを使わずに、各弦を押さえようとすると…… 無駄な動きが増える。 人差指で 5f をセーハすることで…… 弦移動がスムーズになるのだ! マーカス・ミラー 『 ザ・キング・イズ・ゴーン』 デヴィッド・サンボーン、オマー・ ハキム、マイルス・デイヴィスなど の名プレイヤーが参加し、エネル ギッシュなプレイを聴かせる名作。 マーク・キング 『 Influences 』 ファンク・フュージョン・バンド、 レベル 42 のリーダーであるマーク の 1st ソロ作。スラップを中心と した技巧派プレイは圧巻だ。 〜コラム10 〜 右手首の力みを取って しなやかに回転させよう! ここでは、実際の楽曲内でもよく耳にする オーソドックスなスラップ・パターンを練習しよ う。メイン・フレーズでは、①親指で叩くサム ピング、②人差指で引っ張るプル、③左指を 浮かせてからサムピングするミュート音、④左 手のハンマリング &プリング、という 4 つのテ クニックを使っている。これらを巧みに組み 合わせることによって、いわゆる“コンビネー ション・スラップ【 註】 ”が完成するのだ。この フレーズは、右手のサムピングが多いため、腕 の力みを取って、手首をしなやかに回転させ ることもポイントになる(写真①)。また、 実音とミュート音に音量差をきちんとつけない と、ノリの悪い演奏に聴こえるので気をつけよ う。 セーハを活用して 無駄な動きを減らすべし ! メイン・フレーズは、まず 1 小節目のサムピン グに注意する必要がある。 2 拍目の 3 弦のミュー ト音から開放弦へのサムピングと、4 拍目の 16 分音符で 2 音連続するミュート音は、ともに親 指の連打となるため、しっかり発音できるよう に心掛けよう。続く、2 小節目1&2 拍目のミュー ト→プルによるプリング、ミュート→サムピング によるハンマリング、というコンビネーションも 大きなポイントだ。ベースは、低音弦よりも高 音弦の方がミュート音が出づらいので、高音 弦を使うこの箇所では、親指をしっかり振るよ うに意識しよう。また、左手もセーハを利用し て、スムーズに動かしてみてほしい(写真⑤)。気合を入れてトライせよ! 著者・MASAKI、かく語りき スラップ名人編 ここでは、スラップ名人を紹介しよう。まず は、バンドとしてもベーシストとしてもトップに 君臨するフリー。レッチリの初期作品では豪 快なスラップを堪能できる。ロバート・トゥル ジロが参加していたインフェクシャス・グルーブ スも、メタリカでは聴くことのできない痛快な スラップが満載だ。そして、レス・クレイプール 率いるベース主導の変態バンド、プライマス や、高速スラップの達人、マーク・キング( レ ベル 42 )も面白い。もちろん、“ 元祖スラッ パー”であるラリー・グラハムやルイス・ジョンソ ン、理想的なスラップ・サウンドを作り上げた マーカス・ミラーも鉄板だ。 【コンビネーション・スラップ】ミュート音とハンマリング&プリングを使ったオードックスなスラップ奏法のことを指す。音の長さや強弱にも気を配ることで、よりグルーヴ感を高めることができるだろう。

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  • サムピングを連続して行なう際には…… ドアノブを回すようなイメージを持つと良い。

    イメージ・トレーニング。人差指を固定することで…… 無駄の少ない動きを右手首に覚えさせることができる。

    セーハを使わずに、各弦を押さえようとすると…… 無駄な動きが増える。

    人差指で5fをセーハすることで…… 弦移動がスムーズになるのだ!

    マーカス・ミラー『ザ・キング・イズ・ゴーン』 デヴィッド・サンボーン、オマー・ハキム、マイルス・デイヴィスなどの名プレイヤーが参加し、エネルギッシュなプレイを聴かせる名作。

    マーク・キング『Influences』 ファンク・フュージョン・バンド、レベル42のリーダーであるマークの1stソロ作。スラップを中心とした技巧派プレイは圧巻だ。

    〜コラム10〜

    右手首の力みを取ってしなやかに回転させよう! ここでは、実際の楽曲内でもよく耳にするオーソドックスなスラップ・パターンを練習しよう。メイン・フレーズでは、①親指で叩くサムピング、②人差指で引っ張るプル、③左指を浮かせてからサムピングするミュート音、④左手のハンマリング&プリング、という4つのテクニックを使っている。これらを巧みに組み合わせることによって、いわゆる“コンビネーション・スラップ【註】”が完成するのだ。このフレーズは、右手のサムピングが多いため、腕の力みを取って、手首をしなやかに回転させることもポイントになる(写真①〜④)。また、実音とミュート音に音量差をきちんとつけないと、ノリの悪い演奏に聴こえるので気をつけよう。

    セーハを活用して無駄な動きを減らすべし! メイン・フレーズは、まず1小節目のサムピングに注意する必要がある。2拍目の3弦のミュート音から開放弦へのサムピングと、4拍目の16分音符で2音連続するミュート音は、ともに親指の連打となるため、しっかり発音できるように心掛けよう。続く、2小節目1&2拍目のミュート→プルによるプリング、ミュート→サムピングによるハンマリング、というコンビネーションも大きなポイントだ。ベースは、低音弦よりも高音弦の方がミュート音が出づらいので、高音弦を使うこの箇所では、親指をしっかり振るように意識しよう。また、左手もセーハを利用して、スムーズに動かしてみてほしい(写真⑤〜⑧)。気合を入れてトライせよ!

    著者・MASAKI、かく語りきスラップ名人編

     ここでは、スラップ名人を紹介しよう。まずは、バンドとしてもベーシストとしてもトップに君臨するフリー。レッチリの初期作品では豪快なスラップを堪能できる。ロバート・トゥルジロが参加していたインフェクシャス・グルーブスも、メタリカでは聴くことのできない痛快なスラップが満載だ。そして、レス・クレイプール率いるベース主導の変態バンド、プライマスや、高速スラップの達人、マーク・キング(レベル42)も面白い。もちろん、“元祖スラッパー”であるラリー・グラハムやルイス・ジョンソン、理想的なスラップ・サウンドを作り上げたマーカス・ミラーも鉄板だ。

    【コンビネーション・スラップ】 ミュート音とハンマリング&プリングを使ったオードックスなスラップ奏法のことを指す。音の長さや強弱にも気を配ることで、よりグルーヴ感を高めることができるだろう。