膵臓のインスリン産生とインスリン抵抗性の両方を改善する ......hSeP NF 50...

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同志社大学リリース No.57 (別紙) 〜膵臓のインスリン産生とインスリン抵抗性の両方を改善する物質を世界で初めて発見〜 —2 型糖尿病の治療法開発に大きな光—「Nature Communications」に掲載 1 膵臓のインスリン産生とインスリン抵抗性の両方を改善する物質を 世界で初めて発見 —2 型糖尿病の治療法開発に大きな光— <ポイント> l 2 型糖尿病で増加する“セレノプロテイン P”は、血糖値を下げる“イ ンスリン”の効果を抑制し(インスリン抵抗性)、糖尿病を悪化する。 l セレノプロテイン P に結合するタンパク質(抗体)を複数作成し、そ の中からセレノプロテイン P の作用を抑制する“中和抗体”を同定し ました。中和抗体を糖尿病モデルマウスに投与すると、インスリン抵 抗性が回復し、糖尿病を改善することが明らかとなりました。 l 増加したセレノプロテイン P が、膵臓のインスリン産生も抑制するこ とが世界で初めて明らかとなりました。中和抗体は、糖尿病モデルマ ウスのインスリン産生も改善することが分かりました。 l セレノプロテイン P の中和抗体により、インスリン産生とインスリン 抵 抗 性 の 両 方 を 改 善 し て 、複 合 的 に 糖 尿 病 を 治 療 で き る と 考 え ら れ ま す。糖尿病を治療する新たな医薬としての発展が期待されます。 <背景> 近年、2 型糖尿病などの生活習慣病は、増加の一途をたどっており、その対策は急務 となっています。我が国における糖尿病患者数は、300 万人を突破し、その予備群も 1,000 万人と推計されています。血糖値が増加する“糖尿病”の発症には、血糖値を下 げるメッセンジャー物質“インスリン”が深く関与しています。食事によって血糖値が 増加すると、膵臓β細胞でインスリンが産生され、分泌されたインスリンは、骨格筋な どに作用し、血液中から糖分を取り込み、血糖値が下がります。2 型糖尿病患者では、 インスリンの効果が低下し、骨格筋での糖取り込みが低下する“インスリン抵抗性”が 見られます。また、膵臓β細胞からの“インスリン産生”の低下が引き金となる場合も あります。インスリンの産生や作用の低下がどのようにして引き起こされるかについて は、未だ不明な点が多く残されていますが、我々の研究グループでは、糖尿病で増加す る“セレノプロテイン P”に着目した研究を行っています。 セレノプロテイン P は、肝臓で主に合成され、血液中に分泌されるタンパク質です。 セレノプロテイン P は、必須微量元素“セレン”を含むタンパク質で、食事から吸収し たセレンを、各臓器に運ぶ重要な役割をしています(図1、文献1)。セレンを含むタ

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同志社大学リリース No.57(別紙) 〜膵臓のインスリン産生とインスリン抵抗性の両方を改善する物質を世界で初めて発見〜

—2 型糖尿病の治療法開発に大きな光—「Nature Communications」に掲載

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膵臓のインスリン産生とインスリン抵抗性の両方を改善する物質を

世界で初めて発見

—2 型糖尿病の治療法開発に大きな光—

<ポイント>

l 2 型糖尿病で増加する“セレノプロテイン P”は、血糖値を下げる“イ

ンスリン”の効果を抑制し(インスリン抵抗性)、糖尿病を悪化する。

l セレノプロテイン P に結合するタンパク質(抗体)を複数作成し、その中からセレノプロテイン P の作用を抑制する“中和抗体”を同定し

ました。中和抗体を糖尿病モデルマウスに投与すると、インスリン抵

抗性が回復し、糖尿病を改善することが明らかとなりました。

l 増加したセレノプロテイン P が、膵臓のインスリン産生も抑制するこ

とが世界で初めて明らかとなりました。中和抗体は、糖尿病モデルマ

ウスのインスリン産生も改善することが分かりました。

l セレノプロテイン P の中和抗体により、インスリン産生とインスリン

抵抗性の両方を改善して、複合的に糖尿病を治療できると考えられま

す。糖尿病を治療する新たな医薬としての発展が期待されます。

<背景>

近年、2 型糖尿病などの生活習慣病は、増加の一途をたどっており、その対策は急務

となっています。我が国における糖尿病患者数は、300 万人を突破し、その予備群も

1,000 万人と推計されています。血糖値が増加する“糖尿病”の発症には、血糖値を下

げるメッセンジャー物質“インスリン”が深く関与しています。食事によって血糖値が

増加すると、膵臓β細胞でインスリンが産生され、分泌されたインスリンは、骨格筋な

どに作用し、血液中から糖分を取り込み、血糖値が下がります。2 型糖尿病患者では、

インスリンの効果が低下し、骨格筋での糖取り込みが低下する“インスリン抵抗性”が

見られます。また、膵臓β細胞からの“インスリン産生”の低下が引き金となる場合も

あります。インスリンの産生や作用の低下がどのようにして引き起こされるかについて

は、未だ不明な点が多く残されていますが、我々の研究グループでは、糖尿病で増加す

る“セレノプロテイン P”に着目した研究を行っています。

セレノプロテイン P は、肝臓で主に合成され、血液中に分泌されるタンパク質です。

セレノプロテイン P は、必須微量元素“セレン”を含むタンパク質で、食事から吸収し

たセレンを、各臓器に運ぶ重要な役割をしています(図1、文献1)。セレンを含むタ

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ンパク質として、活性酸素を除去するグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)が知られ

ており、GPx の合成にセレンは必要不可欠です。セレノプロテイン P が低下すると様々

な障害が引き起こされることが知られていますが、その障害は GPx などのセレン含有タ

ンパク質の減少で説明されます。一方、最近我々の研究から、セレノプロテイン P が増

えすぎても様々な障害を引き起こすことが明らかとなってきました(図2、文献2)。2

型糖尿病患者で増加したセレノプロテイン P は、インスリンの効果を低下させ(インス

リン抵抗性)、血糖値を増加し、糖尿病を悪化する“悪玉”として作用することが分か

りました。増加したセレノプロテイン P は、運動による健康増進効果も抑制すること(運

動抵抗性)が明らかとなっています(図2、文献3)。適度な運動によって活性酸素が

生じますが、微量の活性酸素はインスリンの効果を高め、血糖の取り込みを促進して、

糖尿病を改善します。糖尿病で増加したセレノプロテイン P は、適度な活性酸素も消去

し、インスリン抵抗性や運動抵抗性を引き起こすと考えられました(文献2、3)。以

上、増加したセレノプロテイン P は、糖尿病の重要な治療標的と考えられます。しかし

ながら、セレノプロテイン P の作用を抑制する糖尿病治療薬は開発されていませんでし

た。

図1 セレノプロテイン Pの機能

セレノプロテイン P は、肝臓から分泌され、

血液を介して、各臓器にセレンを運搬する。

P

図2 過剰セレノプロテインPによる

糖代謝の悪化

増加したセレノプロテイン P は、筋肉の活性

酸素を消去し、インスリン抵抗性や運動抵抗

性を生じる。

P

GPx

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<研究の内容>

私たちの研究グループは、セレノプロテイン P に結合するタンパク質“抗体”を複数

作成し、その中からセレノプロテイン P の作用を抑制する“中和抗体”を同定しました。

筋肉のモデルである C2C12 細胞に、セレノプロテイン P を添加すると、セレノプロテイ

ン P とセレン含有タンパク質 GPx の増加が見られます(図3、黒いバンドは各タンパク

質の量を示す)。中和抗体 AE2 存在下では、両方のバンドが低下し、セレノプロテイン

P の作用が抑制されていると考えられました。

これまでの研究から、糖尿病モデルマウスでもセレノプロテイン P が増加してくるこ

とが明らかとなっています(文献2)。三田雄一郎博士研究員と中山華穂さん(同志社

大学)は、糖尿病モデルマウスに、中和抗体を投与し、糖負荷後の血糖値を測定しまし

た。その結果、血糖値が低下し、糖尿病が改善していることが分かりました(図4)。

また、中和抗体投与後に、インスリンを投与して、その効果を検討しました。その結果、

インスリン投与後の血糖値が低下し、中和抗体はインスリンの効果も回復することが分

かりました(図5)。さらに、血中へのインスリン分泌についても調べました。糖負荷

後に血中に分泌されるインスリン量を測定した結果、中和抗体によりインスリン分泌の

回復も見られました(図6)。

図3 中和抗体はセレノプロテイン P の

セレン運搬を抑制する

筋肉モデルC2C12細胞にセレノプロテインP(SeP)

を添加し、24 時間培養後、細胞内に取り込まれた

SeP および GPx1 量の変化を解析した。SeP の添加

により、細胞内の SeP 取り込みと GPx1 の増加を

認めた(赤矢印)。中和抗体 AE2 存在下では、SeP

の取り込みと GPx1 の増加が抑制された(赤枠)。

図4 中和抗体は糖尿病モデルマウ

スの糖負荷後血糖値を低下する

糖尿病モデルマウス KKAy に中和抗体を投与

後、グルコースを投与し(糖負荷)、各時間に

血糖値を測定した。*P<0.05,**P<0.01

vs.コントロール抗体投与マウス

0

50

100

150

200

250

300

0 30 60 90 120

mg/dl

**

** *

hSePFLNF 50

β-ac-n

GPx1

AE2 AH5 C21 AA3

P

IgG

C2C12

kD

DC12IgG

PBS

2050

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稲荷尚吾さん(同志社大学)は、過剰セレノプロテイン P の膵臓への影響について、

さらに調べました。その結果、過剰セレノプロテイン P の投与により、膵臓のインスリ

ン産生が低下していることが分かりました(図7)。また、中和抗体の投与によって、

セレノプロテイン P によるインスリン産生の低下が抑制されることも明らかとなりま

した(図7)。セレノプロテイン P による膵臓の障害について、組織学的な解析を行い

ました。正常な膵島(インスリンを分泌するβ細胞が密集して存在する部位)は、中央

に緑色で染まるβ細胞が存在しています(図8)。過剰セレノプロテイン P を処理した

マウスでは、膵島が萎縮し、構造が大きく歪んでいることが分かりました(図8)。こ

の過剰セレノプロテイン P による膵島の構造変化は、中和抗体によって抑制できること

が明らかとなりました。

図5 中和抗体は糖尿病モデルマウ

スのインスリンの効果を高める

糖尿病モデルマウス KKAy に中和抗体を投与

後、インスリンを投与し、各時間に血糖値を

測定した。*P<0.05 vs.コントロール抗体

図6 中和抗体は糖尿病モデルマウ

スのインスリン分泌を高める

高スクロース高脂肪食により作成した糖尿病

モデルマウスに中和抗体を投与後、グルコー

スを投与し(糖負荷)、各時間に血中インスリ

ン濃度を測定した。*P<0.05,**P<0.01

vs.コントロール抗体投与マウス

0

50

100

150

200

0 30 60 90 120

mg/dl

*

0

1

2

3

4

5

6

0 30 60

ng/m

l

*�

**�**�

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<今後の展開>

本研究から、セレノプロテイン P の中和抗

体により、インスリンの分泌と作用の両方を

改善して、複合的に糖尿病を治療できると考

えられました(図9)。今後、糖尿病を治療

する医薬品への発展が期待されます。現在、

我々の研究グループは、血中セレノプロテイ

ン P を測定する糖尿病診断薬を開発してい

ます。この診断薬と治療薬を組み合わせるこ

とで、セレノプロテイン P レベルが高い糖尿

病患者に、セレノプロテイン P 標的治療薬を

投与するテーラーメイド糖尿病治療が実現できると考えられます。

また、本研究からセレノプロテイン P レベルが膵臓のインスリン分泌に大きく影響す

ることが世界で初めて明らかになりました。今後、セレノプロテイン P を標的とするこ

とで、膵臓を保護する新たな糖尿病治療薬の開発が期待されます。

図7 過剰セレノプロテイン Pは、膵臓

のインスリン産生を低下する

糖尿病患者における増加量を反映したセレノプ

ロテイン P(SeP)を投与したマウスの膵臓では、

インスリン産生の低下が見られた。中和抗体

AE2 の投与により、インスリンの低下が抑制さ

れた。

図8 過剰セレノプロテイン Pは、膵島

の構造変化を誘導する

糖尿病患者における増加量を反映したセレノプ

ロテイン P(SeP)を投与したマウスの膵臓を、

ヘマトキシリン・エオジン染色(HE 染色:核と

細胞質を染色)および免疫蛍光染色(赤、グル

カゴン;緑、インスリン)した結果、SeP 投与

による膵島の萎縮と構造変化が観察された。中

和抗体 AE2 は、膵島の変化を抑制した。

50

hSeP

GAPDH

PPBSControlIgG

ControlIgG AE2

Insulin

NFx

kD10

50

37

図9 セレノプロテイン P 中和抗体に

よる糖尿病の改善効果

P

Block Block

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<文献>

1. 斎藤芳郎セレンの生物学—セレノプロテインの機能と疾患 細胞工学、35、240-246

(2016)

2. HMisu,etal.ALiver-DerivedSecretoryProtein,SelenoproteinP,Causes

InsulinResistance.CellMetabolism,12,483-495(2010)

3. H Misu, et al. Deficiency of the hepatokine selenoprotein P increases

responsivenesstoexerciseinmicethroughupregulationofROSandAMPKin

muscle.NatureMedicine,23,508-516(2017)doi:10.1038/nm.4295

<用語解説>

1)インスリン抵抗性

インスリンは、肝臓や筋肉、脂肪に作用して、血糖値を低下する。様々な要因

によりインスリンの効果が低下し、血糖値が下がりにくい状態を“インスリン抵

抗性”と呼ぶ。2 型糖尿病患者では、インスリン抵抗性の増加が見られる。

2)インスリン産生・分泌

膵臓に存在するβ細胞は、血糖の変化に応じてインスリンを分泌する役割を担

う。β細胞は、活発にインスリンを産生し、細胞内に保持している。血糖が増加

すると、細胞内でのエネルギー産生が増加し、それに伴いインスリンが分泌され

る。2 型糖尿病患者には、インスリン産生・分泌の低下が主要な要因となる場合も

ある。

3)セレン

必須微量元素の一つであり、生体内ではグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)な

どのセレン含有タンパク質に含まれる。GPx は、活性酸素を還元・無毒化し、活性

酸素から生体を守る抗酸化作用を示す。生体の抗酸化防御に、セレン含有タンパク

質は重要な役割を果たしている。

4)活性酸素

反応性の高い酸素の総称。活性酸素には、スーパーオキシドアニオンやヒドロキ

シラジカル、過酸化水素などが含まれる。反応性の高さから、タンパク質や DNA を

酸化・変性する作用を示す。生体内における酸化反応の亢進を、酸化ストレスと呼

ぶ。一方、近年活性酸素がシグナル伝達にも重要な役割を果たすことが明らかとな

ってきている。微量の活性酸素の存在により、インスリン刺激に伴う血糖の取り込

みが促進されることが知られている。

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5)中和抗体

細菌などの異物が感染すると、免疫系が働き、“抗体”が抗体産生細胞によって

作られる。抗体は、細菌などの異物に特異的に結合し、細菌の除去に機能する。こ

の生体反応を利用し、様々なタンパク質に対して特異的に結合する抗体が作られ、

生命科学分野の研究に用いられている。抗体の種類によっては、結合した抗原の生

物活性を消去する抗体があり、中和抗体と呼ばれる。

<論文タイトル>

“SelenoproteinP-neutralizingantibodiesimproveinsulinsecretionandglucose

sensitivityintype2diabetesmousemodels”

(セレノプロテイン P 中和抗体は、2 型糖尿病モデルマウスにおけるインスリン分泌お

よびグルコース感受性を改善する)

<お問い合わせ先>

<研究に関すること>

斎藤 芳郎(サイトウ ヨシロウ)

同志社大学 生命医科学部 システム生命科学研究室 准教授

〒610-0394 京都府京田辺市多々羅都谷1−3

TEL:0774-65-6258

e-mail:[email protected]