新規遺伝子改変マウスと気道過敏性評価法を用いた …...【One airway, one...

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新規遺伝子改変マウスと気道過敏性評価法を用いた アレルギー性疾患に対する創薬への挑戦 神田晃 1) Dan van Bui 1) 河野由美子 2) 宇都宮 啓太 2) 坂田 喜子 3) 松本洋平 3) 小林良樹 1) 岩井大 1) 友田幸一 4) 2016.12.08 新技術説明会 (関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 神田晃) 1) 関西医科大学 医学部 耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学 2) 関西医科大学 医学部 放射線科学 3) 関西医科大学 医学部 附属生命医学研究所 共同利用研究部門 4) 関西医科大学 医学部 学長

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新規遺伝子改変マウスと気道過敏性評価法を用いたアレルギー性疾患に対する創薬への挑戦

神田晃1) Dan van Bui 1) 河野由美子2) 宇都宮 啓太2)

坂田 喜子3) 松本洋平3) 小林良樹1) 岩井大1) 友田幸一4)

2016.12.08 新技術説明会 (関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 神田晃)

1) 関西医科大学 医学部 耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学2) 関西医科大学 医学部 放射線科学3) 関西医科大学 医学部 附属生命医学研究所 共同利用研究部門4) 関西医科大学 医学部 学長

I. 背景

II. 従来技術とその問題点

III. 新技術の特徴・従来技術との比較

IV. 想定される用途

V. 実用化に向けた課題

VI. 企業への期待

VII. 本技術に関する知的財産権

VIII. 問い合わせ

2016.12.08 新技術説明会 (関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 神田晃)

内容

I. 背景

II. 従来技術とその問題点

III. 新技術の特徴・従来技術との比較

IV. 想定される用途

V. 実用化に向けた課題

VI. 企業への期待

VII. 本技術に関する知的財産権

VIII. 問い合わせ

2016.12.08 新技術説明会 (関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 神田晃)

内容

アレルギー性鼻炎

アトピー性皮膚炎

喘息

有病

率(

%)

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(2013アレルギー総合ガイドライン)

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アレルギー性疾患の変遷

アレルギー関連による死亡数の多くは、喘息死によるものであるが、吸入ステロイド薬が開発され、平成15年には3745人まで減少している(図1)。

しかし、アレルギー性鼻炎の有病率は30%を超えており(図2)、全体では国民の2人に1人は何らかのアレルギーを有しているため国民病として位置付けられている。平成26年にはアレルギー疾患対策基本法が国会で成立し、現在、アレルギー疾患対策推進協議会にてアレルギー拠点病院化構想が進められている。

(NPO日本健康増進支援機構)

図2 有病率図1 喘息による死亡率

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アレルギー性疾患が増加すると同時に、近年、手術療法に抵抗性を示す難治性・再発性の好酸球性副鼻腔炎が社会問題化し、平成27年、厚生労働省によって難病に指定されている(全国に2万人)。

近年、上気道(鼻・副鼻腔)下気道(肺)を一つの臓器として捉えて治療していこうとする概念として”One airway, one disease” が提唱されている。好酸球性副鼻腔炎では、喘息を高率に合併しているため、その代表的な疾患と考えられている。

アレルギー性気道炎症で近年クローズアップされている問題

そのメカニズムは、好酸球が炎症局所に高度に浸潤しているため、免疫・アレルギー学的機序の関与が推察されているが、そのメカニズムは不明である。また、治療法は、ステロイドの全身投与が中心となるが、副作用の問題があるため、新しい治療法の開発が求めれている。

【解析対象の開発】 メカニズムを解明するための遺伝子改変マウスの開発【解析方法の開発】そのマウスの過敏性を評価する方法の開発

I. 背景

II. 従来技術とその問題点

III. 新技術の特徴・従来技術との比較

IV. 想定される用途

V. 実用化に向けた課題と解決方法

VI. 企業への期待

VII. 本技術に関する知的財産権

VIII. 問い合わせ2016.12.08 新技術説明会 (関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 神田晃)

内容

1. 解析対象:好酸球を標的にした遺伝子改変マウスに関して2. 解析方法:鼻腔と肺の気道過敏性の測定法に関して

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1. 解析対象:好酸球を標的にした遺伝子改変マウスに関して

アレルギー性炎症において、好酸球は組織傷害性メディエーターなどを放出してその病態形成に非常に重要な役割を果たすことが知られている(図3)。好酸球の役割を解明する事は、そのメカニズムの解明につながることが期待される。しかし、好酸球を追跡したり、特定の遺伝子を欠損させたり、さらに好酸球から放出される強力な組織傷害性メディエーターを欠損させたりするシステムを持ち合わせた遺伝子改変マウスは開発されていない。

ヘルパーT細胞

B細胞

Th2細胞

炎症組織

リンパ節

③ 抗原抗体的反応

抗原提示細胞抗原① 抗原の感作

マスト細胞抗原

② 抗原の再暴露

炎症性メディエーター

④ アレルギー性反応が惹起され好酸球の遊走が局所に遊走し炎症と過敏性が亢進する 好酸球

特異的抗体が産生

YY Y

Y

図3 アレルギー発症のメカニズム

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2. 解析方法:鼻腔と肺の気道過敏性の測定法に関して

【気道過敏性測定方法の機序】

非侵襲性の測定法

侵襲性の測定法

図4 従来肺気道抵抗装置

上気道の過敏性に関しては、まだ確立された方法は存在していなく、抗原を暴露した後、鼻を掻く動作などをモニターしてカウントする方法しかない。したがって、上気道(鼻腔)抵抗の測定法に関しては、まだ確立された方法は存在していない。そこで、アレルギー性鼻炎などの上気道の過敏性も同時に客観的に測定する方法(メサコリンを負荷後の鼻腔抵抗測定装置や画像を用いた)の開発が求めれている。

【気道過敏性測定方法の種類】

アレルギー性疾患では、気道過敏性が亢進している。気道過敏性に対する評価法としては、メサコリン負荷による気道抵抗値の増加によって評価されている。

気道抵抗を測定する装置に関しては、下気道(肺気道)抵抗測定法しか発売されていない(その測定装置を図4に示す)。非侵襲性の方法と気管挿管する侵襲性の方法がある。侵襲性の測定装置としては、Scireq FlexiVent システム(EMKA 社)とBuxcoFinePointe システム(DSI 社)が発売されている。

【気道過敏性測定法の問題点】

I. 背景

II. 従来技術とその問題点

III. 新技術の特徴・従来技術との比較

IV. 想定される用途

V. 実用化に向けた課題と解決方法

VI. 企業への期待

VII. 本技術に関する知的財産権

VIII. 問い合わせ2016.12.08 新技術説明会 (関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 神田晃)

内容

1. 解析対象:新規遺伝子改変マウスの特徴2. 解析方法:新規気道過敏性解析法の特徴

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1. 解析対象:新規遺伝子改変マウスの特徴

好酸球の生体内のダイナミックな動態を観察するためには、好酸球に特異的に発現する遺伝子を選定する必要がある。また、アレルギー性疾患において重要な役割を果たす好酸球由来炎症性メディエーター関連遺伝子をターゲットにすれば、好酸球の機能的役割に関しても同時に検討する事が可能となる。そこで、以上の条件を満たすものとして組織傷害性顆粒タンパクの一つであるEDN(eosinophilic derived neurotoxin)に注目した。EDNの作用に関しては、近年、組織傷害性に作用するだけでなく、免疫制御に関与している事が新たに明らかになっているため(図5)、創薬の新しい標的分子となる事が期待されている。

樹状細胞

組織傷害性顆粒タンパク(EDN)

注: EDN; eosinophil-derived neurotoxin

樹状細胞(Chu DK, et al. J Exp Med. 2014;28;211:1657-72)(Yang D, et al. J Exp Med. 2008;21;205:79-90)(Jacobsen EA, et al. J Immunol. 2011;1;187:6059-68)

好酸球

炎症性メディエーターを介した間接作用

接着による直接作用

樹状細胞

図5 好酸球由来EDNによるアレルギー性炎症増悪説

【ターゲット遺伝子の決定】

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【遺伝子導入の工夫と期待される効果】

好酸球

好酸球

遺伝子導入されていない好酸球

遺伝子導入された好酸球

発光しないので検出できない

緑色に発光するので蛍光顕微鏡で検出する事が可能(ヘテロでもホモでも)

図6 EDN/CreEGFP導入マウス細胞の設計図とその特性

目的とするEDN遺伝子の下流に人工的に作製した遺伝子を導入するに当たって、標的遺伝子の近傍に95%の同一性を持つ遺伝子が存在しているため、相同組換え等の手法でEDN遺伝子を改変することは、現実的ではないと考えられていた。しかし、我々は、ターゲティングベクターを用いた相同組換え法やゲノム内のEar2 遺伝子エクソン2 の一部又は全部の塩基配列をレポータータンパク質コード配列を含む塩基配列に置換するなどの種々の工夫により、EDN遺伝子のプロモーターの制御下で前記レポータータンパク質が発現可能なマウス細胞の開発に成功した(図6左 EDN/CreEGFPマウス)。該発明の特徴としては、EDN遺伝子のエクソン2をCreタンパク質と蛍光タンパク質(EGFP)が融合した遺伝子で置き換えるため好酸球が緑色に発光する仕組みとなっている(図6右)。また、ホモで導入された場合は、exon2が欠落するため、EDNの機能不全が起こることが期待される。

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2. 解析方法:新規気道過敏性解析法の特徴

【上・下気道抵抗測定装置による解析方法の特徴】

該方法の全体像を図7左に示す。上気道方向と下気道方向にチューブを留置することで、上気道と下気道を個別にあるいは同時に刺激したり、上気道と下気道の抵抗を個別にあるいは同時に測定したりすることが出来る。また、鼻腔へのチューブ留置は、非常に難しくエアー漏れが発生するため、特殊なチューブの開発が必要となる。そこで、我々は、図7右に示すような後鼻孔用カニューレを開発しエアー漏れを防いだ。

該気道過敏性解析法は、アレルギー性疾患マウスモデルにおいて、以下の2つの独立した装置で測定し、気道過敏性を総合的に評価する。

センサーセンサー

ネブライザー(試薬等負荷)

ネブライザー(試薬等負荷)

肺気道抵抗測定 鼻腔抵抗測定測定装置

換気装置 換気装置

① 上・下気道抵抗測定装置を用いた解析法(名称:鼻腔抵抗の測定方法、鼻腔抵抗及び肺気道抵抗の測定方法、該方法の実施に用いる測定装置)

② CTを用いた鼻腔過敏性の解析方法(仮名称)

図7 上・下気道抵抗同時測定装置の概図と工夫 2.2mm

1.1mm

後鼻孔用カニューレ スクリュー形状

2mm

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後鼻孔鼻腔

喉頭咽頭腔 咽頭腔この画像は表示できません。

後鼻孔

喉頭切断

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コンピュータ断層撮影(CT)を用いた気道炎症の評価法に関しては、喘息について検討された報告はあるが、鼻・副鼻腔の病変に関して検討した報告はない。 事実我々の検討でも、図8 に示すように、喘息マウスモデルでは気道炎症を検出する事が出来たが、アレルギー性鼻炎では形態学的な変化を認めなかた。しかし、メサコリンを鼻腔内に負荷することで鼻粘膜が組織学的に腫脹することを明らかにしており、CTでもその腫脹の程度を撮影する事に成功している。そこで、この反応性を利用して、気道過敏性を評価する考えに至った。

メサ

コリ

ン(

50m

g)

負荷

後メ

サコ

リン

負荷

CT 水平断 CT 冠状断組織染色

(川本法;H&E染色)

アレ

ルギ

ー疾

患モ

デル

マウ

ス正

常マ

ウス

鼻・副鼻腔(CT 冠状断)

肺(CT 水平断)

図8 CTによるアレルギー性疾患の解析 図9 メサコリン負荷した時の鼻・副鼻腔の粘膜腫脹

【CTを用いた鼻腔過敏性の解析方法の特徴】

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図10 CTによる鼻過敏症の評価プロトコール: a-cは、アレルギー性鼻炎モデルのプロトコール、CT画像データー(水平断)、任意の値の数式とグラフをそれぞれ示す。

正常マウスとアレルギー性鼻炎マウスモデルの過敏性をCTを用いて比較検討したところ、アレルギー性鼻炎マウスモデルでは、低濃度のメサコリンで鼻粘膜の肥厚が誘導された。したがって、CTによる解析は、新しい鼻過敏性の測定法になるとが期待される(図10にそのプロトコールと解析結果を示す)。

鼻腔投与しチャレンジ(8回:5%卵白タンパク)

腹腔内投与し全身感作: 50ug 卵白タンパク

Day 0 Day 14 Day 32Day 21 Day 31

鼻腔投与(in or Neb)腹腔内投与 i.p. 腹腔内投与 i.p. CTによる解析

(a)

(b) (c)

アレ

ルギ

ー疾

患モ

デル

マウ

ス正

常マ

ウス

メサコリン

0 mg 0.25 mg 0.5 mg 1 mg 2 mg

0.30

0.35

0.40

0.45

0.50

0.55

0.60

0mg/ml 0.25mg/ml 0.5 mg/ml 1.0mg/ml 2mg/ml

Arb

itra

ry v

alu

eArbitrary value = 鼻腔粘膜の面積 / 鼻腔全体の面積

メサコリン

I. 背景

II. 従来技術とその問題点

III. 新技術の特徴・従来技術との比較

IV. 想定される用途

V. 実用化に向けた課題と解決方法

VI. 企業への期待

VII. 本技術に関する知的財産権

VIII. 問い合わせ2016.12.08 新技術説明会 (関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 神田晃)

内容

1. アレルギーの機序解明と新規治療分子の開発2. アレルギーに対する薬剤の評価3. 小括

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1. アレルギーの機序解明と新規治療分子の開発

図11に示すようなEDN / CreEGFPマウスの特性を利用して、アレルギー性疾患モデルに応用することで、以下の事項が明らかになると期待される。

【好酸球をターゲットにしたアレルギー性疾患の解明と創薬への期待】

正常の機能をもった好酸球だが、発色はしていない

正常の機能をもった好酸球であり、かつ緑色に発色する

EDNの機能が欠落していない好酸球であり、かつ緑色に発色する

遺伝子導入されていないマウス(EDN +/+マウス)

遺伝子がヘテロに導入されたマウス( EDN CreEGFP/+マウス)

遺伝子がホモに導入されたマウス( EDN CreEGFP/creEGFPマウス)

ホモまたはヘテロのマウスにRosa26-DTAマウスなどを掛け合わせることで、全身の好酸球を欠損させることが可能となる。

好酸球の追跡が可能

EDNの役割の解明

好酸球の役割の解明

図11 該遺伝子改変マウスの特性を利用した応用例

① 好酸球の追跡: 例えば、二光子顕微鏡を用いることで、生きた生体内での好酸球の遊走動態や分化過程を観察することが可能となる。

② EDNの役割の解明: ホモではEDNの機能が欠損しているため、アレルギー性炎症におけるEDNの機能的役割の解明と分子標的薬の開発に繋がる事が期待される。

③ 好酸球の役割の解明: 好酸球の機能的役割を検討する事が出来る。

上気道と下気道の間に神経学的な相互作用が存在していることが提唱されており、我々は、すでに多くの結果を得ている(資料未記載)。図12では、メサコリンで下気道を刺激することで、鼻腔抵抗にも影響することを表した結果を示す。つまり、開発した上・下気道抵抗同時測定装置とCTによる画像解析を組み合わせることで、one airway, one diseaseのメカニズムの解明にもつながる事が期待される。

【One airway, one diseaseの解明への期待】

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図12 肺刺激は鼻腔抵抗を増加させる: aは、刺激方法の模式図を示す。bとcは、下気道を各濃度のメサコリンで刺激した時の上・下気道同時測定装置による鼻腔抵抗と肺気道抵抗のデーターと鼻腔のCT画像をそれぞれ示す。

ネブライザーで下気道にメサコリンを負荷 鼻腔抵抗測定 0

1

2

3

4

5

6

PBS 1.5 3 6 12 24メサコリン

肺気道抵抗測定

0

1

2

3

4

PBS 1.5 3 6 12 24

鼻腔抵抗 肺気道抵抗測定

1.25mg MCH/ml 2.5mg MCH/ml 5mg MCH/ml 10mg MCH/ml0mg MCH/ml

(a) (b)

(c)

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2. アレルギー性疾患に対する薬剤の評価

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

PBS 1.56 3.12 6.25 12.5 25 50 1000

0.5

1

1.5

2

2.5

PBS 6.25 12.5 25 50 100 200 400

鼻腔抵抗 肺気道抵抗

喘息マウス

正常マウス

Compound X処理マウス

MCH (mg/ml) MCH (mg/ml)

Resi

stance

Resi

stance

上・下気道抵抗同時測定装置を用いて、Compound Xの前処理が鼻腔抵抗を減少させた実例を図13に示す。この実験では、CTは施行していないが、CTを組み合わせることで、新薬、既存薬再開発、代替医療(健康食品)などの効果を評価することが可能となる。

図13 Compound Xの鼻腔への前処理は、上・下気道(鼻腔および肺)の過敏症を抑制する

正常マウス (OVA/PBS)

喘息マウス (OVA/OVA)

喘息マウス (OVA/OVA) + Compound X前処置 (in)

アレルギー性気道炎症マウスモデル: 感作; 卵白タンパクの腹腔内投与(2回)チャレンジ; 5%卵白タンパクの点鼻(5回)

Compound Xの前処置: 10μLx2 Compound X (経鼻投与)

喘息マウス

正常マウスCompound X処理マウス

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アレルギー性疾患のメカニズムの解明:喘息、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎のメカニズム解明

アレルギー性疾患に対する新しい分子の開発:EDNなどの好酸球由来組織傷害性タンパクをターゲットにした新薬の開発

アレルギー性疾患に対する薬剤の評価:該気道過敏性を用いることで、今まで評価する事が難したった① 新薬、② 既存薬再開発、③代替医療(健康食品)を評価する事が可能となる

3. 想定さる用途の小括

I. 背景

II. 従来技術とその問題点

III. 新技術の特徴・従来技術との比較

IV. 想定される用途

V. 実用化に向けた課題と解決方法

VI. 企業への期待

VII. 本技術に関する知的財産権

VIII. 問い合わせ

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内容

2016.12.08 新技術説明会 (関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 神田晃)

各課題

【遺伝子改変マウスの課題】

進捗状況に関しては、キメラマウス(F0)の作製が完了し、F1を作製中である(図14)。今後は、遺伝子導入した細胞が生体内で実際に機能しているかどうかを確認した後、今年度中の運用を目指す。 図14 遺伝子改変マウスの進捗状況

【新規気道過敏性解析法】

上・下気道抵抗同時測定装置の運用に関しては、安定しているが、手技などのさらなる改善と工夫が必要と思われる。一方、CTによる鼻過敏症の評価に関しては、鼻粘膜の肥厚の程度を3Dで定量化するための新たなソフトウエアの開発が求められている。現在、そのソフトウエアを開発している最中であり、実用化に向けた研究を積み重ねが必要である。そのためには、他のパラメーターを用いた多角的に解析する必要がある。特に、放射線科学講座との共同研究では、核医学的手法を取り入れた解析(Tc-99m HMPAO や In-111 標識好酸球など)を組み入れて、そのデーターの信頼性を高める予定である。

【新たな解析対象物の開発】

図15 ヒトiPS細胞

好酸球をターゲットにした研究開発を進めていく上で、ヒト好酸球に関しても並行して検討する必要がある。現在、我々は、ヒトiPS細胞由来好酸球前駆細胞株の樹立に向けて取り組んでる。好酸球前駆細胞の樹立が確立した後、ヒトiPS細胞に該遺伝子導入することも検討している。

I. 背景

II. 従来技術とその問題点

III. 新技術の特徴・従来技術との比較

IV. 想定される用途

V. 実用化に向けた課題と解決方法と解決方法

VI. 企業への期待

VII. 本技術に関する知的財産権

VIII. 問い合わせ

2016.12.08 新技術説明会 (関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 神田晃)

内容

2016.12.08 新技術説明会 (関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 神田晃)

企業への期待

1. 企業に対しては、開発した遺伝子改変マウス、気道抵抗同時測定装置とCTを用いた画像解析法、その他多角的評価法を組み合わせたシステムを用いて、アレルギー性疾患に対する① 新薬、② 既存薬、③ 代替医療(健康食品)の開発に向けた共同研究を期待する。

2. アレルギー疾患対策基本法に基づいて、拠点病院化構想が進められている。当大学においてもアレルギーセンターが設置される(総合アレルギーセンターの設立)。また、臨床検体のバイオバンキング化構想(ヒト液体成分などのバンキング化)も検討されている。そこで、喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー患者の検体を用いた臨床応用への共同研究(基礎データーで裏付けられた臨床へのフィードバック)を期待する。

アレルギー性気道炎症モデルに当該遺伝子改変マウスを応用することで、アレルギー性鼻炎、喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患の機序解明と新しい治療戦略の開発につながる可能性が期待される。特に、アレルギー性気道炎症に対しては、開発した上・下気道抵抗同時測定装置とCTを組み合わせることで、喘息だけでなくアレルギー性鼻炎の鼻過敏性を評価することが可能となる。

そこで

I. 背景

II. 従来技術とその問題点

III. 新技術の特徴・従来技術との比較

IV. 想定される用途

V. 実用化に向けた課題と解決方法

VI. 企業への期待

VII. 本技術に関する知的財産権

VIII. 問い合わせ

2016.12.08 新技術説明会 (関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 神田晃)

内容

本技術に関する知的財産権

• 発明の名称 : マウス細胞• 出願番号 : 特願2016-198365• 出願人 : 学校法人関西医科大学• 発明代表者 : 神田 晃

• 発明の名称 : 鼻腔抵抗の測定方法、鼻腔抵抗及び肺気道抵抗の測定方法、該方法の実施に用いる測定装置

• 出願番号 : 公開番号 2016-180703• 出願人 : 学校法人関西医科大学• 発明代表者 : 神田 晃

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【知的財産権 ①】

【知的財産権 ②】

I. 背景

II. 従来技術とその問題点

III. 新技術の特徴・従来技術との比較

IV. 想定される用途

V. 実用化に向けた課題と解決方法

VI. 企業への期待

VII. 本技術に関する知的財産権

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内容

問い合わせ先

関西医科大学産学連携知的財産統括室

顧問 三島 健

主任 溝上 大樹

TEL 072-804-2328

FAX 072-804-2686

e-mail [email protected]

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