鉱床の成因研究と探査への応用 - Unit...Bayan Obo鉱山(中国)の鉱石 Mountain Pass鉱山(米国)の鉱石 イオン吸着型希土類鉱床 鉱石の多くは風化花崗岩
金属鉱業情報 平成20年5月28日 Vol.15 No.21 ニュース・フ...
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ニュースフラッシュ 1
金属鉱業情報 平成 20 年 5 月 28 日 Vol.15 No.21 ニュース・フラッシュ
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 金属資源情報センター
電話:044-520-8590 FAX:044-520-8750 E-mail: [email protected]
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[中南米] チリ:鉱業省主導により国家水委員会を設立 チリ:Gabriela Mistral(Gaby)銅山で銅カソード生
産開始 チリ:CODELCO はモリブデン生産拡大事業に着手 アルゼンチン:韓国はアルゼンチンへの鉱業投資に
関心有り アルゼンチン:Cordoba 州が鉱業での有害化学物質
使用禁止を検討中 ブラジル:鉱山動力大臣はウラン探鉱の国家独占終
結に前向姿勢 ブラジル:ADIMB(鉱山技術開発機構)、2008 年の研
究・探鉱に 350 百万 US$投資 ブラジル:IBRAM(鉱業協会)、2008~12 年の鉱業投
資額を 470 億 US$と予測 ブラジル:法律家が環境許可手続の迅速化を要求 ペルー:初代環境大臣にブラック氏が就任 ペルー:Cerro Corona 銅山、7 月に生産開始 ペ ル ー : Anglo American 、 Michiquillay 及 び
Quellaveco 銅探鉱プロジェクト順調に進行 ペルー:第 13 回国際金シンポジウム開催 ペルー:Minas Conga 金・銅山、2012 年に生産開始か ペルー:Southern Copper、2010 年から Tantahuatay
金山の生産を開始 ペルー:鉱業権期限設定に対し批判高まる メキシコ:Gammon Gold が 2008~09 年間に 29 百万
US$の探鉱投資を計画 メキシコ:鉱山冶金労組、5 月 26 日に全国規模のス
トライキを計画 メキシコ:Grupo México、Sonora 州の 450kW 石炭火
力発電所建設計画を中止
[北米] 米国:Rio Tintoの 100%子会社Kenecott Utah Copper
は Binghamm Canyon 銅・金山の埋蔵量を大幅増 カナダ:Vale Inco の Manitoba ディビジョン(ニッ
ケル)で火災発生
カナダ:Frontier Pacific Mining、買収防止策に
Poison Pill 条項を適用 カナダ:Terrane Metals Corp.、BC 州 Mt.Milligan
銅・金プロジェクトの開発資材調達に着手 カナダ:Goldcorp、年次総会で更なる M&A に言及す
る一方、中南米での鉱害問題について指摘を受ける カナダ:Sherritt International、石炭に注目 カナダ:Cameco、オンタリオ湖への汚染物質流出に
ついて調査開始 カナダ:連邦政府、オンタリオ州 Port Hope 地区の
低レベル放射性物質による汚染浄化に本腰
[アフリカ] 南ア:外国人に対する暴動鎮圧に軍隊を投入 南ア:AngloGold Ashanti 社、南アの電力不足でウ
ラン売買契約を調整
[欧州・CIS] ロシア:Norilsk Nickel、露・外務省と不法国際取
引・テロ犯罪対策協力協定を締結
[オセアニア] 豪:ウラン輸出が豪経済へ与える影響 豪:Sino Gold 社、ヘッジ取引停止のため、204 百万
A$の資金調達 豪:ABARE、鉱物とエネルギープロジェクトの投資金
額 705 億 A$と公表 豪:Athena Resources 社、WA 州の Byro 銅・PGM 探
査プロジェクトの岩石地化探結果を発表 豪:Kagara 社、Mungana 亜鉛選鉱場の建設開始 豪:Iluka Resources 社、SA 州の Jacinth-Ambrosia
ミネラルサンド鉱山開発へ
[アジア]
フィリピン:European Nickel 社、Toledo Mining
Corporationの買収を通じBerong Nickel社の権益を取得
ニュースフラッシュ 2
フィリピン:Oceana Gold 社、Didipio 金・銅開発で
火力自家発電所を建設 インドネシア:国防相、Krakatau Steel の民営化は
IPO(新規株式発行)を要請 インドネシア:Rio Tinto、鉱区重複問題で鉱業権の
取消しを司法に要請 インドネシア:PT Bumi、Herald Resources 社の買
収価格を引上げ 中国:四川大地震による鉱業分野の被害状況続報
中国:2008年第 1四半期電解ニッケル生産量31,157t、
対前年同期比 4.16%増 中国:湖南有色金属集団公司 湖南省茶陵県の鉱産資
源開発へ投資 中国:2008 年第 1 四半期モリブデン精鉱生産量、対
前年同期比 15.84%増 中国:2008 年 1~4 月のタングステン精鉱生産量、
対前年同期比 12%減
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チリ:鉱業省主導により国家水委員会を設立
5 月 19 日付の地元業界紙によると、チリの Santiago
Gonzalez 鉱業大臣は鉱業地域における水の消費動向や
水資源の利用に関する分析を行なうため、各分野の専門
家から構成される National Water Commission(国家水
委員会)を設立することを発表した。
本委員会は鉱業省、環境省、農業省、公共事業省、
SERNAGEOMIN、COCHILCO 等の政府機関及びチリ鉱業協
会、国家農業協会等の民間組織により構成され、委員
長には鉱業大臣が就任する。
本件に関し Gonzalez 鉱業大臣は、「我々はチリ第Ⅳ
州以北の鉱業州において、農業分野用の水資源と水消
費に関する分析を行なう予定で、水利権の分配に関す
る新たな方法を検討したい。」とコメントした。
(2008. 5. 27 サンティアゴ 平井浩二)
チリ:Gabriela Mistral(Gaby)銅山で銅カソード生産開始
CODELCO の発表によると、CODELCO はチリ第Ⅱ州に
位置する Gabriela Mistral(旧称 Gaby)銅山で 5 月 19
日に銅カソード生産を開始した。これまでの投資額は
967 百万 US$で、2008 年の銅カソード生産計画量
100,000t、本格操業に入る 2009 年からは 150,000t/
年の生産を見込んでいる。また、本格操業後にも銅生
産量を 165,000t/年に引上げる拡張工事を実施する
予定で、本工事の所要期間は 28 か月、投資額は 160
百万 US$である。Gabriela Mistral の鉱物資源量は酸
化鉱 618 百万 t、品位は Cu:0.41%である。
(2008. 5. 27 サンティアゴ 平井浩二)
チリ:CODELCO はモリブデン生産拡大事業に着手
5 月 19 日付地元各紙の報道によると、CODELCO はモ
リブデンの生産性向上と増産計画を検討している。
CODELCO は 2007 年に 28,000t のモリブデンを生産し
たが、その売上高は 18 億 US$に達しており、これは
CODELCO 総売上高 171 億 US$の 14%に相当する。
CODELCO のマーケティング部長で IMOA(国際モリブ
デン協会)会長 Victor Perez 氏によれば、モリブデン
は価格高騰によりチリの産銅各社にとって単なる副
産物ではなく経営戦略上、欠かせない重要な産物とな
っている。CODELCO はモリブデンの収益性改善に取組
んでおり、全ディビジョンにおいてモリブデン生産設
備を改善し、生産プロセスの効率化を図るプロジェク
トを推進する。また、120 百万 US$を投資し、チリ第
Ⅱ州の Mejillones港に 20,000t/年のモリブデン生産
工場を新規に建設する他、CODELCO が長年にわたって
堆積保管してきたスラグを再処理し、モリブデンを回
収する事業を入札に掛ける計画である。
(2008. 5. 27 サンティアゴ 平井浩二)
アルゼンチン:韓国はアルゼンチンへの鉱業投資に関
心有り
5 月 16 日付の地元業界紙によると、アルゼンチン
連邦鉱業庁は、KEEI(韓国エネルギー経済研究所)Yang
Emyseok 所長の談話を引用し、韓国がアルゼンチンに
おける鉱物資源の探鉱・生産プロジェクトへの投資に
強い関心を示している。
KEEI は、アルゼンチン鉱業部門への投資方法を検
討し、民間企業の鉱業投資を促進していく。両国代表
は鉱物資源賦存地域のポテンシャル、投資方法、企業
化の際の連携機会について評価する作業スケジュー
ルを作成していくことで合意した。
連邦鉱業庁発表の数字によると、アルゼンチン鉱業
部門の 2007 年投資額は 2006 年比 43.6%増の 17 億
US$の投資を受け、税収は 32 億 Peso(10.2 億 US$)で
あった。
(2008. 5. 27 サンティアゴ 菱田 元)
ニュースフラッシュ 3
アルゼンチン:Cordoba 州が鉱業での有害化学物質使
用禁止を検討中
5 月 22 日付の地元業界紙によると、アルゼンチン
Cordoba 州環境省は鉱業における有害化学物質の使
用禁止法案を州議会に提出することを検討中である。
この法的措置は鉱石からの金属回収方法によらず、金
属鉱物の探鉱、採鉱、生産において使用される物質を
網羅するとしている。
Cordoba 州の鉱業は基本的に非金属、主として石灰
岩の採掘が伝統的にある。この法案が可決されれば、
Cordoba州は同様の反鉱業政策を掲げているLa Pampa
州、Tucuman 州、Chubut 州、La Rioja 州、Mendoza
州、Rio Negro 州の仲間入りとなる。
(2008. 5. 27 サンティアゴ 菱田 元)
ブラジル:鉱山動力大臣はウラン探鉱の国家独占終結
に前向姿勢
5 月 19 日付の地元業界紙によると、ウラン探鉱の
国家独占を止めれば、ブラジルはウラン埋蔵量で世界
第 2 位になる可能性があることがブラジル鉱山動力
省の研究により明らかになったと IBRAM(ブラジル鉱
業協会)が報告した。
ブラジル鉱山動力大臣Edison Lobao氏は「ウラン探
鉱市場の民間投資への開放提案は下院議会の司法憲
法委員会で先週否決されたが、それにもかかわらず政
府の重要議題の一つである。」と述べた。「我々は原子
力発電の比重をこれから増やそうとしている段階に
あり、ウラン原料処理に係る事項についてより迅速に
取組まなくてはならない。」と Lobao 大臣は語った。
IBRAM によると、世界のウラン埋蔵量 330 万 t のうち
ブラジルは 6.7%を保有している。
ABEN(ブラジル原子力エネルギー協会)の Kuramoto
情報課長の談話は次のとおり:
ウランは、しばしば他鉱物の探鉱中にも発見される
が、政府の独占が民間企業に障壁を生じている。民間
鉱山会社はウランの探鉱や回収を禁じられているた
め、ウラン随伴鉱床から他鉱物を開発することもでき
ない。一つの解決方法は、探鉱の国家独占は止め、ウ
ラン使用に対する国の管理は維持することである。例
えば、Vale が関心のある鉱物を抽出し、副産物とし
てウランを INB(国家原子力会社)に譲渡する、という
やり方もある。
IBRAM、Vale 及び下院エネルギー鉱山委員会は、
2007 年よりウラン探鉱ガイドラインの柔軟性を要求
している。
(2008. 5. 27 サンティアゴ 菱田 元)
ブラジル:ADIMB(鉱山技術開発機構)、2008 年の研
究・探鉱に 350 百万 US$投資
5 月 19 日付の地元業界紙によると、ADIMB(ブラジ
ル鉱山技術開発機構)は 2008 年に鉱業分野の研究と
探鉱に 350 百万 US$を投資する、と IBRAM(ブラジル鉱
業協会)は述べた。ADIMB の Arantes 理事長は第 3 回
ブラジル鉱物資源探鉱シンポジウムにおいてこの数
字を発表した。このうち 300 百万 US$は ADIMB の会員
企業 51 社より拠出される。
「鉱業分野は我国にとって非常に重要であり、鉱業
に価値を持たせる必要がある。最小限の時間で発見を
し、生産過程を最適化する必要がある。」と Arantes
理事長は Minas Gerais 州 Ouro Preto で開催されたシ
ンポジウムの開会セレモニーで述べた。
Arantes 理事長はまた、環境と社会への還元を最大
にする重要性を強調した。同氏が問題点として指摘し
たのは、ブラジルの鉱山生産は多様化しておらず、中
小企業の財務管理体制がまだ整っていないという点
である。
また、シンポジウムの開会セレモニーで ADIMB の
O.Marini 氏はブラジルのウラン探鉱の重要性を主張
し、過去 2 年間のウラン価格高騰は、需要が生産を上
回っているからに他ならないと述べた。
(2008. 5. 27 サンティアゴ 菱田 元)
ブラジル:IBRAM(鉱業協会)、2008~12 年の鉱業投資
額を 470 億 US$と予測
5 月 19 日付の地元業界紙によると、ブラジル鉱業
投資見込額は 2008~12 年の間に 470 億 US$と
IBRAM(ブラジル鉱業協会)が発表した。同協会 Penna
は、この数字は鉄鉱石生産を年間 3 億 5 千万 t から 6
億 5千万 tにほぼ倍増するための投資額 270 億 US$を
含んでいる。
一方、IBS(ブラジル鉄鋼協会)は、鉄鋼部門におけ
る 2015 年までの投資額見通しとして 457 億 US$の数
ニュースフラッシュ 4
字を最近発表した。IBRAM の見解では、発表された鉱
業部門と鉄鋼部門双方の投資額は重複部分がある。
(2008. 5. 27 サンティアゴ 菱田 元)
ブラジル:法律家が環境許可手続の迅速化を要求
5 月 20 日付の地元業界紙によると、ブラジルの下
院鉱業委員会 L.F.Faria 委員長は、投資促進のため環
境許可取得手続の迅速化を政府に要求した。Minas
Gerais 州 Ouro Preto で開催された第 3 回ブラジル鉱
物資源探鉱シンポジウムでのスピーチにおいて法律
家でもある Faria 委員長は、雇用創出、所得水準向上
のための環境許可審査手続をより迅速にすることの
重要性を強調した。ブラジル鉱業は世界的に競争力を
有するが、しかし、鉱山会社は不安定な輸送システム
や港湾インフラ設備、不十分なエネルギーや質の高い
労働力の不足等の障害は依然としてある。これら障害
を一度乗り越えれば、あらゆる種類の鉱物・金属の生
産は必ず高い水準に達すると主張した。
また、鉱業委員会は 2つのグループ、一つは DNPM(鉱
山局)の下で石炭や他の鉱物資源を取扱うグループ、
もう一つはウランの問題に関わるグループから成る。
これらは、多くの公共団体及び民間企業が、ブラジル
国内のウラン探鉱を民間企業に開放するよう求めて
いることに対処した措置である。
(2008. 5. 27 サンティアゴ 菱田 元)
ペルー:初代環境大臣にブラック氏が就任
業界紙等によると、ガルシア大統領は 5 月 16 日、
環境省設立委員長を務めたアントニオ・ブラック氏を
初代環境大臣に任命した。ブラック氏はドイツ系ペル
ー人で、スリナムやギアナ、ベネズエラ、エクアドル、
ボリビア、ペルーにおける国連のプロジェクトを担当
したほか、環境保護活動に関する受彰、著作を数多く
有する。また、Rio Blanco など大規模鉱山を対象と
した環境調査コンサルタントとしても活動してきた。
ブラック環境大臣は、環境省が優先的に対応する 5
つの課題を①生活・産業廃水処理、②大気浄化、③固
形廃棄物処理、④休廃止鉱山鉱害対策、⑤非合法零細
鉱業管理とし、特に廃水問題に関しては全体の 75%
が河川や海洋に直接廃棄されている現状を改善する
べく自治体と共に取組んで行きたいとコメントした。
また、環境大臣の下に自然資源戦略開発次官、環境政
策次官が任命されるほか、気候変動対策局、環境保全
局などが設置される見通しである。
さらに、傘下機関として OEFA(環境評価監査局)、
環境市民教育事務所、国家自然保護地域サービス局を
設置する方針となっている。
同大臣は、小規模で能率的な組織作りを目指したい
とし、地方事務所を設置せず、地方自治体や市民団体
と直接関わっていくことで同省を中心に一貫性ある
環境行政を行う方針を示した。
なお、ガルシア大統領は、ドイツ環境省は世界でも
模範的なレベルにあるとし、ペルー環境省の組織作り
や活動計画に関して、ドイツの専門家ミッションによ
る協力を得ることを明らかにしている。
(2008. 5. 16 リマ 西川信康)
ペルー:Cerro Corona 銅山、7 月に生産開始
第 13 回国際金シンポジウムにおいて、Gold
Fields(本社:ヨハネスバーグ)の Holland 代表取締役
は、Cerro Corona 銅・金山(カハマルカ県)が現在試
験操業を行っており、7 月から本格生産を、8 月には
精鉱輸出を開始する見通しを明らかにした。同鉱山で
は含金銅精鉱を生産予定で、輸出先はアジアの製錬所
2か所とヨーロッパの 1か所が予定されている。なお、
年間生産量は金 35 万 oz 分(10.9t)となる見通し。同
プロジェクトにはこれまで選鉱場の建設等を含めて
4 億 5 千万$が投資された。
また、Gold Fields は Buenaventura などと共同で
実施しているTiran Arabe金プロジェクトをはじめと
した複数のプロジェクトを進行中であり、将来的にペ
ルーで年間 100万 oz(31t)の金生産を実現したいとの
考えを明らかにした。また、これらの投資計画にとっ
て重要となるペルーの経済的・政治的安定性に関して
も肯定的な見通しを示した。
(2008. 5. 19 リマ 西川信康)
ペ ル ー : Anglo American 、 Michiquillay 及 び
Quellaveco 銅探鉱プロジェクト順調に進行
業界紙等によると、Anglo American の Moody Stuart
社 長 は 、 Michiquillay( カ ハ マ ル カ 県 ) 及 び
Quellaveco(モケグア県)両プロジェクト周辺住民ら
ニュースフラッシュ 5
の合意を取付けるための交渉が順調に進展している
ことを明らかにした。地域住民らが鉱業によって生活
レベルが向上することを実感できるような効果的な
方法でキャンペーンを行っているが、ペルー以外の国
においても同様の手法で住民対策を行っていると説
明した。
なお、政府筋の情報では、同社と Michiquillay の
地域住民との合意契約が6月5日に交わされ、その後、
本格的な探鉱活動が開始される見通しであるという。
一方、Quelaveco 銅・モリブデンプロジェクトにつ
いては、17 百万 US$により、2008 年第 2 四半期まで
に FS を終了し、2009 年に鉱山建設を開始する予定と
なっている。
(2008. 5. 19 リマ 西川信康)
ペルー:第 13 回国際金シンポジウム開催
5 月 20 日から 3 日間にわたってリマで開催された
第 13 回国際金シンポジウム(ペルー鉱業協会主催)で、
鉱業協会のマルサノ金委員長は、2007 年の金生産は
前年比で 16%減少したが、世界 5 位の金生産国の地
位を維持できたたとしつつ、2008 年は 10%の増産が
見込まれているほか、今後も生産は順調に増加してい
く見通しを示した。
また、CHINA GOLD GROUP(中国黄金集団公司)及び
IAMGOLD 社(本社:トロント)は、ペルーの中規模鉱山
と提携して金探査プロジェクトに取組む計画である。
同シンポジウムでは、現在、進行中の金開発プロジ
ェクトの最新動向の報告など活発な情報交換が図ら
れるとともに、今後の金市況の見通しについて、カナ
ダの Soctia Capital 社の金・貴金属市場アナリスト
は、ドルの下落やインフレを原因として今後も金や石
油価格の高騰が続くとし、2008 年までに金価格が
1,500$まで上昇する可能性を示唆した。
(2008. 5. 20 リマ 西川信康)
ペルー:Minas Conga 金・銅山、2012 年に生産開始か
業界紙等によると、Yanacocha 金山の権益 43.7%を
保有する Buenaventura の Benavides 社長は、同鉱山
の近傍にある Minas Conga 金・銅開発プロジェクトが
2012 年初頭までに生産を開始し、Yanacocha 金山と併
せて総産金量が年間 200万 oz(62.2t)となる見通しを
示した。
Yanacocha 金山の広報官によれば、現在、本件の環
境影響評価の承認が、進展していないことから、こ
の生産開始見通しは、確定していないことを明らか
にした。
Yanacocha 金山は、2008 年に入り、新規導入ミルが
稼動を始めたことから、2008 年第 1 四半期の金生産
量は前年同期比 18.7%増の 54 万 oz(16.8t)に増加し
ている。
(2008. 5. 21 リマ 西川信康)
ペルー:Southern Copper、2010 年から Tantahuatay
金山の生産を開始
第 13 回国際金シンポジウムにおいて、Southern
Copper のゴンサレス社長は、Buenaventura と共同で
進行中の Tantahuatay 金探鉱・開発プロジェクト(カ
ハマルカ県)について、現在、環境影響調査を実施中
で、2010 年にも生産開始の見通しを明らかにした。
本プロジェクトの株主構成は、Southern Copper
44.2%、Buenaventura 40.1%、Espro S.A.C 15.7%
となっている。同鉱床の鉱量(金属量)は、金 60 万
oz(18.7t)、銀 7 百万 oz(218t)とされている。
(2008. 5. 21 リマ 西川信康)
ペルー:鉱業権期限設定に対し批判高まる
業界紙等によると、ペルー鉱業協会のクルス会長及
び第 13 回国際金シンポジウムのマルサノ主催委員長
は、鉱業権の有効期限を 12 年とする法令 1010 に対す
る懸念を表明した。
同会長は、鉱山開発は長期的事業であるほか、操業
開始前までに様々な調査が必要であることを挙げ、膨
大な投資と調査にもかかわらず期限満了を理由に政
府が鉱業権を取消し、第三者に譲渡するのは不合理で
あり、民間投資の減退を招くと訴え、近く、バルディ
ビア大臣と協議する予定を明らかにした。
また、同委員長は、住民争議や環境調査手続の遅れ
等が発生した場合の探鉱期間延長措置が施行細則に
盛り込まれるべきだと主張するとともに、同法令の欠
点は期限終了によって長年の探鉱投資結果が他社に
奪われる可能性だと指摘した。
一方、ガルシア大統領は 22 日、上記シンポジウム
ニュースフラッシュ 6
の閉幕式のあいさつで、本法令に関し、鉱業権の流動
性を高めることで民間投資の促進を目指すものだと
して民間側の理解を求めた。
(2008. 5. 22 リマ 西川信康)
メキシコ:Gammon Gold が 2008~09 年間に 29 百万
US$の探鉱投資を計画
Gammon Gold Inc.(本社:加 NS 州 ハリファックス)
は、2008~09 年の 2 年間にメキシコに保有する 2 鉱
山及び探鉱プロジェクトの資源量拡大を目的として、
総額 29 百万 US$の探鉱投資を計画している旨、5 月
16 日付け同社 HP に発表した。同社はメキシコにおい
て、チワワ州の Ocampo 金銀鉱山とグアナフアト市郊
外に位置する El Cubo 金銀鉱山(06 年 8 月買収)を操
業する他、チワワ州の Guadalupe y Calvo 金・銀プロ
ジェクトの探鉱を実施している。本探鉱計画では、上
記鉱山及びプロジェクトを対象とした総延長
135,000~150,000m の試錐探査が予定されている。
(2008. 5. 26 メキシコ 小島和浩)
メキシコ:鉱山冶金労組、5 月 26 日に全国規模のス
トライキを計画
5 月 22 日付業界紙等によると、STMMRM(メキシコ鉱
山冶金労組)は、2008 年 5 月 9 日に開催された同労組
第 35回総会で選任された Napoleón Gómez委員長を含
む新執行部を労働省が承認しなかった場合、5 月 26
日に全国規模のストライキを召集する予定を明らか
にした。同労組 Carlos Pavón 政務担当書記は、「この
ストライキ計画は労働省に対する脅迫でも強要でも
なく、長年にわたり我々が無視されてきた歴史に由来
するもの。鉱業労働者は、労働当局の労組に対する攻
撃的な姿勢や労組活動の否定あるいは阻止に飽き飽
きしている。この計画は、気まぐれな姿勢ではなく、
法を全うする必要性に根ざしている」との声明を発表
した。
メキシコ政府は、2006 年に Gómez 委員長を、労組
基金から 55 百万 US$を横領した容疑で告発し、委員
長の座から排除した。この事件は、メキシコの鉱山冶
金部門、特に Grupo México 操業鉱山の幾多のストラ
イキを誘発し、また労組自体の分裂を引起こしている。
(2008. 5. 26 メキシコ 小島和浩)
メキシコ:Grupo México、Sonora 州の 450kW 石炭火
力発電所建設計画を中止
5月 22日付け業界紙等によると、Grupo Méxicoが、
Cananea 銅山のストライキ問題により、Sonora(ソノ
ラ)州における 450kW の石炭火力発電所建設計画を中
止した旨、同社に近い情報筋が明らかにした。2007
年に公表された本発電所建設計画(事業予算 500~
600 百万 US$、工期 4 年)によれば、2008 年 1 月に発
電所建設が開始される予定であった。しかしながら、
2007 年 7月に発生した Cananea 銅山のストライキは、
同鉱山の操業に深刻な影響を与えると共に、同社の将
来見通しを不確実なものとしている。本ストライキの
影響を受け、Sonora 州におけるプロジェクトの投資
予算の多くは、既にペルーのプロジェクトに振向けら
れている。
(2008. 5. 26 メキシコ 小島和浩)
米国:Rio Tinto の 100%子会社 Kenecott Utah Copper
は Binghamm Canyon 銅・金山の埋蔵量を大幅増
Rio Tinto は、100%米国子会社である Kenecott
Utah Copper が操業する UT 州の Bingham Canyon 銅・
金山の概測+予測鉱物資源量が(2007 年 12 月 31 日時
点)は 9 百万 t(品位 Cu 0.34%、Au 0.28g/t)から 2008
年 5 月 16 日時点では同 637 百万 t(Cu 0.48%、Mo
0.031%、Au 0.18g/t)と大幅増になったと発表した。
Kenecott Utah Copper は米国第 2 の銅生産者であ
り米国銅需要の 13%を供給している。Bingham Canyon
は、Rio Tinto の世界ポートフォリオの中では
Brownfield に位置付けられる探鉱地域であり、今ま
で100年にわたり銅16.4百万t、金500千oz(15.6t)、
銀 4百万 oz(124t)、モリブデン 30百万 lb(13,620t)、
硫酸 0.9 百万 t を生産している。
(2008. 5. 26 バンクーバー 武富義和)
カナダ:Vale Inco の Manitoba ディビジョン(ニッケ
ル)で火災発生
5 月 20 日、MB 州 Thompson にある Vale Inco の
Manitoba ディビジョンで火災が発生。会社の報道官
によると約 50 名が現場から一時的に避難した。その
他、坑内で作業していた 250 名の労働者は坑内停電の
ため坑外に避難した。けが人はいない模様。
ニュースフラッシュ 7
火災の原因はベルトコンベヤーといわれているが、
まだ特定化されていない。
この Manitoba ディビジョンは、坑内堀鉱山、
13,600t/日のミル、1,400t/日のアノード製造、
54,400t/年のニッケル電解工場で構成されており、
2007 年のニッケル生産は 40 千 t となっている。
なお、Vale Inco は、今後 760 百万 US$の資金を投
入し、同工場のニッケル生産規模を 54,400t/年から
67,500t/年に拡張するとともに、マインライフを現在
の 5 年から 2027 年まで延ばすことを検討している。
(2008. 5. 26 バンクーバー 武富義和)
カナダ:Frontier Pacific Mining、買収防止策に
Poison Pill 条項を適用
Eldorado Gold(本社:バンクーバー)に総額 157 百
万 C$の買収案を提示されている Frontier Pacific
Mining 社(FPM、同)の役員会は 16 日、買収案に応じ
ないよう株主に求める一方、Poison Pill(敵対的買収
を抑止・防衛する為の手段)を採用することを決めた。
しかしながら、FPM の株式 25.5%を持つ Dundee
Precious Metals(本社:トロント)は既に買収提案受
け入れに同意しており、FPM の防衛策が成功する可能
性は低そうだ。
FPM は、北東ギリシアに Perama Hill 金プロジェク
トを保有しており、Eldorado Gold にとっては南東欧
での競争力強化に欠かせないものとなっている。
Eldorade Gold はブラジル、トルコ、中国で金の探
鉱開発、生産を行っている。
(2008. 5. 26 バンクーバー 武富義和)
カナダ:Terrane Metals Corp.、BC 州 Mt.Milligan
銅・金プロジェクトの開発資材調達に着手
Terrane Metals Corp.(本社:バンクーバー)は、同
社が 100 %権益を有し BC 州で開発を進める
Mt.Milligan 銅・金プロジェクトの開発資材調達計画
に着手する。
同プロジェクトは、既存インフラに隣接しアクセス
が良好で、総投資額 917 百万 C$で 15.3 年のマインラ
イフを想定している。トラックショベルを使ったオー
プンピットで、銅の浮遊選鉱能力は 6 万 t/日、年間
銅生産量は 88 百万 lb(4 万 t)、金 217 千 oz(6.7t)を
見込んでおり、2012 年第 1 四半期からの生産を計画
している。同社の権益 58%を保有する Goldcorp も当
計画に同意済み。
(2008. 5. 26 バンクーバー 武富義和)
カナダ:Goldcorp、年次総会で更なる M&A に言及す
る一方、中南米での鉱害問題について指摘を受ける
Goldcorp(本社:バンクーバー)は、年次総会におい
て、今後 5 か年のうちに金生産量を 50%増加するた
めには新規鉱山開発が必要であり、13 億 C$のキャッ
シュ、ゼロ債務を背景に、生産のボトムラインを押し
上げるため M&A を模索している旨を説明した。M&A 対
象としては、シニア企業ではなく、ジュニア企業が好
ましいと考えている。また、この 1年間で埋蔵量が 9%
増加したことも併せて発表する等 Goldcorp の躍進を
印象付けた。
一方で、総会に参加した Siria Valley 環境保護委
員会の Carlos Amador 氏からは、ホンジュラスで操
業する San Martin 鉱山でのシアン等による鉱害問題
に対して、Goldcorp は何ら誠実な対応をしていない
との批判がなされていること、中米の露天掘の鉱山
周辺では、血中に高レベルの水銀、シアン、砒素が
検出されていることを指摘するとともに、Goldcorp
による金製錬工程での水の大量消費による水源枯渇、
また、重金属による水質汚染を助長しているとも述
べた。
(2008. 5. 26 バンクーバー 武富義和)
カナダ:Sherritt International、石炭に注目
資 源 コ ン グ ロ マ リ ッ ト 大 手 の Sherritt
International(本社:トロント)の CEO は、5 月 22
日開催された年次株主総会で、石炭開発に注力して
いく考えを明らかにした。原油価格高騰の中で格安
な石炭の価値が上昇していると指摘。今後、将来の
有力なエネルギー源として石炭採掘に多額投資する
方針。この背景には、燃料コスト上昇等により、金
属部門、特にマダガスカルの Anbatovy ニッケル鉱山
開発プロジェクトがコスト上昇にさらされているこ
とが挙げられる。
同社は、2008 年に 22 億 C$程度の投資を見込んでお
り高水準の支出が 2010 年まで続くと想定している。
ニュースフラッシュ 8
また、Anbatovy の投資額が大幅に膨らむ懸念など、
同社の厳しい現状打破のため、石炭開発に期待してい
る模様である。
(2008. 5. 26 バンクーバー 武富義和)
カナダ:Cameco、オンタリオ湖への汚染物質流出に
ついて調査開始
Cameco は、Port Hope ウラン転換工場(ON 州)から
オンタリオ湖へのウラン、砒素、フッ化物の流出につ
いて調査を開始した。
過去 9 年間のテスト結果、及び、今までのモニタリ
ングでは汚染物質は検出されていないが、モデリング
において極微量流出する恐れがあることが判明した
ことから実施している模様。
Port Hope ウラン転換工場は、2007 年 7 月、工場内
の土壌汚染が発覚したため操業を停止していた。この
工場の土壌浄化には 15~20 百万 C$、改造には 20~25
百万 C$を要するとされている。工場の再開について
は、従前どおり 2008 年第 3 四半期を目途としており
変更はない。
同工場には労働者 340 名が従事しており、年間六フ
ッ化ウランを 12,500t 製造する許可を有する。
(2008. 5. 26 バンクーバー 武富義和)
カナダ:連邦政府、オンタリオ州 Port Hope 地区の
低レベル放射性物質による汚染浄化に本腰
カナダ連邦政府は、Port Hope 地区(ON 州)における
低レベル放射性物質による汚染浄化を行うという
PHAI(Port Hope 地区汚染浄化計画)の支援を確約した。
政府は既に 2001 年、同地区での低レベル放射性物
質安全浄化対策と長期管理体制に対して総額 260 百
万 C$をコミットしているが、今回、政府はこれとは
別途、追加的に 30 百万 C$を拠出するとしている。
PHAI は 3 フェーズからなり、第 1 段階は環境・技
術調査、第 2 段階は地元交渉、浄化許可取得、第 3
段階は低レベル放射性廃棄物管理施設の長期モニタ
リングとなっている。
当地区では当時の国営ウラン公社 Eldorado
Nuclear(現在の Cameco)が 1930 年代から行っていた
ウラン製錬による放射能汚染が問題となっていたた
め、政府は Atomic Energy of Canada の支所として低
レベル放射性物質の管理を行うための LLRWMO を設立
し対応してきた。
(2008. 5. 26 バンクーバー 武富義和)
南ア:外国人に対する暴動鎮圧に軍隊を投入
各社報道によれば、南アの Mbeki 大統領は、5 月 21
日に外国人に対する暴動を鎮圧するために軍隊を投
入することを承認した。
この暴動は、2008 年 3 月頃からプレトリアやヨハ
ネスバーグの黒人居住区で外国人が襲撃され死亡す
る事件が発端となった。襲撃の対象は、南ア人の職を
奪ったとされるジンバブエやモザンビークなどアフ
リカ周辺諸国からの不法移民であった。しかし、最近
では、暴動がダーバンなどの東港湾都市に飛火し、襲
撃の対象もインド人、パキスタン人、中国人へと拡大
してきており、今回、軍隊により暴動を鎮圧する事態
となった。
今回の暴動による鉱山への影響については特に報
道されていないが、鉱山で働く外国人労働者も多く、
今後の暴動の状況に注意する必要がある。
(2008. 5. 22 ロンドン 竹谷正彦)
南ア:AngloGold Ashanti 社、南アの電力不足でウラ
ン売買契約を調整
業界誌によれば、AngloGold Ashanti 社(本社:ヨ
ハネスバーグ)は南アの不安定な電力供給を見計らっ
て、ウラン売買契約の出荷予定日を調整中である。
2008 年 1 月から続く国内の電力不足によって金の
副産物であるウランが減産状態にあるため、出荷予定
日の延期を交渉中である。2007 年においては、ウラ
ン生産量が予定より少なかったため、30 百万 US$で
40 万 lb(182t)のウランを購入し、売買契約を満たし
た。今回の交渉結果によれば、2008 年も市場でウラ
ンを調達する可能性が高い。南アの電力不足は 2012
年まで続くと言われており、現在南アでは通常の鉱山
稼働に必要な電力の 96.5%しか供給されていない。
なお、同社が有する Vaal River 鉱山は南アの主要
な金・ウラン鉱山として知られ、Uranium 2005 のデ
ータによると、年間ウラン生産能力は 1,272t-U/年で
ある。
(2008. 5. 23 ロンドン フレンチ香織)
ニュースフラッシュ 9
ロシア:Norilsk Nickel、露・外務省と不法国際取
引・テロ犯罪対策協力協定を締結
MMC Norilsk Nickel(本社:モスクワ)は 5 月 20 日、
不法な多国籍取引ネットワークの撲滅及び国際組織
テロ活動の抑圧を目的として、ロシア外務省との協力
協定に調印した。
本協定のもと、同社はロシア外務省と国際協力に関
する専門知識、統計及びデータベースを共有する。ロ
シア外務省は、多国籍犯罪及びテロに対する相互協力
を保障するために同社に助言や情報を与え、同社の外
国における経済活動に「有利な」サポートを提供する。
本協定の主な目的は、貴金属を含む原料の不法売買を
防止し、組織犯罪 やテロを促進するような不法取引
を抑制することにある。
同社のプレス発表によれば、グローバル企業として、
国際市場における経済的利益を効果的に保護し、特に
国際テロ犯罪に戦うための国家レベルのプロジェク
トに参画することに非常に関心を有している。本協定
は同社主導のもとに制定され、現時点では 1 年契約で
あるが、当事者のどちらかが破棄するまで自動的に更
新される。
(2008. 5. 23 ロンドン フレンチ香織)
豪:ウラン輸出が豪経済へ与える影響
Australian Uranium Association(豪州ウラン協会)
は、2030 年までに、ウラン輸出増大により、GDP に
170 億 A$以上の価値を付加することができるとした
報告をまとめた。
同報告書は、ウラン協会が、Deloitte法律事務所に
まとめさせたもので、ウランの輸出は 2007 年の約
10,000t/年 (U3O8)から、 2030 年までに 28,500~
37,000t/年(U3O8)になると予測している。世界の原子
炉が現在の 440 から 960 に増加すると仮定して、豪州
GDPに 140~170 億A$付加することができるとしてい
る。さらに、QLD州政府とWA州政府に対してウラン鉱
山開発と生産の禁止措置を解除することを求めてい
る。
豪州の世界へのウラン輸出シェアは、19%から
25%へ増加することが可能であるが、もし、世界の温
暖化が進み、予想より多くの原子炉建設が期待される
ことになれば、2030 年のシェアは、30%まで拡大す
るとみている。これは、輸出金額の増加となり、230
億 A$から 320 億 A$が GDP に付加される結果となる。
(2008. 5. 20 シドニー 永井正博)
豪:Sino Gold 社、ヘッジ取引停止のため、204 百万
A$の資金調達
Sino Gold Mining Ltd.(本社:シドニー、以下 Sino
Gold 社)は、新株発行を公表した。
Sino Gold 社は、最大株主で中国の探鉱パートナー
である南アの Gold Fields(本社:ヨハネスバーグ)に
5.03A$/株、総額 68 百万 A$で新株を発行する。また、
Sino Gold 社は、機関投資家に 4.00A$/株、総額 136
百万 A$の発行をオファーした。
調達資金のうち、122 百万 A$は高い金価格から利益
を得るため、同社のヘッジ取引を閉めるために使用さ
れる。ヘッジ取引停止は、Newcrest Mining 社や Lihir
Gold 社が既に行っているが、それに追随するもので
ある。Sino Gold 社の先物による金の平均取引価格は
525US$/oz であった。残りの資金は、探鉱と開発に使
用される。
なお、Sino Gold 社は、中国で Jinfeng 金山の権益
82%を所有しており、Jinfeng 金山の資源量は金量で
5.3 百万 oz(165t)あり、180,000oz(5.6t)/年の生産を
目標としている。
(2008. 5. 21 シドニー 永井正博)
豪:ABARE、鉱物とエネルギープロジェクトの投資金
額 705 億 A$と公表
5月 21日、ABARE(豪州農業資源経済局)は「Minerals
and Energy:Major Development Projects - April 2008
Listing」を発行した。この報告書によると、341 の主
要プロジェクトがリストアップされ、うち 244 件は依
然として FS 段階にあり、詳細が報告されている。
建設中または開発がコミットメントされているこ
とに限定される開発段階プロジェクトは 97 件で投資
額は 705 億 A$である。2007 年 10 月以降、58 件の新
規プロジェクトがリストに追加され、22 件が完成し
ている。
このうちエネルギープロジェクトが投資額の 55%
を占め、388 億 A$である。また、鉄鉱石プロジェクト
が 23%、アルミナプロジェクトが 7%、金プロジェク
ニュースフラッシュ 10
トが 5%を占めている。
また、WA 州は、開発段階プロジェクトの投資額が
3/4 を占め、12 の石油プロジェクト(投資金額 279 億
A$)と 10 の鉄鉱石プロジェクト(同 165 億 A$)がある。
QLD 州は、13%(90 億 A$)を占め、これらの半分以
上が、石炭とインフラストラクチャーのプロジェクト
である。
Glyde 氏は、世界的な熟練工の不足と資材・建設コ
ストの高騰が、いくつかのプロジェクトのスケジュー
ルと全体コストに影響を与えていると述べた。
(2008. 5. 22 シドニー 永井正博)
豪:Athena Resources 社、WA 州の Byro 銅・PGM 探査
プロジェクトの岩石地化探結果を発表
Athena Resources 社(本社:豪パース)は、WA 州の
Byro 銅・PGM 探査プロジェクトの岩石地化学探査結果
を発表した。
Moonborought 地区での岩石サンプルで、Cu 1.93%、
Au 0.53g/t、Pd 3.01g/t 等の値を得ているほか、
Moonborought 地区から約 7km 北東部でも鉱徴を捕捉
した。
Byro 探 査 プ ロ ジ ェ ク ト は 、 Geoscience
Australia(豪州地球科学機構)による重力データを元
に 4,800km2の探査鉱区を申請し、既に、地質調査に
て苦鉄質岩体を確認しており、今後はボーリング調査
を実施予定である。土壌地化学探査は完了しているが、
全結果は未だ発表されていない。
(2008. 5. 20 シドニー 増田一夫)
豪:Kagara 社、Mungana 亜鉛選鉱場の建設開始
Kagara 社(本社:豪パース)は、QLD 州の Mungana
選鉱場の建設開始を発表した。
2009 年 4 月のフル操業を目指しており、完成すれ
ば、Kagara 社にとって 4 番目の選鉱場となり、亜鉛
生産量は、これまでの倍以上の 100 千 t となるほか、
世界でも有数の低コスト亜鉛生産会社となる見通し。
Mungana は、資源量 1.96 百万 t、品位:Zn 14.4%・
Pb 2.2%・Cu 2.8%のレンズ状の高品位ベースメタル
鉱床で既に斜坑が掘削されている。金の鉱化も存在し、
将来的には、副産物として金を生産する計画がある。
(2008. 5. 22 シドニー 増田一夫)
豪:Iluka Resources 社、SA 州の Jacinth-Ambrosia
ミネラルサンド鉱山開発へ
Iluka Resources 社(本社:豪パース、以下 Iluka
社)は、SA 州 Eucla Basin の Jacinth-Ambrosia ミネ
ラルサンド鉱山開発を承認したと発表した。
Iluka 社役員会は、2008 年 3 月に既に承認済である
新株発行及び融資契約に基づき、初期投資額 420 百万
A$の鉱山開発を承認した。当局の認可が得られれば、
2010年第 1四半期には生産を開始する見込みである。
Jacinth-Ambrosia は、SA 州 Ceduna から 200km 北西
に位置し、ジルコン 2.9 百万 t 及びルチル、イルメナ
イトから成る重鉱物精鉱 6 百万 t の生産が、WA 州に
位置する Iluka 社 Narngulu 選鉱場にて実施される計
画。初期投資額 420 百万 A$のうち約 60 百万 A$は同選
鉱場の拡張に充てられる。
(2008. 5. 22 シドニー 増田一夫)
フィリピン: European Nickel 社、 Toledo Mining
Corporationの買収を通じBerong Nickel社の権益を取得
European Nickel 社(本社:ロンドン)は 5 月 23 日、
フィリピン Toledo Mining Corporation(本社:ロン
ドン、以下 TMC)に対する友好的買収協議を完了し、
発行株式の 19.3%を取得見込みを明らかにした。今
回取得する株式は、TMC の筆頭株主(11.5%)である
Investika Ltd.から 339 万 1,019 株、個人株主である
Chris Kyriakou か ら 155 万 株 、 Murry Morgan
Investment Ltd.から 75 万株を総額 4,800 万 US$で購
入する。これにより、European Nickel 社は、Investika
社が保有する Beron Nickel Corporation(BNC)の権益
18.7%を直接確保する。BRC は現在、Berong、Moorsom、
Long Point の 3 か所のラテライト鉱床の開発を手掛
けているが、TMCはBRCの権益を直接、間接的に56.1%
保有しているため、European Nickel 社が実質的な経
営権を握ることになる。また、TMC は、独自に Ipilan
(Palawan 島)、Ulugan(Palawan 島)ニッケルラテ
ライト鉱床開発の権益 52%、58%をそれぞれ保有す
る。TMC が保有するニッケル埋蔵量は、3 億 7,500 万
t、ニッケル品位 1.3%であり、European Nickel 社は
TMC への資本参加によりニッケル 120 万 tの権利を獲
得したことになる。
(2008. 5. 26 ジャカルタ 池田 肇)
ニュースフラッシュ 11
フィリピン:Oceana Gold 社、Didipio 金・銅開発で
火力自家発電所を建設
Oceana Gold 社(本社:メルボルン)は 5 月 16 日、
Luzon 島 Nueva Vizcaya 州(Manila の北 270km)で手掛
ける Didipio 金・銅鉱開発において電力の安定確保を
図るため独自の石油火力自家発電所を建設すること
を明らかにした。なお、投資総額は、当初の 1 億 5,500
万 US$から 3 億 2,000 万 US$に拡大する。また、露天
掘採掘の湧水対策として地下水位を低下させるため
に計画されていた全長 6.2km の疎水坑道の建設は取
り止め、ポンプ能力の増強によって湧水を揚水(対処)
する。Didipio 金・銅鉱床の埋蔵量は、金 157 万
oz(48.8t)(品位 1.48g/t)、銅 19 万 t(品位 0.58%)、
マインライフは 15 年以上である。年間の粗鉱処理量
は 2,500 万 t で金を 12 万 oz(3.7t)、銅 1 万 5,000t
を生産する計画である。鉱山操業開始後、金価格が
800US$/oz、銅価格が 3.50US$/lb で推移すると 3 年間
で初期投資を回収できる。選鉱場の建設工事は、
EPCM(Engineering, Procurement and Construction
Management)方式により Ausenco 社が、露天掘採掘は
Leighton Asia の 子 会 社 Leighton Contractors
(Philippines)社がそれぞれ受注し、2008 年 5 月から
露天掘の剥土作業が開始されている。鉱山労働者は、
現在 900 人で、そのうち 98%がフィリピン人、半数
が地元出身者となっている。鉱山の生産開始は、2009
年上期が予定されている。
(2008. 5. 26 ジャカルタ 池田 肇)
インドネシア:国防相、Krakatau Steel の民営化は
IPO(新規株式発行)を要請
地元紙によればインドネシア国防相は 5 月 22 日、
Susilo Bambang Yudhoyono 大統領との会見の後、国
営製鉄企業 Krakatau Steel の民営化問題に関し、イ
ンドネシアにおける軍事・兵器産業を戦略的に維持し
ていくためには、外国製鉄企業への戦略的売却ではな
く IPO による民営化が望ましいとの見解を明らかに
した。同国防相は、Krakatau Steel の株式売却には、
Arcelor Mittal(本社:ロッテルダム)、Tata Steel(本
社:ムンバイ)、豪州 Blue Scope Steel(本社:メル
ボルン)など鉄鋼大手が関心を示しているが、
Krakatau Steel はインドネシア最大の鉄鋼メーカー
であり、国家安全保障の観点から、政府が支配力を残
せる形での民営化が不可欠で IPO による資金調達が
有利であり戦略的であると述べた。また、外国製鉄企
業への売却は、従業員 500~1,000 人が解雇される可
能性があるとこれに反対した。Krakatau Steel の年
間粗鋼生産能力は 250 万 t である。
(2008. 5. 26 ジャカルタ 池田 肇)
インドネシア:Rio Tinto、鉱区重複問題で鉱業権の
取消しを司法に要請
地元紙によれば Rio Tinto は 5 月 26 日、中央政府
との間で COW(鉱業事業契約)交渉を行っている
Lasamphala 地域において新たな鉱業権が設定された
として鉱業権の取消しを求める訴訟を中央 Sulawesi
管理裁判所に提訴したことを明らかにした。
Lasamphala 地域は、Morawali、Konawe の両県の県境
に位置するが、現地情報によれば、Morawali 県政府
は、Lasamphala 地域に重複する地域において、
Bintangdelapan Group に 5 件の鉱業権を発行し、か
つ同 group から新たに 3 件の鉱業権の申請を受理、ま
た、Konawe 県政府も Bintangdelapan Group 各社(PT
Panca Metta 、 PT Meltapratama Perkasa 、 PT
Bintangdelapan Wahana、PT Bintandelapan Mineral)
から 7 件の鉱業権の申請を受理し、近日中に発行され
るという。エネルギー鉱物資源省鉱物石炭地熱総局
Bambang Setiawan 官房長官は、COW 鉱区内の鉱業権の
重複問題は、投資調整庁及び内務省が仲介し協議する
としているが、今回の訴訟は、Rio Tinto が、インド
ネシア鉱業において顕在化する鉱業権の重複問題に
関し、初めて司法の判断を求めたもので今後の進展が
注目される。Bambang Setiawan 官房長官によれば、
Rio Tinto の COW 交渉は、鉱区の重複問題を解決しな
い限り議会で承認されることは困難で早期に解決し
なければならない問題と述べている。Rio Tinto の渉
外担当部長は、Lasamphala 地域は 1999 年に中央政府
との基本的合意を受けて、2001 年、中央政府との間
で COW 交渉を開始しているが、その合意は現在も有効
であり、いかなる者も鉱業権の設定は許されないとし
て必要に応じて最高裁判所まで上告する用意がある
と述べている。
(2008. 5. 26 ジャカルタ 池田 肇)
ニュースフラッシュ 12
インドネシア:PT Bumi、Herald Resources 社の買収
価格を引上げ
地元紙によれば石炭大手 PT Bumi Resources(PTBR)
社は 5 月 26 日、北 Sumatera 島 Dairi 県で鉛・亜鉛鉱
山開発を手掛けるHerald Resources社の買収に関し、
国営鉱山会社 PT Antam と中国企業 China’s Shenzhen
Zhongjin Lingnan Nonfemet Co 社との Tango 連合に
対抗して買収額を 5 億 400 万 A$に引上げると明らか
にした。PTBR 社によれば、Tango 連合の 4 億 9,400
万 A$を上回る提案で、12 月の公開買付価格に対し
30¢高い 2.55A$/株で買い付けると述べている。5 月
26 日の豪州証券市場における Herald Resources 社の
終値は、思惑買いから 2.86A$/株を付けており、PTBR
社の買収価格は市場価格を下回る提案となった。PTBR
社は、Herald Resources 社の現資産価値は、一株当
り最大で 2.55A$と評価しており、Herald Resources
社の株主に対し6月4日までに売却するよう要請して
いる。PT Antam は、Dairi 鉛亜鉛鉱開発の権益 20%
を保有するため、残る 80%の権益を確保するため
Herald Resources 社の獲得に向け PTBR 社に対し敵対
的買収を仕掛けている。PT Antam は、現在、Herald
Resources 社の発行株式の 10.7%を、PT Bumi は同
19.6%を取得しており、Herald Resourcres 社の買収
劇は、両社の威信をかけたものとなっている。、PTBR
社は、Bakrie グループ統帥 Aburizal Bakrie 現福祉
担当調整大臣が経営権を握るインドネシア最大の石
炭大手で、鉱業資産の多角化戦略の一環として、鉛亜
鉛鉱開発に関心を示している。
(2008. 5. 26 ジャカルタ 池田 肇)
中国:四川大地震による鉱業分野の被害状況続報
(1)35 万 t の亜鉛製錬所生産停止
安泰科によれば、5 月 19 日の最新調査の結果、四
川省汶川県で発生した地震により四川省、甘粛省と陝
西省の合計 35万 t/年亜鉛製錬所が停止していること
が判明した。
生産停止地域は、主に四川省徳陽市、漢源県、石棉
県、甘粛省隴南地域と陝西省漢中地域に集中し、約
13 の大、小規模製錬所が生産停止となっている。徳
陽市、隴南地域にある製錬所は部分的に建物が破壊さ
れ、生産再開の目処が立っていない。漢源県と石棉県
にある 2 つの製錬所は移転を余儀なくされ、生産再開
の目処が立っていない。他の製錬所は電力・輸送障害、
安全面から生産停止し、早急な生産再開を目指してい
るが、余震が続き、生産再開のタイム・スケジュール
は立っていない。
以上の生産を停止した製錬所の 2007 年亜鉛生産量
が約 38 万 t、これら製錬所が 1~2 か月間生産停止す
ることになれば、2008 年の亜鉛生産量は 5 万 t 以上
が減少する見込みとなる。
(2)四川宏達集団公司、地震で約 60 億円損失
安泰科によれば、5 月 20 日に四川宏達集団公司は
四川大地震による被害状況を発表した。発表によると
5 月 19 日までの従業員死亡者数は、79 名、地震によ
る損失額は約 60 億円である。
四川省綿竹県、安県県にある同社傘下の 2 つの化学
工場は、水、電気、ガスの供給がストップし、12 日
午後から操業が停止している。一方、雲南省拠点で、
同社が 51%の権益を保有する雲南金鼎亜鉛公司は、
通常操業を行っている。
四川省什什邡市にある本社の亜鉛製錬所及び燐酸
工場の被害は大きく、建物が崩壊している。同社傘下
の四川什化公司(龍門山に位置)は、同社傘下企業の中
で最も被害が大きい。更に、地震後、工業用アンモニ
ア水が流れ出し、硫黄も現在燃えている。残りの傘下
企業の被害は少ない。
(2008. 5. 27 北京 土屋春明)
中国:2008 年第 1 四半期電解ニッケル生産量 31,157t、
対前年同期比 4.16%増
安泰科によれば、中国有色金属工業協会のデータに
よると、2008 年第 1 四半期の電解ニッケル生産量は
31,157t で、対前年同期比 4.16%増加した。
2008 年 3 月の電解ニッケル生産量は 11,712t で、
対前月比 19%の増加となった。そのうち、甘粛省の
生産量は対前月比 9%増の 9,423t であった。江西省
の電解ニッケル生産量は甘粛省に続き、1,400t であ
る。新彊ウイグル自治区の生産量は 502t で、前月と
ほぼ同じ、雲南省の生産量は 195t で、前月より 45t
の増加となった。重慶の生産量は 177t であった。
(2008. 5. 27 北京 土屋春明)
ニュースフラッシュ 13
中国:湖南有色金属集団公司 湖南省茶陵県の鉱産資
源開発へ投資
安泰科によれば、湖南省の茶陵県庁は、最近、湖南
有色金属集団公司と戦略的協力協定を正式に締結し
た。湖南有色金属集団公司は、30 億円以上を投入し、
茶陵県で深部探査を行い、タンタル、ニオブ及び随伴
共生しているタングステン、銅などの鉱物資源開発を
目指す。
茶陵県はタングステン、銅、錫、鉛、亜鉛、タンタ
ル、ニオブなど 20 種類の非鉄金属鉱物の鉱徴が見ら
れ、そのうちタンタル・ニオブの確定埋蔵量は
5,000t(金属量)に達し、アジアで 1 位、世界で 3 位で
ある。現地の鉱物製錬企業は規模が小さく、資金不足
で技術も立ち遅れ実収率も高くない。そのため、茶陵
県庁は資金と技術のある湖南有色金属集団公司と戦
略的協力協定を締結し、豊富と見込まれる鉱物資源を
開発する計画である。
(2008. 5. 27 北京 土屋春明)
中国:2008 年第 1 四半期モリブデン精鉱生産量、対
前年同期比 15.84%増
安泰科によれば、中国有色金属工業協会の統計データ
によると、2008 年 3 月のモリブデン精鉱生産量は 1 万
3,673t で、2008 年 1 月、2 月と比べそれぞれ前月から
23%、16%増加し、対前年同月比 13%増となった。
2008 年第 1 四半期のモリブデン精鉱生産量は 1 万
6,525t で、対前年同期比 15.84%増加した。そのうち、
河南省と陝西省のモリブデン精鉱生産量はそれぞれ
8,536t、3,990t で、対前年同期比それぞれ 12.67%増、
9.93%増となった。両省の生産量は国内生産量の
76%を占めている。
(2008. 5. 27 北京 土屋春明)
中国:2008 年 1~4 月のタングステン精鉱生産量、対
前年同期比 12%減
安泰科によれば、中国有色金属工業協会のデータに
よると、2008 年 4 月のタングステン精鉱生産量(換算
量)は 7,540t、2008 年 1~4 月のタングステン精鉱生
産量は、2 万 1,238t、対前年同期比 12%の減少とな
った。
国内のタングステン鉱山の生産は 1 月の雪害から
復旧し、3~4 月のタングステン鉱山の生産は通常に
戻ったが、1~2 月の生産量が大幅に減少したため、
2008年1~4月の生産量は、07年同期と比べ減少した。
そのうち江西省のタングステン精鉱生産量は 1 万
666t、対前年同期比 1.6%増加した。湖南省のタング
ステン精鉱生産量は 7,173t、対前年同期比 18.99%減
少した。1~4 月の江西省のタングステン精鉱生産量
は、国内総生産量の 50.2%を、湖南省の生産量は、
国内総生産量の 33.8%占め、両省の合計生産量は国
内生産量の 84%を占めている。
(2008. 5. 27 北京 土屋春明)
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