丸の内仲通り沿道街区地区が 「都市景観大賞(都市...

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2015 5 26 報道関係各位 千代田区 一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会 NPO法人大丸有エリアマネジメント協会 三菱地所株式会社 千代田区、一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会、NPO法人大丸有エリアマネジメ ント協会、三菱地所株式会社は、日本を代表するビジネス街である東京・丸の内で整備を進めてきた「丸の内 仲通り沿道街区地区」が、平成 27 年度「都市景観大賞(都市空間部門)」の「大賞(国土交通大臣賞)」を 受賞したことをお知らせします。 東京・丸の内の一帯は、 1890 年に明治政府より払い下げられ、日本初の本格的な賃貸オフィス街としての街 づくりが始まりました。以来、日本を代表するビジネス街として、常に時代のニーズを取り入れながら発展し、 1996 年以降の街づくりにおいては、地元自治体と地元地権者等でまちづくりを議論し、「まちづくりガイドラ イン」に沿って、統一感ある都市景観を形成してきました。 特に、今回大賞を受賞した、丸の内を南北に貫く「丸の内仲通り」では、公民が協力し、通過するだけの道 路空間を、憩いの場やイベントの舞台という「快適な交流空間」へ、歩道と車道を一体的に整備してきました。 こうしたエリアマネジメントの実績が評価され、丸の内仲通りは 2015 3 19 日に、東京圏で初めてとな る、国家戦略特区における「国家戦略道路占用事業」の適用区域に指定 されました。これにより、道路空間 を活用したイベント等の開催へ向けた手続きがより円滑化されます。 ※行幸通り(地下含む)・大手町川端緑道と一体で指定。 今後も、「丸の内仲通り」における公民協調の取り組みを更に進化させ、ビジネスエリアとしての価値を高 めつつ、交流空間として一層活用していくことで賑わいの創出と都市観光を推進し、 2020 年に東京オリンピッ ク・パラリンピックを迎える東京の魅力あるまちづくりに貢献します。 公民連携の街づくりとエリアマネジメントによる、魅力ある街づくりを評価 丸の内仲通り沿道街区地区が 「都市景観大賞(都市空間部門)大賞」を受賞 <受賞のポイント(要旨)> ●かつてオフィスに特化し夕方・休日に人通りが少なかった街を、就労者以外の多種多様な人が訪れる、賑わいと 多様なコミュニティのある、海外にも例のない新しいスタイルの街に変貌させたこと。 ●道路空間を舞台に、昼休みの交通規制(歩行者天国化)やイベント時の大胆な道路活用を継続的に実施し、通り を軸とした地区の魅力発信となることを実証したこと。 ●かつての建物の軒高を継承した表情線など、長年に亘り蓄積された都市デザインを継承・展開していること。 <丸の内仲通りの整備における具体的な取り組み> ●沿道街区の開発とあわせて整備を実施し、歩道を拡幅することで両側 7 m を確保。歩道の広さを活用し、樹木・ ベンチ・屋外彫刻作品等を設置し、豊かな歩行者環境を創出。 ●建築物の低層部の改修、街並みの景観コントロール、さらにデザインマニュアル等による街全体の統一感を実現。 ●打ち水・盆踊り・イルミネーションといった季節に応じたイベントを開催し、街の賑わいを創出。公民連携の優 れたエリアマネジメント力により、キッチンカーの設置やオープンカフェの実施等、道路空間の活用を推進。

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Page 1: 丸の内仲通り沿道街区地区が 「都市景観大賞(都市 …路空間を、憩いの場やイベントの舞台という「快適な交流空間」へ、歩道と車道を一体的に整備してきました。

2015年 5月 26日

報道関係各位

千代田区

一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会

NPO法人大丸有エリアマネジメント協会

三菱地所株式会社

千代田区、一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会、NPO法人大丸有エリアマネジメ

ント協会、三菱地所株式会社は、日本を代表するビジネス街である東京・丸の内で整備を進めてきた「丸の内

仲通り沿道街区地区」が、平成 27年度「都市景観大賞(都市空間部門)」の「大賞(国土交通大臣賞)」を

受賞したことをお知らせします。

東京・丸の内の一帯は、1890年に明治政府より払い下げられ、日本初の本格的な賃貸オフィス街としての街

づくりが始まりました。以来、日本を代表するビジネス街として、常に時代のニーズを取り入れながら発展し、

1996年以降の街づくりにおいては、地元自治体と地元地権者等でまちづくりを議論し、「まちづくりガイドラ

イン」に沿って、統一感ある都市景観を形成してきました。

特に、今回大賞を受賞した、丸の内を南北に貫く「丸の内仲通り」では、公民が協力し、通過するだけの道

路空間を、憩いの場やイベントの舞台という「快適な交流空間」へ、歩道と車道を一体的に整備してきました。

こうしたエリアマネジメントの実績が評価され、丸の内仲通りは 2015年 3月 19日に、東京圏で初めてとな

る、国家戦略特区における「国家戦略道路占用事業」の適用区域に指定※されました。これにより、道路空間

を活用したイベント等の開催へ向けた手続きがより円滑化されます。※行幸通り(地下含む)・大手町川端緑道と一体で指定。

今後も、「丸の内仲通り」における公民協調の取り組みを更に進化させ、ビジネスエリアとしての価値を高

めつつ、交流空間として一層活用していくことで賑わいの創出と都市観光を推進し、2020年に東京オリンピッ

ク・パラリンピックを迎える東京の魅力あるまちづくりに貢献します。

公民連携の街づくりとエリアマネジメントによる、魅力ある街づくりを評価

丸の内仲通り沿道街区地区が

「都市景観大賞(都市空間部門)大賞」を受賞

<受賞のポイント(要旨)>

●かつてオフィスに特化し夕方・休日に人通りが少なかった街を、就労者以外の多種多様な人が訪れる、賑わいと

多様なコミュニティのある、海外にも例のない新しいスタイルの街に変貌させたこと。

●道路空間を舞台に、昼休みの交通規制(歩行者天国化)やイベント時の大胆な道路活用を継続的に実施し、通り

を軸とした地区の魅力発信となることを実証したこと。

●かつての建物の軒高を継承した表情線など、長年に亘り蓄積された都市デザインを継承・展開していること。

<丸の内仲通りの整備における具体的な取り組み>

●沿道街区の開発とあわせて整備を実施し、歩道を拡幅することで両側 7 mを確保。歩道の広さを活用し、樹木・

ベンチ・屋外彫刻作品等を設置し、豊かな歩行者環境を創出。

●建築物の低層部の改修、街並みの景観コントロール、さらにデザインマニュアル等による街全体の統一感を実現。

●打ち水・盆踊り・イルミネーションといった季節に応じたイベントを開催し、街の賑わいを創出。公民連携の優

れたエリアマネジメント力により、キッチンカーの設置やオープンカフェの実施等、道路空間の活用を推進。

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【参考資料】

●丸の内仲通りについて

丸の内を、晴海通りから永代通りまで南北に貫く、全長 1.2 kmの目抜き通り。通り沿いは、かつてオフィ

ス街や金融店舗に特化していましたが、今ではカフェやブティックが軒を連ね、ニューヨークの「マディソン・

アヴェニュー」、ロンドンの「ボンド・ストリート」とパートナーシップ協定を結ぶ一大ショッピングストリ

ートとなりました。

路面区画の飲食・物販店舗化や再開発、エリアマネジメント活動を通じて、緑やアート作品のある豊かな歩

行者環境、一体的な景観整備を実現し、道路上でさまざまなイベントが開催される、「快適な交流空間」となっ

ています。

1960年撮影

2014年撮影

ザ・ペニンシュラ 東京

JR東京駅

新丸ビル 丸ビル

東京国際フォーラム

三菱一号館 美術館

行幸通り

丸の内仲通り

馬場先通り

永代通り

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1. 快適な歩行者環境の整備

・「人が中心の空間」へ改変するため、2002年までとそれ以降の 2期に亘り整備を実施。車道幅員を 9mから

7mに狭め、歩行者空間は両側に 1mずつ拡大して 7mを確保。

<整備前>歩道:車道:歩道=6 m:9 m:6 m

<整備後>歩道:車道:歩道=7 m:7 m:7 m

・自然石(アルゼンチン斑岩)による歩車道共通の仕上げで、公有地・民地の境界にこだわらない一体的な整

備を行いました。

・ケヤキを中心とした並木により、路面に緑陰を創出し、歩道上には休憩できるベンチを設置。沿道の敷地内

の植栽や横断抑止ボラード(車止め)に植え込まれた花々、街灯に備え付けられたハンギングフラワーとと

もに、寛ぎの空間を生み出しています。

・公益財団法人 彫刻の森芸術文化財団の協力の下、1972年から継続して丸の内ストリートギャラリー(彫刻

展示)を実施。街を歩く人々の目を楽しませています。

2. 整然とした、統一性のある街並み・景観

・公民で街づくりの方向性を定めた「まちづくりガイドライン」により、沿道地権者が協力して統一性ある街

づくりを目指しています。

・具体的には、通りに面する建物の低層部には、カフェやレストラン、アトリウム空間を配置するなど、エリ

ア全体の賑わいや交流を生み出す再開発・改修を実施。店舗を連続的に配置することで、建物と通りの活動

が、断裂せずに一体となっています。かつて市街地建築物法(建築基準法の前身)の規制によって揃ってい

た、軒高 31 mを踏襲し、再開発後のビルにおいても、31 mの表情線を受け継いでいます。これにより、街

並みに統一性を持たせるとともに、「31 m時代」の建物高さと丸の内仲通りの幅員 21 mのヒューマンスケ

ールなバランスを保っています。

・「まちづくりガイドライン」を補完するものとして、屋外広告物ガイドラインやデザインマニュアルを整備。

地区としての良好な街づくりを継続的に実現。

軒高 31m

幅員 21m

31 mの表情線

幅員 21m

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3. イベント等の開催による活気ある道路空間

・季節に合わせて、打ち水・盆踊り・イルミネーション等のイベントを実施し、就労者も来街者も楽しめる賑

わいを創出。

・行政・警察との密な連携により、道路を占用しての催しを多数実施しており、駅伝等のイベントやオープン

カフェの設置等に取り組んでいます。

・1985年より 30年に亘って、「ランチョンプロムナード」と称し、12~13時の昼時は、丸の内仲通りを歩行

者天国化。近年注目される歩行者天国を先駆的に実施してきました。

・このようなエリアマネジメントの実績が評価され、丸の内仲通りは 2015年 3月 19日に、東京圏で初めて、

国家戦略特区における「国家戦略道路占用事業」の適用区域に指定されました※。道路法特例の適用により、

道路上へのカフェ・ベンチ等の設置がしやすくなり、イベント等の開催へ向けた手続きがより円滑化される

ことで、エリアの一層の賑わいや都市観光を推し進めます。 ※行幸通り(地下含む)・大手町川端緑道と一体で指定。

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≪丸の内仲通り周辺を舞台とした様々な取り組み≫

グローバルな催事や来客を歓迎し交流する特別な場所として、道路など「公的空間」の積極的活用が国家戦略をはじ

め多方面で期待されています。丸の内仲通りではストリートの魅力あふれる使い方の実現を目指して、公民が一緒に

なって様々な活用展開に取り組んでいます。

1. 国家戦略特区に関する取り組み

丸の内は、約 4,000社の企業が集積する国際ビジネスセンターであり、「国家戦略特区」の活用を通じて、国内外

に選ばれる場所となるための取り組みを進めています。2015年 3月に認定された「国家戦略特区区域計画」にお

いて、丸の内仲通り等※は道路法の特例が受けられる区域となりました。「一体的面開発」の利点を活かし、エリ

アマネジメント 3団体(大丸有協議会・大丸有エリアマネジメント協会(リガーレ)・エコッツェリア協会)によ

る公民連携を通じて、道路、公的空間、地下空間等の新たな活用に先駆的に取り組んでいきます。

※行幸通り(地下含む)・大手町川端緑道と一体で指定。

2.丸の内仲通り沿いの仮囲いをパブリックアートに活用 ~来街者と一体となった景観形成・にぎわい形成の取り組み~

就業者や来街者が撮影・Instagram に投稿した丸の内エリ

アの写真を一覧できるウェブサイト「Marunouchipix」。こ

れらの投稿された写真の中から日々、数枚をピックアップ

して、ビルの工事仮囲いに掲出する写真展を開催中。

<Marunouchipix(マルノウチピクス)写真展>

日時:開催中~2015年 10月(予定)

場所:千代田区丸の内 3-2(丸の内仲通り側)

実施主体:三菱地所株式会社

3.丸の内ストリートギャラリーの実施

公益財団法人 彫刻の森芸術文化財団の協力のもと、芸術性豊かな街づくりを目指して、丸の内仲通りに彫刻を

展示する「丸の内ストリートギャラリー」を定期的にアート作品の入れ替えをしながら 1972年より継続実施して

います。今年 9月 1日より、第 41回がスタート予定です。

4.丸の内仲通りを中心とした魅力的なイベントの開催 「大丸有夏祭り 2015」<予定>

毎年開催される行幸通りの打ち水、2013年から開催される仲通り盆踊り

をあわせ、今年度からは「夏祭り」としてさらにグレードアップ。

道路空間を活用して、魅力的なイベントを開催します。

(7月詳細決定予定)

※詳細検討中のため内容に変更が生じる可能性があります

<大丸有夏祭り 2015>

日時:2015年 7月末

会場:行幸通り・丸の内仲通り 他(予定)

主催:大丸有夏祭り 2015企画実行委員会

(参考)丸の内仲通りこれまでの受賞実績

2014年・2000年 グッドデザイン賞受賞

2013年 土木学会デザイン賞最優秀賞受賞

2008年 日本建築家協会優秀建築選 2008

2008年 第 18回AACA賞特別賞

2002年 平成 14年照明普及賞優秀施設賞