日建設計の構造グループでの「 Revit 」の活用と 月に無償公開し...
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1.1 日建構造のBIM遍歴
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2009年 BIM利用開始3Dセンター室、DDL発足
2012年 パイロットプロジェクトを決めてRevitで実施設計図を作成する
2013年 Revit本格導入(Revit2013)・自社の一貫構造解析ソフト→Revitへの変換プログラムの開発
・断面リスト作図プログラム(SLM)を開発・日建作図マニュアル作成
2015年 基本的にすべての案件でBIM利用する方針Revit2015利用
2017年 Revit2017利用2018年 構造BIM作図ツール(SBDT)公開
実施設計BIM化ほぼ100%を達成これまで計300件以上のBIMによる構造図作成!
1.1 3Dセンター室、DDL、構造BIMチーム
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3Dセンター室:設計部門所属社内のBIM推進と実践を担う
DDL(デジタルデザインラボ)設計部門所属先端的な設計ツールや手法の研究開発を行う
構造設計グループ:エンジニアリング部門BIMに関わるメンバーは3Dセンター室と兼務コアメンバーが5人作図担当が20人(一人ずつCADから移行)
1.2 構造図作成ワークフロー ~設計ワークフロー~
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構造図作図担当
構造設計担当者
作図管理者3DC
基本設計 実施設計
設計
作図メモ作成
構造計算
BIM構造図作図キックオフ会議
技術支援機能開発
連携サポート
構造図作成整合性確認
(構造図と意匠図)(構造図と構造計算書)
構造計算データーからのBIMモデルと意匠図の重ね図を作成効率的な作図メモの作成を開始
整合性確認
基本設計段階でも検討のために容易に重ね図が作成可能
ダブルチェック
・構造計算データーから作成したBIMモデルと意匠図との見やすい重ね図を作成することで、設計そのものを重ね図を見ながら行っている。
・実施設計の最終段階で、構造図の意匠図・構造計算書との整合性確認をダブルチェックしている。
プロジェクトBIMモデル利用キックオフ会議
1.2 構造図作成ワークフロー ~意匠重ね図~
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・BIM構造図は黒、意匠図一般部は水色、意匠図の躯体は赤で重ね図として表示し、構造設計者は常に最新の意匠図を、構造図へリンクさせながら設計を行う
・設計終盤に確実に、当該案件を担当していない作図担当と設計者がダブルで整合性確認を実施構造図と意匠図の重ね図(伏図)
壁形状の不整合
BIM構造図
意匠図
一貫構造計算(Building 3D)
1.2 構造図作成ワークフロー ~計算書との整合性確認~
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・「BIM構造図」は黒線、「構造計算書からのモデル」はカラー(切断面は赤)で重ね図を表示する機能を作成部材符号については確認しやすいように、大きさ・位置を調整する機能を作成
構造図と構造計算書との整合性確認の例(伏図)
柱位置の不整合例
図面の符号
計算書の符号
色が無いため計算書で未入力の梁
BIM構造図
最新計算書からのBIMモデル
一貫構造計算(Building 3D)
1.4 構造設計グループ 実施設計図BIM化の過程
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< BIM化100%ができた要因 >・ BIM専門の部(3DC、DDL)を会社として組織できた。
・構造ではBIMモデルは作図担当が構築する。(設計とBIMデータモデリングとの分業・連携)
・3DC構造のメンバーが構造設計部門と兼務である。→ 構造設計者の視点と作図担当の視点の共有
→ BIM化過渡期の問題点の共有機能開発、開発機能の強化
1.4 構造設計グループ 実施設計図BIM化の過程
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・「日建作図マニュアル」を策定
AutoCADの作図マニュアルを参考に、Revitの作図マニュアル兼作図レベル設定用のBIMマニュアルを作り、BIM図面に求める期待値をそろえた。
(東京・大阪・名古屋各地区のCAD標準が異なっていたので、全国でルールを統一)
◆社内の構造設計者むけの構造BIM講習会の開催・構造部門の若手から主管、部長まで広く参加・設計者としてのBIMソフトの利用方法を講習・説明は最小限として、実際に手を動かしてもらう
◆構造部門の技術会議(毎月開催)にてBIMの最新情報発信
◆構造で開発したソフトの利用サポート◆各案件のBIM作図 サポート
1.4 構造設計グループ 実施設計図BIM化の過程
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1.4 構造設計グループ 実施設計図BIM化の過程
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・作図担当の技量向上→表現密度が高くなる
・作図担当の人数増加
・設計者もBIMの仕組みを理解→ 作図スケジュールを立てやすくなる
・新しい機能を利用する余裕が出てくる
・BIM化はまだまだ過渡期!・設計者と作図担当の協力必須!
2.1「SBDT」とは
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日建設計が公開したStructural BIM Design ToolというWebサイト。
構造設計に必要なBIMツールで共有化できるものを公開する。
現在はRevit2017のテンプレートやマニュアル、一貫構造計算ソフトからの変換ツール
や断面リスト作図プログラムなどを無償で提供している。
2.3 公開意図
1.将来必ず社会で利用されるBIMを早く浸透させたい
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・2次元だけで建築する時代は、近い将来なくなると思っている。
・BIMが社会に組み込まれるのが早いほどメリットがある。
社会…契約、確認申請、FMなど
→個々のユーザーが一から仕組みを作り上げるのは効率的ではない
2.同じ仕組みに参加する人を増やしたい
・一社でルールを作り上げるのではなく、多くの人の目を通して
よりよいルールに変えていきたい。
・毎年の仕様変更をフォローするのは一社だけでは限界がある。
・ユーザーの数(声の大きさ)が大きくなればなるほど
開発元(Autodesk)への改善・開発要望の声も大きくなる。
2.3 公開意図
3.設計BIM→施工BIMのデータ伝達による現場効率化
施工者にうまく活用してもらいたい
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・転記などの人的ミス/浪費をなくしたい
・検討スタートの早期化でスケジュールに余裕をもちたい
監理に直接のメリットはなくても、プロジェクトに余裕があることは品質向上
につながる。
→設計BIMが施工に有用であることが社会的に認知されるようになれば
BIMを用いた設計に対して報酬をもらえるようになるのでは。
4.意見交換のための具体例の提供・マニュアルやテンプレートなどの具体例を示すことで、もっとこうすればいい、
ここはこうしているといった実作業が改善するような意見交換ができればいい。
2.4 利用のメリット
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1.確認申請提出できる水準のテンプレートやツールが無償で利用可能
2.テンプレートやファミリを整備する専任者不要
3.中間ファイルとしてST-Bridge2.0を用いたインポートを開発予定
一貫構造計算ソフトによらず使用可能
2.5 お願い
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・使い勝手の悪い点、改善してほしい点があれば是非連絡ください。
・新しいファミリが必要な場合はご相談ください。
汎用的なものは順次取り入れて公開していきます。
・SBDTを利用したツールを開発・連携したいという方は是非連絡ください。
一緒により良いものを作っていきましょう。
2.6 SBDTの今後
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・ 近日公開予定のST-Bridge2.0に対応
ST-Bridge2.0対応後はSS3のcsv対応は廃止していく予定
・ 要望次第で、Revit2018や2019についてもリリース