高分解能 ICP-OES による希土類の測定 - Analytik...

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1. はじめに 希土類元素(REE)は地殻の大部分を構成し、様々な鉱物中に散在しています。現在では、ランタノイドやアクチノイドは高性 能磁石や電池だけでなく、電子産業、触媒、光学ディスプレーとしてもよく使用されているため、REEに対する高い要求があり ます。したがって、採掘現場、プロセス制御溶液(大部分が希土類酸化物(REO)で構成)や高純度REEのために、信頼できる微 量分析の方法が必要です。 REOREEを含む材料はICPでよく測定されます。しかし、プラズマの先端で形成されたREOや豊富なエミッションラインに よるスペクトル干渉はICP-MSやICP-OESによるREEの検出に大きく影響を与えます。 高分解能ICP発光分光分析装置 PlasmaQuant® PQ9000 Eliteの導 入により、アナリティクイエナ社は発光分析によるREEの分析 を新たなレベルへと引き上げました。シーケンシャルエシェル ダブルモノクロ分光器とCCD検出器により、スペクトル分解能 が約2倍になり、現在利用している光電子増倍管のみを利用し たICP-OESと比較してトータル分析時間を約半分にすることが できます。 高分解能 ICP-OES による希土類の測定 SPECIAL APPLICATION NOTE PlasmaQuant ® PQ 9000 Elite 1 Optics - V Shuttle Torch Eagle Eye Optics Dual View PLUS High Frequency

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1. はじめに希土類元素(REE)は地殻の大部分を構成し、様々な鉱物中に散在しています。現在では、ランタノイドやアクチノイドは高性能磁石や電池だけでなく、電子産業、触媒、光学ディスプレーとしてもよく使用されているため、REEに対する高い要求があります。したがって、採掘現場、プロセス制御溶液(大部分が希土類酸化物(REO)で構成)や高純度REEのために、信頼できる微量分析の方法が必要です。

REOやREEを含む材料はICPでよく測定されます。しかし、プラズマの先端で形成されたREOや豊富なエミッションラインによるスペクトル干渉はICP-MSやICP-OESによるREEの検出に大きく影響を与えます。高分解能ICP発光分光分析装置 PlasmaQuant® PQ9000 Eliteの導入により、アナリティクイエナ社は発光分析によるREEの分析を新たなレベルへと引き上げました。シーケンシャルエシェルダブルモノクロ分光器とCCD検出器により、スペクトル分解能が約2倍になり、現在利用している光電子増倍管のみを利用したICP-OESと比較してトータル分析時間を約半分にすることができます。

高分解能 ICP-OES による希土類の測定

SPECIAL APPLICATION NOTEPlasmaQuant® PQ 9000 Elite

1

Optics-

V Shuttle Torch Eagle Eye OpticsDual View PLUS High Frequency

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2. 測定 鉱物標準物質(GBW 07103)をPlasmaQuant® PQ 9000 と HF-Kitを用いて測定しました。サンプルは過酸化ナトリウム溶融により分解し、Ce, Dy, Er, Eu, La, Nd, Tb, Yb, Yを6g/L Na( 25% HCl )マトリックスマッチングした検量線で測定しました。測定条件と元素ごとの検量線範囲は表1、表2にそれぞれ示しました。

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SPECIAL APPLICATION NOTEPlasmaQuant® PQ 9000 Elite HR ICP-OES による希土類の測定

表 1 : HFキット使用時のPlasmaQuant ® PQ9000 測定条件

項目 設定

パワー 1300 W

プラズマガス流量 15 L/min

補助ガス流量 1.0 L/min

ネブライザーガス流量 0.5 L/min

ネブライザー パラレルパスネブライザー, PFA, 1.0 mL/min

チャンバー PTFEサイクロンスプレーチャンバー, 50mL

室温 20 °C

インジェクター アルミナ, 内径2mm

アウター/インナーチューブ サイアロン/アルミナ

ポンプチューブ PVC

サンプル流量 1.0 mL/min

洗浄/遅延時間 60秒

積算時間 3秒(3回)

プラズマビュー アキシャル

元素 Cal 0 Cal 1 Cal 2 Cal 3 Cal 4

Ce 0 0.1 0.2 0.5 1.0

Dy 0 0.1 0.2 0.5 1.0

Er 0 0.1 0.2 0.5 1.0

La 0 0.1 0.2 0.5 1.0

Nd 0 0.1 0.2 0.5 1.0

Yb 0 0.1 0.2 0.5 1.0

Y 0 0.1 0.2 0.5 1.0

表 2 : 元素ごとの検量線範囲 mg/L

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RSD値はほとんどの元素で2%以下なので、HR ICP-OESで得られた精度はREE-微量分析に最適だということが証明されました。さらに、リンス、遅延時間を含めたサンプル毎の全分析時間は120秒以下でした。

PlasmaQuant® PQ 9000 Eliteでは401.2nmのNd/Ce ピークが分離できています(図1)。14pmしか離れていないので従来の装置ではNd 401.225nmとCe 401.239nmはオーバーラップしてしまいます。Nd 401.225 nmはネオジムの最も感度の良い波長なので、微量分析に最適で非常に重要な波長です。

試薬はSigmaAldrich®社とMerck ®

SPECIAL APPLICATION NOTE PlasmaQuant® PQ 9000 EliteHR ICP-OES による希土類の測定

表 3 : PlasmaQuant® PQ 9000 EliteによるREE認証標準物質の測定条件

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図1: 1.0mg/L検量線標準液スペクトル Nd 401.225 nm(赤)、Ce 401.239 nm(黒)

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3. 結果REE認証標準物質(GBW 07103)の測定結果と認証値はほぼ一致を示し、元素の回収率は94~108%の範囲になりました(表3)。

HR ICP-OES 測定PlasmaQuant® PQ 90001 Elite

参考値ICP-MS2

元素/波長 CRM GBW 07103 [mg/kg]

平均[mg/kg]

RSD [%]

回収率[%]

平均[mg/kg]

回収率[%]

回収率[%]

Ce 108±7 112 0.4 103 93 1.0 86

Dy 10.2±0.4 10 1.0 100 9.9 3.7 97

Er 6.5±0.3 7 2.4 104 6 1.4 97

La 54±4 58 0.7 108 45 1.0 83

Nd 47±4 48 0.9 102 43 3.5 91

Yb 7.4±0.5 7 2.4 94 7 2.5 96

Y 62±5 66 0.1 106 60 2.0 97

1 内標は使用していません。2 分解したサンプルを受託分析機関で測定しました。

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